JP2006062305A - 動力伝達装置、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

動力伝達装置、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動モータから被駆動対象へ動力を伝達する歯車に負荷をかけずに、歯車の回動可能角度を規制可能な動力伝達装置を、低コストに得る。
【解決手段】 記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に案内する主ガイド軸9の軸端にはシフトカム40が取り付けられ、主ガイド軸9の回動によって主ガイド軸9が高さ方向に変位し、記録ヘッドと印刷用紙とのギャップPGが変化する。主ガイド軸9へは、歯車輪列30を介して昇降駆動モータ8の動力が伝達される。歯車輪列30は、昇降駆動モータ8の回動軸に取り付けられたピニオン歯車51と噛合する開始歯車52と、主ガイド軸9に取り付けられた最終歯車36と、これら歯車の間に位置する被回動規制歯車55とを備え、当該被回動規制歯車55の回動可能角度を規制することにより、ギャップPGのホームポジションを検出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、駆動モータによって駆動される第1回動軸へ前記駆動モータの動力を伝達する、複数の歯車を備えて構成された歯車輪列を備えた動力伝達装置に関する。また本発明は、前記動力伝達装置を備えた、ファクシミリやプリンタ等に代表される記録装置及び液体噴射に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
記録装置の1つとしてインクジェットプリンタがあり、インクジェットプリンタにおいては、インクジェット記録ヘッドが主走査方向に往復動するキャリッジの底部に設けられている。キャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸にガイドされながら、モータの駆動力を受けて主走査方向に往復駆動される。
ここで、インクジェットプリンタには、厚さの異なる被記録媒体毎に適切に記録を実行する為に、インクジェット記録ヘッドと被記録媒体とのギャップ(以下「PG」と言う)を調節する(切り換える)ギャップ調節手段が設けられる。このギャップ調節手段は、専らキャリッジガイド軸の軸端に該キャリッジガイド軸の軸芯からずれた位置に回動中心を持つブッシュ部材を設け、該ブッシュ部材を回動させることにより、キャリッジガイド軸の高さ位置を上下に変化させて、これによってPGを切り換える様に構成されている(特許文献1参照)。また、キャリッジガイド軸を複数本(例えば2本)備え、該複数本のキャリッジガイド軸の軸端に取り付けられたブッシュ部材を同期して回動させることにより、前記複数本のキャリッジガイド軸の高さ位置を同時に上下させて、これによってPGを切り換える様に構成されたものもある(特許文献2参照)。
特開平8−300769号公報 特開平10−211748号公報
ところで、キャリッジガイド軸の高さ位置を駆動モータによって上下させる様に構成する場合には、キャリッジガイド軸の高さ位置が現在どの位置にあるのか、即ちPGを段階的に切り換える様に構成されている場合にはPGが現在どの段階にあるのか、を検出する検出手段が必要となる。この検出手段は、例えばPGが駆動モータの回動量に従って段階的に変化する構成であれば、光学センサ(例えば、ロータリーエンコーダ)等の、駆動モータの回動を検出する回動検出手段によって構成することができる。
しかし、光学センサの誤検出や、その他何らかの異常が発生した場合等には、PGが現在どの段階にあるのか、が判別不能となる虞がある。従って、駆動モータの回動を検出する光学センサとともに、PGの基準位置(ホームポジション)を検出するホームポジション検出手段が必要となる。
このホームポジション検出手段は、例えば駆動モータの動力を伝達する歯車が所定の位相状態となるとON或いはOFFする光学センサ等によって構成することもできるが、この場合コストアップを伴うという弊害が生じる。この様な弊害は、例えば、前記歯車の回動可能角度を規制する、即ち、前記歯車にホームポジションを設定し、当該ホームポジションで前記歯車の回動を止める様に構成することで、解消することが可能となる。
ここで、キャリッジガイド軸にカム機構を設けるとともに、キャリッジガイド軸を回動させることでキャリッジガイド軸の高さ位置、即ちPGを切り換える様に構成する場合には、被駆動対象であるキャリッジガイド軸に取り付けられた歯車の回動可能角度を規制する、即ち所定の回転位相(ホームポジション)で回動を止める様に構成すると、減速比の大きい最終位置にある歯車の回動を止めることになり、回動を停止させる為の負荷が大きくなる。従って、上記歯車の回動を止める機構や、上記歯車そのもの強度を向上させる必要が生じ、コストアップを招いてしまう。
また、キャリッジガイド軸に取り付けられた歯車または当該歯車と噛合する歯車の、歯の一部に噛合不可能な部分を形成する(例えば、歯の一部を埋める)ことで、双方の回動可能角度を規制する様に構成することもできるが、この場合には歯車に負荷が掛かった際に、キャリッジガイド軸の位置が僅かにずれる虞があり、即ち意図しないPGの変化を招来する虞がある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、駆動モータから被駆動対象へ動力を伝達する歯車に負荷をかけずに、歯車の回動可能角度を規制可能な動力伝達装置を、低コストに構成することにある。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様は、駆動モータによって駆動される第1回動軸へ前記駆動モータの動力を伝達する、複数の歯車を備えて構成された歯車輪列を有する動力伝達装置であって、前記歯車輪列が、前記駆動モータの回動軸に取り付けられたピニオン歯車と噛合する開始歯車と、前記第1回動軸に取り付けられた最終歯車と、、前記ピニオン歯車と前記最終歯車との間に位置する被回動規制歯車と、を備えて構成され、前記被回動規制歯車の回動を止めることにより、前記被回動規制歯車の回動可能角度を規制する回動規制手段を備えていることを特徴とする。
上記態様によれば、駆動モータから第1回動軸へ前駆駆動モータの動力を伝達する動力伝達装置は、被回動規制歯車の回動を回動規制手段によって止めることで前記被回動規制歯車の回動可能角度を規制するので、センサ等の検出手段を用いずに、低コストに前記被回動規制歯車の回動可能角度を規制することができる。そして、前記被回動規制歯車は、駆動モータの回動軸に取り付けられたピニオン歯車と、第1回動軸に取り付けられた最終歯車と、の間に位置する、即ち、最も減速比が大きくなり得る最終歯車よりも駆動モータの側に近い側に位置しているので、前記被回動規制歯車の回動を止める際の負荷を小さくすることができ、これによって歯車やこれを支持する構成部材に与える負荷を小さくすることができる。以上により、前記駆動モータから第1回動軸へ動力を伝達する歯車に負荷をかけずに、被回動規制歯車の回動可能角度を管理可能な動力伝達装置を、低コストに得ることができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記回動規制手段が、前記被回動規制歯車の円盤面に形成された、前記被回動規制歯車の回動軸線方向に突出する突起と係合するストッパ部を備えて構成されていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記回動規制手段が、前記被回動規制歯車の円盤面に形成された、前記被回動規制歯車の回動軸線方向に突出する突起と係合するストッパ部を備えて構成されているので、この様な簡単な構成によって低コストに前記回動規制手段を構成することができる。
本発明の第3の態様は、上記第1のまたは第2の態様において、前記被回動規制歯車が、前記ピニオン歯車と前記最終歯車との中間に位置する歯車または当該中間に位置する歯車よりも前記ピニオン歯車の側に位置する歯車であることを特徴とする。
上記態様によれば、前記被回動規制歯車が、前記ピニオン歯車と前記最終歯車との中間に位置する歯車または当該中間に位置する歯車よりも前記ピニオン歯車の側に位置する歯車であることから、減速比の小さい側で前記被回動規制歯車の回動を止める(回動可能角度を規制する)ことで、より一層前記被回動規制歯車の回動を止める際の負荷を小さくすることができる。
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記駆動モータによって駆動される第2回動軸を備え、前記歯車輪列が、前記第2回動軸に取り付けられた第2最終歯車と、前記被回動規制歯車から前記第1回動軸へ向かう第1歯車輪列と、前記被回動規制歯車から前記第2回動軸へ向かう第2歯車輪列とを備えて構成されていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記被回動規制歯車から、2つの被駆動対象、即ち第1回動軸及び第2回動軸へ動力が伝達されるよう構成されているので、前記被回動規制歯車の回動可能角度を規制することで、2つの被駆動対象の回動可能角度を同時に規制することができ、低コスト化に資すことができる。
本発明の第5の態様は、上記第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記第1回動軸が、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸であることを特徴とする。
上記態様によれば、前記第1回動軸が、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸であるので、当該ガイド軸を回動させることで当該ガイド軸を変位させ、これによって被記録媒体と記録ヘッドとの距離を調節する構成において、上述した第1の態様に記載の作用効果を得ることができる。また、前記ガイド軸に取り付けられた歯車に負荷を与えずに済むので、前記ガイド軸の位置がずれることによる、意図しないPGの変化を防止することができる。
本発明の第6の態様は、前記記録ヘッドの上流側に、回動駆動される搬送駆動ローラ及び当該搬送駆動ローラに接して従動回動する搬送従動ローラが設けられ、前記搬送従動ローラは、被記録媒体の搬送経路を側視して揺動可能に設けられるとともに前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する方向に付勢される搬送従動ローラホルダに軸支されていて、前記第2回動軸が、回動することで前記搬送従動ローラホルダに対して圧接及び離間可能なカムの回動軸であることを特徴とする。
上記態様によれば、前記第2回動軸が、回動することで前記搬送従動ローラを前記搬送駆動ローラから離間させるカムの回動軸であるので、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接した状態と離間した状態とを切換可能な構成を有する装置において、上述した第4の態様に記載の作用効果を得ることができる。
本発明の第7の態様に係る記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジと、前記キャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸と、前記ガイド軸の軸端に取り付けられたカム及び当該カムと係合するカムフォロアを備えるとともに、前記ガイド軸を回動させることで、被記録媒体と前記記録ヘッドとの距離を調節するよう構成されたギャップ調節手段と、駆動モータの動力を前記ガイド軸に伝達する、上記第1から第4の態様のいずれかに記載された前記動力伝達装置とを備えていることを特徴とする。
上記態様によれば、被記録媒体に記録を行う記録装置において、上述した第1から第4の態様に記載の作用効果を得ることができる。
本発明の第8の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えたキャリッジと、前記キャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸と、前記ガイド軸の軸端に取り付けられたカム及び当該カムと係合するカムフォロアを備えるとともに、前記ガイド軸を回動させることで、被噴射媒体と前記液体噴射ヘッドとの距離を調節するよう構成されたギャップ調節手段と、駆動モータの動力を前記ガイド軸に伝達する、上記第1から第4の態様のいずれかに記載された前記動力伝達装置とを備えていることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。以下では先ず、図1乃至図3を参照しながら、本発明の一実施形態に係る「記録装置」「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ100の全体構成について概説する。ここで、図1及び図2はインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を示す斜視図、図3は同側断面概略図である。
図1、図2では、ギャップ調節手段としてのペーパーギャップの調整装置1(後に詳述する)及び該調整装置1の設置部位周辺の関連部材のみを図示し、他の部材を取り外した状態のインクジェットプリンタ100を示している。インクジェットプリンタ100の底部には、プリンタ本体2の一部であるベースフレーム3が設けられている。また、ベースフレーム3上の左右(主走査方向X)の端部付近にはサイドフレーム4、5が固定状態で設けられている。尚、図1、図2において、左側に位置するサイドフレームと右側に位置するサイドフレームを識別する場合には、前者に符号「4」、後者に符号「5」を付けて両者を識別する。左側のサイドフレーム4と右側のサイドフレーム5との間には2本のキャリッジガイド軸6が平行に架け渡されている。キャリッジガイド軸6は、キャリッジ7を挟むようにキャリッジ7の前面側と、後面側に1本ずつ設けられている。また左側のサイドフレーム4には、搬送駆動モータとは別に設けられる、ペーパーギャップの調整装置1専用の駆動源となる昇降駆動モータ8と、昇降駆動モータ8の回動をキャリッジ7の後部側に位置するキャリッジガイド軸6(以下、主ガイド軸9という)に伝達する、本発明に係る「動力伝達装置」としての始端側駆動伝達手段10とが設けられている。
一方、右側のサイドフレーム5には、ペーパーギャップの調整装置1の一部である同期駆動伝達手段11が設けられている。尚、同期駆動伝達手段11は、主ガイド軸9の回動をキャリッジ7の前面側に設けられるキャリッジガイド軸6(以下、副ガイド軸12という)に同期を取った状態で伝達する役割を担っている。
次に、図3を参照しながら、図1、図2に現れないプリンタ1の用紙搬送経路について概説する。
プリンタ1は、装置後部(図3の左側)に「被記録媒体」「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(以下「用紙P」と言う)を傾斜姿勢にセット可能な給送装置(ASF:図示せず)を備えるとともに、装置底部に、用紙Pを水平姿勢でセット可能な給紙トレイ14を備え、即ち2系統の用紙給送経路を備えている。尚、図において符号24は上記給送装置が備える給送ローラを、符号25は給送ローラ24と圧接可能な分離ローラを示しており、傾斜姿勢にセットされた用紙Pは、給送ローラ24の回動によって下流側へ給送される。
給送装置の下流側には、搬送駆動ローラ19aと、搬送従動ローラ19bとを備えて構成された搬送ローラ19が設けられている。搬送駆動ローラ19aは主走査方向に長い軸体によって成されるとともに、図示しない駆動モータによって回動駆動される。搬送従動ローラ19bは主走査方向に渡って複数並設された搬送従動ローラホルダ18によって自由回動可能に軸支されるとともに、搬送駆動ローラ19aに圧接することで、搬送駆動ローラ19aに従動する。
搬送従動ローラホルダ18は用紙搬送経路を側視して揺動可能に設けられるとともに、図示しない付勢手段によって、搬送従動ローラ19bが搬送駆動ローラ19aに圧接する方向に付勢されている。尚、この搬送従動ローラホルダ18の上部にはカム77が配置され、当該カム77の回動によって、搬送従動ローラホルダ18が、搬送従動ローラ19bが搬送駆動ローラ19aから離間する方向に揺動する様に構成されているが、当該構成については後に詳述する。
そして、給送装置或いは装置底部の給紙トレイ14から給送された用紙Pは、搬送駆動ローラ19aと搬送従動ローラ19bとによってニップされるとともに、搬送駆動ローラ19aの回動によって下流側へ搬送される。
搬送駆動ローラ19a及び搬送従動ローラ19bの下流側には、インクジェット記録ヘッド13と、プラテン28とが上下に対向する様に配設されている。インクジェット記録ヘッド13はキャリッジ7の底部に配設され、キャリッジ7の主走査方向への往復動作とともに用紙Pにインク滴を吐出し、これによって用紙Pの印刷面への記録が実行される。
キャリッジ7は上述したキャリッジガイド軸6によって主走査方向に案内される様に配設されるとともに、駆動モータ(図示せず)によって駆動される無端ベルト(図示せず)の一部に固定されて、主走査方向に往復駆動される。尚、本実施形態に係るプリンタ1は、キャリッジ7にインクカートリッジを搭載せず、キャリッジ7から独立して装置前方底部(図示せず)に配設されたインクカートリッジから、図示しないインク供給チューブを介して、インクジェット記録ヘッド13へとインクが供給される様構成されている。
プラテン28は主走査方向に延びる形状を成し、用紙Pを支持して用紙Pの記録面とインクジェット記録ヘッド13との距離(ペーパーギャップPG)を規定する。このペーパーギャップPGは高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化に応じて調整装置1によって適宜調整されるようになっている。
また、プラテン28においてインクジェット記録ヘッド13と対向する面には凹部28aが形成されていて、用紙Pの先端、後端、そして所定サイズの用紙P両側端から外れた部分へ吐出したインクが凹部28aに打ち捨てられ、縁無し印刷が実行される。尚、凹部28aには、打ち捨てられたインクを吸収するインク吸収材(図示せず)が配設されているとともに、凹部28aの底部にはプラテン28の底面に連通する穴部(図示せず)が形成されていて、当該穴部によってプラテン28の下部に設けられた廃液回収トレイ26にインクが導かれる(排出される)様になっている。
続いて、インクジェット記録ヘッド13の下流側には、第1排出駆動ローラ20a及び第1排出従動ローラ20bを備えて構成された第1排出ローラ20が設けられ、更に当該第1排出ローラ20の下流側には、第2排出駆動ローラ21a及び第2排出従動ローラ21bを備えて構成された第2排出ローラ21が設けられている。
第1排出駆動ローラ20aと第2排出駆動ローラ21aは図示しない駆動モータによって回動駆動され、第1排出従動ローラ20bは第1排出駆動ローラ20aに、第2排出従動ローラ21bは第2排出駆動ローラ21aにそれぞれ接して従動するよう設けられている。そして、記録の行われた用紙Pが、これらローラによってニップされ、スタッカ29へと排出される。
一方、装置底部に設けられた給紙トレイ14の先端側上部には、ピックアップローラ16が配設されている。ピックアップローラ16は揺動軸15aを中心に揺動可能な軸支部材15によって軸支されるとともに、図示しない駆動モータによって回動駆動される。そして、軸支部材15の揺動動作によって、給紙トレイ14にセットされた用紙Pに接する位置と、用紙Pから離間する位置とを変位し、用紙Pに接した状態で回動することにより、最上位の用紙Pを装置後方(図3の左方向)に向けて給送する。
給紙カセット14の先端側には、図示しない駆動モータによって回動駆動される反転ローラ22が設けられるとともに、当該反転ローラ22を中心にした用紙Pの湾曲反転経路が形成されている。反転ローラ22と対向する位置には反転ローラ22に圧接する位置と離間する位置とを変位可能なニップローラ23が設けられており、ピックアップローラ16によって給送される用紙Pは、その後反転ローラ22とニップローラ23との圧接点を通過することで、重送が防止されるとともに、反転ローラ22の回動による給送力が付与されて更に下流側に給送される様になっている。そして、用紙Pは反転ローラ22を中心とする湾曲反転経路を経由し、搬送ローラ19によってニップされ、下流側へ搬送される。
以上がインクジェットプリンタ100の大略構成であるが、インクジェットプリンタ100は、装置上部にスキャナユニット(図示せず)を備えており、即ちスキャナ一体型のプリンタとして構成されていて、前記スキャナユニットによって読み取った画像を、上述した記録手段によって記録を実行することが可能となっている。但し、以下では上記スキャナユニットについての説明は省略する。
次に、このようなインクジェットプリンタ100に対して適用されるペーパーギャップの調整装置1及び、当該調整装置1へ昇降駆動モータ8の動力を伝達する、本発明に係る始端側駆動伝達手段10の構成を詳説する。ここで、図4は同期駆動伝達手段の設置状態を示す斜視図、図5は昇降フレームの設置状態を示す斜視図、図6は同期駆動伝達手段側から始端側駆動手段を見た斜視図、図7及び、図8は始端側駆動伝達手段を示す斜視図、図9は輪列支持部材を示す斜視図、図10及び図11は搬送従動ローラホルダへの動力伝達経路を示す斜視図、図12はシフトカムと、カムフォロワのカム作用を示す説明図、図13は安定領域検出手段を示す斜視図、図14はペーパーギャップとキャリッジガイド軸の回動角度との関係を示すカム線図である。
昇降駆動モータ8の出力軸の回動は、図8に示すように歯車輪列30を備えて構成される、本発明に係る始端側駆動伝達手段10によって主ガイド軸9に伝達される。この始端側駆動伝達手段10は、図6に示すように左側のサイドフレーム4の側に設けられ、主ガイド軸9は当該左側のサイドフレーム4の側で昇降駆動モータ8の動力を受けるとともに、右側のサイドフレーム5の側に設けられた同期駆動伝達手段11へと動力を伝達する。
始端側駆動伝達手段10を構成する歯車輪列30は、図7及び図8に示す様に歯車52と、以下順に噛合する歯車53、54、55、56、36を備えて構成されている。歯車52は、歯車52aと歯車52bが一体的に形成された複合歯車であり、以下同様に歯車53は歯車53aと歯車53b、歯車54は歯車54aと歯車54b、歯車55は歯車55aと歯車55bと歯車55cが、それぞれ一体的に形成された複合歯車となっている。
そして、歯車52は、昇降駆動モータ8の回動軸に取り付けられたピニオン歯車51と噛合し、歯車輪列30に動力を伝達する開始歯車となっている。また、歯車36は、第1回動軸(被駆動対象)としての主ガイド軸9に動力を伝達する最終歯車となっている。昇降駆動モータ8の動力は、より具体的にはピニオン歯車51、歯車52a、歯車52b、歯車53a、歯車53b、歯車54a、歯車54b、歯車55a、歯車55b、歯車56、歯車36、の順に伝達され、そして主ガイド軸9が回動駆動される。
これら歯車は、始端側駆動伝達手段10の基体を構成する輪列支持部材50に軸支されている。より詳しくは、図9に示す様に輪列支持部材50には軸50a、50b、50c、50d、50eが形成されていて、それぞれの軸に歯車52、歯車53、歯車54、歯車55、歯車56が、それぞれ隣接する歯車と噛合するとともに回動可能に軸支される様になっている。
一方、始端側駆動伝達手段10は、歯車55とともに回動する、フラグと呼ばれる検出羽根80a〜80dを有する回転スケール80を有している(詳細は図13参照)。検出羽根80a〜80dは、ペーパーギャップPGの位置に対応するように径方向に渡って複数形成されていて、当該検出羽根80a〜80dを光学センサ81によって検出することで、ペーパーギャップPGの位置を検出することができるように構成されている(詳細は後述)。
歯車輪列30における歯車55は、その回動可能角度が一定となる様に(一定範囲内でのみ回動する様に)規制される被回動規制歯車であり、当該被回動規制歯車55の回動可能角度を規制することで、ペーパーギャップPGが現在どの段階にあるのか、をコストアップを招くことなく正確に検出することが可能となっている(詳細は後述)。
続いて、始端側駆動伝達手段10によって昇降駆動モータ8の動力が伝達される主ガイド軸9は、キャリッジ7の後面側の軸受部32(図3参照)を軸通し、キャリッジ7の往復動を直接案内する案内軸部33と、その両端に設けられる回動軸部34とが同一の軸中心を通るように配設された同心軸構造を有している。また副ガイド軸12にも主ガイド軸9と同様、案内軸部33と回動軸部34とによって構成されており、案内軸部33と回動軸部34が同一軸中心を通るように配設された同心軸構造を有している。尚、副ガイド軸12の案内軸部33はキャリッジ7の前面側の軸受部35(図3参照)と摺接し、キャリッジ7を支持する。
主ガイド軸9における案内軸部33の両端部には、入力側に歯車36が、出力側に伝達歯車37が(図4参照)それぞれ案内軸部33と一体に設けられている。歯車36は、上述した様に始端側駆動伝達手段10を構成する歯車輪列30の終端に位置する最終歯車であり、伝達歯車37は、同期駆動伝達手段11の始端に位置する歯車である。また、図4に示すように副ガイド軸12における案内軸部33の入力側にも伝達歯車38が設けられており、この伝達歯車38は同期駆動伝達手段11の終端に位置する歯車である。
また、主ガイド軸9及び副ガイド軸12における案内軸部33の両端部には、図4、図8に示すように、ペーパーギャップの調整装置1における特徴的構成の1つである平行昇降手段39の一部であるシフトカム40が案内軸部33と一体に設けられている。またシフトカム40の下方には、同じく平行昇降手段39の一部であるカムフォロワ41が設けられている。
尚、カムフォロワ41はサイドフレーム4、5に対して、アジャスタ42を介して固定状態で設けられている。アジャスタ42は、リング状のカムフォロワ41と一体に回動し、サイドフレーム4、5に対する取付角度を可変することによってカムフォロワ41の高さを微調整する役割を有している。
シフトカム40は、図12に示すようにカム高さが変化しない案内領域を4つ有している。これらの安定領域をカム高さの低い順に第1安定領域43、第2安定領域44、第3安定領域45、第4安定領域46とする。また各安定領域の間には変移領域が設けられており、第1安定領域43と第2安定領域44との間に設けられる変移領域を第1変移領域47、第2安定領域44と第3安定領域45との間に設けられる変移領域を第2変移領域48、第3安定領域45と第4安定領域46との間に設けられる変移領域を第3変移領域49とする。
図14では、ペーパーギャップPGと、被回動規制歯車55の回動角度との関係を示している。図12及び図14においては、第1安定領域43ではペーパーギャップPGが最も小さい「PG1」となり、第2安定領域44ではペーパーギャップPGが上記PG1よりも大きい「PG2」となり、第3安定領域45では、ペーパーギャップPGが上記PG2よりも大きい「PG3」となり、第4安定領域46では、ペーパーギャップPGが上記PG3よりも大きい「PG4」となることを示している。このようにペーパーギャップPGは、図12に示すシフトカム40の形状により、昇降駆動モータ8によってキャリッジガイド軸6が回動駆動されることで、段階的に切り換えられる様になっている。
ペーパーギャップPGが、現在上記PG1〜PG4のいずれにあるかは、図13に示す様に、回転スケール80及び光学センサ81を備えて構成された安定領域検出手段82によって検出することができる。換言すれば、用紙Pへの記録中にプラテンギャップPGを一定に維持するためには、シフトカム40を変移領域ではなく安定領域にセットする必要があるが、上記安定領域検出手段82によって、シフトカム40が安定領域にセットされるように、昇降駆動モータ8を駆動制御することができる。
図13において、回転スケール80は、被回動規制歯車55と同軸の円盤の外周縁に、4枚の検出羽根80a、80b、80c、80dが、円周方向に間隔をあけて突出状態で形成されることで構成されている。一方、回転スケール80に隣接した位置には光学センサ81が設けられている。光学センサ81は発光部81aと受光部81bとを有し、発光部81aから発光された光が受光部81bで受光されたか否かによって、検出羽根80a〜80dの存在を検知するものである。即ち、検出羽根80a〜80dが、発光部81aと受光部81bとの間に位置することが可能な様に、光学センサ81が配置されている。
4枚の検出羽根80a〜80dの位置は、各安定領域43、44、45、46と対応しており、4枚の検出羽根80a〜80dのいずれかが光学センサ81での光を遮ると、図示しない判断手段が、プラテンギャップPGが安定領域にあることを判断する。尚、前記判断手段は、4枚の検出羽根80a〜80dが順に光学センサ81の光を遮ることで、現在、どの検出羽根が光を遮っているかを判断し、これによりペーパーギャップPGがPG1〜PG4のいずれの段階にあるかを判断することができる様になっている。
尚、図12及び図14から明らかなように、所望のペーパーギャップPGを得るためのキャリッジガイド軸6(被回動規制歯車55)の回動角度には幅が大きく設けられた状態となっており、キャリッジガイド軸6(被回動規制歯車55)の厳密な回動角度制御は不要になっている。
また、図14に示すように、被回動規制歯車55は回動可能角度が0〜α2(deg)となるように規制されるが、その中で、回動角度が0〜α1(deg)においてペーパーギャップPGの切り換えが行われ、α1〜α2(deg)では後述するカム軸76の回動によって、搬送従動ローラ19bのUP/DOWNの切り換えが行われるように構成されている。ここで、被回動規制歯車55の回動角度0〜α1(deg)の範囲では、キャリッジガイド軸6は回動するが後述するカム軸76は回動せず、一方で被回動規制歯車55の回動角度α1〜α2(deg)の範囲では、後述するカム軸76は回動するがキャリッジガイド軸6は回動しない様に、被回動規制歯車55における歯車55b、55cは歯の一部を欠いた欠歯歯車となっている。
そして、被回動規制歯車55は、その回動可能角度が0〜α2(本実施形態では、α2<360deg)となる様に規制される。
この規制は、図8に示す様に被回動規制歯車55の円盤面に形成された、当該歯車の回動軸線方向に突出する突起55dが、図9に示す様に輪列支持部材50において突起55dと対向する位置に形成されるとともに突起55dと係合可能なストッパ部(回動規制手段)50fに、突起55dが当接することで行われる。即ち、ストッパ部50fは、被回動規制歯車55の1回転以上の回転を許容しない様に、被回動規制歯車55の回転を所定の回転位相で止める。従ってこれにより、被回動規制歯車55は、その回動可能角度が360deg以下となる様に規制され、これによって被回動規制歯車55の基準位置(ホームポジション)を検出するセンサを別途設ける必要がなく、低コストにペーパーギャップPGが現在どの段階であるかを確実に検出する手段を構成することができる。
つまり、上記安定領域検出手段82のみでは、光学センサ81が検出羽根80a〜80dのうちいずれの検出羽根を検出しているか、が判断不能となる虞がある。一方で、このような不具合を防止すべく更にセンサ等の検出手段を設けるのは、コストアップを招く。しかし、上述の通り被回動規制歯車55の回動可能角度が規制されることで、別途検出手段を更に設けることなく、光学センサ81が検出羽根80a〜80dのうちいずれの検出羽根を検出しているか、を確実に判断することが可能となっている。
尚、本実施形態では被回動規制歯車55(キャリッジガイド軸6)の回動を搬送駆動モータとは別個の独立した昇降駆動モータ8によって行っているから、ペーパーギャップPGの調整時と用紙Pの搬送時との切替機構ないし切替動作は不要となっており、スループットの向上が図られている。
次に、同期駆動伝達手段11の構成について詳述する。右側のサイドフレーム5には、図5に示すようなキャリッジガイド軸6と共に昇降動し得る本実施形態の特徴的構成の1つである昇降フレーム60が設けられている。昇降フレーム60には、キャリッジガイド軸6における回動軸部34を受け入れることができる嵌合穴61と、歯車を取り付けるための取付軸62が複数本、外方に向って立ち上げられている。そして嵌合穴61から突出する回動軸部34と、取付軸62を利用して本実施形態の特徴的構成の一つである同期駆動伝達手段11としての歯車輪列63が図4に示すように設けられている。
歯車輪列63は、伝達歯車37と伝達歯車38との間に3枚の中間歯車64を配設することによって構成されており、主ガイド軸9の回動を同一方向、同一速度、同一タイミングで副ガイド軸12に伝達し得るようになっている。またサイドフレーム5、6には、ペーパーギャップの調整装置1の構成部材の一つである昇降案内手段65が設けられている。本実施例ではキャリッジガイド軸6における回動軸部34と係合するU字状の4つのガイド溝66をサイドフレーム4、5に対して形成することによって昇降案内手段65が構成されている。
また、サイドフレーム4、5には昇降フレーム60側に鉤状に折り曲げられた抜止め片73が設けられている。一方、昇降フレーム60には、この抜止め片73と係合する凹字状ないし鉤状の係合溝74が設けられていて、昇降フレーム60が上方に移動する時、係合溝74の下端辺が抜止め片73に当接することで、昇降フレーム60のサイドフレーム4、5からの脱落が防止されている。
次に、このような構成のペーパーギャップの調整装置1を使用して行うペーパーギャップPGの調整の手順について説明する。先ず、最も一般的な厚さの用紙Pを使用する場合には、昇降駆動モータ8によってキャリッジガイド軸6(被回動規制歯車55)を回動させることにより、シフトカム40を第1安定領域43に至らせ、ペーパーギャップPGを「PG1」とする。用紙Pに専用紙を用いる場合や、ペーパーギャップPGが「PG1」のときに用紙Pがインクジェット記録ヘッド13に擦れるような場合には、昇降駆動モータ8を更に駆動させて、シフトカム40を第2安定領域44に至らせ、ペーパーギャップPGを「PG2」とする。更に厚手の用紙Pを用いる場合や、ペーパーギャップPGが「PG2」のときに用紙Pがインクジェット記録ヘッド13に擦れるような場合には、昇降駆動モータ8を更に駆動させて、シフトカム40を第3安定領域45に至らせ、ペーパーギャップPGを「PG3」とする。そして、更に厚手の用紙PやCD−Rトレイ等を用いる場合、或いはペーパーギャップPGが「PG3」のときに用紙Pがインクジェット記録ヘッド13に擦れるような場合には、昇降駆動モータ8を更に駆動させて、シフトカム40を第4安定領域46に至らせ、ペーパーギャップPGを「PG4」とする。
昇降駆動モータ8は、歯車輪列30を介して主ガイド軸9に回動を伝達し、主ガイド軸9が所定の回動角度だけ回動すると、主ガイド軸9と一体に設けられているシフトカム40が同一の回動角度だけ回動し、当該回動角度におけるカム高さ分、主ガイド軸9が上方あるいは下方に移動する。
主ガイド軸9の回動は、歯車輪列63を介して副ガイド軸12にも伝達されるから、4つのシフトカム40のすべてが同一方向、同一回動角度、同一タイミングで回動し、同一のカム高さになる。これによりキャリッジ7は水平姿勢を保って昇降動し、記録ヘッド13の高さを可変してペーパーギャップPGの調整が実行される。
ところで、被回動規制歯車55は、図8に示したようにピニオン歯車51と、最終歯車36との間に位置している。これにより、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、歯車輪列30においては、開始歯車52から最終歯車36に向かうにつれて、減速比が大きくなるので、例えば駆動対象である主ガイド軸9の回動を直接止めるべく、歯車36の回動を止める様に構成すると、歯車36に大きな負荷が掛かることになり、歯車36の強度や、歯車36の回動を止める規制手段の強度を確保する必要が生じる。また、歯車36の回動を止める際に、主ガイド軸9が僅かに変位して、意図しないペーパーギャップPGの変化を招く虞もある。
しかし、上述の様に輪列支持部材50に形成されたストッパ(回動規制手段)50f(図9)は、歯車輪列30の中間歯車である被回動規制歯車55の回動を止めるため、歯車や当該歯車の回動を止める回動規制手段(本実施形態では、ストッパ50f)等に大きな負荷をかけずに、歯車の回動可能角度を規制することができる。
従って、上述した実施形態とは異なり、例えば歯車輪列30において中間に位置する歯車54や、或いは当該歯車54から更にピニオン歯車51の側に位置する歯車(例えば歯車53、52)の回動を止めるように構成すれば、より減速比の小さい場所で歯車の回動を止める(回動可能角度を規制する)ことで、より一層歯車やその周囲の構成要素に掛かる負荷を軽減させることができる。また、意図しないペーパーギャップPGの変化も確実に防止することができる。
続いて、図15及び図16を参照しながら、始端側駆動伝達手段10の他の機能について説明する。インクジェットプリンタ100は、上述の通り昇降用駆動モータ8によってペーパーギャップPGを自動的に切り換え可能に構成されている為、用紙Pがインクジェット記録ヘッド13に擦れた際(以下「ヘッド擦れ」と言う)に、ユーザに擦れ回避モードの選択を促すことによって、ユーザが自らペーパーギャップPGの調節を行うことなく、ヘッド擦れを回避して良好な印刷結果を得ることが可能となる。
図15はこの擦れ回避モードが選択された場合のインクジェットプリンタ100の動作内容を示すフローチャートであり、ステップS101において印刷データを受信すると、ステップS102において擦れ回避モードが選択されたか否かを判断する。この擦れ回避モードは、前回の印刷結果がヘッド擦れを生じていた場合に、ユーザがインクジェットプリンタ100に接続された図示しないホストコンピュータ上で動作するプリンタドライバや、インクジェットプリンタ100に設けられた図示しない操作部から、選択することができるようになっている。
ステップS102において擦れ回避モードが選択されていないと判断した場合には(否定枝)、用紙厚に応じたペーパーギャップPGに切り換えて(ステップS106)、印刷を実行する(ステップS105)。ステップS102において擦れ回避モードが選択されていると判断した場合には(肯定枝)、用紙厚に応じたペーパーギャップPGに切り換えた後、更に1つ上のペーパーギャップPGに切り換え(ステップS103、S104)、その後に、印刷を実行する(ステップS105)。これによって、ユーザが自らペーパーギャップPGを切り換えることなくヘッド擦れを回避することができ、操作ミスを防止して確実に適切な印刷結果を得ることができ、ユーザフレンドリとなる。
更に、始端側駆動伝達手段10を用いることで、以下のような作用効果を得ることができる。開始歯車52から始まり最終歯車36に至る上記一連の歯車を第1歯車輪列とすると、歯車輪列30は、図6に示す「第2回動軸」としてのカム軸76に、昇降駆動モータ8の動力を伝達する第2歯車輪列58を有している。
この第2歯車輪列58は、図7に示す様に被回動規制歯車55に含まれる歯車55cと、カム軸76に取り付けられるとともに当該歯車55cと噛合する、扇形状を成す「第2最終歯車」としての歯車57とを備えて構成されている。
第2歯車輪列58によって動力が伝達されるカム軸76は、図6に示す様に搬送従動ローラホルダ18の上方において主走査方向に延び、そして搬送従動ローラホルダ18の上方に位置する部分に、カム77が局在する様に取り付けられている。
搬送従動ローラホルダ18は、図示しない付勢手段によって、搬送従動ローラ19bが搬送駆動ローラ19aに圧接する方向に付勢されていて、カム77は、この様な搬送従動ローラホルダ18に対し、図10及び図11に示す様に圧接及び離間可能な形状を成している。そして、圧接することで、搬送従動ローラホルダ18を押下し、これによって図10に示す様に搬送従動ローラ19bを搬送駆動ローラ19aから離間(レリース)させる。
以上の構成を用いて、紙ジャム発生時の、用紙除去の作業性を向上させることができる。図16は紙ジャムが発生したか否かを判断する方法及び紙ジャム発生時の動作内容を示すフローチャートであり、ステップS201において印刷終了、用紙排出処理を行った際、ステップS202において、用紙Pが未だ用紙搬送経路内に存在しているか否かを判定する。ここで、用紙Pが未だ用紙搬送経路内に存在しているか否かの判断は、搬送ローラ19の上流側近傍に設けられた図示しない用紙検出手段によって行う。
ステップS202において用紙Pが存在していると判断した場合には、用紙排出動作を実行する(ステップS203)。この用紙排出動作は、最大用紙長さに相当する紙送り量をもって行われ、用紙Pが存在していると判断した場合であって最大用紙長さに相当する紙送り量を超えた場合には(ステップS204の肯定枝)、紙ジャムが発生したと判断して、紙ジャムエラー表示を行う(ステップS205)。
紙ジャムエラー表示に対してユーザが用紙排出ボタンを押下した場合には、ステップS202に戻って、再度最大用紙長さに相当する紙送り量をもって用紙排出動作を行う(ステップS206の肯定枝)。また、用紙排出ボタンは押下されないが電源ボタンを押下、即ち電源を遮断する操作が行われた場合には(ステップS207の肯定枝)、キャリッジ(CR)7がホームポジションに位置するか否かを判断し(ステップS208)、キャリッジ7
がホームポジションに位置する場合には、上述の様に昇降駆動モータ8を駆動して、搬送従動ローラ19bを搬送駆動ローラ19bから離間(レリース)させ(ステップS209)、電源をOFFとする(ステップS210)。これによって、搬送ローラ19による用紙Pのニップ状態が解除されるため、無理なく用紙Pを除去することが可能となる。尚、本実施形態においてキャリッジ7がホームポジションに位置する場合にのみ搬送従動ローラ19bをレリースさせるのは、図3から明かなように搬送従動ローラホルダ18がキャリッジ7と干渉可能な位置にあり、キャリッジ7が印刷領域に位置するときに搬送従動ローラホルダ18を揺動させると、キャリッジ7と搬送従動ローラホルダ18が干渉してしまうからである。
インクジェットプリンタの同期駆動伝達手段側からの斜視図。 インクジェットプリンタの昇降駆動モータ側からの斜視図。 インクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図。 同期駆動伝達手段の設置状態を示す斜視図。 昇降フレームの設置状態を示す斜視図。 同期駆動伝達手段側から始端側駆動手段を見た斜視図。 始端側駆動伝達手段を示す斜視図。 始端側駆動伝達手段を示す斜視図。 輪列支持部材を示す斜視図。 搬送従動ローラホルダへの動力伝達経路を示す斜視図。 搬送従動ローラホルダへの動力伝達経路を示す斜視図。 シフトカムとカムフォロワのカム作用を示す説明図。 安定領域検出手段を示す斜視図。 ペーパーギャップとキャリッジガイド軸の回動角度の関係を示すカム線図。 擦れ回避モードが選択された場合の動作内容を示すフローチャート。 紙ジャム判断方法及び紙ジャム発生時の動作内容を示すフローチャート。
符号の説明
1 (ペーパーギャップの)調整装置、2 プリンタ本体、3 ベースフレーム、4 サイドフレーム(左側の)、5 サイドフレーム(右側の)、6 キャリッジガイド軸、7 キャリッジ、8 昇降駆動モータ、9 主ガイド軸、10 始端側駆動伝達手段、11 同期駆動伝達手段、12 副ガイド軸、13 記録ヘッド、14 給紙トレイ、15 軸支部材、16 ピックアップローラ、18 搬送従動ローラホルダ、19 搬送用ローラ、19a 搬送用駆動ローラ、19b 搬送用従動ローラ、20 第1排出ローラ、20a 第1排出駆動ローラ、20b 第1排出従動ローラ、21 第2排出ローラ、21a 第2排出駆動ローラ、21b 第2排出従動ローラ、22 反転ローラ、23 ニップローラ、24 給送ローラ、25 分離ローラ、26 廃液回収トレイ、28 プラテン、29 排出スタッカ、30 歯車輪列(第1歯車輪列)、32 軸受部(後面側)、33 案内軸部、34 回動軸部、35 軸受部(前面側)、36 最終歯車、37 伝達歯車、38 伝達歯車、39 平行昇降手段、40 シフトカム、41 カムフォロワ、42 アジャスタ、43 第1安定領域、44 第2安定領域、45 第3安定領域、46 第4安定領域、47 第1変移領域、48 第2変移領域、49 第3変移領域、50 輪列支持部材、51 ピニオン歯車、52 開始歯車、53 歯車、54 歯車、55 被回動規制歯車、56 歯車、57 歯車、58 第2歯車輪列、60 昇降フレーム、61 嵌合穴、62 取付軸、63 歯車輪列、64 中間歯車、65 昇降案内手段、66 ガイド溝、73 抜止め片、74 係合溝、76 カム軸、77 カム、80 回転スケール、80a〜80d 検出羽根、81 光学センサ、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録媒体)、X 主走査方向、Y 副走査方向、PG ペーパーギャップ

Claims (8)

  1. 駆動モータによって駆動される第1回動軸へ前記駆動モータの動力を伝達する、複数の歯車を備えて構成された歯車輪列を有する動力伝達装置であって、
    前記歯車輪列が、前記駆動モータの回動軸に取り付けられたピニオン歯車と噛合する開始歯車と、
    前記第1回動軸に取り付けられた最終歯車と、
    前記ピニオン歯車と前記最終歯車との間に位置する被回動規制歯車と、を備えて構成され、
    前記被回動規制歯車の回動を止めることにより、前記被回動規制歯車の回動可能角度を規制する回動規制手段を備えている、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、前記回動規制手段が、前記被回動規制歯車の円盤面に形成された、前記被回動規制歯車の回動軸線方向に突出する突起と係合するストッパ部を備えて構成されている、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2において、前記被回動規制歯車が、前記ピニオン歯車と前記最終歯車との中間に位置する歯車または当該中間に位置する歯車よりも前記ピニオン歯車の側に位置する歯車である、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記駆動モータによって駆動される第2回動軸を備え、
    前記歯車輪列が、前記第2回動軸に取り付けられた第2最終歯車と、
    前記被回動規制歯車から前記第1回動軸へ向かう第1歯車輪列と、
    前記被回動規制歯車から前記第2回動軸へ向かう第2歯車輪列と、
    を備えて構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、前記第1回動軸が、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸である、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5において、前記記録ヘッドの上流側に、回動駆動される搬送駆動ローラ及び当該搬送駆動ローラに接して従動回動する搬送従動ローラが設けられ、
    前記搬送従動ローラは、被記録媒体の搬送経路を側視して揺動可能に設けられるとともに前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する方向に付勢される搬送従動ローラホルダに軸支されていて、
    前記第2回動軸が、回動することで前記搬送従動ローラホルダに対して圧接及び離間可能なカムの回動軸である、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  7. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジと、
    前記キャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸と、
    前記ガイド軸の軸端に取り付けられたカム及び当該カムと係合するカムフォロアを備えるとともに、前記ガイド軸を回動させることで、被記録媒体と前記記録ヘッドとの距離を調節するよう構成されたギャップ調節手段と、
    駆動モータの動力を前記ガイド軸に伝達する、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記動力伝達装置と、
    を備えていることを特徴とする記録装置。
  8. 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えたキャリッジと、
    前記キャリッジを主走査方向にガイドするガイド軸と、
    前記ガイド軸の軸端に取り付けられたカム及び当該カムと係合するカムフォロアを備えるとともに、前記ガイド軸を回動させることで、被噴射媒体と前記液体噴射ヘッドとの距離を調節するよう構成されたギャップ調節手段と、
    駆動モータの動力を前記ガイド軸に伝達する、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記動力伝達装置と、
    を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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