JP2006059520A - メモリセル - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、メモリセルの不安定性に対し、従来の設計より安定し、それ故、セルの読み出し時にエラーが少なくなるようなセルを有する半導体装置を提供することがすることを目的とする。
【解決手段】 SRAM構造のメモリセルにおいて、ソース及びドレインの一方が前記第2のビット線と接続し、ゲートが前記ワード線と接続する第3のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第3のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第1のデータノードと接続する第4のトランジスタを有することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 SRAM構造のメモリセルにおいて、ソース及びドレインの一方が前記第2のビット線と接続し、ゲートが前記ワード線と接続する第3のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第3のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第1のデータノードと接続する第4のトランジスタを有することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は一般的な電子回路の分野、特にメモリセルの分野に関連する。
コンピュータシステム或いは他の電子部品は、通常、情報を格納するための手段を必要とする。
それらの手段には、コンピュータ或いは他の電子部品が使用しているデータ格納のための、より小型のメモリシステムと同様に、大量データを永続的に保持可能な記憶部品を含んでいる場合がある。データを格納するために現在使われているメモリシステムには、読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)の両方が含まれている。
RAMは、通常、電子部品における動作用のメモリとして用いられる。RAMは、プロセッサからアクセスされる必要があり、また、修正される必要のあるデータを格納する部品として用いられる。即ち、RAMのデータは変更可能である。これと対照的に、ROMに保存されたデータは変更できず、読み出し専用である。コンピュータおよび他の電子部品に用いられるRAMに対して、非常に多くの要求が出されている。何故なら、RAMがより多くの素子数を有すると、プロセッサがより多くのデータを容易にアクセス可能になるからである。例えば、コンピュータにおいて、利用可能なより多くのRAMが存在すると、RAMと永続的にデータ保持可能な電子部品、例えばハードディスクドライブ、との間でのデータ交換なしで、コンピュータがより多くの(或いは、より大きい)ソフトウェアアプリケーションを実行することが可能になる。
RAMには、種々の異なった型がある。例えば、ダイナミックRAM(DRAM)は、しばしばコンピュータに用いられる。DRAMの"ダイナミック"な面として、セルに格納されたデータを維持するためにDRAMメモリセルを周期的にリフレッシュする必要があるという事実に眼を向ける必要がある。DRAMセルがリフレッシュされない場合、もとのデータは失われるであろう。スタティックRAM(SRAM)は、しばしばコンピュータに用いられる別の型のRAMである。SRAMの"スタティック" な面として、DRAMセルと同じような方法でSRAMセルをリフレッシュする必要なないという事実に眼を向ける必要がある。
SRAMメモリはDRAMメモリに対して多くの優位性を持っている。上記に示したように、SRAMセルは保有しているデータを維持するためのリフレッシュは行わない。加えて、通常、SRAMはDRAMよりもはるかに速度が大きい。例えば、多くのDRAMセルのアクセスタイムが60ナノ秒に近いのに対し、通常のSRAMセルの多くは、1ナノ秒以下のアクセスタイムである。更に、SRAMメモリはアクセス間にポーズを必要としないので、SRAMセルをアクセスするサイクルタイムは、通常、DRAMセルをアクセスするサイクルタイムよりもはるかに短い。
SRAMメモリはDRAMメモリに対して多くの優位性を有するが、一方、多くの不利な点も持っている。例えば、通常のSRAMは製造コストの点で、DRAMよりもはるかに費用が高くなる。SRAMのコストはDRAMと比較してはるかに高いので、DRAMがプロセッサのメインメモリに使用されるのに対し、SRAMがキャッシュメモリとして使われることが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
SRAMメモリセルは更に動作が不安定な場合がある。即ち、セルからデータが読み出される時、セルのデータは実際エラーになる場合がある。この問題は次のような事象から生ずる。SRAMセルは、セルをプレチャージビット線へ結合し、結合されたセルをこれらのビット線のレベルに引き下げることによって、データを読み出す。言い換えると、ビット線のハイレベル電圧は、SRAMセルのロウレベル電圧と結合し、ビット線電圧を下降させ、SRAMセル電圧を上昇させようとする。ビット線の電圧下降は、検知され、増幅され、接続するプロセッサにデータが供給される。
しかし、SRAMセルの電圧上昇はセルに格納されたデータにエラーを生じる場合がある。その理由は以下のようである。セルに格納された論理「0」(以降、「0」)に相当する始めのロウレベル電圧と、アクセスの結果得られるハイレベル電圧が、データをあいまいにする可能性があり、そのため、フリップフロップ回路に対してさえも、論理「1」(以降、「1」)の結果をもたらす場合がある。
もしメモリセルの各部分を構成するトランジスタが互いに、精確に同一であれば、 セル内のデータがエラーを起こす確率は比較的低い。しかし、実際問題として、トランジスタは同一ではなく、わずかな変動が存在し、個々の応答において、わずかな変動を引き起こす。例えば、各々のトランジスタは関連した閾値電圧をもち、そのトランジスタの応答に影響を与える。トランジスタ間に製造差があるため、閾値電圧の変動が存在し、それが次のトランジスタの応答に変動をもたらす。閾値電圧の変動はトランジスタ寸法の微細化と共に増加するため、これらの変動は重要性が増しつつある。従って、メモリセルが小さくなると共に、不安定性の問題について、より影響を受けやすくなる。
以上から、SRAMセルの不安定性に問題があることは明白であり、従来の設計より安定し、それ故、セルの読み出し時にエラーが少なくなるようなSRAMセルに対する設計を提供することが明確に望まれている。
特開平6―291282号公報 (第7ページ、第1図)
本発明は、メモリセルの不安定性に対し、従来の設計より安定し、データの読み出し時にエラーが少なくなるようなセルを有する半導体装置を提供することがすることを目的とする。
本発明の態様は、第1のインバータ並びに第2のインバータと、前記第1のインバータの入力および前記第2のインバータの出力が接続する第1のデータノード並びに前記第2のインバータの入力および前記第1のインバータの出力が接続する第2のデータノードと、ソース及びドレインの一方が前記第1のデータノードと接続する第1のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第2のデータノードと接続する第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第1のビット線並びに前記第2のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第2のビット線と、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲートと接続するワード線とを有するメモリセルであって、ソース及びドレインの一方が前記第2のビット線と接続し、ゲートが前記ワード線と接続する第3のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第3のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第1のデータノードと接続する第4のトランジスタを有することを特徴とする。
本発明によれば、メモリセルの不安定性に対し、従来の設計より安定した構造を有するため、セルの読み出し時にエラーが少なくなるようなセルを有する半導体装置を提供することがすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本発明の実施例を以下に示す。これらの実施例および他の実施例は典型的な例であり、発明の例証を意図し、これらの実施例に制限するものではないことに注意すべきである。
ここに述べられている本発明の種々の実施例は、メモリセルの安定性を改良するシステムおよび方法を有している。1つの実施例は、少なくとも1組のビット線の1つが接地側と切換可能に結合したメモリセルを含んでいる。その結果、読み出し動作時に、ビット線の電圧が通常通りに引き下げる場合、ビット線が接地側に結合し、従って、より強く 引き下げられる。ビット線に結合したデータノードの電圧は、それほど強く引き上げられない。
他の実施例で、メモリセルは第1のビット線と切換可能に結合した第1のデータノード、第2のビット線と切換可能に結合した第2のデータノードを含み、メモリセルは第1のデータノードが第1のビット線に結合し、第2のデータノードが第2のビット線に結合することによって読み出されるように配置されている。このことは、データノードの内のロウレベル電圧が対応したビット線の電圧に引き下げられるように、そのビット線はロウレベル電圧と切換可能に結合しており、その結果、メモリセルの読み出し時、対向するデータノード電圧がハイレベルの場合、このビット線はロウレベル電圧に結合し、対向するデータノード電圧がロウレベルの場合、ロウレベル電圧から分離する。
ビット線を接地側に結合する機構は、多くの異なった型のメモリセルに組み込まれている。例えば、より詳細に述べられているように、この機構は単純な6トランジスタのSRAMセルに組み込まれることが可能である。このセルの設計は、直列に配置された1組のトランジスタを通して少なくとも1つのビット線を接地側へ結合することによって変形される。従って、ビット線は、オン状態になったこれらのトランジスタの両側で接地側と結合し、どちらかのトランジスタがオフ状態で接地側と分離する。
付加トランジスタの1つは、SRAMセルのワード線に接続するゲートを有する。ワード線の電圧がハイレベルに上昇する場合(読み出し動作時)、このトランジスタはオン状態になる。もう一方のトランジスタのゲートは、SRAMセルの対向する側のデータノードと接続する。従って、この第2のトランジスタは、対向するデータノードの電圧がハイレベルの場合、オン状態になる(ビット線に結合したデータノードはロウレベル)。従って、ビット線の電圧が通常通り、読み出し動作時に引き下げられ、書き込み時に駆動される場合、付加トランジスタの電圧は、ビット線の電圧に引き下げられる。従って、この機構はSRAMセルの通常動作を強め、より安定したさせる。即ち、読み出し動作時に劣化或いは誤動作を少なくする。
上述のように、本発明の実施例の1つは、よく知られた単純な6トランジスタSRAMをベースにしたSRAMセルが組み込まれている。従って、本発明を説明する前に、従来のSRAMメモリセル構造を検討することが有効であろう。
付加トランジスタの1つは、SRAMセルのワード線に接続するゲートを有する。ワード線の電圧がハイレベルに上昇する場合(読み出し動作時)、このトランジスタはオン状態になる。もう一方のトランジスタのゲートは、SRAMセルの対向する側のデータノードと接続する。従って、この第2のトランジスタは、対向するデータノードの電圧がハイレベルの場合、オン状態になる(ビット線に結合したデータノードはロウレベル)。従って、ビット線の電圧が通常通り、読み出し動作時に引き下げられ、書き込み時に駆動される場合、付加トランジスタの電圧は、ビット線の電圧に引き下げられる。従って、この機構はSRAMセルの通常動作を強め、より安定したさせる。即ち、読み出し動作時に劣化或いは誤動作を少なくする。
上述のように、本発明の実施例の1つは、よく知られた単純な6トランジスタSRAMをベースにしたSRAMセルが組み込まれている。従って、本発明を説明する前に、従来のSRAMメモリセル構造を検討することが有効であろう。
典型的なSRAMメモリセルの構造に関する公知例を図1に示す。メモリセル100は、もっとも単純なSRAMメモリセルの一つの例である。メモリセル100は6個のトランジスタで形成されている。2個のトランジスタ121および122は図1に表わされている。他の4個のトランジスタはインバータ 111および112に含まれている。
本例のメモリセルに用いられるインバータの一つの型の構造を図2に模式図として示す。インバータ200の記号表現は図の左側に示され、トランジスタレベルでの構造は図の右側に示される。インバータ200は単に1組のトランジスタ、PチャネルMOS素子およびNチャネルMOS素子(210および220)から成り、電源電圧側(Vdd)と接地側との間に直列に繋がれている。トランジスタ210のソースは電源電圧側に接続する。一方、トランジスタ210のドレインはトランジスタ 220のソースに接続する。トランジスタ220のドレインは接地側に接続する。これら二つのトランジスタのゲートは共に、インバータの入力側に接続する。トランジスタ210および220の接続部はインバータの出力側に接続する。
インバータ111および112は相互に前後段で結合している。即ち、それぞれのインバータの入力側は、他のインバータの出力側に結合している。インバータ111の入力およびインバータ112の出力の接続点は図1からノードAとして確認される。同様に、インバータ112の入力およびインバータ111の出力の接続点は図1からノードBとして確認される。これらのノードはメモリセルのデータノードとして引用される。それぞれのノードAおよびノードBはそれぞれ、トランジスタ121および122を経由して、対応したビット線131および132に結合する。それぞれのトランジスタ121および122のゲートはワード線140に結合する。
トランジスタ121および122は、対応したビット線131および132からノードAおよびBを選択的に結合或いは分離するために用いられる。ワード線140の電圧は、トランジスタ121および122がオン状態か或いはオフ状態か、そのため、ビット線に対してノードAおよびBを結合するのか分離するのか、を制御するために、トランジスタ121および122のゲートへ転送される。ワード線140の信号がロウレベルの場合、トランジスタ121および122はオフ状態であり、その結果、ノードAがビット線131から、ノードBがビット線132から分離する。ワード線140の信号 がハイレベルの場合、トランジスタ121および122はオン状態であり、その結果、ノードAがビット線131に、ノードBがビット線132に結合する。
本願発明の実施例でメモリセル回路の電圧として用いられている「ハイレベル」および「ロウレベル」は、それぞれ、2進法における「1」および「0」を示す電圧の範囲として用いられる。これらの表現は、それぞれVddおよび接地側だけに限定されるとして説明されるべきではない。このような電圧表示が種々の回路設計に使われることは、当業者に十分理解されている。
SRAMメモリセル100は以下のように動作する。メモリセル100にデータを格納する場合、適切な電圧がビット線 131および132に印可される。例えば、ビット線131がデータ線であり、ビット線132が反転データ線として、この枠組で電圧がそれぞれの線に印可される。言い換えると、メモリセル100に格納されたデータが「1」の場合、ビット線131の電圧はハイレベルであり、ビット線132の電圧はロウレベルである。一方、格納されたデータが「0」の場合は反対に、ビット線131の電圧はロウレベルであり、ビット線13はハイレベルである。
メモリセル100へデータを書き込むために、ワード線140において信号はアサート状態になる。即ち、ワード線140の電圧はハイレベルに上昇する。この信号はトランジスタ121および122のゲートに印可され、信号がハイレベルの場合、トランジスタを通して電流が流れる。その結果、それぞれのビット線131および132のもとで、データノードAおよびデータノードBの電圧は等しくされる。従って、ビット線131がハイレベルおよび反転ビット線132がロウレベルの場合、データノードAの電圧はハイレベルであり、データノードB電圧はロウレベルである。
その後、ワード線 140の信号は、アサート状態が解かれる(信号がロウレベルに下降)。この場合、トランジスタ 121および122のゲートに印可された電圧はロウレベルに下がり、トランジスタはオフ状態になる。このことは、ビット線131および132からデータノードA及びBを分離することになる。その結果、電流はもはやトランジスタ121および122を流れず、データノードAおよびBは、ビット線131および132から電気的に分離する。従って、データノードAおよびBの電圧は、ビット線131および132の電圧が変化するか否かにかかわらず保持される。
ワード線140の信号がアサート状態の場合、ノードAおよびBで保持された電圧が、ビット線131および132の電圧に正確に同じでないかもしれないことに注意すべきである。これは、インバータ 111および112が能動素子だからである。言い換えると、上記の図2に示されるように、これらのインバータのおのおのは、交互にハイレベルまたはロウレベルの信号をそれぞれの出力へ繋ぎ、これらのハイレベルまたはロウレベルに対し、ノードAおよびBの電圧を駆動する1組のトランジスタを持っている。従って、ビット線131および132の電圧が書き込み動作時にほんの少しずれていても、ノードAおよびBの電圧は、読み出動作の終了後(ワード線140の信号がアサート状態になった後)それぞれハイレベルおよびロウレベルに駆動される。
メモリセル100はデータノードAおよびBにおいて高電圧および低電圧の形でデータを格納する。先の例において、格納された「1」に対応してノードAの電圧はハイレベルであり、ノードBの電圧はロウレベルである。メモリセルからデータを読み出す時、読み出し動作がなされる。読み出し動作は、以下の点を除き、書き込み動作と非常に似ている。即ち、ビット線131および132の電圧を駆動するというよりも、その結果、それらの電圧をメモリセル100から回路に格納でき、ビット線131および132がデータノードAおよびBに結合する際、電圧変化を検知することによってモニタされる。これらについては以下に詳細に述べる。
読み出し動作を行うため、ワード線140の電圧は初期にロウレベルにある。従って、トランジスタ121および122はオフ状態であり、データノードAおよびBはビット線131および132と分離してする。その後、ビット線131および132は、ハイレベル電圧(即ち、Vdd)にプリチャージされる。ワード線140の信号がアサート状態になる場合(即ち電圧がハイレベルに上昇)、トランジスタ121および122はオン状態になり、ビット線131および132は、それぞれノードAおよびBへ結合する。
先の例において、格納された「1」に対応し、書き込み動作によって、ノードAにおいてハイレベル、ノードBにおいてロウレベルになる。従って、ノードAおよびビット線131の電圧は近似的にほぼ同じになる(つまり、両方共にほぼVdd)。結果として、トランジスタ121には、ほとんど或いは全然電流は流れない。また、ビット線121の電圧は、ほとんど或いは全然変化しない。しかし、ノードBの電圧はロウレベルである。その結果、トランジスタ122がオン状態の場合、ビット線132のハイレベル(Vdd)からノードBのロウレベルへ電流は流れる。ビット線132が単にVddにプリチャージされ、Vddに駆動されないので、トランジスタ122を通じての電流は、ビット線132の電圧を下降させる。しかし、この電圧とビット線131の電圧との差を検知できれば、この電圧下降は本質的でないであろう。
ビット線131および132は、この電位差を検知し、増幅するために配置されたセンスアンプと結合できる。典型的には、センスアンプは、2つのビット線のより高いレベルに対応したデータ線のハイレベル(Vdd)、および2つのビット線のより低いレベルに対応したデータ線のロウレベル(接地側)を供給するように設計される。ビット線間の非常に小さい電位差は、メモリセルが組み込まれているシステムでの2進法の通常電位差(近似的にVdd)に増幅される。
上述の通り、SRAMメモリセルは読み出し時に不安定になる場合がある。この不安定性の理由は以下のようである。トランジスタ121および122がオン状態で、電流がビット線の一つからロウレベルのデータノードへ流れる場合、ビット線の電圧を下降させるだけでなく、データノードの電圧を上昇させる。従って、読み出し動作が始まる前、データノードBが接地側される間に、ビット線132はVddになる。ワード線140の信号がアサート状態の場合、ビット線132の電圧はロウレベル(Vdd)以下に落ち、ノードBの電圧は接地レベル以上に上がる。
完全なメモリセルで、メモリセルのすべての部分が完全に一致する場合、データノードの電圧のこのような上昇はメモリセルに対して本質的な効果は与えないであろう。ワード線の信号がアサート状態を解かれている場合、データノードはビット線およびデータノードの電圧から分離し、接地側に戻るように駆動される。
しかし、実際のメモリセルは、完全ではない。実際問題として、メモリセルを形成するトランジスタは違いがある。そして、それぞれの応答において、完全に一致はしない。例えば、通常、トランジスタの閾値電圧では、あるトランジスタと別なトランジスタとではある程度の変動がある。同一に設計されたトランジスタにおいても同様である。このような変動は他の要因と重なり合ってメモリセルの誤動作を引き起こす可能性がある。
しかし、実際のメモリセルは、完全ではない。実際問題として、メモリセルを形成するトランジスタは違いがある。そして、それぞれの応答において、完全に一致はしない。例えば、通常、トランジスタの閾値電圧では、あるトランジスタと別なトランジスタとではある程度の変動がある。同一に設計されたトランジスタにおいても同様である。このような変動は他の要因と重なり合ってメモリセルの誤動作を引き起こす可能性がある。
図1に示されるように、回路100は対称的に配置された3個の1組のトランジスタ(トランジスタ121および122、インバータ 111および112にそれぞれ含まれる2個のトランジスタ)を有する。トランスファトランジスタ121および122は、例えば、異なった閾値電圧を有する可能性がある。これらの閾値電圧の差は、これらのトランジスタの一つを他のトランジスタより強く反転させる可能性がある。強く反転したトランジスタがロウレベルのデータノードに接続すると、電流はトランジスタを通じて容易に流れるであろう。一方、トランジスタが弱く反転した場合、データノードの電圧を増加させるであろう。上述のように、読み出し動作後、データを反転させるのに十分な電圧の増加の可能性がある。言い換えると、ロウレベルがハイレベルへ、ハイレベルがロウレベルへ変わる可能性がある。
二者択一で、「0」値(ロウレベル電圧)を保持するノードに接続されたトランジスタは、他のトランジスタよりも弱く反転する可能性がある。この場合、トランジスタを通じて、より少ない電流が流れるであろう。その結果、データノードの電圧は、トランジスタが強く反転したとしてもそれほど大きく増加しないであろうし、メモリセルは格納されたデータ反転させないであろう。けれども、このことは他の問題を引き起こす。トランジスタが弱く反転した場合、データノードの電圧はより増加しないようになり、トランジスタが強く反転した場合、ビット線の電圧はより下降しないようになる。その結果、2つのビット線間の電位差がより少なくなる。従って、電位差はセンスアンプによって正確に検知され、増幅されるためには不十分となる場合、誤動作を引き起こす可能性がある。
上述のように、SRAMメモリセルの不安定性は、少なくとも部分的には異なるトランジスタ間の閾値電圧の変動による。この問題は、メモリセルのような電子部品の寸法が微細化されることによって悪い方向に進む。これは、個々のトランジスタのチャネル面積が小さくさると共に、閾値電圧の変動が増大するという事実による。より具体的にいえば、閾値電圧の変動は次式のようにチャネル面積の平方根の逆数に比例する。
従って、上述のように、SRAMセルの寸法が減少すると、セルはより不安定になり、より誤動作に敏感になる。
本発明における種々の実施例は、SRAMメモリセルの安定性を増すことを意図されており、セル寸法が減少し、セル内のトランジスタの閾値電圧の変動が増加しても誤動作を少なくするように働く。これは、メモリセルの複雑性の比較的小さな増大、或いはセル寸法の比較的小さな増加と共に達成される。
本発明の第1の実施例は、図1に示すような単純な6トランジスタSRAMセルに基づく。この基本設計は、図3に示すように改良されている。SRAMメモリセル300は図3に示されるように、8個のトランジスタ、即ちインバータ 311および312に含まれる4個のトランジスタ、トランスファトランジスタ321および322、2個の付加トランジスタ351および352で構成される。付加トランジスタ351および352は、接地側へ繋がるビット線の一つと切換可能に結合(交互に結合または分離)するように配置される。
インバータ311および312は、それぞれのインバータの入力をもう一方のインバータの出力へ繋ぐことによって共に結合される。インバータは、ここでデータノードと呼ばれるノードで共に結合される。これらのノードの電圧はSRAMセルによって格納された値として定義される。データノードの一つはハイレベル(例えば、Vdd)であり、データノードの他方はロウレベル(例えば、接地側)である。図中において、データノードの一つはノードAとして、データノードの他方はノードBとして示されている。それぞれのデータノードAおよびBは、トランジスタ(321または322)を通して対応するビット線331および332の一つと結合する。トランジスタのソースはビット線と結合し、一方、トランジスタのドレインはデータノードと結合する。トランジスタ321および322のそれぞれのゲートは、ワード線340に接続する。
SRAMメモリセル300は1組の付加トランジスタ351および352も有する。トランジスタ351および352は、ビット線332と接地側の間に直列に結合する。言い換えると、トランジスタ351のソースはビット線332と接続し、一方、そのドレインはトランジスタ352のソースと接続する。トランジスタ352のドレインは接地側に接続する。ランジスタ351のゲートはワード線340に接続する。トランジスタ352のゲートはデータノードAに接続する。
SRAMセル300は、セル100と同じ方法で用いられる。メモリセルにデータを格納する場合、ハイレベルおよびロウレベルの電圧を、格納されるべきデータビットに関連したビット線331および332に印可する。即ち、「1」を格納するため、ビット線331をハイレベルにし、ビット線332をロウレベルにする。また、「0」を格納するためビット線331をロウレベルにし、ビット線332をハイレベルにする。その後、ワード線340の信号は、これらの電圧をデータノードAおよびBに転送するため、アサート状態になる。その後、ワード線340の信号は、アサート状態が解かれる。メモリセル300からデータを読み出す場合、ビット線331および332はVddにプリチャージされる。その後、ワード線340の信号は、アサート状態になる。その後、ロウレベルのデータノードに対応したビット線の電圧は、わずかに引き下げられ、ビット線間の電圧差が検知され、増幅される。SRAMセル300の設計において、付加トランジスタ351および352は、動作におけるこの基本的モードを変化させない。けれども、これらのトランジスタは、読み出し動作中にビット線の電圧の引き下げを強め、データノード電圧の引き上げを少なくするように働く。
上述のように、付加トランジスタ351および352は、ビット線332および接地側の間に直列に結合する。両方のトランジスタがオン状態になると、電流はそれらを通じて流れるようになり、その結果、ビット線332の電圧は接地側へ引っ張られる。どちらかのトランジスタ 351または352がオフ状態になると、ビット線332が接地側から分離する。即ち、電流はトランジスタを通じてビット線332から接地側へ流れることはない。
読み出し動作の開始時、ワード線340の電圧はロウレベルである。この電圧がトランジスタ321、322および351のゲートに印可される。その結果、これらのトランジスタ321、322および351は、すべてオフ状態になる。その後、ビット線331および332がVddにプレチャージされる。ワード線340の電圧がハイレベルへ上昇した場合、メモリセル100と同じようにトランスファトランジスタ321および322はオン状態になる。付加トランジスタ351もオン状態になる。付加トランジスタ352はオン状態になる場合もあり、そうならない場合もある。即ち、データノードの電圧はトランジスタ352のゲートに印可されるため、メモリセル300に格納された値に依存するからである。
ノードAの電圧がハイレベルである「1」をメモリセル300が格納すると、ノードBの電圧はロウレベルになる。従って、トランジスタ352はオン状態になる。その結果、ワード線340の信号がアサート状態の場合、電流はトランジスタ351および352を通じて接地側へ流れる。このことは、ビット線332の電圧を接地へ下げるようにする。また、これは、トランジスタ322を通じてノードBへ電流を流すことによって電圧が引き下げられるビット線の効果を強めることである。従って、ビット線332の電圧引き下げが強まる。更に、ビット線332の電圧が、トランジスタ351および352を通して引き下げられるので、トランジスタ322を通しての電流の流れが付加トランジスタ351および352がない場合よりも少なくなる。その結果、ノードBのロウレベル電圧の引き上げが、従来のセル100よりも少なくなる。読み出し動作の終了時、ワード線340の信号がアサート状態を解かれた場合、トランジスタ321、322および351はオフ状態になり、データノードAおよびBの電圧は通常の2値レベルに駆動される。
一方、SRAMセル300が「0」を格納する場合、ノードAの電圧はロウレベルであり、ノードBの電圧はハイレベルである。ノードAの電圧はロウレベルなので、付加トランジスタ352はオフ状態である。ビット線332は、トランジスタ351がオン状態或いはオフ状態であるかにかかわらず、接地側と分離する。従って、読み出し動作時、付加トランジスタ351および352によっても、或いはトランジスタ322を通じてのノードBのハイレベル電圧によっても引き下げられないため、ビット線332はプリチャージ電圧(Vdd)として残る。しかし、ビット線331の電圧は、トランジスタ321を通じてのロウレベル電圧であるノードAへ電流が流れるため、引き下げられる。これは、メモリセル100の動作と等価である。
以上に述べたように、SRAMセル300において付加トランジスタ351および352が、提起された2つの問題を緩和することが可能であることは明らかである。その問題とは、メモリセルに格納されたデータの正確な検出を保証するのに十分な量によってビット線332の電圧を引き下げることに対して能力がないこと、およびノードBの電圧を引き上げ過ぎた場合、データの劣化の可能性があること、以上である。SRAMセル300が「1」を格納する状況において、これらの問題が当てはまることは明らかである。一方、セル300が「0」を格納する場合、付加トランジスタ351および352によって供給される機構は働かない。ノードAの電圧はロウレベルであり、トランジスタ352はオフ状態であるためである。従って、本実施例は、SRAMセル300の他の側面と関連したこれらの2つの問題点を最小化しない。言い換えると、ノードAのロウレベル電圧が引き上げられ過ぎると、データは劣化する可能性があり、ビット線331の電圧が十分に引き下げられないと、データは正確に検知されず、また、増幅されない。従って、他の実施例では付加トランジスタ351および352の機構がメモリセルの両面に組み込まれている例を示す。
本発明における第2の実施例の模式図を図4に示す。第2の実施例では、SRAMメモリセルの両側に上記の機構が適用されている。図4に示されるように、メモリセル400の基本的構造は、メモリセル100および300と本質的に同じである。従って、対応するトランスファトランジスタ421および422を通して、それぞれ、ビット線431および432に結合したデータノードAおよびBと、データノードAおよびBで相互に前後で結合する1組のインバータ411および412が存在する。トランジスタ421および422のゲートはワード線440と結合する。
SRAM セル400は、切換可能なビット線ー接地側結合機構をセルの両側に付加してある。一方の側の機構はメモリセル300に組み込まれた機構と同一である。従って、ビット線432は、直列に配置されたトランジスタ451および452を通して接地側に結合する。トランジスタ451ゲートは、ワード線440に接続し、その結果、ワード線440の電圧がハイレベルの場合、オン状態になり、ワード線440の電圧がロウレベルの場合、オフ状態 になる。トランジスタ 452のゲートはデータノードAに接続し、その結果、データノードAがハイレベルの場合、オン状態になる(メモリセルが「1」を格納)。また、データノードAがロウレベルの場合、オフ状態になる(メモリセルが「0を格納)。
SRAMセル400はもう一方の側にも同一の構造を付加しており、その結果、セルは対称的になる。従ってビット線431は、1組の直列に接続したトランジスタ461および462を通して接地側に結合する。トランジスタ461のゲートは、ワード線440に接続する。従って、トランジスタ461は、ワード線440電圧がハイレベルの場合、オン状態になり、ロウレベルの場合、オフ状態の場合になる。トランジスタ462のゲートは、データノードBに接続する。従って、ノードBの電圧がハイレベルの場合(メモリセルに格納された「0」に対応)、オン状態になり、ノードBの電圧がロウレベルの場合(メモリセルに格納された「1」に対応)、オフ状態になる。
SRAMセル400は、セル100および300と同じ方法でアクセスされる。従って、書き込み動作時、データに対応した電圧がビット線431および432に印可される。その後、ワード線440の信号はアサート状態になり、データノードAおよびBを対応した電圧へ引っ張る。更にその後、ワード線440の信号はアサート状態を解かれ、ビット線からデータノードを分離する。読み出し動作時、ビット線431および432はVddにプリチャージされ、その後 、ワード線440の信号はアサート状態になる。更にその後、 一方のビット線の電圧下降は検知され、ワード線440の信号はアサート状態を解かれ、再度、データノードは分離する。
ビット線ー接地結合機構は、メモリセル300に関連して述べられた方法と同じ方法によってメモリセル400の安定性を改善する。言い換えると、読み出し動作時、ビット線の一つがロウレベルのデータノードに結合した場合、ビット線の電圧は、データノードのロウレベル電圧によってだけでなく、付加トランジスタを通しての接地側への結合によって引き下げられる。即ち、トランジスタの一つがワード線のアサート信号によって、オン状態になり、他のトランジスタが対向するデータノードハイレベル電圧によってオン状態になることによる。更に、ビット線の接地側への結合が引き下げらるので、ビット線はデータノードにそれほど強く引き上げられない、従って、セルに格納されたデータはそれほど劣化しない。
メモリセル400のビット線ー接地結合機構は、メモリセル300の機構を改善するが、セルの両側の動作においても改善する。上述のように、メモリセル300に組み込まれた片側の機構は、「1」が格納されたセルでは有効であるが、「0」が格納されたセル300では、データノードAの電圧はロウレベルであり、従ってトランジスタ352はオフ状態になり、また、ビット線ー接地結合機構は無効になる。一方、メモリセル400に「0」が格納された場合、データノードBの電圧がハイレベルになり、トランジスタ462はオン状態になる、メモリセルの左側のビット線ー接地結合機構を働かせることができる。メモリセル 400が「1」を格納している場合、セル300と同様の方法で機能することは明白である。
SRAMセル300および400に示されたビット線ー接地側結合機構は、他の型のメモリセルに同様に組み込むことができる。図5に示す第3の実施例はデュアルポートSRAMメモリセルを含む。図5に示されるように、メモリセル500は、メモリセル300に組み込まれた機構と似ている片側のビット線ー接地側結合機構を有する、しかし、セル500は、セルの左側の読み出しビット線および書き込みビット線、並びに読み出しワード線および書き込みワード線を分離する。
図5に示すように、SRAMセル500は、メモリセル100、300および400と同じように、相互に前後に結合した1組のインバータ511および512を有する。インバータの入力および出力の接続の間にデータノードAおよびBが形成される。データノードBは、反転 ビット線532を通してトランスファトランジスタ522に結合する。トランジスタ522のゲートは、読み出しワード線541に結合する。
メモリセル500はデュアルポートセルのため、データノードAは単一のビット線というよりは、ふたつ2つの分離したビット線に結合する。従って、データノードAは、トランスファトランジスタ521を通して書き込みビット線531に結合するか、或いはトランスファトランジスタ523を通して読み出しビット線533に結合する。トランジスタ521は、データノードを読み出しビット線へ結合する。このトランジスタのゲートは書き込みワード線540に接続する。トランジスタ523は、データノードAを読み出しビット線533へ結合するので、トランジスタ523のゲートは、読み出しワード線541に接続する。
SRAMセル500におけるビット線ー接地機構はビット線および接地側の間に直列に結合した2個のトランジスタ551および552からなる。これらのトランジスタは書き込みビット線531よりも読み出しビット線532に結合することに注意すべきである。トランジスタ551のゲートは、読み出しワード線542に接続し、トランジスタ552のゲートは、接続するデータノードBに接続する。
セル500がデュアルポートのため、SRAMセル500を用いてのメモリセル読み出しおよび書き込み動作は、前に述べられているメモリセル100、300および400の動作と明白に異なるように行われる。具体的には、その差は、ノードAへのデータの書き込みおよびノードAからのデータ読み出しに異なったワード線およびビット線が使われることによる。他の動作は、ほとんどメモリセル100、300および400の動作と同じである。セル500にデータを書き込むことは、データに関連してハイレベルおよびロウレベル電圧を書き込みビット線531および反転ビット線532へ印可することである(ビット線531のハイレベルは「1」、ロウレベルは「0」)。その後、読み出しワード線541はアサート状態になり、ビット線531および532の電圧をデータノードへ転送する。セル500からのデータ読み出しは、書き込みビット線531の代わりに、読み出しビット線533が使われ、 また、書き込みワード線540の代わりに、読み出しワード線541が使われる。従って、セルからの読み出しデータは、読み出しビット線533および反転ビット線532はVddにプレチャージされ、その後、読み出しワード線542がアサート状態になり、これらのビット線の1つを引き下げ、ビット線533および532間の電圧差を検知し、増幅する。
セルに「0」が格納された時、SRAMセル500のビット線ー接地結合機構が作用する。この例では、データノードAの電圧はロウレベルであり、データノードBの電圧はハイレベルである。ノードBのハイレベル電圧はトランジスタ552のゲートに印可され、オン状態する。従って、読み出し動作時に、読み出しワード線542がアサート状態になる場合、読み出しビット線533は接地側に結合する。このことは、ビット線電圧の引き下げを強め、データノードAの電圧引き上げを緩和するように働く。データノードBのロウレベル電圧がトランジスタ552をオフ状態にするため、「1」がセル500に格納される場合、ビット線ー接地結合機構は働かない。
第4の実施例であるメモリセルの模式図を図6に示す。この実施例 は、遅延素子653を回路に付加したことを除いて、図3に示した第1の実施例の構造と似ている。遅延素子653の目的は、ビット線632から接地側へのパスの開始を遅らし、ビット線間の信号差をより大きくし、メモリセル600をより安定したものにすることである。
インバータ611および612は、データノードAおよびBにおいて共に相互に前後に接続されている。それぞれデータノードAおよびBは、トランジスタ621または622を通して対応したビット線631および632の一つに結合する。トランジスタのソースはビット線に結合し、一方、トランジスタのドレインはデータノードに結合する。それぞれのトランジスタ621および622のゲートは、ワード線640に接続する。
SRAMメモリセル600は1組の付加トランジスタ651および652をも含む。トランジスタ651および652はビット線632および接地間に直列に結合される。言い換えると、トランジスタ651のソースはビット線632に接続し、一方、そのドレインはトランジスタ652のソースに接続する。トランジスタ652のドレインは接地側に接続する。遅延素子653は、トランジスタ622のゲートとワード線640とに接続するように配置される。遅延素子653は種々の異なる型の遅延素子のどのようなものでも可能であるが、例えば単純な抵抗素子があげられる。トランジスタ652のゲートはデータノードAに接続する。
SRAM セル600は、セル300と同じ方法で用いられる。トランジスタ651および652はセル300と同じように、読み出し動作時にビット線の電圧の引き下げを強めること、またデータノード電圧の引き上げを減少させることの両方に寄与する。しかし、遅延素子653はトランジスタ651および652の上述の強める動作を遅らし 、その結果、ビット線631および632の間の信号差を、ワード線640の信号がアサート状態になった直後のオン状態のトランジスタ651よりも大きくする。
第5の実施例であるメモリセルの模式図を図7に示す。本実施例は遅延素子753および763が回路に付加されていることを除いて、図4に示す第2の実施例の構造と似ている。これらの遅延素子の目的は、ビット線731および732から接地側へのパスの始まりを遅らせ、ビット線間の信号差をより大きくすることである。信号差をより大きくさせるとメモリセル700はより安定する。遅延素子753および763は、例えば抵抗素子のような適切な型の遅延素子がよい。
他のメモリセルのように、メモリセル700は1組のインバータ711および712を含み、At データノードAおよびBにおいて相互に前後で結合する。データノードAおよびBは、それぞれ対応したトランスファトランジスタ721および722を通してビット線731および732に結合する。トランジスタ721および722のゲートはワード線740に結合する。
メモリセル700は、セルの両側に切換可能なビット線ー接地側結合機構を含む。ビット線732は、直列に配置されたトランジスタ751および752を通して接地側に結合する。遅延素子753は、トランジスタ722のゲートとワード線740とに接続するように配置される。その結果、ワード線740の電圧がハイレベルに上昇した後、わずかにオン状態になり、また、ワード線740の電圧がロウレベルに下降した後、わずかにオフ状態になる。トランジスタ752のゲートはデータノードAに接続する。その結果、データノードAの電圧がハイレベルの場合、オン状態になり、データノードAの電圧がロウレベル場合、オフ状態になる。メモリセル700は対称的であり、セルのもう一方の側でも同一構造 を有する。ビット線731は、1組の直列に接続したトランジスタ761および762を通して接地側に結合する。遅延素子763は、トランジスタ721のゲートとワード線740とに接続するように配置される。従って、トランジスタ761は、ワード線740の電圧がハイレベルに上昇した後わずかにオン状態になり、ワード線740の電圧がロウレベルに下降した後わずかにオフ状態になる。トランジスタ762のゲートはデータノードBに接続する。従って、ノードBの電圧がハイレベルの場合、オン状態になり、ノードBの電圧がロウレベルの場合、オフ状態になる。
ビット線ー接地結合機構はメモリセル400と同様の方法でメモリセル700の安定性を改良する。従って、読み出し動作中、ビット線の1つがロウレベル電圧であるデータノードに結合すると、ビット線は、データノードのロウレベル電圧によってだけでなく、付加トランジスタを通しての接地側への結合によっても電圧を引き下げられる。トランジスタの1つがワード線のアサート信号によってオン状態になり、他のトランジスタが対向するデータノードのハイレベル電圧によりオン状態になるからである。更に、ビット線の電圧が接地側との結合によって引き下げるので、ビット線は、データノードの電圧を強く引き上げることはない、そこで、セルに格納されたデータは、それほど劣化しない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明においては、多くの他の実施例が可能である。例えば、対向するデータノードの電圧によってオン状態或いはオフ状態になるNチャネルMOSトランジスタを通して、ビット線を接地側へ結合するよりも、PチャネルMOSトランジスタを利用することができるかもしれない。PチャネルMOSトランジスタは、対向する信号によって、オン状態或いはオフ状態になり、その結果、トランジスタはセルと対向する側よりも同じ側のデータノードの電圧によって、結合し制御されるであろう。
他の例として、SRAM セル300で組み込まれた片側の機構が、セル400の両側に組み込まれた機構に拡張されたように、SRAMセル500の片側の機構を両側に組み込むよう拡張できるであろう。先に述べられているように、ビット線ー接地機構が単純な6トランジスタSRAMセルおよび更に複雑なデュアルポートSRAMセル組み込まれているように、これらの機構は、種々の他のメモリセル構造、SRAMおよび他の型のメモリセル、を組み込むことができるであろうことは明白である。
種々の異なった技術や技能をどれでも使って情報および信号が表現されるかもしれないということを、当業者は理解しているであろう。例えば、上記の記述全体に渡って参照が付されるかもしれないデータ、情報、信号、ビット等は電圧、電流他によって表現されるかもしれない。情報および信号は、配線、金属電極、ビア等を含むどのような適切な伝送媒体を使用しても部品間で通信されるであろう。
ここに述べられた実施例と関連した種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、アルゴリズムのステップが電子工学のハードウェア、コンピュータソフトウェア或いはこれらの組合せとして組み込まれるかもしれないことを、当業者は更に認識しているであろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこのような互換性を例証するため、種々の実例となる部品、ブロック、モジュール、回路、アルゴリズムのステップは、それらの機能性の点から一般的に述べられている。そのような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして組み込まれているかどうかということは、総合的なシステムに課せられた特定の用途或いは設計の制約に依存する。当業者はそれぞれの特定の用途に対する方法を変える際に種々の記述された機能性を組み込むかもしれない。しかし、そのように組み込みの識別は本発明枠組から外れることだと説明されるべきではない。
ここにのべられた実施例と関連した種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、アルゴリズムのステップはASIC、FPGA、論理回路の孤立ゲート、個別ハードウェアの部品、汎用プロセッサ、DSP或いは他のロジック半導体装置等に組み込まれるかもしれないし、それらの中で実行されるかもしれない。或いは、それらの機能を実行することを目指したどのような組合せもここに記述した。汎用プロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシンと同種のものかもしれない。プロセッサもコンピュータ部品の組合せ、例えばDSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つ以上のマイクロプロセッサ、或いは他の形態として組み込まれるかもしれない。
100、200、300、400、500、600、700 SRAMメモリセル
111、112、311、312、411、412 インバータ
511、512、611、612、711、712 インバータ
121、122、321、322、421、422 トランスファトランジスタ
521、522、621、622、721、722 トランスファトランジスタ
131、132、331、332、431、432 ビット線
631、632、731、732 ビット線
140、340、440、540、640、740 ワード線
200 インバータ
210 PチャネルMOS素子
220 NチャネルMOS素子
351、352、451、452、461、462 付加トランジスタ
551、552、651、652、751、752、761、762 付加トランジスタ
531、532 書き込みビット線
533 読み込みビット線
540 書き込みワード線
541 読み込みワード線
653、753、763 遅延素子
111、112、311、312、411、412 インバータ
511、512、611、612、711、712 インバータ
121、122、321、322、421、422 トランスファトランジスタ
521、522、621、622、721、722 トランスファトランジスタ
131、132、331、332、431、432 ビット線
631、632、731、732 ビット線
140、340、440、540、640、740 ワード線
200 インバータ
210 PチャネルMOS素子
220 NチャネルMOS素子
351、352、451、452、461、462 付加トランジスタ
551、552、651、652、751、752、761、762 付加トランジスタ
531、532 書き込みビット線
533 読み込みビット線
540 書き込みワード線
541 読み込みワード線
653、753、763 遅延素子
Claims (5)
- 第1のインバータ並びに第2のインバータと、前記第1のインバータの入力および前記第2のインバータの出力が接続する第1のデータノード並びに前記第2のインバータの入力および前記第1のインバータの出力が接続する第2のデータノードと、ソース及びドレインの一方が前記第1のデータノードと接続する第1のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第2のデータノードと接続する第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第1のビット線並びに前記第2のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第2のビット線と、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲートと接続するワード線とを有するメモリセルであって、
ソース及びドレインの一方が前記第2のビット線と接続し、ゲートが前記ワード線と接続する第3のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第3のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第1のデータノードと接続する第4のトランジスタを有することを特徴とするメモリセル。 - ソース及びドレインの一方が前記第1のビット線と接続し、ゲートが前記ワード線と接続する第5のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第1のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第2のデータノードと接続する第6のトランジスタを更に有することを特徴とする請求項1に記載のメモリセル。
- 前記第2のトランジスタのゲート電極と前記ワード線との間に第1の遅延素子が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリセル。
- 前記第2のトランジスタのゲート電極と前記ワード線との間に第1の遅延素子が接続され、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記ワード線との間に第2の遅延素子が接続されていることを特徴とする請求項2に記載のメモリセル。
- 第1のインバータ並びに第2のインバータと、前記第1のインバータの入力および前記第2のインバータの出力が接続する第1のデータノード及び第2のデータノード並びに前記第2のインバータの入力および前記第1のインバータの出力が接続する第3のデータノードと、ソース及びドレインの一方が前記第1のデータノードと接続する第1のトランジスタ、ソース及びドレインの一方が前記第2のデータノードと接続する第2のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第3のデータノードと接続する第3のトランジスタと、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第1のビット線、前記第2のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第2のビット線並びに前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方と接続する第3のビット線と、前記第1のトランジスタおよび前記第3のトランジスタのゲートと接続する第1のワード線並びに前記第2のトランジスタのゲートと接続する第2のワード線、とを有するメモリセルであって、
ソース及びドレインの一方が前記第2のビット線と接続し、ゲートが前記第2のワード線と接続する第4のトランジスタ並びにソース及びドレインの一方が前記第4のトランジスタの他方のソース及びドレインと接続し、ソース及びドレインの他方が接地に接続し、かつ、ゲートが前記第2のデータノードと接続する第5のトランジスタを有することを特徴とするメモリセル。
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