JP2006071995A - プラスチック製光学部品、およびこれを用いた光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量、低コスト、大量生産適性などに優れた特性に加え、優れた防湿性能を有し、環境に存在する水分の影響を受けても屈折率等の光学特性の変化の極めて少ないプラスチック製光学部品の提供。
【解決手段】少なくとも外気接触面に、防湿皮膜としてゾル−ゲル法により得られる有機−無機ハイブリッド層が形成されたプラスチック製光学部品。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック製レンズやプリズム等の光学部品の技術分野に属し、詳しくは吸湿による光学性能の変化がきわめて少ないプラスチック製光学部品に関する。
従来、カメラのレンズやファインダ、コピー機器、プリンタ、プロジェクタ、光通信等に用いられる各種のレンズやプリズム、眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、拡大鏡等の光学部品は、その多くがガラスを材料として製造されている。
しかしながら、近年のプラスチック素材やプラスチック成形技術の進歩に伴い、安価な光学部品として原料が安く、軽量で、大量生産適性のあるプラスチックによってレンズやプリズム等の光学部品が製造されるようになって来ている。
ところが、プラスチックは、吸湿によって屈折率等の光学性能が変化してしまうので、高級な一眼レフカメラ用のレンズなどの、高解像度等の高い精度が要求される用途には、依然としてガラスレンズが使用されている。
このような問題点を解決するために、ポリマー構造の設計等により、高い防湿性を有する、すなわち、吸湿性が低いプラスチック素材自体の開発も行われているが、そのコストが高くなってしまい、プラスチックのコストメリットがなくなるという問題がある。
また、防湿性を有するプラスチック製光学部品を得るために、光学部品の成形段階等において疎水性物質を添加したり、光学部品を非透湿性のバリア膜で覆ったり、光学部品の反射防止膜の上表面に、撥水撥油処理した反射防止層被覆層を設けたりすることが行われている(特許文献1参照)。また、プラスチック製光学部品の湿度安定性を向上させるために、ゲートカット部のみに吸湿調整膜を形成することも知られている(特許文献2参照)。さらに、光学系に低吸湿性材料からできた光学ブロックを設置して吸湿による性能変化を光学的に補償することも行われている(特許文献3参照)。
しかし、上記従来技術の方法で得られた防湿性プラスチック製光学部品や特許文献1に記載のバリア膜や反射防止層および反射防止層被覆層を持つプラスチック製光学部品は、十分な防湿性を得ることができておらず、吸湿による屈折率等の光学性能の変化を防止することはできないという問題があった。また、特許文献2に記載の技術では、ゲート部分のみに吸湿調整膜を設けても、周囲からの吸湿速度を一定化することは実質的に困難であるし、表面からの吸湿とあいまって、レンズ内部に光学的に好ましくない屈折率分布やその偏りが生じてしまうことは避けられないという問題があった。さらに、特許文献3に記載の技術では、光学系が複雑になり、コストアップとなるという問題があった。
特開2002−148402号公報 特開平11−109107号公報 特開2000−137166号公報
本発明の課題は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、プラスチック製光学部品の持つ軽量、低コスト、大量生産適性等に優れた特性に加え、優れた防湿性能を有し、環境に存在する水分の影響を受けても屈折率等の光学性能の変化が極めて少ないプラスチック製光学部品を提供することにある。
すなわち、本発明は、少なくとも外気接触面に、防湿皮膜としてゾル−ゲル法により得られる有機−無機ハイブリッド層が形成されたプラスチック製光学部品を提供する。
本発明のプラスチック製光学部品は、水分の移動に関するシャーウッド数が10以下であることが好ましい。
また、本発明は、互いにアッベ数が異なる少なくとも2つのレンズを含み、前記レンズの少なくとも1つは、本発明のプラスチック製光学部品である光学ユニットを提供する。
本発明の光学ユニットは、オートフォーカス機構を有することが好ましい。
本発明によれば、軽量、低コスト、生産性等の優れたプラスチック製光学部品の性能を維持したまま、優れた防湿性能を有し、環境に存在する水分の影響を受けても解像度等の光学性能の変化が極めて少ないプラスチック製光学部品を容易に実現でき、提供できるという効果を奏する。
本発明のプラスチック製光学部品をプラスチック製レンズとして使用した場合、環境変化、具体的には、環境中の湿度が変化した場合であっても、レンズ中の屈折率分布に偏りを生じることがなく、レンズ自体の屈折率の変化もゆるやかであり、かつその変化も均一である。レンズ自体の屈折率が均一に変化する場合、吸湿による程度に微小な変化であれば、光学性能への実質的な影響は焦点位置の変化のみに留まり、この変化はオートフォーカス機構を使用することで解消される。
本発明のプラスチック製光学部品を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、レンズの形状をした本発明のプラスチック製光学部品の一実施形態を示した概念図であり、図1(a)は該光学部品の正面図(光軸方向から見た図)であり、図1(b)は光軸を含む平面で切断した断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本発明の光学部品1は、プラスチック製の光学部品本体(ここでは、レンズ)10と、該光学部品本体10の少なくとも外気接触面上に形成される防湿被膜2と、で構成される。なお、図1(a)および(b)に示す光学部品1では、光学部品本体10の表面全体に防湿皮膜2が形成されている。
以下、本明細書において、光学部品本体とは、レンズ等、公知の光学部品を広く表すものとし、光学部品とは、該光学部品本体の少なくとも外気接触面上に防湿皮膜が形成されたものを表す。
図1(a)および(b)に示す光学部品本体10は、一般的なプラスチックレンズの形状であり、光学面を有するレンズ部10aと、レンズ部10aの外側に設けられたフランジ部10bと、で構成される。図(1)および(b)に示す光学部品1では、レンズ10aとフランジ10bとを含めた光学部品本体10の表面全体に防湿被膜2が形成されている。
本発明の光学部品10は、光学部品本体10の少なくとも外気接触面に、防湿皮膜としてゾル−ゲル法により得られる有機−無機ハイブリッド層が形成されていることを特徴とする。
本明細書において「有機−無機ハイブリッド」とは、無機材料と有機材料とが分子レベル及びナノオーダーで混ざり合った状態を示し、例えば、Adv.Polym.Sci.,100,11(1992)、Poly.Mater.Encyclopedia,6,4793(1996)、Current Opinion in Solid State & Materials Science,1,806(1996)に記載されたゾル−ゲル法により得られた有機材料と無機材料との複合材料を示す。
防湿皮膜をなす有機−無機ハイブリッド層は、ゾル−ゲル法を用いて、無機材料の反応時又はその前後に有機材料を共存させることにより得られる。本発明で用いられるゾル−ゲル法は、好ましくは溶液中、又は塗膜中で金属アルコキシドを加水分解、縮重合させて緻密な薄膜を得る。また、この時、樹脂(ポリマー)を併用して、有機−無機ハイブリッド材料にしてもよい。
ゾル−ゲル法で使用する金属アルコキシドとして、アルコキシシラン及び/又はアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを使用することができる。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドとしては、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が好ましい。
アルコキシシラン類の例としては、以下の一般式で示されるアルコキシシランを挙げることができる。
Si(OR1x(R24-x
上記一般式中のR1は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。また、R2 は、炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−デシル基、フェニル、ビニル基、アリル基などの無置換の炭化水素基、γ−クロロプロピル基、CF3CH2−、CF3CH2CH2−、C25CH2CH2−、C37CH2CH2CH2−、CF3OCH2CH2CH2−、C2F5OCH2CH2CH2−、C37OCH2CH2CH2−、(CF32CHOCH2CH2CH2−、C49CH2OCH2CH2CH2−、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、(CF24CH2OCH2CH2CH2−、H(CF24CH2CH2CH2−、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などの置換炭化水素基が挙げられる。xは2〜4の整数のものが好ましい。
これらのアルコキシシランの具体例を以下に示す。x=4のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることができる。
x=3のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2Si(OCH33、C25CH2CH2Si(OCH33、C25OCH2CH2CH2Si(OCH33、C37OCH2CH2CH2Si(OC253、(CF32CHOCH2CH2CH2Si(OCH33、C49CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、H(CF24CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
x=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH22Si(OCH32、(C37OCH2CH2CH22Si(OCH32、〔H(CF26CH2OCH2CH2CH22Si(OCH32、(C25CH2CH22Si(OCH32などを挙げることができる。
ゾルゲル反応時に併用するポリマーとしては、水素結合形成基を有していることが好ましい。水素結合形成基を有するポリマーの例としては、ヒドロキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、メチロールメラミン等とその誘導体);カルボキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリ(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和酸の単位を含む単独又は共重合体と、これらのポリマーのエステル化物(酢酸ビニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の単位を含む単独又は共重合体)等);エーテル結合を有するポリマー(ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ケイ素樹脂等);アミド結合を有するポリマー(>N(COR)−結合(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレンイミンのN−アシル化物);>NC(O)−結合を有するポリビニルピロリドンとその誘導体;ウレタン結合を有するポリウレタン;尿素結合を有するポリマー等を挙げることができる。
また、ゾル−ゲル反応時に併用するポリマーとして、シリル基含有ポリマーを用いてもよい。シリル基含有ポリマーは、主鎖重合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基及び/又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上含有するものであり、該シリル基の好ましい構造としては、下記一般式で表されるものである。
−Si(R33-a(X)a
上記一般式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基及び/又は水酸基、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数7〜10のアラルキル基、aは1〜3の整数である。
シリル基含有ポリマーとして特に好ましいのは、主鎖がビニルポリマーからなるシリル基含有ビニルポリマーである。これらは一般に下記の方法で容易に合成することができる。その製造方法はこれらの方法に限定されるものではない。
(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニルポリマーと反応させる。
(ロ)下記一般式で表されるシラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合する。
4−Si(R33-a(X)a
上記一般式中、X、R3及びaは前記と同じであり、R4は重合性二重結合を有する有機基である。
ここで、前記(イ)で示される製造方法で使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチルジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリアミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
また、前記(イ)で示される製造方法で使用されるビニルポリマーとしては、水酸基を含むビニルポリマーを除くほかは特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸及び無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどから選ばれるビニル系化合物をアリルメタクリレートのような側鎖に二重結合を有するモノマーと共重合したビニルポリマーが好ましい。
一方、上記(ロ)で示される製造方法で使用されるシラン化合物としては、特開2001−42102号公報に記載の下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006071995
また、上記(ロ)で示される製造方法で使用されるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法でビニルポリマーの重合時に用いられるビニル系化合物を使用することが可能であるが、この(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げることもできる。
以上のようなシリル基含有ビニルポリマーの好ましい具体例としては、例えば下記一般式で表されるトリアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げることができる。このシリル基含有ビニルポリマーの数平均分子量は、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。
Figure 2006071995

上記一般式中、R5及びR6は各々独立に水素原子、フッ素原子又はメチル基、R7は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンテル基、n−ヘキシル基、ベンジル基、(CF32CH−、CF3CH2−、C715CH2−、C25CH2CH2−等の(a)成分で説明したフッ素原子を含むアルキル基)を表し、R8はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R9は、上記したアルコキシシランの一般式のR1と同義であり、n/(m+n)=0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.2である。
本発明に好ましく使用されるシリル基含有ビニルポリマーの具体例としては、鐘淵化学工業(株)製カネカゼムラックや下記のポリマーを挙げることができるが、本発明で用いられる基含有ビニルポリマーはこれらに限定されるものではない。
上記一般式で表されるシリル気含有ビニルポリマーの具体例を示せば次のようになる。
P−1:メチルメタクリレート/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(80/20(質量比))
P−2:メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(85/15(質量比))
P−3:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50/40/10(質量比))
P−4:M−1/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(90/10(質量比))
P−5:M−2/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(80/20(質量比))
P−6:M−1/M−3/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50/40/10(質量比))
P−7:メチルメタクリレート/メチルアクリレート/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(60/25/15(質量比))
P−8:M−1/メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(70/25/5(質量比))
なお、上記M−1、M−2、M−3の構造式は以下のとおりである。
Figure 2006071995
シリル基含有ポリマーの組成物中の割合は、用いる総アルコキシシランに対し1〜200質量%、好ましくは3〜100質量%、さらに好ましくは5〜50質量%である。また、ゾル−ゲル反応時にモノマーを併用し、ゾル−ゲル反応時、又はその後に重合させて有機−無機ハイブリッド層を作製することもできる。
ゾル−ゲル反応時には、水、及び有機溶媒中で金属アルコキシドを加水分解、及び縮重合させるが、この時、触媒を用いることが好ましい。加水分解の触媒としては、一般に酸が用いられる。酸は、無機酸又は有機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、リン酸・ホスホン酸類(リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(リンモリブデン酸、リンタングステン酸など)などを挙げることができる。
酸の使用量は、金属アルコキシド(アルコキシシラン及び他の金属アルコキシドを含有する場合には、アルコキシシラン+他の金属アルコキシド)1モル当たり、0.0001〜0.05モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルである。
加水分解後、無機塩基やアミンなどの塩基性化合物を添加して溶液のpHを中性付近にし、縮重合を促進してもよい。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、N、N−ジメチルベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)を用いることができる。
また、酸による加水分解後、特に特開2003−301109号公報に記載されるもののような、下記一般式のアミンを用いることも好ましい。
Figure 2006071995

上式中、R1、R2は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R3は、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表す。但し、R3が芳香族基でない場合、R1とR2のいずれか一方、あるいは両方が水素原子である。
この場合、アミンの添加量としては、酸と等モル〜100倍モル、好ましくは等モル〜20倍モルが適当である。
また、他のゾル−ゲル触媒も併用することができる。その例は以下に挙げられる。
(1)金属キレート化合物:
一般式R10OH(式中、R10は炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表されるアルコールと、R11COCH2COR12(式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基、R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜16のアルコキシ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、金属を中心金属とするものであれば特に制限なく、好適に用いることができる。この範囲であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用してもよい。本発明の金属キレート化合物として特に好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有するものであり、一般式:Zr(OR10p1(R11COCHCOR12p2、Ti(OR10q1(R11COCHCOR12q2及び Al(OR10r1(R11COCHCOR12r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR10及びR11は、同一又は異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R12は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、r2は、4又は6座配位となるように決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
(2)有機金属化合物:
好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが、有機遷移金属が高い活性を有するため好ましい。中でもスズの化合物は、安定性と活性がよく、特に好ましい。これらの具体的化合物例としては、これらの具体的な化合物例としては、(C492Sn(OCOC11232、(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8172Sn(OCOC11232、(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC492、Sn(OCOCC8172などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C492Sn(SCH2COOC8172、(C492Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2CH2COOC8172、(C8172Sn(CH2COOC12252、下記の化学式で示されるメルカプチド型やスルフィド型の有機スズ化合物;(C492SnO、(C8172SnO、又は(C492SnO、(C8172SnOなどの有機錫オキサイドとエチルシリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物などを挙げることができる。
Figure 2006071995
(3)金属塩類
金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
ゾル−ゲル触媒化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるアルコキシシランに対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
次に、ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒について述べる。溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、及び水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
ゾル−ゲル反応の速度を調節する目的で、多座配位可能な有機化合物を添加して、金属アルコキシドを安定化してもよい。その例としては、β−ジケトン及び/又はβ−ケトエステル類、並びにアルカノールアミンが挙げられる。
このβ−ジケトン類及び/又はβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−イソ−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−tert−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチル及びアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類及び/又はβ−ケトエステル類は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。これらの多座配位可能な化合物は、ゾル−ゲル触媒として前記の金属キレート化合物を用いた場合、その反応速度を調節する目的にも用いることができる。
次にゾル−ゲル法により得られる有機−無機ハイブリッド層を塗設する方法について説明する。ゾル液はカーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法によって、光学部品本体の外気接触面上に薄膜を形成することができる。この場合、加水分解のタイミングは製造工程中の如何なる時期であっても構わない。例えば、あらかじめ必要な組成の液を加水分解部分縮合して目的のゾル液を調製し、それを塗布−乾燥する方法、必要な組成の液を調製し塗布と同時に加水分解部分縮合させながら乾燥する方法、塗布−一次乾燥後、加水分解に必要な水含有液を重ねて塗布し加水分解させる方法等を好適に採用できる。
塗布後の乾燥温度は、光学部品本体に悪影響を及ぼさない範囲であれば特に制限はないが、好ましくは150℃以下、より好ましくは30〜120℃、特に好ましくは30〜80℃である。
塗布、有機−無機ハイブリッド層をさらに緻密にするため、エネルギー線の照射を行ってもよい。その照射線種に特に制限はないが、光学部品本体に対する影響を勘案し、紫外線、電子線あるいはマイクロ波の照射を特に好ましく用いることができる。照射強度は30〜500mJ/cm2であり、特に好ましくは50〜400mJ/cm2である。照射温度は、光学部品本体に悪影響を及ぼさない範囲であればよく、好ましくは150℃以下、より好ましくは30〜120℃、特に好ましくは30〜80℃である。
本発明の光学部品において、防湿皮膜をなす有機−無機ハイブリッド層の厚さは、優れた防湿性能を得るために0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがさらに好ましい。
本発明の光学部品において、防湿皮膜は有機−無機ハイブリッド層以外の層を含んでいてもよい。この場合、光学部品の防湿皮膜として、公知のものから広く選択することができ、無機系皮膜であっても、有機系皮膜であってもよく、または無機系皮膜と有機系皮膜とを組み合わせた複合皮膜であってもよい。この場合、他の層は、有機−無機ハイブリッド層上に形成してもよく、または本発明の光学部品本体と有機−無機ハイブリッド層との間に形成してもよい。
無機系皮膜には、十分な透明性を有し、かつ、透湿性が低い、もしくは透湿性を示さないものであれば、無機材料を主成分とする各種の薄膜が利用可能である。
好適な無機材料の一例として、SiOx(0<x≦2)で表されるケイ素酸化物、ZrO2、TiO2 、TiOまたはTi23のようなチタン酸化物、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3、InとSnの混合酸化物からなる混合物が挙げられる。
何れの皮膜であっても、無機系皮膜は、できるだけ緻密な構造を有し、かつ目的とする波長の光線の吸収が少ない皮膜であるのが好ましい。
ここで、無機系皮膜を用いる場合には、ケイ素酸化物からなるガラス質膜であるのが好ましい。
無機系皮膜を用いる場合の膜厚は、10nm〜1000nm(1μm)であるのが好ましい。膜厚がこのような範囲であれば、防湿性能に影響を与えるピンホールの数が少ないからである。すなわち、無機系皮膜の膜厚を上記範囲に限定する理由は、膜厚が、10nmより薄いとピンホールの発生の懸念があるし、また、1000nmより厚くしても、防湿性という観点からは、その寄与はもはや少ないし、膜厚を厚くすると、生産性が低下する、特に乾式成膜法では生産性が低下するし、また、残留応力によりクラックが入りやすくなるからである。
このような無機系皮膜の形成方法には、特に限定は無く、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の各種の乾式成膜法や、ゾル−ゲル法、ディップコート、スプレーコート、スピンコート等の各種の湿式成膜法が利用可能であり、形成する無機系皮膜の組成や膜厚等に応じて、適宜選択すればよい。特に、乾式成膜法による無機皮膜の膜厚は、上述した10nm〜1μmであるのがより好ましい。この理由は、上記限定理由がより顕著だからである。一方、湿式成膜法としてゾル−ゲル法を使用する場合、無機系皮膜は、例えば、アルコキシシラン化合物を加水分解することにより得られるが、市販品では日本ダクロシャムロック社製のソルガード(SolGard)TM等を用いることができる。
有機系皮膜には、十分な透明性を有し、かつ、透湿性が低い、もしくは透湿性を示さないものであれば、有機材料を主成分とする各種の薄膜が利用可能である。
好適な有機系皮膜の一例として、ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などを主成分とする皮膜、日本ゼオン社製のゼオネックス(ZEONEX)TMなどのシクロオレフィン系樹脂を主成分とする皮膜、旭硝子社製のサイトップ(CYTOP)TMやデュポン社製のテフロン(登録商標)AF(TeflonAF)などの非晶フッ素樹脂(アモルファスフルオロポリマー)を主成分とする皮膜、住友3M社製のノベック(Novec)TMなどのフッ素系樹脂を主成分とする皮膜、信越化学工業の信越シリコーンKR251、KR400、KR114A等のシリコーン系樹脂を主成分とする皮膜等が例示される。ここで、有機質皮膜を用いる場合には、塩化ビニリデン膜であるのが好ましい。
有機系皮膜を用いる場合の膜厚は、100nm〜10000nm(10μm)であるのが好ましい。膜厚がこのような範囲であれば、防湿性能および光学性能のいずれにも優れている。同じ膜厚での防湿性能を比較した場合、有機系皮膜はケイ素酸化物膜等の無機系皮膜より防湿性能が低い。このため、膜厚が100nm未満であると、所望の防湿性能を得ることができないおそれがある。また、膜厚が100nm未満であると、ピンホール等の欠陥が生じやすくなる。一方、膜厚を10μmより厚くしても、防湿性という観点からは、その寄与はもはや少なく、極端に厚いと、形状が設計から大きくはずれることによる光学性能低下や、厚みが不均一となりやすいために生じる光学性能低下を引き起こすおそれがある。
有機系皮膜は、ビニル系ポリマーからなる層(以下、「ビニル系ポリマー層」という)であってもよい。ビニル系ポリマー層で用いられるビニル系ポリマーは、ガスバリア性を有するビニル系ポリマーであれば限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸及び無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどから選ばれるビニル系化合物をアリルメタクリレートのような側鎖に二重結合を有するモノマーと共重合したビニル系ポリマーを挙げることができる。
上記ビニル系ポリマー層は、さらに無機層状化合物を含有することもできる。ビニル系ポリマー層に含有される無機層状化合物は、特に限定されるものではないが、膨潤性及び/又は劈開性を有する粘土鉱物やハイドロタルサイト類化合物及びその類似化合物を好適に用いることができる。
これら粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石などを挙げることができる。
上記無機層状化合物は、天然物であっても合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は、単独で用いることができ、また複数を併用することもできる。
上記無機層状化合物の形状は、特に限定されるものではないが、無機層状化合物が多層に重なっていると、親有機化した後に劈開することが困難になることから、親有機化されていない無機層状化合物の厚さは、可能な限り1層における厚み(約1nm)であることが好ましい。また、平均長さは0.01〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、アスペクト比は20〜500、好ましくは50〜200であるものを好適に用いることができる。
上記無機層状化合物は、その層間(最上又は最下の無機層状化合物の表面も含まれる)にイオン交換可能な無機カチオンを有する。イオン交換可能な無機カチオンとは、無機層状化合物(例えば層状珪酸塩)の結晶表面上に存在するナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属イオンのことである。これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有し、イオン交換反応によりカチオン性を有する種々の物質を上記無機層状化合物の層間にインターカレートできる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換する場合、長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンを有機カチオンとして好適に用いることができる。長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンは、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオンなどを用いることができる。
上記無機層状化合物のカチオン交換容量(CEC)は、特に限定されるものではないが、例えば25〜200meq/100gであることが好ましく、50〜150meq/100gであることがより好ましく、90〜130meq/100gであることがさらに好ましい。無機層状化合物のカチオン交換容量が25meq/100g未満であると、イオン交換により無機層状化合物の層間に挿入(インターカレート)されるカチオン性物質の量が少なくなるために、層間が十分に親有機化されないことがある。一方、カチオン交換容量が200meq/100gを超えると、無機層状化合物の層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなり、分散性が悪くなることがある。
上記無機層状化合物の具体例としては、例えば、クニミネ工業のスメクトンSA、クニミネ工業のクニピアF、コープケミカル社のソマシフME−100、コープケミカル社のルーセンタイトSWNなどの商品を挙げることができる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換(親有機化)する方法としては、一般に、湿式法を挙げることができる。湿式法は、無機層状化合物を水やアルコール等で十分溶媒和させた後、有機カチオンを加えて撹拌し、無機層状化合物の層間に存在する金属イオンを有機カチオンに置換させ、その後、未置換の有機カチオンを十分に洗浄し、ろ過、乾燥する方法である。その他、有機溶剤中で無機層状化合物と有機カチオンを直接反応させたり、樹脂などの存在下、無機層状化合物と有機カチオンとを押出機中で加熱混練して反応させたりすることもできる。
ビニル系ポリマー層に無機層状化合物を含有させる場合、先ず無機層状化合物とビニル系ポリマーとを溶融混練又は溶液中で混合することにより、無機層状化合物を劈開した状態でポリマー中に分散したポリマー組成物を作製することが好ましい。製造プロセスやコストを考慮すると、溶融混練法により混合することが好ましい。
上記溶融混練で使用可能な溶融混練機としては、熱可塑性樹脂について一般に実用されている混練機を挙げることができる。例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いることができる。
無機層状化合物を含有させる場合、上記ビニル系ポリマー層におけるビニル系ポリマーと無機層状化合物との配合比は、質量比で1/100〜100/20であることが好ましく、5/100〜100/50であることが好ましい。無機層状化合物の配合量がビニル系ポリマーの質量100質量部に対して1質量部未満であると、充分なガスバリア性の効果が得られない場合がある。一方、ビニル系ポリマーの配合量が無機層状化合物100質量部に対して20質量部未満であると、ビニル系ポリマーと無機層状化合物との分散性が著しく悪化する。
このような有機系皮膜の形成方法には、特に限定は無く、皮膜となる樹脂成分を溶解あるいは分散してなる塗料を調整して塗布/乾燥する成膜法などの各種の湿式成膜法や、プラズマ重合やCVDなどの各種の乾式成膜法が利用可能であり、形成する皮膜の組成や膜厚等に応じて、適宜、選択すればよい。
また、塗料を用いる湿式の成膜法において、塗料の塗布方法には、特に限定はなく、スプレー塗布、刷毛による塗布、ディップコートなど、各種の方法が利用可能である。
特に、塗布成膜法による有機系皮膜の膜厚は、上述した100nm〜10μmであるのがより好ましい。この理由は、上記限定理由がより顕著だからである。
防湿皮膜が上記した他の層を含む場合、有機−無機ハイブリッド層との密着性を向上させる目的で、他の層に対して、コロナ処理、グロー処理、UV処理、プラズマ処理などを行ってもよい。
本発明の光学部品は、下記式で表される水分の移動に関するシャーウッド数が10以下であることが好ましい。
kc・d/D
ここで、kcは防湿皮膜における水移動係数であり、Dは光学部品本体の構成素材における水拡散係数[mm2/s]である。dは光学部品本体の光学方向における長さ[mm]であり、図1に示すようにプラスチック製レンズ(光学部品本体)10の場合、レンズ部10aの中央部の厚みである。
ここで、kcは、光学部品本体の構成素材と同じ素材で平板サンプルを作成して、この平板サンプルに、防湿皮膜を付与した防湿皮膜付与サンプルについてJIS K7209(ISO62に相当)によって吸湿速度を測定し、防湿皮膜が付与されていない平板サンプルである防湿皮膜未付与サンプルについて吸湿速度を測定し、両者の吸湿速度の差異から求める。
また、光学部品本体の構成素材における水拡散係数D[mm2/s]は、光学部品本体の構成素材と同一素材で平板サンプルを作成し、この平板サンプルについてJIS K7209(ISO62に相当)に記載の方法によって求める。
また、光学部品本体の光学方向における長さd(mm)は、光学部品本体の形状や寸法から正確に求めても良いが、光学部品本体が図1に示すようなプラスチック製レンズ10の場合には、レンズ部10aの中央部の厚みであって良い。
本発明の光学部品は、水分移動に関するシャーウッド数が10以下であることにより、仮に、環境変化により光学部品への吸湿または脱湿があったとしても、光学部品内部に吸水率分布の偏りが生じることがなく、吸水率分布の偏りに起因する屈折率分布の偏りが生じることがない。
本発明の光学部品において、水分移動に関するシャーウッド数はより好ましくは5以下であり、2以下であることがさらに好ましい。
本発明の光学部品において、防湿被膜は少なくとも外気接触面に形成されていればよく、図1に示した光学部品1のように、光学部品本体10の表面全体に防湿皮膜2を形成することは必須ではない。
図2は、本発明の光学部品の別の実施形態を示した概念断面図(光軸を含む平面で切断)であり、レンズの形態をした本発明の光学部品1’は、光学ユニット100に組み込まれている。図2に示す光学ユニット100は、銀塩カメラのレンズ機構や、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話組み込み用小型カメラの撮像モジュールに使用される一般的な光学ユニットの構成である。すなわち、図2の光学ユニット100は、略円筒状をした鏡筒30内に、互いにアッベ数が異なる2枚のレンズ1’,20を組み込み、レンズ押さえ50で該レンズ1’,20を固定してなるものである。
また、図2の光学ユニット100では、レンズ1’およびレンズ20の間にスペーサ40が配置されている。
ここで、レンズ20は、アッベ数が高い、具体的にはアッベ数45〜60程度のレンズである。
このようなアッベ数を有するレンズとしては、具体的には、例えばガラス製のレンズや、日本ゼオン社製のゼオネックス(ZEONEX)TMに代表される脂環式ポリオレフィン製のレンズが挙げられる。これらのレンズ材料は、一般に飽和吸湿率が0.02質量%以下と極めて低いものが知られている。このような吸湿率の低いレンズ材料で作製されたレンズ20には防湿皮膜を形成する必要はない。
一方、レンズ1’は、本発明の光学部品1’であり、レンズ20と組み合わせて色収差の補正を行うのに相応しいアッベ数、具体的にはアッベ数が23〜35程度のプラスチックレンズを光学部品本体10’とする。
図2に示す光学ユニット100の構成について、より具体的に説明する。鏡筒30は中心が一致し、かつ互いに径が異なる3つの円筒状の領域を、径が大きい側から順に、光学ユニット100の光軸方向に配列させた構成を有している。鏡筒30の、最も小径の円筒領域の端面には、円環状のリブ部30aが内側に突出して形成されている。このリブ部30aの内側が光(撮影光等)が入射する開口となる。
鏡筒30において、最も小径の領域は、レンズ20を組み込み可能である。すなわち、その内径がレンズ20の外径と略同一で、レンズ20の外径よりも若干大きくなっている。また、最も大径の領域は、本発明の光学部品1’を組み込み可能である。すなわち、その内径が本発明の光学部品1’の外径と略同一で、該光学部品1’の外径よりも若干大きくなっている。
レンズ20は、鏡筒30の前記リブ部30a側(開口=光入射側)の最も小径の領域に組み込まれ、リブ部30aにフランジ部を当接することにより、光軸方向の位置が決定される。一方、本発明の光学部品1’は、鏡筒30の最大径の領域に組み込まれる。
スペーサ40は、両端部にレンズ20および本発明の光学部品1’と当接する部分を有する略円筒状の部材で、上記したように鏡筒30内においてレンズ20および本発明の光学部品1’の間に挿入される。スペーサ40の光軸方向の長さを選択することにより、レンズ20および本発明の光学部品1’の光軸方向における相対位置を適正な位置に位置決めすることができる。
また、レンズ20、本発明の光学部品1’、鏡筒30、およびスペーサ40は、共に鏡筒30にレンズ20および本発明の光学部品1’を適正に組み込んだ状態で、レンズ20および本発明の光学部品1’の光軸が一致するように成形されている。
図2に示す光学ユニット100は、鏡筒30内に、レンズ20、スペーサ40、および本発明の光学部品1’を順次組み込み、レンズ押さえ50により本発明の光学部品1’をリブ30aに向けて押圧する。この状態で接着剤等によってレンズ押さえ50を鏡筒30に固定することにより、光学ユニット100が組み立てられる。
図3(a)および(b)は、本発明の光学部品1’の正面図(光軸方向から見た図)であり、図3(b)は図3と同方向の断面図である。図3(a)および(b)に示すように、本発明の光学部品1’において、光学部品本体10’は図1(a)および(b)に示した光学部品本体10と同様に、レンズ部10’aとフランジ部10’bとで構成されている。
図2に示す光学部品100において、本発明の光学部品1’は、フランジ部がリブ部30aおよびスペーサ40により挟持されており、この部分は外気と接触しない。したがって、この部分からの吸湿および脱湿はほとんどないと考えられる。
このため、図3(b)に示すように、本発明の光学部品10’では、光学部品本体1’のレンズ部10’a表面にのみ防湿皮膜2が形成されており、フランジ部10’bには防湿皮膜2が形成されていない。水分移動に関する光学部品1’のシャーウッド係数が10以下となるのであれば、このような構成であってもよく、光学ユニットの組立上むしろ好ましい。
防湿皮膜の形成方法にもよるが、概して図3(a)および(b)に示す形状の光学部品本体10’では、レンズ部10’aと比較すると、フランジ部10’bは、防湿皮膜を均等に形成するのが困難であり、形成される防湿皮膜の膜厚にムラが生じやすい。フランジ部10’bは、光学ユニット100に組み込んだ際に、光軸合わせおよび光軸方向における位置合わせを行う部分であるため、防湿皮膜の膜厚にムラが生じると、光軸合わせおよび光軸方向における位置合わせが困難になり、さらには、光学ユニット100の光学性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、防湿皮膜の形成の困難性により、フランジ部10’bに形成された防湿皮膜は、密着性に劣る場合がある。この結果、光学ユニット100の供用時に、防湿皮膜がフランジ部10’bから容易に剥離して、汚染源となるおそれがある。
また、図2に示す構成の光学ユニット100において、鏡筒30内が気密に保持されている、または鏡筒30に存在する開口部が非常に小さく、外部から鏡筒30への空気の流通が少なくなるように構成されているのであれば、本発明の光学部品本体10’のレンズ部10’a表面のうち鏡筒30内に位置する側の表面、すなわち凸面部における吸湿および脱湿の影響は非常に小さいと考えられる。このような場合、該凸面部には防湿皮膜2を形成しなくてもよい。
一方、レンズを構成する素材によっては、高アッベ数レンズをなすレンズ20が吸湿および脱湿による影響を受ける場合もある。このような場合、レンズ20を本発明の光学部品で構成してもよい。
なお、図3(a)および(b)に示す光学部品1’のように、光学部品本体10’の外気接触面、すなわちレンズ部10’aにのみ防湿皮膜を形成するには、後述する手順で防湿皮膜を形成する際に、フランジ部10’bをマスクする、またはホルダ等で挟持した状態で防湿皮膜を形成すればよい。
本発明の光学部品は、環境変化により吸湿または脱湿があったとしても、光学部品本体内部に屈折率分布の偏りが生じることがないため、図2に示すような光学ユニット100に組み込んで使用されるプラスチック製レンズとして好適である。
本発明は、上記した本発明の光学部品をプラスチック製レンズとして組み込んだ光学ユニットも提供する。すなわち、本発明は、互いにアッベ数が異なる少なくとも2つのレンズを含み、前記レンズの少なくとも1つは、本発明のプラスチック製光学部品である光学ユニットを提供する。したがって、図2は、本発明の光学ユニットの1実施形態を示す図でもある。
但し、本発明の光学ユニットは、互いにアッベ数が異なるレンズを少なくとも2つ含み、そのうち1つのレンズが本発明の光学部品である限り特に限定されず、図2に示す光学ユニット100とは異なる構成であってもよい。例えば、高解像度用途の光学ユニットでは、複数、例えば3つ以上の結像レンズを組み合わせて使用することで、所望の解像力や精度を達成している。本発明の光学ユニットは、少なくとも1つのレンズが本発明の光学部品である限り、このような3つ以上のレンズを含むものであってもよい。
本発明の光学ユニットが、3つ以上のレンズを含む場合、全てのレンズが互いに異なるアッベ数を有する必要はない。光学ユニットに含まれるレンズのうち少なくとも2つが互いに異なるアッベ数を有しており、全体として色収差が補正されるように光学設計されるのであれば、同程度のアッベ数を有するレンズを2つ以上含んでいてもよい。
銀塩カメラのレンズ機構や、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話組み込み用小型カメラ等の撮像モジュールに使用する場合、本発明の光学ユニットはオートフォーカス機構を有していることが好ましい。
本発明のプラスチック製光学部品は、環境変化により吸湿または脱湿があったとしても、その内部に屈折率分布の偏りを生じることはないが、光学部品全体としての屈折率は環境変化によって徐々に変化する。したがって、該光学部品を用いた光学ユニットは、環境変化によって、その光学特性が変化する。但し、この屈折率の変化は、ゆるやかで、かつ均一である。プラスチック製レンズである光学部品自体の屈折率が均一に変化する場合、吸湿による程度に微小な変化であれば、光学性能への実質的な影響は焦点位置の変化のみに留まり、この変化はオートフォーカス機構を使用することで解消される。したがって、オートフォーカス機構を有する本発明の光学ユニットは、環境変化によって、その光学特性が影響を受けることがなく、優れた光学特性を常に発揮することができる。
銀塩カメラのレンズ機構や、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話組み込み用小型カメラ等の撮像モジュールに使用されるオートフォーカス機構としては、様々な原理および制御手法を用いたものが知られている。本発明の光学ユニットに使用されるオートフォーカス機構は、このような公知のオートフォーカス機構の中でも、光学ユニットを通して得られる画像に基づいて、被写体のピント状態を直接検知し、該ピント状態が適正になるように、光学ユニットを構成するレンズの光軸方向における位置を制御する方法を用いた機構であることが好ましい。
図4は、本発明の光学ユニットと、オートフォーカス機構と、を用いた撮像モジュールの1構成例を示した概念図であり、一般的なデジタルカメラの構成が簡略的に示されている。図4の撮像モジュール1000において、光学ユニット100’は、互いにアッベ数が異なるレンズを少なくとも2つ含み、そのうち1つのレンズが本発明の光学部品で構成される本発明の光学ユニットである。光学ユニット100’を通過した画像は、CCDイメージセンサ200に取り込まれる。イメージセンサ200に取り込まれた光学的な画像情報は、電気信号として出力されてAF処理部300へと送られる。AF処理部300はイメージセンサ200から送られた画像情報に基づいて被写体のピント状態を検知し、アクチュエータ400に駆動信号を送る。アクチュエータ400は、AF処理部300からの駆動信号に基づいて、適正なピント状態になるように光学ユニット100’を構成する全てのレンズ、または一部のレンズを光軸方向に前後に移動させる。アクチュエータ400としては、各種手段が使用可能であり、具体的には、例えばステッピングモータ、リニヤーモータ、圧電素子、電圧屈曲ポリマー等を使用することができる。
本発明の光学部品について、光学ユニットに使用されるプラスチックレンズを例に説明したが、本発明の光学部品はこれに限定されない。本発明の光学部品は、プラスチック製光学部品として公知の構造を広く含む。したがって、図示したレンズ以外の様々な形状や機能を持つレンズ等の光学素子はもちろん、レンズの他にも、例えば、プリズム、光学フィルタ、光学スクリーン、偏向素子、偏光素子、光反射部材、ファインダ、眼鏡、コンタクトレンズ、反射鏡、曲面鏡等の公知の光学素子または光学部品を広く含む。また、カメラ(銀塩カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等)などの撮像装置の撮影光学系、複写機やプリンタなどの画像形成装置、プロジェクタ、望遠鏡や双眼鏡や拡大鏡などの各種の光学機器に組み込んで使用される公知の光学素子または光学部品を広く含む。
また、光学部品本体の形成材料にも限定はなく、公知の光学素子や通常の光学部品で利用されている、各種のプラスチック材料(樹脂材料)が利用可能である。一例として、メタクリル樹脂(例えば、PMMA等)、脂環式アクリル樹脂を含むアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、脂環式ポリオレフィン、トリシクロデカン環を含む樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、スチレン・ブタジエンコポリマー、フルオレン基を有するポリエステル等が挙げられる。
光学部品内部に吸水率分布の偏りを発生させないという本発明の光学部品の特徴から、これらのプラスチック材料の中でも、比較的吸水率が高い、具体的には飽和吸水率が0.02質量%超のプラスチック材料が好ましく、具体的には、メタクリル樹脂、脂環式アクリル樹脂を含むアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。上記したように、脂環式ポリオレフィンには、ゼオネックス(ZEONEX)TMのように飽和吸湿率が0.02質量%以下のものも存在しているが、その一方で、飽和吸湿率が0.02質量%超のものも存在している。
また、図2に示す光学ユニット100の光学部品1’として使用する場合、光学部品本体は、高アッベ数、具体的にはアッベ数45〜60のレンズ20と組み合わせて、色収差の補正を行うのに相応しいアッベ数を有することが好ましく、具体的にはアッベ数が23〜35程度であることが好ましい。このようなアッベ数を有する材料としては、ポリカーボネート樹脂や芳香族ポリエステル樹脂が好適である。
さらに、光学部品本体の形成方法にも、特に限定はなく、使用するプラスチック材料に応じて、射出成形、射出圧縮形成、圧縮成形等、公知のプラスチックの成形方法が全て利用可能である。
なお、光学部品本体の形状およびサイズ(長さや直径および厚さ)も、特に限定はなく、上記光学部品の用途に応じて適宜選択すればよい。
例えば、図示した光学部品では、光学部品本体の表面上に、直接、防湿皮膜を形成しているが、本発明は、これに限定はされず、光学部品本体と防湿皮膜との間に、屈折率調整用の皮膜、反射防止膜、密着性向上のための皮膜等を有していてもよい。また、防湿皮膜を覆って、反射防止膜、屈折率調整用の皮膜、密着性向上のための皮膜、損傷防止用のバリア膜等を有していてもよい。すなわち、本発明のプラスチック製光学部品においては、光学部品本体の少なくとも外気接触面を防湿皮膜で被覆していれば、各種の皮膜を形成してなる層構成が利用可能である。
以下、本発明に係るプラスチック製光学部品の具体的実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
実施例においては、本発明のプラスチック製光学部品の光学性能を評価するために、図2に示す光学ユニット100を使用した。図2の光学ユニット100において、レンズ20はアッベ数56のガラス製レンズ(入射側のレンズ部半径6.4mm、出射側のレンズ部半径4.9mm、平均厚み2.9mm)である。光学部品本体10’は、アッベ数30のポリカーボネート樹脂製のレンズ(入射側のレンズ部10’a半径9.0mm、出射側のレンズ部10’a半径7.5mm、平均厚み2.5mm)である。
この光学(レンズ)ユニット100の解像度を、温度25℃湿度30%の環境下に1週間放置した後に測定すると、コントラスト50%のMTF(変調伝達関数)は、光軸中心で30本/ mm、周辺部の平均で25本/ mmであった。
実施例1
本実施例では、図1に示す光学部品1と同様に、ポリカーボネート樹脂製のレンズ(光学部品本体)10の表面全体に以下の手順で有機−無機ハイブリッド層からなる防湿皮膜2を形成した。
有機−無機ハイブリッド層の形成
ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2N塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液をレンズ(光学部品本体)10の表面全体にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、レンズ(光学部品本体)10の表面上に膜厚約1μmの有機−無機ハイブリッド層を形成した。
シャーウッド数
本実施例の光学部品のシャーウッド数を以下の手順で求めた。
光学部品本体の構成素材と同一のポリカーボネート樹脂で平板サンプルを作成して、この平板サンプルに、上記の手順で有機−無機ハイブリッド層を形成したサンプル(防湿皮膜形成サンプル)について、JIS K7209(ISO62に相当)に従って吸湿速度を測定した。同様に、平板サンプルに有機−無機ハイブリッド層を形成せずに吸湿速度を測定した。両者の吸湿速度の差異からkc(防湿皮膜における水移動係数)を求めた。結果を以下に示す。
吸湿速度(防湿皮膜形成サンプル) :1.0×10-6[wt%/s]
(防湿皮膜非形成サンプル):1.4×10-5[wt%/s]
kc:3×10-6mm/s
また、光学部品本体の構成素材における水拡散係数D[mm2/s]は、光学部品本体の構成素材と同一のポリカーボネート樹脂で平板サンプルを作成し、この平板サンプルについて、JIS K7209(ISO62に相当)に記載の方法によって求めた。その結果、Dは5×10-6mm2/sであった。光学部品本体10(10’)のレンズ部の中央部の厚みは上記したように、2.5mmであるので、シャーウッド数は、以下のように求めることができる。
シャーウッド数(kc・d/D)=3×10-6×2.5÷5×10-6
=1.5
よって、実施例1の光学部品1は、水分移動に関する防湿皮膜のシャーウッド係数が5以下であることが確認された。
光学性能評価
上記手順で得たレンズ(本発明の光学部品本体)10の表面上に有機−無機ハイブリッド層を形成した本発明の光学部品1を50℃の乾燥機に7日間入れて充分乾燥した後、図2に示す光学ユニット100に光学部品1’として組み込んだ。同様にガラス製のレンズをレンズ20として光学ユニット100に組み込んだ。その後、レンズの向きと各レンズ間隔を微調整して、それぞれ所定の解像度を得た。次いで、光学ユニット100を25℃湿度30%の環境下に1週間放置した後、相対湿度90%、温度25℃の条件に置き、解像度の時間的変化を測定した。解像度測定には、トライオプティックス社製のMTF測定器を用いた。コントラスト50%のMTFとして解像度を測定した。周辺部の解像度は、接線(tangential)方向と、球欠(sagital)方向のMTFの平均値で表した。結果を表1に示した。
実施例2
有機−無機ハイブリッド層を形成する際に、フランジ部10bにマスクをした点以外は実施例1と同様の手順で実施し、フランジ部10bを除いたポリカーボネート製のレンズ(光学部品)10の表面に、防湿皮膜2として膜厚約1μmの有機−無機ハイブリッド層を形成した本発明の光学部品1を作成した。これを光学部品1’として図2に示す光学ユニット100に組み込んで、光学性能評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例
ポリカーボネート製レンズに防湿皮膜を形成することなしに、レンズユニット100に光学部品1’として組み込んで、実施例1と同様に光学性能評価を実施した。結果を表に示した。
Figure 2006071995
表1から明らかなように、実施例の光学ユニットでは、解像度の測定開始から時間が経過しても、光学ユニットの中心部および周辺部のいずれにおいても、解像度の変化、すなわち低下が極めて少ないことが確認された。
これに対し、比較例の光学ユニットでは、測定開始から36時間後には、測定開始時点の解像度に戻るものの、測定開始12時間後および24時間後には、光学ユニットの中心部および周辺部のいずれにおいても、解像度が明らかに低下していることが確認された。
図1は、レンズの形状をした本発明のプラスチック製光学部品の一実施形態を示した概念図であり、図1(a)は該光学部品の正面図(光軸方向から見た図)であり、図1(b)は光軸を含む平面で切断した断面図である。 図2は、本発明の光学部品を使用した光学ユニットの1実施形態の概略断面図(光軸を含む平面で切断)である。 図3は、図2に示す本発明の光学部品1’の形状を説明するための図であり、図3(a)は光学部品1’の正面図(光軸方向から見た図)であり、図3(b)は図2と同方向の断面図である。 図4は、本発明の光学ユニットと、オートフォーカス機構と、を用いた撮像モジュールの1構成例を示した概念図である。
符号の説明
1,1’:光学部品
10,10’:光学部品本体
10a,10’a:レンズ部
10b,10’b:フランジ部
2:防湿皮膜
20:レンズ
30:鏡筒
30a:リブ部
40:スペーサ
50:レンズ押さえ
100,100’:光学ユニット
200:イメージセンサ
300:AF処理部
400:アクチュエータ

Claims (4)

  1. 少なくとも外気接触面に、防湿皮膜としてゾル−ゲル法により得られる有機−無機ハイブリッド層が形成されたプラスチック製光学部品。
  2. 水分の移動に関するシャーウッド数が10以下である請求項1に記載のプラスチック製光学部品。
  3. 互いにアッベ数が異なる少なくとも2つのレンズを含み、前記レンズの少なくとも1つは、請求項1または2に記載のプラスチック製光学部品である光学ユニット。
  4. オートフォーカス機構を有する請求項3に記載の光学ユニット。
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