JP2006073224A - 投射型自動車用ヘッドランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】2枚の遮光シェードを上下に平行に摺動させることで、カットラインの高さおよびカットライン形状の異なる配光の切り替えが可能な簡潔な構成の配光切替機構を備えた投射型自動車用ヘッドランプを提供する。
【解決手段】光源24装着リフレクター26の前方に配置された投射レンズ28の焦点近傍で、左右方向に延在する2枚の遮光シェード134,234を摺動ガイド(ガイド溝44,46、ピン72と長孔137,237)で前後左右に位置決めし、連係手段(偏芯カム236A,36B)により連係して上下方向に摺動動作(平行移動)する。遮光シェード134が上昇して、左配光用ロービームが形成され、遮光シェード234が上昇して、右配光用ロービームが形成され、遮光シェード134,234が光軸より大きく下降して、ハイビームが形成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、略椀形状のリフレクターからの反射光を投射レンズによって前方に投射配光する投射型自動車用ヘッドランプであって、リフレクターと投射レンズ間に配光制御用の遮光シェードが配置された投射型自動車用ヘッドランプに係り、特に、駆動手段により遮光シェードを上下に平行移動させることで配光を切り替えるように構成された投射型自動車用ヘッドランプに関する。
この種のヘッドランプの従来技術としては、下記特許文献1,2等の種々の提案がなされている。図21,22は、特許文献1のヘッドランプの水平断面および遮光シェードの縦断面を示し、光源2を装着したリフレクター1と前方の投射レンズ3との間に、リフレクター1側から投射レンズ3に向かう光の一部を遮って所定の配光パターンを形成する配光制御用の遮光シェード4が設けられ、光路を左右に横切るように延在する遮光シェード4は、断面門型基部4aに立設され、基部4aは、ばね部材7により偏芯カム8に摺接するように付勢保持されるとともに、ベース5を介してリフレクター1に一体化されている支持枠6に上下方向摺動可能に支持されている。そして、モータ駆動する偏芯カム6の回動に連係して遮光シェード4が上下に平行移動し、ヘッドランプの配光パターンのカットライン位置が上下に変化する。
図23は、特許文献2のヘッドランプの要部を示し、リレクター1の前面側を横切る複数枚(たとえば、2枚)の遮光シェード7’a,7’bが共通の旋回軸8’周りに揺動可能で、遮光シェード7’a,7’bの揺動先端部7’a1,7’b1がモータ駆動する偏芯カム9’a,9’bにそれぞれ摺接し、偏芯カム9’a,9’bの回動に連係してロービーム用遮光シェード7’aとハイビーム用遮光シェード7’bがそれぞれ旋回軸8’周りに揺動して、ヘッドランプの配光がロービームとハイビームで切り替わる。
実開平7−36305号公報(実用新案登録第2604689号) ヨーロッパ特許EP1070911 A2
しかしながら前記した特許文献1では、1枚の遮光シェード4の上下への摺動によりヘッドランプの配光パターンのカットライン位置が上下に変化するにとどまり、ヨーロッパのドーバー海峡を自動車で横断する場合のように、配光パターンを右配光と左配光とで切り替えることができれば非常に便利であるが、右配光用と左配光用などの形状の異なるカットラインをもつ配光間の切り替えはできない。
また、特許文献2においても、ロービーム用遮光シェード7’aとハイビーム用遮光シェード7’bを揺動させる構成のため、右配光用または左配光用のいずれか一方の配光仕様に限られる。また、上側縁部の形状が互いに異な3枚の遮光シェードを揺動させることで、ハイビーム,右配光ロービームおよび左配光ロービームの3種類の配光を形成できるが、遮光シェードの枚数が増える分、偏芯カムを含む遮光シェード駆動機構が複雑化する。
本発明の目的は、2枚の遮光シェードを上下に平行に摺動させることで、カットラインの高さが上下に異なる配光の切り替えおよび右配光と左配光のようにカットライン形状の異なる配光の切り替えが可能な簡潔な構成の配光切替機構を備えた投射型自動車用ヘッドランプを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る投射型自動車用ヘッドランプにおいては、略椀形状のリフレクターと、前記リフレクターの略第1焦点に配置された光源と、前記リフレクターの第2焦点より前方に配置された投射レンズと、前記リフレクターの略第2焦点近傍かつ前記投射レンズの焦点近傍に投射レンズの光軸と略直交する左右方向に延在するように配置され、その上側縁部がリフレクター側から投射レンズに向かう光の一部を遮って所定の配光パターンを形成する配光制御用の遮光シェードとを備え、前記遮光シェードは、前記リフレクターに一体化されたフレームによって上下方向摺動可能に支持されるとともに、前記遮光シェードと前記フレーム間に介装された駆動手段により上下に平行移動する投射型自動車用ヘッドランプにおいて、
前記遮光シェードを、摺動ガイドによって前後左右に位置決めされるとともに、連係駆動手段により連係して摺動動作する平板状の第1,第2の遮光シェードで構成するようにした。
なお、平板状の第1,第2の遮光シェードを連係動作させる連係駆動手段としては、たとえば、請求項2に示すように、第1,第2の遮光シェードをモータ駆動により一体に回動する互いに形状の異なる第1,第2の偏芯カムに倣い動作させる場合や、請求項3に示すように、第1,第2の遮光シェードに連結した駆動手段である第1,第2の電磁ソレノイドへの通電(ON・OFF)のタイミングを通電制御手段で制御する場合が考えられる。
(作用)たとえば、第1の遮光シェードが上昇し、光軸近傍に位置するその上側縁部が配光形成用の遮光部として機能する場合は、第1の遮光シェードの上側縁部に対応するカットラインをもつ第1の配光(たとえば、左配光用ロービーム)が形成され、第2の遮光シェードが上昇し、光軸近傍に位置するその上側縁部が配光形成用の遮光部として機能する場合は、第2の遮光シェードの上側縁部に対応するカットラインをもつ第2の配光(たとえば、右配光用サブビーム)が形成され、第1の遮光シェードおよび第2の遮光シェードが光軸位置より大きく下降して、第1の遮光シェードおよび第2の遮光シェードのそれぞれの上側縁部が配光形成用の遮光部として機能しない場合は、ハイビーム(左配光用および右左配光用ハイビーム)が形成される。即ち、摺動ガイドによって前後左右に位置決めされた2枚の遮光シェードを上下方向に連係して平行移動(摺動)させるという簡潔な構造の配光切替機構により、配光パターンのカットラインの高さを上下方向に変更できるとともに、カットラインの形状も変更できる。
請求項2においては、請求項1に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、 前記連係駆動手段を、単一の駆動モータにより一体に回動する第1の偏芯カムおよび第2の偏芯カムで構成し、前記第1,第2の遮光シェードのそれぞれの下端部が前記第1,第2の偏芯カムにそれぞれ摺接するようにばね付勢保持するように構成した。
(作用)第1,第2の遮光シェードは、駆動手段であるモータにより一体に回動する互いに形状の異なる第1,第2の偏芯カム(同一形状で位相が異なる第1,第2の偏芯カムを含む)にそれぞれ倣い動作することで、上下方向に連係して摺動する。そして、第1,第2の遮光シェードそれぞれの上側縁部位置が所定高さとなるようにカムの外周形状や位相差を設定することで、たとえば左配光用ロービーム,左配光用ロービーム,ハイビームの他に高速走行用ビーム等の種々の走行状況に適した所望の配光を形成できる。
また、第1,第2のいずれか一方の遮光シェード(例えば、第2の遮光シェード)に、車両前方手前側を照明する光の一部を遮光する第3の遮光シェードを一体に形成した場合には、第1の遮光シェードと第3の遮光シェードを併用することで、第1の遮光シェードに対応するカットラインをもつ配光であって車両前方の一部の領域における照射光量が低下した所定の配光が形成される。
例えば、雨天用ビームを照射するための配光切替操作が行われたときには、第1の遮光シェードが上下方向所定位置となり、第1の遮光シェードの上側縁部によって雨天時に最適なクリアカットライン位置となる配光パターンが形成されるとともに、第2の遮光シェードに一体化されている第3の遮光シェードが上下方向所定位置(第1の遮光シェードの上側縁部の上方に接近した位置)となり、この第3のシェード(ウエットシェード)によってリフレクターから投射レンズに向かう光の一部(車両手前の一部の路面を照射するための光)が遮光される。このため、車両手前の路面の一部領域への照射光量が少なくなって、雨天走行時の濡れた路面反射による視認性の低下や対向車へのグレアの発生という不具合がない。また、霧の中を走行する際には、車両手前の路面の一部領域への照射光量が少なくなって、ヘッドランプの強い照射光が車両前方の霧で散乱し白く光って路面が全く見えないという不具合もない。
請求項3においては、請求項1に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記連係駆動手段を、前記第1,第2の遮光シェードに連結した、通電制御手段により作動するシェード摺動用の第1,第2の電磁ソレノイドで構成し、前記第1,第2の遮光シェードを、前記第1,第2の電磁ソレノイドとの連結部がそれぞれ圧接されるようにばね付勢保持されるように構成した。
(作用)シェード駆動手段である第1,第2の電磁ソレノイドへの通電のタイミングを通電制御手段により制御することで、第1,第2の遮光シェードが上下方向に連係して摺動する。即ち、第1,第2の電磁ソレノイドをON・OFF制御して、第1,第2の遮光シェードが遮光部として機能する形態にすることで、左配光用ロービーム,右配光用ロービームまたはハイビームを形成できる。
例えば、通電制御手段により、第1,第2の電磁ソレノイドがONされると、第1,第2の遮光シェードが下降して、ハイビームが形成される。また第1の電磁ソレノイドのみがONされると、第1の遮光シェードが下降して、第2の遮光シェードの上側縁部で左配光用ロービームが形成される。また、第2の電磁ソレノイドのみがONされると、第2の遮光シェードが下降し、第1の遮光シェードの上側縁部で右配光用ロービームが形成される。
そして、電磁ソレノイドはその動作速度が速いため、第1,第2の遮光シェードの上下摺動動作が速く、瞬時に配光が切り替わる。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記摺動ガイドを、第1,第2の遮光シェードそれぞれの左右の側縁部にそれぞれ係合して第1,第2の遮光シェードを前後方向に接近した形態に位置決めする上下に延びる左右一対の前後隣接ガイド溝で構成した前後位置決め手段と、前記第1,第2の遮光シェードと前記フレーム間にそれぞれ介装されて、第1,第2の遮光シェードを左右方向にそれぞれ位置決めする、ピンと該ピン係合用の上下に延びる長孔で構成した左右位置決め手段とを備えるように構成した。
(作用)第1,第2の遮光シェードそれぞれの左右の側縁部が上下に延びる左右一対の前後隣接ガイド溝に係合することで、第1,第2の遮光シェードは前後方向に接近した形態に位置決めされる。
また、第1,第2の遮光シェードまたはフレームのいずれか一方(たとえばフレーム)に設けたピンと他方(たとえば第1,第2の遮光シェード)に設けた該ピン係合用の上下に延びる長孔がそれぞれ係合することで、第1,第2の遮光シェードは左右方向にそれぞれ位置決めされる。
そして、第1,第2の遮光シェードは前後左右方向に位置決めされた形態で、上下方向に相対摺動(平行移動)するが、第1,第2の遮光シェードは、それぞれの左右の側縁部が前後隣接ガイド溝に係合しているため、第1,第2の遮光シェードの上側縁部はそれぞれ投射レンズの焦点近傍に位置することとなって、第1,第2の遮光シェードの上側縁部に対応するクリアカットラインが鮮明となる。
また、第1,第2の遮光シェードは、前後隣接ガイド溝によって互いに前後方向にわずかに離間する形態に保持されている(前後にわずかな隙間が形成されている)ので、第1,第2の遮光シェードが上下に相対摺動する際、両者間に摺動摩擦抵抗が発生することはない。
また、第1,第2の遮光シェードが上下に相対摺動する際に、左右位置決め手段であるピンと該ピン係合用の長孔間の摺接面には摺動摩擦抵抗が発生するが、ピンと長孔間の摺接面積は小さく、そこに発生する摺動摩擦抵抗は小さい。
また、第1,第2の遮光シェードが上下に相対摺動する際に、前後位置決め手段である前後隣接ガイド溝におけるシェード摺接面にも摺動摩擦抵抗が発生するが、第1,第2の遮光シェードの板厚をガイド溝巾より十分に小さくすることで、遮光シェードとガイド溝壁面間の摺接面積は小さく、そこに発生する摩擦抵抗も小さい。特に、請求項2に示すように、第1,第2の遮光シェードの下端部は第1,第2の偏芯カム外周面にばね付勢された状態に保持されるか、請求項3に示すように、第1,第2の遮光シェードと第1,第2の電磁ソレノイドの連結部がそれぞれ圧接するようにばね付勢された状態に保持されるので、第1,第2の遮光シェードの板厚をガイド溝巾より十分に小さくしたとしても、前記ばね付勢力により遮光シェードがガイド溝壁面に圧接状態に保持される(遮光シェードの左右の側縁部の少なくとも一部がガイド溝壁面に摺接する)ので、遮光シェードがガイド溝内でがたつくこともない。
ピンと該ピン係合用の上下に延びる長孔で構成した左右位置決め手段とばね付勢手段とを遮光シェードの左右の側縁部の双方に設けた場合は、遮光シェードのより正確な左右方向の位置決めが可能となるが、配光切替機構(遮光シェード摺動機構)が複雑になるので、左右位置決め手段およびばね付勢手段を遮光シェードの左右の側縁部のいずれか一方の側にのみ設けて、配光切替機構(遮光シェード摺動機構)を簡潔にすることが望ましい。
そして、左右位置決め手段およびばね付勢手段を遮光シェードの左右の側縁部のいずれか一方の側にのみ設ける場合は、左右位置決め手段(ピンと該ピン係合用の上下に延びる長孔)を上下方向複数個所(例えば2箇所)に設けることで、第1,第2の遮光シェードがそれぞれ左右方向に正確に位置決めされた形態で上下方向に摺動できるので、配光切り替え時のクリアカットラインは左右にぶれることなく上下に移動する。この結果、クリアカットラインの左右への変位を伴うことなく、クリアカットライン位置を上下方向に変更でき、配光切り替え時のカットラインが左右にぶれて前方視認性が低下することがない。
請求項5においては、請求項4に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記第1,第2の遮光シェードそれぞれの上側縁部が前記投射レンズの焦点を通るように、前記前後隣接ガイド溝における第1の遮光シェード係合用のガイド溝と第2の遮光シェード係合用のガイド溝の少なくとも一方を前後に傾斜して配設するように構成した。
(作用)第1の遮光シェードの上側縁部および第2の遮光シェードの上側縁部は、互いに干渉することなく択一的に投射レンズの焦点位置となり、第1,第2の遮光シェードの上側縁部によってそれぞれ形成されるカットラインが鮮明となる。
請求項6においては、請求項2に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記第1,第2の偏芯カムを少なくとも対応する前記第1,第2の遮光シェードの板厚相当の薄型に形成して同軸に積層一体化するとともに、その回転支軸を前記第1,第2の遮光シェードと直交して延在させた構造で、積層する前記第1,第2の偏芯カム間に、前記第1,第2の遮光シェードそれぞれの左右の側縁部にそれぞれ係合して第1,第2の遮光シェードを前後方向に接近した形態に位置決めする上下に延びる左右一対の前後隣接ガイド溝間の隔壁の厚さに略等しい厚さの立壁を設けるように構成した。
(作用)積層する第1,第2の偏芯カム間に設けられた立壁は、第1,第2の偏芯カム外周面にそれぞれ摺接する第1,第2の遮光シェード下端部の対応するカム摺接面からの脱落を阻止する。また、立壁は、第1,第2の遮光シェードを前後方向に接近した形態に位置決めする前後隣接ガイド溝間の隔壁の厚さに略等しく、かつ隔壁に対応して設けられているので、立壁と第1,第2の遮光シェードとはほとんど摺接せず、立壁と第1,第2の遮光シェード間に摺動摩擦抵抗はほとんど発生しない。
請求項7においては、請求項2に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記第1,第2の偏芯カムを同軸に一体化してその回転支軸を前記第1,第2の遮光シェードの下方にこれらのシェードと平行に延在させた構造で、前記第1,第2の偏芯カムを左右に分割されて離間する一対の分割カムでそれぞれ構成した。
(作用)偏芯カムの回転支軸を遮光シェードと平行に配置した構造で、第1,第2の偏芯カムをそれぞれ単一のカムで構成する場合は、遮光シェードとの安定した摺接状態を確保するために、カム巾を遮光シェードの長さに応じてある程度大きくしたり、ばね付勢力を高める必要があり、それだけカムの重量の増加や、遮光シェードとカムとの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の増加により、駆動モータにかかる負荷が増大するおそれがあるが、第1,第2の偏芯カムを左右一対の分割したカムでそれぞれ構成したので、たとえそれぞれのカム巾が小さくても、またばね付勢力を高めなくても、遮光シェードとの安定した摺接状態を確保できるので、偏芯カムの軽量化や遮光シェードとカムの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の低減により、駆動モータにかかる負荷が減少する。
請求項8においては、請求項3に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、 前記第1の遮光シェードに、前記第1の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる第1の長孔と前記第2の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる第2の長孔とを並設し、前記第2の遮光シェードに、前記第2の長孔に整合し、前記第2の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる長孔を設け、前記第1の遮光シェードの第1の長孔を前記第1の電磁ソレノイドにピン連結し、前記第1の遮光シェードの第2の長孔および前記第2の遮光シェードの長孔を前記第2の電磁ソレノイドにピン連結し、前記第1の電磁ソレノイドのみ作動させた場合に、第1の遮光シェードだけが摺動し、前記第2の電磁ソレノイドのみ作動させた場合に、前記第1,第2の遮光シェードが一体に摺動するように構成した。
(作用)第1,第2の遮光シェードの上側縁部には、左配光用,右配光用カットラインに対応する段差がそれぞれ形成されるとともに、非通電状態(OFF)の時に、下方の第1,第2の電磁ソレノイドとのピン連結部がそれぞれ長孔の下端部にあって、ピンと長孔下端部とは圧接状態(第1,第2の遮光シェードが上方に引っ張られた形態)に保持されている。この第1,第2の電磁ソレノイドの非通電状態(OFF)状態では、第1の遮光シェードの上側縁部および第2の遮光シェードの上側縁部が光軸近傍にあって、水平カットラインをもつ左配光のロービームに近似した配光が形成される。そして、第1の電磁ソレノイドだけがONされると、第2の長孔が第2の電磁ソレノイドの連結ピンに対し下方に摺動できるので、第1の遮光シェードのみ下降し、第2の電磁ソレノイドOFFのため光軸近傍にある第2の遮光シェードの上側縁部によって、右配光のカットラインをもつロービームが形成される。一方、第2の電磁ソレノイドだけがONされると、第2の電磁ソレノイドの連結ピンが第2の遮光シェードの長孔および第1の遮光シェードの第2の長孔の双方を下方に引っ張るので、第1,第2の遮光シェードが同時に下降し、右配光および右配光のハイビームが形成される。
すなわち、第1,第2の電磁ソレノイドの非通電(OFF)により、左配光または右配光のロービームに近似したビームが形成され、一方の電磁ソレノイドだけの通電(ON)により、左配光または右配光のロービームが形成され、他方の電磁ソレノイドだけの通電(ON)により、左配光または右配光のハイビームが形成される。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る投射型自動車用ヘッドランプによれば、簡潔な構成の配光切替機構によりカットラインの高さおよび形状を走行状況に応じた適切なものに変更できるので、それだけ自動車走行時の前方の視認性に優れ、走行の安全が確保される。
特に、ヨーロッパのドーバー海峡を自動車で横断する場合のように、左配光仕様が求められる国と右配光仕様が求められる国間の国境を越えて走行する場合には、ヘッドランプの配光を左配光と右配光間で切り替えができるので、非常に便利である。
請求項2によれば、カットラインの形状の異なる配光が得られることは勿論、カットラインの上下高さの異なる所望の配光が得られるので、たとえば、左配光と右配光のいずれにおいても適用できる走行状況に応じた種々の配光を形成できる。
請求項3によれば、配光切り替え操作により選択した配光に瞬時に切り替わるので、走行の安全が確保される。
請求項4によれば、第1,第2の遮光シェードは前後左右に位置決めされて上下方向に摺動し、それぞれの上側縁部が投射レンズの焦点近傍に正確に位置するので、カットラインが鮮明となって前方の視認性が向上する。
また、第1,第2の遮光シェードとそれぞれの摺動ガイド間に発生する摺動摩擦力が小さいので、第1,第2の遮光シェードの摺動が滑らかで、配光をスムーズに切り替えることができる。
請求項5によれば、第1,第2の遮光シェードの上側縁部にそれぞれ対応するカットラインがより鮮明となって、車両前方の視認性が向上する。
請求項6によれば、第1,第2の遮光シェードの対応する偏芯カム外周面との摺接が確保されるので、配光の適正な切り替えが保証される。
請求項7によれば、第1,第2の遮光シェードを上下に摺動させるための駆動モータに作用する負荷が小さいので、配光の切り替えがよりスムーズとなる。
請求項8によれば、第1,第2の電磁ソレノイドの双方に同時に通電することがなく常に一方だけの通電によりヘッドランプの配光を切り替えることができるので、それだけ消費電力が少なくてよい。
次に、本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図1〜11は、本発明の一実施例である投射型自動車用ヘッドランプを示し、図1は本発明の一実施例である投射型自動車用ヘッドランプの縦断面図、図2は同ヘッドランプの要部である光投射ユニットに組み付けられている配光切替機構の水平断面図、図3はユニットフレームに一体化された同光投射ユニットからリフレクタを取り外して後方から見た背面図、図4はレンズホルダに一体化された配光切替機構の背面斜視図、図5は同配光切替機構の要部分解斜視図、図6は同配光切替機構におけるシェード摺動ガイドの水平断面図、図7は前後隣接ガイド溝周辺の拡大水平断面図、図8(a)は偏芯カムの回転支軸周方向における所定のビーム対応位置を示す図、(b)は偏芯カムの回転支軸の回転角(所定のビーム)とそれに対応する第1,第2の遮光シェードおよびウェットシェードの上下方向相対高さを示す図、図9は第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図、図10は第1,第2の遮光シェードを重ねて示した背面図と所定のビームに対応する配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図、図11は所定のビームに対応する路面上の照射配光パターンを示す図である。
これらの図(特に、図1)において、投射型自動車用ヘッドランプのランプボディ10は前方に開口する容器状に形成されており、ランプボディ10の前面開口部には、前面レンズ12が組み付けられて灯室Sが画成されている。灯室S内には、エイミング機構によってヘッドランプの照射軸(光投射ユニット14の光軸)Lを傾動調整できるように、またスイブル機構によって左右方向に同光軸Lをスイブルできるように、光投射ユニット14が収容されている。
即ち、光投射ユニット14には、同軸状に上下一対の支軸22a,22bが設けられ、中央が開口(開口部101)する正面視略矩形枠状のユニットフレーム100(図3参照)における上面壁100aと下面壁100bに支軸22a,22bが支承されて、ユニットフレーム100に対し光投射ユニット14がスイブル軸L22(図1,3参照)周りに左右方向揺動可能に構成されている。また、下方の支軸22bは、ユニットフレーム100の下面壁100bに固定されたスイブルアクチュエータ40の出力軸で構成されている。そして、スイブルアクチュエータ40の正逆回転可能な出力軸である支軸22bは、光投射ユニット14(のレンズホルダ30)に固定一体化されており、スイブルアクチュエータ40の駆動(支軸22bの回動)により光投射ユニット14が左右方向に揺動(スイブル)する。例えば、ハンドル操舵に連係してスイブルアクチュエータ40が駆動し、ハンドル操舵方向にしかも操舵量に比例して光投射ユニット14がスイブルして、車両のハンドル操舵方向前方が明るく照明される。
一方、ランプボディ10とユニットフレーム100間に介装されているエイミング機構は、図示して説明しないが、左右エイミングスクリューと上下エイミングスクリューと前記2本のエイミングスクリューに対し正面視直交する位置に設けられた玉継手などの傾動支点で主として構成されている。そして、ユニットフレーム100に一体化されている光投射ユニット14からリフレクタ26を取り外して後方から見た背面図を示す図3において、ユニットフレーム100の左上コーナ部には、上下エイミングスクリューに螺合するナット部材挿着用の上下に長い矩形状の孔102aが、ユニットフレーム100の右下コーナ部には、左右エイミングスクリューに螺合するナット部材挿着用の左右に長い矩形状の孔102bが、ユニットフレーム100の左下コーナ部には、玉継手などの傾動支点構成部材挿着用の円孔102cがそれぞれ形成されている。なお、本実施例では、光投射ユニット14がエイミング機構で支持されているが、光投射ユニット14がエイミング機構ではなくオートレベリング機構によって支持されている場合には、ランプボディ10に固定されたレベリング用アクチュエータ(図示せず)の前後進退動作可能な摺動子(図示せず)が前方に延出し、この摺動子の先端部を支承するナット部材が孔102aに挿着されることになる。
そして、上下エイミングスクリューおよび左右エイミングスクリューを回動操作すれば、ユニットフレーム100と光投射ユニット14が一体に傾動するので、上下エイミングスクリューおよび左右エイミングスクリューによってヘッドランプの照射軸(光投射ユニット14の光軸)Lを上下左右方向に傾動調整(エイミング)できる。符号18は、光投射ユニット14を取り囲み、傾動調整やスイブル可能なユニットフレーム100(光投射ユニット14)と干渉しないように配設されたエクステンションリフレクターである。
光投射ユニット14は、光源である放電バルブ24の挿着された前面側が開口する略椀形状で正面視略楕円体形状のアルミダイキャスト製リフレクター26と、リフレクター26の前方に配置された投射レンズ28と、筒形状に形成されてその軸方向後端部がリフレクター26の前面側にねじ固定されたアルミダイキャスト製レンズホルダー30とが一体化された構造で、投射レンズ28を把持する円環状の取付金具32はレンズホルダー30にねじ固定されている。図1における符号16は、ランプボディ10の底部に固定されたバラスト回路ユニットで、バラスト回路ユニット16から導出した出力ケーブル17が放電バルブ24の後端部に接続されている。
リフレクター26の内側にはアルミ蒸着処理された楕円反射面26aが形成され、この楕円反射面26aは第1焦点F1と第2焦点F2とを有し、第1焦点F1位置には放電バルブ24の放電中心が位置している。また第2焦点F2付近であって投射レンズ28の焦点位置には、リフレクター26で反射して投射レンズ28に向かう光の一部を遮ってクリアカットラインを形成するための板金製の遮光シェード34が設けられている。この遮光シェード34位置には、リフレクター26で反射したバルブ24からの出射光が集光し、集光した光が遮光シェード34の前方に導かれ、投射レンズ28によってヘッドランプの前方に略平行光となって投射配光される。
遮光シェード34は、投射レンズ28の焦点近傍において前後に接近配置されて上下方向に相対摺動する、左配光用カットラインに対応する段差135が形成された平板状の第1の遮光シェード134と、右配光用カットラインに対応する段差235および雨天に対応する遮光部(ウェットシェード)236が形成された平板状の第2の遮光シェード234で構成されているが、モータ駆動により回動する一対の偏芯カム36A,36Bに第1,第2の遮光シェード134,234がそれぞれ倣い動作することで、第1,第2の遮光シェード134,234が上下方向に連係して摺動してそれぞれの段差135,235位置(高さ)を変えることで、複数の配光に切り替わる配光切替機構X1として構成されている。即ち、光投射ユニット14には、図4,5,6に示すように、ヘッドランプの配光を切り替える配光切替機構X1が一体化されている。
以下、配光切替機構X1について詳細に説明する。
符号40は、レンズホルダー30にねじ固定されて、板金製の第1,第2の遮光シェード134,234(板厚0.2mm)を上下方向摺動可能に支持するアルミニウム製の軽量フレームで、前面フレーム40aの背面側に背面フレーム40b,40cがねじ固定されることで、フレーム40内に上下に延びる遮光シェード摺動スペースが形成されている。符号42は、前面フレーム40aと背面フレーム40b,40c間に挟持された金属製の平板状セパレータ(板厚0.1mm)で、フレーム40内の遮光シェード摺動スペースにおける左右両端側がこのセパレータ42により前後に画成(図5,6参照)されることで、第1,第2の遮光シェード134,234の左右の側縁部がそれぞれ係合する前後隣接ガイド溝(第1の遮光シェード134の側縁部が係合するガイド溝44、第2の遮光シェード234の側縁部が係合するガイド溝46、それぞれの溝巾0.4mm)が構成されている。即ち、セパレータ42により前後に画成されて第1,第2の遮光シェード134,234の左右の側縁部が係合する前後隣接ガイド溝44,46は、第1,第2の遮光シェード134,234を前後方向に接近した状態に保持(セパレータ42の厚さ相当離間した形態に保持)する前後方向位置決め手段を構成している。
符号36A,36B(図1〜4,6,8(a)参照)は、第1,第2の遮光シェード134,234を連係動作させる一対の偏芯カムで、立壁状ディスク38を介在させて同軸に一体化された構造で、第1,第2の遮光シェード134,234の下側縁部がそれぞれ摺接するように、前面フレーム40aと同フレーム40aに取着したブラケット48(図4参照)間にカムの回転支軸35が回転可能に支承されている。第1の偏芯カム36Aと第2の偏芯カム36Bに挟まれて延在する立壁状ディスク38は、第1,第2の遮光シェード134,234がそれぞれ摺接している偏芯カム36A,36B外周面から逸脱することを防止する。ブラケット48には、ステッピングモータ50が取着され、モータ50の出力軸の回転は平歯車52,54を介してカム回転支軸35(偏芯カム36A,36B)に伝達される。
第1,第2の遮光シェード134,234は、図5に示すように、いずれもT字型プレートを横置きしたような形状で、上下に延びる垂直基部134a,234aの上下方向略中央部から水平に遮光部本体134b,234bが延出し、遮光部本体134b,234bの下側縁部が第1,第2の偏芯カム36A,36Bに当接するとともに、第1,第2の遮光シェード134,234の左右の側縁部(垂直基部134a,234aの側縁部および遮光部本体134b,234b先端の側縁部)が左右の前後隣接ガイド溝44,46にそれぞれ係合している。
第1,第2の遮光シェード134,234の垂直基部134a,234aの側縁部寄りには、前後に相対向する上下一対の長孔137,137、237,237が設けられ、前面フレーム40a裏面に垂設された上下一対のピン72,72がこれらの長孔137,137、237,237にそれぞれ係合して、第1,第2の遮光シェード134,234がフレーム40に対し左右方向に位置決めされている。即ち、第1,第2の遮光シェード134,234側の上下一対の長孔137,137、237,237とこれらの長孔137,237に係合し長孔137,237に沿って相対摺動可能なフレーム40側の上下一対のピン72,72によって、第1,第2の遮光シェード134,234の左右方向位置決め手段が構成されている。特に、上下一対の長孔137,137(237,237)は、左右方向に同一位置で、しかも上下に大きく離間するように配置されているので、第1,第2の遮光シェード134,234を左右方向に正確に位置決めした形態で上下方向に摺動できる。
また、第1,第2の遮光シェード134,234それぞれの垂直基部134a,234aには、長孔137,237に隣接して上下に長い略矩形状の開口138,238が設けられ、前面フレーム40a裏面の下方寄りに垂設された左右一対の隣接ピン74,74がこの開口138,238を貫通して配置され、開口138,238周縁部上側の孔138a,238aとピン74,74間に引っ張りコイルスプリング76,76が介装されて、第1,第2の遮光シェード134,234の下側縁部が第1,第2の偏芯カム36A,36Bの外周面にそれぞれ圧接するように付勢保持されている。
また、第1,第2の遮光シェード134,234は、前後隣接ガイド溝44,46によって互いに前後方向にわずかに離間する形態に保持されている(前後にわずかな隙間が形成されている)ので、第1,第2の遮光シェード134,234が上下に相対摺動する際、両者134,234間に摺動摩擦抵抗が発生することはない。
また、第1,第2の遮光シェード134,234が上下に相対摺動する際に、左右位置決め手段であるピン72,72とピン係合用の長孔137,237間の摺接面には摺動摩擦抵抗が発生するが、ピン72,72と長孔137,237間の摺接面積は小さく、そこに発生する摺動摩擦抵抗は小さい。
また、第1,第2の遮光シェード134,234が上下に相対摺動する際に、前後位置決め手段である前後隣接ガイド溝44,46におけるシェード摺接面にも摺動摩擦抵抗が発生するが、第1,第2の遮光シェード134,234の板厚(0.2mm)は、セパレータ42により画成されたガイド溝44,46のそれぞれの溝巾(0.4mm)より十分に小さいので、遮光シェード134,234とガイド溝44,46壁面間の摺接面積は小さく、第1,第2の遮光シェード134,234とガイド溝44,46間に発生する摺動摩擦抵抗も小さい。
また、偏芯カム36A,36Bに摺接する第1,第2の遮光シェード134,234は、立壁状ディスク38とも摺接して摺動摩擦抵抗が発生するおそれがあるが、立壁状ディスク38はガイド溝44,46を画成するセパレータ42と同じ厚さ(0.1mm)でしかも左右のセパレータ42との同一平面状に配置されているので、偏芯カム36A,36Bと立壁状ディスク38間には僅かな隙が形成されて、第1,第2の遮光シェード134,234と立壁状ディスク38間に摺動摩擦抵抗はほとんど発生しない。
また、板金製の遮光シェード134,234はある程度の可撓性を持つため、ガイド溝44,46と係合する遮光シェード134,234の側縁部が多少湾曲していたとしても、ガイド溝44,46に倣う形状に容易に弾性変形できるので、遮光シェード134,234とガイド溝44,46間の摺動部には不測の摩擦力が発生せず、第1,第2の遮光シェード134,234はガイド溝4,46に沿って滑らかに摺動できる。
また、前面フレーム40aとカムの回転支軸35間には、図6,図8(a)に示すように、回転支軸35側に突設されたストッパピン78と、フレーム40a背面側に設けられたストッパ部79(79a,79b)によって、回転支軸35の可動範囲が設定されている。即ち、ストッパ部79(79a,79b)がストッパピン78の回動路上に突出して、ストッパピン78を掛止するように構成されており、ストッパピン78の回動可能範囲が例えば0〜240度に設定(偏芯カム36A,36Bが240度の範囲で正逆方向に回動できるように設定)されている。
また、主に左配光形成時に使用される第1の遮光シェード134に摺接する第1の偏芯カム36Aの外周形状は、図8(a)に示すように、最も短い半径の右配光用ロービーム対応位置36a1を0度とし、この0度位置から60度隔てた同じ半径のハイビーム対応位置36a2、120度隔てた最も長い半径の左配光用ロービーム対応位置36a3、ロービーム対応位置36a3より僅かに短い半径の180度隔てた左配光用高速用ビーム対応位置36a4、高速用ビーム対応位置36a4と同じ半径の240度隔てた左配光用ウェットビーム対応位置36a5まで滑らかな曲線で構成されている。一方、主に右配光用ロービームの形成と左配光用ウェットビームの形成に使用される第2の偏芯カム36Bの外周形状は、最も長い半径の右配光用ロービーム応位置36b1を0度とし、この0度位置から60度隔てた短い半径のハイビーム対応位置36b2、ハイビーム対応位置36b2と同じ半径の120度隔てた左配光用ロービーム応位置36b3、左配光用ロービーム応位置36b3と同じ半径の180度隔てた同高速用ビーム対応位置36b4、240度隔てた最も短い半径でウェットシェード236が第1の遮光シェード134の段差部135上方に接近した位置となる左配光用ウェットビーム対応位置36b5まで滑らかな曲線で構成されている。、
そして、運転者により、いずれかのビームを照射するための配光切替操作が行なわれると、操作に応じて偏芯カム36A,36B(回転支軸35)が回動して、遮光シェード134,234が上下に摺動することで、配光が切り替わるようになっている。
すなわち、ステッピングモータ50はリード線(図示せず)を介して制御回路(図示せず)に接続されており、制御回路には運転者が操作するための配光切替用操作スイッチ(図示せず)からの信号が入力される。そして、運転者の配光切替操作により、例えば、図8(a)に示すように、ストッパピン78がストッパ79bに当接して右配光ロービームLo−Rを形成する初期位置から、ハイビームHi、左配光用ロービームLo−L、同高速用ビームMW−L、同雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−Lの順に照射すべきビームが選択されたときには、制御回路からステッピングモータ50に対して、操作スイッチの操作位置に応じたパルス信号が順次出力される。これにより、ステッピングモータ50が正方向に回動し、ステッピングモータ50が正方向に回動する過程で、偏芯カム36A,36B(回転支軸35)が正方向に回転し、遮光シェード134,234が順次上下に摺動するようになっている。
具体的には、右配光用のロービームLo−Rが選択されると、遮光シェード134,234は、図9(a)に示される位置となって、図10(a),11(a)に示す配光パターンが形成され、ハイビームHiが選択されると、遮光シェード134,234は、図9(b)に示される位置となって、図10(b),11(b)に示す配光パターンが形成され、左配光用ロービームLo−Lが選択されると、遮光シェード134,234は、図9(c)に示される位置となって、図10(c),11(c)に示す配光パターンが形成され、高速用ビームMW−Lが選択されると、遮光シェード134,234は、図9(d)に示される位置となって、図10(d),11(d)に示す配光パターンが形成され、雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−Lが選択されると、遮光シェード134,234は、図9(e)、に示される位置となって、図10(e),11(e)に示す配光パターンが形成される。
特に、雨天用ビームを照射するための配光切替操作時には、第2の遮光シェード234のウェットシェード236が、図9(e)、10(e)に示すように、第1の遮光シェード134の段差部135近傍位置まで垂下し、リフレクター26で反射されて投射レンズ28に向かう光のうち車両手前の一部の路面を照射するための光を遮るようになっている。このため、雨天や霧発生時の走行の際、前方及び両サイドの路面部分がよく見えるとともに、対向車にグレアを与えることもない。
また、配光を逆方向に切り替える場合、即ち、ストッパピン78がストッパ79aに当接する左配光用の雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L形成位置から、同高速用ビームMW−L、同ロービームLo−L、ハイビームHiおよび右配光用のロービームLo−Rの順に照射すべきビームが選択されたときにも、制御回路からステッピングモータ50に対して、操作スイッチの操作位置に応じたパルス信号が順次出力され、これにより、ステッピングモータ50が逆方向に回動し、ステッピングモータ50が逆方向に回動する過程で、偏芯カム36(回転支軸35)が逆方向に回転し、第1,第2の遮光シェード134,234が順次上下に摺動するようになっている。
この場合も、前記した正方向の切り替えにおいて得られると同様のそれぞれの配光切り替え位置に対応した配光パターンが得られる。
図12〜図14は、本発明の第2の実施例である投射型自動車用ヘッドランプを示し、図12は要部である光投射ユニットの縦断面図、図13は配光切替機構の背面図、図14は遮光シェードの位置を示す側面図である。
この第2の実施例における配光切替機構X2では、前記した第1の実施例の場合と同様、第1,第2の遮光シェード134,234の左右の側縁部がフレーム40に設けた前後隣接ガイド溝44A,46Aにそれぞれ係合することで、第1,第2の遮光シェード134,234は、前後方向に接近した形態に位置決めされるとともに、第1の実施例におけるフレーム40側の上下一対のピン72,72と該ピン72,72にそれぞれ係合する第1,第2の遮光シェード134,234側の上下一対の長孔137,137、237,237で構成した左右位置決め手段と同様の左右位置決め手段(図示せず)によって、左右方向に位置決めされた形態で上下方向に摺動できる。
そして、前記した第1の実施例における配光切替機構X1では、偏芯カム36A,36Bの回転支軸35が遮光シェード134,234と直交する方向に配設されているのに対し、この配光切替機構X2では、偏芯カム36A,36Bの回転支軸35が第1,第2の遮光シェード134,234と平行に配設されている。
さらに、偏芯カム36A,36Bがそれぞれ左右に分割された同一形状の一対の分割カム36A1,36A2、36B1,36B2で構成されて、遮光シェード134,234左右両端側の脚部が偏芯カム36A,36Bに摺接するので、遮光シェード134,234の上下方向への摺動動作(平行移動)が滑らかである。さらに、ステッピングモータ50がカムの回転支軸35の下方に回転支軸35と平行に配設されて、配光切替機構X2が前後方向にコンパクト化されている。符号52,54は、モータ出力軸およびカムの回転支軸35に設けられた平ギアである。
また、第1,第2の遮光シェード134,234を前後方向に位置決めするガイド溝44A,46Aのうち、第1の遮光シェード134が係合する背面側ガイド溝44Aは、投射レンズ28の焦点の真下に上下方向垂直に形成されているのに対し、第2の遮光シェード234が係合する前面側ガイド溝46Aは後方に傾斜して設けられて、第2の遮光シェード234の段差235が投射レンズ28の焦点を通るように構成されている。即ち、第1,第2の遮光シェード134,234のいずれにおいても、上昇したときにその段差135,235位置が投射レンズ28の焦点位置となることで、鮮明なカットラインが得られるようになっている。
そして、第1,第2の偏芯カム36A,36B(分割カム36A1,36A2、36B1,36B2)は、第1,第2の遮光シェード134,234を互いに干渉することなく連係して択一的に上方に摺動させることのできる所定形状に形成されており、ステッピングモータ50の駆動で偏芯カム36A,36B(分割カム36A1,36A2、36B1,36B2)が所定角度回動することで、図14(a),(b)に示す第2の遮光シェード234の段差部235が遮光部として機能する右配光用ロービームLo−Rおよび同高速用ビームMW−R、図14(c)に示す第1,第2の遮光シェード134,234の段差部135,235が遮光部として機能しないハイビームHi、図14(d),(e)に示す第1の遮光シェード134の段差部135が遮光部として機能する左配光用の高速用ビームMW−Lおよび同ロービームLo−Lの5種類の異なる配光が形成される。
その他の構成は前記した第1の実施例と同一であり、その重複した説明は省略する。
図15〜図17は本発明の第3の実施例を示し、図15は投射型自動車用ヘッドランプにおける配光切替機構の要部である第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図、図16は第1,第2の遮光シェードの位置と配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図、図17は第1,第2の遮光シェードの駆動手段である第1,第2の電磁ソレノイドを連係動作させる連係手段の構成を示す図で、(a)は連係手段であるマイコンを示し、(b)は連係手段であるマイコンに設定されているロジックを示す図である。
前記した第1,第2の実施例の配光切替機構X1,X2では、第1,第2の遮光シェード134,234を連係動作させる手段として、同一軸上に一体化されてモータ駆動する第1,第2の偏芯カム36A,36Bが採用されているが、この第3の実施例の配光切替機構X3では、第1,第2の遮光シェード134,234にそれぞれ連結された電磁ソレノイド60A,60Bの駆動がマイコンCによって制御されることで、第1,第2の遮光シェード134,234が連係動作するように構成されている。
即ち、第1,第2の遮光シェード134,234は、前記した第1の実施例の場合と同様、左右の側縁部がフレーム40に設けられた前後隣接ガイド溝44,46(図16参照)にそれぞれ係合することで、前後方向に位置決めされるとともに、フレーム40側の上下一対のピン(図示せず)と該ピンにそれぞれ係合する第1,第2の遮光シェード134,234側の上下一対の長孔(図示せず)で構成した左右位置決め手段によって、左右方向に位置決めされた形態で上下方向に摺動(平行移動)できる。
また、第1,第2の遮光シェード134,234は、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60Bの摺動子62A,62Bにピン連結されるとともに、図示しないが、遮光シェード134,234の左右位置決め手段であるピンと長孔の近傍に設けられたばね付勢手段(フレーム40と第1,第2の遮光シェード134,234間に介装された引っ張りコイルスプリング)によって、それぞれのピン連結部(ピン64と該ピン64に係合する孔)が圧接するようにばね付勢保持(第1,第2の遮光シェード134,234がそれぞれ図15の上方に引っ張られる方向にばね付勢保持)されている。
また、マイコンCには、図17(a)に示すように、ランプ点・消灯スイッチから信号(点・消灯信号)、車速センサからの信号(車速信号)、舵角センサからの信号(舵角信号)、手動の配光切り替えスイッチからの信号(配光切り替え信号)などの種々の信号が入力しており、マイコンCは、これらの種々の入力信号から図17(b)に示す複数のモードの中のいずれかを選択し、選択したモードに対応する電磁ソレノイド60A,60B(の通電スイッチSwa,Swb)のON・OFFを制御(電磁ソレノイド60A,60Bへの通電を制御)し、これにより電磁ソレノイド60A,60Bの動作が連係し、遮光シェード134,234が連係動作する。
マイコンCに設定されているロジックは、図17(b)に示すように、市街地走行モード(ソレノイド60A,60BいずれもOFF),右配光ロービームモード(ソレノイド60AがON,ソレノイド60BがOFF),左配光ロービームモード(ソレノイド60AがOFF,ソレノイド60BがON)およびハイビームモード(ソレノイド60A,60BいずれもON)の4種のモードで構成されている。
そして、マイコンCにより市街地走行モードが選択されると、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60B(通電スイッチSwa,Swb)がそれぞれOFFとなり、第1の遮光シェード134の段差135および第2の遮光シェード234の段差235がいずれも光軸近傍となって、市街地走行に適した水平カットラインをもつ配光パターン(図示せず)が形成される。このときの第1の遮光シェード134の位置は、図15(a)において仮想線で示され、第2の遮光シェード234の位置は、図15(a)において実線で示されている。
また、右配光用ロービームモードが選択されると、図15(a)に示すように、第1の電磁ソレノイド60A(通電スイッチSwa)がONで、第2の電磁ソレノイド60B(通電スイッチSwb)がOFFとなり、第2の遮光シェード234の段差235だけが光軸近傍となって、段差235に対応するカットラインをもつ右配光用ロービームの配光パターン(図16(a)参照)が形成される。
また、左配光用ロービームモードが選択されると、図15(b)に示すように、第1の電磁ソレノイド60A(通電スイッチSwa)がOFFで、第2の電磁ソレノイド60B(通電スイッチSwb)がONとなり、第1の遮光シェード134の段差135だけが光軸近傍となって、段差135に対応するカットラインをもつ左配光用ロービームの配光パターン(図16(b)参照)が形成される。
また、ハイモードが選択されると、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60B(通電スイッチSwa,Swb)がそれぞれONとなり、第1の遮光シェード134の段差135および第2の遮光シェード134の段差135がいずれも光軸の下方に大きく移動した位置となって、高速走行などに適した遠方の視認性に優れたハイビーム用の配光パターン(図16(c)参照)が形成される。
なお、マイコンCは、前記した種々の入力信号から図17(b)に示すロジックに基づいて、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60Bの動作を制御するが、ドライバーがランプスイッチをONしたとき(ランプの点・消灯信号が入力したとき)は、左配光用ロービームモードとなって、以後、車速信号や舵角信号などの入力信号から判別する走行状況に応じて自動的に市街地走行モードや右配光用ロービームモードに切り替わるが、ハイビームモードへは自動的に切り替わるのではなく、手動の配光切り替えスイッチによってのみ切り替え可能に構成されている。また、手動の配光切り替えスイッチにより、前記した4種のモード(配光)を自由に切り替えることもできるが、配光切り替えスイッチによってハイビームモードが選択されている場合は、他のモードに自動的に切り替わることはない。
図18〜図20は本発明の第4の実施例を示し、図18は投射型自動車用ヘッドランプにおける配光切替機構の要部である第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図、図19は第1,第2の遮光シェードの位置と配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図、図20は第1,第2の遮光シェードの駆動手段である第1,第2の電磁ソレノイドを連係動作させる連係手段であるマイコンに設定されているロジックを示す図である。
この第4の実施例の配光切替機構X4は、前記第3の実施例の配光切替機構X3とほぼ同一であるが、遮光シェード134,234の電磁ソレノイド60A,60Bとのピン連結部が長孔で構成される等、以下の点のみ相違している。
第1の遮光シェード134には、第1の電磁ソレノイド60A連結用の上下に延びる第1の長孔141と第2の電磁ソレノイド60B連結用の上下に延びる第2の長孔142とが並設され、第2の遮光シェード234には、第2の長孔142に整合し、第2の電磁ソレノイド60B連結用の上下に延びる長孔241が設けられ、第1の遮光シェード134の第1の長孔141が第1の電磁ソレノイド60Aの摺動子62Aにピン連結され、第1の遮光シェード134の第2の長孔142および第2の遮光シェード234の長孔241は、第2の電磁ソレノイド60Bの摺動子62Bにピン連結されている。
第1,第2の遮光シェード134,234には、図18に示すように、左配光用,右配光用カットラインに対応する段差部135,235がそれぞれ形成されるとともに、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60Bへの非通電状態(OFF)の時に、遮光シェード134(234)の下方の第1(第2)の電磁ソレノイド60A(60B)とのピン連結部が長孔141内下端部(長孔142,241内下端部)にあって、ピン64と長孔141内下端部(ピン64と長孔142,241内下端部)とは圧接状態(第1,第2の遮光シェード134,234が引っ張りコイルスプリングによりそれぞれ図18の上方に引っ張られた形態)に保持されている。
そして、図18(a)、図19(a)に示す第1,第2の電磁ソレノイドがOFFの状態では、第1の遮光シェード134の段差部135および第2の遮光シェード234の段差部235が光軸近傍にあって、水平カットラインをもつ市街地走行に適したビームであって、左配光用ロービームに近似した配光が形成される。
そして、図18(b)、図19(b)に示すように、第1の電磁ソレノイド60AだけがONされると、第2の長孔142が第2の電磁ソレノイド60Bの連結ピン64に対し下方に摺動できるので、第1の遮光シェード134のみ下降し、第2の電磁ソレノイド60BがOFFのため光軸近傍にある第2の遮光シェード234の段差部235によって、右配光のカットラインをもつロービームが形成される。
一方、図18(c)、図19(c)に示すように、第2の電磁ソレノイド60BだけがONされると、第2の電磁ソレノイド60Bの連結ピン64が第2の遮光シェード234の長孔241および第1の遮光シェード134の第2の長孔242の双方を下方に引っ張るので、第1,第2の遮光シェード134,234が一体に下降し、ハイビームが形成される。
マイコンCに設定されているロジックは、図20に示すように、市街地走行モード(ソレノイド60A,60BいずれもOFF),右配光ロービームモード(ソレノイド60AがON、ソレノイド60BがOFF)およびハイビームモード(ソレノイド60AがOFF、ソレノイド60BがON)の3種のモードで構成されている。
そして、ドライバーがランプスイッチをONしたとき(ランプの点・消灯信号が入力したとき)は、マイコンCの選択モードが右配光ロービームモードになって、図18(b)、図19(b)に示すように、第2の遮光シェード234の段差235だけが光軸近傍となって、段差235に対応するカットラインをもつ右配光用ロービームの配光パターン(図19(b)参照)が形成される。
以後、マイコンCが車速信号や舵角信号などの入力信号から市街地走行状況と判別した場合は、自動的に市街地走行モードに切り替わり、図18(a)に示すように、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60B(通電スイッチSwa,Swb)がそれぞれOFFとなり、第1の遮光シェード134の段差135および第2の遮光シェード234の段差235がいずれも光軸近傍となって、市街地走行に適した水平カットラインをもつ配光パターン(左配光用ロービームとしても使用可能な配光パターン、図19(a)参照)が形成される。
また、手動の配光切り替えスイッチによってハイビームモードが選択されると、第1の電磁ソレノイド60A(通電スイッチSwa)がOFFで、第2の電磁ソレノイド60B(通電スイッチSwb)がONとなり、第1の遮光シェード134の段差135および第2の遮光シェード134の段差235がいずれも光軸の下方に大きく移動した位置となって、高速走行などに適した遠方の視認性に優れたハイビームの配光パターン(図19(c)参照)が形成される。
なお、手動の配光切り替えスイッチにより、前記した3種のモード(配光)を自由に切り替えることもできるが、配光切り替えスイッチによってハイビームモードが選択されている場合は、他のモードに自動的に切り替わることはない。
前記した第3の実施例では、第1,第2の電磁ソレノイド60A,60Bの双方に同時に通電する形態があって、それだけ消費電力が多く、また電磁ソレノイドにおける発熱量も多いのに対し、この第4の実施例では、常に第1,第2の電磁ソレノイド60A,60Bの一方だけの通電によりヘッドランプの配光を切り替えることができるので、それだけ消費電力が少なくてよいし、電磁ソレノイドにおける発熱量も少なくなる。
なお、前記した第3,第4の実施例における遮光シェードの連係駆動手段は、マイコンCによる電磁ソレノイドへの通電制御(通電のON・OFF制御)によって構成されているが、マイコンCを用いない通電制御電気回路だけで構成してもよい。
また、前記した第1〜第4の実施例では、フレーム40側の上下一対のピン72,72(72,72)に係合する遮光シェード134(234)側の長孔137(237)が上下に2箇所設けられているが、長孔137,137(237,237)はそれぞれ上下に連続する1本の長孔であってもよい。
本発明の一実施例である投射型自動車用ヘッドランプの縦断面図である。 同ヘッドランプの要部である光投射ユニットに組み付けられている配光切替機構の水平断面図である。 ユニットフレームに一体化された同光投射ユニットからリフレクタを取り外して後方から見た背面図である。 レンズホルダに一体化された配光切替機構の背面斜視図である。 同配光切替機構の要部分解斜視図である。 同配光切替機構におけるシェード摺動ガイドの水平断面図である。 前後隣接ガイド溝周辺の拡大水平断面図である。 (a)は偏芯カムの回転支軸周方向における所定のビーム対応位置を示す図である。(b)は偏芯カムの回転支軸の回転角(所定のビーム)とそれに対応する第1,第2の遮光シェードおよびウェットシェードの上下方向相対高さを示す図である。 第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図である。 第1,第2の遮光シェードを重ねて示した背面図および所定のビームに対応する配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図である。 所定のビームに対応する路面上の照射配光パターンを示す図である。である。 本発明の第2の実施例である投射型自動車用ヘッドランプの要部である光投射ユニットの縦断面図である。 同ヘッドランプにおける配光切替機構の要部背面図である。 遮光シェードの位置を示す側面図である。 本発明の第3の実施例である投射型自動車用ヘッドランプにおける配光切替機構の要部である第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図である。 配光切替機構の要部背面図およびそれに対応する配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図である。 第1,第2の遮光シェードの駆動手段である電磁ソレノイドを連係動作させる連係手段の構成を示す図で、(a)は連係手段であるマイコンを示し、(b)は連係手段であるマイコンに設定されているロジックを示す図である。 本発明の第4の実施例である投射型自動車用ヘッドランプにおける配光切替機構の要部である第1,第2の遮光シェードを別々に示した背面図である。 配光切替機構の要部背面図およびそれに対応する配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図である。 第1,第2の遮光シェードの駆動手段である第1,第2の電磁ソレノイドを連係動作させる連係手段であるマイコンに設定されているロジックを示す図である。 従来のヘッドランプの要部平面図である。 同ヘッドランプの遮光シェードの拡大断面図である。 従来の他のヘッドランプの要部斜視図である。
符号の説明
10 ランプボディ
12 前面レンズ
14,14A 光投射ユニット
L ヘッドランプの照射軸(光投射ユニットの光軸)
L22 スイブル軸
24 光源である放電バルブ
26 リフレクター
26a 楕円反射面
28 投射レンズ
30 レンズホルダー
X1,X2,X3,X4 配光切替機構
35 偏芯カムの回転支軸
36A,36B 遮光シェード連係手段である第1,第2の偏芯カム
36A1,36A2、36B1,36B2 分割偏芯カム
38 第1,第2の偏芯カム間に介在された立壁状のディスク
40(40a,40b,40c) フレーム
42 前後隣接ガイド溝画成用のセパレータ
44,46 前後位置決め手段である前後隣接ガイド溝
44A,44B 傾斜ガイド溝
50 駆動手段であるステッピングモータ
60A 第1の遮光シェード駆動手段である第1の電磁ソレノイド
60B 第2の遮光シェード駆動手段である第2の電磁ソレノイド
62A 第1の電磁ソレノイドの摺動子
62B 第2の電磁ソレノイドの摺動子
64 電磁ソレノイドの摺動子と遮光シェードとを連結する連結ピン
C 遮光シェード連係手段であるマイコン
72 左右位置決め手段であるフレーム側のピン
74 スプリング掛止ピン
76 引っ張りコイルスプリング
100 ユニットフレーム
134 配光制御用の第1の遮光シェード
135 左配光用カットライン形成用の段差部
137,237 左右位置決め手段である遮光シェード側の長孔
138,238 引っ張りコイルスプリング配設用の開口
138a、238a スプリング掛止孔
234 配光制御用の第2の遮光シェード
235 右配光用カットライン形成用の段差部
236 雨天用遮光部(ウェットシェード)
141,142、241 電磁ソレノイド連結用の上下に延びる長孔

Claims (8)

  1. 略椀形状のリフレクターと、前記リフレクターの略第1焦点に配置された光源と、前記リフレクターの第2焦点より前方に配置された投射レンズと、前記リフレクターの略第2焦点近傍かつ前記投射レンズの焦点近傍に投射レンズの光軸と略直交する左右方向に延在するように配置され、その上側縁部がリフレクター側から投射レンズに向かう光の一部を遮って所定の配光パターンを形成する配光制御用の遮光シェードとを備え、前記遮光シェードは、前記リフレクターに一体化されたフレームによって上下方向摺動可能に支持されるとともに、前記遮光シェードと前記フレーム間に介装された駆動手段により上下に平行移動する投射型自動車用ヘッドランプにおいて、
    前記遮光シェードは、摺動ガイドによって前後左右に位置決めされるとともに、連係駆動手段により連係して摺動動作する平板状の第1,第2の遮光シェードで構成されたことを特徴とする投射型自動車用ヘッドランプ。
  2. 前記連係駆動手段は、単一の駆動モータにより一体に回動する第1の偏芯カムおよび第2の偏芯カムで構成され、前記第1,第2の遮光シェードのそれぞれの下端部が前記第1,第2の偏芯カムにそれぞれ摺接するようにばね付勢保持されたことを特徴とする請求項1に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  3. 前記連係駆動手段は、前記第1,第2の遮光シェードに連結された、通電制御手段により作動するシェード摺動用の第1,第2の電磁ソレノイドで構成され、前記第1,第2の遮光シェードは、前記第1,第2の電磁ソレノイドとの連結部がそれぞれ圧接されるようにばね付勢保持されたことを特徴とする請求項1に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  4. 前記摺動ガイドは、第1,第2の遮光シェードそれぞれの左右の側縁部にそれぞれ係合して第1,第2の遮光シェードを前後方向に接近した形態に位置決めする上下に延びる左右一対の前後隣接ガイド溝で構成した前後位置決め手段と、前記第1,第2の遮光シェードと前記フレーム間にそれぞれ介装されて、第1,第2の遮光シェードを左右方向にそれぞれ位置決めする、ピンと該ピン係合用の上下に延びる長孔で構成した左右位置決め手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  5. 前記第1,第2の遮光シェードそれぞれの上側縁部が前記投射レンズの焦点を通るように、前記前後隣接ガイド溝における第1の遮光シェード係合用のガイド溝と第2の遮光シェード係合用のガイド溝の少なくとも一方が前後に傾斜して配設されたことを特徴とする請求項4に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  6. 前記第1,第2の偏芯カムは、少なくとも対応する前記第1,第2の遮光シェードの板厚相当の薄型に形成されて同軸に積層一体化されるとともに、その回転支軸が前記第1,第2の遮光シェードと直交して延在する構造で、積層する前記第1,第2の偏芯カム間に、前記第1,第2の遮光シェードそれぞれの左右の側縁部にそれぞれ係合して第1,第2の遮光シェードを前後方向に接近した形態に位置決めする上下に延びる左右一対の前後隣接ガイド溝間の隔壁の厚さに略等しい厚さの立壁が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  7. 前記第1,第2の偏芯カムは、同軸に一体化されてその回転支軸が前記第1,第2の遮光シェードの下方にこれらのシェードと平行に延在する構造で、前記第1,第2の偏芯カムは、左右に分割されて離間する一対の分割カムでそれぞれ構成されたことを特徴とする請求項2に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
  8. 前記第1の遮光シェードには、前記第1の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる第1の長孔と前記第2の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる第2の長孔とが並設され、前記第2の遮光シェードには、前記第2の長孔に整合し、前記第2の電磁ソレノイド連結用の上下に延びる長孔が設けられ、前記第1の遮光シェードの第1の長孔が前記第1の電磁ソレノイドにピン連結され、前記第1の遮光シェードの第2の長孔および前記第2の遮光シェードの長孔が前記第2の電磁ソレノイドにピン連結され、前記第1の電磁ソレノイドのみ作動させた場合に、第1の遮光シェードだけが摺動し、前記第2の電磁ソレノイドのみ作動させた場合に、前記第1,第2の遮光シェードが一体に摺動することを特徴とする請求項3に記載の投射型自動車用ヘッドランプ。
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