JP2006069934A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(a)および(b);(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、(b)特定構造のイソステアリン酸とグリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物を含有することを特徴とする化粧料に関する。
【選択図】なし
Description
そこで、のびが軽くベタツキが無いにもかかわらず密着感(付着性)が得られ、塗布膜が均一でツヤとツヤの持続性に優れる化粧料が求められていた。
すなわち本発明は、次の成分(a)および(b);
(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体
(b)下記化学式(1)に示すイソステアリン酸とグリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物
R1:メチル基又は水素原子
R2:場合によりエーテル結合1個又は2個で遮断されている直鎖状又は分岐状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基
R3:メチル基またはブチル基
l:3〜300
で表されるものが挙げられる。
分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物(A)と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル共重合性モノマー(B)との共重合は、重合比率((A)/(B)):1/19〜2/1の範囲内で、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下で行われ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。市販品としては、KP561、KP562(信越化学工業社製)等が例示できる。
これら成分は、何れも必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
成分(a)の含有量は、特に限定されないが、1〜40質量%(以下、単に「%」と称す)が好ましく、特に、1〜30%がより好ましい。この範囲で含有させると、塗布膜の均一性とツヤ、およびツヤの持続性に特に優れるものとなる。
例えば、無触媒または触媒存在化、常圧溶剤還流もしくは減圧下において脱水反応することによりエステル化反応を行い、エステル化反応終了後、必要に応じて、反応混合物を脱色剤により脱色、脱臭精製するか、真空蒸留による精製を行うことによって得ることができる。
市販品としては、前記化学式(1)に示すイソステアリン酸とグリセリンのトリエステルであるコスモール3318、前記化学式(1)に示すイソステアリン酸とジグリセリンのトリエステルであるコスモール43N(ともに日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
これら成分は、何れも必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
成分(b)の含有量は、特に限定されないが、5〜90%が好ましく、特に、10〜70%がより好ましい。この範囲で含有させると、化粧持ちが良好で、ツヤに優れるものとなる。
デキストリン脂肪酸エステルは、油溶性のもので炭素数8〜24(好ましくは14〜18)の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸と平均重合度10〜50(好ましくは20〜30)のデキストリンとのエステル化合物である。具体例としてはパルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。市販品としてはパルミチン酸デキストリン(レオパールKL、レオパールTL)やパルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン(レオパールTT)(いずれも千葉製粉(株)製)等が挙げられる。
また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸スクロースや酢酸ステアリン酸スクロース等があり、具体的には、シュガーワックスS−10E、DKエステルS−160、シュガーワックスA−10E(共に「第一工業製薬社製」)等が挙げられる。
さらに、金属石鹸としてはイソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられ、有機変性粘土鉱物としては、水膨潤性粘土鉱物を四級アルキルアンモニウム塩で処理したもの等が挙げられ、市販品の例としては、「ベントン38」、「ベントン27」(共に「NLインダストリー」社製)などが挙げられる。
更にまた、水性成分はモイスチャー効果を付与する目的で用いることができ、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
また更に、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等がそれぞれ挙げられる。
トリイソステアリン酸グリセリルの調製
前記化学式(1)で示すイソステアリン酸とグリセリンとを攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた4つ口フラスコに仕込み、触媒として塩化スズを、還流剤としてキシレンを一緒に加え、200〜250℃で15時間、反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法にて脱臭を行い、トリイソステアリン酸グリセリルを分取した。
トリイソステアリン酸ジグリセリルの調製
製造例1で用いたイソステアリン酸とジグリセリンを製造例1と同様にエステル化反応し、トリイソステアリン酸ジグリセリルを分取した。
スティック状口紅の調製
表1に示す処方及び下記に示す製法により、スティック状口紅を製造した。得られた各スティック状口紅について、光沢計の測定値にてツヤを評価した。また、官能評価により、のびの軽さとベタツキの無さ、密着感、塗布膜の均一性、ツヤの持続性を評価した。その結果を表1にあわせて示す。
*2:KP−562(信越化学工業社製)
*3:トリイソステアリン酸ジグリセリル
下記化学式(3)に示すイソステアリン酸とジグリセリンとのエステル化合物
*5:パーフルオロアルキルリン酸エステル塩5%処理(大東化成工業社製)
*6:ジメチコン3%処理(三好化成社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110〜120℃にて加熱溶解後、成分(12)〜(19)を加えて、均一混合する。
B.Aに成分(20)〜(22)を加えて均一に混合する。
C.Bに成分(23)を加えて加熱し、脱泡後、型に流し込み充填し、冷却して成型する。
1.ツヤ
各スティック状口紅をローラー処理を2回行いペースト状にし、ガラス板上に10μm厚さで均一に塗布して測定サンプルとする。これを光沢計VG−1D(日本電色工業社製)にて、光沢度を測定した。その測定値を下記の基準により判断し、◎〜××の5段階にて判定した。
(光沢度) :(判定)
45.0以上 :非常に良好:◎
40.0以上45.0未満:良好 :○
35.0以上40.0未満:やや良好 :△
30.0以上35.0未満:不良 :×
30.0未満 :非常に不良:××
(イ)ののびの軽さとベタツキの無さ、(ロ)の密着感、(ハ)の塗布膜の均一性、(ホ)のツヤの持続性について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
なお、(ホ)のツヤの持続性については、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、3時間後のツヤについて評価した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準)
(評点平均値) (判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下 :良好 :○
1点を超えて3点以下 :やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
リキッド状口紅
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 1
2.デキストリン脂肪酸エステル*7 5
3.煙霧状シリカ*8 3
4.トリイソステアリン酸グリセリル(製造例1) 10
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル(製造例2) 40
6.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*1 15
7.トリオクタン酸グリセリル 15
8.フッ素変性シリコーン*9 5
9.紫外線吸収剤(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル) 0.1
10.酸化防止剤(天然ビタミンE) 0.1
11.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
12.酸化チタン被覆ガラス末*10 1
*7:レオパールKL(千葉製粉社製)
*8:AEROSIL300(日本アエロジール社製)
*9:KF−5002(信越化学工業社製)
*10:メタシャイン1080RC−R(日本板硝子社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110℃にて均一に加熱混合した後、成分(12)を加え、均一に混合分散する。
B.Aを90℃に加熱して脱泡し、アプリケーター容器に充填し、冷却して製品とする。
本実施例で得られたリキッド状口紅は、のびが軽くベタツキの無い密着感(付着性)が得られ、塗布膜が均一でツヤとツヤの持続性に優れるものであった。
W/O型アイシャドウ
(成分) (%)
1.イヌリン脂肪酸エステル*11 5
2.12−ヒドロキシステアリン酸*12 1
3.有機変性ベントナイト*13 2
4.煙霧状シリカ*14 1
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル(製造例2) 20
7.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*2 5
8.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン*15 4
9.酸化防止剤(ビタミンEアセテート) 0.1
10.トリオクタン酸グリセリル 10
11.雲母 5
12.赤色酸化鉄 0.5
13.酸化チタン 1
14.雲母チタン 10
15.精製水 残量
16.エタノール 10
17.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
18.1,3−ブチレングリコール 2
19.香料 適量
*11:レオパールISK(千葉製粉社製)
*12:12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)
*13:ベントン27(NLインダストリー社製)
*14:キャボジルTS―530(キャボット社製)
*15:KF−6028(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)、(2)、(5)〜(10)を90℃にて均一に加熱混合溶解する。
B.Aに成分(3)、(4)、(11)〜(14)を加え、均一に分散する。
C.成分(15)〜(18)を均一に混合溶解する。
D.BにCを攪拌しながら加えて乳化し、成分(19)を加える。
E.Dを脱泡し、90℃に加熱してジャー容器に溶融充填し、冷却して製品とする。
本実施例で得られたW/O型アイシャドウは、のびが軽くベタツキの無い密着感(付着性)が得られ、塗布膜が均一でツヤとツヤの持続性に優れるものであった。
油性固形ファンデーション
(成分) (%)
1.エチレンプロピレンコポリマー 1
2.オゾケライトワックス 3
3.ポリエチレンワックス 1
4.キャンデリラワックス 3
5.カルナウバワックス 3
6.トリイソステアリン酸グリセリル(製造例1) 30
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル(製造例2) 5
8.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*1 5
9.煙霧状シリカ*16
10.紫外線吸収剤
(4−ターシャリーブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン) 0.1
11.酸化防止剤(酢酸トコフェロール) 0.1
12.テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 5
13.酸化チタン 10
14.雲母 20
15.タルク 残量
16.赤色酸化鉄 0.5
17.黄色酸化鉄 2.5
18.黒色酸化鉄 0.1
*16:タラノックス500(タルコ社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(12)を110℃にて均一に加熱混合する。
B.Aに成分(13)〜(18)を加え、均一に分散する。
C.Bを脱泡し、90℃に加熱して皿に流し込み充填し、冷却、成型して製品とする。
本実施例で得られた油性固形ファンデーションは、のびが軽くベタツキの無い密着感(付着性)があり、塗布膜が均一でツヤ、ハリのある仕上がりでかつその持続性に優れるものであった。
O/W型マスカラ
(成分) (%)
1.ステアリン酸 2
2.セタノール 1
3.モノステアリン酸グリセリン 1
4.モノステアリン酸ソルビタン 1
5.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2
6.ショ糖脂肪酸エステル 1
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル(製造例2) 5
8.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*2 10
9.ロジン酸ペンタエリスリット 1
10.ミツロウ 1
11.マイクロクリスタリンワックス 2
12.多孔質シリカ*17 2
13.チタン・酸化チタン焼結物 5
14.雲母チタン 3
15.タルク 1
16.精製水 残量
17.ジプロピレングリコール 5
18.ナイロン繊維 2
19.トリエタノールアミン 1
20.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
21.ポリ酢酸ビニルエマルション(固形分40%) 5
22.アクリル酸アルキル共重合体エマルション(固形分50%) 20
23.エタノール 3
*17:サイリシア550(冨士シリシア化学社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を90℃にて均一に加熱混合溶解する。
B.Aに成分(12)〜(15)を加え、均一に分散する。
C.成分(16)〜(23)を均一に混合分散する。
D.80〜90℃に加熱溶解したBにC(80℃)を加え乳化し、攪拌しながら冷却して脱泡し、マスカラ容器に充填して製品とする。
本実施例で得られたO/W型マスカラは、のびが軽くベタツキの無い密着感(付着性)があり、塗布膜が均一でツヤとツヤの持続性に優れるものであった。
O/W型ヘアクリーム
(成分) (%)
1.セタノール 0.8
2.ベヘニルアルコール 0.5
3.ミリスチン酸オクチルドデシル 0.5
4.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.5
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル(製造例2) 5
6.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*2 5
7.グリセリン 3
8.エタノール 5
9.カチオン化セルロース 0.5
10.防腐剤(パラオキシ安息香酸エチル) 0.2
11.精製水 残量
12.香料 0.1
(製造方法)
A.成分(1)〜(6)を80℃にて均一に加熱混合溶解する。
B.成分(7)〜(11)を均一に混合し、70℃に加熱した後、Aを加えて乳化する。
C.Bを冷却、脱泡し、成分(12)を加えてチューブ容器に充填して製品とする。
本実施例で得られたO/W型ヘアクリームは、のびが軽くベタツキの無い密着感(付着性)があり、塗布膜が均一でツヤとツヤの持続性に優れるものであった。
Claims (2)
- 次の成分(a)および(b);
(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体
(b)下記化学式(1)に示すイソステアリン酸とグリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物
- 成分(b)のエステル化合物が、トリエステルであることを特徴とする請求項1記載の油性固形化粧料。
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