JP2006061227A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の消費効率を向上した電気掃除機を提供する。
【解決手段】電動送風機2に電力を供給する電池パック3を装着可能とする。標準パックと標準パックより定格容量が大きい高容量パックなどとの、電池パック3の定格容量の種類に応じて電動送風機2の運転モードを制御手段12で設定することで、電池パック3に大電流が流れて放電容量が必要以上に減少することを防止可能となり、電池パック3の消費効率を向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動送風機に電力を供給する二次電池を備えた電気掃除機に関する。
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備えている。この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通して、ホース体、延長管および床ブラシが順次接続される。また、掃除機本体には、電動送風機に電力を供給する二次電池が着脱可能に取り付けられる。さらに、掃除機本体には、電動送風機の弱、強などの駆動状態を制御可能な制御手段が収容されている。そして、この制御手段は、掃除機本体に取り付けられた二次電池の定格容量などの種類を識別可能である(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3463350号公報(第1−3頁、図1)
一般に、二次電池は、流す電流が大きくなるほど放電容量が減少するという特性を有している。
しかしながら、上述の電気掃除機では、定格容量が異なるタイプの二次電池を取り付けた場合でも、電動送風機の入力電流は各駆動状態でそれぞれ一定に設定されているため、例えば通常の定格容量の二次電池を取り付けて強状態で運転すると、放電容量が大幅に減少して運転時間が極端に短くなってしまうなど、二次電池の消費効率が良好でないという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、二次電池の消費効率を向上した電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明は、掃除機本体に収容された電動送風機に電力を供給する二次電池と、この二次電池の定格容量の種類に応じて電動送風機の運転モードを設定する制御手段とを具備したものである。
本発明によれば、二次電池の定格容量の種類に応じて電動送風機の運転モードを制御手段が設定することで、二次電池に大電流が流れて放電容量が必要以上に減少することを抑制可能となり、二次電池の消費効率を向上できる。
以下、本発明の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
図2において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1の内部には、電動送風機2およびこの電動送風機2に電力を供給する二次電池としての電池パック3が収容されている。そして、この掃除機本体1は、業務用の電気掃除機であり、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃をサイクロン分離して集塵する。
さらに、掃除機本体1には、外部から空気を吸引する本体吸込口4が開口されている。この本体吸込口4には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体5が連通接続されている。このホース体5の先端には、作業者に把持される手元操作部6が設けられ、この手元操作部6には、掃除機本体1内の電動送風機2の強、中、弱などの駆動状態を設定する設定部としての運転モード部である複数の設定ボタン7が設けられている。
また、この手元操作部6の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に載置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む吸込口体としての床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。
次に、上記一実施の形態の内部構造を説明する。
図1に示すように、掃除機本体1には、電池パック3が着脱可能に取り付けられるとともに、電動送風機2の駆動を制御する制御手段12が収容されている。
電池パック3には、例えば図3(a)に示すように、複数のセルCを直列に接続した通常の定格容量を有する標準パック3a、あるいは、図3(b)に示すように、対をなすセルCを並列に接続し、この並列に接続したものを複数直列に接続した標準パック3aの約2倍の定格容量を有するハイパワータイプの高容量パック3bなどの種類がある。
そして、この電池パック3は、図4のグラフに示すように、流れる電流が大きくなると放電容量が低下する。なお、図4のグラフにおいて、電流値が1Cとは、電池パック3が1時間で放電し終わる電流量を示し、電流値が2Cとはその2倍の電流値を示す。
制御手段12は、電池パック3に接続された回路用電源部13から電力の供給を受けて駆動している。そして、この制御手段12は、電動送風機2の駆動を制御する駆動回路部15およびマイコン部16を有している。
駆動回路部15は、図示しないトランジスタなどのスイッチング素子などを有し、マイコン部16から供給されるパルス電圧により電動送風機2をPWM(Pulse Width Modulation)制御するものである。
そして、マイコン部16は、電池パック3の種類を識別する検知部としての判別回路であるパック検知部17、電池パック3の電圧を検知する電圧検知部18、および、駆動回路部15にそれぞれ接続され、パック検知部17で検知した電池パック3の定格容量の種類に応じて、電動送風機2の運転モードを設定する。
例えば、制御手段12のマイコン部16は、電池パック3の定格容量が所定値すなわち高容量パック3bの定格容量よりも小さい定格容量の標準パック3aが装着されている際に、高容量パック3bに対応する運転モードよりも電動送風機2の入力を抑制した運転モードに設定する。
具体的に、制御手段12のマイコン部16は、電池パック3の定格容量の種類に応じた運転モード毎に電動送風機2の入力の範囲を設定し、電動送風機2の入力がこの設定した入力の範囲内となるように制御する。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、掃除機本体1の本体吸込口4にホース体5および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。
さらに、掃除機本体1に、電池パック3を装着する。
この後、所定の設定ボタン7を操作して電動送風機2を所定の駆動状態で駆動させる。
このとき、制御手段12は、パック検知部17により電池パック3の定格容量を検知し、この定格容量に応じて制御手段12にて設定されたテーブルにより、電動送風機2の運転モードを設定する。
例えば、制御手段12は、高容量パック3bが掃除機本体1に装着された状態、すなわちハイパワーモード時には、電動送風機2を強、中および弱の3つの駆動状態に設定ボタン7で設定可能となるように電動送風機2の入力の範囲を設定し、標準パック3aが掃除機本体1に装着された状態、すなわち標準モード時には、電動送風機2を中および弱の2つの駆動状態に設定ボタン7で設定可能となるように電動送風機2の入力の範囲を設定する。
言い換えると、制御手段12は、ハイパワーモード時にのみ電動送風機2を強状態で駆動可能とし、標準モード時には、設定ボタン7の強ボタンが作動しないようにしたり、強状態を選択する設定ボタン7が押されても電動送風機2を中状態で駆動させたりして、電動送風機2が強状態で駆動しないように設定する。
すなわち、制御手段12は、選択可能な電動送風機2の駆動状態を、モード毎に切り換える。
そして、作業者が、ホース体5の手元操作部6を操作して床ブラシ9を床面上で前後に走行させると、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸い込みの力すなわち吸塵力によって、床ブラシ9から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
この後、この床ブラシ9から吸い込まれた塵埃は、空気とともにこの床ブラシ9から延長管8およびホース体5を順次介して掃除機本体1の本体吸込口4へと吸い込まれた後、集塵カップ2a内でサイクロン分離され、この集塵カップ2a内に集塵される。
上述したように、上記一実施の形態では、電池パック3の定格容量の種類に応じて電動送風機2の運転モードを制御手段12が設定する構成とした。
具体的には、掃除機本体1に装着された電池パック3の定格容量の種類に応じた運転モード毎に、電動送風機2の入力の範囲を設定し、電動送風機2の入力がこの設定した入力の範囲内となるように制御する構成とした。
この結果、電池パック3の定格容量に応じた電流が電池パック3に流れるようになるため、電池パック3に大電流が流れて放電容量が必要以上に減少することを抑制でき、電池パック3の消費効率を向上できる。
また、電池パック3の種類を識別するパック検知部17を設けることで、電池パック3の種類を確実に識別できる。
なお、上記一実施の形態において、ハイパワーモード時と標準モード時とのそれぞれで選択できる電動送風機2の駆動状態は、任意に設定可能である。
また、例えばハイパワーモード時の中状態、あるいは弱状態での電動送風機2の入力電流を、標準モード時の中状態、あるいは弱状態での電動送風機2の入力電流よりも増大させるように制御手段12で制御してもよい。この場合には、電池パック3に流れる電流が弱くなりすぎることを防止して、電池パック3の寿命が低下することを防止できる。
さらに、掃除機本体1に装着される電池パック3の容量に応じて、それぞれのパック3a,3bの放電容量が低下しないように制御手段12が設定する運転モードには、様々なものが可能であり、選択可能な電動送風機2の駆動状態を各モードとも共通にして、電動送風機2の各駆動状態での入力をモード毎に切り換える構成などにもできる。
例えば、標準モード時に、ハイパワーモード時よりも電動送風機2の入力を抑制して運転時間を確保するように制御手段12が運転モードを設定する一実施例を、図5を参照して説明する。
例えばセルCの電池電圧を3.7V、定格容量を2900mAhとすると、図4のグラフに示すように、標準パック3aでは、電圧が14.8V、定格容量が2900mAhとなり、高容量パック3bでは、電圧が14.8V、定格容量が5800mAhとなる。
そして、電動送風機2を所定の駆動状態、例えば強状態で駆動する際に流す電流値を11.6Aとすると、高容量パック3bでは、電流値が図4のグラフに示す2Cの値となる。
そして、電流値が2Cのときには、図4に示すように、電流値が1Cのときと略等しい約2900mAhの放電容量が得られるので、高容量パック3bでは、約5800mAhの放電容量となり、ハイパワーモード時に電動送風機2を強状態で駆動させた場合には、5.8/11.6×60=30分の運転が可能となる。
これに対して、標準パック3aでは、定格容量が高容量パック3bの半分であるから、従来のように高容量パック3bと同じ電流値を流す場合には、電流値が図4のグラフに示す4Cの値となるため、放電容量が約2400mAhとなり、標準モード時に電動送風機2を強状態で駆動させた場合には、高容量パック3bの半分のセル数であるにもかかわらず、2.4/11.6×60=12分の運転しかできず、高容量パック3bと標準パック3aとのセル数比から期待される15分の運転に対して80%の運転しかできずに、20%のエネルギを浪費している。
そこで、本実施例では、標準モード時に、強状態での電動送風機2の入力電流を例えば8.7Aに制限する。この場合には、電流値が図4のグラフに示す3Cの値となるので、約2800mAhの放電容量が得られ、運転時間が2.8/8.7×60=19分となる。ただし、電動送風機2の吸塵力は、消費電力に比例するので、75%となる。
この結果、図5に示すように、ハイパワーモード時のエネルギ(吸塵力と運転時間との積)を100%とすると、本実施例の標準モードでの運転は、75%×19/30=47.5%となり、100%×12/30=40%の従来例と比較して、電池パック3の消費効率が7.5%改善される。
このように、標準モード時には、電動送風機2の入力電流を、ハイパワーモード時よりも抑制して設定する構成とすることで、電池パック3に大電流が流れて過負荷となって放電容量が必要以上に減少することを抑制でき、消費電力に比例する電動送風機2の吸塵力は若干低下するものの、運転時間が長くなり、全体として電池パック3の消費効率を向上でき、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、例えば標準モード時に、電動送風機2の入力を各駆動状態でハイパワーモード時以下とするように制御手段12が運転モードを設定する一実施例を、図6を参照して説明する。
この図6に示す実施例では、電動送風機2が、運転音を抑制するサイレント、弱および強のそれぞれの駆動状態に各モードで切り換え可能となっている。
例えば、標準モードでの強状態での吸塵力を200Wとし、ハイパワーモードでの強状態での吸塵力を標準モードの1.5倍の300Wと設定する。
この場合には、標準モードでの運転時間が15分とすると、ハイパワーモードの運転時間が15/1.5×2=20分となる。
また、弱状態で運転する際には、例えばいずれのモードでも強状態の吸塵力の80%に低減するように設定する。
すなわち、標準モードでは吸塵力が200×80%=160W、運転時間が15×100/80=18.75分になり、ハイパワーモードでは吸塵力が300×80%=240W、運転時間が20×100/80=25分に自動的に設定される。
そして、サイレント状態を選択した際には、電池パック3の入力電流が比較的小さく、放電容量の低下が比較的小さいため、例えばいずれのモードでも、吸塵力を一定の120Wに設定する。
この際には、標準モードでの運転時間が15×200/120=25分、ハイパワーモードでの運転時間が20×300/120=50分となる。
このように、標準モードでの電動送風機2の入力電流値を、ハイパワーモードでの電動送風機2の入力電流値以下に設定することで、必要以上に大きい電流が流れることによる標準パック3aの放電容量の低下を抑制して電池パック3の消費効率を向上し、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
しかも、このように運転モードを設定することで、ハイパワーモード時に、標準モード時以上の吸塵力および運転時間を得ることができる。
また、上記各実施の形態において、制御手段12は、高容量パック3bを装着した場合に、吸塵力を抑制して運転時間を長くする場合と、電動送風機2の吸塵力を向上させる場合とを選択可能な構成としてもよい。
そして、パック検知部17にて電池パック3の定格容量を検知するために、図7に示すように、セルCに抵抗Rを有する検知用出力端子19を設け、電池パック3を三端子型とする構成も可能である。この他にも、パック検知部17は、例えば電池パック3の外装に設けた図示しない爪などの突起により電池パック3の種類を検知する接触型、電池パック3の外装に設けた磁石を磁気センサで検知したり、電池パック3の外装に設けた反射板をフォトセンサで検知したりする非接触型など、いずれの構成としてもよい。
本発明の一実施の形態の電気掃除機を示すブロック図である。 同上電気掃除機を示す斜視図である。 (a)は同上電気掃除機に着脱可能な二次電池の一例を示す説明図、(b)は同上二次電池の他の例を示す説明図である。 同上電気掃除機に使用される二次電池の放電特性の一例を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態の電気掃除機の運転モードの一実施例を示す表である。 同上電気掃除機の運転モードの他の実施例を示す表である。 本発明のさらに他の実施の形態の二次電池を示す説明図である。
符号の説明
1 掃除機本体
2 電動送風機
3 二次電池としての電池パック
12 制御手段
17 検知部としてのパック検知部

Claims (3)

  1. 掃除機本体と、
    この掃除機本体に収容された電動送風機と、
    この電動送風機に電力を供給する二次電池と、
    この二次電池の定格容量の種類に応じて前記電動送風機の運転モードを設定する制御手段と
    を具備したことを特徴とした電気掃除機。
  2. 制御手段は、二次電池の定格容量の種類に応じた運転モード毎に電動送風機の入力の範囲を設定し、前記電動送風機の入力が前記設定した入力の範囲内となるように、前記電動送風機の入力を制御する
    ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
  3. 二次電池の定格容量の種類を識別する検知部を具備した
    ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機。
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