JP2006075369A - 体液採取具 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で、薄型の穿刺手段を備えた体液採取具を提供すること。
【解決手段】チップ1は、下面351から上面352へ貫通する開口31有する、板状の基部35と、基部35の下面351にその一端が片持支持された板バネ2と、該板バネ2の他端部の基部35側の面に、その先端が開口31を通過可能に形成された穿刺針5とからなる穿刺手段と、基部35の上面352で開口31の縁部に設けられた生体表面を当接する当て部8とを備えている。板バネ2は、自然状態で穿刺針5が基部35の下面351から離れて位置する第1の位置と、当て部8に当接された生体表面に向けて穿刺針5を移動するための力が蓄積される第2の位置と、穿刺針5が生体表面を穿刺する第3の位置とに変位可能である。
【選択図】図2
【解決手段】チップ1は、下面351から上面352へ貫通する開口31有する、板状の基部35と、基部35の下面351にその一端が片持支持された板バネ2と、該板バネ2の他端部の基部35側の面に、その先端が開口31を通過可能に形成された穿刺針5とからなる穿刺手段と、基部35の上面352で開口31の縁部に設けられた生体表面を当接する当て部8とを備えている。板バネ2は、自然状態で穿刺針5が基部35の下面351から離れて位置する第1の位置と、当て部8に当接された生体表面に向けて穿刺針5を移動するための力が蓄積される第2の位置と、穿刺針5が生体表面を穿刺する第3の位置とに変位可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、体液採取具に関する。
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。
血糖測定は、まず、針や刃先等により皮膚に小さな傷をつくり(皮膚を穿刺して)、その傷(穿刺部位)から血液を出させる。次に、この出血した血液を、例えば、血液中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙(試験部)に供給・展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)することにより、血糖値(血液中のブドウ糖量)を定量化する。このような測定を行う測定装置としては、例えば、特許文献1に記載された成分測定装置が知られている。
この成分測定装置は、穿刺針の駆動源としてコイルバネを有し、コイルバネの付勢力により、チップ(穿刺チップ)の穿刺針を皮膚(生体表面)の方向へ突出させるよう構成されている。さらに、突出した穿刺針を引き戻すための別のコイルバネも備えている。
しかしながら、このような成分測定装置では、穿刺針(チップ)を操作する(突出させる)のに、コイルバネが設置可能な箇所が限定(制限)される場合がある。従って、成分測定装置やチップの形状に制約を受ける、すなわち、成分測定装置やチップがその長手方向(穿刺方向)に長く(大きく)なる。このため、成分測定装置、チップの携帯性、取扱性が悪化する場合があるという問題があった。
本発明の目的は、構造が簡単で、薄型の穿刺手段を備えた体液採取具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 第1の面と、第2の面とを有し、前記第1の面から前記第2の面へ貫通する部分を一部に有する基板と、
前記基板の第1の面にその一端が片持支持された板バネと、該板バネの他端部の前記基板側の面に、その先端が前記貫通部分を通過可能に形成された穿刺針とからなる穿刺手段と、
前記基板の第2の面で前記貫通部分の縁部に設けられた生体表面を当接する当て部とを備え、
前記板バネは、自然状態で前記穿刺針が前記基板の第1の面から離れて位置する第1の位置と、前記当て部に当接された生体表面に向けて前記穿刺針を移動するための力が蓄積される第2の位置と、前記穿刺針が生体表面を穿刺する第3の位置とに変位可能であることを特徴とする体液採取具。
(1) 第1の面と、第2の面とを有し、前記第1の面から前記第2の面へ貫通する部分を一部に有する基板と、
前記基板の第1の面にその一端が片持支持された板バネと、該板バネの他端部の前記基板側の面に、その先端が前記貫通部分を通過可能に形成された穿刺針とからなる穿刺手段と、
前記基板の第2の面で前記貫通部分の縁部に設けられた生体表面を当接する当て部とを備え、
前記板バネは、自然状態で前記穿刺針が前記基板の第1の面から離れて位置する第1の位置と、前記当て部に当接された生体表面に向けて前記穿刺針を移動するための力が蓄積される第2の位置と、前記穿刺針が生体表面を穿刺する第3の位置とに変位可能であることを特徴とする体液採取具。
(2) 前記穿刺針による生体表面の穿刺部位から出た体液を吸収・保持し、該吸収・保持された体液中の所定成分を検出する検出部を前記基板の第1の面に備え、
前記板バネは、前記第1の位置、前記第2の位置および前記第3の位置で、前記検出部を回避するように形成されている 上記(1)に記載の体液採取具。
前記板バネは、前記第1の位置、前記第2の位置および前記第3の位置で、前記検出部を回避するように形成されている 上記(1)に記載の体液採取具。
(3) 前記板バネは、前記検出部の両側に位置する2つのアーム部と、前記両アーム部を連結する小片とで構成されている 上記(2)に記載の体液採取具。
(4) 前記板バネの2つのアーム部と小片とは、前記検出部を囲む位置にあり、かつ、前記板バネが変位しても該検出部と接触しない位置にある 上記(3)に記載の体液採取具。
(5) 前記生体表面を穿刺する際の前記穿刺針の穿刺深さを規制する規制手段を備えた 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の体液採取具。
(6) 前記第1の位置に位置する前記板バネを前記第2の位置まで変位させるための操作を行う操作部を備えた 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の体液採取具。
(7) 前記体液採取具が前記基板の側端から伸長した側壁部を有し、
前記側壁部には、前記板バネが前記第2の位置に位置していることを示す指標が付されている 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の体液採取具。
前記側壁部には、前記板バネが前記第2の位置に位置していることを示す指標が付されている 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の体液採取具。
(8) 前記当て部は、前記穿刺針により生体表面が穿刺された後、その穿刺部位より外周の生体表面を変形させるように変位する 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の体液採取具。
(9) 前記当て部の生体表面に対する当接面は、前記当て部が変位したとき、生体表面に対して滑り止め機能を発揮するように形成されている 上記(8)に記載の体液採取具。
(10) 前記当て部の生体表面に対する当接面は、生体表面に対して滑り難い形状をなしている 上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の体液採取具。
(11) 前記当て部の生体表面に対する当接面は、柔軟性を有する 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の体液採取具。
本発明によれば、穿刺針を移動させる手段が板バネによって構成されているため、体液採取具を薄型とすることができる。
また、同様の構成により、体液採取具を簡単な構造とすることができる。
また、同様の構成により、体液採取具を簡単な構造とすることができる。
以下、本発明の体液採取具の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の体液採取具(第1の位置)を示す斜視図、図2〜図5は、それぞれ、図1に示す体液採取具の概略縦断面図、図6は、図1に示す体液採取具の平面図、図7は、図1に示す体液採取具の下面図である。
図1は、本発明の体液採取具(第1の位置)を示す斜視図、図2〜図5は、それぞれ、図1に示す体液採取具の概略縦断面図、図6は、図1に示す体液採取具の平面図、図7は、図1に示す体液採取具の下面図である。
なお、以下では、図1〜図4中、上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」として説明する。また、以下では、図1〜図7中、左側を「左」または「左方」、右側を「右」または「右方」として説明する。
チップ(体液採取具)1において、生体表面(表皮)の体液の採取に関与する部位(体液採取部位)は、好ましくは指であるが、この他、例えば、手(手の平、手の甲、手の側部)、腕、大腿、耳たぶ等であってもよい。
以下では、体液として血液を、所定成分としてブドウ糖を、体液採取部位(穿刺部位)として指先(指)を、それぞれ代表に説明する。
図2に示すように、チップ1は、板バネ2と、操作部4と、ハウジング3と、穿刺針5と、検出部7と、当て部8とを有している。以下、各構成要素について、順次説明する。
図7に示すように、板バネ2は、2つのアーム部21と、小片22とで構成されている。
各アーム部21は、その形状が長尺状(帯状)をなしている。
各アーム部21は、その形状が長尺状(帯状)をなしている。
小片22は、その形状が短冊状をなしている。この小片22は、平行に設けられた両アーム部21の一端部同士を連結している。すなわち、板バネ2は、その形状が「コ」の字状をなしている(図7参照)。
なお、板バネ2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、各種金属材料や各種プラスチック(樹脂材料)等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、板バネ2の小片22の上面221、すなわち、板バネ2の右側(他端部)には、穿刺針5が設けられている。この穿刺針5は、板バネ2の板厚方向(上側)に突出している。
図2に示すように、穿刺針5は、その先端部に鋭利な針先(刃先)511を有している。この針先511により、生体表面である指先100の表面(皮膚)を穿刺して、穿刺部位から血液(体液)200を出させる(採取する)。
また、穿刺針5は、中空針であってもよいが、中実針であるのがより好ましい。これにより、より細径の穿刺針5とすることができる。その結果、皮膚の穿刺に際して、患者の苦痛をより低減することができる。
また、穿刺針5の長さは、特に限定されないが、例えば0.1〜5mmが好ましく、0.3〜3mmがより好ましい。
図1、図2および図7に示すように、ハウジング3は、板状の基部(基板)35と、2つの側部(側壁部)36とを有している。
各側部36は、基部35の両側にそれぞれ、基部35の長手方向に沿って、延在している。これら基部35および両側部36で囲まれた空間により、内腔部33が形成されている。
基部35の一端側(右側)には、内腔部33が開放する開口31、すなわち、下面から上面へ貫通する部分が形成されている。穿刺針5(少なくとも針先511)は、開口31を通過して、ハウジング3の基部35から突出する(図4参照)。
また、内腔部33内には、穿刺針5が設置された板バネ2が設けられ(収納され)ている(図2参照)。
板バネ2(アーム部21)は、その左側(一端)において、ハウジング3の基部35の下面(第1の面)351に設けられた固定部37に片持支持(固定)されている。これにより、板バネ2は、その左側が固定端となり、右側が可動端となる。
このように設けられた板バネ2は、3つの位置(第1の位置、第2の位置および第3の位置)に変位することができる。
第1の位置では、板バネ2が自然状態(外力が付されていない状態)で、穿刺針5がハウジング3(内腔部33)内に位置している(図2参照)。
また、第2の位置では、板バネ2の前記可動端側(右側)を下方に押圧(移動)して、指先100に向けて穿刺針5を移動するための力(以下、「移動力」という)が、板バネ2に蓄積される(図3参照)。
また、第3の位置では、移動力により、穿刺針5が上方(指先100方向)に移動(変位)して、指先100を穿刺する(図4参照)。
また、この第3の位置では、板バネ2(アーム部21)の上面211が、ハウジング3(基部35)の下面351に当接する。これにより、指先100における穿刺針5の穿刺深さを規制することができる、すなわち、穿刺針5が指先100に過剰に深く穿刺するのを防止することができる。このように、板バネ2の上面211と、ハウジング3の下面351とは、前記穿刺深さを規制する規制手段として機能している。
その後、板バネ2は、第1の位置に自然復帰し、穿刺針5が指先100から外れる。
その後、板バネ2は、第1の位置に自然復帰し、穿刺針5が指先100から外れる。
このような構成のチップ1(板バネ2)により、穿刺針5を穿刺(移動)させる手段が板バネ2によって構成されているため、穿刺手段を備えたチップ1を薄型とすることができる。
また、チップ1を薄型とすることによって、穿刺針5のストローク(移動距離)を小さくしても、指先100を穿刺することができる。
また、同様に、穿刺針5を穿刺(移動)させる手段が板バネ2によって構成されているため、穿刺手段を有するチップ1を簡単な構造とすることができ、よって、例えば、チップ1を構成する部品点数を少なくすることができる。また、成分測定装置に穿刺手段を設ける必要がないので、該装置を小さくすることができる。
図3に示すように、板バネ2の可動端側には、操作部4が設けられている。操作部4は、円板状の円板状部(被押圧部)41と、円板状部と板バネ2とを連結する連結部42とで構成されている。
円板状部41を下方(図3中の矢印方向)に押圧することにより、第1の位置に位置する板バネ2を第2の位置まで変位させることができる。すなわち、円板状部41を下方に押圧することにより、板バネ2に移動力を蓄積させることができる。
このように、操作部4を設けたことにより、板バネ2を第1の位置から第2の位置へ容易に(確実に)変位させる(操作する)ことができる。
また、図7に示すように、操作部4は、板バネ2に一体的に設けられているのが好ましい。これにより、操作部4を別部材として設けるのが省略され、チップ1を構成する部品点数を少なくすることができる。
図3に示すように、ハウジング3の側部36には、その操作部4側に切欠き361が形成されている。
この切欠き361は、板バネ2が第2の位置に位置していることを示す指標として機能している。すなわち、操作部4の円板状部41を押圧して、連結部42の上面421が切欠き361の下部に移動すると、板バネ2が第2の位置に位置していることが確認される。これにより、板バネ2に確実に移動力を蓄えることができる。
また、例えば、円板状部41を押圧したとしても、板バネ2が第2の位置に位置していない、すなわち、板バネ2が第2の位置より上方に位置している場合がある。このとき、円板状部41における押圧を解除しても、板バネ2に移動力が十分に蓄積されていないため、指先100が穿刺針5により穿刺されないおそれがある。従って、再度、円板状部41を押圧して、穿刺を行うことができる。
また、円板状部41を強く押圧した場合、板バネ2が第2の位置より下方に位置することとなる。この状態で、円板状部41における押圧を解除すると、板バネ2が勢いよく第3の位置へ変位する。しかし、規制手段によって、穿刺針5の突出量は、規制されているので、指先100を深く穿刺し過ぎることははい。ただし、穿刺針5が勢いよく指先100を穿刺するため、チップ1の使用者(患者)は、穿刺による恐怖感を抱くようになるおそれがある。
従って、以上ような穿刺の不足および穿刺による恐怖感を解消するためにも、切欠き361のような指標を設けるのが好ましい。
なお、指標としては、切欠きに限定されず、例えば、ハウジング3の側部36に突起を設けたり、バネ位置を示すスケールを印刷で施したもの(マーキング)等であってもよい。
図2に示すように、ハウジング3の基部35の下面351には、検出部7が設けられている。この検出部7は、下面351に設けられた固定部37および38により、固定されている。
検出部7は、穿刺針5(針先511)の穿刺により指先100から出た血液(体液)200を吸収・保持し、当該吸収・保持された血液200中のブドウ糖(所定成分)を検出する部位である。この検出部7は、試験紙73と、該試験紙73を保持する保持部76とを有している。
図6に示すように、試験紙73は、開口31に露出している。穿刺針5の穿刺により指先100から流出した血液200は、開口31を通過して(介して)、試験紙73に到達する(図5参照)。その後、血液200が試験紙73に担持された試薬と反応して、この血液200中のブドウ糖が検出される。
試験紙73は、血液200中のブドウ糖を検出(反応)し得るものであり、例えば、血液200を吸収可能な担体(吸収体)に、試薬(発色試薬)を担持(含浸)してなるものである。このような、簡単な構成で試験紙73を作製することができ、また、検出部7に試験紙73を容易に設置することができる。
また、この担体は、好ましくは多孔性膜で構成されている。この場合、多孔性膜は、血液200中の赤血球を濾過できる程度の孔径を有するものが好ましい。
多孔性膜の担体の構成材料としては、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類、ポリスルホン類またはセルロース類等が挙げられるが、試薬を溶解した水溶液を含浸させたり、血液200の採取時には血球を濾過するため、親水性を有する材料または、親水化処理されたものが好ましい。
また、試験紙73の担体は、単層のシートで構成してもよく、複数枚のシートを積層した多層構造であってもよい。
担体(多孔性膜)に含浸する試薬としては、血糖値測定用の場合、グルコースオキシダーゼ(GOD)と、ペルオキシダーゼ(POD)と、例えば4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試薬)とが挙げられる。その他、測定成分に応じて、GODの代わり、またはGODとPODとの代わりに、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ等の酵素を選択することができ、適宜選択された発色剤(発色試薬)とを組み合わせて使用される。また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含まれていてもよい。なお、試薬の種類、成分については、これらに限定されないことは言うまでもない。
図7に示すように、検出部7(保持部76)は、その形状がほぼ長尺状をなしている。この検出部7の両側には、板バネ2の2つアーム部21がそれぞれ位置し、各端部は、小片22によって連結している。すなわち、板バネ2は、検出部7を囲むように(回避するように)設けられて(形成されて)いる。
板バネ2がこのように形成されていることにより、板バネ2の移動(変位)に伴って、第1の位置、第2の位置および第3の位置で、板バネ2(2つのアーム部21と小片22と)が検出部7に干渉する(接触する)のが確実に防止される。
なお、検出部7がブドウ糖を検出する方式としては、特に限定されず、例えば、電極式による検出、光学式による検出等が挙げられる。
図1(図6も同様)に示すように、当て部8は、基部35の上面352に設けられている。この当て部8は、形状がリング状の本体85と、本体85と同心的に設けられたパッド84とを有している。
図2に示すように、当て部8(本体85)は、その中心とハウジング3の開口31の中心とがほぼ一致するように、開口31の縁部に設けられている。この当て部8は、チップ1が指先100から血液200を採取するときに、この指先100に当接しつつ、穿刺針5の中心軸回りに回転(変位)する部位である。
このように、当て部8がリング状をなしていることにより、当て部8(チップ1)が指先100に対して円滑に(スムーズに)回転することができる。
また、図2に示すように、本体85(当て部8)の下面81には、その周方向に沿って(リング状の)凹部82が形成されている。凹部82には、ハウジング3(基部35)の上面(第2の面)352にリング状に突出形成された爪部34が係合する。これにより、当て部8がハウジング3に対して回転可能に装着(連結)される。
本体85の上面には、形状がリング状のパッド84が固着(設置)されている。このパッド84の表面、すなわち、指先100に当接する当接面83は、その内周部(内側)よりも外周部(外側)が上方に突出するように傾斜している。換言すれば、当て部8の当接面83は、すり鉢状をなしている。これにより、当接面83(当て部8)と指先100との接触面積を大きくし、当接面83と指先100との摩擦力が増大することによって、滑り止め効果が大きくなる。すなわち、当接面83と指先100とが確実に当接することができ、よって、当て部8(当接面83)が回転した際、穿刺針5の穿刺による傷口(穿刺部位)より外周の部位(生体表面)を確実に変形させて、その傷口を確実に開くことができる。従って、前記傷口から血液200が確実に出ることとなり、その血液200をより確実に採取することができる。
なお、穿刺針5の中心軸に対する当接面83の傾斜角度(図2中のθで示す角度)は、特に限定されないが、例えば、30〜90度であるのが好ましく、60〜80度であるのがより好ましい。これにより、当接面83と指先100とがより確実に当接することができる。
パッド84(当接面83)は、指先100に対して柔軟性を有する材料で構成されているのが好ましい。これにより、当て部8を指先100に宛がった際、当接面83が指先100の表面の形状にならうこととなり、当て部8と指先100との接触面積を大きくすることができる。従って、当接面83の指先100に対する滑り止め機能が増大する。
なお、この柔軟性を有する(パッド84を構成する)材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、図6に示すように、当接面83には、微小な凹凸、すなわち、複数の溝831が形成されている。これらの溝831は、それぞれ波形をなしており、互いにほぼ等間隔に設けられている。当接面83が指先100に対して滑り難い(滑り止め機能を発揮する)形状をなしているため、当て部8が回転した際、当接面83と指先100とが密着した状態で穿刺部位を確実に変形させることができ、よって、穿刺部位からより確実に血液200を出す(採取する)ことができる。
なお、当接面83が指先100に対して滑り止め機能を発揮する方法(手段)としては、当接面83が指先100に対して滑り難い形状をなすように形成されているのに限定されず、例えば、当接面83が指先100に対して滑り難い材料で構成されていてもよい。このような材料としては、特に限定されないが、例えば、パッド84で挙げたような材料を用いることができる。
また、本体85の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、パッド84で挙げたような材料、各種金属材料、各種プラスチック(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、各種ガラス材料等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、当て部8(本体85)とハウジング3との連結方法は、係合によるのに限定されず、例えば、嵌合等であってもよい。
次に、チップ1を用いて、指先100から血液200を採取する方法(血液採取方法(体液採取方法))について、図2〜図5を参照して説明する。
まず、図2に示すように、当て部8に指先100を宛がう、すなわち、パッド84(当接面83)に指先100を当接させる。
次に、図2に示す状態から、操作部4の円板状部41を下方に押圧して、板バネ2を第2の位置に移動(変位)させる(図3参照)。このとき、操作部4の連結部42が切欠き361の下部に位置しているのを確認するのが好ましい。
次に、円板状部41の押圧を解除する。これにより、板バネ2は、第2の位置から第3の位置へ移動する(図4参照)。そして、ハウジング3の開口から突出した穿刺針5により、指先100が穿刺され、この指先100に傷が生じる。このとき、板バネ2の第3の位置への移動は、一瞬であり、指先100を穿刺した後、直ちに基部35の下面351から離れて、第1の位置へ戻る(図5参照)。
次に、当て部8を指先100に当接しつつ、穿刺針5の中心軸回りに回転させる。なお、この回転は、時計回りの回転、反時計回りの回転、時計回りと反時計回りとを交互に行う回転のいずれの回転であってもよい。
当て部8の回転により、傷口付近がねじられる(変形する)こととなり、当該傷口が開いて、血液200が絞り出される(採取される)。
次に、血液200は、ハウジング3の開口31を通過して、試験紙73に到達する。その後、この血液200中のブドウ糖が試験紙73で検出される。
このように、チップ1では、当て部8を回転させて穿刺部位付近を変形させることによって、指先100の穿刺部位から血液200を確実に採取することができる。
以上、本発明の体液採取具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、体液採取具の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものに置換することができる。
また、板バネは、図示のようにハウジングの長手方向に対して傾斜するように設けられているのに限定されず、例えば、ハウジングの長手方向とほぼ平行となるように設けられていてもよい。
また、操作部の操作は、手動で行われるが、例えば、電動、バネ、超音波、油圧、水圧などの駆動で行われてもよい。
また、当て部の回転(変位)動作は、手動で行われるが、例えば、電動、バネ、超音波、油圧、水圧などの駆動で行われてもよい。なお、手動で回転する場合は、当て部につまみを設けることができる。
また、チップは、当て部が回転するよう構成されているのに限定されず、例えば、当て部が穿刺部位付近を往復するよう構成されていてもよし、当て部が超音波で穿刺部位付近を振動させるよう構成されていてもよい。
また、当て部の当接面は、傾斜するように形成されているのに限定されず、例えば、湾曲するように形成されていてもよいし、穿刺方向(穿刺針の中心軸)に対してほぼ垂直に形成されていてもよい。
また、パッドは、当て部の本体に固定(固着)されているのに限定されず、本体に対して着脱自在に設置されていてもよい。
また、パッドに形成された溝の形状は、波形であるのに限定されず、例えば、長尺状、放射状、同心円状、ドット状であってもよい。
また、採取する体液は、血液を代表として説明したが、本発明では、採取する体液は、これに限らず、例えば、汗、リンパ液、間質液等であってもよい。
また、測定目的とする成分(所定成分)は、ブドウ糖を代表として説明したが、測定目的の成分は、これに限らず、例えば、タンパク、コレステロール、尿酸、クレアチニン、糖化ヘモグロビン、ケトン体、ビリルビン、ホルモン、アルコール等の有機化合物、アンモニア、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素、リン酸、炭酸、pH等の無機イオン等であってもよい。
1 チップ
2 板バネ
21 アーム部
211 上面
22 小片
221 上面
3 ハウジング
31 開口
33 内腔部
34 爪部
35 基部(基板)
351 下面
352 上面
36 側部(側壁部)
361 切欠き
37、38 固定部
4 操作部
41 円板状部(被押圧部)
42 連結部
421 上面
5 穿刺針
511 針先
7 検出部
73 試験紙
76 保持部
8 当て部
81 下面
82 凹部
83 当接面
831 溝
84 パッド
85 本体
100 指先
200 血液
2 板バネ
21 アーム部
211 上面
22 小片
221 上面
3 ハウジング
31 開口
33 内腔部
34 爪部
35 基部(基板)
351 下面
352 上面
36 側部(側壁部)
361 切欠き
37、38 固定部
4 操作部
41 円板状部(被押圧部)
42 連結部
421 上面
5 穿刺針
511 針先
7 検出部
73 試験紙
76 保持部
8 当て部
81 下面
82 凹部
83 当接面
831 溝
84 パッド
85 本体
100 指先
200 血液
Claims (11)
- 第1の面と、第2の面とを有し、前記第1の面から前記第2の面へ貫通する部分を一部に有する基板と、
前記基板の第1の面にその一端が片持支持された板バネと、該板バネの他端部の前記基板側の面に、その先端が前記貫通部分を通過可能に形成された穿刺針とからなる穿刺手段と、
前記基板の第2の面で前記貫通部分の縁部に設けられた生体表面を当接する当て部とを備え、
前記板バネは、自然状態で前記穿刺針が前記基板の第1の面から離れて位置する第1の位置と、前記当て部に当接された生体表面に向けて前記穿刺針を移動するための力が蓄積される第2の位置と、前記穿刺針が生体表面を穿刺する第3の位置とに変位可能であることを特徴とする体液採取具。 - 前記穿刺針による生体表面の穿刺部位から出た体液を吸収・保持し、該吸収・保持された体液中の所定成分を検出する検出部を前記基板の第1の面に備え、
前記板バネは、前記第1の位置、前記第2の位置および前記第3の位置で、前記検出部を回避するように形成されている請求項1に記載の体液採取具。 - 前記板バネは、前記検出部の両側に位置する2つのアーム部と、前記両アーム部を連結する小片とで構成されている請求項2に記載の体液採取具。
- 前記板バネの2つのアーム部と小片とは、前記検出部を囲む位置にあり、かつ、前記板バネが変位しても該検出部と接触しない位置にある請求項3に記載の体液採取具。
- 前記生体表面を穿刺する際の前記穿刺針の穿刺深さを規制する規制手段を備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の体液採取具。
- 前記第1の位置に位置する前記板バネを前記第2の位置まで変位させるための操作を行う操作部を備えた請求項1ないし5のいずれかに記載の体液採取具。
- 前記体液採取具が前記基板の側端から伸長した側壁部を有し、
前記側壁部には、前記板バネが前記第2の位置に位置していることを示す指標が付されている請求項1ないし6のいずれかに記載の体液採取具。 - 前記当て部は、前記穿刺針により生体表面が穿刺された後、その穿刺部位より外周の生体表面を変形させるように変位する請求項1ないし7のいずれかに記載の体液採取具。
- 前記当て部の生体表面に対する当接面は、前記当て部が変位したとき、生体表面に対して滑り止め機能を発揮するように形成されている請求項8に記載の体液採取具。
- 前記当て部の生体表面に対する当接面は、生体表面に対して滑り難い形状をなしている請求項1ないし9のいずれかに記載の体液採取具。
- 前記当て部の生体表面に対する当接面は、柔軟性を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の体液採取具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004263078A JP2006075369A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 体液採取具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004263078A JP2006075369A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 体液採取具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006075369A true JP2006075369A (ja) | 2006-03-23 |
Family
ID=36155309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004263078A Pending JP2006075369A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 体液採取具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006075369A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009104765A1 (ja) * | 2008-02-21 | 2009-08-27 | テルモ株式会社 | 針穿刺痛低減機構付き穿刺具および針穿刺痛低減器具 |
WO2009139134A1 (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-19 | パナソニック株式会社 | 皮膚切開器具およびそれによって皮膚を切開する方法 |
WO2016079770A1 (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-26 | 昭男 武藤 | バイオチップを備えた血液検査用プレート |
-
2004
- 2004-09-09 JP JP2004263078A patent/JP2006075369A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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