JP2006070361A - 電解銅箔の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 180℃における伸び率が高く、粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させた(粗さが高い)未処理電解銅箔が得られ、特に環境対応基板材料などの密着性が得られにくい絶縁材料に対して十分な接着強度を有する電解銅箔の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の電解銅箔の製造方法は、電解液中に平均分子量が500〜70,000である水溶性多糖類を存在させることを特徴とし、この際、水溶性多糖類が水溶性セルロースである場合の濃度は0.2〜5.0mg/lであり、水溶性多糖類が、天然水溶性ガム、アルギン酸又はデンプンである場合の濃度は30〜100mg/lである。水溶性セルロースとしては、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プリント配線板用、特に環境対応基材などの密着性が得られにくい絶縁材料に対して好適な電解銅箔を製造するための方法に関するものである。
周知の通り、プリント配線板用電解銅箔は、硫酸-硫酸銅水溶液を電解液とし、チタンなどの基材に対して、白金属元素又はその酸化物元素で被覆した不溶性陽極と該陽極に対向させて設けられたチタン製などの陰極ドラムとの間に電解液を充填し、陰極ドラムを一定速度で回転させながら、両極間に電流を通ずることによって陰極ドラム表面に銅を析出させ、析出した銅を陰極ドラムから引き剥がして連続的に巻き取る方法によって製造されている。
前述のようにして電解銅箔は製造されているが、この電解銅箔は当業者間において「未処理電解銅箔」と呼ばれており、通常はこの未処理電解銅箔のままで使用されることはなく、プリント配線板用電解銅箔を得る場合には、絶縁樹脂との接着性を向上させることを目的とした粗面化処理や化学的接着力、耐熱、耐薬品性及び防錆性を付与することを目的とした各種表面処理が施される。
古くは、未処理電解銅箔の製造工程において、粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させる(粗さを高くする)ことやピンホールを抑制することを目的として、電解液に10〜100mg/lの塩素イオンと1〜4mg/lのニカワ又はゼラチンが添加されていた。
ところが、多層基板の登場により、積層時に生じる樹脂フローに追随し、スルホールでの接続信頼性を確保するために、180℃における伸び率が高い電解銅箔が望まれるようになり、ゼラチンの添加濃度を0.1〜1mg/lに下げて製造されていた。このようにして製造された未処理電解銅箔は、粗面側の山谷形状は不均一化するとともになだらかに(粗さが低く)なり、粗面化処理で、粗化粒子の放電点が分散し、粗さが上昇する割に接着強度が得られない結果となった。このため、粗化処理量を増加し、接着強度を確保する手段がとられた。
プリント配線板の基板材料においては、これまで難燃剤として使用されていたハロゲン元素やアンチモンを使用しないハロゲンフリー基板材料が登場し、環境性を重視する流れがでてきた。また、鉛フリーはんだの高温でのフロー・リフローに耐えうる高耐熱基板材料も着目されるようになった。
しかし、これら環境対応基板材料に対する、ゼラチン濃度を下げて製造された未処理電解銅箔を用いたプリント配線板用電解銅箔の接着強度は、満足いくレベルではなかった。
接着強度を満足するレベルにするために粗化処理量をさらに増加させることも手段の一つと考えられるが、さらなる粗化粒子の増加は、回路形成時のエッチング工程において、大きすぎる粗化粒子が溶けきれず、被エッチング基板面に残留する危険性が高く、好ましい手段ではない。
一方で、モバイル電子機器の高機能化に伴い、高周波特性や配線の高密度化を満足させるため、表皮効果による信号伝達速度の遅延およびエッチングファクターを下げる意味合いで、未処理電解銅箔の粗面を低粗度化する流れがある。
しかし、未処理電解銅箔の粗面粗度が、例えば35マイクロメートル厚みの場合Rzで5マイクロメートルを下回るような、低粗度化を目的とした場合では、環境対応基板に対して十分な密着強度を得ることができなかった。
そこで、180℃における伸び率が高く、さらに粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させた(粗さが高い)未処理電解銅箔が必要となった。
このような未処理電解銅箔に対して、粗面化処理を施すと、粗化粒子の放電点が、未処理電解銅箔の山谷形状の先端に集中し、アンカー効果に代表される物理的接着力が得られやすく、基板材料との強い密着性を実現することが可能となる。
180℃における伸び率が高く、粗面形状が鋭角的山状凸部を持つ粗度の高い未処理電解銅箔を得るための方法は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2004-35932号公報
この特許文献1に開示されている未処理電解銅箔の製法は、電解液に0.01〜0.10ppmのニカワ、および0.01〜0.10ppmの水溶性セルロースエーテルを添加するものであるが、通常、添加剤は、電解を継続すると消耗される。古くは、電解液中の添加剤濃度は、ハルセル試験や未処理電解銅箔の物性から添加剤濃度を推察し、経験的に添加量を決める手段が採られていた。しかし、近年では、電解銅箔の物性を大きく左右する添加量を精密に制御する必要が出てきたため、機器分析による電解液中の添加剤濃度測定は不可欠になっている。
通常、電解液中の添加剤濃度測定には、その簡便性からCVS(サイクリックボルタンメトリーストリッピング)法が利用されるが、このCVS法は、2種類以上の添加剤を個別に検出することは困難で、測定限界は0.2mg/l(=0.2ppm)程度であり、分解能も0.1mg/l(=0.1ppm)程度である。従って、たとえ機器による分析を行なっても、上記特許文献1の製法における添加剤濃度を制御することは非常に困難である。
又、陰極で生じる分極を電気量と時間との関係として計測し、電極にある一定の電位を与え、その際に流れる電流を積分して、電荷を時間の関数として測定するクロノクーロメトリー法が、下記の特許文献2に記載されているが、この方法も、2種類以上の添加剤を個別に検出することは困難である。更に、高感度測定法としては、例えば下記の特許文献3〜5に開示されている測定方法が挙げられるが、これらの測定方法は、測定物質がニカワ又はゼラチンに限定され、水溶性セルロースエーテルには有効でない。
特開平8-304338号公報 特開昭58-143248号公報 特開平2-69660号公報 特開平6-337247号公報
その他、高速液体クロマトグラフィー法は2種類以上の添加剤濃度を知ることが可能であるが、前処理を含め測定に多大な時間を要し、連続操業される電解銅箔製造には適さない。
また、電着ドラムを通過した電解液全量に対して、活性炭で連続的に添加剤を除去し、常にタンク内を添加剤のない状態に保持し、電着ドラム送液時に新しい添加剤を供給することも報告されているが、飽和した活性炭は新しいものと交換する必要があり、コストアップとともに手間がかかる。
更に、微細な凹凸を形成する方法として、例えば下記の特許文献6には、電解液に0.1〜30ppmの水溶性セルロースエーテルを添加する方法が開示されている。
特開平2-182890号公報
この特許文献6には、添加剤(水溶性セルロースエーテル)の平均分子量が記載されていないが、この方法において、工業的に提供されている平均分子量が10万〜180万のヒドロキシエチルセルロースを使用した場合、微細な凹凸の粗面形状が得られ、粗面粗さRzが低下し、粗面側の山谷形状が先鋭化された電解銅箔は得られない。
更に、下記の特許文献7には、電解液中に天然水溶性ガムを硫酸酸性溶液中で熟成させて添加することにより、ピンホールの発生頻度を増加させることなく、高温での高い伸び率を有した電解銅箔が製造できることが開示されている。
特開平8-74087号公報
上記特許文献7には、粗面粗度が具体的に記載されておらず、熟成の目的が天然水溶性ガムに含まれる親水性の乏しい部分を親水化させることが記載されているに過ぎない。そして、この製法を用いた場合であっても、粗面側の山谷形状が先鋭化された電解銅箔は得られない。
本発明は、CVS法で添加剤濃度が正確に管理でき、特に環境対応基板材料を用いるプリント配線板用として好適な電解銅箔を製造するための方法を提供する。
本発明者は、種々検討を行なった結果、加水分解によって分子量を一定範囲にまで低くした水溶性多糖類を電解液中に所定濃度(0.2〜100mg/l)で存在させることにより、180℃における伸び率が高く、粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させた(粗さが高い)未処理銅箔が得られ、特に環境対応基板材料などの密着性が得られにくい絶縁材料に対して十分な接着強度を有する電解銅箔が製造できることを見いだして、本発明を完成した。
本発明の電解銅箔の製造方法は、電解液中に平均分子量が500〜70,000である水溶性多糖類を存在させることを特徴とし、この水溶性多糖類の平均分子量の範囲は500〜50,000が好ましく、500〜20,000が特に好ましい。
又、本発明は、上記の製法において、前記水溶性多糖類が水溶性セルロースで、0.2〜5.0mg/lの濃度で存在させることを特徴とするものであり、更に、前記水溶性セルロースがヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とするものである。
又、本発明は、上記の製法における前記水溶性多糖類が、天然水溶性ガム、アルギン酸又はデンプンであり、30〜100mg/lの濃度で存在させることを特徴とするものでもある。
尚、本発明では、電解銅箔製造用の添加剤として好適な分子量範囲まで加水分解を行った水溶性多糖類を用いることが特徴であり、ヒドロキシエチルセルロースを例にとると、市販品のヒドロキシエチルセルロース(一般的には分子量10万〜180万)と区別される。
本発明によれば、180℃における伸び率が高く、さらに粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させた(粗さが高い)未処理電解銅箔が提供されるが、本発明の効果は、前述の一般的な市販品の分子量範囲では発現せず、工業的に生産される水溶性多糖類をさらに加水分解することにより効果が認められる。
即ち、前記特許文献6記載の製法と本発明の製法とは、添加剤の種類及び添加濃度が一部重複しているが添加剤の平均分子量(Mw)の違いによって、得られる電解銅箔の粗面形状が全く相反するものとなっており、前記特許文献6記載の製法の場合には、粗面粗さRzが低下した微細な凹凸面が得られるのに対して、本発明の製法の場合には、粗面側の山谷形状が均一化され、かつ先鋭化された電解銅箔が製造できる。
本発明で開示する未処理電解銅箔を用いた電解銅箔は、物理的接着力を上昇させる効果があり、環境対応基材だけでなく、FR-4グレードのガラス・エポキシ樹脂基材など、あらゆる樹脂基材に対して良好な接着強度を有している。
本発明の電解銅箔の製造方法において適した水溶性多糖類としては、前記の平均分子量を有したヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロースの加水分解物が挙げられるが、コストおよび作業性の点において最も好ましいのは、工業的に生産されるヒドロキシエチルセルロースを加水分解して得られたものである。更に、本発明では、アラビアガム、グアーガム、トラガントガム等の天然水溶性ガムやデンプン等の多糖類の加水分解物を添加することによっても同様の効果が達成できる。
本発明の電解銅箔の製法において、添加される水溶性高分子の平均分子量が上記の範囲(500〜70,000)に限定されるのは、下限値よりも平均分子量が小さくなると山谷形状が先鋭化しない傾向があるからであり、逆に、上限値よりも平均分子量が大きくなると電解銅箔の表面の山谷形状がなだらかなものとなる傾向があるからである。又、水溶性多糖類が上記の範囲(0.2〜100mg/l)に限定されるのは、下限値以下では山谷形状が先鋭化しない傾向があり、逆に、上限値を超えると、電解銅表面の山谷形状の先鋭化しないか、もしくは山谷形状が不均一なものとなるからである。
尚、水溶性多糖類の種類によって、好適な濃度範囲は異なり、天然水溶性ガムの場合、30〜100mg/lが好ましく、水溶性セルロースの場合、0.2〜5mg/lが好ましい。この際、水溶性セルロースの場合、5mg/lを超えると、電解銅箔表面の山谷形状の先鋭化は達成されるが、山谷形状が不均一なものとなり、水溶性ガムの場合、100mg/lを超えると、電解銅箔表面の山谷形状が先鋭化しない傾向がある。
以下に、本発明の好ましい実施形態について実施例および比較例に基づいて説明する。
実施例1〜14では、硫酸銅五水和物280g/l、硫酸100g/l、塩素イオン濃度40ppm、液温40℃に調整された硫酸−硫酸銅電解液に、表1に示した分子量のヒドロキシエチルセルロース、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロースを所定の濃度となるよう添加した。そして、電流密度50ASDの条件にて陰極ドラムに電着を行い、35マイクロメートルの箔厚となるよう回転数を調整し、析出した銅箔を陰極ドラムから剥離して乾燥し、未処理銅箔を得た。
一方、比較例1〜4は、表1に示した分子量の加水分解ヒドロキシエチルセルロースを所定の濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。比較例5〜9は、市販品のヒドロキシエチルセルロースを所定の濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。比較例10は、市販品のアラビアガムを所定の濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。比較例11は、市販品のカチオン化セルロースを所定の濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。
実施例1〜11および比較例1〜4に示すヒドロキシエチルセルロース、実施例12に示すアラビアガム、及び、実施例14に示すカチオン化セルロースは、酸濃度および加熱時間を調整して作成した。実施例13に示すカルボキシメチルセルロースは、セルロース分解酵素を用いて作成した。
得られた添加剤は、東ソー株式会社製HPLC8020シリーズにより、ゲル浸透クロマトグラフ法にて、平均分子量を測定した。
実施例1〜5および比較例1に示す平均分子量2,450の加水分解条件を示す。出発原料として、ダイセル化学工業社製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HECダイセル、品番:SP900)2.0g/l、硫酸濃度0.053mol/l水溶液を、沸点到達後4時間還流加熱することにより得た。
実施例6に示す平均分子量5,370の加水分解条件を示す。出発原料として、ダイセル化学工業社製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HECダイセル、品番:SP900)2.0g/l、硫酸濃度0.053mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
実施例7に示す平均分子量7,030の加水分解条件を示す。出発原料として、住友精化社製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HEC、品番:AL-15)2.0g/l、硫酸濃度0.053mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
実施例8〜10に示す平均分子量17,600の加水分解条件を示す。出発原料として、Union Carbide Corporation製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:CELLOSIZE(R)、品番:QP-09L)2.0g/l、硫酸濃度0.034mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
実施例11に示す平均分子量58,000の加水分解条件を示す。 出発原料として、ダイセル化学工業社製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HECダイセル、品番:SP600)2.0g/l、硫酸濃度0.034mol/l水溶液を、沸点到達後30分還流加熱することにより得た。
実施例12に示す平均分子量4,760の加水分解条件を示す。出発原料として、関東化学製、アラビアゴム末4.0g/l、硫酸濃度0.5mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
実施例13に示す平均分子量10,800の加水分解条件を示す。出発原料として、関東化学製、カルボキシメチルセルロースナトリウム、20g/lに対し、ヤクルト薬品製繊維素分解酵素(商品名:セルラーゼ、品番:オノズカ3SとY−2NCの1:1混合品)1wt%を添加し、50℃で1時間反応させることにより得た。
実施例14に示す平均分子量2,520の加水分解条件を示す。出発原料として、ダイセル化学工業製、カチオン化セルロース(商品名:ジェルナー、品番:QH300)4.0g/l、硫酸濃度0.5mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
比較例2〜4に示す平均分子量88,000の加水分解条件を示す。出発原料として、ダイセル化学工業製、ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HECダイセル、品番:SP200)2.0g/l、硫酸濃度0.017mol/l水溶液を、沸点到達後1時間還流加熱することにより得た。
得られた未処理電解銅箔に対して、次の測定試験を行った。180℃における伸び率は、IPC-TM-650規格2.4.18に準拠し、インテスコ社製2001型引張試験機を用いて測定した。粗面側粗さRzは、JISB0601規格に準拠し、小坂研究所製サーフコーダーSE1700αを用いて測定した。
尚、180℃における伸び率が高いとは、IPC-4562規格1.2.4.1に規定されるGrade3を満足することを意味するが、実用上5%以上であることが望ましい。
さらに、粗面側の山谷形状が均一および先鋭化であることの指標として、走査型電子顕微鏡を用いて評価した。
表面の山谷形状について、斜め40度の方向から倍率1000倍で観察した粗面側形状から、先鋭化しているかなだらかであるかどうかを判断した。先鋭化している場合において、均一性の評価を行った。同様に観察した粗面形状から、山の大きさに着目して均一であるか不均一であるかを判断した。
図1は、山谷形状が均一で先鋭化している例として実施例10で得られた銅箔の粗面側斜め40度から撮影した電子顕微鏡写真であり、図2は、山谷形状が不均一で先鋭化している例として比較例1で得られた銅箔の粗面側斜め40度から撮影した電子顕微鏡写真であり、図3は、山谷形状がなだらかな例として比較例6で得られた銅箔の粗面側斜め40度から撮影した電子顕微鏡写真である。
以上の実験結果を表1に示す。
表1の結果から、市販品のヒドロキシエチルセルロースや、平均分子量88,000のヒドロキシエチルセルロース、市販品のアラビアガム、市販品のカチオン化セルロースでは、粗面側の山谷形状が先鋭化していなく(粗さが低く)なだらかであった。さらに平均分子量を低下させた場合に、0.2〜100mg/lの添加濃度で、粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させる(粗さを高くする)ことが可能となった。なお、二糖類(例えばマルトース)を添加しても上記効果は認められず、平均分子量の下限は500以上である必要がある。
また、水溶性多糖類は、単独で用いることはもちろん可能であるが、現在一般的に市販されるIPC-4562規格1.2.4.1に規定されるGrade3に属する電解銅箔の180℃における伸び率がおおむね4%〜8%で供されていることから、伸び率を調整する目的で、たとえばゼラチンやポリエチレンイミン、カチオン化セルロースなどの窒素原子を分子内に有する水溶性添加剤を併用し、任意の伸び率に調整する事が可能であることは、容易に考えられる。
例えば、実施例4に示す平均分子量2,450のヒドロキシエチルセルロース3mg/lにゼラチン0.8mg/l添加した電解液から得られた未処理電解銅箔の特性は、180℃における伸び率5.2%、粗面側粗さRz7.0マイクロメートルであった。粗面側の山谷形状は、均一および先鋭化していた。
次に、前記特許文献7による熟成物が、本発明で使用される平均分子量が500〜70,000である水溶性多糖類と同一の効果を示すかどうかを実施例に基づき検討した。
〔比較例12〕
関東化学製アラビアゴム末(アラビアガム)2g/lを50g/lの硫酸酸性溶液中で50℃、1時間熟成した生成物を電解液に対し1mg/lの濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。これは前記特許文献7の実施例3に相当する。
〔比較例13〕
関東化学製グアヤク脂(グアーガム)2g/lを50g/lの硫酸酸性溶液中で50℃、1時間熟成した生成物を電解液に対し5mg/lの濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。これは前記特許文献7の実施例17に相当する。
〔比較例14〕
関東化学製アラビアゴム末(アラビアガム)2g/lを50g/lの硫酸酸性溶液中で50℃、1時間熟成した生成物を電解液に対し50mg/lの濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。これは、前記特許文献7の熟成物の本発明添加濃度範囲内に相当する。
比較例12で得られた未処理銅箔の粗面粗度Rzは4.45であり、粗面形状は先鋭化していなかった。比較例13で得られた未処理銅箔の粗面粗度Rzは3.78であり、粗面形状は先鋭化していなかった。比較例14で得られた未処理銅箔の粗面粗度Rzは3.69であり、粗面形状は先鋭化していなかった。
この実験より、前記特許文献7記載の方法では、本発明の効果が認められないことがわかった。その理由としては、前記特許文献7の熟成では本発明の範囲まで低分子量化していないことが考えられる。
さらに、基材との密着強度を評価するために、実施例2、実施例6、比較例8およびゼラチンの添加濃度を低下させて作製した従来例の未処理電解銅箔に対し、以下の表2に示す手順で表面処理を行った。なお、各処理工程間ではイオン交換水によって水洗を行っている。又、本発明の効果は、以下の方法に限らず、公知の銅箔処理工程を適応できる。
〔従来例による未処理電解銅箔の製造〕
ゼライス社製ゼラチン(商品名:ゼラチン、品番:M-615)を0.7mg/lの濃度となるよう添加したこと以外、実施例と同様の方法で未処理電解銅箔を得た。
得られた電解銅箔は、熱風乾燥し、FR-4グレードのガラス・エポキシ樹脂基材および高耐熱ガラス・エポキシ樹脂基材、ハロゲンフリー樹脂基材にそれぞれ積層し、銅張り積層板を形成した。
得られた電解銅箔に対し、粗面側粗さRzを測定した。さらに、IPC-TM-650規格2.4.8.5に準拠し、引き剥がし密着強度を測定した。以上の結果を表3に示す。
表3の結果から、粗面側の山谷形状を均一化するとともに先鋭化させた(粗さが高い)未処理電解銅箔を用いた電解銅箔は、基材との高い密着強度を示すことが確認された。
本発明の製造方法を用いることにより、CVS法で添加剤濃度が正確に管理でき、特に環境対応基板材料を用いるプリント配線板用として好適な電解銅箔が提供される。
実施例10で得られた電解銅箔の粗面側の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた電解銅箔の粗面側の電子顕微鏡写真である。 比較例6で得られた電解銅箔の粗面側の電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 電解液中に平均分子量が500〜70,000である水溶性多糖類を存在させることを特徴とする電解銅箔の製造方法。
  2. 前記水溶性多糖類が水溶性セルロースであり、0.2〜5.0mg/lの濃度で存在させることを特徴とする請求項1記載の電解銅箔の製造方法。
  3. 前記水溶性セルロースがヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とする請求項2記載の電解銅箔の製造方法。
  4. 前記水溶性多糖類が、天然水溶性ガム、アルギン酸又はデンプンであり、30〜100mg/lの濃度で存在させることを特徴とする請求項1記載の電解銅箔の製造方法。
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