JP2006069830A - Zn系フェライト磁気ナノ微粒子及びその分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 飽和磁気モーメントの高い磁気ナノ微粒子及びその分散体を提供する。
【解決手段】 MX・nHO(M:Ni又はCo、X:全てのハロゲン元素、pおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、ZnX・nHOを含む溶液と、FeX・nHOを含む溶液と、NaSiO・mHO(m:0を含む全ての正の実数)を含む溶液とを混合して生成する沈殿物を焼成して得られ、アモルファスSiOと平均粒径5〜20nmのM(1−i)ZnFe(0.2≦i≦0.9)ナノ微粒子とから主としてなり、ナノ微粒子がアモルファスSiOの網状膜によって分離された状態で保持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Zn系フェライト磁気ナノ微粒子及びその分散体に関する。
ナノメートルスケールの超微粒子は、従来にない新たな特異な物性をもたらし、機能材料としての高性能化が期待できることから、種々の物質について検討がされている。特に、磁性材料を微粒子化すると、磁壁を持たない単磁区粒子が生じ、抗磁力が大きくなることが期待される。又、超高密度磁気記録材料として、強磁性微粒子が有効であると考えられるが、従来の製造方法により得られる磁気記録テープ中の微粒子(例えばCoCrTa 微粒子)の粒径は30nm以上である。
本発明者らは、かかる点に鑑み、磁気記録としてTBレベルでの超高密度化が可能な、粒径が10nm以下の磁気ナノ微粒子の製造方法(例えば、特許文献1参照)、及びフェライト磁気ナノ微粒子(例えば、特許文献2参照)について報告した。これらの技術によれば、粒径3〜5nm程度、保磁力1000〜1500(Oe)の磁気ナノ微粒子が得られている。
一方、NiZn−フェライトのバルク結晶粒子(〜μm)の磁気特性について報告がされている(例えば、非特許文献1参照)
特開2001−261334号公報 特開平4−219267号公報 イー・ダブリュ・ゴーター(E.W.Gorter),「ネールの仮説の正当性に対する実験的根拠:フェライト」(Experimental Evidence for the Correctness of Neel's Hypothesis: The Ferrites),フィリップス・レス・レポート(Philips. Res. Report),1954年,p.9
しかしながら、上記従来技術において、磁気ナノ微粒子の粒径と磁気特性(例えば、飽和磁気モーメント)との関係については未検討である。例えば、磁気ナノ微粒子を高密度磁気記録媒体に用いる場合、粒径が小さいほど記録密度の向上が期待されるが、粒径を小さくした時の磁気特性の変化は未知である。
又、磁性材料においては、飽和磁化を示す飽和磁気モーメントが大きいほど有利であるが、磁気ナノ微粒子の飽和磁気モーメントについては検討されていない。
従って、本発明の目的は、飽和磁気モーメントの高い磁気ナノ微粒子を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、磁気ナノ微粒子を構成するナノ微粒子の組成をZn系フェライトとし、かつ前記ナノ微粒子の粒径を所定範囲とすることで、飽和磁気モーメントを向上することができることを見出した。
すなわち本発明のZn系フェライト磁気ナノ微粒子は、平均粒径5〜20nmのM(1−i)ZnFe(M:遷移金属又は希土類金属,0.2≦i≦0.9)磁気ナノ微粒子からなる。
前記Zn系フェライト磁気ナノ微粒子において、前記磁気ナノ微粒子の平均粒径が30nmのときの前記磁気ナノ微粒子の飽和磁気モーメントをMとしたとき、飽和磁気モーメントMsがM/2以上であることが好ましい。又、前記磁気ナノ微粒子において、0.2≦i≦0.8であり、かつ、前記磁気ナノ微粒子の透磁率が20H/m以上であることが好ましい。
本発明のZn系フェライト磁気ナノ微粒子分散体は、MX・nHO(M:遷移金属又は希土類金属、X:全てのハロゲン元素、pおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、ZnX・nHO(X:全てのハロゲン元素、qおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、FeX・nHO(X:全てのハロゲン元素、rおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、NaSiO・mHO(m:0を含む全ての正の実数)を含む溶液とを均一混合することで生成する沈殿物を焼成して得られ、アモルファスSiOと、前記磁気ナノ微粒子とから主としてなる磁気ナノ微粒子分散体であって、前記磁気ナノ微粒子が前記アモルファスSiOの網状膜によって分離された状態で保持されていることを特徴とする。
本発明によれば、飽和磁気モーメントの高い磁気ナノ微粒子、及びその分散体を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、好ましくは、遷移金属又は希土類金属のハロゲン化物の水和物を含む溶液と、Znのハロゲン化物の水和物を含む溶液と、Feのハロゲン化物の水和物を含む溶液と、NaSiOの水和物を含む溶液とを均一混合することで生成する沈殿物を焼成して得られる。
本発明のZn系フェライト磁気ナノ微粒子は、平均粒径5〜20nmのM(1−i)ZnFe(M:遷移金属又は希土類金属,0.2≦i≦0.9)磁気ナノ微粒子からなる。
又、本発明のZn系フェライト磁気ナノ微粒子分散体は、アモルファスSiOと前記磁気ナノ微粒子とから主としてなり、該磁気ナノ微粒子がアモルファスSiOの網状膜によって分離された状態で保持されている。
ここで「網状膜」とは、図1に示すように、アモルファスSiOが個々の磁気ナノ微粒子の周囲を取り囲み、かつアモルファスSiOが連なっているものが例示されるが、これに限られない。
従来の製造方法により得られる磁気微粒子は、生成後そのまま置いておくと、凝集して数百個以上の単位の微粒子からなる塊になってしまうことがあるため、微粒子生成後に個々の微粒子を隔離膜で被覆する工程を必要となる場合があるが、その効果は必ずしも満足できるものではなく、せいぜい数十個の単位の微粒子集団を形成するに至るまで分離することができるに過ぎなかった。よって、従来の磁気記録材料においては、当該集団が最小単位であったので、当該集団1つに対して1つの情報を記録することしかできなかった。そのため、2.5インチ・ハードディスクの記憶容量に換算して数十ギガバイト程度が磁気記録材料の性能限界であると考えられていた。本発明においては、好ましくは、生成当初から個々の磁気ナノ微粒子がアモルファスSiO網状膜によって分離された状態で保持されているので、個々の微粒子に対して隔離膜で被覆する工程を必要とすることもなく、磁気微粒子1つに対して1つの情報を記録することができる。従って、磁気記録材料としての更なる機能向上が図られている。
本発明のM(1−i)ZnFe磁気ナノ微粒子において、Mは遷移金属又は希土類金属であればよいが、磁気特性を向上させる点から、特にNi又はCoであることが好ましい。そこで、以下の実施形態ではMがNi又はCoである場合について説明するが、これに限定されないことはいうまでもない。
本実施形態のM(1−i)ZnFe磁気ナノ微粒子は、NiZn−フェライト、又はCoZn−フェライトの微粒子である。本発明においてZn系フェライトを用いると、飽和磁化(飽和磁気モーメント)を大きくすることができる。飽和磁気モーメントは、磁化曲線(縦軸M(磁化の強さ)、横軸H(磁界))における縦軸の値に相当し、永久磁石の場合に重要なパラメータであるが、軟磁性材料の場合も透磁率が高い程、磁化が大きくなるので、飽和磁気モーメントが大きい方が好ましい。
図2は、NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントを示す。ここで、分子飽和磁気モーメントは、磁場無限大とした時の、温度0Kにおける1分子当たりの最大磁化であり、通常、所定の高磁場、低温における値を求め、磁場を無限大に外挿し、温度を0Kに外挿したときの値を算出する。分子飽和磁気モーメントの単位はμ(ボーアマグネトン:1.16×10-29 (Wb・m))である。
この図において、バルク材料(粒径〜μm)の場合、Ni0.5Zn0.5近傍の組成で分子飽和磁気モーメントが最大となることが知られている。つまり、Ni−フェライトはキュリー温度858K以下でフェリ磁性を示し、高い透磁率を示すが、これに非磁性のZnをドープしてゆくと、飽和磁化が大きくなる。ここで、Znは、スピネル構造を持つフェライトのAサイトの磁性イオン(Ni)と置換する。但し、全てのAサイトがZnで置換されると、反強磁性となって磁化が消失する。
一方、図2において、NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の場合、Zn組成比を0.2≦i≦0.9とすることで、飽和磁化を大きくすることができる。i<0.2又はi>0.9であると、分子飽和磁気モーメントが2μ以下となるので好ましくない。より好ましくは0.4≦i≦0.8とし、さらに好ましくは0.5≦i≦0.7とする。
図3は、CoZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントを示す。この図において、バルク材料(粒径〜μm)の場合、Co0.4Zn0.6近傍の組成で分子飽和磁気モーメントが最大となる。一方、CoZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の場合、CoZn(1−i)とした時、0.2≦i≦0.9の組成で飽和磁化を大きくすることができる。i<0.2又はi>0.9であると、飽和磁気モーメントが2μ以下となるので好ましくない。より好ましくは0.2≦i≦0.7とし、さらに好ましくは0.4≦i≦0.6とする。
一方、本発明者らは、磁性材料を微細化すると飽和磁化が低下することを突き止めた。図4は、NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントと、個々の磁気ナノ微粒子の平均粒径との関係を示す。この図において、磁気ナノ微粒子の平均粒径が30nm以上であれば、分散体の飽和磁気モーメントの値はバルクの値とほぼ同一であるが、平均粒径が10nmになると飽和磁気モーメントが約20%低下し、平均粒径7nmで飽和磁気モーメントが約33%(1/3)低下し、平均粒径5nmで飽和磁気モーメントが約50%(1/2)低下する。飽和磁気モーメントがバルク材料の50%未満となると、実用上好ましくない。一方で、平均粒径が20nmを超えると、単磁区粒子としての利点や、磁気記録密度の向上が図れなくなる。
従って、磁気ナノ微粒子の平均粒径を5〜20nmとする。好ましくは、平均粒径を5〜10nmとし、より好ましくは5〜7nmとする。
磁気ナノ微粒子の平均粒径は、例えば、分散体の粉末X線回折ピークの半値回折角度幅よりデバイシェラーの式を用いて算出し、さらに透過電子顕微鏡像にて複数個の微粒子の直径を測定して、上記算出値と高い精度で一致することを確認する。
又、上記磁気ナノ微粒子を上記水溶液を混合し焼成して製造する場合、焼成温度が高くなるほど、又焼成時間が長いほど、磁気ナノ微粒子が成長して粒径が大きくなるので、焼成温度又は焼成時間を調整することで、磁気ナノ微粒子の粒径を制御できる。
図5は、NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の組成と磁気パラメータ(透磁率、保磁力)との関係を示す。この図において、Znの組成比を0.2≦i≦0.8とすることで、透磁率を高くすることができる。i<0.2又はi>0.8であると、透磁率が20H/m以下となるので好ましくない。透磁率を高くする点からは、より好ましくは0.4≦i≦0.7とする。上記組成範囲とすることで、透磁率が向上し軟磁性材料に適した磁気特性となる。
なお、本発明は軟磁性材料に限定するものではなく、いずれの組成範囲においても分子飽和磁気モーメントの値が2μ以上と高いので、永久磁石材料や磁気記録用材料にも適する。例えば、本発明の磁気ナノ微粒子を磁気テープや磁気ディスクに用いれば、超高密度な磁気記録の実現が可能となる。また、本発明の磁気ナノ微粒子は磁気モーメントが大きく、トランス用コアや電磁遮蔽材料などにも適用できる。
次に、本実施形態の磁気ナノ微粒子の代表的な製造方法について、その概略を以下に述べる。まず、金属ハロゲン化物MX・nHO(M:Ni又はCo、X:全てのハロゲン元素、pおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、金属ハロゲン化物ZnX・nHO(X、p、nは上記と同じ)を含む溶液と、金属ハロゲン化物FeX・nHO(X、p、nは上記と同じ)を含む溶液と、(メタ)珪酸ナトリウムNaSiO・mHO(m:0を含む全ての正の実数)を含む溶液とを、例えば、室温で所定時間均一混合してから所定時間静置することで、アモルファスSiO網状膜中に金属水酸化物{MZn(1−i)Fe}(OH)の磁気ナノ微粒子が分散した沈殿物を得る。
なお、上記式中、各金属ハロゲン化物の水和水の数nは、組成物に応じてそれぞれ異なる場合と、同一の場合とがある。上記nとmについてもそれぞれ異なる場合と、同一の場合とがある。
得られた沈殿物は洗浄してから乾燥することにより、ガラス状塊になる。これを粉砕した後、空気雰囲気下で焼成することにより、金属水酸化物{M(1−i)ZnFe}(OH)の磁気ナノ微粒子を金属酸化物M(1−i)ZnFeの磁気ナノ微粒子に変化させる。この際の焼成温度を最適化することで、個々の磁気ナノ微粒子がアモルファスSiO網状膜によって分離された状態で保持された磁気ナノ微粒子分散体とする。なお、焼成時間は3時間以上とすることが好ましい。
具体的には、NiZn−フェライト(Ni(1−i)ZnFe)磁気ナノ微粒子を製造する場合、NiCl・6HO水溶液、ZnCl水溶液、FeCl・4HO水溶液、及びNaSiO・9HO水溶液を、モル比として(1−i):i:2:3で添加し、上記混合及び静置する。湿式混合し、得られた上記沈殿物を繰り返し洗浄した後、約350Kの恒温槽にて乾燥させる。さらに空気雰囲気中の電気炉で873〜1373Kの間の温度領域で、沈殿物を10時間焼成する。
CoZn−フェライト磁気ナノ微粒子を製造する場合は、NiCl・6HOに代えてCoCl・6HOを用いる以外は、上記と同様である。
本実施形態の磁気ナノ微粒子は、公知の媒体で固化し、任意の形状に成形して利用することができる。MX・nHO(M:Ni又はCo、X:全てのハロゲン元素、pおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、金属ハロゲン化物ZnX・nHO(X、p、nは上記と同じ)を含む溶液と、金属ハロゲン化物FeX・nHO(X、p、nは上記と同じ)を含む溶液と、NaSiO・mHOを含む溶液を均一混合した混合液の中に基板を浸漬してから引き上げ、乾燥後に最適な温度で焼成すれば、個々の磁気ナノ微粒子がアモルファスSiO網状膜によって分離された状態で保持されている磁気ナノ微粒子分散体を含有する磁気ナノ微粒子薄膜を製造することができる。磁気ナノ微粒子薄膜の製造には、上記のようなディップコーティング法以外にもスプレードライ法やスピンコーテング法などを採用することができる。また、重ね合わせた2枚の基板を、その下部が上記の混合液中に浸かるようにして縦立させることで基板と基板の間に当該混合液を浸入させ、乾燥後に最適な温度で焼成することで基板と基板の間に磁気ナノ微粒子薄膜を形成させるような態様であってもよい。また、磁気ナノ微粒子薄膜の製造を任意の磁場中で行うことで残留磁化や飽和磁化などの点で特性向上を図ることもできる。
<実施例>
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<NiZn−フェライト(Ni(1−i)ZnFe)磁気ナノ微粒子分散体の製造>
NiCl・6HO水溶液、ZnCl水溶液、FeCl・4HO水溶液、及びNaSiO・9HO水溶液を、モル比として(1−i):i:2:3の割合で室温にて容器中でスターラーにより攪拌しながら混合し、5〜10時間均一混合した後、24〜48時間静置するか、或いは遠心分離機を使用して10〜30分間遠心分離することにより、容器中に沈殿物を生成させた。この沈殿物を純水で洗浄した。この洗浄操作を、洗浄水に含まれる不純物濃度が当初の1/1000以下になるまで行った、その後、約350Kの恒温槽にて乾燥させたところ、ガラス状の塊が得られた。このガラス状の塊を乳鉢に入れ、粉砕して粉末とした。
得られた粉末を、873〜1373Kの間の温度領域で10時間、空気中で電気炉を用いて焼成することにより、個々のNi(1−i)ZnFe磁気ナノ微粒子がアモルファスSiO網状膜によって分離された状態で保持されている磁気ナノ微粒子分散体を得た。
<CoZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の製造>
NiCl・6HOに代えてCoCl・6HOを用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、Co(1−i)ZnFe磁気ナノ微粒子分散体を製造した。
個々の磁気ナノ微粒子がアモルファスSiO網状膜によって分離された状態で保持されていることの確認は、磁気ナノ微粒子分散体の粉末X線回折パターンの測定による上記磁気ナノ微粒子とアモルファスSiOが共存していることの確認、透過電子顕微鏡像による上記磁気ナノ微粒子同士の間にアモルファスSiO層が存在することの確認、及びX線吸収微細構造測定による上記磁気ナノ微粒子中のFe原子の隣接領域にSi原子が存在しないこと、即ち、アモルファスSiOが上記磁気ナノ微粒子の外側に存在することの確認から行った。X線回折ピークの半値回折角度幅よりデバイシェラーの式を用いて磁気ナノ微粒子の平均粒径を算出したところ約2.6〜33.7nmであった。また、透過電子顕微鏡像より磁気ナノ微粒子の粒径最大値を測定したところ、上記平均粒径より大きかった。
試料(上記磁気ナノ微粒子)の粒径は、焼成温度を873〜1373Kの間でコントロールすることにより調整した。なお、焼成温度が高いほど、粒径は大きくなる。
<評価>
得られた各磁気ナノ微粒子分散体の磁気特性を評価した。
1)分子飽和磁気モーメント:磁気ナノ微粒子分散体の粉末サンプルにつき、SQUID磁束計(超伝導量子干渉装置:Quantum Design社製のMPMS)で、印加磁場±3.95×10A/m(±50kOe)、温度範囲5K〜300Kで測定した。なお、粉末サンプルをアクリル製の内径4mmのサンプルケースに入れ、アピエゾングリスで固定したのち、SQUIDのサンプルホルダーに取りつけた。このようにして、磁化−磁場曲線(M-H曲線)を測定し、曲線上の最大磁場におけるy軸(M:磁気モーメント)の最大値を分子飽和磁気モーメントとした。
2)透磁率(最大透磁率):上記と同様の測定方法によりM-H曲線を求め、曲線上で原点から初磁化曲線に引いた接線の傾きを透磁率とした。
3)保磁力:上記と同様の測定方法によりM-H曲線を求め、曲線上で飽和磁化した状態から逆方向へ磁場をかけた時、x軸(H:磁界の強さ)を切る値の絶対値を保磁力とした。保磁力は、磁化が0になったときの磁場の強さを示す。
得られた結果は前記図2〜図5に示した通りである。なお、図2〜図5は、磁気ナノ微粒子の平均粒径を6nmとしたときの結果である。又、図2、図3の文献値は、イー・ダブリュ・ゴーター(E.W.Gorter),「ネールの仮説の正当性に対する実験的根拠:フェライト」(Experimental Evidence for the Correctness of Neel's Hypothesis: The Ferrites),フィリップス・レス・レポート(Philips. Res. Report),1954年,p.9に記載の値である。又、各図における分子飽和磁気モーメントMsの単位μ(ボーアマグネトン)は、1.16×10-29 (Wb・m)に換算される。
本実施例によれば、分子飽和磁気モーメントが2μ以上の磁気ナノ微粒子が得られた。又、NiZn(1−i)Feにおいて組成範囲を0.2≦i≦0.8とすることで、透磁率を20H/m以上にすることができた。
本発明のZn系フェライト磁気ナノ微粒子分散体の構造の一例を示す模式図である。 NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントを示す図である。 CoZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントを示す図である。 NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の分子飽和磁気モーメントと平均粒径との関係を示す図である。 NiZn−フェライト磁気ナノ微粒子分散体の組成と磁気パラメータとの関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 平均粒径5〜20nmのM(1−i)ZnFe(M:遷移金属又は希土類金属,0.2≦i≦0.9)磁気ナノ微粒子からなるZn系フェライト磁気ナノ微粒子。
  2. 前記磁気ナノ微粒子の平均粒径が30nmのときの前記磁気ナノ微粒子の飽和磁気モーメントをMとしたとき、飽和磁気モーメントMsがM/2以上であることを特徴とする請求項1記載のZn系フェライト磁気ナノ微粒子。
  3. 前記磁気ナノ微粒子において、0.2≦i≦0.8であり、かつ、前記磁気ナノ微粒子の透磁率が20H/m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のZn系フェライト磁気ナノ微粒子。
  4. MX・nHO(M:遷移金属又は希土類金属、X:全てのハロゲン元素、pおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、ZnX・nHO(X:全てのハロゲン元素、qおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、FeX・nHO(X:全てのハロゲン元素、rおよびn:0を含む全ての正の実数)を含む溶液と、NaSiO・mHO(m:0を含む全ての正の実数)を含む溶液とを均一混合することで生成する沈殿物を焼成して得られ、アモルファスSiOと、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気ナノ微粒子とから主としてなる磁気ナノ微粒子分散体であって、前記磁気ナノ微粒子が前記アモルファスSiOの網状膜によって分離された状態で保持されていることを特徴とするZn系フェライト磁気ナノ微粒子分散体。
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