JP2006061018A - プラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチックフィルムハウスの屋根の天窓を覆蓋するシートを開閉して天窓を開閉する天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリであって、該シート上に水が溜まりにくい天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリを提供する。
【解決手段】天窓6を覆うシート12は、上辺が天窓6の高位側に固定され、下辺がネット16を介して巻芯14に連結されている。シート12が天窓6を覆った状態においてシート12上を雨水等の水が流れる場合、この水は、シート12の下辺側において巻芯14に堰き止められることなく、ネット16の網目を通ってシート12の下側へ流れ落ちる。
【選択図】図1
【解決手段】天窓6を覆うシート12は、上辺が天窓6の高位側に固定され、下辺がネット16を介して巻芯14に連結されている。シート12が天窓6を覆った状態においてシート12上を雨水等の水が流れる場合、この水は、シート12の下辺側において巻芯14に堰き止められることなく、ネット16の網目を通ってシート12の下側へ流れ落ちる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ビニルハウスなどのプラスチックフィルムハウスの屋根の天窓を覆蓋するシートを開閉して天窓を開閉する天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリに関する。
農業用、園芸用等の温室として用いられるビニルハウス等のプラスチックフィルムハウスにあっては、屋根に天窓を設け、この天窓を開閉させることにより該プラスチックフィルムハウス内の温度調節や換気を行うことがある。
特開平8−172933号公報には、このビニルハウスの天窓の開閉装置の一例が記載されている。同号公報においては、屋根は略切妻屋根状であり、その頂陵状の天頂部から両側に向って下り勾配となっている。この屋根の天頂部よりも一半側に、天頂部付近から屋根の下端付近にまで延在する天窓が設けられている。
この天窓を覆うようにビニル樹脂製のシートが設けられている。このシートは、一端辺(上端辺)が天窓の上縁部に固定され、他端辺(下端辺)側からロッド状巻芯に巻き取り可能とされている。該巻芯は、頂陵状の天頂部の棟方向に延在している。
なお、該巻芯は手動式のハンドル操作によって屋根上を転動するよう構成されている。
この天窓開閉装置においては、ハンドルを回転操作して該巻芯を天窓に沿って該天窓の低位側から高位側へ転動させることにより、シートが該巻芯に巻き取られて天窓が開放される。また、巻芯を天窓に沿って該高位側から低位側へ転動させることにより、シートがロッドから巻き出されて天窓が閉鎖される。
特開平8−172933号公報
上記特開平8−172933号公報の天窓開閉装置にあっては、天窓を覆うシート上に掛かった雨水等の水が巻芯に堰き止められ、該シート上に水が溜まり易い。また、このように水が溜まることによりシートが破損し易くなるおそれもある。
本発明は、プラスチックフィルムハウスの屋根の天窓を覆蓋するシートを開閉して天窓を開閉する天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリであって、該シート上の巻芯側に水が溜まることが防止される天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリを提供することを目的とする。
請求項1のシートアッセンブリは、プラスチックフィルムハウスの屋根に設けられた天窓を覆蓋するシートと、該シートを巻き取るための巻芯とを有するシートアッセンブリにおいて、該シートと巻芯との接続部付近にシート上の水をシート下側に流し落すための通水部を設けたことを特徴とするものである。
請求項2のシートアッセンブリは、請求項1において、該巻芯とシートとはネット又は紐状体を介して連結されていることを特徴とするものである。
請求項3のシートアッセンブリは、請求項1において、該シートの該巻芯との接続部付近に水抜き用開口が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4のプラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置は、プラスチックフィルムハウスの下り勾配の屋根に設けられた天窓を開閉するための天窓開閉装置であって、該天窓開閉装置は、一側辺が該天窓の高位側に固定され、該天窓の低位側まで拡開する大きさを有しているシートと、該シートを該低位側から巻き取るための巻芯とを有するシートアッセンブリを備えてなる天窓開閉装置において、該シートアッセンブリは、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシートアッセンブリであることを特徴とするものである。
本発明の天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリにあっては、シートは、上端辺が天窓の高位側に固定されると共に、下端辺が巻芯に連結されており、このシートが天窓を覆った状態において巻芯を天窓の低位側から高位側へ転がし上げると、該シートが下端辺側から巻芯に巻き取られて天窓が開放される。また、シートを巻き取った巻芯を天窓の高位側から低位側へ転がし落とすと、シートが該天窓から巻き出されて天窓を覆うようになり、天窓が閉鎖される。
本発明の天窓開閉装置及びシートアッセンブリによれば、シートが天窓を覆った状態においてこのシート上に水が掛った場合、この水は、通水部を通ってシートの下側へ流れ落ちる。そのため、シート上に水が溜まることが防止される。
なお、請求項2のシートアッセンブリでは、ネットの編目開口又は紐状体同士の間の間隙が通水部であり、請求項3のシートアッセンブリでは水抜き用開口が通水部である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係るプラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置10を備えたプラスチックフィルムハウスの断面図であり、(a)図は天窓閉状態時を示し、(b)図は天窓開状態時を示している。第2図はこの天窓開閉装置の斜視図である。第3図は別の実施の形態に係る天窓開閉装置の斜視図であり、第4図はさらに別の実施の形態に係る天窓開閉装置の斜視図である。第5図は、天窓開閉装置を備えていないビニルハウス(プラスチックフィルムハウス)と本発明の天窓開閉装置を備えたビニルハウスとについて内部の温度変化を測定した結果を示すグラフである。
第1図に示すように、この実施の形態では、プラスチックフィルムハウス1は、アーチ形のフレーム(パイプ)2を複数本所定の間隔にて立設し、これらのフレーム2を取り囲むように合成樹脂シート(プラスチックフィルム)4を張設してなるものである。なお、該合成樹脂シート4は、この実施の形態では、一般的なビニルハウスに用いられる塩化ビニル系樹脂シート又はポリオレフィン系樹脂シートであるが、これに限定されるものではない。該合成樹脂シート4は、要所が複数箇所において各フレーム2に対し固定具やバンド(いずれも図示略)により固定されている。
このプラスチックフィルムハウス1の頂陵状の屋根1rの天頂部1tよりも一半側に天窓(開口)6が形成されている。この実施の形態では、天窓6は、通気性を有する防虫ネット6aにより覆われているが、この防虫ネットはなくてもよい。この天窓6がシート12によって開閉される。このシート12は、上辺が天窓6の高位側の辺縁に固定され、該天窓6の低位側へ拡開することにより該天窓6を覆蓋しうる大きさを有している。天窓(開口)6は、屋根の両側に設けてもよい。
なお、該シート12は、この実施の形態では、プラスチックフィルムハウス1の外殻を構成する合成樹脂シート4と同様の材質よりなるものであるが、該合成樹脂シート4と異なっていてもよい。この実施の形態では、該シート12の上辺は、天窓6の上縁付近の合成樹脂シート4に対し固定具を用いて、あるいは溶着や接着等により結合されているが、これに限定されるものではない。
天窓開閉装置10は、このシート12と、該シート12をその下辺側から巻き取るための巻芯14と、該シート12の下辺と巻芯14とを連結しているネット16と、該巻芯14を屋根1rに沿って天窓6の低位側から高位側並びに高位側から低位側へ転動させる巻芯転動装置(図示略)を備えている。
このシート12と、ネット16と、巻芯16とによってシートアッセンブリが構成されている。
該巻芯14は、屋根1rの棟方向と平行に略水平に延在する円柱状(棒状)又は円筒状のものである。この巻芯14が屋根1rの上面に沿って天窓6の低位側から高位側へ転がり上がることにより、シート12が巻芯14に巻き取られ、天窓6が開放される。また、巻芯14が屋根1rの上面に沿って天窓6の高位側から低位側へ転がり落ちることにより、シート12が巻芯14から巻き出され、天窓6がシート12によって覆蓋される。
この巻芯14の材質は特に限定されるものではないが、例えば鉄管等を用いることができる。また、この巻芯14の直径は、シート12の巻き取り及び巻き出しをスムーズに行うことができる大きさであればよく、特に限定されるものではないが、5〜50mm程度であることが好ましい。
この実施の形態では、シート12はネット16を介して巻芯14に連結されている。即ち、シート12の下辺にネット16の上辺が結合され、ネット16の下辺が巻芯14に結合されている。なお、この実施の形態では、ネット16の上辺とシート12の下辺、並びにネット16の下辺と巻芯14は、それぞれ、接着や溶着等により、あるいはパッカー(固定具)等を用いて結合されているが、これに限定されるものではない。該ネット16は、この実施の形態では、シート12の幅方向(棟方向)一端側から他端側まで連続して(即ち全幅にわたって)設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、シート12の幅方向の一部においてはシート12の下辺を直接的に巻芯14に結合するようにしてもよい。この場合、巻芯に直に連なるシート部分の、巻芯との接続部付近には水抜き用開孔を設けてもよい。
この実施の形態では、天窓6の上辺に沿う天頂部1t付近に、ストッパ18が突設されている。巻芯14がシート12を巻き取りながら該天窓6の高位側へ移動したときに、該巻芯14が該ストッパ18に当接して停止する。この実施の形態では、該ストッパ18は、シート12の上辺を天窓6の上縁部に固定する固定具と一体に設けられているが、該ストッパや固定具の構成はこれに限定されるものではない。また、天窓6の下辺に沿って、シート12を巻き出しつつ該天窓6の低位側へ転がり落ちてきた巻芯14に当接して該巻芯14の移動を停止させるストッパが設けられてもよい。
巻芯転動装置は、例えば回転ハンドルなどの少なくとも巻芯14に回転力を与える装置であればよく、任意の装置を用いることができる。好ましくは、温度感知又は降雨感知センサー付の巻芯転動装置と組合わせる。
かかる構成の天窓開閉装置10の操作手順について次に説明する。
プラスチックフィルムハウス1内の温度を上昇させる場合、又は保温する場合には、シート12が天窓6を覆った状態としておく。
ハウス1内の換気又は温度調節を行う場合には、巻芯転動装置を操作して巻芯14を天窓6の高位側へ転動させ、巻芯14でシート12を巻き取る。これにより、天窓6が開放され、この天窓6を介してハウス1の内外の空気が流通し、ハウス1内の換気や温度調節が行われる。
天窓6を閉鎖する場合には、巻芯転動装置を操作して巻芯14を天窓6の低位側へ転動させる。これにより、シート12が巻芯14から巻き出されて天窓6を覆い、天窓6が閉鎖される。
この天窓開閉装置10にあっては、シート12の下辺はネット16を介して巻芯14に連結されている。そのため、シート12が天窓6を覆った状態において、シート12上に雨等の水が掛った場合、この水は、シート12の下辺側において巻芯14により堰き止められることなく、ネット16の網目を通ってシート12の下側へ流れ落ちる。従って、シート12上に水が溜まることが防止される。また、ネットを使用することにより、シートに水抜き用開孔を設ける場合に比べ、シート強度を低下することがないため、好ましい。
上記の実施の形態では、シート12と巻芯14とをネット16を介して連結しているが、ネット16の代わりに紐状体でシート12と巻芯14とを接続してもよく、ネット16と紐状体とを併用してもよい。
第3図及び第4図はそれぞれ本発明の別の実施の形態に係る天窓開閉装置10A,10B及びそのシートアッセンブリを示す斜視図である。
この天窓開閉装置10A,10Bにおいては、それぞれ、シート12は下辺が巻芯14に対し直接的に連結されており、このシート12の下辺付近に、水抜き用開口として、該シート12を貫通する多数の小孔20(第3図)又はスリット22(第4図)が設けられている。
この天窓開閉装置10A,10Bにあっても、それぞれ、シート12が天窓6を覆った状態においてこのシート12上を雨水等の水が掛った場合、この水は、小孔20又はスリット22を介してシート12の下側へ流れ落ちるので、シート12上に水が溜まることが防止される。
なお、水抜き用開口は、図示の形状に限定されるものではない。
天窓開閉装置のないビニルハウスと本発明の天窓開閉装置を設けたビニルハウス(天窓開放状態)とについて、内部の気温の経時変化を測定した結果の一例を第5図に示す。
このビニルハウスの諸元は次の通りである。
建屋面積 :32.4m2
長手方向長さ:9m
短手方向長さ:3.6m
天頂部高さ :2.3m
天窓開口面積:5.04m2
建屋面積 :32.4m2
長手方向長さ:9m
短手方向長さ:3.6m
天頂部高さ :2.3m
天窓開口面積:5.04m2
第5図の通り、天窓を開放しておくことにより、ビニルハウス内の気温上昇が緩和される。
1 プラスチックフィルムハウス
1r 屋根
6 天窓
10,10A,10B 天窓開閉装置
12 シート
14 巻芯
16 ネット
20 小孔
22 スリット
1r 屋根
6 天窓
10,10A,10B 天窓開閉装置
12 シート
14 巻芯
16 ネット
20 小孔
22 スリット
Claims (4)
- プラスチックフィルムハウスの屋根に設けられた天窓を覆蓋するシートと、該シートを巻き取るための巻芯とを有するシートアッセンブリにおいて、
該シートと巻芯との接続部付近にシート上の水をシート下側に流し落すための通水部を設けたことを特徴とするシートアッセンブリ。 - 請求項1において、該巻芯とシートとはネット又は紐状体を介して連結されていることを特徴とするシートアッセンブリ。
- 請求項1において、該シートの該巻芯との接続部付近に水抜き用開口が設けられていることを特徴とするシートアッセンブリ。
- プラスチックフィルムハウスの下り勾配の屋根に設けられた天窓を開閉するための天窓開閉装置であって、
該天窓開閉装置は、一側辺が該天窓の高位側に固定され、該天窓の低位側まで拡開する大きさを有しているシートと、該シートを該低位側から巻き取るための巻芯とを有するシートアッセンブリを備えてなる天窓開閉装置において、
該シートアッセンブリは、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシートアッセンブリであることを特徴とするプラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004243939A JP2006061018A (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | プラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004243939A JP2006061018A (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | プラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006061018A true JP2006061018A (ja) | 2006-03-09 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2004243939A Pending JP2006061018A (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | プラスチックフィルムハウスの天窓開閉装置及びそのシートアッセンブリ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006061018A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108887032A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-11-27 | 和县中禾农业科技有限公司 | 一种温室大棚保湿排风系统 |
WO2020134089A1 (zh) * | 2018-12-24 | 2020-07-02 | 浙江大学 | 一种温室内帘幕及控制方法 |
-
2004
- 2004-08-24 JP JP2004243939A patent/JP2006061018A/ja active Pending
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