JP2006069453A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグ(袋体)の最大膨張圧力、更にはエアバッグのクッション性を調整できる、小型のエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】インフレータは、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内と、これら空間の外側空間とを連通し得る連通孔を備えると共に、当該連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整する調節手段を備えるエアバッグ装置とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、作動時に於ける乗員保護機能が高められたエアバッグ装置、及びエアバッグ用インフレータに関する。より具体的には、乗員の着座状態、車両の衝突時の速度等の様々な要因に応じ、エアバッグの最大膨張圧力を調整することのできるエアバッグ装置、及びエアバッグ用インフレータに関する。
衝突衝撃によって作動するエアバッグ装置では、衝撃の大きさによってエアバッグの展開スピードを調整できることが好ましい。このため各々独立に作動する複数の点火器を用い、その着火タイミングを調整することによってエアバッグに送るガスの量を調整することのできるインフレータ(以下、デュアルインフレータとする)が提案されている。かかるデュアルインフレータは、例えば各点火器に対応させて(ガス発生剤を収容する)燃焼室が区画されている場合には、衝撃が小さい時には1の点火器のみを作動させて、1の燃焼室内のガス発生剤を着火・燃焼させることで少量のガスを発生させ、衝撃が大きい時には2つの点火器を同時に作動させ、2つの燃焼室内で生じる多量のガスをバッグへ送ることができる。また衝撃がその中間の時には2つの点火器の作動タイミングを調整し、エアバッグの展開スピードを調整することができる。
一方、乗員の安全確保のために、自動車両に搭載されるエアバッグ装置では、エアバッグの最大膨張圧力の調整も重要となる。例えば、車両衝突時の衝撃が小さいときには、衝突時の衝撃から乗員を保護すると同時に、展開したエアバッグが過度に乗員に衝撃を与えることのないように、エアバッグの衝撃吸収能力(即ち、クッション性)を調整することが望ましい。
併しながら、上記デュアルインフレータでは、点火器を同時に作動させても、時間差を於いて(即ち、作動タイミングを調整して)作動させても、それによって生じる全体のガス量は結局同じであることから、作動初期の段階におけるエアバッグ(袋体)の膨張具合やクッション性は調整できても、最終的に膨張したエアバッグ(袋体)のクッション性を調整する為には、未だ改良の余地がある。
関連する先行文献として、本願出願人に係る特許文献1がある。
この特許文献1で提案したエアバッグ装置は、エアバッグモジュールにガス放出口と、その開閉状体を調節する調節機構を設け、エアバッグ(袋体)の最大膨張圧力(エアバッグ展開時の圧力の強弱であり、エアバッグ内に流入するガス量の多少と同じである)を調整するものである。
特開2004−82995号公報
前記特許文献1に記載されたエアバッグ装置では、バッグ内部のガスの一部を外部に排出するガス放出口をモジュールのベースプレートに設けていることから、このガス放出口まで含めてベースプレート、更にモジュールを設計する必要があり、その結果、モジュールの全体的な大きさが大きくなってしまう。
よって本発明は、エアバッグ(袋体)の最大膨張圧力、更にはエアバッグのクッション性を調整できる、小型のエアバッグ装置を提供することを課題とする。
また、特許文献1は、モジュール自体に前記ガス放出口と、その開閉状体を調節する調節機構を設ける必要があることから、当然の事ながら、従来のモジュールケースをそのまま使用することが難しい。
よって、本発明は従来提供されているモジュールケースを使用して、エアバッグ(袋体)の最大膨張圧力、更にはエアバッグのクッション性を調整できる、エアバッグ装置を提供することを課題とする。
本発明は、エアバッグの膨張具合を調整すべく、エアバッグ内に排出された膨張用ガスの一部をエアバッグ外に放出するものであり、このエアバッグ外へのガスの放出を達成するべく構成したエアバッグ用インフレータ、及びこれを用いたエアバッグ装置であり、これにより上記課題を解決するものである。
即ち、本発明に係るエアバッグ装置は、ガス排出口を有するインフレータと、インフレータからのガスで膨張するエアバッグとを含んで構成され、当該インフレータのガス排出口は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内に存在するエアバッグ装置であって、前記インフレータは、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内と、これら空間の外側空間とを連通し得る連通孔を備えると共に、当該連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整する調節手段を備えるエアバッグ装置である。
上記本発明のエアバッグ装置によれば、連通孔をインフレータに形成し、その連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを前記調節手段で調整することにより、エアバッグの最大膨張圧力(エアバッグ内に流入するガス量とエアバッグから排出されるガス量の割合)を調整し、膨張したエアバッグのクッション性を最適なものとすることができる。かかる調節手段による連通孔におけるガス通過の有無や通過するガス流量の調整は、例えば、衝突時の状況、乗員の着座状態、乗員のシートベルト着用の有無、乗員の座席位置の状態、乗員の体重、環境温度及び車両速度から選ばれる1又は2以上の要因に基づいて行うことができ、よって様々な状況に応じた最適な乗員拘束性能を得ることができる。
特に本発明では、インフレータに、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内と、これら空間の外側空間とを連通し得る連通孔を形成していることから、前述の先行文献のようにモジュールケース(特にベースプレート)に、ガスをケース外に放出するためのガス放出口を設ける必要が無くなる。このためベースプレートのガス放出口を省略できる分、モジュール自体をコンパクトに形成することができる。また、モジュールケースとしては、従来のもの(即ち、ガス放出口を有しないモジュールケース)を使用して、エアバッグ(袋体)の最大膨張圧力、更にはエアバッグのクッション性を調整することができる。
前記本発明における連通孔は、エアバッグ内部空間および/又はエアバッグ内部空間に連通する空間内と、これら空間の外側空間とを連通し得るものであり、例えばエアバッグ内部空間とエアバッグ外(及びエアバッグ内部空間に連通する空間外)とを連通し得るものであるか、又はエアバッグ内部空間に連通する空間とエアバッグ外(及びエアバッグ内部空間に連通する空間外)とを連通し得るものとして形成することができる。このような連通孔が存在することにより、エアバッグ内(及び/又はエアバッグ内部空間に連通する空間内)に排出されたガスは、必要に応じて、当該連通孔を通り、エアバッグ外(及び/又はエアバッグ内部空間に連通する空間外)に放出され、エアバッグの最大膨張圧力及びそのクッション性を最適なものとすることができる。
例えば、インフレータのガス排出口をモジュールケースの内部空間に存在させた状態で、インフレータ外周面に設けられたフランジ部に当該モジュールケースを固定した態様においては、当該連通孔は、モジュールケース内の空間と、モジュールケース外の空間とを連通し得るものとして形成することができ、更に外周面にガス排出口を形成した、全体略環状のインフレータとし、その中央を軸方向一端側から他端側に向かって貫通する開口を連通孔とすることもできる。
かかる連通孔は、何れも上記所定の空間を、インフレータ作動後の何れかの時点で「連通し得る」ものとして形成されていれば良く、常に連通するものであっても、或いはインフレータの作動時(又は作動後)に連通するものであってもよい。また最終的に前記所定の空間同士が連通することを要件とするものではなく、必要に応じて「連通し得る」ものであれば良い。
このようなインフレータは、例えば、外郭容器としてのハウジングを用いて形成されたエアバッグ用インフレータであって、当該ハウジングは、軸方向一端側から他端側に向かって貫通する連通孔を備えた環状体であって、且つその外周面にはガス排出口が形成されているエアバッグ用インフレータとすることで実現可能である。
かかるインフレータにおいては、ハウジングを形成する場合、製造コストを考えるとプレスで形成するのが好ましいが、プレス成形では形成できる形状に制限がある。例えば、エアバッグ装置用インフレータに使用されるハウジングとしては、その全体の剛性を高めるために二筒式構造(即ち外周壁部と、その内側に配置された内筒を有する構造)に形成されたものが知られている。しかし、通常、ハウジングをプレスで形成する上では、内筒は別部材として形成する必要があり、別途溶接などの方法によってハウジング本体に取り付ける為の工程が必要となる。
一方、上記した環状体のハウジングの場合には、当該ハウジングをプレス加工で形成する時に、内筒をハウジング本体と一体に形成することができるため、別途溶接などの取付工程を必要とせずに、剛性が高められたハウジングを形成することが可能となる。勿論、内筒部材を別部材で形成し、後の工程でハウジング本体などに取り付けることもできる。
本発明に於いて、上記した連通孔は、何れもエアバッグの最大膨張圧力を最適なものとするべく、インフレータで生成した余分なガス、あるいはエアバッグ内の余分なガスを、エアバッグ以外の場所に放出するためのガス流路として機能する。そしてこの連通孔を用いてガスを放出するか否か(即ち、余分なガスがエアバッグ内に存在するか否か)や、連通孔を通るガス量(即ち、エアバッグ外に放出されるガス量)は、以下に記載する調節部材によって調節することができる。
上記本発明における調節手段は、前記連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを、乗員の着座状態、乗員のシートベルト着用の有無、乗員の座席位置の状態、乗員の体重、環境温度及び車両速度から選ばれる1又は2以上の要因に応じて調整するものとして形成される事が望ましく、特に連通孔を通過するガス流量にあっては、これを無段階で調節し、エアバッグ内に流入するガス量とエアバッグから排出されるガス量の割合(エアバッグ膨張時の最大圧力)を調節することが望ましい。
上記した要因の内、例えば、座席での着座状態は乗員の体格等に応じて様々であり、座席に浅く座った場合と深く座った場合とで、全く同一の膨張圧力でエアバッグを展開させた場合には、浅く座った乗員の方がエアバッグ展開時に受ける圧力が大きくなる。特に高速衝突時における乗員拘束は、エアバッグを早く展開させる必要があり、短時間の内に多量のガスをエアバッグ内に供給し、エアバッグが十分に張った状態(展開した状態)となるが、本発明にかかるエアバッグ装置では、展開したエアバッグに乗員があたった時には、その内部に存在するガスの一部が抜けることで乗員に対しての衝撃を抑え最適なクッション性を有するエアバッグとなることから好ましい。
よって、本発明に係るエアバッグ装置では、エアバッグにこのようなクッション性を持たせるべく、必要に応じて前記調節手段を動作させ、エアバッグの最大膨張圧力を調整して、エアバッグのクッション性を最適なものとする。
かかる調節手段は、例えば前記連通孔を開閉するようにして、当該連通孔に直接形成された弁体等の閉塞部材とする他、前記連通孔におけるガス放出側に確保された空間に開口する開口部を閉塞するように形成された弁体等の閉塞部材とすることができる。連通孔におけるガス放出側に確保された空間は、連通孔を介して前記エアバッグ内に連通するものであり、この空間に開口する開口部を開放することにより、エアバッグ内のガスをエアバッグ装置外に放出することができる。係る空間は、モジュールケース外に存在するインフレータ部分の全部又は一部を覆うケースによって形成することができるが、少なくとも前記連通孔に連通する空間として形成される必要がある。
そしてかかる調節手段を構成する弁体等の閉塞部材は、ガスの放出口(即ち、連通孔や開口部)の面に対して垂直又は平行に動くもの、或いはガスの放出口の面上にある軸の周りを弁体が回転するものとして形成することができる。特に、連通孔の面に対して垂直に動く弁体(即ち閉塞部材)は、例えばラックとピニオンとの組み合わせにより弁体を移動させることにより具体化することができる。この組み合わせでは、ピニオンの円運動と、円運動と連動するラックの直線運動により、弁体で連通孔を開閉するものである。
上記発明において、前記調節手段は、前記弁体などの閉塞部材と、当該閉塞部材による閉塞具合を調整する弾性部材とを含んで構成することもできる。かかる閉塞部材は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内とこれら空間の外側空間(望ましくはエアバッグ装置外)とを、何れかの位置で仕切るように配置されており、例えば、前記連通孔の他、連通孔におけるガス放出側に確保された空間に開口する開口部を閉塞する様に形成される。また弾性部材は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内の圧力に応じて前記閉塞部材による閉塞具合を調整するものとして形成することができる。
閉塞部材によるガスの放出量の調整は、前記連通孔(又は開口部)と、これをカバーする閉塞部材との間に生じる隙間の幅で調整することができ、当該隙間の幅は前記弾性部材によって行うことができる。即ち、エアバッグの内部圧力が上昇した時には、その圧力に応じて閉塞部材が移動して、連通孔(又は開口部)におけるガスの通過面積を増大させることになり、一方でこの閉塞部材の移動は弾性部材によって規制されていることから、一定以上の圧力によってのみ、当該連通孔(又は開口部)におけるガスの放出を可能にすることができる。
上記弾性部材としては、バネ、ゴムその他の弾性体等を用いることができる。また、弾性部材を用いることなく、閉塞部材自身を弾性的に可動するものとして形成することもできる。すなわち連通孔を形成する部材の一部分を残してフラップ状に閉塞部材を形成し、その部材の材質の持つ弾性を利用する他、前記連通孔を覆うように弾性性能を有する別部材を配置して連通孔の開口状態を可変に調整することができる。
また、前記弾性部材を用いた調節手段も該当するが、調節手段によるガス放出量(即ち、連通孔を通過するガス流量)の調整は、エアバッグ内の圧力、又は放出されるガス量に応じて、無段階に調整される事が望ましい。換言すれば、当該調節手段は、連通孔(又は開口部)におけるガスの通過面積を可変(無段階)に調整する機構(以下、「無段階調節機構」という)であることが望ましい。かかる無断階調節機構は、その作動が機械的に行われるもの、あるいは電気的に機能する制御回路によって行われるものを含むことができる。
調節部材が閉塞部材を伴って構成される場合、この閉塞部材は、インフレータに形成された連通孔に直接取り付けてもよいし、インフレータの連通孔には直接取り付いていなくとも、例えばモジュールケースなど最終的にエアバッグ内のガスの一部がモジュールケースから排出される過程の何れかに形成されていてもよい。
また、本発明のエアバッグ装置は、さらに制御回路との連絡手段を備える事が望ましい。このような連絡手段を備えることにより、調節手段は、当該制御回路からの指示に従って、前記連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整することができる。なお、当然の事ながら、このような制御回路を含んでエアバッグ装置とすることもできる。
かかる制御回路は、前記したような様々な要因(乗員の着座状態、乗員のシートベルト着用の有無など)を考慮し、これらの要因を検知するセンサの検知結果に基づいて制御回路から、前記無段階調節機構に対する制御信号を送信し、これに基づいて無段階調節機構を作動させることにより、乗員の保護性能を高めることができるものである。
更に本発明は、デュアルタイプのインフレータ(点火器2つのもの)だけでなく、シングルタイプ(点火器が1つのもの)のインフレータと組み合わせても、エアバッグの最大膨張圧力を幅広く細かに調整できる。特にデュアルタイプのインフレータでは、点火器1つ或いは同時に2つ着火する場合には、ガス発生量、並びにエアバッグの展開スピードやエアバッグ内の圧力はいつも一定であるが、このようなときにも衝撃の大きさや前記のような種々の要因で細かにバッグ展開を調整することができる。
また、本発明のエアバッグ装置は、ガス発生剤の燃焼ガスを利用してエアバッグを膨張展開させるパイロインフレータ、アルゴンやヘリウム等の加圧ガスのみによりエアバッグを膨張展開させるストアードガスタイプのインフレータ、ガス発生剤と加圧ガスの両方を利用してエアバッグを膨張展開させるハイブリッドインフレータのいずれのタイプも適用できる。
さらに本発明のエアバッグ装置は、運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用インフレータ等の各種インフレータに適用できる。
本発明のエアバッグ装置によれば、乗員の着座状態等の様々な要因に応じて、エアバッグ膨張時の最大圧力を微調節することができるので、車両衝突時における乗員の保護性能を高めることができる。
更に、本発明に係るエアバッグ装置では、エアバッグ内の圧力を最適なものとする為に放出する手段、例えば連通孔や調節手段をインフレータに形成していることから、モジュールケース全体の大きさを抑えることができ、また従前のガス放出孔を有しないモジュールケースを使用することが可能になる。
以下、図面により、各実施の形態について説明する。図1及び2はエアバッグ装置10の概略断面図、図3はエアバッグ装置を車両(ハンドル)に取り付けたときの状態を説明するための概念図、図4及び5は無段階調節機構が異なる他は図1と同一形態のエアバッグ装置100の概略断面図である。
図1に示すように、モジュールケース12の内部には、エアバッグ14とインフレータ16の一部とが収容されている。インフレータ16は、そのハウジング周壁部に形成されたフランジ24において、ネジ22によりモジュールケース12の底板20に固定されている。インフレータ16のハウジング周壁部には、さらに所要数のガス排出口26を有しており、前記モジュールケース12の内部空間内には、当該フランジ24よりもガス排出口が存在する側が収容されている。
このインフレータは点火器28、28’が2つ設けられたデュアルインフレータとして具体化されており、さらにガス排出口26からエアバッグ14内部に排出されたガスを外部に放出するための連通孔30(図中、点線で示す)が設けられている。この連通孔30はインフレータ16の天井面17から底面18にかけて貫通しており、インフレータ16自体は上から(あるいは下から)見ると中央に貫通孔(連通孔30)が形成された環状体になっている。
インフレータ16の下側(モジュールケースに収容されていない側)には、さらにインフレータ16の該当部分を囲うようにカバー31が取り付けられている。カバー31は中央に開口部32を形成した円形部分33と、円形部分33の周縁に一体に形成された環状部分34と、環状部分の周縁から外側に伸びたフランジ部分35を有しており、フランジ部分35においてインフレータのフランジ24とともにモジュール12に取り付けられている。
開口部32はカバー31の中央部分に形成された段付部36に形成され、段付部36には更に閉塞部材としての弁体37が取り付いている。また段付部36と弁体37とで形成される空間には引張バネ38が緊張状態又は自然状態(平衡状態)で配置されている。このため、図1に示す状態では、開口部32は弁体37によって閉塞されている。
図2は図1の状態からインフレータ16が作動してガス排出口26からガスを排出し、エアバッグ14が最大圧力で展開した状態を示している。
図2の状態において、エアバッグが圧力(エアバッグ内部圧力)P1の状態で膨張しており、エアバッグ内のガスの逃げ場がない場合には、乗員がエアバッグ14に当たった時、乗員へ衝撃が伝わり易くなる。即ちエアバッグ内圧力がより高いP2となることから、エアバッグ自体のクッション性が低くなる。一方、本発明の如くガスの放出手段(連通孔30など)を設けた場合には、エアバッグの内圧によって開口部32が無段階に開くため、バッグ内部のガスの一部を外部に排出することができ、最適なクッション性を実現することができる。
即ち図2の矢印で示すように、収縮状態のバネ38で弁体37が開口部32を閉じている状態から、バッグの内圧が上がることで、その圧力が弁体37に作用し、バネ38の収縮力に打ち勝って、開口部32を開口させ、バッグ内部のガスの一部を外部に排出する。弁体37はバネ38にて可動することから、バッグ内部の圧力に比例して開口部32の面積(即ち弁体37と底板33との隙間の大きさ)が大きくなる。勿論バッグの圧力が低くなれば、開口部32(即ち弁体37と底板33との隙間の大きさ)も元の大きさに戻る。
なお、この連通孔30を通って開口部32から放出されたガスが乗員のいる車内に流入しないように、乗員がいる車内を除く外部、望ましくは車外に放出されるように、ガス排出経路を設けることが望ましい。
なおインフレータ16はデュアルタイプでなくとも、シングルタイプ(点火器28が一つ)のものであっても本発明を実施することができる。またインフレータも固形ガス発生剤を燃焼して膨張ガスを発生するもの、あるいは加圧ガスのみを使用したもの、さらにその両方を使用したインフレータのいずれをも使用することができる。
さらに図1ではインフレータ16の外側にカバー31の円形部に段付部36を形成して、バネ38などの弾性部材によって弁体37を開閉させるものであるが、インフレータ16の連通孔30の底板18部分に類似の構造を設けて、弾性部材(バネ38など)で弁体37を配置する構造のものであっても良い。バネ38の態様についても、インフレータ16(或いはカバー31)側に収縮された状態で取り付けられてエアバッグ内のガス圧で伸張するバネ以外に、モジュール外部から取り付けられ、連通孔30あるいは開口部32に対して弁体37を押し付けるように伸張状態で取り付けられるバネ(圧縮バネ)を使用することができ、この場合には、エアバッグ内の圧力によって収縮することでモジュール外部を連通することができる。あるいはバネ38や弁体37が連通孔30の途中に配置されているものであっても良い。
次に、図3により、エアバッグ装置10の取付状態について説明する。図3は、図1のエアバッグ装置10を車両のハンドルに取り付けた状態を示す。図3の実施例はその他にも助手席用の装置にも適応することができる。
モジュールケース12は、ハンドル1の中央部に固定されており、その中にエアバッグ14とインフレータ16の一部が収容されている。
インフレータ16に配置される点火器28、28’はそれぞれ、2本のリードワイヤ(図示せず)により、点火回路に接続されている。
ハンドル1は心棒3に接続され、心棒3には弁体37が移動できる空間39、ならびにバッグ中のガスの一部を外部に排出するための通路40が形成されている。この通路40はそのまま心棒3に沿って形成され、乗員に直接影響のない部分でキャビン(車室)内に排出されたり、キャビン外部に排出される。
次に図4において、本発明の別のエアバッグ装置110実施例を説明する。
図4では、モジュールケース12に取り付けられたカバー31に支持竿132が固定され、その支持竿132にはラック134が可動自在に取り付けられており、ラック134の一端部には弁体136が設けられている。この弁体136は、開口部32を完全に閉塞し、ガスの放出を停止できる形状及び大きさのものである。
ラック134と噛み合う位置には、モーター138で回転運動をするピニオン140が配置されており、ピニオン140の正逆方向への円運動に連動して、ラック134が図中の両矢印方向に往復直線運動する。
これらのラック134、弁体136、ピニオン140及びモーター138の組み合わせが、図4に示すエアバッグ装置110における無段階調節機構となる。
また図5に示すエアバッグ装置210では、図4におけるラック134とピニオン140に替えて、先端部に弁体236を有するロッド240とカム242の組み合わせを採用している。この組み合わせでは、カム242を回転させ、ピン243をスリット241内で動かすことにより、ロッド240(即ち、弁体236)を往復直線運動させ、開口部32を開閉するものである。
これらの無段階調節機構では、モーター138がリードワイヤ6を介して制御回路に接続されており、制御回路は、電源(自動車のバッテリー)、自動車の各所に配置された各種センサに接続されている。このセンサの種類は、乗員の安全確保に寄与するものであれば特に制限されるものではないが、乗員の着座状態、乗員のシートベルト着用の有無、乗員の座席位置の状態、乗員の体重、環境温度及び車両速度から選ばれる1又は2以上を検知できるセンサであることが望ましい。
次に、図4に示されるエアバッグ装置110の動作について説明する。エアバッグ装置110が搭載された自動車の走行中、各種センサは、乗員の着座状態等を検知し、乗員保護の観点から、エアバッグの展開モードが適切になるように制御回路に情報を送る。そして、各種センサからの情報を受けた制御回路からの指令により、モーター138が作動され、ピニオン140の円運動及びラック134の直線運動により、開放状態から閉塞状態までの無段階で開口32を開閉する。
車両が衝突したとき、制御回路からの指令により、インフレータ16内の点火器28が作動し、ガス発生剤の燃焼ガスがガス排出口26から排出される。ガスはエアバッグ14内に流入し、エアバッグを膨張展開させる。このとき、開口部32が閉塞されていると、全てのガスはエアバッグ14を膨張展開させるために使用されるが、開口部32が全部乃至一部開放されていると、一部のガスのみがエアバッグ14を膨張展開させる。
このような開口部32の開閉状態と、乗員の着座状態等との関係は、次のとおりである。
(1)乗員の着座状態(乗車位置センサないしは体重センサにより検知)
身体の小さな女性のように、座席に浅く座っているときには、エアバッグと乗員との間隔が比較的小さくなっているので、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を制御するようにする。
一方、身体の大きな男性のように、座席に深く座っているときは、エアバッグと乗員との間隔が比較的大きくなっているので、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を高めるようにする。
(2)乗員のシートベルト着用の有無(シートベルト着用センサにより検知)
乗員がシートベルトを着用しているときは、シートベルトの作用により、乗員がハンドル等に衝突することが回避されるか、又はハンドルに衝突しても、衝突時の衝撃が弱められるので、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を抑制するようにする。
一方、乗員がシートベルトを着用していないときは、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を高めるようにする。
(3)乗員の座席位置の状態(乗車位置センサにより検知)
乗員の着座状態と同様の観点から、座席位置、即ち座席を後方に引いているか、前方に出しているかを検知して、調節するものである。
座席を前に出しているときは、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を制御するようにする。
一方、座席を後方に引いているときは、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を高めるようにする。
(4)乗員の体重(体重センサにより検知)
乗員の体重が軽いとき(主として女性及び子供)は、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を抑制するようにする。
一方、乗員の体重が重いとき(主として男性)は、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの最大膨張圧力を高めるようにする。
(5)環境温度(車内温度センサにより検知)
夏期のように環境温度が高いときは、インフレータ内部の温度も高くなるため、冬期のように環境温度が低いときに比べるとガス発生剤の燃焼速度が早くなり、又はインフレータ内に充填された加圧ガスの圧力も高くなるため、インフレータからのガスの噴出速度が早くなることが考えられる。
環境温度が高いときにおいては、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの膨張圧力を抑制する。
一方、環境温度が低いときにおいては、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの膨張圧力を高めるようにする。
(6)車両速度(スピードセンサにより検知)
自動車両の衝突時、車両速度が遅いほど受ける衝撃は小さくなるので、車両速度が遅いときには、開口部32が開放する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの膨張圧力を抑制するようにする。
一方、車両速度が速いほど受ける衝撃が大きくなるので、車両速度が速いときには、開口部32が閉塞する方向に弁体136を適宜移動させ、エアバッグの膨張圧力を高めるようにする。
以上のようにして、乗員の着座状態等の各種要因に応じて、モジュールケース12に設けた開口部32の開閉状態を無段階で調節しておくことにより、インフレータ16の出力を変更することなく、エアバッグ膨張時の最大圧力(エアバッグ内に流入するガス量)を微調整することができる上、モジュールケースのエアバッグ内部と外部を仕切る仕切板に、バッグ内部のガスの一部を排出する連通孔(本発明で言う30)を設ける必要が無いため、モジュールケースを小型化することができる。
なお、上記したエアバッグ装置の作動状態は、単に一例を示すものであり、作動モードも上記記載の内容に限定されるものではない。
エアバッグ装置の概略断面図 エアバッグ装置の作動状態を示す概略断面図 エアバッグ装置を車両に取り付けたときの状態を示す略図 他のエアバッグ装置の概略断面図 更に他のエアバッグ装置の概略断面図
符号の説明
1 ハンドル
10 エアバッグ装置
12 モジュールケース
14 エアバッグ
16 インフレータ
24 フランジ
26 ガス排出口
28 点火器
30 連通孔
32 開口部
37 弁体
38 バネ
110 エアバッグ装置
136 弁体
210 エアバッグ装置
236 弁体

Claims (5)

  1. ガス排出口を有するインフレータと、インフレータからのガスで膨張するエアバッグとを含んで構成され、当該インフレータのガス排出口は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内に存在するエアバッグ装置であって、
    前記インフレータは、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内と、これら空間の外側空間とを連通し得る連通孔を備えると共に、当該連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整する調節手段を備えるエアバッグ装置。
  2. ガス排出口を有するインフレータと、インフレータからのガスで膨張するエアバッグと、エアバッグを収容するモジュールケースを含んで構成され、
    前記インフレータは、環状の外周面を備えると共に、当該環状の外周面には、径方向に突起するモジュールケースを固定する為のフランジ部を形成してなり、
    当該モジュールケースは、インフレータのガス排出口が存在する側を内包する状態で、前記フランジ部に固定されており、
    当該インフレータは、モジュールケース内の空間と、モジュールケース外の空間とを連通し得る連通孔を備えると共に、当該連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整する調節手段を備えるエアバッグ装置。
  3. 前記調節手段は、閉塞部材と、当該閉塞部材による閉塞具合を調整する弾性部材とを含んで構成されており、
    当該閉塞部材は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内とこれら空間の外側空間とを仕切って配置され、
    当該弾性部材は、エアバッグ内部空間又はエアバッグ内部空間に連通する空間内の圧力に応じて前記閉塞部材による閉塞具合を調整するものとして形成されている請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
  4. さらに制御回路との連絡手段を備え、
    前記調節手段は、当該制御回路からの指示に従って、前記連通孔におけるガス通過の有無及び通過するガス流量の少なくとも何れかを調整する請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
  5. 外郭容器としてのハウジングを用いて形成されたエアバッグ用インフレータであって、
    当該ハウジングは、軸方向一端側から他端側に向かって貫通する連通孔を備えた環状体であって、且つその外周面にはガス排出口が形成されているエアバッグ用インフレータ。
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