JP2006073836A - セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の外部電極を形成した場合に、その表面が平滑で厚さが一定となり、その塗膜強度も十分なセラミック電子部品用導電性ペーストを提供すること。
【解決手段】金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、前記密着性付与剤が、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなるもの。
【選択図】なし
【解決手段】金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、前記密着性付与剤が、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなるもの。
【選択図】なし
Description
本発明はセラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品に係り、例えばセラミック素体の表面にディッピングにより付与し、焼き付けて外部導体を形成する際に、所定形状の外部導体を得られ、かつかけはがれの発生が抑制された外部導体を得られるセラミック電子部品用導電性ペーストおよびそれを用いたセラミック電子部品に関する。
積層セラミックコンデンサのようなセラミック電子部品においては、一般にセラミック素体の表面に外部電極となる外部導体が形成されている。外部導体は、例えば金属粉末とガラス粉末とを有機バインダとともに混合して得られる導電性ペーストを、セラミック素体の表面にディップ法により塗布し、焼き付けた後、必要に応じて銅メッキ、ニッケルメッキを施し、さらにスズメッキ、スズ−バラジウム合金メッキを施して形成される。
導電性ペーストは、具体的には有機バインダを有機溶剤に溶かしたものに、ニッケル、銅、銀等の金属粉末やガラス粉末を分散させたものであり、有機バインダとしてはエチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂が使用されている。
このような導電性ペーストには、次のような特性が求められている。すなわち、セラミック素体の両端部に外部電極を形成した場合に、セラミック素体の端部に形成された外部電極の厚さが一定となり、表面形状が丸みを帯びず、平滑となることが望まれている。外部電極の表面形状が丸みを帯びていると、回路基板上に実装する場合にいずれかの外部電極が回路基板から離れて実装される、いわゆるツームストーン現象が発生しやすい。
また、導電性ペースト塗布、乾燥後の塗膜には十分な強度が要求される。塗膜強度が不十分な場合、塗布、乾燥工程において、チップ取り出し用のピンで押し出す時や、その他の工程でチップ同士がぶつかり合うことにより、塗膜にはがれやかけが生じてしまう。これは結果的に半田濡れ不良、ツームストーン現象等の不良につながる。
外部電極の表面形状を平面状とすることが可能な導電性ペーストとして、例えば導電性ペーストに含まれる金属粉末を球形粒および偏平粒からなるものとし、それぞれの粒子の平均粒径を変えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−177931号公報
上述したようにセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、例えば積層セラミックコンデンサの外部電極等を形成した場合に、その表面形状が丸みを帯びず平滑で、その厚さが一定であり、さらに、塗布、乾燥後の塗膜に十分な強度が要求される。しかしながら、従来のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては上述したような課題が十分に解決されているとはいえない。
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、外部電極を形成した場合に、その表面が平滑で厚さが一定となり、塗布乾燥後の塗膜強度が十分なセラミック電子部品用導電性ペーストおよびそれを用いて作製される信頼性に優れたセラミック電子部品を提供することを目的としている。
本発明者は上記目的を達成するため鋭意研究を進めた結果、後述のセラミック電子部品用導電性ペーストによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を為すに至ったものである。
すなわち、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、前記密着性付与剤が、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなることを特徴とする。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、前記密着性付与剤の含有量が、前記セラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%のうち、0.5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
また、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、前記有機バインダが主として分子量40万〜90万のiso−ブチルメタクリレート樹脂からなることが好ましい。
さらに、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、前記金属粉末が平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末と平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末とからなるものであることが好ましく、これらの金属粉末の合計量100重量%のうち、前記平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末が70重量%以上であればなお好ましい。
本発明のセラミック電子部品は、セラミック素体の表面に外部導体が形成されたセラミック電子部品であって、前記外部導体は上述したセラミック電子部品用導電性ペーストを前記セラミック素体の表面に付与し、焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とする。
本発明では、セラミック電子部品用導電性ペーストを、金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるものとし、かつ、この密着性付与剤として、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなるものを用いることにより、例えばこれをセラミック素体の両端部に塗布して外部導体を形成した場合に、その表面を平滑とし、厚さも一定とすることができ、さらに塗膜強度も高めることができる。
以下、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストについて説明する。本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、前記密着性付与剤が、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなることを特徴とする。
本発明に用いられる松脂から取られるロジンとしては市販されているものを用いることができ、このようなものとしては例えばヤスハラケミカル(株)より「ガムロジン」「トールロジン」の商品名で市販されているものを用いることができる。
また、本発明に用いられるテルペン油重合樹脂としては、例えば芳香族変性テルペン樹脂やテルペンフェノール樹脂が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂は、有機溶媒中でテルペン単量体と芳香族単量体とを共重合して得られるものをいう。また、得られた芳香族変性テルペン樹脂を水素添加処理して得られた芳香族変性水添テルペン樹脂であってもよい。
テルペン単量体としてはα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−、1−リモネン等が挙げられ、芳香族単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられる。
このような芳香族変性テルペン樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばヤスハラケミカル(株)より「YSレジンTO」「YSレジンTR」「クリアロン」の商品名で市販されているものを用いることができる。
テルペンフェノール樹脂は、テルペン単量体とフェノール類とを共重合して得られるものをいう。また、得られたテルペンフェノール樹脂を水素添加処理した水添テルペンフェノール樹脂であってもよい。
テルペン単量体としては、先に述べたようにα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−、1−リモネン等が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられる。
このようにして得られるテルペンフェノール樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばヤスハラケミカル(株)より「YSポリスター」「マイティーエース」の商品名で市販されている各種のグレードのものを用いることができる。
セラミック電子部品用導電性ペースト中の密着性付与剤の含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%のうち、0.5重量%以上20重量%以下とすることが好ましい。0.5重量%未満であると塗布乾燥後の強度が不十分であり好ましくない。また、20重量%を超えるとその効果は飽和する。
本発明に用いられる金属粉末は特に限定されるものではなく、例えば銀、パラジウム、金、白金、ニッケルおよび銅から選ばれる1種の金属元素からなる金属単体、または、前記金属元素群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む合金からなる粉末が挙げられる。このような金属単体あるいは合金からなる金属粉末は1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
金属粉末は平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末および平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末の2種の平均粒径からなるものであればより好ましい。本発明では平均粒径の異なる2種の球状金属粉末を用いることで、金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末および平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末は、それぞれ粒度分布が個数積算分布における10%粒子径をD10、50%粒子径をD50、90%粒子径をD90としたときに、(D90−D10)/D50≦3を満たすものであればより好ましい。それぞれの球状粉末の粒度分布をこのようなものとすることで、さらに金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
上述したように金属粉末を2種の異なる平均粒径からなるものとする場合、金属粉末の合計量100重量%のうち、平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末を70重量%以上とすることが好ましい。平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末を70重量%以上とすることで、金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末は金属粉末の合計量の90重量%以下とすることがより好ましい。平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末が90重量%を超えると、外部導体を形成した場合に金属粉末が十分に充填されず、電気的特性にばらつきが発生するため好ましくない。
セラミック電子部品用導電性ペースト中の金属粉末の含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体の60重量%以上90重量%以下とすることが好ましい。60重量%未満であると外部導体にポアや亀裂が発生しやすく、電気的特性も低下するため好ましくない。また、90重量%を超えると相対的にガラス粉末の含有量が減少し、外部導体を形成する際の焼成が困難となるため好ましくない。
本発明に用いられるガラス粉末はセラミック電子部品用導電性ペーストを用いて外部導体を作製する際に焼成を容易にするために加えられるものである。ガラス粉末の平均粒径は5.0μm以下とすることが好ましい。5.0μmを超える場合、セラミック電子部品用導電性ペーストにおける分散性が悪くなり、外部導体を形成した場合に電気的特性にばらつきが発生しやすくなるため好ましくない。
ガラス粉末としては、ホウ酸塩ガラス、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸塩ガラス等が用いられ、より具体的にはホウ酸ビスマスガラス、ホウ珪酸ビスマスガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス等が用いられる。
セラミック電子部品用導電性ペースト中のガラス粉末の含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体に対して5重量%以上15重量%以下とすることが好ましい。5重量%未満であると、セラミック電子部品用導電性ペーストの焼成を容易にする効果が低く、15重量%を超えると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した場合に、外部導体表面をガラス成分が覆ってしまい、メッキ処理等が困難となるため好ましくない。
本発明に用いられる有機バインダとしては、主として分子量40万〜90万のiso−ブチルメタクリレート樹脂からなるものが好適に用いられる。iso−ブチルメタクリレート樹脂の分子量が40万未満であると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部電極を形成した際に、外部導体の形状が所定形状となりにくく、分子量が90万を超えるものは製産に時間がかかり、一般的に製品になりにくい。
有機バインダとしては、iso−ブチルメタクリレート樹脂と共に他の樹脂を用いてもよく、この場合、有機バインダの合計量100重量%に対してiso−ブチルメタクリレート樹脂を90重量%以上とすることが好ましい。このような範囲にすることにより、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部電極を形成した際に、外部電極の形状が所定形状となりやすく、また有機バインダを十分に除去することができ、ポアや亀裂の発生を抑制することができる。
iso−ブチルメタクリレート樹脂と共に用いられる他の樹脂としては、例えばiso−ブチルメタクリレート樹脂以外のアクリル樹脂、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類を重合させたものを用いることができる。
アクリル酸エステル類としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレートが挙げられ、メタクリル酸エステル類としては例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
セラミック電子部品用導電性ペースト中の有機バインダの含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%のうち、2〜15重量%であることが好ましい。有機バインダの含有量が2重量%未満であると、ペースト状になりにくく、セラミック素体への付与が困難となり、有機バインダの含有量が15重量%を超えると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した際に、外部導体の形状が所定形状とならず、また有機バインダが十分に除去されず、ポアや亀裂が発生するため好ましくない。
本発明に用いられる有機溶剤としては、上述したような有機バインダを溶解できるものであれば特に制限されるものではなく、公知のものを広く使用することができる。
このようなものとしては、例えばジオキサン、トルエン、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、テルピオネールおよびベンジルアルコールが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、上述したような金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび密着性付与剤を必須成分として添加し、さらに有機溶剤を加えて混合し、ペースト状とすることにより得られる。なお、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、必要に応じて、かつ本発明の目的に反しない範囲で他の成分を添加してもよい。
セラミック電子部品用導電性ペーストの粘度は、金属粉末、ガラス粉末および有機バインダの種類、添加量等に応じて有機溶剤の添加量を適宜調整し、例えば20〜100Pa・s(E型粘度計、3°コーン、25℃)とすれば好ましい。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、各種のセラミック電子部品の外部導体の形成に用いることができる。セラミック電子部品としては例えば積層セラミックコンデンサが挙げられ、その外部電極の形成に本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いることで、形状が整い、乾燥後の塗膜強度が十分な外部電極を形成することができる。
次に、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いたセラミック電子部品の製造について説明する。以下、セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサを例に挙げて説明する。
積層セラミックコンデンサの製造においては、導電性ペーストとして本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いる以外は公知の積層セラミックコンデンサの製造方法を適用することができる。
すなわち、まずチタン酸バリウム系等の誘電体セラミック原料粉末をスラリーとし、このスラリーをシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。セラミックグリーンシートへの内部電極の形成は、公知の内部電極用材料をスクリーン印刷やインクジェット方式等を用いてセラミックグリーンシート上に直接所望のパターンに塗布して行う。
上述のようにして内部電極が形成されたセラミックグリーンシートは例えば30〜500枚程度積層した後、所定の温度、時間で熱処理してセラミック素体(焼結体)とする。このようにして得られたセラミック素体は、その両端部を研磨し、一方の端部については奇数番目の内部電極だけを露出させ、他端部では偶数番目の内部電極だけを露出させる。
セラミック素体のそれぞれの端部における外部電極の形成は、端部にディップ法により本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを付与し、乾燥させた後、例えば700〜900℃で30分〜2時間程度熱処理することにより行うことができる。
さらに、外部電極表面には半田付け性を向上させるためのニッケルメッキ、スズメッキ等を必要に応じて施し、積層セラミックコンデンサとすることができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によつて限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、ロジンとしてガムロジン(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、ロジンとしてガムロジン(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
(実施例2)
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、芳香族変性テルペン樹脂としてのYSレジンTO(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、芳香族変性テルペン樹脂としてのYSレジンTO(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
(実施例3)
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、テルペンフェノール樹脂としてのYSポリスターT100(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)5重量%、テルペンフェノール樹脂としてのYSポリスターT100(ヤスハラケミカル株式会社製 製品名)2重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
(比較例1)
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)7重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
平均粒径0.3μmの球状銅粉末10重量%、平均粒径1.3μmの球状銅粉末65重量%、平均粒径3μmのガラス粉末8重量%、分子量74万のiso−ブチルアクリレート樹脂 MB3041(三菱レイヨン株式会社製 製品名)7重量%、溶剤としてのテルピネオール10重量%を添加し、3本ロールで分散、混練しセラミック電子部品用導電性ペーストを作製した。
次に、実施例1、2、3および比較例1のセラミック電子部品用導電性ペーストをセラミック素体としての1005型チップの両端部にディップ法により付与し、乾燥、焼成工程、メッキ工程を経て両端部に外部電極を形成しコンデンサを作製した。
このようにして得られた実施例1、2、3および比較例1のコンデンサのそれぞれ50個について、一方の外部電極側から他方の外部電極側にかけて切断し、両端部の外部電極の形状を観察した。また、この切断面から各端部における外部電極の表面部からチップの端部までの長さ(外部電極厚さ(T))を測定し、試料数(50個)で平均して外部電極の平均厚さを算出した。また、実施例1、2、3および比較例1のコンデンサのそれぞれ200個について、塗布、乾燥、焼成後におけるかけ、はがれの有無を観察し、かけ、はがれの発生率を算出した。
図1に実施例1、2、3のコンデンサ1の代表的な断面形状を、図2に比較例1のコンデンサ1の代表的な断面形状を、それぞれ模式的に示す。図1、2に示すように、コンデンサ1はセラミック素体2の両端部に外部電極3が形成された構造となっており、外部電極3の表面部からセラミック素体2の端部までの長さが外部電極厚さ(T)である。
実施例1、2、3のコンデンサ1は、図1に示すように、外部電極3の表面が平滑で、その厚さも一定となっていた。これに対し比較例1のコンデンサ1には、図2に示すように、外部電極3からその一部が脱落したかけ3aや、セラミック素体2から外部電極3がはがれ落ちてしまったはがれ3bが発生していることが認められた。表1に、実施例1、2、3、比較例1のコンデンサ1の外部電極の形状、平均厚さ、かけ、はがれ発生率の測定結果をまとめて示す。
次に、実施例1、2、3および比較例1のコンデンサそれぞれ200個について、半田濡れ不良率およびツームストーン発生率を測定した。半田濡れ不良率は、基板にクリーム半田、コンデンサを順に載せてリフロー炉にながし、基板表面からの半田の這い上がりが外部電極の高さ(H)の50%未満であったものを半田濡れ不良とし、試料数に対する半田濡れ不良の発生数の割合で示した。ツームストーン発生率は、基板にクリーム半田、コンデンサを順に載せてリフロー炉にながし、基板から外部電極が離れてしまったものを不良とし、試料数に対する不良発生数の割合で示した。
半田濡れ不良率の代表的な測定例を図3、4、5に示す。図3は、実施例1、2、3のコンデンサ1についての半田濡れ不良率の測定例である。実施例1、2、3のコンデンサ1については、外部電極3のかけやはがれが抑制されているため、半田5の這い上がりも良好であった。なお、外部電極3の高さ(H)は、基板4にコンデンサ1の両外部電極3が接触するようにした状態での、基板4の表面に垂直な方向への外部電極3の長さである。
図4、5は比較例1のコンデンサ1についての半田濡れ不良率の測定例であり、図4は、外部電極3にはがれ3bがある場合、図5は外部電極3にかけ3aがある場合の測定例である。
例えば図4に示すように、外部電極3にはがれ3bがある場合、はがれ3b部分で半田5の這い上がり止まってしまい、半田濡れ不良率が高くなった。また、例えば図5に示すように、外部電極3にかけ3aがある場合、半田5が基板4側のかけ3a部分に溜まってしまい、半田5の這い上がり起こらず半田濡れ不良率が高くなった。なお、外部電極3の高さ(H)は、外部電極3にかけ3aやはがれ3bがある場合についても、図3に示すようにかけ3aやはがれ3bがないとしたときの外部電極3の長さとする。表1に、実施例1、2、3、比較例1のコンデンサ1についての半田濡れ不良率およびツームストーン発生率をまとめて示す。
図1〜5、表1から明らかなように、実施例1、2、3のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いて作製されたコンデンサについては、外部電極の表面が平滑になると共に、そのかけ、はがれが抑制され、半田濡れ不良およびツームストーンの発生も抑制されていることが認められた。これらのことから、セラミック電子部品用導電性ペーストの密着性付与剤として、ロジン、テルペン油重合樹脂を用いることが好適であることが認められた。
1…コンデンサ、2…セラミック素体、3…外部電極(3a…かけ、3b…はがれ)、4…基板、5…半田
Claims (5)
- 金属粉末、ガラス粉末および有機バインダを主成分とし、密着性付与剤を含み、有機溶剤でペースト状にしてなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、
前記密着性付与剤が、松脂から取れるロジンおよびテルペン油重合樹脂から選ばれる少なくとも一方から主としてなることを特徴とするセラミック電子部品用導電性ペースト。 - 前記密着性付与剤の含有量が、前記セラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%のうち、0.5重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
- 前記有機バインダが、主として分子量40万〜90万のiso−ブチルメタクリレート樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
- 前記金属粉末は平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末と平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末とからなり、前記金属粉末の合計量100重量%のうち、前記平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末が70重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
- セラミック素体の表面に外部導体が形成されたセラミック電子部品であって、
前記外部導体は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のセラミック電子部品用導電性ペーストを前記セラミック素体の表面に付与し、焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とするセラミック電子部品。
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