はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、下記発明は、「例えば遊技機の一種であるパチンコ機は、表示画面に複数の図柄等を変動表示する図柄表示装置を備えている場合がある。図柄表示装置は、遊技領域に設けられた所定の作動口への入賞を契機として図柄の変動表示を開始する。また、同作動口への入賞時には大当たり抽選が行われ、大当たり当選時には、その旨の表示が図柄表示装置にて行われると共に大入賞口が開放され多量の遊技球が獲得できるようになっている。前記パチンコ機の裏面側には、遊技球を貯留する球タンクが設けられている。球タンクは略箱状であり、球タンクの底面には、下流側に向けて緩やかに傾斜する傾斜面が設けられている。球タンクの最下流部の底面には、遊技球を排出する開口部が設けられている。したがって、球タンクに貯留されている遊技球は傾斜面によって開口部へ導かれ、開口部下方に設けられた誘導通路部として機能するタンクレールを通じて払出装置に誘導される。誘導された遊技球は払出装置によって一旦停止される。そして、遊技領域に設けられた大入賞口等の入賞口へ遊技球が入賞した場合、払出装置によって遊技球は遊技機前面部に設けられた球受け皿に払い出される。近年、遊技が単調化することを抑制するために、図柄表示装置等が大型化する傾向にある。また、図柄表示装置の上部に発光装置等の役物装置を別途設けることも考えられる。かかる役物装置は遊技盤から後方へ突出するよう設けられる。そして、その役物装置や図柄表示装置を囲む保護カバー部が設けられることもある。当然のことながら、図柄表示装置の上部に役物装置が設けられると、遊技盤から突出する保護カバー部も上方へ大きくならざるを得ない。しかし、図柄表示装置(保護カバー部)の上方には、タンクレールが接近して設けられているため、保護カバー部が上方へ張り出すと、保護カバー部とタンクレールとが干渉するおそれがある。よって、図柄表示装置の上部に役物装置を設けることは困難である。また、同様の理由で図柄表示装置の大型化も制限されている。そこで、球タンクの一部を遊技機後方へ突出させることで球タンクから遊技機後方へ突出した突出部を形成し、その突出部の底面に開口部を設け、その開口部の下方にタンクレールを設けることによって、タンクレールが球タンクに対して後方へ突出したパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成とすることにより、タンクレールと遊技盤との間の領域が拡張するため、その領域に保護カバー部を収容することによって、図柄表示装置の上部に役物装置を設けたり、大型の図柄表示装置を設けたりすることが可能となる。」という背景技術について「しかしながら、突出部の底面に開口部が設けられている場合においても、球タンクに貯留されている遊技球が開口部へ集中すると、開口部付近で球詰まりが発生する可能性がある。そして、球詰まりが発生した場合には、適切に遊技球を払い出すことができず、遊技等に支障をきたすおそれがある。本発明は、以上例示した事情等に鑑みてなされたものであり、誘導通路部に干渉することなく大型の図柄表示装置等を配設可能にすると共に、球タンクに貯留されている遊技球を誘導通路部へ排出する開口部付近での球詰まりの抑制を図ることができる遊技機を提供することを目的とするものである。」という課題を解決するためになされたものである。
手段1.遊技機背面側に設けられるとともに上方が開放され、遊技球を貯留する球タンク(球タンク132)と、
前記球タンクの底部に形成され、遊技球を前記球タンクから排出する開口部(開口部156)と、
前記球タンクの底部に形成され、前記開口部へ向けて下り傾斜させることにより前記球タンクに貯留されている遊技球を前記開口部へ誘導する傾斜部(第1傾斜部157等)と、
前記球タンクから前記開口部を介して排出された遊技球を当該開口部の下方位置において受け止めるとともに当該遊技球を所定方向へ誘導する誘導通路部(タンクレール133)と、
前記球タンクの一部を遊技機後方へ突出させて形成されるとともに、前記開口部の少なくとも一部が配置されている突出部(突出部155)と、
前記開口部の上方空間の少なくとも一部について当該開口部よりも上方への遊技球の連続した積み重なりを所定レベルに規制する規制部(規制部181)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、球タンクの一部を遊技機後方へ突出させることにより突出部が形成されている。突出部には、開口部の少なくとも一部が配置されている。開口部の下方位置には、開口部を介して排出された遊技球を受け止める誘導通路部が設けられている。よって、誘導通路部は、球タンクから遊技機後方へ突出して配置されている。したがって、誘導通路部が球タンクの下方に配置されている場合に比べて、誘導通路部が遊技機後方へ突出した分だけ図柄表示装置等を設置するスペースとして利用することができる。
また、球タンクの底部には、開口部へ向けて下り傾斜させることにより球タンクに貯留されている遊技球を開口部へ誘導する傾斜部が設けられている。よって、球タンクに貯留されている遊技球は開口部へ流れ込む。このため、開口部付近において遊技球が連続して積み重なることにより球詰まりが発生するおそれがあった。この点、手段1によれば、規制部によって開口部の上方空間の少なくとも一部について当該開口部よりも上方への遊技球の連続した積み重なりが所定レベルに規制される。よって、開口部付近の遊技球にかかる荷重は、当該遊技球より上方から受ける荷重が低減されるため、全体として低減される。よって、開口部付近での球詰まりを抑制することができる。
さらに、かかる構成により開口部付近の遊技球にかかる荷重が低減される場合、球タンクから開口部を介して排出され、誘導通路部によって所定方向へ誘導される遊技球にかかる荷重も低減される。よって、誘導通路部内での球詰まりを抑制することができる。
手段2.前記球タンクは、底部の周囲に立設された側壁部(側壁部154)を有し、前記規制部により規制される前記所定レベルは当該側壁部の上端部よりも下方であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、球タンクは、底部及びその底部の周囲に立設された側壁部によって囲まれた所定領域内に遊技球を貯留する。つまり、遊技球は側壁部の上端部を越えて積み重なりにくい。規制部によって開口部よりも上方への遊技球の連続した積み重なりが規制される所定レベルは、球タンクに対する側壁部の上端部よりも下方であるため、所定領域内における遊技球の連続した積み重なりが規制される。
手段3.前記規制部は、前記開口部及び前記球タンクの底部から上方に離間させて配置されているとともに、当該規制部よりも上流側からの遊技球の流下方向に対して交差する面を有し、
前記交差面は、前記上流側からの遊技球と当接することにより当該規制部より下流側への遊技球の移動を規制する当接面(当接面182)であることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、規制部の当接面と当接することによって球タンクに貯留されている遊技球が規制部より下流側へ移動することが規制される。一方、規制部は開口部及び球タンクの底部から上方に離間させて設けられているため、規制部の下端と開口部及び球タンクの底部との間には所定の空間が形成されている。よって、球タンクに貯留されている遊技球は、当該空間を介して開口部へ流れ込む。したがって、規制部より下流側では、遊技球の連続した積み重なりが所定レベルに規制されている。以上のことから、遊技球と当接することによって遊技球の移動を規制するという比較的簡素な構成により手段1の効果を得ることができる。
手段4.前記規制部は、前記突出部における遊技機後方側の部位のうち、前記開口部上方の所定高さ位置から上端部までを遊技機前方側へオフセットさせることによって形成されていることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
手段4によれば、規制部は、突出部における遊技機後方側の部位のうち、開口部上方の所定高さ位置から上端部までを遊技機前方側へオフセットさせることによって形成されているため、突出部における遊技機後方側の部位の一部は規制部として兼用されている。これにより、規制部を独立して設ける構成に比べて、構成の簡素化を図りつつ上記優れた効果を得ることができる。
手段5.前記規制部と前記突出部とが、支持部(支持壁部183)を介して一体形成されていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
規制部は遊技球との当接によって撓む可能性がある。規制部が撓んだ場合、遊技球の移動が規制されない可能性がある。この点、手段5によれば、規制部と突出部とが支持部を介して一体形成されているため、規制部は支持部を介して突出部に対して支持されている。よって、規制部に要求される強度が容易に確保でき、規制部の撓み変形を好適に抑制することができる。したがって、規制部の撓みによる球詰まりを抑制することができる。
手段6.遊技機の前後方向において、前記規制部における遊技機前方側の端部は、前記開口部における遊技機前方側の端部に対して遊技機後方側に配置されており、前記規制部における遊技機前方側の端部と前記開口部における遊技機前方側の端部との遊技機前後方向の距離は遊技球1個分未満であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
遊技機の前後方向において、規制部における遊技機前方側の端部が開口部における遊技機前方側の端部に対して遊技機後方側に配置され、規制部における遊技機前方側の端部と開口部における遊技機前方側の端部との遊技機前後方向の距離が遊技球1個分以上の場合、規制部によって規制された遊技球の荷重の全てが開口部付近の遊技球にかかる可能性がある。この点、手段6によれば、当該距離が遊技球1個未満であるため、当該遊技球の荷重の少なくとも一部は、球タンクの底部にかかるため、当該遊技球の荷重が分散される。よって、開口部付近での球詰まりを抑制しつつ、規制部を設けたことによる球タンクの容量の減少を極力抑えることができる。
手段7.前記規制部の上端部は、前記球タンクの側壁部の上端部とほぼ同じ高さであることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
一般に、球タンクにおける底部及び側壁部によって囲まれた領域内に遊技球は貯留されるため、遊技球は底部から側壁部よりも高く積み重なりにくい。ここで、手段7によれば、規制部の上端部と球タンクにおける側壁部の上端部とがほぼ同じ高さとなっているため、球タンクにおいて遊技球が積み重なることができる高さと規制部が遊技球の移動を規制できる高さとがほぼ同じになる。よって、積み重なった遊技球が規制部を越えてしまうことを阻止することが可能となる。
手段8.前記規制部は、前記開口部上方の所定高さ位置に、前記開口部の上方空間の少なくとも一部を覆うとともに、遊技球を受け止める上面を有する屋根部(屋根部191)であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段8によれば、屋根部は、開口部上方の所定高さ位置に、開口部の上方空間の少なくとも一部を覆うように形成されている。そして、屋根部より上方の遊技球は屋根部の上面に受け止められるため、屋根部よりも上方への遊技球の連続した積み重なりは規制される。よって、開口部上方の所定高さ位置に屋根部を設けるという比較的簡素な構成により、手段1の効果を得ることができる。
手段9.遊技機の前後方向において、前記屋根部における遊技機前方側の端部は、前記開口部における遊技機前方側の端部に対して遊技機後方側に配置されており、前記屋根部における遊技機前方側の端部と前記開口部における遊技機前方側の端部との遊技機前後方向の距離は遊技球1個分未満であることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
遊技機の前後方向において、屋根部における遊技機前方側の端部が開口部における遊技機前方側の端部に対して遊技機後方側に配置され、規制部における遊技機前方側の端部と開口部における遊技機前方側の端部との遊技機前後方向の距離が遊技球1個分以上の場合、規制部によって規制された遊技球の荷重の全てが開口部付近の遊技球にかかる可能性がある。この点、手段9によれば、当該距離が遊技球1個未満であるため、当該遊技球の荷重の少なくとも一部は、球タンクの底部にかかるため、当該遊技球の荷重が分散される。よって、開口部付近での球詰まりを抑制しつつ、規制部を設けたことによる球タンクの容量の減少を極力抑えることができる。
手段10.前記突出部は、前記開口部の周縁部から立設された内面でありかつ遊技機後方側ほど前記誘導通路部が誘導する前記所定方向へ向かって湾曲している湾曲面(第1湾曲面184)を有し、前記誘導通路部における当該湾曲面の下方に位置する部位にも遊技機後方側ほど前記誘導通路部が誘導する前記所定方向へ向かって湾曲している湾曲面(第2湾曲面185)が設けられていることを特徴とする手段1乃至9いずれかに記載の遊技機。
開口部の少なくとも一部が配置されている突出部は、球タンクから遊技機後方へ突出している。よって、開口部付近の遊技球は遊技機後方側へ流下する。そして、開口部付近にて、遊技球の流下方向は誘導通路部が誘導する所定方向へ変更される。かかる流下方向の変更が円滑に行われない場合、球詰まりが起こる可能性がある。この点、手段10によれば、突出部及び誘導通路部は、開口部の周縁部から立設された内面である湾曲面を有しており、当該湾曲面は遊技機後方側ほど誘導通路部が誘導する所定方向へ向かって湾曲しているため、開口部付近の遊技球は突出部又は誘導通路部の湾曲面に沿って誘導通路部が誘導する所定方向へ向かって円滑に流れる。よって、流下方向の変更による球詰まりを抑制することができる。
なお、ここでいう「誘導通路部が誘導する所定方向」とは、例えば遊技機幅方向をいう。
手段11.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤61)と、
前記遊技盤と前記誘導通路部との間に少なくとも一部が配置されている遊技機器(役物装置73)と、
をさらに備えていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、誘導通路部と遊技盤との間に形成されている領域は、誘導通路部が遊技機後方へ突出した分だけ拡張されている。そして、当該領域に遊技機器の少なくとも一部が配置されている。かかる構成の遊技機に対して上記手段1乃至10のいずれかの効果を享受することができる。
手段12.前記遊技機器は前記遊技盤面の上部に配置されているとともに、遊技機後方へ突出していることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
本発明は、遊技機器が遊技盤面の上部の位置に遊技盤から後方へ突出して配置されている遊技機に適用することができる。
手段13.遊技機前面部にて遊技球を貯留する球受け皿(上皿95a、下皿96a)と、
前記誘導通路部の下流側に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を一旦停止させ、前記一旦停止させられている遊技球を遊技結果に基づき前記球受け皿へ払い出す払出装置(払出装置135)と、
前記遊技結果に基づいて払出を実行すべき遊技球数に対応した情報として賞球数情報を記憶するとともに、当該賞球数情報に対応した数の遊技球が払い出されるように前記払出装置に払い出しを実行させる制御装置(主制御装置107、払出制御装置146)と、
をさらに備えた手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、誘導通路部の下流側に払出装置が配置されているため、球タンクから開口部を介して排出された遊技球は誘導通路部によって払出装置へ向けて誘導される。当該遊技球は払出装置によって一旦停止する。そして、制御手段により一旦停止していた遊技球は球受け皿へ払い出される。かかる構成の遊技機に対して上記手段1乃至12のいずれかの効果を享受することができる。
手段14.遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル84)と、
その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射機構80)と、
その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く誘導部(内、外レール部78、79)と、
前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口62等)と、
をさらに備えた手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
手段14によれば、いわゆるパチンコ機に対して上記手段1乃至13のいずれかの効果を享受することができる。
手段15.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される表示装置と、
遊技機前面部にて遊技球を貯留する貯留部と、
該貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、
該取込装置による遊技球の取り込みを開始させるべく操作される取込開始操作手段と、
該表示装置における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、
該表示装置における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、
遊技結果に基づいて遊技球を払い出す払出装置とを備え、
前記取込装置により所定数の遊技球が取り込まれ、さらに前記始動操作手段が操作された場合に、前記表示装置における絵柄の変動表示を開始させ、
絵柄の変動表示の停止後に前記表示装置に表示されている絵柄により所定絵柄又は所定絵柄の組合せが成立していた場合には遊技者に遊技球が払い出される構成としたことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段15によれば、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機に対して上記手段1乃至10のいずれかの効果を享受することができる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。
外枠11は、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。上記のように左右の板材12,13を金属製とするとともに上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。また、パチンコ機10が外枠11を備える構成としたが、パチンコ機10は外枠11を備えずに遊技機主部21のみを備える構成としてもよい。
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、図2及び図3に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。
遊技機主部21は、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機ベースユニット22は、図2及び図3に示すように、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
遊技機ベースユニット22には、図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。図5は遊技機ベースユニット22の正面図、図6は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図、図7は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
遊技機ベースユニット22は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41にはその後方から遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。詳細には、樹脂ベース41の裏面には、図7に示すように、複数(本実施の形態では4箇所)の固定金具52〜55が設けられており、これら固定金具52〜55によって遊技盤61は後方へ脱落しないように固定されている。固定金具52〜55は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。
遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,上作動口64,下作動口65,スルーゲート66及び可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65及び可変表示ユニット67は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及び可変入賞装置63の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に2個及び右側に2個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット67には、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、役物装置73、第1特定ランプ部74及び第2特定ランプ部75が設けられている。役物装置73は、遊技盤61から後方へ突出して形成されている。役物装置73は、役物及びソレノイドを備えており、ソレノイドへの電気的信号により当該ソレノイドの出力軸が伸縮方向に移動し、役物が遊技機に対して前後方向に移動する構成となっている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部76,77が設けられている。下側の保留ランプ部76は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部74に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部77は、第2特定ランプ部75に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部77の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部74では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部75では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61には、内レール部78と外レール部79とが取り付けられており、これら内レール部78と外レール部79とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構80から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
樹脂ベース41の前面における回動基端側にはその上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられており、これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
<遊技機前面ユニット23>
ここで、遊技機前面ユニット23の構成について説明する。図8は遊技機前面ユニット23の背面図である。
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、図1に示すように、上記遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
遊技機前面ユニット23における窓パネル部91の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部95と下側膨出部96とが上下に並設されている。上側膨出部95内側には上方に開口した上皿95aが設けられており、下側膨出部96内側には同じく上方に開口した下皿96aが設けられている。上皿95aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留する。また、下皿96aは、上皿95a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。なお、下側膨出部96の右方には、上述した遊技球発射ハンドル84が設けられている。
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(図8の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(図8の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
また、遊技機前面ユニット23の背面には、図8に示すように、前面側通路ユニット99が取り付けられている。前面側通路ユニット99は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。遊技球は、これらの通路を介して上皿95a又は下皿96aへ払い出される。
<遊技機ベースユニット22の背面構成>
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について図7を用いて詳細に説明する。
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67には、図3及び図7に示すように、センターフレーム72を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられている。ここで、センターフレーム72の上部に設けられている役物装置73が遊技盤61に対して後方へ突出しているため、フレームカバー100における役物装置73に対応する部位は切り欠かれており、役物装置73はフレームカバー100から遊技機後方へ突出している。そして、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられているとともに、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、当該基板ボックスの開放痕跡手段としてカシメ構造や図示しない封印シールが設けられているとともに、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてカシメ構造が設けられている。
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
樹脂ベース41の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて遊技機ベースユニット22には裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、図5に示すように、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
樹脂ベース41の背面には、図3及び図7に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、図7に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた締結具117(図9参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<裏パックユニット24>
次に、裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。図9は裏パックユニット24の正面図、図10は裏パックユニット24の分解斜視図、図11は裏パックユニット24における球タンク132及びタンクレール133周辺の構成を示す斜視図である。
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、図9に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に軸受け金具111〜113に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。ここで、役物装置73が遊技盤61より遊技機後方へ突出して設けられているため、保護カバー部127における役物装置73に対応する部位も遊技機後方へ突出している。具体的には、役物装置73はセンターフレーム72の上部に設けられているため、その役物装置73を覆うために保護カバー部127の上端は従来よりも上方位置へ変更されている。
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、球タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。球タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。球タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。球タンク132には、球タンク132から遊技機後方へ突出した突出部155が設けられている。タンクレール133は、突出部155の下方において当該突出部155に連結されている。突出部155は球タンク132から遊技機後方へ突出しているため、突出部155の下方に配置されているタンクレール133も球タンク132に対して遊技機後方へ突出している。よって、タンクレール133が球タンク132に対して遊技機後方へ突出した分だけタンクレール133と遊技盤61との間隔は拡張されている。そして、タンクレール133と遊技盤61との間に役物装置73の一部が配置されている。かかる構成とすることにより、タンクレール133と保護カバー部127とが干渉しないようになっている。タンクレール133は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に流下してきた遊技球を一旦停止させ、遊技結果に基づき払い出す機能を有する払出装置135が設けられている。球タンク132に貯留されている遊技球はタンクレール133内を流下し、上下通路ユニット134の途中位置に設けられている払出装置135によって一旦停止される。そして、一旦停止した遊技球は遊技結果に基づいて上下通路ユニット134の下流側に設けられている上皿95a及び下皿96aへ向けて払い出される。
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パックユニット141が構成されている。
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置146は、基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置147は、基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、球タンク132及びタンクレール133について図12〜図16に基づいて詳細に説明する。図12は、球タンク132及びタンクレール133の平面図であり、突出部155の一部切断図を含む。図13は、図12のA−A線断面図である。図14は、球タンク132、タンクレール133、遊技盤61、音声ランプ制御装置ユニット102及び役物装置73の位置関係を説明するための図9のB−B線断面図である。図15はタンクレール133の一部平面図である。図16は、球タンク132及びタンクレール133の一部を切り欠いて示す正面図である。
まず、球タンク132について詳細に説明すると、球タンク132は合成樹脂により成形されており、ネジ等の締結具によってベース部126に固定されている。具体的には、球タンク132の遊技機幅方向に対する両端部には取り付け部151が設けられており、取り付け部151には、取り付け部151を貫通したネジ孔152が設けられている。ベース部126には、ネジ孔152と連通するネジ孔が設けられており、これらネジ孔にネジを挿通させることによって、球タンク132は裏パックユニット24に取り付けられている。
球タンク132は、底部153と当該底部153の周囲に立設された側壁部154を有している。これら底部153及び側壁部154によって囲まれた領域内に遊技球は貯留される。具体的には、底部153は上方から見て遊技機幅方向に長い略長方形状をなしており、遊技機幅方向の一方、かつ遊技機後方へ向かって下り傾斜している。底部153の周囲に立設されている側壁部154は、遊技機幅方向に対して底部153の上流側に配置されている上流側壁部154a、下流側に配置されている下流側壁部154b、遊技機前後方向に対して遊技機前方に配置されている前側壁部154c、及び遊技機後方に配置されている後側壁部154dから形成されている。これら4つの壁部と底部153とに囲まれた領域内に遊技球は貯留される。また、これら4つの壁部の上端は同一水平面にある。
下流側壁部154bと後側壁部154dとの隅角部付近には、突出部155が設けられている。突出部155は、球タンク132の一部を遊技機後方へ突出させることで形成されている。具体的には、突出部155は、後側壁部154dの下流側の一部を遊技後方へオフセットさせることで形成された第1壁部155aと、両端部がそれぞれ第1壁部155a及び後側壁部154dに配置されており第1壁部155aに対して直交する第2壁部155bと、下流側壁部154bを第1壁部155aまで遊技機後方へ延出させることによって形成された第3壁部155cと、から構成されている。突出部155には、球タンク132に貯留されている遊技球をタンクレール133へ排出する開口部156が設けられている。開口部156は、第1壁部155a、第2壁部155b及び第3壁部155cの内壁面に沿って略長方形に形成されている。開口部156は、突出部155の下方領域のほぼ全域を占めている。そして、開口部156は、球タンク132における底部153の最下流部に対して連続して形成されている。したがって、球タンク132に貯留されている遊技球は、球タンク132の底部153の下り傾斜によって開口部156へ誘導される。開口部156は、複数の遊技球が通過できる程度の大きさを有している。
球タンク132の底部153による開口部156への遊技球の誘導について説明する。底部153は、開口部156へ遊技球を誘導する第1傾斜部157及び第2傾斜部158から形成されている。第1傾斜部157は、底部153において上流側壁部154a側から下流側壁部154b側の途中まで形成されており、上流側壁部154aから下流側壁部154bに向かって下り傾斜になっている。よって、第1傾斜部157上の遊技球(図12〜図14、図16におけるB1の位置)は下流側壁部154bに向かって流下する。つまり、遊技球は第1傾斜部157によって、遊技機幅方向の一方へ誘導される。
第1傾斜部157の下流側には、第2傾斜部158が設けられている。第2傾斜部158は、第1傾斜部157に対して連続して形成されている。第2傾斜部158は、下流側壁部154b付近の所定の領域を占めている。詳細には、第2傾斜部158は、開口部156付近においては、下流側壁部154bから遊技機幅方向に一定の幅を有している。当該幅は、開口部156の遊技機幅方向の幅よりも狭い。また、開口部156付近における第2傾斜部158の遊技機幅方向の幅は、開口部156付近における第1傾斜部157の遊技機幅方向の幅よりも狭い。そして、第2傾斜部158は遊技機前後方向の途中位置から遊技機前方へ向かうに従って、遊技機幅方向の幅が広がるように形成されている。換言すれば、第2傾斜部158における遊技機幅方向の幅は開口部156へ向かうに従って狭くなっている。さらに換言すれば、第2傾斜部158に連続して設けられている第1傾斜部157における遊技機幅方向の幅は、遊技機後方へ向かうに従って広がっている。第2傾斜部158は、前側壁部154cから後側壁部154dに向けて下り傾斜している。よって、第1傾斜部157から流下してきた遊技球が第2傾斜部158上に至ると(図12及び図14におけるB2の位置)、第2傾斜部158上の遊技球は、開口部156が設けられている遊技機後方へ向かって流下する。これにより、球タンク132に貯留されている遊技球は開口部156へ流下する(図12〜図16におけるB3の位置)。特に、第2傾斜部158は開口部156へ向かうに従って狭くなっているため、第2傾斜部158上の遊技球は、第1傾斜部157及び第2傾斜部158の境界部又は下流側壁部154bに沿って開口部156へ流下しやすい。また、遊技機幅方向において、開口部156付近での第2傾斜部158の幅は開口部156の幅よりも狭く、開口部156付近での第1傾斜部157の幅よりも狭い。よって、開口部156付近では、第1傾斜部157が設けられている第2壁部155b側よりも第2傾斜部158が設けられている下流側壁部154b側に遊技球が集中しやすい。したがって、開口部156付近では、下流側壁部154b側の遊技球にかかる荷重は第2壁部155b側の遊技球にかかる荷重よりも大きい。よって、下流側壁部154b側の遊技球にかかる荷重は第2壁部155b側へかかりやすい。換言すれば、開口部156付近において下流側壁部154b側の遊技球にかかる荷重は分散されやすい。これにより、開口部156付近での球詰まりを抑制することができる。
第1傾斜部157には、遊技球を整流する凸部159が設けられている。凸部159は、第1傾斜部157から遊技機上方へ突出している。凸部159は、後側壁部154dから遊技機前方に一定の幅を有しており、凸部159の遊技機前方側の端部と前側壁部154cとの間には複数の遊技球が通過できる程度の空間が形成されている。そして、凸部159は、後側壁部154dから第1傾斜部157及び第2傾斜部158の境界部付近まで形成されている。これにより、第1傾斜部157上の遊技球は、凸部159又は第2傾斜部158へ流下するようになっている。球タンク132に貯留されている遊技球は、凸部159によって第1傾斜部157の誘導方向に沿ってそのまま開口部156へ流下するのを防止され、第2傾斜部158の誘導方向に沿って流下するようになっている。具体的には、凸部159は、第1傾斜部157とは反対に傾斜している第3傾斜部160を有している。第3傾斜部160は、凸部159において開口部156に対して反対側の部位に設けられている。凸部159の遊技機幅方向の幅は、遊技機前方へ向かうに従って狭くなるように形成されており、これに対応して第3傾斜部160の遊技機幅方向の幅も遊技機前方へ向かうに従って狭くなっている。第1傾斜部157から流下してきた遊技球が第3傾斜部160上に至った場合(図12〜図14におけるB4の位置)、当該遊技球の勢いが低減される。勢いが低減された遊技球は、第3傾斜部160に沿って流下する。そして、当該遊技球は第1傾斜部157及び第3傾斜部160の境界部に沿って、遊技機前方側かつ下流側へ向けて流下する。つまり、球タンク132に貯留されている遊技球は、凸部159によって第1傾斜部157からそのまま開口部156へ流れ込むことが阻止されつつ、流れの向きを遊技機前方側へ変えられる。したがって、開口部156付近の遊技球に過剰な荷重がかからないようになっている。そして、凸部159により流れの向きを変えられた遊技球は凸部159の遊技機前方側を流下する。つまり、第1傾斜部157上にある遊技球は凸部159を迂回するように流下する。そして、凸部159の遊技機前方側を流下してきた遊技球は下流側壁部154bに衝突した後に開口部156へ流れるため、開口部156へ流下する遊技球の勢いは低減されている。これにより、一定の方向から、かつ安定した状態で遊技球は開口部156へ流下することとなる。つまり、球タンク132に貯留されている遊技球は、凸部159によって整流されている。なお、凸部159の開口部156側の部位は、突出部155における第2壁部155bの一部を遊技機前方へ延出させることで形成されている。凸部159と下流側壁部154bとの間にある遊技球は両側の壁部に沿って流下するため、円滑に開口部156へ導かれる。
以上のことから、球タンク132に貯留されている遊技球は、凸部159により開口部156への直接の流下を抑制されつつ、第1傾斜部157により第2傾斜部158へ誘導される。そして、第2傾斜部158上の遊技球は、第2傾斜部158の傾斜により開口部156が設けられている遊技機後方へ誘導される。そして、開口部156を介して球タンク132から排出された遊技球は、開口部156下方に配置されているタンクレール133によって受け止められ、払出装置135に向かって誘導される。なお、球タンク132は合成樹脂により成形されているため、球タンク132の軽量化を図ることができ、球タンク132に設けられる突出部155や底部153の傾斜等の成形を容易に行うことができるが、これに限らずアルミニウムなどの金属によって構成しても良い。
次に、タンクレール133について説明すると、タンクレール133は開口部156が配置されている突出部155の下方に配置されている。突出部155は図11及び図14に示すように球タンク132に対して遊技機後方へ突出して設けられているため、それに対応して配置されているタンクレール133も球タンク132に対して後方へ突出している。よって、タンクレール133が突出した分、タンクレール133と遊技盤61との間隔が拡張されている。よって、タンクレール133と遊技盤61との間に役物装置73を配置することができる。
タンクレール133は合成樹脂により成形されており、上方に開口した長尺樋状をなしている。タンクレール133は遊技機幅方向を長手方向として配置されており、払出装置135に向かって下り傾斜になっている。タンクレール133の誘導方向は、球タンク132における第1傾斜部157の誘導方向に対して反対方向となるように形成されている。タンクレール133の上流側には、開口部156を介して球タンク132から排出された遊技球を受け止める球受部171が設けられている。球受部171は、図16に示すように底面が球面状であり、開口部156の下方位置に配置されている。開口部156を介して球タンク132から排出された遊技球は球受部171により受け止められ、タンクレール133内へ向けて流下する(図15及び図16におけるB5の位置)。そして、遊技球はタンクレール133内に設けられている仕切壁172によって二手に分流される。つまり、遊技球はタンクレール133内にて2列に整列される。そして、遊技球はタンクレール133の傾斜に沿って払出装置135に向かって誘導される。つまり、球タンク132に貯留されている遊技球は遊技機幅方向の一方へ流下し、開口部156付近にて流下方向が変更され、タンクレール133の誘導方向である遊技機幅方向の他方へ向けて流下する。より詳細には、第1傾斜部157により遊技機幅方向の一方へ向けて流下する遊技球は、第2傾斜部158により下流側壁部154b及び第3壁部155cに沿って遊技機後方へ向けて流下する。その後、開口部156付近において流下方向が、第3壁部155cに沿った方向から球タンク132における第1傾斜部157の流下方向とは反対方向である遊技機幅方向の他方へ変更される。そして、遊技球は払出装置135に向けてタンクレール133内を流下する。また、タンクレール133の底部には、塵埃を落下させるための穴部173が設けられている。穴部173によって、空気中の塵埃がタンクレール133の底部に溜まることが抑制されている。
次に、開口部156付近における球詰まり抑制構造について図17及び図18を用いて説明する。図17は、球詰まり抑制構造を説明するための図12におけるC−C線断面図であり、図18は球詰まり抑制構造を説明するための球タンク132及びタンクレール133の一部を切り欠いて示す正面図である。
上述したように、球タンク132の底部153によって球タンク132に貯留されている遊技球は開口部156へ流れ込む。また、払出装置135によって遊技球は一旦停止されるため、球タンク132内まで遊技球が連なる場合がある。かかる場合、開口部156付近において遊技球が連続して積み重なることにより球詰まりが発生するおそれがある。また、開口部156付近では、遊技球の流下方向が、第3壁部155cに沿った方向からタンクレール133が誘導する遊技機幅方向に変更される。かかる流下方向の変更が円滑に行われない場合、球詰まりが起こる可能性がある。これらに対して、それぞれ球詰まり抑制構造が設けられている。この球詰まり抑制構造としては、第1球詰まり抑制構造と、第2球詰まり抑制構造とが設けられている。
まず、第1球詰まり抑制構造について説明すると、開口部156から上方に離間した位置には、遊技球の連続した積み重なりを所定レベルに規制する規制部181が設けられている。規制部181は、第1壁部155aのうち、開口部156上方の所定高さ位置(開口部156から遊技機上下方向に対して距離X1だけ上方の位置)から上端部までを遊技機前方側へオフセットさせることで形成されている。当該オフセットに対応して、第2壁部155b及び第3壁部155cそれぞれにおける遊技機後方側の端部のうち、開口部156上方の所定高さ位置から上端部までの端部の位置は遊技機前方側へ移動している。そして、これら端部に、遊技機幅方向における規制部181の両端部がそれぞれ配置されている。また、第2壁部155bにおける規制部181よりも遊技機後方側の上端及び第3壁部155cにおける規制部181よりも遊技機後方側の上端は、それぞれ開口部156上方の所定高さ位置となっており、同一水平面にある。規制部181の下端と開口部156との間には、遊技機上下方向に対して距離X1の隙間が存在する。規制部181の上端と、球タンク132の側壁部154の上端とは、同一水平面にある。規制部181は、自身よりも上流側にある遊技球と当接する当接面182を有する。当接面182は平坦面であり、遊技機上下方向に延びている。換言すれば、当接面182は、開口部156付近での遊技球の流下方向である遊技機前後方向に対して直交している。開口部156へ流れ込む遊技球は、当接面182と当接することによって規制部181より下流側へ移動することが規制されているため、開口部156の上方空間の少なくとも一部について開口部156よりも上方への遊技球の連続した積み重なりは所定レベルに規制されている。具体的には、開口部156へ流れ込む遊技球のうち、規制部181の下端部より上方にある遊技球は規制部181の当接面182と当接する。これにより、規制部181よりも下流側である遊技機後方側への遊技球の移動が規制される(図17におけるB6の位置)。これに対して、規制部181の下端と、球タンク132の底部153及び開口部156との間にある遊技球は、規制部181によって移動が規制されることなく開口部156へ向けて流下する。よって、規制部181よりも遊技機後方側では、遊技球の連続した積み重なりがほぼ規制部181の下端部までに規制されている。したがって、開口部156付近に存在する遊技球(図17におけるB7の位置)にかかる遊技球の荷重は、当該遊技球よりも上方から受ける荷重が低減されているため、全体として低減される。これにより、開口部156付近での球詰まりを抑制することができる。そして、開口部156付近の遊技球にかかる荷重が低減される場合、球タンク132から開口部156を介して排出されタンクレール133内を流下する遊技球にかかる荷重も低減される。よって、タンクレール133内での球詰まりを抑制することができる。なお、移動を規制された遊技球は当接面182に沿って落下し、規制部181の下端と開口部156との間を通過して、開口部156へ流れ込む。また、開口部156から規制部181の下端部までの距離X1は少なくとも遊技球1個が通過できるように遊技球の直径R以上であればよい。また、当接面182は平坦面としたが、これに限られず、湾曲面又は凹凸面であってもよい。
規制部181の遊技機前方側の端部から開口部156の遊技機前方側の端部までの遊技機前後方向の距離X2が遊技球の直径R未満になるように、規制部181は配置されている。これにより、規制部181によって移動が規制された遊技球(図17におけるB6の位置)の荷重の少なくとも一部は球タンク132の底部153にかかることになるため、荷重の全てが開口部156付近の遊技球(図17におけるB7の位置)へかかることが抑制されている。よって、開口部156付近での球詰まりを抑制しつつ、規制部181を設けたことによる球タンク132の容量の減少を極力抑えることができる。
また、開口部156と規制部181の下端との距離が、タンクレール133の整列数分の遊技球が通過でき、かつ、その整列数分よりも多い遊技球は通過できない距離となるように、開口部156と規制部181との位置関係は設定されている。具体的には、規制部181が開口部156上方に設けられている場合、開口部156の遊技機前方側端部と規制部181の下端との距離がタンクレール133の整列数分の遊技球が通過でき、かつ、その整列数分よりも多い遊技球は通過できない距離となるように、開口部156から規制部181の下端までの遊技機上下方向の距離X1と、規制部181の遊技機前方側の端部から開口部156の遊技機前方側の端部までの遊技機前後方向の距離X2とがそれぞれ設定されている。但し、X2は、前述した通り遊技球1個分未満が好ましいため、X2は当該範囲内で設定されている。これにより、開口部156へ一度に流れ込むことができる遊技球の積み重なりの数は、タンクレール133における整列数分の遊技球の数となる。すなわち、遊技球は、開口部156と規制部181との間を通過することによって、積み重なりの数がタンクレール133の整列数分の状態でタンクレール133へ流れ込みやすい。よって、タンクレール133内を円滑に流下しやすいため、タンクレール133内での球詰まりを抑制することができる。
規制部181と第1壁部155aとの間には、規制部181を支持する支持壁部183が設けられている。支持壁部183は第1壁部155a及び規制部181に対して直交している。規制部181及び突出部155は支持壁部183を介して一体形成されている。具体的には、遊技機前後方向における支持壁部183の一端部は規制部181の下端部に配置されており、他端部は第1壁部155aの上端部に配置されている。規制部181は支持壁部183により突出部155に対して支持されている。したがって、規制部181の強度が高められているため、規制部181に遊技球が当接しても規制部181は撓みにくい。これにより、規制部181の撓みによる球詰まりを抑制することができる。
また、支持壁部183は遊技機幅方向に沿って延びており、支持壁部183の両端部は、それぞれ第2壁部155bの規制部181より遊技機後方側の上端部と、第3壁部155cの規制部181より遊技機後方側の上端部とに配置されている。よって、支持壁部183は、開口部156の上方空間のうち、遊技機幅方向に対しては全体を、遊技機前後方向に対しては規制部181から第1壁部155aまでを覆うように形成されている。よって、支持壁部183の下方領域にて遊技球が積み重なり、支持壁部183より上方へ遊技球が積み重なることはない。換言すれば、支持壁部183の下方において、遊技球の連続した積み重なりのレベル(高さ)は支持壁部183(支持壁部183が設けられている高さ)までに規制される。よって、開口部156付近での球詰まりをより好適に抑制することができる。また、支持壁部183によって、空気中の塵埃が開口部156へ侵入しにくい。よって、塵埃による球詰まりを抑制することができる。
次に、第2球詰まり抑制構造について図12及び15を用いて説明する。
突出部155は、第1壁部155aの内壁面と第3壁部155cの内壁面との境界部に、遊技球の曲率よりも小さい曲率で湾曲している第1湾曲面184を有している。第1湾曲面184により、第1壁部155aの内壁面と第3壁部155cの内壁面とが連続的に接続されている。換言すれば、第1壁部155aの内壁面と第3壁部155cの内壁面とが接続される隅角部にアールが形成されていることになる。第1湾曲面184に対応して、第1壁部155a及び第3壁部155cの内壁面に沿って形成されている開口部156も湾曲している。そして、タンクレール133における第1湾曲面184の下方に位置する部位にも遊技球の曲率よりも小さい曲率で湾曲している第2湾曲面185が設けられている。具体的には、第2湾曲面185は、球受部171の上流側端部における遊技機後方側に設けられている。第2湾曲面185は、第1湾曲面184と同様の曲率を有している。換言すれば、遊技球の曲率よりも小さい曲率の湾曲面が、開口部156を含めてタンクレール133の底部から突出部155の上端部までほぼ連続して形成されている。これら第1湾曲面184及び第2湾曲面185によって、遊技球の流下方向は、第3壁部155cに沿った方向からタンクレール133が誘導する遊技機幅方向に円滑に変更される。具体的には、第2傾斜部158により下流側壁部154b及び第3壁部155cに沿って流下してきた遊技球(図15及び図16におけるB3の位置)は、第1湾曲面184又は第2湾曲面185に到達し、これら湾曲面に沿って第3壁部155c側から第1壁部155a側へ円滑に流下する。第1壁部155aは遊技機幅方向に沿って延びているため、第1壁部155aに沿った方向と、タンクレール133の誘導方向とは略一致している。よって、遊技球の流下方向は、タンクレール133の誘導方向に円滑に変更されることとなる。換言すれば、第1壁部155aの内壁面と第3壁部155cの内壁面との隅角部又はタンクレール133における当該隅角部に対応する部位において、遊技球が溜まりにくい。したがって、流下方向の変更による球詰まりを抑制することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図19のブロック図に基づいて説明する。図19では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置107に設けられた主制御基板311には、主制御回路312と停電監視回路313とが内蔵されている。主制御回路312には、CPU321が搭載されている。CPU321には、当該CPU321により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM322と、そのROM322内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM323と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM323は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置147に設けられた電源及び発射制御基板331からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU321には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路312の入力側には、主制御基板311に設けられた停電監視回路313、払出制御装置146に設けられた払出制御基板332及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路313には電源及び発射制御基板331が接続されており、主制御回路312には停電監視回路313を介して電力が供給される。
一方、主制御回路312の出力側には、停電監視回路313、払出制御基板332及び中継端子板333が接続されている。払出制御基板332には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板333を介して主制御回路312から音声ランプ制御装置103に設けられた音声ランプ制御基板334に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路313は、主制御回路312と電源及び発射制御基板331とを中継し、また電源及び発射制御基板331から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板332は、払出装置135により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。島設備から球タンク132に補給された遊技球は、開口部156を介してタンクレール133へ流下し、上下通路ユニット134の途中位置に設けられている払出装置135によって一旦停止される。そして、一旦停止した遊技球は払出制御基板332からの各種払出コマンドに基づいて上下通路ユニット134の下流側に設けられている上皿95a及び下皿96aへ向けて払い出される。
払出制御基板332のRAM343は、主制御回路312のRAM323と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板331からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板332のCPU341には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板332の入力側には、主制御回路312、電源及び発射制御基板331、及び裏パック基板136が接続されている。また、払出制御基板332の出力側には、主制御回路312及び裏パック基板136が接続されている。
電源及び発射制御基板331は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路312や払出制御基板332等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作にしたがって遊技球発射機構80の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構80は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板334は、役物装置73、環状電飾部92、エラー表示ランプ部93、スピーカ部94、及び表示制御装置101を制御するものである。演算装置であるCPU351は、そのCPU351により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM352と、ワークメモリ等として使用されるRAM353とを備えている。
音声ランプ制御基板334のCPU351にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板334の入力側には中継端子板333に中継されて主制御回路312が接続されており、主制御回路312から出力される各種コマンドに基づいて、役物装置73、環状電飾部92、エラー表示ランプ部93、スピーカ部94、及び表示制御装置101を制御する。特に、役物装置73は遊技機に対して前後方向に移動することができるため、ダイナミックな演出を行うことが可能となる。表示制御装置101は、音声ランプ制御基板334から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置71を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
球タンク132の一部を遊技機後方へ突出させることによって突出部155が形成され、その突出部155に開口部156が設けられている。そして、開口部156の上方空間の少なくとも一部について当該開口部156よりも上方への遊技球の連続した積み重なりを所定レベルに規制する規制部181が設けられている。これにより、開口部156付近の遊技球にかかる荷重が低減されるため、開口部156付近での球詰まりを抑制することができる。
具体的には、規制部181は、開口部156から上方に離間させて配置されているとともに、規制部181より上流側からの遊技球と当接することにより、規制部181より下流側への遊技球の移動を規制する当接面182を有している。これにより、規制部181より下流側では、遊技球の連続した積み重なりが所定レベルに規制されている。よって、開口部156付近での球詰まりを抑制することができる。
また、球タンク132に貯留されている遊技球は規制部181の下端と開口部156との間を通過して開口部156へ流れ込むため、規制部181の下端と開口部156との間隔を調整することにより、タンクレール133へ一度に流れ込む遊技球の量を調整することができる。よって、当該間隔を調整することにより、タンクレール133及びそれより下流側において、過剰な遊技球に起因する球詰まりを抑制することができる。
規制部181は、第1壁部155aの一部を遊技機前方側へオフセットさせることによって形成されている。よって、突出部155における第1壁部155aの一部が規制部181として兼用されている。これにより、規制部181を独立して設ける構成に比べて、構成の簡素化が図られている。
規制部181の上端と球タンク132の側壁部154の上端とが同一水平面となっている。通常、球タンク132は側壁部154と底部153とに囲まれた領域内に遊技球を貯留するため、遊技球は側壁部154の上端を越えて積み重なりにくい。よって、球タンク132において遊技球が積み重なることができる高さと規制部181が遊技球の移動を規制できる高さとがほぼ同じなっている。よって、積み重なった遊技球が規制部181を超えてしまうことを阻止することができる。
規制部181は遊技球との当接によって撓む可能性がある。規制部181が撓んだ場合、遊技球の移動が規制されない可能性がある。これに対して、規制部181と突出部155とが支持壁部183を介して一体形成されているため、規制部181は支持壁部183を介して突出部155に支持されている。よって、規制部181に要求される強度が容易に確保でき、規制部181の撓み変形を好適に抑制することができる。したがって、規制部181の撓みによる球詰まりを抑制することができる。
また、支持壁部183は、開口部156上方空間のうち、遊技機幅方向に対しては全体を、遊技機前後方向に対しては規制部181から第1壁部155aまでを覆うように形成されている。これにより、支持壁部183の下方において、遊技球の連続した積み重なりのレベルは支持壁部183までに規制される。よって、開口部156付近での球詰まりをより好適に抑制することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、遊技球の移動を規制する規制部が設けられているが、これに限られない。例えば、図20に示すような構成にしてもよい。図20は、図17に基づいて規制部の変形例を示す図である。
(a−1)図20に示す構成では、開口部156上方の所定高さ位置に、開口部156の上方空間の少なくとも一部を覆う屋根部191が設けられている。屋根部191は第1壁部155aから遊技機前方側へ突出して設けられている。屋根部191は第2壁部155bから第3壁部155cまで形成されている。つまり、屋根部191は、遊技機幅方向に対しては開口部156の上方空間の全体を覆っている。屋根部191は、遊技球を受け止める上面192を有している。屋根部191より上方の遊技球は屋根部191の上面192に受け止められる。よって、屋根部191より上方への遊技球の連続した積み重なりは規制される。したがって、開口部156付近での球詰まりを抑制することができる。また、屋根部191を設けたことによる球タンク132の貯留量の減少は、規制部181を設けた場合よりも低減されている。なお、屋根部191の遊技機前方側の端部は、遊技球と当接する際の衝撃で破損する可能性があるため、曲面状に面取りを施しておくのが好ましい。また、屋根部191の遊技機前方側の端部は開口部156における遊技機前方側の端部に対して遊技機後方側に配置されており、屋根部191の遊技機前方側の端部と開口部156における遊技機前方側の端部との遊技機前後方向の距離X3は遊技球1個分未満になるようにするのが好ましい。
(a−2)また、図20では、球を受け止める上面192は第1壁部155aから遊技機前方へ向けて下り傾斜になるように形成されている。かかる構成により、上面192に受け止められた遊技球は遊技機前方に向けて流下し、屋根部191から零れ落ちて、開口部156へ向けて流下する。つまり、上面192によって受け止めた遊技球は開口部156へ誘導される。
(b)以下に上記実施の形態で詳述した遊技球の移動を規制する規制部の変形例を示す。図21の(a)〜(d)は、図17に示されている規制部181の変形例を概略化して示す要部断面図である。
(b−1)上記実施の形態では、当接面182は遊技機前後方向に対して直交しているが、これに限られず、遊技機前後方向に対してどちらかに傾斜していてもよい。また、遊技機幅方向に対してどちらかに傾斜していてもよい。要は、遊技球の流下方向である遊技機前後方向に対して交差する面であればよい。例えば図21(a)では、開口部156へ向けて下り傾斜している規制部193が設けられている。これにより、規制部193が有する当接面194は、同じく開口部156へ向けて傾斜している。移動を規制された遊技球は当接面194に沿って流下するため、当該遊技球は開口部156へ誘導される。
(b−2)上記実施の形態では、開口部156上方に規制部181が設けられているが、開口部156より遊技機前方側に設けられていてもよい。例えば図21(b)では、球タンク132の底部153上方に規制部195が設けられている。かかる場合、規制部195の位置に対応して支持壁部196も遊技機前方へ延びている。また、規制部195と球タンク132の後側壁部154dとの間に隙間が形成されるため、当該隙間を通って遊技球が球タンク132から零れ落ちる可能性がある。よって、かかる不都合を防止するために、規制部195と後側壁部154dとの間に第2壁部197を設ける必要がある。但し、開口部156上方に設ける場合の方が、球タンク132の貯留量の点で、底部153上方に設ける場合よりも優れている。
(b−3)上記実施の形態では、規制部181は第1壁部155aの一部を遊技機前方へオフセットさせることで形成されているが、これに限られない。例えば、規制部が別途設けられていてもよい。さらに、図21(c)に示すように別途設けられた規制部198に支持壁部199が設けられていてもよい。かかる場合、支持壁部199を底部として規制部198、第1壁部155a、第2壁部155b及び第3壁部155cによって囲まれた球受領域200が形成される。球受領域200は遊技球を貯留することができる程度の大きさを有しているため、遊技球が規制部198を越えて開口部156へ流れ込む場合があったとしても、当該遊技球は球受領域200内に取り込まれる。よって、遊技球が球タンク132から零れ落ちることが防止される。
(b−4)上記実施の形態では、規制部181と突出部155とが一体形成されているが、これを変更してもよい。例えば、図21(d)では、規制部201は支持壁部202を介して突出部155に着脱自在に取り付けられている。具体的には、規制部201の上端部に支持壁部202の一端部が配置されている。そして、支持壁部202の他端部と、第1壁部155aの上端部に設けられた取り付け部203とがネジ204によって固定されている。ネジ204を取り外すことにより規制部201を簡単に取り外すことができるため、規制部201が着脱自在に取り付けられるようになっている。なお、かかる構成において規制部201及び支持壁部202は透明樹脂を用いることが好ましい。これにより、開口部156付近の様子を容易に確認することができる。
(c)上記実施の形態では、支持壁部183は規制部181の下端部に配置されているが、これに限られない。例えば、支持壁部183は第1壁部155aの上端部から遊技機前方に向かって上り傾斜し、規制部181の上端部に配置されていてもよい。また、上記実施の形態では支持壁部183は規制部181及び第1壁部155aに対して直交しているが、支持壁部183は傾斜していてもよいし、湾曲していてもよい。要は、規制部181の下端部と開口部156との位置関係と同様に、開口部156及び支持壁部183の距離が、タンクレール133の整列数分の遊技球が通過でき、かつその整列数分の遊技球よりも多い遊技球が通過できない距離となるように、開口部156及び支持壁部183の位置関係が設定されていればよい。具体的には、支持壁部183は開口部156上方に設けられているため、開口部156の遊技機前方側端部と支持壁部183との距離がタンクレール133の整列数分の遊技球が通過でき、かつ、それよりも多い遊技球は通過できないように、支持壁部183が形成されていればよい。例えば、タンクレール133の整列数が2列である場合、開口部156の遊技機前方側端部と支持壁部183との距離が遊技球2個分以上3個分未満であればよい。但し、支持壁部183と第1壁部155aとが直交している場合の方が、支持壁部183が当該距離を確保しつつ湾曲して形成されている場合よりも、支持壁部183と第1壁部155aとの隅角部に空間が形成される分、遊技球がタンクレール133へ向けて方向転換する際の逃げスペースを確保することができる点で優れている。
(d)上記実施の形態では、第1湾曲面184及び第2湾曲面185の曲率は同じ曲率になるように形成されているが、これに限られず、両者が異なる曲率で形成されていてもよい。但し、両者の曲率が同一である方が、両者の境界部に段差が形成されないため、遊技球は円滑に流れやすい。
(e)上記実施の形態では、センターフレーム72の上部に役物装置73が設けているが、これに限られない。例えば、役物装置73を設けず、図柄表示装置71に代えて大型の図柄表示装置が配置されていてもよい。かかる場合は、大型の図柄表示装置及びその制御装置等の一部が遊技盤61とタンクレール133との間に配置される。
(f)上記実施の形態では、開口部156は、第1壁部155a、第2壁部155b及び第3壁部155cの内壁面に沿って形成されているが、これに限られない。例えば、突出部155に球タンク132の底部153の最下流部に連続する底部を設け、底部の一部が開口していてもよい。また、開口部156は長方形に限らず円形でもよい。要は、少なくとも遊技球1個通過できる程度の大きさを有していればよい。
(g)上記実施の形態では、開口部156は突出部155に設けられていたが、これに限られず、例えば球タンク132の底部153に開口部156の少なくとも一部が設けられていてもよい。かかる場合、開口部156の下方にタンクレール133が配置されるため、タンクレール133の少なくとも一部が球タンク132の下方に配置される。
(h)上記実施の形態では、タンクレール133の誘導方向は遊技機幅方向としたがこれに限られない。また、球タンク132及びタンクレール133の誘導方向は異なるものとしたが、これに限られず、同一方向としてもよい。
(i)上記各実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(j)以上詳述した各実施の形態における構成及び各別例における構成のそれぞれを任意に組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、実施形態の構成と複数の別例を組み合わせてもよい。