JP2006060498A - 干渉キャンセラ及び当該干渉キャンセラを用いる中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 OFDM方式を用いた地上デジタル放送において放送波中継によるSFNを実現する際の、親局波受信におけるマルチパス波、親局波の信号帯域内に混入する同一チャンネル干渉波、及び送受アンテナ問での電波の回り込み波を除去する干渉キャンセラ、及びそれを用いて親局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供する。
【解決手段】 複数のアレー素子で構成されるアレー受信手段1のアレーアンテナによって受信されて出力されたアレー素子数分のOFDM信号に対してそれぞれアレー合成用フィルタ手段2の適応フィルタによるフィルタ処理を施し、それらの出力をアレー合成手段3により合成したアレー合成信号と、出力信号に帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタによるフィルタ処理を施して作成した帰還信号とを帰還信号合成手段4により合成して出力信号を生成する。帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタのフィルタ係数は、回り込み波のキャンセル残差をIFFTすること等により生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における中継装置に関わり、特にSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)において放送波中継を行う中継局にて、OFDM受信信号に含まれる親局波以外の干渉波成分を除去するための干渉キャンセラ及び当該干渉キャンセラを用いる中継装置に関する。
従来の干渉除去技術としては、フェージング環境における受信特性を向上させマルチパス干渉を除去するダイバーシティ技術、マルチパス干渉及び希望波とは相関のない同一チャンネルの干渉波を除去するアダプティブアレーアンテナ技術、SFN放送波中継局における回り込み干渉を除去する回り込み干渉除去技術等が知られている。
OFDM信号のダイバーシティ受信技術については、様々な学会等にて多数発表されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
また、OFDM信号のアダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置としては、本願の発明者らの発明に係る「OFDM信号合成用受信装置」の特許出願等がある(例えば、特許文献1参照)。
また、回り込みキャンセラとしては、本願の発明者らの発明に係る「回り込みキャンセラ」の特許出願(例えば、特許文献2参照)や学会発表論文(例えば、非特許文献3参照)等がある。
さらに、回り込みキャンセラにアダプティブアレーアンテナを用いたもの(例えば、特許文献3参照)もあり、本願の発明者らの発明に係る「干渉キャンセラ及び回り込みキャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いる中継装置」(特願2004−29387号公報)の特許出願もある。尚、この特許出願は、本出願時に未公開である。
特開2003−174427号公報 特開平11−355160号公報 特開2003−87217号公報 「広帯域信号移動受信用帯域分割型ダイバーシチ合成受信方式の特性」(電子情報通信学会論文誌B−II Vol.J80−B−II No.6 pp.466-474 Jun.1997) 「スペースダイバシティを用いた地上デジタル放送の放送波中継の検討」(映像情報メディア学会技術報告Vol.25 No.31 pp.7−12 BCS2001−11 Mar.2001) 「地上デジタル放送SFNにおける放送波中継用回り込みキャンセラの基礎検討」(映像情報メディア学会誌Vol.54,No.11,pp.1568−1575,2000)
従来のダイバーシティ受信装置やアダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置、または回り込みキャンセラは、いずれも受信信号に含まれる干渉波成分を除去することを目的としたものであるが、いずれもそれぞれ個々の干渉妨害が単独で存在することを前提としている。複数の干渉妨害が同時に存在する場合には、それぞれの干渉妨害の除去装置を単に縦続接続しただけでは互いに影響を及ぼしあうため、収束特性が悪くなるか、または発散してしまうという問題があった。
また、伝送信号の品質劣化の要因として、ダイバーシティ受信装置はフェージングによるC/Nの劣化やマルチパス波を、回り込みキャンセラは送受信アンテナ間の回り込みをそれぞれ想定しており、それ以外の干渉波成分に対する除去効果は少ないか、または全くない。
また、アダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置は、アレーアンテナ入力における希望波と干渉波との到来角度差による位相差を利用することによって干渉波を除去している。そのため、希望波と干渉波との到来角度差が小さい場合には、干渉波の除去効果が小さくなるという問題がある。また、アレー素子数−1に相当する数の到来方向の干渉波しか除去できないという問題もある。回り込み波は多方向から到来するため、アダプティブアレーアンテナでは十分な回り込み波の除去も期待できない。
また、前述の特許文献3に記載されている回り込みキャンセラは、送受アンテナ間の回り込み波を除去するものであり、親局波とは相関のない干渉波をキャンセルするものではない。
さらに、前述の特願2004−29387号公報に記載されている干渉キャンセラは、適応フィルタのフィルタ係数が有限長であることに起因する歪みによって回り込み電力が大きい場合に、動作が不安定になる、または発散してしまうという問題がある。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、OFDM方式を用いた地上デジタル放送において放送波中継によるSFNを実現する際の、親局波受信におけるマルチパス波、親局波の信号帯域内に混入する同一チャンネル干渉波及び送受アンテナ間での電波の回り込み波を除去する干渉キャンセラ、及び当該干渉キャンセラを用いて親局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信し、アレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段と、該アレー受信手段の出力するそれぞれの受信OFDM信号にそれぞれ適応フィルタによってフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段と、これらの各アレー合成用フィルタ手段の出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段と、該アレー合成手段の出力するアレー合成信号と帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段と、該帰還信号合成手段の出力する信号を2分配し、一方の分配出力を干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段と、該分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段及び前記帰還信号生成用フィルタ手段における各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備え、該フィルタ係数制御手段が、干渉キャンセラの出力信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより周波数軸上の送信キャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、予め定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるスキャッターパイロット(SP)を抽出して送信SP信号を出力する送信SP抽出部と、該送信SP抽出部の出力する送信SP信号から当該SP信号を伝送するサブキャリアの伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、該送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答から回り込み波のキャンセル残差を算出して出力する回り込みキャンセル残差算出部と、該回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差を逆フーリエ変換(IFFT)することにより前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを有することを特徴とする干渉キャンセラにある。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の干渉キャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御手段が、送信キャリアシンボル生成部と、送信SP抽出部と、送信信号伝送路応答算出部と、回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有する代わりに、前記送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の干渉キャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、予め設定された振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、前記送信SP抽出部の出力する送信SP信号を前記基準SP信号発生段の出力する基準SP信号で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段と、該除算段の出力する送信信号の伝送路応答に内挿補間処理を施して全てのサブキャリアについての送信信号の伝送路応答を求めて出力する内挿補間段とを有し、前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記内挿補間段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2に記載の干渉キャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを前記しきい値判定段の出力する判定値で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段とを有し、前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記除算段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする。
さらに、請求項5の発明は、請求項1から4までのいずれか一項に記載の干渉キャンセラを備えたことを特徴とする中継装置にある。
以上のように本発明によれば、複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによって受信し、出力されたアレー素子数分のOFDM信号にそれぞれ適応フィルタによるフィルタ処理を施し、合成したアレー合成信号と、出力信号に適応フィルタによるフィルタ処理を施した帰還信号とを合成して出力信号を生成することにより、放送波中継によるSFNを実現する際に、親局波受信におけるマルチパス干渉や送受アンテナ間での電波の回り込み干渉、同一周波数帯域内に受信される干渉を除去することのできる干渉キャンセラ、及びそれを用いることにより親局波を安定かつ良好に中継する中継装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。全図面を通して同様な部分を示すものには同じ番号を付して示してある。
図1は、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第1の構成を示すブロック図である。この干渉キャンセラは、それぞれの信号処理系(以下、ブランチと云う)#0〜#(L−1)におけるアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信してアレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段1と、このアレー受信手段1が出力するそれぞれの受信OFDM信号に対してフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1と、これらの各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1が出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段3と、このアレー合成手段3が出力するアレー合成信号と後述する帰還信号とを逆相合成して出力する帰還信号合成手段4と、この帰還信号合成手段4が出力する信号を2分配し、一方の分配出力を当該干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段5と、この分配手段5の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段6と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び前記帰還信号生成用フィルタ手段6のフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段7とによって構成される。
以下、本発明の動作原理について、前述の干渉キャンセラの各構成手段を用いて説明するが、アレー受信手段1における各アンテナによって受信したOFDM信号に対する周波数変換やA/D、D/A、直交変復調、送受信部といった基本的な部分の構成は省略すると共に、同期再生は十分な精度で実現されているものとする。また、これらは公知の技術であるため説明は省略する。
先ず、各構成手段の説明に入る前に、用語、記号、定義、その他について説明する。地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)方式やDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式においては、図17に示すように、特定のシンボルの特定のサブキャリアが基準信号としてスキャッタードパイロット(Scattered Pilot/ 以下、「SP」という。)に割り当てられている。図17において、SPを黒丸で、データシンボル等その他のキャリアシンボルを白抜きの丸で示している。SPは、その振幅及び位相が予め決められた値であるため、受信側の干渉キャンセラでも同じ信号を生成することができる。
また、以下の説明では、アレー受信手段1を構成するアレーアンテナのアレー素子数をL、任意のアレー素子のブランチに付した番号をl(これはアルファベットの小文字のエルを表す)(0≦l<L)で表し、またOFDM信号を構成するサブキャリアの総数をK、任意のサブキャリアに付した番号であるサブキャリア番号をk(0≦k<K)で表す。各ブランチ及び帰還ループに対応するそれぞれのアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1として用いる適応フィルタをHとし、そのフィルタ係数をhl(n)とする。ただし帰還ループはl=Lに対応する。
〔アダプティブアレーと帰還ループの合成〕
図1を参照して、アレー受信手段1のアレーアンテナを構成するL本のアンテナが各OFDM信号xl(n)を受信すると、アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1の適応フィルタHlは、それらのOFDM信号xl(n)にそれぞれフィルタ処理を施し、その後、アレー合成手段3は、フィルタ処理後の各信号をアレー合成する。そして、帰還信号合成手段4は、このアレー合成された信号と、帰還ループを形成する帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLの出力信号(帰還信号)とを逆相合成(減算)し、分配手段5を経て当該干渉キャンセラの出力信号y(n)として外部に出力する。ただし、帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLにはy(n)が入力される。
上記出力信号y(n)は次式(1)にて表される。
Figure 2006060498

ここで、Nf,Nbはそれぞれアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び帰還信号生成用フィルタ手段6の各適応フィルタH0〜Lのフィルタ長を示す。また本干渉キャンセラを用いた中継装置においては、外部に出力された信号y(n)は周波数変換及び増幅処理した後に送信されるので、以下では本干渉キャンセラの出力信号y(n)を送信信号とも称する。
〔フィルタ係数の制御/アレー合成用適応フィルタ〕
図3に、アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第1の方法を示す。これは、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。尚、図3のフィルタ係数制御手段7−1は、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのものである。実際は、フィルタ係数制御手段7は、フィルタ係数制御手段7−1と、後述する図7及び図8に示す、帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7−11,7−12のいずれかとを組み合せたものである。これは、後述する図4〜6においても同じである。
図3を参照して、フィルタ係数制御手段7−1がアレー受信手段1のアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)を入力すると、キャリアシンボル生成部700〜70L−1は、高速フーリエ変換(以下、FFT(Fast Fourier Transform)という)し、周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,lを生成する。SP抽出部710〜71L−1は、生成されたキャリアシンボルxk,lの中からあらかじめ決められたシンボル番号及びサブキャリア番号のキャリアシンボルによって伝送されるSP(uk,l,0≦l≦L−1)を抽出する。ここで抽出したサブキャリア番号kについてのL個のSP信号を以下のようにベクトル表記する。ただし上付きのTは転置を示す。
k=[uk,0k,1…uk,L-1T (2)
重み係数算出部72aは、このukをもとに重み係数wkを算出する。ここで
k=[wk,0k,1…wk,L-1T (3)
である。この重み係数wkをSPが伝送される全てのサブキャリアについて算出する。フィルタ係数算出部730〜73L−1は、算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
図4に、図1に示したフィルタ係数制御手段7におけるアレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第2の方法を示す。これも、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。
フィルタ係数制御手段7−2がアレー受信手段1のアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)を入力すると、キャリアシンボル生成部700〜70L−1は、FFTを行い、周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,lを生成する。ここで生成したサブキャリア番号kについてのL個のキャリアシンボルを以下のようにベクトル表記する。
k=[xk,0k,1…xk,L-1T (4)
重み係数算出部72bは、このxkをもとに重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。フィルタ係数算出部730〜73L−1は、算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
図5に、図1に示したフィルタ係数制御手段7におけるアレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第3の方法を示す。これも、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。
フィルタ係数制御手段7−3がアレー受信手段1のアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)を入力すると、キャリアシンボル生成部700〜70L−1は、FFTを行い、周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,lを生成する。そして、SP抽出部710〜71L−1は、生成されたキャリアシンボルxk,lの中からあらかじめ決められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSP(uk,l,0≦l≦L−1)を抽出する。そして、伝送路応答算出部740〜74L−1は、この受信SP信号からそれぞれの伝送路応答fk,lを算出する。ここで算出したサブキャリア番号kについてのL個の伝送路応答fk,lを以下のようにベクトル表記する。
k=[fk,0k,1…fk,L-1T (5)
重み係数算出部72cは、このfkをもとに重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。各フィルタ係数算出部730〜73Lは、算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、Hlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
図6に、図1に示したフィルタ係数制御手段7におけるアレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第4の方法を示す。これも、図1に示した各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。
フィルタ係数制御手段7−4がアレー受信手段1のアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)を入力すると、キャリアシンボル生成部700〜70L−1は、FFTを行い、周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,lを生成する。伝送路応答算出部740〜74L−1は、この受信キャリアシンボルxk,lにてそれぞれの周波数応答gk,lを求める。ここで算出したサブキャリア番号kについてのL個の伝送路応答を以下のようにベクトル表記する。
k=[gk,0k,1…gk,L-1T (6)
重み係数算出部72cは、このgkをもとに重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。フィルタ係数算出部73o〜73L−1は、算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、Hlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
〔フィルタ係数の制御/帰還信号生成用適応フィルタ〕
図7に、帰還信号生成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御の第1の方法を示す。これは、図1に示した帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである。尚、図7のフィルタ係数制御手段7−11は、図1に示した帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのものである。
図7を参照して、フィルタ係数制御手段7−11が送信信号y(n)を入力すると、キャリアシンボル生成部70は、FFTを行い、周波数領域信号であるキャリアシンボルyを生成する。SP抽出部71は、生成されたキャリアシンボルyの中から予め決められたシンボル番号及びサブキャリア番号のキャリアシンボルによって伝送されるSP(uk,L)を抽出する。伝送路応答算出部74は、この送信SP信号からそれぞれの伝送路応答fk,L(0≦k<K)を求める。この伝送路応答fk,Lをもとに、回り込み伝搬路の推定を行う。フィルタ係数算出部73は、推定された全てのサブキャリアにおける回り込み伝搬路特性から、帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHのフィルタ係数h(n)を算出する。
図8に、図1に示したフィルタ係数制御手段7における帰還信号生成用ファイルのためのフィルタ係数制御の第2の方法を示す。この方法では、フィルタ係数制御手段7−12の伝送路応答算出部74が伝送路応答を求める際に、後述する図14に示すように、送信キャリアシンボルの判定値を利用する。これ以外は図7に示した第1の方法と同様であるため、説明を省略する。
このように、図7及び図8に示したフィルタ係数制御手段7−11,7−12は、推定された回り込み伝搬路を実現する帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数を算出する。したがって、帰還信号生成用フィルタ6は、送信信号y(n)及び帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数を入力することにより、受信される回り込み波のレプリカを生成することができる。
〔重み係数算出/アレー合成用重み係数〕
次に、図3〜6に示したアレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段7−1〜7−4における重み係数算出部72a〜72cによる重み係数の算出法について説明する。図9に、アレー合成用重み係数算出の第1の方法を示す。これは図3に示したフィルタ係数制御手段7−1における重み係数算出部72aにおいて用いられるものである。図9を参照して、誤差算出段721は、送信SP信号(図7に示したSP抽出部71により抽出されたSP信号)を基準SP信号発生段720によって発生される予め決められた振幅及び位相を有する基準SP信号から減算器により減算して誤差を求める。演算段722−1は、この誤差が最小となる各受信SP信号(図3に示したSP抽出部710〜71L−1により抽出されたSP信号)に対する重み係数を最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)により算出して出力する。
以下、各受信SP信号に対する重み係数の第1の算出法について説明する。以下ではサブキャリア番号kは省略する。
Figure 2006060498

Figure 2006060498

Figure 2006060498

ここで、参照信号とは基準SP信号を示す(図9を参照)。
e=d−wu (8)
評価関数Jを以下に定める。
Figure 2006060498

ここで、E[]は期待値、rud=E[ud]、Ruu=E[uu]である。上付きの*は複素共役を示す。式(9)の評価関数Jを最小にするwは次式を満足する。
Figure 2006060498

式(10)により、最適重み係数は次式で与えられる。
opt=Ruu -1ud (11)
このように、図3に示すように、重み係数算出部72aは、SP抽出部710〜71L−1により抽出されたL個のSP信号(当該SP信号をベクトル表記した式(2)u)により、重み係数wを求めることができる。
ここで、式(11)において、Ruuの逆行列Ruu -1を求めることは演算量の観点から望ましくなく、重み係数を繰り返し演算により更新することが望ましい。この場合、式(11)の最適重み係数は、既知の適応アルゴリズムにより決定することができる。例えば、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いる場合、次式のように重み係数を更新することにより、評価関数Jを最小化することができる。
w(n+1)=w(n)+ue (12)
また、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムを用いる場合、次式のように重み付け係数を更新する。
Figure 2006060498

ここで、kはゲインベクトル、P(n)は相関逆行列、λは忘却係数である。LMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムは公知の手法であるため説明を省略する。
図10に、アレー合成用重み係数算出の第2の方法を示す。これは図4に示したフィルタ係数制御手段7−2における重み係数算出部72bにおいて用いられるものである。図10を参照して、しきい値判定段723は、送信キャリアシンボル(図7または図8に示したキャリアシンボル生成部70により抽出されたキャリアシンボル)によりしきい値判定し判定値を出力する。誤差算出段724は、送信キャリアシンボルを前記判定値から減算器により減算して誤差を求める。演算段722−2は、この誤差が最小となる各受信キャリアシンボルに対する重み係数を最小2乗誤差法により算出して出力する。
干渉が十分除去されている状況においては、しきい値判定段723から出力される判定値は親局における送信キャリアシンボルと一致する。そこで、キャリアシンボルの判定値が正しいものとしてSP信号の場合と同様、その判定値を参照信号として用いることができる。この図10の場合の各受信キャリアシンボルに対する重み係数の算出法は、送信キャリアシンボルをしきい値判定した結果の判定値を出力し、これを参照信号として用いている以外は図9に示した第1の方法と同様であるため説明を省略する。
図11に、アレー合成用重み係数算出の第3の方法を示す。これは図5及び図6に示したフィルタ係数制御手段7−3,7−4における重み係数算出部72cにおいて用いられるものである。図11を参照して、誤差算出段726は、基準伝送路応答発生段725により生成されて出力される無歪みの基準伝送路応答から送信信号の伝送路応答を減算器により減算して誤差を求める。演算段722−3は、この誤差が最小となる各受信信号の伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法により算出して出力する。
以下、この場合の重み係数の算出法につき説明する。本説明においては、図5に示したように入力される伝送路応答ベクトルをfで示すが、図6に示したように判定値を利用して求めた伝送路応答gであっても同様である。前述の重み係数算出の第1の方法においては、出力における変調成分を含んだ誤差を最小にしている。ここから変調成分を取り除いて伝送路応答に変換した結果を用いることによっても最適な重み係数を求めることができる。これは、MMSE演算における入力をキャリアシンボルではなく伝送路応答とし、参照信号として無歪み応答(1+0j)を用いるものである。その他は、第1の方法と同様である。
周波数領域におけるアレー合成後の伝送路応答zは次式で書ける。
z=wf (16)
誤差eは出力zと参照信号dとの差で与えられる。ここで、参照信号とは無歪み応答(1+0j)を示す。
e=d−wf (17)
評価関数Jを以下に定める。
Figure 2006060498

ここで、E[]は期待値、rfd=E[fd]、Rff=E[ff]を示す。式(18)の評価関数Jを最小にするwは次式を満足する。
Figure 2006060498

式(19)により、最適重み係数は次式で与えられる。
opt=Rff -1fd (20)
このように、図5及び図6に示すように、重み係数算出部72cは、伝送路応答算出部740〜74L−1により算出されたL個の伝送路応答(当該伝送路応答をベクトル表記した式(5)fあるいは式(6)g)により、重み係数wを求めることができる。
ここで、式(20)において、Rffの逆行列Rff -1を求めることは演算量の観点から望ましくなく、重み係数を繰り返し演算により更新することが望ましい。この場合、式(20)の最適重み係数は、既知の適応アルゴリズムにより決定することができる。例えば、LMSアルゴリズムを用いる場合、次式のように重み係数を更新することにより、誤差eを最小化することができる。
w(n+1)=w(n)+ue (21)
また、RLSアルゴリズムを用いる場合、次式のように重み付け係数を更新する。
Figure 2006060498
〔帰還ループの重み係数〕
次に、帰還信号生成用フィルタ手段6の最適フィルタHのフィルタ係数h(n)の算出にあたり、図7及び図8に示したフィルタ係数制御手段7−11,7−12において、伝送路応答を用いることができる原理について説明する。
Figure 2006060498

Figure 2006060498

誤差eは、出力信号yと参照信号rの差で与えられる。
Figure 2006060498
評価関数Jを以下に定める。
Figure 2006060498

評価関数Jを最小にする重み係数wは次式を満足する。
Figure 2006060498

式(28)により最適重み係数は、次式で与えられる。
Figure 2006060498
ここで、式(29)の右辺第2項は、アレー合成後の伝送路応答f、すなわち図7及び図8に示した伝送路応答算出部74の出力とみなすことができる。したがって、フィルタ係数制御手段7−11,7−12は、伝送路応答を用いることにより、帰還信号生成用フィルタ手段6の最適フィルタHのフィルタ係数h(n)を算出することができる。
また、最適重み係数を繰り返し演算により求めるため、回り込みキャンセル後の信号yを用いて、次式のように重み係数を更新することができる。
(n+1)=w(n)+μ(1−1/f) (30)
ここで、μは適応係数を示す。
〔キャリアシンボルの生成〕
図12に、キャリアシンボル生成の方法を示す。これは図3〜8に示したフィルタ係数制御手段7−1〜7−4,7−11,7−12のキャリアシンボル生成部700〜Lにおいて用いられるものである。図12を参照して、キャリアシンボル生成部700〜Lが、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された時間領域OFDM信号または当該干渉キャンセラの出力信号である時間領域OFDM信号を入力すると、ガードインターバル(GI)除去段700は、ガードインターバルを除去し、有効シンボル期間に相当する信号を抽出する。そして、FFT段701は、この有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にフーリエ変換し、周波数領域信号であるキャリアシンボルヘ変換して出力する。
〔伝送路応答の算出〕
図13に、SP信号から伝送路応答を求める第1の方法を示す。本図の伝送路応答算出部740〜L−1は、図5及び図7に示したフィルタ係数制御手段7−3,7−11の伝送路応答算出段740〜Lに用いられるものである。
図5において、SP抽出部710〜71L-1により抽出された受信SP信号は伝送路の伝送路応答により歪みを受けており、また、図7において、SP抽出部71Lにより抽出された送信SP信号についても干渉が理想的に除去できていなければ同様に歪みを受けている。そこで、図13の例では、先ず基準SP信号発生段740は、予め決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成する。そして、除算段741は、この基準SP信号発生段740により出力される基準SP信号で受信SP信号または送信SP信号を除算する。この除算処理により伝送路応答を求めることができるが、ISDB−T方式のOFDM信号では、図17に示す通りSPが伝送されるサブキャリアは1/3で残りのサブキャリアについての伝送路応答を直接求めることができない。このため、内挿補間段742が、シンボル方向及びサブキャリア方向の内挿補問処理を行うことで、全サブキャリアについての伝送路応答を求めて出力する。
図14に、キャリアシンボルから伝送路応答を求める第2の方法を示す。本図の伝送路応答算出部740〜L−2は、図6及び図8に示したフィルタ係数制御手段7−4,7−12の伝送路応答算出段740〜Lに用いられるものである。
図14を参照して、先ずしきい値判定段743は、送信キャリアシンボルをしきい値判定することにより、送信キャリアシンボルの真値(判定値)を推定する。除算段744は、推定された送信キャリアシンボルの真値を用いて受信または送信キャリアシンボルを除算することにより、伝送路応答を求める。尚、この方法においては、全てのサブキャリアについての伝送路応答を直接求めることができる。
〔重み係数からのフィルタ係数の算出/アレー合成用適応フィルタ〕
図15に、重み係数からアレー合成用適応フィルタのフィルタ係数を算出する方法を示す。これは、図3〜6の各フィルタ係数制御段7−1〜7−4におけるフィルタ係数算出部730〜73L-1にて用いられるものである。ここでは、フィルタ係数算出部730〜73L-1が、重み係数算出部72a〜72cにより算出された重み係数wk,lを入力すると、逆フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)段730は、IFFTを行い、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を出力する。尚、図3に示した第1のフィルタ係数制御においてはSPが伝送されないサブキャリアにおける重み係数を算出しないことに起因して、時間領域信号にイメージング成分が存在するため、これを切り出さないようにするための係数切り出し段731を設けるのが好適である。
Figure 2006060498
〔重み係数からのフィルタ係数の算出/帰還信号生成用適応フィルタ〕
図16に、重み係数の第2項(式(29)を参照)から帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数を算出する方法を示す。これは、図7及び図8の各フィルタ係数制御段7−11,7−12におけるフィルタ係数算出部73Lにて用いられるものである。帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数は、式(29)の最適重み係数wk,Lを用いて、図15に示したアレー合成用適応フィルタのフィルタ係数算出部730〜73L-1と同様にして求めることができる。この構成においては、帰還信号生成用適応フィルタのフィルタ係数は繰り返し演算により求められる。前述のとおり、式(30)に示す最適重み係数の右辺第2項は、回り込みキャンセル残差を示している。図示しない回り込みキャンセル残差算出部は、回り込みキャンセル残差を算出する。フィルタ係数算出部73Lが、回り込みキャンセル残差を入力すると、IFFT段732は、これをIFFTにより時間領域信号に変換し、係数切り出し段733は、このうち回り込みキャンセル残差の周波数応答を実現するのに十分なフィルタ長分を切り出す。この場合においても、時間領域信号のイメージング成分を切り出さないようにする必要がある。乗算段734は、係数切り出し部733により切り出された回り込み波のキャンセル残差に適応係数μを乗算し、切り出された回り込み波のキャンセル残差に相当するフィルタ係数における雑音成分を抑圧する。また、加算段736は、適応係数が乗算された回り込み波のキャンセル残差に相当するフィルタ係数と、遅延部738により遅延された係数更新の単位時間前のフィルタ係数とを加算し、帰還信号合成用フィルタのフィルタ係数を生成する。
図16に示す非線形処理段731は、推定した回り込み波の伝搬路特性に非線形処理を施すことにより、その周波数帯域を拡張する。詳細は、特開2000−341242号公報を参照されたい。また、非線形処理段732は、フィルタ係数に含まれるノイズ成分除去のための非線形処理を施す。詳細は、特開2001−94528号公報を参照されたい。
〔帯域外成分除去のためのBPF〕
図2に、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第2の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、BPF(Band Pass Filter)8は、アレー合成信号と帰還信号との合成信号にBPF処理を施して送信OFDM信号を出力する。このBPF8は、OFDM信号帯域内ではフラットの特性をもち、帯域外の成分を除去するフィルタであり、これによりOFDM信号帯域外の雑音成分によるループ発振を防ぐことができる。詳細は特開2002−7709号公報を参照されたい。
〔干渉キャンセラを適用した放送波中継局の構成例〕
図18に、本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラを用いた中継装置(放送波中継局)の構成を示すブロック図を示す。複数の受信アンテナ101が、親局から送信された希望波(OFDM波)を受信すると、受信フィルタ103は、当該受信信号をフィーダーケーブル102を通して入力し、希望波の周波数帯域外の不要な信号成分を除去する。各受信変換部104は、受信アンテナ101数分の受信フィルタ103により出力された信号をそれぞれ入力し、そのレベルが一定になるようにAGC増幅し、周波数変換してIF信号を生成し、当該IF信号を出力する。このIF信号の中心周波数としては、37.15MHzが一般に用いられる。
干渉キャンセラ100は、受信アンテナ101数分の受信変換部104により出力されたIF信号を入力し、回り込み波やマルチパス波、希望波と同一周波数帯域内の妨害波を除去し、入力信号と同じ周波数のIF信号として出力する。この干渉キャンセラ100が、図1または図2に示した干渉キャンセラに相当する。送信変換部105は、干渉キャンセラ100により出力されたIF信号を入力し、当該IF信号をRF帯に周波数変換し、一定レベルになるように増幅して出力する。PA(Power Amplifier)部106は、送信変換部105により出力されたRF信号を入力し、所望の出力の送信信号を得るために、当該RF信号を電力増幅して出力する。送信フィルタ107は、PA部106により出力された送信信号を入力し、帯域外の不要輻射成分を除去する。送信アンテナ108は、送信フィルタ107により帯域外の不要な成分が除去された送信信号を、フィーダーケーブルを通して電波として放射する。
本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第1の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラの第2の構成を示すブロック図である。 アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第1の構成を示すブロック図である。 アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第2の構成を示すブロック図である。 アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第3の構成を示すブロック図である。 アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第4の構成を示すブロック図である。 帰還信号生成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第1の構成を示すブロック図である。 帰還信号生成用適応フィルタのためのフィルタ係数制御手段の第2の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第1の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第2の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第3の構成を示すブロック図である。 キャリアシンボル生成部の構成を示すブロック図である。 伝送路応答算出部の第1の構成を示すブロック図である。 伝送路応答算出部の第2の構成を示すブロック図である。 アレー合成用適応フィルタのためのフィルタ係数算出部の構成を示すブロック図である。 帰還信号生成用適応フィルタのためのフィルタ係数算出部の構成を示すブロック図である。 スキャッタードパイロットの配置を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラを用いた中継装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 アレー受信手段
2 アレー合成用フィルタ手段
3 アレー合成手段
4 帰還信号合成手段
5 分配手段
6 帰還信号生成用フィルタ手段
7 フィルタ係数制御手段
8 帯域フィルタ(BPF)
70 キャリアシンボル生成部
71 SP抽出部
72 重み係数算出部
73 フィルタ係数算出部
74 伝送路応答算出部
100 干渉キャンセラ
101 受信アンテナ
102 フィーダーケーブル
103 受信フィルタ
104 受信変換部
105 送信変換部
106 PA部
107 送信フィルタ
108 送信アンテナ
700 GI(ガードインターバル)除去段
701 FFT段
720 基準SP信号発生段
721,724,726 誤差算出段
722 最小2乗誤差法による重み係数演算段
723 しきい値判定段
725 基準伝送路応答発生段
730,732 IFFT段
731,733 係数切り出し段
734 乗算段
735,737 非線型処理段
736 加算段
738 遅延段
740 基準SP信号発生段
741,744 除算段
742 内挿補間段
743 しきい値判定段

Claims (5)

  1. 複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信し、アレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段と、該アレー受信手段の出力するそれぞれの受信OFDM信号にそれぞれ適応フィルタによってフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段と、これらの各アレー合成用フィルタ手段の出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段と、該アレー合成手段の出力するアレー合成信号と帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段と、該帰還信号合成手段の出力する信号を2分配し、一方の分配出力を干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段と、該分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段及び前記帰還信号生成用フィルタ手段における各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備え、
    該フィルタ係数制御手段が、干渉キャンセラの出力信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより周波数軸上の送信キャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、予め定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるスキャッターパイロット(SP)を抽出して送信SP信号を出力する送信SP抽出部と、該送信SP抽出部の出力する送信SP信号から当該SP信号を伝送するサブキャリアにおける伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、該送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答から回り込み波のキャンセル残差を算出して出力する回り込みキャンセル残差算出部と、該回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差を逆フーリエ変換(IFFT)することにより前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを有することを特徴とする干渉キャンセラ。
  2. 前記フィルタ係数制御手段が、送信キャリアシンボル生成部と、送信SP抽出部と、送信信号伝送路応答算出部と、回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有する代わりに、前記送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから、送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記回り込みキャンセル残差算出部と、フィルタ係数算出部とを有することを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  3. 前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、予め設定された振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、前記送信SP抽出部の出力する送信SP信号を前記基準SP信号発生段の出力する基準SP信号で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段と、該除算段の出力する送信信号の伝送路応答に内挿補間処理を施して全てのサブキャリアについての送信信号の伝送路応答を求めて出力する内挿補間段とを有し、
    前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記内挿補間段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、
    前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  4. 前記フィルタ係数制御手段の送信信号伝送路応答算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを前記しきい値判定段の出力する判定値で除算し、送信信号の伝送路応答を求めて出力する除算段とを有し、
    前記回り込みキャンセル残差算出部が、無歪み応答から前記除算段の出力する送信信号の伝送路応答の逆数を差し引くことにより、回り込み波のキャンセル残差を算出して出力し、
    前記フィルタ係数算出部が、前記回り込みキャンセル残差算出部の出力する回り込みキャンセル残差をIFFTすることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数の更新分を生成して出力するIFFT段と、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数に、前記IFFT段の出力する更新分のフィルタ係数を加えることにより、前記帰還信号生成用フィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を更新する加算段とを有することを特徴とする請求項2に記載の干渉キャンセラ。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の干渉キャンセラを備えたことを特徴とする中継装置。
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