JP2006059686A - 平型ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、シースの引き裂き性を向上させ、端末処理作業における作業性が良好な平型ケーブルを提供する。
【解決手段】 導体2を絶縁体3で被覆した絶縁線芯4を複数本並べた上にシース5を被覆した平型ケーブル1において、シース5は、シース5の一側と他側の外周面5a,5bのそれぞれに、ケーブル長手方向に沿って形成した溝6a,6bを有するとともに、各溝6a,6bから所定の深さを有してケーブル長手方向に沿って形成した不完全融着面7a,7bを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 導体2を絶縁体3で被覆した絶縁線芯4を複数本並べた上にシース5を被覆した平型ケーブル1において、シース5は、シース5の一側と他側の外周面5a,5bのそれぞれに、ケーブル長手方向に沿って形成した溝6a,6bを有するとともに、各溝6a,6bから所定の深さを有してケーブル長手方向に沿って形成した不完全融着面7a,7bを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絶縁線芯を複数本並べた上にシースを被覆した平型ケーブルに関する。
従来より、導体を絶縁体で被覆した絶縁線芯を複数本並べた上にシースを被覆した平型ケーブルが知られている。かかる平型ケーブルの端末処理作業は、シースを引き裂いてこれを剥離し、絶縁線芯を取り出して行われる。
シースの剥離作業は、ケーブル端末から、剥離する長さ分カッターナイフなどを用いてシースに切り込みを入れて行うことが一般的であるが、作業に熟練していないと、カッターナイフなどの刃で絶縁線芯の絶縁体を傷つけて絶縁性を低下させてしまったり、甚だしいときには導体を傷つけてしまったりするおそれがある。
そこで、熟練を要さずに、端末処理時のシース剥離作業を容易に行うための平型ケーブルとして、従来、シースの外周面に、ケーブル長手方向に溝を設けた平型ケーブルや、シースに、所定深さの不完全融着面をケーブル長手方向に設けた平型ケーブルが開示されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開平9−237523号公報
特開2002−163938号公報
前記シースの外周面に溝を設けた平型ケーブルや、前記シースに不完全融着面を設けた平型ケーブルによれば、このような溝や不完全融着面を設けない場合に比べれば、確かにシースの剥離作業が容易となる。
しかし、シースの外周面に、前記のような溝を設けても、溝の底部から、シースの肉厚分だけこれを引き裂く必要があり、その引き裂きは手では簡単にはいかないことから、カッターナイフなどで溝に沿って引き裂く場合が多い。すなわち、シースの外周面にケーブル長手方向に設けた溝は、カッターナイフなどのガイドとはなるものの、かかる溝から手で容易にシースを引き裂くことは困難であった。
一方、前記のような不完全融着面を設けた場合、かかる不完全融着面に沿って、手でシースを引き裂くことができるものの、シースを引き裂く前に、カッターナイフなどでケーブル端末から所定深さ切り込みを入れ、このような切り込みから引き裂かなければ、手でうまく引き裂くことはできず、切り込みを入れる分、作業性が悪くなる。
本発明の目的は、シースの引き裂き性を向上させ、端末処理作業における作業性が良好な平型ケーブルを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、導体を絶縁体で被覆した絶縁線芯を複数本並べた上にシースを被覆した平型ケーブルにおいて、前記シースは、該シースの一側と他側の外周面のそれぞれに、ケーブル長手方向に沿って形成した溝を有するとともに、前記各溝から所定の深さを有してケーブル長手方向に沿って形成した不完全融着面を有することを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明では、前記シースには溝が形成されているとともに、この溝から所定深さの不完全融着面が形成されているので、前記溝から不完全融着面に沿って容易にシースを引き裂くことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記各溝を、互いに隣り合う前記絶縁線芯の間の直上の部分に形成し、前記不完全融着面を、互いに隣り合う前記絶縁線芯の間に向かって形成したことを特徴とする。
このような請求項2に記載の発明では、隣り合う絶縁線芯の間の直上の部分に形成された前記溝から、不完全融着面に沿って隣り合う絶縁線芯の間に向かってシースを引き裂き、絶縁線芯を取り出すことができる。
請求項1に記載の発明によれば、カッターナイフなどを用いず、溝から不完全融着面に沿って手で容易にシースを引き裂くことが可能で、シースの引き裂き性を向上させることができ、これにより、端末処理作業における作業性を良好なものとすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、隣り合う絶縁線芯の間に向かってシースを引き裂けば、絶縁線芯を容易に取り出すことができ、端末処理作業における作業性を良好なものとすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態の一例における平型ケーブルを示す断面図である。
図1は、本発明の実施の形態の一例における平型ケーブルを示す断面図である。
図において、符号1は本例の平型ケーブルを示しており、この平型ケーブル1は、軟銅線などで形成される導体2の上に、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどで形成される絶縁体3を被覆して構成される絶縁線芯4を2本平行に互いに接触するようにして並べた上に、シース5を被覆して構成されている。
シース5は、ビニル系のビニル樹脂組成物や、オレフィン系の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物などで形成されており、かかるシース5には、一側の外周面5aと、これと対向する他側の外周面5bのそれぞれに、V字形状の溝6a,6bがケーブル長手方向に沿って形成されている。
溝6a,6bは、絶縁線芯4,4の間(絶縁線芯4,4が互いに接合している部分)の直上の部分に形成されている。また、溝6a,6bは、その開きの角度θが、25〜30度となり、また、本例ではその深さが0.8〜1.2mmとなるように形成され、溝6a,6bの底部から前記絶縁線芯4,4の間までの距離が1.5mm(すなわち、シース5の厚さが1.5mm)となっている。これにより、かかる溝6a,6bのそれぞれからシース5を引き裂きやすい一方で、不用意にシース5が引き裂かれることがないようになっている。
シース5には、各溝6a,6bの底部から、絶縁線芯4,4の間に向かって所定深さを有する不完全融着面7a,7bがケーブル長手方向に沿って形成されている。不完全融着面7a,7bは、本例では、絶縁線芯4,4の接合部分まで形成されている。
この不完全融着面7は、2本並べた絶縁線芯4,4の上に押し出されたシース5を構成する溶融樹脂(後述の符号13)を冷却固化する前に一旦分割し、押出成形機から出力される前に分割面を接合し押し出された樹脂の自己余熱によって弱融着した後、冷却固化して形成される接合面である。かかる不完全融着面7a,7bは、一旦分割されて再び接合し押し出された樹脂の自己余熱によって融着した面であるから完全に融着されているものではなく、不完全な状態で融着されているものであり、その接着力は他の押し出された溶融樹脂が冷却固化して形成された部分の結着力よりも小さい。
溝6a,6bおよび不完全融着面7a,7bの形成方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態の一例における平型ケーブルを製造する平型ケーブル製造用押出成形金型を示す断面図、図3は図2に示す平型ケーブル製造用押出成形金型を構成する口金を示す図、図4は図2に示す平型ケーブル製造用押出成形金型を構成する芯金を示す図である。
図において、平型ケーブル製造用押出成形金型8は、口金9と芯金10とを有し、口金9内に芯金10が嵌合設置されて構成されている。口金9は、筒状に形成されており、内部形状が先端部に向かって狭くなるテーパ状になっている。図3には、口金9の押出成形口が示されており、その形状は楕円となっている。符号11は、口金9のランド部を示しており、口金9内に芯金10を嵌合設置したとき、図4に示す芯金10のランド部12と前記口金9のランド部11との間に所定間隔が空くようになっている。この口金9のランド部11と芯金10のランド部12との間に、シース5を構成する溶融樹脂13が圧入され、連続的に絶縁線芯4,4の上に被覆されていくようになっている。したがって、口金9のランド部11と芯金10のランド部12との所定間隔は、絶縁線芯4,4の上に押出被覆されるシース5の厚さを決定している。すなわち、この口金9のランド部11と芯金10のランド部12との間隔が狭くなるほど、絶縁線芯4,4の上に被覆されるシース5の厚さは薄くなり、逆に口金9のランド部11と芯金10のランド部12との間隔が広くなるほど、絶縁線芯4,4の上に被覆されるシース5の厚さは厚くなる。
口金9のランド部11には、その上側と下側にそれぞれ分離突起14a,14bが設けられている。また、芯金10のランド部12には、その上側と下側にそれぞれ分離突起15a,15bが設けられている。分離突起14a,14bは、分離突起15a,15bよりも幅広に形成されており、溝6a,6bと不完全融着面7a,7bの一部を形成するためのものである。また、分離突起15a,15bは、不完全融着面7a,7bを形成するためのものである。
このような分離突起15a,15bを有する芯金10を口金9内に嵌合設置すると、分離突起14aと分離突起15a、および分離突起14bと分離突起15bは、近接または接触した状態となる。平型ケーブル1を製造するにあたっては、絶縁線芯4,4を互いに接触し平行に並んだ状態で芯金10内を走行させながら、口金9と芯金10の間にシース5を構成する溶融樹脂13を圧入し、連続的に口金9のランド部11と芯金10のランド部12の間に挿入していく。口金9のランド部11と芯金10のランド部12の間に挿入された溶融樹脂13は、分離突起14aと分離突起15aおよび分離突起14bと分離突起15bによって物理的に分離される。分離突起14aと分離突起15aおよび分離突起14bと分離突起15bによって物理的に分離された溶融樹脂13は、分離突起14a,14bの根本側を通過した部分については、分離突起14a,14bによって分離されたままとなり、V字形状の溝6a,6bが形成される。一方、前記溶融樹脂13は、分離突起14a,14bの先端側および分離突起15a,15bを通過した部分については、分離突起14a,14b,15a,15bを通過後、一旦分離した溶融樹脂13が融着して不完全融着面7a,7bが形成される。すなわち、溶融樹脂13は、これら分離突起14a,14bおよび分離突起15a,15bを通過した後も熱を有していて半溶融状態にあるため、一旦分離した樹脂が自己の有している熱(自己余熱)によって融着を起こし(自己融着)、再び接着し、不完全融着面7a,7bが形成される。
この分離後の接着は、物理的に分離されなかった他の部分よりも結着力が弱くなる。したがって、不完全融着面7a,7bに沿ってシース5を容易に引き裂くことができるようになっている。不完全融着面7a,7bは、溶融樹脂13が分離突起14a,14bおよび分離突起15a,15bを通過後、自己余熱によって融着、すなわち、熱が冷めないうちに融着して形成されているので、目視では確認することができず、シース5の外周面上にも現れないので、従来の平型ケーブルと変わらない外観となる。
以上のように、シース5に、溝6a,6bと不完全融着面7a,7bが形成された平型ケーブル1は、端末処理作業を行う際、溝6aあるいは溝6bの両側の部分のシース5をそれぞれ手で持ち、溝6a,6bからシース5を引き裂くようにして外側へ向かって引っ張ることにより、不完全融着面7a,7bに沿ってシース5を引き裂くことができる。そして、このようにしてシース5を引き裂いた後、これを剥離して絶縁線芯4,4を取り出して端末処理作業を行う。
以上説明した本例の平型ケーブル1によれば、カッターナイフなどを用いず、溝6a,6bから不完全融着面7a,7bに沿って手で容易にシース5を引き裂くことが可能で、シース5の引き裂き性を向上させることができ、これにより、端末処理作業における作業性を良好なものとすることができる。
また、溝6a,6bは、絶縁線芯4,4の間の直上の部分に形成されており、また、不完全融着面7a,7bは、溝6a,6bから絶縁線芯4,4の間に向かって形成されているので、溝6a,6bから不完全融着面7a,7bに沿って絶縁線芯4,4の間に向かってシース5を引き裂くことができる。これにより、絶縁線芯4,4を容易に取り出すことができ、端末処理作業における作業性を良好なものとすることができる。
1 平型ケーブル
2 導体
3 絶縁体
4 絶縁線芯
5 シース
5a 一側の外周面
5b 他側の外周面
6a,6b 溝
7a,7b 不完全融着面
2 導体
3 絶縁体
4 絶縁線芯
5 シース
5a 一側の外周面
5b 他側の外周面
6a,6b 溝
7a,7b 不完全融着面
Claims (2)
- 導体を絶縁体で被覆した絶縁線芯を複数本並べた上にシースを被覆した平型ケーブルにおいて、
前記シースは、該シースの一側と他側の外周面のそれぞれに、ケーブル長手方向に沿って形成した溝を有するとともに、前記各溝から所定の深さを有してケーブル長手方向に沿って形成した不完全融着面を有する
ことを特徴とする平型ケーブル。 - 前記各溝を、互いに隣り合う前記絶縁線芯の間の直上の部分に形成し、前記不完全融着面を、互いに隣り合う前記絶縁線芯の間に向かって形成したことを特徴とする請求項1に記載の平型ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004240821A JP2006059686A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | 平型ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006059686A true JP2006059686A (ja) | 2006-03-02 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8580135B2 (en) | 2009-04-09 | 2013-11-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | Die and method of manufacturing same |
JP2018515888A (ja) * | 2015-05-12 | 2018-06-14 | 江蘇永鼎股▲ふん▼有限公司Jiangsu Etern Company Limited | 超フレキシブル室内付随光電気複合ケーブル |
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2004
- 2004-08-20 JP JP2004240821A patent/JP2006059686A/ja not_active Withdrawn
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