JP2006075223A - 遊技機の球タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】球詰りを起こすことなく、1条で遊技球を球誘導樋に流出させることができる遊技機の球タンクを提供する。
【解決手段】緩やかに下傾する底壁34eの下流端に開設される球導出口39から遊技球を自重で流出させる遊技機の球タンク34であって、前記球導出口39を前記球タンク34の側壁34a,34bの内側際に長孔状に開設すると共に該球導出口39の短手方向の開口幅を遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より小さく設定し、前記球導出口39の上方を覆うように前記側壁34a,34bからガイド部材25を突出して設け、前記ガイド部材25は上面を前記側壁34a,34bに向って上向き傾斜する球逃し面25aとして形成すると共に下面を該側壁34a,34bに向って下傾する誘導面25bとして形成し、前記ガイド部材25の突出端部は前記底壁34eからの高さ位置hを遊技球の直径より高く且つ直径の2倍より低く設定した。
【選択図】図6

Description

本発明は、遊技機の球タンクに関するものである。
従来、遊技機としてのパチンコ機は、遊技盤のほぼ中央に可変表示装置が設けられ、パチンコ機の裏面には球タンク及び該球タンクに貯留された遊技球を整列して球払出装置に導く球誘導樋が設けられている。そして、可変表示装置の表示態様により「大当り」となり、球払出装置により多量の賞球が遊技者に払出されるものが主流となっているが、最近では、遊技性のマンネリ化を打破するために、遊技盤に設けられる可変表示装置等の中央役物が多様化・大型化している。そして、その大型化した中央役物に対応するスペースを確保するように、球誘導樋を本体から張出すようにしたパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来の球タンクは矩形状の箱型に形成され、遊技球を球誘導樋に流出させる球導出口を球タンクの短手方向中央に設け、その球導出口は遊技球が流出するときの球圧により球詰りが起きないように、開口幅を前後左右のいずれの方向にも複数個の遊技球が同時に落下し得るように、22mm以上の寸法を有して形成している。そして、球導出口の開口幅が広がるのに伴って、球タンクの球導出口の下方に設けられる球誘導樋も球導出口の開口幅と同様に前後方向に22mm以上の幅員を有して形成されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。
特開平11−197298号公報 特開2000−317097号公報 特開平9−84945号公報
しかしながら、球誘導樋を遊技球が2列に並んで流下し得るようにして、そのまま2列に並んで球払出装置に導くようにする場合はよいが、遊技球を1列で球払出装置に導く場合には、特許文献3に示したように球誘導樋の下流側で1列に合流させなければならず、この合流地点で球圧等により球詰りが発生し易くそれを解消するのに苦労していた。そのため、球誘導樋を複雑な形状にしたり球均し等の別部材を設けたりする等してコスト高の要因ともなっていた。また、球タンクの球導出口を予め遊技球の1列分の開口幅として、そのまま1列に整列した状態で球誘導樋に流出させることができれば何の問題もないが、単純に球導出口の開口幅を遊技球が2個並ばないように22mmより狭い通路幅に設定して1列状態で流下させようとすると、球導出口の開口部で流れが狭められて球導出口に球圧が一気にかかることになる。このため、球導出口で球圧により遊技球のバランスがとれて球詰りを起こし流れが停滞するという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、球誘導樋で一条に整列させることのないように、球導出口から遊技球を1列状態で確実に流出させることができる遊技機の球タンクを提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、緩やかに下傾する底壁の下流端に開設される球導出口から遊技球を自重で流出させる遊技機の球タンクであって、前記球導出口を前記球タンクの側壁の内側際に長孔状に開設すると共に該球導出口の短手方向の開口幅を遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より小さく設定し、前記球導出口の上方を覆うように前記側壁からガイド部材を突出して設け、前記ガイド部材は上面を前記側壁に向って上向き傾斜する球逃し面として形成すると共に下面を該側壁に向って下傾する誘導面として形成し、前記ガイド部材の突出端部は前記底壁からの高さ位置を遊技球の直径より高く且つ直径の2倍より低く設定したことを特徴とする。ここでいう「底壁からの高さ位置」とは、底壁から突出端部までの最短距離を意味する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ガイド部材の突出長さは前記球導出口の短手方向の開口幅とほぼ同寸法に設定したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ガイド部材を前記球タンクと別体に形成し該ガイド部材を前記側壁に着脱自在に設けたことを特徴とする。複数種類のガイド部材を用意することで、遊技球の流下態様に合わせてガイド部材を交換することができ、遊技者が最適な状態で遊技をすることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記ガイド部材の突出端部の高さ位置を前記底壁から15〜17mmの範囲内に設定したことを特徴とする。この寸法範囲は、多段に積み重なった2段目の遊技球のほぼ球心高さ又はその球心高さより僅かに上方に位置する寸法であるため、2段目の遊技球を確実に制御し、しかも誘導面に導くことができる。
また、前記球導出口を球タンクの後側壁の内側際に設けるのが好ましく、球導出口の下方に設けられる球誘導樋と遊技盤との間隔を広くすることができ、遊技盤に設けられる役物の収容空間を広く確保することができる。
方形枠状の機枠の内側に機構板を着脱自在に取着し、機枠の一側に遊技盤が着脱自在に装着される前面枠がヒンジ具により開閉自在に枢支される遊技機であって、機構板の前面に前記球タンク及び球誘導樋を取付け、前面枠を閉鎖したときに球タンクの前側壁が前面枠の後面と相対し、前面枠を開放したときに球タンク及び球誘導樋が機枠内に位置したままで前面に露呈するようにするのが好ましい。このようにすることにより、前面枠の負担を少なくして開閉をスムーズにすると共に、前面枠を開放するだけで球タンク及び球誘導樋が露呈するため、球詰りを簡単に解消させることができるという効果を奏する。
遊技盤に遊技球が入賞球として流入する入賞口を設けると共に該入賞口より下方に遊技球がアウト球として流入するアウト球排出口を設け、前記アウト球排出口より下方に位置して球タンクを設けると共に、球タンクの上方に位置して前記入賞口及びアウト球排出口から排出される入賞球及びアウト球を該球タンクに導く誘導経路を設け、前記球タンクに所定量の遊技球が貯留されるように遊技球を補給する補給手段と遊技球を排出する排出手段を設け、前記球タンクに貯留された遊技球を球払出装置により賞球又は貸球として払出すようにするのが好ましい。このようにすることにより、機外に排出される遊技球が少なくなり無用に遊技球を循環させる球研磨装置を稼働させることがなく、電気代等の経費を削減させることができる。
本発明によれば、球タンクの側壁の内側際に長孔状の球導出口を開設し、球導出口の短手方向の開口幅を遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より小さく設定し、その上方に互いに逆傾斜の球逃し面と誘導面を備えたガイド部材を設け、ガイド部材の突出端部は底壁からの高さ位置を遊技球の直径より高く且つ直径の2倍より低く設定したので、球導出口に球圧が集中することがなく遊技球を確実に1列状態で球誘導樋に流出させることができる。このため、球誘導樋を1条幅に成形することができて球詰りの心配がなく、しかも球誘導樋の形状が単純化して成形が容易となりコストの低減化に寄与することができる。
次に、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。遊技機としてのパチンコ機は、図1及び図2に示すように方形枠状に形成された機枠1の前面一側に前面枠2がヒンジ具3により開閉自在に装着され、前面枠2の裏面側に設けられる遊技盤取付枠4を介して遊技盤5が着脱自在に取着されている。そして、前面枠2の前面に透明板扉枠6が遊技盤5を視認し得るように開閉自在に設けられる。さらに、透明板扉枠6の下方には、遊技球を整列して発射装置13に供給する機能を備えた上部球受皿7及び該上部球受皿7の余剰球を貯留する機能を備えた下部球受皿8が設けられている。そして、下部球受皿8の側方に遊技球の打力を調整する操作ハンドル10が設けられている。なお、上部球受皿7と下部球受皿8とを個々に設けることなく、それぞれの機能を備えた1つの球受皿を設けるようにしてもよい。
前記遊技盤取付枠4は、図3に示すように前後に開放し、遊技盤5の下端を支持する下部側枠4aと、遊技盤5の上部及び側方を支持する上部側枠4b及び左右側枠4c,4dとにより、遊技盤5が後面側から取付けられる遊技盤設置領域11が形成されている。そして、遊技盤取付枠4の遊技盤設置領域11の前面周縁には遊技盤5の前面を支持する帯状の支持片12が設けられ、左右側枠4c,4dの後面には遊技盤固定具14が回動操作自在に設けられている。また、遊技盤固定具14は、回動軸筒部の一側に遊技盤押え部14aを突出形成すると共に操作部14bを形成している。
前記遊技盤5は、図3に示すように所定の厚さを有してほぼ方形状に形成され、前面に遊技球を案内するガイドレール16により遊技領域5aがほぼ円形に形成され、その遊技領域5aのほぼ中央に中央役物としての可変表示装置17が設けられる。そして、その周囲には入賞口として一般入賞口18や可変表示装置17の図柄を変動させるチューリップタイプの始動入賞口19、また可変表示装置17の表示が予め設定された図柄の組合せに停止することにより開放する大入賞口20等が設けられ、遊技領域5aの適宜個所に遊技球の流下方向を変化させる障害釘21及び風車22を配設している。また、遊技領域5aの最下端には、一般入賞口18,始動入賞口19,大入賞口20に入賞しなかったすべての遊技球をアウト球として回収するアウト球排出口23が開設されている。なお、一般入賞口18,始動入賞口19,大入賞口20には、それぞれ入賞球を検知する検知センサ18a,19a,20aが設けられ、検知センサ18a,19a,20aにより入賞球が検知されると、後述する球払出装置28によって所定個数の賞球が払出される。
また、遊技盤5の裏面には前記した可変表示装置17の後面が突出し、一般入賞口18,始動入賞口19,大入賞口20に対応する貫通孔が開設されている。そして、扁平箱枠状の誘導経路としての誘導樋部材24が遊技盤5の裏面を覆うように設けられ、一般入賞口18,始動入賞口19,大入賞口20に入賞した入賞球を後述する球集合樋57に導くようにしている。
遊技盤5の取付けは、遊技盤固定具14の押え部14aを遊技盤5と干渉しない位置に回動移動させた状態で、前面枠2の後方から遊技盤取付枠4の遊技盤設置領域11に臨ませて、遊技盤5の前面縁を支持片12に当接させて位置決めし、操作部14bを操作して遊技盤固定具14を回動させて遊技盤5の後面を押え部14aで係止することで遊技盤取付枠4に装着することができる。また、遊技盤5に設けられる電気部品の配線Hは前面枠2の軸支側に収束され先端にコネクタ26を設けて、後述する機構板27側の配線Hに接続される。
また、前面枠2の裏面側に位置して、機構板27が機枠1の内側に着脱自在に装着されている。機構板27は、前面が開口し後方に膨出した箱状に形成され、上面が開放し所定の奥行を有する左右側壁27a,27bと全体がほぼ平坦面に形成された後側壁27cとにより平面コ字状をなしており、下側壁27dには前面開口縁に沿って所定幅の切欠き29が形成されている。また、左右側壁27a,27bの端部に沿って後側壁27cと平行なフランジ状の取付片30が設けられ、この取付片30に係止具31が設けられる。係止具31は押圧部材31aと該押圧部材31aの押圧により拡開する係止突起31bとにより構成されている。そして、係止具31の係止突起31bを機枠1の内側に設けられた固定具32の透孔状の係止部32aに前面側から挿通し、押圧部材31aを押圧することにより係止突起31bが拡開し、係止部32aに係止して機構板27が機枠1の内側に着脱自在に固定される。また、前面枠2の閉鎖状態で機構板27の後側壁27c内面と遊技盤5との間に所定間隔を隔てた収容空間33が形成される。この収容空間33内に位置して、機構板27には上方開放端に臨んで図示しない設置島の補給経路から補給される遊技球を貯留する球タンク34が取着され、その下方には球タンク34の遊技球を整列して球払出装置28に導く球誘導樋35が設けられる。球払出装置28は、球タンク34の遊技球を貸球又は賞球として上部球受皿7に払出す。また、球タンク34の側方(正面視して左方)には電源ターミナル36が設けられ、機構板27の下方内面には、発射装置13等の電気的部品を制御する回路基板,遊技内容を制御する回路基板を収納した基板ボックス37,38が取着される。そして、基板ボックス37,38等に接続される機構板27側の配線Hは前面枠2の軸支側に収束されコネクタ26を介して前面枠2及び遊技盤5側の配線Hと接続される。
球タンク34は、前後長側壁34a,34bと左右短側壁34c,34dと底壁34eとにより上面が開口したほぼ矩形状の箱型に形成され、前後長側壁34a,34bと左右短側壁34c,34dにより囲繞された貯留部に図示しない補給経路から補給される遊技球が貯留される。前長側壁34a及び後長側壁34bは、球誘導樋35の遊技球の流下方向と同方向に沿って起立している。そして、底壁34eには後長側壁34bの内側際に沿って球誘導樋35に複数個の遊技球を同時に流出し得る球導出口39が長孔状に開設されており、底壁34eは球導出口39に向って緩やかに下傾して遊技球が自重により転動し球導出口39から流出するようにしている。具体的には、底壁34eは右側壁34dに向って0.8°の僅かな傾斜角度で下傾すると共に後長側壁34bに向って約3°〜5°の緩やかな傾斜角度で下傾している。球導出口39は、短手方向の開口幅をほぼ遊技球の直径と等しい約12mmとし、長手方向は遊技球が同時に約14個落下し得る15cm程度の長さを有して形成される。なお、球導出口39の短手方向の開口幅は、遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より小さい範囲内で設定される。そして、球導出口39の長手方向の長さは少なくとも44mm以上(ほぼ遊技球4個分)であり、好ましくは9cm以上(ほぼ遊技球8個分)の長さを有するのがよく、球タンク34の全長に亘って球導出口39を設けるようにしてもよい。また、後長側壁34bに、球導出口39の上方であり且つ球タンク34を平面視して球導出口39のほぼ全体を覆うように三角柱状のガイド部材25が横設され、その突出長さは球導出口39の開口幅とほぼ同じ約11mmとすると共に長手方向の長さは球導出口39の開口長さとほぼ同寸法としている。ガイド部材25は、上面に前長側壁34aに向って上向き傾斜(約45°の仰角)の球逃し面25aが形成され、下面には球逃し面25aと傾斜方向が異なり球導出口39に向って下傾(約20°の俯角)する誘導面25bが形成されており、先端部は遊技球が当接しても破損し難いように僅かにアール状の面取りを施している。なお、球逃し面25a及び誘導面25bの傾斜角度はこの実施例の角度に限定されるものではなく、任意に設定可能であるが、その傾斜角度は当然に誘導面25bの下面を遊技球が通過し球導出口39から流出し得る範囲内で設定される。誘導面25bの傾斜角度は、好ましくは約15°〜45°の範囲内の俯角に設定するのがよい。また、球逃し面25aと誘導面25bとの交線つまりガイド部材25の突出先端部の底壁34eからの高さ位置hは、遊技球の直径より高く且つ直径の2倍より低く設定され、2段に積み重なった上段の遊技球の球心高さ(約15mm)より上方に位置する15mm〜20mm程度とするのが好ましい。さらに好ましくは、ガイド部材25の突出先端部の底壁34eからの高さhを2段に積み重なった上段の遊技球の球心高さに近しい底壁34eから15mm〜17mm程度とするのがよく、実施例では16mmとして説明する。ここでいう「底壁34eからの高さ位置」とは、底壁34eからガイド部材25の突出端部までの最短距離を意味している。そして、多段に積み重なった3段目以上の遊技球は、球逃し面25aによって上方に逃して下段の遊技球と分離して、球導出口39にかかる球圧を減少するようにしている。なお、実施例において、ガイド部材25は球タンク34の上面開口部とほぼ平行に設けられ、誘導面25bの内方端部と底壁34eとの間隔は、底壁34eが僅かながら傾斜している分だけ下流に向うに従い徐々に間隔が広がるようにしている。また、ガイド部材25を球タンク34の底壁34eの傾斜角度と同じ傾斜角度として、ガイド部材25の先端高さ位置hを底壁34eに対して一定となるようにしてもよい。
そして、球タンク34の両側には取着片40,40が設けられ、取着片40を機構板27の内面に突設された取付ボス41にビス着することで機構板27の前面に球タンク34が取付けられる。また、球誘導樋35は直線誘導樋35aと屈曲誘導樋35bとで構成され、球導出口39から流出する遊技球を整列する1条の通路部42を有し、球導出口39の下方に位置する上流部で遊技球が4〜5段に積み重なる深さを有して形成され、球誘導樋35内に所定の貯留量を確保するようにしている。そして、球誘導樋35の取付けは、球タンク34と同様に機構板27に対してボス41にビス着して取付けられる。このように、球誘導樋35を後方に膨出した機構板27の前面に取付けることにより、球誘導樋35の前側壁と遊技盤5との間を役物等の収容空間とすることができる。しかも、球誘導樋35を1条通路とすることにより嵩張らず遊技盤5の裏面側空間をより広く確保することができる。なお、球タンク34の形状は矩形状の箱型に限定されるものではなく、少なくとも球誘導樋35の流下方向に沿った側壁を備えておればよく、その側壁の内側際に球導出口39を開設するようにすればよい。したがって、球タンク34の平面形状は、長円形,半月状であっても台形状であってもよい。
前記球払出装置28は、図8に示すようにケース体43と遊技球の荷重により回転するスプロケットタイプの払出回転体58と該払出回転体58の回転を制御する制御手段59と球抜き装置44を備えて構成している。制御手段59は、払出回転体58の側方に設けられる立壁49に係合する作動体60と、作動体60を駆動するソレノイド61とを備えている。この球払出装置28は、ソレノイド61を励磁することにより作動体60と立壁49との係合が解除され、払出回転体58が遊技球の荷重により回転し所定個数の遊技球がセンサにより検知されるとソレノイド61が消磁して作動体60が立壁49に係合して払出回転体58の回転を制御する。ケース体43には球誘導樋35の1条の通路部42に連通する球通路46と、払出回転体58の回転により遊技球が払出される払出通路47が形成され、払出通路47を分岐して球抜き通路48を形成している。球抜き装置44は、払出通路47と球抜き通路48とを切替える切替弁45と該切替弁45に連繋する操作部50とから構成されている。操作部50には球抜き時にソレノイド61を押圧して作動体60を可動させ、払出回転体58をフリー回転させる操作片50aが設けられている。このように構成される球払出装置28は、機構板27の前面に突設される取付ボス41にケース体43を螺着することで取着される。なお、球払出装置28はこの実施例で示した遊技球の自重により払出回転体を回転させるタイプに限定されるものではなく、モータを使用してスプロケット又はスクリュータイプのものを回転させるものであってもよい。
また、球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28等の裏機構部品の取付けをビス着としたが、取着手段は何ら限定されるものではなく、機構板27又は機構板27に取付ける裏機構部品のいずれかに差込片,係止片等を設け、他方に差込片,係止片が係合する差込部,係止部を設けて互いに嵌合又は係止して球タンク34等の裏機構部品を取着するようにしてもよい。さらに、別途設けた係止部材により取着するようにしてもよく、他の裏機構部品の取付けを全てこの係止部材で取付けるように共有化することで、係止部材を量産化して製造コストを低減化でき、裏機構部品の取付け作業の効率を高めることができる。
また、球払出装置28から払出された遊技球を上部球受皿7に球流出口53を介して導くと共に余剰球を下部球受皿8に導く球排出樋54と、入賞球及びアウト球を集合して機外に排出する球集合樋57及び球タンク34の遊技球を機外に排出する球抜き樋52が設けられる樋基板55を機構板27と別途形成している。樋基板55は、全体形状を正面視してL字状に形成して下方後面をほぼ平坦面として、球排出樋54の上方を僅かに後方に屈曲している。そして、樋基板55を正面視して左方を上下一対のヒンジ56により機枠1の内側に軸支し、前面側に開放し得るように着脱自在に設けられ、樋基板55の開放端は、機構板27の固定と同様に機枠1の内側に設けた固定具32に係止具31を係止して固定される。このとき、機構板27の球払出装置28と樋基板55の球排出樋54とが連通し、樋基板55の下流端は機構板27の下側壁27dの切欠き29に臨むように機枠1に取付けられ、機構板27の下方に設けられた基板ボックス37,38は、樋基板55の後方に位置している。そして、機枠1の内側に機構板27と樋基板55が装着された状態で、前面枠2を閉鎖すると、球タンク34の前長側壁34bが遊技盤5とほぼ接触し得るように相対位置し、球タンク34が遊技球の荷重により前面側に撓んでも遊技盤5により支持されることになる。このとき、球タンク34の前長側壁34b全体を遊技盤5に当接させることなく、球タンク34の前長側壁34bにリブ壁を設け、該リブ壁が遊技盤5に当接するようにしてもよく、リブ壁により球タンク34が補強され球タンク34の撓みを防止することもできる。また、樋基板55は、遊技盤5からの入賞球及びアウト球を直接受け入れ、球払出装置28から払出される遊技球を上部球受皿7に直接導く位置に取付けられている。
このように構成される球タンク34は、図示しない補給経路から遊技球が補給される。そして、遊技球が球導出口39から流出しようとすると、図6に示すように2段に積み重なった遊技球の上段の遊技球がガイド部材25の突出先端部に当接する。このときガイド部材25の突出先端部の高さが底壁34eから約16mmの位置にあり、上段の遊技球の球心高さ位置(約15mm)より僅かに上方に位置しているため、底壁34eに位置する下段の遊技球の端部がほぼ球導出口39の開口端部に位置した状態で、上段の遊技球がガイド部材25の突出先端部に当接することになる。そして、底壁34eの下段の遊技球が球導出口39に向って移動すると、上段の遊技球はガイド部材25によって球導出口39側への移動が規制され、下段の遊技球が球導出口39に向うに従い上段の遊技球はガイド部材25が球心より上方に接触していることから徐々に下方に移動する。上段の遊技球が下動するのに伴い、ガイド部材25との接点が遊技球の上方に移ることにより、上段の遊技球はガイド部材25の下方に入り込み、誘導面25bの傾斜によりさらに下方に導かれる。そして、下段の遊技球が球導出口39から流出すると、上段の遊技球が球導出口39の直上に位置し、球導出口39から球誘導樋35に流出し球払出装置28に導かれる。また、さらにその上部に積み重なった3段目以上の遊技球は、球逃し面25aの傾斜により一旦上方に分離移動する。このため、球圧が分散し、球導出口39に球圧が一気にかからず球導出口39でバランスがとれて球詰りを起こすことがない。また、球導出口39は長手方向にも所定の長さを有しているため、球圧が分散され球詰りを起こすことはない。そして、球払出装置28が作動して遊技球が球排出樋54を介して上部球受皿7に払出されると、それに伴って球誘導樋35の遊技球が流下し、球タンク34の遊技球は球導出口39の上流側から順次球誘導樋35に流出する。また、「大当り」となり連続的に球払出装置28が作動して遊技球が払出されても、球誘導樋35に所定量の遊技球が貯留されているため、途中で球間に隙間が生じ球切れを起こすことがなく、確実に球払出装置28に遊技球を供給することができる。なお、実施例で球導出口39の奥行開口幅を遊技球の径とほぼ等しい12mmとしたが、遊技球の直径の2倍より小さい範囲内で開口幅を設定することで、開口幅を拡幅し球圧を分散させることができる。このとき、球導出口39の下方に位置する球誘導樋35の通路幅も同様に拡幅し、下流に向うに従い漸次縮幅するようにすればよい。この通路幅が予め遊技球が2個並列しない幅員のため、漸次縮幅しても球詰りを起こすことなく整流させることができる。
上記構成のパチンコ機は、機枠1の内側に取着した機構板27のほぼ平坦面に形成された後側壁27cの前面に球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28を設けている。このため、例えばホールの営業中に球払出装置28,球誘導樋35で球詰り等が発生し、球払出装置28,球誘導樋35を点検又は交換をするために前面枠2を開放すると、図3に示すように球詰りの要因となる球払出装置28,球誘導樋35が機枠1内に位置したままで前面に露呈するため、点検・交換作業をすぐに行うことができる。このとき、図3に示すように遊技盤5側の配線Hが前面枠2の軸支側に収束され、機構板27側の配線Hとコネクタ26を介して接続されているため、前面枠2は何の支障もなく開放することができる。また、回路基板を検査する場合には、前面枠2を開放して樋基板55の係止具31を解除することにより樋基板55が開放され、機構板27の前面に設けられた基板ボックス37,38が機枠1内に位置したままで前面に露呈するため、回路基板を検査することが可能となる。さらに、機構板27を機枠1の内側に設け、遊技盤5の配線Hを前面枠2の軸支側に収束して、機構板27側の配線Hと接続するようにしたことで、遊技盤5の交換作業を容易とすることができる。つまり、図3に示すように前面枠2を開放するだけで遊技盤5が露呈するため、機構板27側の配線Hと接続されている軸支側の配線Hを外して、遊技盤固定具14を解除操作するだけで簡単に遊技盤5を遊技盤取付枠4から取外すことができる。そして、新しい遊技盤5を遊技盤取付枠4の後方から収納して、遊技盤固定具14を操作して遊技盤5を固定し、配線Hを機構板27側の配線Hと接続させるだけで簡単に装着することができる。
また、機枠1に機構板27及び樋基板55を装着することで、前面枠2のヒンジ具3にかかる負荷が軽減され、前面枠2の開閉動作をスムーズに行うことができる。さらに、機構板27の前面側に球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28を設けるようにしたので、パチンコ機の裏面側は箱状の機構板27が表出するだけで凹凸がなくすっきりさせることができる。そのため、パチンコ機の運搬時等に凹凸により怪我をすることがなく、従来のように機構板27の裏面に露出した配線を引掛けて断線させたり、基板ボックス等をぶつけて破損させたりするようなことはない。さらに、基板ボックス37,38が機構板27の前面に設けられ、樋基板55の間に位置することになるため、前面枠2を開放しても樋基板55に隠れて直接基板ボックス37,38に触れることができず、回路基板を改造する不正行為が簡単に行われることはない。また、裏機構部品として球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28を実施例で説明したが、球抜き装置等の他の裏機構部品を全て機構板27の前面に取付けるようにすることで、機構板27への組付けの作業性を大幅に向上させることができる。
図9は球タンクの他の実施例を示し、前記実施例と異なる点は主に底壁34eの形状であるため、同じ構成には同一符号を付して説明する。球タンク34の底壁34eは上流側斜面341に対してパチンコ球の半球から1個分の段差51をつけて下流側斜面342を低くするように形成し、その段差部51は球導出口39の長さ方向のほぼ中間に位置している。上流側斜面341は、右側壁34d側に下傾すると共に前長側壁34a(球導出口39と反対側)に向って緩やかに下傾し、下流側斜面342は右側壁34d側に下傾すると共に後長側壁34b(球導出口39側)に向って緩やかに下傾している。下流側斜面342の右側壁34d側には凹窪状のガイド壁66が設けられ、上流側斜面341から流下してくる遊技球を該ガイド壁66により球導出口39の長さ方向(球誘導樋35の流下方向)に誘導するようにしている。
なお、ガイド部材25の突出長さを球導出口39の奥行開口幅とほぼ同寸法としたが、図10に示すように球タンク34の内方に向って延出するようにしてもよい。このとき、底壁34eからガイド部材25の先端高さhは、前記実施例と同様に遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より低く設定され、好ましくは15mm〜18mmの範囲で設定するのがよい。また、球タンク34の底壁34eに段差67を設けるようにしてもよい。その段差67は約2mm程度であり、ガイド部材25の突出端よりさらに球タンク34の内方に位置し、2段に積み重なった遊技球の上段の遊技球がガイド部材25の先端に当接した際に、下段の遊技球がその段差67に位置するように設けるのが好ましい。そして、下段の遊技球が球導出口39に向って移動すると、下段の遊技球はすぐにその段差67を落下し後続の遊技球のバランスを崩すと共に上段の遊技球が下方に移動し、ガイド部材25の下方に入り込み誘導面25bにより1段に整流され球導出口39から流出する。また、ガイド部材25は球タンク34と一体に形成することなく、図10に示すようにガイド部材25を別部材として形成し鉤型係合部68を球タンク34の後長側壁34bに嵌合するようにして、球タンク34に対して着脱自在に取付けるようにしてもよい。このように、ガイド部材25を別部材として形成することにより、予め複数種類のガイド部材25を製作して、球導出口39からの遊技球の流出状態により最適なガイド部材25を取付けることができ、ホール設置後の微妙な変化にも対応して遊技球を球導出口39からスムーズに流出させることができる。
また、実施例において、機構板27を後方に膨出して箱状に形成したが、球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28が設けられる箱状部を別体に形成し、枠状の機構板27に該箱状部を開閉又は着脱自在に設けるようにしてもよい。また、樋基板55を機構板27と別体に形成してそれぞれを機枠1に装着するようにしたが、樋基板55に設けた球集合樋57及び球排出樋54を機構板27に設けるようにしてもよい。このとき、球集合樋57及び球排出樋54は遊技盤5から直接遊技球を受入れたり導いたりするため、遊技盤5側に位置するように設けられ、前面枠2を閉鎖したときに球集合樋57及び球排出樋54が遊技盤5と接触状となるのがよい。このため、機構板27の下方側は前面側に段状に凹窪させて、機構板27の前面に球集合樋57及び球排出樋54が設けられる。このとき、基板ボックス37,38は、機構板27の後面の凹窪部に位置して設けるようにすればよい。また、機構板27は前面枠2の裏面に設けるようにしてもよく、球タンク34の球導出口39を前側壁34aの内側際に開設し、その下方に球誘導樋35を設けるようにしてもよい。このように、機構板27は形状・大きさに限定されるものではなく、平板状であっても球タンク34,球誘導樋35,球払出装置28が設けられる部分だけの大きさであってもよい。
また、実施例において、球タンク34を機枠1の内側に設けた機構板27の前面上方に設けるようにしたが、取付け位置は限定されることなく、図11に示すようにアウト球排出口23より下方に位置して球タンク34を設けるようにしてもよい。つまり、球タンク34はアウト球排出口23より下方であり上部球受皿7より上方に位置して設けられている。そして、球タンク34をアウト球排出口23より下方に位置して設けることにより、遊技盤5に打ち込まれた遊技球を入賞球又はアウト球として、球タンク34に直接回収することができる。この実施例では、球タンク34の横幅をほぼ遊技盤5と同幅に形成しており、球タンク34の貯留量を増量すると共に、入賞球が遊技盤5の裏面からそのまま下方に落下しても、球タンク34に受入れられるようになり、入賞球を球タンク34に導く誘導樋部材24を設けることなく入賞球を球タンク34に回収することができる。また、球タンク34の下方には球誘導樋35の直線誘導樋35aを介して球払出装置28が設けられ、球払出装置28で払出された遊技球を球流出口53から上部球受皿7に導くようにしている。球払出装置28は、前記実施例の球払出装置28とほぼ同じ構成としているため詳細な説明は省略する。なお、この実施例において機構板27は機枠1に対して上下一対のヒンジ56により回動自在に蝶着されている。この一対のヒンジ56は、それぞれ別体に形成することなく補強板を介して一体に設けるのが好ましく、ヒンジ56の位置決め及び取付けを容易にすることができる。さらに、補強板を機構板27の表面側に屈曲させ、機構板27の開放時に機構板27が撓まないように補強するのがよい。また、補強板に沿って配線収納部を形成し、基板ボックス37,38等の配線Hを配線収納部に収納し、軸支側に配線Hを収束させるのが好ましい。
上記構成のパチンコ機は、上部球受皿7の遊技球を発射装置13により遊技領域5aに発射して、遊技球が入賞口18,19,20に入賞して入賞球として遊技盤5の裏面に導かれるか、アウト球としてアウト球排出口23から遊技盤5の裏面に導かれ、誘導樋部材24を介して球タンク34に回収される。そして、入賞口18,19,20に入賞した入賞球に対して球払出装置28を作動させ、所定個数の賞球が球流出口53から上部球受皿7に払出される。このとき、入賞球及びアウト球が球タンク34に直接流入しても、球導出口39の上方を閉鎖するようにガイド部材25が設けられているため、球導出口39に直接球圧がかかることがなく、球導出口39から遊技球がスムーズに流出する。
また、球タンク34を機枠1の内側に設けた機構板27の前面であり上部球受皿7の高さ近くまで下げて設けるようにすることで、前記実施例と同様に前面枠2の開閉及び球詰りの解除操作を容易にすると共に、機構板27は下方に集約され遊技盤5の裏面を束縛するものがなくなるため、遊技盤5に設けられる役物等の設計が自由に変更でき、中央役物等の大型化に対応することができ、遊技の興趣を高めるのに寄与することができる。また、遊技領域5aに打ち込まれた入賞球及びアウト球を球タンク34に全て回収するようにしたので、従来のようにアウト球や入賞球を機外に排出して球研磨装置を頻繁に稼働させて、パチンコ機の上方の補給経路に導くことがないため、電気代等の経費を大幅に削減することができる。また、球タンク34には、球タンク34の遊技球の貯留量を一定とするために、補給経路から遊技球を供給する補給手段62と余分な遊技球を機外に排出する排出手段63を設けている。排出手段63は、球タンク34の上流側に遊技球約1個分の高さのリブ壁により囲まれた溢出口64が開設されており、球タンク34の遊技球の貯留量が所定量以上となったとき、余剰球はリブ壁を越えて溢出口64から溢出口64の下方に設けられた放出樋65を介して機外に排出される。
なお、球タンク34は球誘導樋35と別体に形成したものに限定されることなく、球タンク34に球誘導樋35の整流機能を備えて一体に形成されたものであってもよく、さらに遊技球の流出端に球払出装置28を直接設けるようにしてもよい。
また、実施例において遊技機をパチンコ機として説明したが、パチンコ機の他にアレンジボール機,雀球遊技機等であってもよい。さらに、遊技球を賭球として回収し図柄表示した回転体の回転を任意で停止させ、その停止図柄によって所定個数の賞球を払出す所謂「パロット」といわれる回胴式遊技機にも適用可能である。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の裏面図である。 前面枠を開放した状態の斜視図である。 パチンコ機の平面断面図である。 球タンクの斜視図である。 球タンクの要部断面図である。 機構板の斜視図である。 球払出装置の正面図である。 他の実施例の球タンクの平面図である。 他の実施例の球タンクの側断面図である。 他の実施例の機構板の正面図である。
符号の説明
25 ガイド部材
25a 球逃し面
25b 誘導面
34 球タンク
34a 前長側壁(側壁)
34b 後長側壁(側壁)
34e 底壁
39 球導出口
h 高さ

Claims (4)

  1. 緩やかに下傾する底壁の下流端に開設される球導出口から遊技球を自重で流出させる遊技機の球タンクであって、
    前記球導出口を前記球タンクの側壁の内側際に長孔状に開設すると共に該球導出口の短手方向の開口幅を遊技球の直径より大きく且つ直径の2倍より小さく設定し、前記球導出口の上方を覆うように前記側壁からガイド部材を突出して設け、前記ガイド部材は上面を前記側壁に向って上向き傾斜する球逃し面として形成すると共に下面を該側壁に向って下傾する誘導面として形成し、前記ガイド部材の突出端部は前記底壁からの高さ位置を遊技球の直径より高く且つ直径の2倍より低く設定したことを特徴とする遊技機の球タンク。
  2. 前記ガイド部材の突出長さは前記球導出口の短手方向の開口幅とほぼ同寸法に設定したことを特徴とする請求項1記載の遊技機の球タンク。
  3. 前記ガイド部材を前記球タンクと別体に形成し該ガイド部材を前記側壁に着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機の球タンク。
  4. 前記ガイド部材の突出端部の高さ位置を前記底壁から15〜17mmの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機の球タンク。
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