JP2006070154A - 制振性に優れたポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A1)ポリアミドモノマー及び/又は9量体以下のポリアミドオリゴマー 2〜20重量%、及び前記以外の(A2)ポリアミド樹脂 80〜98重量%からなることを特徴とする制振性に優れたポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明において使用される(A2)ポリアミド樹脂は、ジアミンとジカルボン酸からなるか、またはラクタムもしくはアミノカルボン酸からなるか、またはこれらの2種以上の共重合体である。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジアミンやテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族・環状構造を有するジカルボン酸が挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては炭素数6〜12のアミノカルボン酸であり、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
これら無機充填材のなかでも本発明においてとりわけ好ましく用いられるのはガラス繊維である。
ガラス繊維としては、平均繊維径が3〜20μm、好ましくは6〜13μm、平均繊維長が10〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
耐候剤としては、ヒンダードアミン類やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶核剤としては、タルク、クレーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結晶核剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶化促進剤としては、低分子量ポリアミド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪族アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
離型剤としては、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
帯電防止剤としては、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリアクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
本発明の樹脂組成物は、公知の方法で製造される。一般的には、(A1)ポリアミドモノマー及び/又は9量体以下のポリアミドオリゴマー及び(A2)ポリアミド樹脂、あるいはさらに(B)可塑剤又は(C)無機充填材を混練機を用いて溶融混練することにより、本発明のポリアミド 樹脂組成物が得られる。前記混練機としては、例えば、一軸押出機や二軸押出機などの押出機、二軸連続ミキサー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフなどを挙げることができる。本発明のポリアミド 樹脂組成物は、押出成形用、ブロー成形用あるいは射出成形用として使用することができる。
なお、実施例および比較例における成形品の物性測定は次のように行った。
JIS G 0602に準じ下記条件で損失係数を指標として制振性評価を行った。
1.試験片 127mm×12.7mm×3.2mmのUL燃焼試験用試験片
2.試験片の保持方法 中央支持
3.損失係数の算出法 半値幅法
ポリアミド樹脂ペレット等の測定試料を冷凍粉砕したものとメタノールをソックスレー抽出装置(UBE理化(株)T24/40)にセットし抽出する。冷却後、抽出液入りフラスコをエバポレーター濃縮装置(東京理化機械 NAJ 160)にセットし濃縮乾固する。さらに真空乾燥機で真空乾燥させ、その乾燥物をガスクロマトグラフィ(島津製作所 GC−14B)、液体クロマトグラフィを用いて測定試料中に含まれるポリアミドモノマー及び9量体以下のポリアミドオリゴマーの定量を行った。
・ポリアミド6:宇部興産製ナイロン1013B
製品中のオリゴマー・モノマー量を測定したところ、0.91重量%であった。
・ポリアミドオリゴマー抽出物:釜残と呼ばれるポリアミド6工場でモノマーからポリアミドを重合する際に排出されるモノマーを含むポリアミドオリゴマーの残渣物から、前記(オリゴマー・モノマー定量方法)に示す方法でポリアミドモノマー及び9量体以下のポリアミドオリゴマーを抽出したものを用いた。
ポリアミド6 98.5重量部、ポリアミドオリゴマー抽出物1.5重量部およびガラス繊維(日本電気硝子社製249H)45重量部を二軸混練機TEX−44で混練し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットを用いて下記成形条件にて127mm×12.7mm×3.2mmのUL燃焼試験用試験片を作成し、制振性の評価を行った。その結果を表1に示す。
射出成形機:日鋼 N140BII
樹脂温度:280℃
金型温度:80℃
保圧 :60MPa
射出時間:1sec
冷却時間:20sec
ポリアミドオリゴマー抽出物の使用量を表1に記載した配合割合とした以外は実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
ポリアミド6 98.5重量部、ポリアミドオリゴマー抽出物1.5重量部およびガラス繊維(日本電気硝子社製249H)45重量部に、さらに可塑剤(大八化学工業社製 ValueBS)を表1に記載した割合で配合し、二軸混練機TEX−44で混練し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
ポリアミド6 100重量部およびガラス繊維(日本電気硝子社製249H)45重量部を二軸混練機TEX−44で混練し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
Claims (9)
- (A1)ポリアミドモノマー及び/又は9量体以下のポリアミドオリゴマー 2〜20重量%、及び前記以外の(A2)ポリアミド樹脂 80〜98重量%からなることを特徴とする制振性に優れたポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1記載のポリアミド樹脂組成物100重量部に対して、(B)可塑剤 1〜20重量部を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のポリアミド樹脂組成物100重量部に対して、(C)無機充填材 1〜150重量部を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- (A1)ポリアミドモノマー及び/又は9量体以下のポリアミドオリゴマーが、ε−カプロラクタム及び/又はその9量体以下のオリゴマーであり、(A2)ポリアミド樹脂が、ポリアミド6である請求項1〜3記載のポリアミド樹脂組成物。
- (C)無機充填材が、ガラス繊維である請求項3又は4記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜5記載のポリアミド樹脂組成物からなる制振用材料。
- 請求項6記載の制振用材料を成形してなる樹脂成形品。
- 樹脂成形品が、自動車用部品、電気部品、又は家庭用品である請求項7記載の樹脂成形品。
- 自動車用部品がエンジンルーム部品である請求項8記載の樹脂成形品。
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