JP2006060498A - 干渉キャンセラ及び当該干渉キャンセラを用いる中継装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数のアレー素子で構成されるアレー受信手段1のアレーアンテナによって受信されて出力されたアレー素子数分のOFDM信号に対してそれぞれアレー合成用フィルタ手段2の適応フィルタによるフィルタ処理を施し、それらの出力をアレー合成手段3により合成したアレー合成信号と、出力信号に帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタによるフィルタ処理を施して作成した帰還信号とを帰還信号合成手段4により合成して出力信号を生成する。帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタのフィルタ係数は、回り込み波のキャンセル残差をIFFTすること等により生成される。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第1の構成を示すブロック図である。この干渉キャンセラは、それぞれの信号処理系(以下、ブランチと云う)#0〜#(L−1)におけるアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信してアレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段1と、このアレー受信手段1が出力するそれぞれの受信OFDM信号に対してフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1と、これらの各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1が出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段3と、このアレー合成手段3が出力するアレー合成信号と後述する帰還信号とを逆相合成して出力する帰還信号合成手段4と、この帰還信号合成手段4が出力する信号を2分配し、一方の分配出力を当該干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段5と、この分配手段5の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段6と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び前記帰還信号生成用フィルタ手段6のフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段7とによって構成される。
図1を参照して、アレー受信手段1のアレーアンテナを構成するL本のアンテナが各OFDM信号xl(n)を受信すると、アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1の適応フィルタHlは、それらのOFDM信号xl(n)にそれぞれフィルタ処理を施し、その後、アレー合成手段3は、フィルタ処理後の各信号をアレー合成する。そして、帰還信号合成手段4は、このアレー合成された信号と、帰還ループを形成する帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLの出力信号(帰還信号)とを逆相合成(減算)し、分配手段5を経て当該干渉キャンセラの出力信号y(n)として外部に出力する。ただし、帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLにはy(n)が入力される。
ここで、Nf,Nbはそれぞれアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び帰還信号生成用フィルタ手段6の各適応フィルタH0〜Lのフィルタ長を示す。また本干渉キャンセラを用いた中継装置においては、外部に出力された信号y(n)は周波数変換及び増幅処理した後に送信されるので、以下では本干渉キャンセラの出力信号y(n)を送信信号とも称する。
図3に、アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第1の方法を示す。これは、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。尚、図3のフィルタ係数制御手段7−1は、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのものである。実際は、フィルタ係数制御手段7は、フィルタ係数制御手段7−1と、後述する図7及び図8に示す、帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7−11,7−12のいずれかとを組み合せたものである。これは、後述する図4〜6においても同じである。
uk=[uk,0uk,1…uk,L-1]T (2)
wk=[wk,0wk,1…wk,L-1]T (3)
である。この重み係数wkをSPが伝送される全てのサブキャリアについて算出する。フィルタ係数算出部730〜73L−1は、算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
xk=[xk,0xk,1…xk,L-1]T (4)
fk=[fk,0fk,1…fk,L-1]T (5)
gk=[gk,0gk,1…gk,L-1]T (6)
図7に、帰還信号生成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第1の方法を示す。これは、図1に示した帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。尚、図7のフィルタ係数制御手段7−11は、図1に示した帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのものである。
次に、図3〜6に示したアレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段7−1〜7−4における重み係数算出部72a〜72cによる重み係数の算出法について説明する。図9に、アレー合成用重み係数算出の第1の方法を示す。これは図3に示したフィルタ係数制御手段7−1における重み係数算出部72aにおいて用いられるものである。図9を参照して、誤差算出段721は、送信SP信号(図7に示したSP抽出部71Lにより抽出されたSP信号)を基準SP信号発生段720によって発生される予め決められた振幅及び位相を有する基準SP信号から減算器により減算して誤差を求める。演算段722−1は、この誤差が最小となる各受信SP信号(図3に示したSP抽出部710〜71L−1により抽出されたSP信号)に対する重み係数を最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)により算出して出力する。
ここで、E[]は期待値、rud=E[ud*]、Ruu=E[uuH]である。上付きの*は複素共役を示す。式(9)の評価関数Jを最小にするwは次式を満足する。
式(10)により、最適重み係数は次式で与えられる。
wopt=Ruu -1rud (11)
このように、図3に示すように、重み係数算出部72aは、SP抽出部710〜71L−1により抽出されたL個のSP信号(当該SP信号をベクトル表記した式(2)uk)により、重み係数wkを求めることができる。
w(n+1)=w(n)+ue* (12)
ここで、kはゲインベクトル、P(n)は相関逆行列、λは忘却係数である。LMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムは公知の手法であるため説明を省略する。
z=wHf (16)
誤差eは出力zと参照信号dとの差で与えられる。ここで、参照信号とは無歪み応答(1+0j)を示す。
e=d−wHf (17)
ここで、E[]は期待値、rfd=E[fd*]、Rff=E[ffH]を示す。式(18)の評価関数Jを最小にするwは次式を満足する。
式(19)により、最適重み係数は次式で与えられる。
wopt=Rff -1rfd (20)
このように、図5及び図6に示すように、重み係数算出部72cは、伝送路応答算出部740〜74L−1により算出されたL個の伝送路応答(当該伝送路応答をベクトル表記した式(5)fkあるいは式(6)gk)により、重み係数wkを求めることができる。
w(n+1)=w(n)+ue* (21)
次に、帰還信号生成用フィルタ手段6の最適フィルタHLのフィルタ係数hL(n)の算出にあたり、図7及び図8に示したフィルタ係数制御手段7−11,7−12において、伝送路応答を用いることができる原理について説明する。
wL(n+1)=wL(n)+μ(1−1/fL) (30)
ここで、μは適応係数を示す。
図12に、キャリアシンボル生成の方法を示す。これは図3〜8に示したフィルタ係数制御手段7−1〜7−4,7−11,7−12のキャリアシンボル生成部700〜Lにおいて用いられるものである。図12を参照して、キャリアシンボル生成部700〜Lが、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された時間領域OFDM信号または当該干渉キャンセラの出力信号である時間領域OFDM信号を入力すると、ガードインターバル(GI)除去段700は、ガードインターバルを除去し、有効シンボル期間に相当する信号を抽出する。そして、FFT段701は、この有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にフーリエ変換し、周波数領域信号であるキャリアシンボルヘ変換して出力する。
図13に、SP信号から伝送路応答を求める第1の方法を示す。本図の伝送路応答算出部740〜L−1は、図5及び図7に示したフィルタ係数制御手段7−3,7−11の伝送路応答算出段740〜Lに用いられるものである。
図15に、重み係数からアレー合成用適応フィルタのフィルタ係数を算出する方法を示す。これは、図3〜6の各フィルタ係数制御段7−1〜7−4におけるフィルタ係数算出部730〜73L-1にて用いられるものである。ここでは、フィルタ係数算出部730〜73L-1が、重み係数算出部72a〜72cにより算出された重み係数wk,lを入力すると、逆フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)段730は、IFFTを行い、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を出力する。尚、図3に示した第1のフィルタ係数制御においてはSPが伝送されないサブキャリアにおける重み係数を算出しないことに起因して、時間領域信号にイメージング成分が存在するため、これを切り出さないようにするための係数切り出し段731を設けるのが好適である。
図16に、重み係数の第2項(式(29)を参照)から帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数を算出する方法を示す。これは、図7及び図8の各フィルタ係数制御段7−11,7−12におけるフィルタ係数算出部73Lにて用いられるものである。帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数は、式(29)の最適重み係数wk,Lを用いて、図15に示したアレー合成用適応フィルタのフィルタ係数算出部730〜73L-1と同様にして求めることができる。この構成においては、帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数は繰り返し演算により求められる。前述のとおり、式(30)に示す最適重み係数の右辺第2項は、回り込みキャンセル残差を示している。図示しない回り込みキャンセル残差算出部は、回り込みキャンセル残差を算出する。フィルタ係数算出部73Lが、回り込みキャンセル残差を入力すると、IFFT段732は、これをIFFTにより時間領域信号に変換し、係数切り出し段733は、このうち回り込みキャンセル残差の周波数応答を実現するのに十分なフィルタ長分を切り出す。この場合においても、時間領域信号のイメージング成分を切り出さないようにする必要がある。乗算段734は、係数切り出し部733により切り出された回り込み波のキャンセル残差に適応係数μを乗算し、切り出された回り込み波のキャンセル残差に相当するフィルタ係数における雑音成分を抑圧する。また、加算段736は、適応係数が乗算された回り込み波のキャンセル残差に相当するフィルタ係数と、遅延部738により遅延された係数更新の単位時間前のフィルタ係数とを加算し、帰還信号合成用フィルタのフィルタ係数を生成する。
図2に、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第2の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、BPF(Band Pass Filter)8は、アレー合成信号と帰還信号との合成信号にBPF処理を施して送信OFDM信号を出力する。このBPF8は、OFDM信号帯域内ではフラットの特性をもち、帯域外の成分を除去するフィルタであり、これによりOFDM信号帯域外の雑音成分によるループ発振を防ぐことができる。詳細は特開2002−7709号公報を参照されたい。
図18に、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラを用いた中継装置(放送波中継局)の構成を示すブロック図を示す。複数の受信アンテナ101が、親局から送信された希望波(OFDM波)を受信すると、受信フィルタ103は、当該受信信号をフィーダーケーブル102を通して入力し、希望波の周波数帯域外の不要な信号成分を除去する。各受信変換部104は、受信アンテナ101数分の受信フィルタ103により出力された信号をそれぞれ入力し、そのレベルが一定になるようにAGC増幅し、周波数変換してIF信号を生成し、当該IF信号を出力する。このIF信号の中心周波数としては、37.15MHzが一般に用いられる。
2 アレー合成用フィルタ手段
3 アレー合成手段
4 帰還信号合成手段
5 分配手段
6 帰還信号生成用フィルタ手段
7 フィルタ係数制御手段
8 帯域フィルタ(BPF)
70 キャリアシンボル生成部
71 SP抽出部
72 重み係数算出部
73 フィルタ係数算出部
74 伝送路応答算出部
100 干渉キャンセラ
101 受信アンテナ
102 フィーダーケーブル
103 受信フィルタ
104 受信変換部
105 送信変換部
106 PA部
107 送信フィルタ
108 送信アンテナ
700 GI(ガードインターバル)除去段
701 FFT段
720 基準SP信号発生段
721,724,726 誤差算出段
722 最小2乗誤差法による重み係数演算段
723 しきい値判定段
725 基準伝送路応答発生段
730,732 IFFT段
731,733 係数切り出し段
734 乗算段
735,737 非線型処理段
736 加算段
738 遅延段
740 基準SP信号発生段
741,744 除算段
742 内挿補間段
743 しきい値判定段
Claims (5)
- 複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信し、アレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段と、該アレー受信手段の出力するそれぞれの受信OFDM信号にそれぞれ適応フィルタによってフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段と、これらの各アレー合成用フィルタ手段の出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段と、該アレー合成手段の出力するアレー合成信号と帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段と、該帰還信号合成手段の出力する信号を2分配し、一方の分配出力を干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段と、該分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段及び前記帰還信号生成用フィルタ手段における各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備え、
該フィルタ係数制御手段が、干渉キャンセラの出力信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより周波数軸上の送信キャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、予め定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるスキャッターパイロット(SP)を抽出して送信SP信号を出力する送信SP抽出部と、該送信SP抽出部の出力する送信SP信号から当該SP信号を伝送するサブキャリアにおける伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、該送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答から回り込み波のキャンセル残差を算出して出力する回り込みキャンセル残差算出部と、該回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差を逆フーリエ変換(IFFT)することにより前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを有することを特徴とする干渉キャンセラ。 - 前記フィルタ係数制御手段が、送信キャリアシンボル生成部と、送信SP抽出部と、送信信号伝送路応答算出部と、回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有する代わりに、前記送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有することを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
- 前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、予め設定された振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、前記送信SP抽出部の出力する送信SP信号を前記基準SP信号発生段の出力する基準SP信号で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段と、該除算段の出力する送信信号の伝送路応答に内挿補間処理を施して全てのサブキャリアについての送信信号の伝送路応答を求めて出力する内挿補間段とを有し、
前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記内挿補間段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、
前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。 - 前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを前記しきい値判定段の出力する判定値で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段とを有し、
前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記除算段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、
前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする請求項2に記載の干渉キャンセラ。 - 請求項1から4までのいずれか一項に記載の干渉キャンセラを備えたことを特徴とする中継装置。
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