JP4894038B2 - バイオセンサカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、検体を穿刺して試料を採取し、バイオセンサチップの中空反応部に収容した試薬を用いて試料の測定や分析を行うバイオセンサカートリッジに関するものである。
従来より、血液等の生体試料中の特性成分を分析するために、穿刺用の針で検体を穿刺して、試料を採取する技術が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
図8に示すように、特許文献1に記載の体液採取装置100は、蛇腹部101を有するスポイト状の体液採取容器102と、その体液採取容器102内に収納された穿刺針103と、同様に体液採取容器102内に収納された電極部104およびその電極部104に連結されたリード線105を有している。穿刺針103の後端部は、体液採取容器102の後部102aに固着されており、スポイト状の体液採取容器102の先端方向に向かって設けられている。スポイト状の体液採取容器102の先端部102bは中空管状になっており、電極部104はその中空管の中に固定されている。電極部104に連結されたリード線105の後端部は、体液採取容器102の後部102aにおいて接点105aを形成している。
従って、体液の採取時には、まず蛇腹部101を先端方向へ圧縮して、穿刺針103を体液採取容器102の先端から突出させて穿刺し、穿刺と同時または穿刺の直後に、蛇腹部101を自己の復元力によって復元させるか、あるいは外部から力を加えて伸展させる。これにより、体液採取容器102の内部は減圧状態になるので、穿刺によって形成された穿刺口から流出した体液が吸引されて、電極部104に接触する。同時に、穿刺針103は体液採取容器102内部に収納される。
また、図9(a)および(b)に示すように、特許文献2に記載のバイオセンサ110は、絶縁性基板111と、この絶縁性基板111の上面に形成された電極112と、この電極112の上面に形成される試薬層113と、この試薬層113が露出する内部空間114を形成するように試薬層113を覆う内部空間形成部115を有している。内部空間114の先端には、内部空間114へ試料を供給するための試料導入口116が設けられており、内部空間114は試料導入口116のみを介して外部と通じている。内部空間形成部115には負圧発生手段117が設けられており、負圧発生手段117によって内部空間114に負圧を発生できるようになっている。
特許文献2に記載のバイオセンサ110を用いて試料を採取する方法は以下の通りである。すなわち、図8(a)に示す状態でバイオセンサ110の負圧発生手段117を押圧し、内部空間114の体積を減少させ、図8(b)に示す状態にする。穿刺器によって穿刺し、押圧力を解放して図8(a)に示す状態に戻すことにより、内部空間114に負圧を発生させ、試料導入口116から試料を吸引して電極112の上に設けられている試薬層113と反応させるようになっている。
特開平9−108202号公報(図8) 特開2000−121591号公報(図9)
ところで、従来、試料の分析を正確に行うためには、ある程度の量の試料を採取する必要があったため、生活習慣病検査のように頻繁に検査を行うために試料の採取を行う使用者にとっては、負担が大きかったという問題がある。このため、ごく少量の試料で分析を行うことができるバイオセンサチップを安価で製造することが望まれていた。
しかしながら、特許文献1に記載の体液採取装置100は、蛇腹部101の内部に穿刺針103および電極部104を含んだものであり、センサチップ形態のものではないので、分析のために採取する試料の量が多くなるという問題は解決できずにいた。
また、特許文献2に記載のバイオセンサ110では、センサチップの形態をとっているが、チップ自体を気密化しなければ微小の試料を確実に採取することが困難であり、製造が面倒であるとともに、コストアップを招くという不都合がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、微量な試料を確実に採取して分析することにより使用者の負担を軽減するとともに安価で製造することができるバイオセンサチップを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るバイオセンサカートリッジの第1の特徴は、先端に試料を採取する試料採取口を有するバイオセンサチップと、前記バイオセンサチップの一部に固定され先端が突出した穿刺用器具とを有するバイオセンサカートリッジであって、前記バイオセンサチップの先端に設けられた試料採取口と前記穿刺用器具によって被検体に形成される穿刺口とを内包して密閉空間を形成する弾性体を、前記バイオセンサチップの先端に設け、前記バイオセンサチップを内包すると共に、前記弾性体に密着し、前記試料採取口を介してのみ外部に開口した密閉部材を設け、かつ前記密閉部材が、変形可能であることにある。
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、バイオセンサチップを内包すると共に試料採取口を介してのみ外部に開口した密閉部材を設けたので、密閉部材の内部空間の容積を減ずるように変形させた後、密閉部材を解放すると、その復元力により元の形状に戻ろうとする。この際、密閉部材内部には負圧が発生し、唯一外部に開口している試料採取口から外気を吸引するので、バイオセンサチップの先端に設けられた弾性体を圧縮して、バイオセンサチップの先端から突出している穿刺用器具によって穿刺した後、同じくチップ本体の先端に設けられている試料採取口から試料を吸引して中空反応部へ導入する。このため、少量の試料でも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、現在用いられているのと同様なバイオセンサチップの外側に密閉部材を設けることにより製造できるので、容易且つ安価に製造することができる。
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの第2の特徴は、上記本発明の第1の特徴において、前記密閉部材と前記弾性体が一体化していることにある。
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、密閉部材と弾性体の間から、空気が漏れるのを防ぐことができ、確実に試料を採取することができる。また、容易且つ安価に製造することができる。なお、密閉部材と弾性体が同一の素材で構成される必要はないが、同一の素材から構成されていると、より密閉性が高まるため好ましい。
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの第3の特徴は、先端に試料を採取する試料採取口を有するバイオセンサチップと、前記バイオセンサチップの一部に固定され先端が突出した穿刺用器具とを有するバイオセンサカートリッジであって、前記バイオセンサチップの先端に設けられた試料採取口と前記穿刺用器具によって被検体に形成される穿刺口とを内包して密閉空間を形成する弾性体を、前記バイオセンサチップの先端に設け、
前記バイオセンサカートリッジおよび前記弾性体が変形可能な密閉部材に覆われたことである。
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、バイオセンサカートリッジおよび弾性体が変形可能な密閉部材に覆われていることから、密閉部材内の内部空間を減圧して真空状態とし、密閉部材に封をすることにより、バイオセンサカートリッジを外気に触れさせることなく、使用時まで保存することが可能であり、使用者は清潔なバイオセンサカートリッジを使用することができる。使用時には、穿使用器具で密閉部材を貫通することにより、密閉部材内の内部空間の減圧が開放される。このとき、ほぼ同時に穿刺された披検体の穿刺口から流出した試料は、密閉空間の減圧が開放され、負圧になったことに伴い、バイオセンサチップの試料採取口から吸入される。
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの第4の特徴は、上記本発明の第1から第3のいずれかの特徴に記載のバイオセンサカートリッジにおいて、前記密閉部材の穿刺用器具側の端部に断面を有し、他方の端部は閉じられた形状であることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、穿刺用器具側の端部は断面なので、チップ本体から突出している穿刺用器具および試料採取口を設けるのに適している。また、他方の端部は閉じられているので、チップ本体に設けられている検出用電極を突出して密閉するとともに、この検出用電極を接続して分析や測定を行う測定器に接続するのに適している。さらに、このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、密閉部材が、一方の端部は断面であり他方の端部は閉じられた形状をしているので、他方の端部から一方の端部の方向へ押圧することにより、効率よく、容易に内部空間の容積を減ずるように変形させることができる。
また、本発明の第5の特徴は、上記本発明の第1から第4のいずれかの特徴に記載のバイオセンサカートリッジを用いた試料の採取方法であって、前記密閉部材をその内部空間の容積を減ずる方向に変形させ、前記穿刺用器具により検体を穿刺した後、前記密閉部材を変形させている外力を取り除き、復元力で前記密閉部材を元の形状に復元させることにより前記中空反応部内に負圧を発生させて、前記試料採取口から試料を吸引・採取する試料の採取方法にある。
このように構成された試料の採取方法においては、密閉部材を変形させて内部空間の容積を減じた状態で、チップ本体の先端に設けられている穿刺用器具により検体を穿刺した後、密閉部材を変形させている外力を取り除いてその復元力で密閉部材を元の形状に復元させるので、中空反応部内に負圧が発生する。このため、中空反応部の先端に設けられて唯一外部に開口している試料採取口から試料を吸引・採取して中空反応部へ導入する。このため、少量の試料でも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。
また、本発明の第6の特徴は、上記本発明の第3または第4の特徴に記載のバイオセンサカートリッジを用いた試料の採取方法であって、あらかじめ前記密閉部材の内部空間を減圧しておき、前記穿刺用器具が前記密閉部材を貫通すると共に披検体を穿刺し、前記密閉部材の減圧が開放された復元力で前記密閉部材を元の形状に復元させることにより前記中空反応部内に負圧を発生させて、前記試料採取口から試料を吸引および採取することを特徴とする。
このように構成された試料の採取方法においては、あらかじめ密閉部材の内部空間を減圧しておくことによって、穿使用器具が密閉部材を貫通すると密閉部材内が負圧になり、バイオセンサチップ内の中空反応部も負圧になる。この際、同時に穿刺された披検体の穿刺口から流出した試料が負圧になった、バイオセンサチップ内の中空反応部に吸引・採取されることとなり、少量の試料でも確実にすばやく採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。
本発明によれば、バイオセンサチップを内包すると共に試料採取口を介してのみ外部に開口した密閉部材を設けたので、密閉部材の内部空間の容積を減ずるように変形させた後、密閉部材を解放すると、密閉部材内部に負圧が発生し、試料採取口から試料を吸引して中空反応部へ導入する。このため、少量の試料でも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、現在用いられているのと同様なバイオセンサチップの外側に密閉部材を設けることにより製造できるので、容易且つ安価に製造することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明のバイオセンサカートリッジに係る第1実施形態を示す斜視図、図2(A)は密閉部材の正面図、図2(B)は図2(A)中B方向から見た側面図、図2(C)は図2(A)中C方向から見た側面図、図3(A)は図3(B)中A−A位置の断面図、図3(B)は図3(A)中B−B位置の断面図、図3(C)は図3(A)中C方向から見た側面図、図4(A)は密閉部材を平らにする器具の一例を示す側面図、図4(B)は密閉部材を平らにする器具の平面図、図5(A)〜(E)は試料採取法を示す工程図、図6はバイオセンサ装置の構成図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るバイオセンサカートリッジ10は、穿刺用器具12と、穿刺用器具12が先端11aから突出して設けられたバイオセンサチップ11とを有し、11が、図1には示さないが、先端に試料を採取するための試料採取口14を有するとともに、内部に採取した試料と試薬15とが反応する中空反応部13とを有している。そして、バイオセンサチップ11を内包すると共に、試料採取口14を介してのみ外部に開口した密閉部材20を設けたものであり、この密閉部材20は、内部空間の容積を減ずる方向および復元する方向に変形可能となっている。
本発明において、穿刺用器具とは、針、ランセット針、カニューレ等であり、生分解性の材料からなることが好ましい。
図3(A)〜(C)に示すように、チップ本体11は、互いに対向する2枚の基板16a、16bと、この2枚の基板16a、16b間に挟装されるスペーサ層17とを積層状態で有している。2枚の基板16a、16bの少なくとも1枚の基板16aのスペーサ層17側の表面には、検知用電極18a、18bが設けられており、先端部(図3(A)において下端部)は互いに対向する方向へL字状に曲げられて、所定間隔を保持している。チップ本体11の先端11aから、2つの検知用電極18a、18bが対向している部分にかけて、2枚の基板16a、16b及びスペーサ層17により中空反応部13が形成されている。この中空反応部13の先端に、検体M(図5参照)に穿刺用器具12を穿刺して採取した試料R(図5(E)参照)を中空反応部13に導入する試料採取口14が設けられている。なお、中空反応部13の後端部(図3(A)において上端部)付近における基板16a、16bの少なくとも一方には、中空反応部13と基板16a、16bの外側とを連通させる貫通穴16cが設けられている。
すなわち、中空反応部13は、上下両面を基板16a、16bおよび検知用電極18a、18bにより形成され、所定の形状に切りかかれたスペーサ層17を側壁として矩形状の空間が形成されている。このため、中空反応部13においては、検知用電極18a、18bは露出しており、中空反応部13における検知用電極18a、18bの直上或いは近傍に、例えば酵素とメディエータを固定化し血液R中のグルコースと反応して電流を発生する試薬15が設けられている。従って、中空反応部13は、試料採取口14から採取入された試料Rが、試薬15と生化学反応する部分となる。
また、図3(C)に示すように、チップ本体11の後端部11bでは、検知用電極18a、18bが設けられている基板16aが、スペーサ層17および他方の基板16bよりも突出して設けられている。
試薬15としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、コレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ等の酵素と電子受容体が例示される。例えば、血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサチップの場合は、この部分に、グルコースオキシダーゼ層やグルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物層等が形成される。グルコースオキシダーゼ以外の酵素、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用い、これらの層が形成される場合もある。又、添加剤として緩衝剤や親水性高分子等を薬剤中に含めても良い。
中空反応部13の容積は、被検体の負担を考慮し、1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部13であると、穿刺用器具12の直径は小さくても被検体の充分な血液量が採取可能であり、好ましくは、直径が1000μm以下である。
図3(A)に示すように、バイオセンサチップ11の先端11aには弾性体30が取り付けられている。この弾性体30は、例えば中央部に密閉空間31を形成するための貫通穴32を有する円筒形状のものが例示できる。貫通穴32は、穿刺用器具12が挿通されるため、穿刺用器具12の外径よりは大きいものである。また、弾性体30の厚さは、穿刺用器具12の先端12aまで確実に覆うことができる厚さとする。なお、弾性体30は、弾性を有するものであれば特に限定されないが、シリコーン、ウレタン、アクリルゴム等のゴム、エチレン、スチレン等のポリマー単体若しくは共重合したポリマーからなるゴム若しくはスポンジ、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロアルコキシエチレンとポリフルオロエチレンの共重合体であるPFA等のフッ素樹脂などを利用できる。
弾性体30は、中実であっても良いし、中空であっても良い。
弾性体30は、粘着性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム等の材料で構成されるか、弾性体が粘着剤33を有するまたは粘着剤33でコーティングされていることが望ましい。これにより、弾性体30と被検体Mとの密着性を向上させ、穿刺位置からずれるのを防止するとともに、密閉空間31を確実に形成することができる。また、貫通穴32の内周面は、親水性の材料を用いるか、若しくは、少なくとも内周面を親水処理することが望ましい。これにより、採取する試料Rを通りやすくして、少量の試料Rでも確実に採取することができる。
図2に示すように、バイオセンサチップ11を内包している密閉部材20は、例えばシリコーンゴムのような弾性を有するとともに密閉可能な材料を用いることができ、密閉部材20の素材と弾性体30の素材は同じであっても良く、同じ素材の場合は一体的に製造可能である。穿刺用器具側の端部21は断面で開口しており、他方の端部22は閉じられており、好ましくはいわゆる歯磨き粉のチューブ状をしている。
密閉部材20は、他方の端部22から穿刺用器具側の端部21の方向(図2(A)中矢印A方向)へ押圧することにより、効率よく、容易に内部空間の容積を減ずるように変形させることができる。また、穿刺用器具側の端部21は断面なので、バイオセンサチップ11から突出している穿刺用器具12および試料採取口14を設けるのに適している。また、他方の端部22は閉じられているので、チップ本体11の後端部11bに設けられている検出用電極18a、18bを密閉部材20の外側に突出させるのに適している。
穿刺用器具側の端部21には鍔部21aが設けられている。穿刺用器具側の端部21において、鍔部21aを除いた部分の密閉部材は弾性体に密着している。鍔部21aは、チップ本体11と弾性体30との間に挟んで接着することにより、空気が漏れないようにするのがよい。また、他方の端部22には、バイオセンサチップ11の後方に突出している基板16aおよび検知用電極18a、18bの後端部が貫通可能な後部開口部22aを設けておき、空気が漏れないように密封するようにする。
なお、密閉部材20の内部容積を減少させる方向に変形させるのは、密閉部材20を指で挟んで押圧することにより可能であるが、器具を用いてより完全に変形させることもできる。このような器具23としては、例えば図4に示すように、上下一対のアーム部材24、24を回動可能に接続し、アーム部材24の先端に一対のローラ25a、25bを対向して回転自在に設けることができる。この際、両ローラ25a、25bの間にはチップ本体11の厚さよりも大きめの一定の間隔を保持するようにストッパ26を設けて、チップ本体11を過大に押圧しないようにするのがよい。このような器具23においては、両アーム部材24、24を指でつまむことにより両ローラ25a、25bを接近させて密閉部材20を平らにすることができる。なお、両ローラ25a、25bを接近させる方向に付勢するバネを設けて、バネの力で密閉部材20を押し潰すようにすることもできる。あるいは、両ローラ25a、25bを離反させる方向に付勢するバネを設けて、指の力を弱めることにより両アーム部材24、24を開く方向へ回動させて密閉部材20を解放するようにしてもよい。
従って、内部空間の容積を減ずる方向へ密閉部材20を変形させる際には、両ローラ25a、25bの間隔を開いて密閉部材20の後端部22を挟み、上下のアーム部材24を指で挟んで両ローラ25a、25bにより密閉部材20を押圧する。この状態で器具23を密閉部材20の先端21側へ移動させて、密閉部材20の内部空間の空気を試料採取口14から追い出して潰す。なお、両ローラ25a、25bを離して器具23を取り去ると、密閉部材20は復元力により元の形状に膨らむ。この際に、試料採取口14から外気を吸収することになる。
以上、説明したバイオセンサカートリッジ10においては、バイオセンサチップ11を内包すると共に試料採取口14を介してのみ外部に開口した密閉部材20を設けたので、密閉部材20の内部空間の容積を減ずるように変形させた後、密閉部材20を解放すると、その復元力により元の形状に戻ろうとする。この際、密閉部材20内部には負圧が発生し、試料採取口14から吸引するので、バイオセンサチップ11の先端11aから突出している穿刺用器具12によって穿刺した後、同じくバイオセンサチップ11の先端11aに設けられている試料採取口14から血液Rを吸引・採取して中空反応部へ導入する。このため、少量の血液Rでも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、現在用いられているのと同様なバイオセンサチップの外側に密閉部材20を設けることにより製造できるので、容易且つ安価に製造することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るバイオセンサカートリッジについて説明する。本発明の第2実施形態に係るバイオセンサカートリッジは、図7に示される。図1と同じ部材について同じ符号を付した。図7のバイオセンサカートリッジは、バイオセンサカートリッジ10および弾性体30の双方が密閉部材20に覆われていることを特徴とする。このような構成のバイオセンサカートリッジにおいては、密閉部材内の内部空間を減圧して真空状態とし、密閉部材20を封をした状態とすることにより、バイオセンサカートリッジを外気に触れさせることなく、使用時まで保存することが可能である。使用時には、穿使用器具で密閉部材を貫通することにより、密閉部材内の内部空間の減圧が開放される。このとき、同時に穿刺された披検体の穿刺口から流出した試料は、密閉空間の減圧が開放され、負圧になったことに伴い、バイオセンサチップの試料採取口から吸入される。したがって、少量の試料Rでも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、現在用いられているのと同様なバイオセンサチップの外側に密閉部材20を設けることにより製造できるので、容易且つ安価に製造することができる。
次に、図5(A)〜(C)を参照して、このバイオセンサチップ10を用いて血糖値を測定するために血液を採取する方法を第1の実施形態に係るバイオセンサカートリッジを例に説明する。
図5(A)に示す元の状態から、図5(B)に示すように、密閉部材20をその内部空間の容積を減ずる方向に変形させる。このとき、密閉部材20の後端部である他方の端部22は、基板16aおよび検知用電極18a、18bを突出させた状態で密封されているので、密閉部材20の内部の空気は、基板16a、16bの貫通穴16cから中空反応部13を通り、中空反応部13の先端に設けられている試料採取口14から外部へ排出される。
図5(B)の状態で、図5(C)に示すように、弾性体30を被検体Mの血液採取箇所に接触させて、バイオセンサカートリッジ10を被検体Mに押し付ける。これにより、弾性体30が押しつぶされて弾性体30の先端から穿刺用器具12が突出して、被検体Mを穿刺することになる。
続いて、図5(D)に示すように、バイオセンサカートリッジ10を引き上げて穿刺用器具12を被検体Mから抜き、密閉部材20を変形させている外力(ローラ25a、25b)を取り除く。このとき、弾性体30の先端面30aは被検体Mから離れないようにする。これにより、図5(E)に示すように、密閉部材20が元の形状に復元して内部空間が膨らんで負圧が生じるので、弾性体30の貫通穴32から試料採取口14を通って、中空反応部13に外気が吸い込まれる。このとき同時に、穿刺口から流出した試料Rを中空反応部13に吸い込む。
このように構成された試料の採取方法においては、密閉部材20の復元力により中空反応部内に負圧を発生させて試料を吸引・採取するので、少量の試料Rでも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。
なお、本発明のバイオセンサカートリッジは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態において、密閉部材20の形状としていわゆる歯磨き粉のチューブ状のものを例示したが、その他の形状にも適用可能である。
また、密閉部材20の内部の減圧をポンプ等で行い、密閉部材20の復元力で試料Rを吸引・採取するようにすることも可能である。この場合には、密閉部材20を変形させる器具23等は不要になる。
また、前述した試料採取方法においては、穿刺用器具12を被検体Mから抜いた後に吸引を開始したが、穿刺用器具12を穿刺した状態で試料を吸引する場合もある。
また、前述した試料採取方法においては、血液Rの採取に際して、密閉部材20を平らにしてから穿刺を行ったが、予め、バイオセンサチップ10の製造時に平らにして空気穴に栓をし、密閉部材20の内部を減圧しておいて、試料の採取時に栓をとって吸引するようにしてもよい。この場合には、密閉部材20を押し潰す器具23は不要になる。
さらに、図6に示すように、バイオセンサチップ10の検知用電極18a、18bに、採取された血液Rの情報を得る測定器41を接続してバイオセンサ装置40とすることができる。測定器41は電源42、制御装置43、端子挿入部44、表示部45を備え、これらが互いに接続されている。端子挿入部44にはバイオセンサチップ10のチップ本体11の後端部11bが挿入されて固定されるとともに、チップ本体11の後端部11cに露出している検知用電極18a、18bが電気的に接続されるようになっている。このバイオセンサシステム40を用いると、穿刺、試料Rの採取、分析等の一連の作業を短時間行うことができ、使用者の負担を軽減することができる。
以上のように、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、密閉部材の内部空間の容積を減ずるように変形させた後、密閉部材を解放すると、密閉部材内部に負圧が発生して試料採取口から試料を吸引・採取して中空反応部へ導入するので、少量の試料でも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、現在用いられているのと同様なバイオセンサチップの外側に密閉部材を設けることにより製造できるので、容易且つ安価に製造することができるという効果を有し、検体を穿刺して試料を採取し、チップの中空反応部に収容した試薬を用いて試料の測定や分析を行うバイオセンサカートリッジ等として有用である。
本発明のバイオセンサカートリッジに係る第1実施形態を示す斜視図である。 (A)は密閉部材の正面図である。 (B)は図2(A)中B方向から見た側面図である。 (C)は図2(A)中C方向から見た側面図である。 (A)は図3(B)中A−A位置の断面図である。 (B)は図3(A)中B−B位置の断面図である。 (C)は図3(A)中Cから見た側面図である。 (A)は密閉部材を潰す器具の一例を示す側面図である。 (B)は器具の平面図である。 (A)〜(E)は本発明に係る試料採取方法を示す工程図である。 バイオセンサ装置の構成図である。 本発明のバイオセンサカートリッジに係る第2実施形態を示す斜視図である。 従来のバイオセンサを示す断面図である。 従来のバイオセンサを示す断面図である。
符号の説明
10 バイオセンサカートリッジ
11 バイオセンサチップ
11a 先端
12 穿刺用器具
13 中空反応部
14 試料採取口
15 試薬
20 密閉部材
21 穿刺用器具側の端部
22 他方の端部
R 試料

Claims (4)

  1. 先端に試料を採取する試料採取口を有するバイオセンサチップと、前記バイオセンサチップの一部に固定され先端が突出した穿刺用器具とを有するバイオセンサカートリッジであって、
    前記バイオセンサチップの先端に設けられた試料採取口と前記穿刺用器具によって被検体に形成される穿刺口とを内包して密閉空間を形成する弾性体を、前記バイオセンサチップの先端に設け、
    前記バイオセンサチップを内包すると共に、前記弾性体に密着し、前記試料採取口を介してのみ外部に開口した密閉部材を設け、かつ
    前記密閉部材が、変形可能であることを特徴とするバイオセンサカートリッジ。
  2. 前記密閉部材と前記弾性体が一体化していることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサカートリッジ。
  3. 先端に試料を採取する試料採取口を有するバイオセンサチップと、前記バイオセンサチップの一部に固定され先端が突出した穿刺用器具とを有するバイオセンサカートリッジであって、
    前記バイオセンサチップの先端に設けられた試料採取口と前記穿刺用器具によって被検体に形成される穿刺口とを内包して密閉空間を形成する弾性体を、前記バイオセンサチップの先端に設け、
    前記バイオセンサカートリッジおよび前記弾性体が変形可能な密閉部材に覆われたことを特徴とするバイオセンサカートリッジ。
  4. 前記密閉部材の穿刺用器具側の端部に断面を有し、他方の端部は閉じられた形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサカートリッジ。
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