JP2006060894A - 圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型 - Google Patents

圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型 Download PDF

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和弘 広瀬
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佐藤  淳
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康浩 遠藤
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良治 水谷
Kazutaka Tatematsu
和高 立松
Kenji Harada
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Abstract

【課題】 コイルの銅線内部における渦電流損を抑制し、かつコイルの変形や絶縁被膜の破損を防止できる圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型を提供する。
【解決手段】 圧粉磁心部品10の製造方法は、リング状のコイル6をダイ52内において割型51に接して配置する工程と、コイル6が配置されたダイ52内に軟磁性粉末5aを充填し加圧成形することによって、リング状のコイル6内に挿通されて延びるティース部2と、ティース部2の一方端にて周方向に張り出した鍔部3と、ティース部2の他方端にて周方向に延在するヨーク部4とを形成する工程とを備え、割型51により、コイル6の鍔部側端面6aと鍔部3との間に空隙Vをが形成することを特徴とするものである。
【選択図】 図12

Description

この発明は、一般的には、圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型に関し、より特定的には、複数個が周方向に配列されて圧粉磁心を形成する圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型に関する。
従来、電動機のステータコアなどとして用いられる磁心は、複数枚の電磁鋼板材を積層し、その積層体にコイルを巻き付けることによって作製されている。しかしこの場合、コイルを巻き付ける手間が生じる上、電磁鋼板材のばりにコイルが接触し、コイルが損傷するおそれが生じる。また、電磁鋼板材の特性上、コイルを巻き付ける部分のコーナー部を湾曲させることができない。このため、コイルが有する線径により、コイルが大きなオーバーハングを持った状態に巻き付けられるという問題が生じる。
そこでこのような問題を解決すべく、電動機のステータコアなどとして用いられる磁心を、軟磁性粉末の成形体から作製することが行なわれている。これに関して、たとえば特表2003−507991号公報には、電気機械の電機子セグメントを製造する方法が開示されている(特許文献1)。
図18および図19は、特許文献1に開示された電機子セグメントを製造する方法の工程を示す断面図である。図18を参照して、銅線を複数回、螺旋状に巻いてコイル106を作製し、そのコイル106を予備圧縮する。次に、コイル106をダイ121の成形用凹部に設置する。コイル106が設置された成形用凹部に強磁性粒子を充填し、コイル106とともに強磁性粒子を加圧成形する。これにより、図19に示すコイル106とコア部分102とを含む電機子セグメント110を形成する。その後、複数個の電機子セグメント110を組み立てて、電機子を完成させる。
特表2003−507991号公報
しかし、特許文献1に開示された製造方法では、図19に示すようにコイル106の鍔部側端面106aに鍔部103が当接している。このため、鍔部103から漏れた磁束(漏れ磁束)Jは、鍔部103とコイル106との当接面からコイル106内に入りやすい。この場合には、漏れ磁束Jの影響によりコイル106に渦電流が発生して、コイル106の銅線内部の渦電流損が生じ、電機子としての性能が劣化する。
また成形時にコイル106の鍔部側端面106aを粉末で受けているため、圧縮時の粉末からコイル106に力が加えられてコイル106が変形する。またコイル106の表面と粉末との摩擦によりコイルの絶縁被膜が破損する。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、コイルの銅線内部における渦電流損を抑制し、かつコイルの変形や絶縁被膜の破損を防止できる圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型を提供することである。
この発明に従った圧粉磁心部品は、複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品であって、周方向に延在し、複数個の圧粉磁心部品を周方向に配列した場合に環状に連なるヨーク部と、ヨーク部からヨーク部の半径方向に突出するティース部と、ティース部の突出側先端にて周方向に張り出した鍔部と、ティース部に組み付けられたコイルとを備え、コイルの鍔部側の端面と鍔部との間には空隙が存在していることを特徴とするものである。そして、割型を挿入した状態で成形することにより、空隙とコイル組み付け部との境目のティース部には段差が形成され易い。
この発明に従った圧粉磁心部品の製造方法は、複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品の製造方法であって、リング状のコイルをダイ内において割型に接して配置する工程と、コイルが配置されたダイ内に軟磁性粉末を充填し加圧成形することによって、リング状のコイル内に挿通されて延びるティース部と、ティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部と、ティース部の他方端にて周方向に延在するヨーク部とを形成する工程とを備え、割型により、コイルの鍔部側の端面と鍔部との間に空隙を形成することを特徴とするものである。
この発明に従った圧粉磁心部品およびその製造方法によれば、割型によりコイルの鍔部側の端面と鍔部との間に空隙が形成されるため、コイルと鍔部とは直接接していない。鍔部の透磁率はその空隙における空気の透磁率よりも極めて大きいため、鍔部に延びた磁束は鍔部からその空隙部へ漏れ難くなり、コイルへ入り難くなる。このため、漏れ磁束の影響によりコイルの銅線内部に渦電流損が生じることを抑制することができる。
またコイルはダイ内で割型に接するように配置されるため、割型に接するコイルの面は、ダイ内に充填された軟磁性粉末に接することはない。よって、成形時に割型に接するコイルの面が軟磁性粉末から力を受けて変形することを防止することができる。
また割型に接するコイルの面が、ダイ内に充填された軟磁性粉末に接することがないため、割型に接するコイルの面においてはコイルと軟磁性粉末との摩擦によりコイルの絶縁被膜が破損することもない。
この発明に従った圧粉磁心は、上記の圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続して形成されたことを特徴とするものである。
この発明に従った圧粉磁心の製造方法は、上記の圧粉磁心部品の製造方法により製造された圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続することを特徴とするものである。
この発明に従った圧粉磁心およびその製造方法によれば、コイルの銅線内部における渦電流損を抑制でき、かつコイルの変形や絶縁被膜の破損を防止できる圧粉磁心部品を用いて製造できるため、性能の優れた圧粉磁心を製造することができる。
この発明に従った成形型は、複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品の製造するための成形型であって、リング状のコイルと軟磁性粉末とを充填するための孔を有するダイと、ダイの孔の壁面から孔内に突出可能に配置され、孔内に突出した状態でコイルの端面に接触可能な割型とを備え、孔内において割型に接するようにコイルを配置するとともに孔内に軟磁性粉末を充填して加圧成形することによって、リング状のコイル内に挿通されて延びるティース部と、ティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部と、ティース部の他方端にて周方向に延在するヨーク部とを形成するように構成されたことを特徴とするものである。
この発明に従った成形型によれば、割型によりコイルの鍔部側の端面と鍔部との間に空隙が形成されるため、コイルと鍔部とは直接接していない。鍔部の透磁率はその空隙における空気の透磁率よりも極めて大きいため、鍔部に延びた磁束は鍔部からその空隙部へ漏れ難くなり、コイルへ入り難くなる。このため、漏れ磁束の影響によりコイルの銅線内部に渦電流損が生じることを抑制することができる。
また割型はダイの孔に対して突出可能に設けられているため、成形が完了した後には、割型を孔に突出しないように収容することで成形品を容易にダイ内から取り出すことができる。
またコイルはダイ内で割型に接するように配置されるため、割型に接するコイルの面は、ダイ内に充填された軟磁性粉末に接することはない。よって、成形時に割型に接するコイルの面が軟磁性粉末から力を受けて変形することを防止することができる。
また割型に接するコイルの面が、ダイ内に充填された軟磁性粉末に接することがないため、割型に接するコイルの面においてはコイルと軟磁性粉末との摩擦によりコイルの絶縁被膜が破損することもない。
以上説明したように、この発明に従えば、コイルの銅線内部における渦電流損を抑制し、かつコイルの変形や絶縁被膜の破損を防止できる圧粉磁心部品およびその製造方法、圧粉磁心およびその製造方法、ならびに成形型を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態におけるステータコアを有する電動機の正面図である。また図2および図3は図1の領域Rを拡大して示す図である。
図1を参照して、電動機1は、リング状のステータコア15と、ステータコア15の内周側に配置された円柱状のローターコア11とを備えている。ローターコア11は、中心部に回転軸13を有している。ローターコア11が回転軸13を中心に回転することによって、電動機1から回転運動が出力される。ローターコア11の周縁には、所定の角度ごとに永久磁石12が埋め込まれている。
ステータコア15は、複数の軟磁性粒子が互いに接合されることによって形成されている。ステータコア15は、複数個のステータコア部品5を周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続することによって構成されている。つまり、ステータコア部品5は、リング状に延在するステータコア15を所定の角度ごとに分割した分割体の1つによって構成されている。複数個のステータコア部品5を互いに接続する手段は、たとえば、ステータコア部品5に成形され、互いに嵌め合わされる凹凸部分であっても良いし、リング部材への焼き嵌めであっても良い。
ステータコア部品5は、周方向に延在するヨーク部4と、ヨーク部4からヨーク部4の半径方向内周側に突出するティース部2と、ティース部2の内周側において周方向に張り出した鍔部3とを有している。鍔部3は、ローターコア11の外周面に向い合って位置している。複数個のステータコア部品5をステータコア15とした場合に、ヨーク部4は、ローターコア11の回転中心を中心として環状に延在する。
ティース部2の周りには、コイル6が設けられている。コイル6は、絶縁被膜によって覆われた螺旋状に延びる導線によって形成されている。導線は、ティース部2の表面から離れる方向に多層に巻かれている。導線は、たとえば銅から形成されており、その直径は、0.3mmから3mm程度である。絶縁被膜は、たとえば一般的なエナメル(琺瑯)から形成されており、その厚みは30μm程度である。
このコイル6とステータコア部品5とにより圧粉磁心部品10が構成されている。
コイル6の鍔部側の端面6aは鍔部3よりも周方向に広がっている(つまり周方向に突き出している)。またコイル6の鍔部側の端面6aと鍔部3との間には空隙Vが存在しており、コイル6の鍔部側の端面6aと鍔部3とは直接接していない。
図2を参照して、ティース部2のコイル組み付け部2aと該空隙Vに面する部分2bとの境目(領域S1)には段差が形成されている。この段差により、ティースとコイルの位置決めが容易となる。この段差は、コイル組み付け部2aが空隙Vに面する部分2bよりも後退することにより構成されていてもよい。また図3に示すように、この段差は、コイル組み付け部2aが空隙Vに面する部分2bよりも突出することにより構成されていてもよい。この段差により、コイル固定用の非磁性治具を嵌める場合であっても、位置あわせが容易となる。
図4は、図1中のステータコアの表面に観察される組織を拡大して示した模式図である。図4を参照して、ステータコア部品5を構成する複数の軟磁性粒子23は、金属磁性粒子21と、金属磁性粒子21の表面を取り囲む絶縁被膜22とを有する。複数の軟磁性粒子23の間には、有機物24が介在している。軟磁性粒子23の各々は、有機物24によって接合されていたり、軟磁性粒子23が有する凹凸の噛み合わせによって接合されている。
金属磁性粒子21は、たとえば、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金および鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金などから形成することができる。金属磁性粒子21は、金属単体でも合金でもよい。
絶縁被膜22は、たとえば、金属磁性粒子21をリン酸処理することによって形成されている。また好ましくは、絶縁被膜22は、酸化物を含有する。この酸化物を含有する絶縁被膜22としては、リンと鉄とを含むリン酸鉄の他、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの酸化物絶縁体を使用することができる。絶縁被膜22は、図中に示すように1層に形成されていても良いし、多層に形成されていても良い。
絶縁被膜22は、金属磁性粒子21間の絶縁層として機能する。金属磁性粒子21を絶縁被膜22で覆うことによって、ステータコア15の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、金属磁性粒子21間に渦電流が流れるのを抑制して、渦電流に起因する鉄損を低減させることができる。
有機物24としては、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンまたは高分子量ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂や、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリイミドなどの非熱可塑性樹脂や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸リチウムまたはオレイン酸カルシウムなどの高級脂肪酸を用いることができる。また、これらを互いに混合して用いることもできる。なお、高分子量ポリエチレンとは、分子量が10万以上のポリエチレンをいう。
有機物24は、複数の軟磁性粒子23の間を強固に接合して、ステータコア15の強度を向上させる。また、有機物24は、ステータコア15を得るための加圧成形時に潤滑剤として機能する。これにより、軟磁性粒子23同士が擦れ合って、絶縁被膜22が破壊されることを防止する。
次に、本実施の形態におけるステータコアを製造するための成形型について説明する。
図5はこの発明の一実施の形態におけるステータコアを製造するための成形型の構成を示す平面図である。また図6および図7は図5のVI−VI線およびVII−VII線に沿う概略断面図である。
図5〜図7を参照して、成形型は、割型51と、ダイ52と、下パンチ53と、上パンチ54とを有している。ダイ52は、互いに連結した孔52a、52bを有している。孔52aはコイルを配置する部分であるとともに、ティース部とヨーク部とを形成する部分である。また孔52bは鍔部を形成する部分である。この孔52aと孔52bとの間に、割型51が配置されている。割型51は図6中横方向に移動可能(スライド可能)であり、その移動により孔52a、52b内へ突出可能であり、かつ孔52a、52b内に突出しないようにダイ52内に収容可能である。下パンチ53は孔52b内へ挿入可能なように、また上パンチ54は孔52a内に挿入可能なように構成されている。
上記においては2個の割型51を用いた構成について説明したが、割型は3個以上用いられてもよい。
図8は割型を4個用いた成形型の構成を概略的に示す平面図であり、図9は図8のIX−IX線に沿う概略断面図である。図8および図9を参照して、この構成では4個の割型51、55が用いられており、ダイ52内に充填された軟磁性粉末は2つの割型51、51により周方向から挟まれるだけでなく、残り2つの割型55、55により軸方向からも挟まれる。なお、図8におけるVI−VI線に沿う断面構造は図6に示す構成と同じである。
次に、上記の成形型を用いた本実施の形態におけるステータコアの製造方法について説明する。
図10〜図13は、この発明の一実施の形態におけるステータコアの製造方法を工程順に示す概略断面図である。図10を参照して、リング状のコイル6を作製する。コイル6は、絶縁被膜によって覆われた導線を用いて、螺旋状に形成される。導線は、たとえば銅から形成されており、その直径は、0.3mmから3mm程度である。絶縁被膜は、たとえば一般的なエナメル(琺瑯)から形成されており、その厚みは30μm程度である。
コイル6の作製に関してより詳細に述べると、コイル6が形成される螺旋状の形状には、ステータコア15の半径方向からコイル6を見た場合の形状が円形のもののみならず、楕円形や矩形のものも含まれる。また、導線の巻き方は、整列巻きおよび乱巻きのいずれであっても良い。
図14(a)〜(c)は、コイルの各種形態を示す斜視図である。たとえば、導線として平角型のものを用いた場合、図14(a)および(b)にそれぞれ示すように、エッジワイズ巻きコイルおよびフラットワイズ巻きコイルのいずれを利用することもできる。図14(a)に示すエッジワイズ巻きコイルの場合、導線31の端末は、コイルの上下端に引き出される。図14(b)に示すフラットワイズ巻きコイルの場合、平角型の導線32を折り返しておき、折り返した位置を内周端として導線32を巻回することで、導線32の両端末を外周側に引き出すことができる。さらに、図14(c)に示すように、丸線状の導線33による乱巻きコイルを利用することもできる。この場合、導線33の巻回が容易で、導線33の端末を所望の位置から引き出すことができる。
このコイル6に、保護層(WAX)モールド工程が実施されてもよい。これにより、コイル6の表面に保護層(図示せず)が形成される。この保護層は、後述するコイル組み付け後の加圧成形時におけるコイルの変形を防止するためのものである。この保護層はコイル6の少なくとも鍔部側の端面6aに形成される。また、保護層は、鍔部側端面6a以外に、コイル6のヨーク部側端面、内周面および外周面の少なくとも1面以上に形成されることが好ましく、コイル6の全表面に形成されることがさらに好ましい。また、保護層は、上述したように、たとえば樹脂、ロウ、セラミックスシート、紙、および樹脂シートのそれぞれの単独よりなっていてもよく、またこれらの任意の組合せよりなっていてもよい。
このように作成されたリング状のコイル6が、ダイ52の孔52a内に配置される。この際、割型51はダイ52の孔52a内に突出した状態となっており、コイル6は、その端面6aが割型51、51の突出した部分に接するようにセッティングされる。この後、図4中に示す軟磁性粒子23と有機物24とを混合した軟磁性粉末5aがダイの孔52a、52b内に充填される。この状態において、コイル6の端面6aの全面もしくは大部分が割型51に接しているため、その端面6aは軟磁性粉末5aと全くまたはほとんど接しない。
図11を参照して、ダイの孔52a、52b内に充填された軟磁性粉末5aが、下パンチ53と上パンチ54とにより、たとえば700MPaから1500MPaまでの圧力で加圧成形されて圧縮される。この際、加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって軟磁性粉末5aが酸化されるのを抑制できる。
図12を参照して、上記の加圧成形によって、軟磁性粉末5aが成形されて、ティース部2と、そのティース部2の一方端において周方向に張り出した鍔部3と、そのティース部2の他方端において周方向に延在するヨーク部4とが一体に形成されたステータコア部品5が形成される。また同時に、ステータコア部品5と、そのステータコア部品5のティース部2に組み付けられたコイル6とを有する圧粉磁心部品10が形成される。
このようにして形成された圧粉磁心部品10がダイ52の孔52a、52b内から取り出される。この際、割型51が孔52a、52b内に突出しないように図中横方向にスライドすることでダイ52内に収容される。なお上記の加圧成形時にはコイル6の端面6aが割型51に接しているため、その端面6aと鍔部3との間には空隙が形成される。
図13を参照して、複数個の圧粉磁心部品10が周方向に配列して接続されることによって、コイル6を備えたステータコア15が形成される。
最後に、焼鈍工程が実施される。この際、先の工程で得られたステータコア15を、軟磁性粉末5aに設けられた絶縁被膜22の熱分解温度およびコイル6に設けられた絶縁被膜の熱分解温度のうち低い方の温度未満で熱処理が行なわれる。たとえば、軟磁性粉末5aに設けられた絶縁被膜22およびコイル6に設けられた絶縁被膜がそれぞれ、リン酸被膜およびエナメルから形成されている場合には、エナメルの熱分解温度である180℃未満の温度で1時間以上、熱処理が行なわれる。
この熱処理によって、軟磁性粉末5aおよびコイル6のいずれに設けられた絶縁被膜も劣化させることなく、ステータコア15の内部に存在する内部応力や歪みを緩和することができる。これにより、ステータコア15の磁気的特性を向上させることができる。以上に説明した工程により、図1中に示すステータコア15が完成する。
なお上記の保護層(WAX)モールド工程で形成された保護層(図示せず)は、その材質によっては、上記の焼鈍工程における加熱や電動機使用時の発熱により溶け出す場合があり、この場合には保護層はコイル6の表面に残らない。しかし、セラミックスシートのような材質を用いれば、保護層は上記の焼鈍工程における加熱や電動機使用時の発熱によっても溶け出さず残っている。
この実施の形態によれば、割型51によりコイル6の鍔部3側の端面6aと鍔部3との間に空隙Vが形成されるため、コイル6と鍔部3とは直接接していない。鍔部3の透磁率(たとえばμ=500)はその空隙Vにおける空気の透磁率(μ=1)よりも極めて大きい。このため、図15に示すようにたとえばティース部2から鍔部3に延びた磁束Jは鍔部3からその空隙Vへ漏れ難くなり、鍔部3の周方向先端3aまで鍔部3内を延びることになるためコイル6へ入り難くなる。また仮に鍔部3から空隙Vへ磁束が漏れても、鍔部3にコイル6が直接接しているわけではないため、この点においても従来例よりも磁束Jはコイル6に入り難くなる。よって、漏れ磁束の影響によりコイル6の銅線内部に渦電流損が生じることを抑制することができる。
またコイル6はダイ52内で割型51に接するように配置されるため、割型51に接するコイル6の面は、ダイ52内に充填された軟磁性粉末5aに完全に接していないか、またはほとんど接していない。よって、成形時に割型51に接するコイル6の面が軟磁性粉末5aから力を受けて変形することを防止できる。
また割型51に接するコイル6の面が、ダイ52内に充填された軟磁性粉末5aに完全に接していないか、またはほとんど接していないため、割型51に接するコイル6の面においてはコイル6と軟磁性粉末5aとの摩擦によりコイル6の絶縁被膜が破損することもない。
また割型51により鍔部3の形状を任意に制御することも可能となる。
また割型51はスライドさせることによりダイ52の孔52a、52bに対して突出させたり、または突出しないようにダイ52内に収容したりできる。このため、成形時には割型51を孔52a、52bに対して突出させることでコイル6の端面6aを受けるようにし、かつ成形終了後には割型51をダイ52内に収容することで成形品(圧粉磁心部品10)を容易にダイ52内から取り出すことができる。
なお成形品(圧粉磁心部品10)をダイ52内から取り出すにあたっては、加圧成形時のニュートラルゾーン(加圧成形時における加圧力の最も小さいところであって、上下パンチによる加圧力のバランスの取れたところ)を適切に制御する必要がある。
仮に図16に示すようにニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)が割型51よりも上パンチ側に位置しているときには、割型51の上パンチ側よりも下パンチ側のほうが加圧力が大きくなるため、割型51はその加圧力の差により上パンチ側へ変形する。また仮に図17に示すようにニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)が割型51よりも下パンチ側に位置しているときには、割型51の下パンチ側よりも上パンチ側のほうが加圧力が大きくなるため、割型51はその加圧力の差により下パンチ側へ変形する。このように割型51が変形した場合には、加圧成形終了後に割型51をスライドさせてダイ52内へ収容することができなくなり、結果的に成形品(圧粉磁心部品10)をダイ52内から取り出すことができなくなる。
そこで、図11に示すように割型51の厚みの範囲内Dにニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)が位置するように制御する必要がある。特に、割型51の厚みDの中間位置にニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)が位置することが好ましい。このようにニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)を制御すれば、割型51の上パンチ54側の加圧力と下パンチ53側の加圧力とをほぼ同じにすることができるため、割型51の変形を防止することができる。
このようなニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)の制御は、たとえば下パンチ53の速度と上パンチ54の速度とを制御することにより可能である。具体的には、図10を参照して、ダイ52内に充填した軟磁性粉末5aを上下パンチで押し固める前の状態において、割型51の上パンチ側表面から軟磁性粉末5aの上パンチ側充填面までの距離をL1a、割型51の上パンチ側表面から軟磁性粉末5aの下パンチ側充填面までの距離をL1b、割型51の下パンチ側表面から軟磁性粉末5aの上パンチ側充填面までの距離をL2a、割型51の下パンチ側表面から軟磁性粉末5aの下パンチ側充填面までの距離をL2bとしたとき、
L1b/L1a≧下パンチ速度/上パンチ速度≧L2b/L2a
の関係を満たすように下パンチ53の速度と上パンチ54の速度とを制御することによりニュートラルゾーン(一点鎖線N−N)を上記の位置に制御することが可能である。
また上記の下パンチ速度および上パンチ速度はともにダイ52に対する相対的な速度である。このため、ダイ52を固定して下パンチ53と上パンチ54とを動かすようにしてもよく、また下パンチ53を固定してダイ52と上パンチ54とを動かすようにしてもよい。また下パンチ53をダイ52に対して固定してもよく、この場合には図10における寸法L2bは0(ゼロ)となる。
なお、上記においては図1に示すようにローターコア11がステーターコア15の内周側に位置するインナーロータの構成について説明したが、この発明はローターコアがステーターコアの外周側に位置するアウターロータの構成にも同様に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の一実施の形態におけるステータコアを有する電動機の正面図である。 図1の領域Rの構成を拡大して示す図である。 図1の領域Rの他の構成を拡大して示す図である。 図1中のステータコアの表面に観察される組織を拡大して示した模式図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアを製造するための成形型の構成を示す平面図である。 図5のVI−VI線に沿う概略断面図である。 図5のVII−VII線に沿う概略断面図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアを製造するための成形型の他の構成を示す平面図である。 図8のIX−IX線に沿う概略断面図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアの製造方法の第1工程を示す概略断面図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアの製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアの製造方法の第3工程を示す概略断面図である。 この発明の一実施の形態におけるステータコアの製造方法の第4工程を示す概略断面図である。 コイルの各種形態を示す斜視図であり、(a)はエッジワイズ巻きコイル、(b)はフラットワイズ巻きコイル、(c)は乱巻きコイルを示す。 この発明の一実施の形態におけるステータコアにおいて磁束が空隙中へ漏れ難いことを説明するための図である。 ニュートラルゾーンが割型よりも上パンチ側にあるときの問題を説明するための図である。 ニュートラルゾーンが割型よりも下パンチ側にあるときの問題を説明するための図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントの製造方法における問題を説明するための第1の図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントの製造方法における問題を説明するための第2の図である。
符号の説明
1 電動機、2 ティース部、2a コイル組み付け部、2b 空隙に面する部分、3a 周方向先端、3 鍔部、4 ヨーク部、5 ステータコア部品、5a 軟磁性粉末、6 コイル、6a 鍔部側端面、10 圧粉磁心部品、11 ローターコア、12 永久磁石、13 回転軸、15 ステータコア、21 金属磁性粒子、22 絶縁被膜、23 軟磁性粒子、24 有機物、31,32,33 導線、51,55 割型、52 ダイ、52a,52b 孔、53 下パンチ、54 上パンチ。

Claims (6)

  1. 複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品であって、
    周方向に延在し、複数個の圧粉磁心部品を周方向に配列した場合に環状に連なるヨーク部と、
    前記ヨーク部から前記ヨーク部の半径方向に突出するティース部と、
    前記ティース部の突出側先端にて周方向に張り出した鍔部と、
    前記ティース部に組み付けられたコイルとを備え、
    前記コイルの前記鍔部側の端面と前記鍔部との間には空隙が存在する、圧粉磁心部品。
  2. 前記空隙と前記コイル組み付け部との境目の前記ティース部には段差が形成されている、請求項1に記載の圧粉磁心部品。
  3. 請求項1または2に記載の圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続して形成された、圧粉磁心。
  4. 複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品の製造方法であって、
    リング状のコイルをダイ内において割型に接して配置する工程と、
    前記コイルが配置された前記ダイ内に軟磁性粉末を充填し加圧成形することによって、リング状の前記コイル内に挿通されて延びるティース部と、前記ティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部と、前記ティース部の他方端にて周方向に延在するヨーク部とを形成する工程とを備え、
    前記割型により、前記コイルの前記鍔部側の端面と前記鍔部との間に空隙が形成される、圧粉磁心部品の製造方法。
  5. 請求項4に記載の圧粉磁心部品の製造方法により製造された圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続する、圧粉磁心の製造方法。
  6. 複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品を製造するための成形型であって、
    リング状のコイルと軟磁性粉末とを充填するための孔を有するダイと、
    前記ダイの前記孔の壁面から前記孔内に突出可能に配置され、前記孔内に突出した状態で前記コイルの端面に接触可能な割型とを備え、
    前記孔内において前記割型に接するように前記コイルを配置するとともに前記孔内に軟磁性粉末を充填して加圧成形することによって、リング状の前記コイル内に挿通されて延びるティース部と、前記ティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部と、前記ティース部の他方端にて周方向に延在するヨーク部とを形成するように構成された、成形型。
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