JP2006057004A - 分散染料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、式(1)で示されるキノリン誘導体と耐光堅牢度の良好な式(3)で示される1,3−インダンジオン誘導体のモノ臭素化物とを配合して使用することも公知である(下記特許文献2を参照)。
しかしながら、キノリン誘導体(1)を赤色分散染料及び/又は青色分散染料と併用して種々の色相の染色物を得ようとすると、併用される上記の赤色分散染料及び/又は青色分散染料の染着速度に比べて、上記キノリン誘導体(1)の染着速度が著しく遅く(すなわち、相容性が悪く)、疎水性繊維材料を均質に染色することが困難であった。
本発明の目的は、疎水性繊維材料を淡色〜中濃色に染色する際の三原色用黄色分散染料組成物を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、疎水性繊維材料を淡色〜中濃色に染色する方法を提供することにある。
(i)下式(1)で示されるキノリン誘導体、下式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体、及び該1,3−インダンジオン誘導体の臭素化物を含むことを特徴とする三原色用黄色分散染料組成物。
また、本発明(ii)の染色方法によれば、染着再現性に優れるので、染色斑のない染色物が得られる。
さらに、本発明(iii)の染色方法によれば、疎水性繊維材料を所望の色調に染色することができる。
本発明の上記(i)及び(ii)においては、1,3−インダンジオン誘導体(2)の臭素化物が、下記のジ臭素化物(4)及びジ臭素化物(5)のいずれかとモノ臭素化物(3)との混合物であることが好ましい。
本発明において、モノ臭素化物(3)、並びにジ臭素化物(4)及び/又はジ臭素化物(5)の合計と1,3−インダンジオン誘導体(2)との重量比は、(80〜20):(20〜80)の範囲が好ましい。
本発明において、ジ臭素化物(4)及び/又はジ臭素化物(5)の合計重量とモノ臭素化物(3)の重量の比率は、(30〜0.5):(70〜99.5)の範囲が特に好ましい。
また、本発明(i)の組成物は、キノリン誘導体(1)、1,3−インダンジオン誘導体(2)、及び該1,3−インダンジオン誘導体の臭素化物を、後述する分散剤でそれぞれ個別に分散化処理した後に、該分散化された分散染料を所定の割合に混合することにより得られる。
さらに、本発明(i)の組成物は、上記分散化方法で得た分散染料を染色浴中で所定の割合に混合して調製してもよい。
分散化処理により得られた分散液は、液体のままで用いてもよいし、上記の分散液を噴霧乾燥等により乾燥し、粉体状又は顆粒状として用いてもよい。
さらに、本発明(i)の三原色用黄色分散染料組成物は、色相調整用の上記分散染料以外に、上記ノニオン界面活性剤等の分散剤、増量剤、pH調整剤、分散均染剤、ビルダー、染色助剤、沸点が100℃以上である有機溶剤や樹脂バインダー等を含有することができる。
上記の疎水性繊維材料を染色するにあたっては、本発明(i)の組成物を水性媒体中に分散させた染浴中に、必要に応じて、pH調整剤や分散均染剤等を加えた後、疎水性繊維材料をこの染浴中に浸漬して、例えばポリエステル繊維の場合は、加圧下で通常100℃以上(好ましくは105〜140℃)で15〜60分間染色する。この染色時間は染着の状態により短縮又は延長することができる。
本発明(ii)の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、典型的には、エチレングリコールとテレフタル酸の重縮合により得られるポリエステル繊維が挙げられる。また、本発明(ii)の染色方法に適用されるポリエステル繊維としては、エチレングリコール以外のポリオールとテレフタル酸の重縮合により得られるポリエステル繊維も挙げられる。さらに、本発明(ii)の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維やポリアミド繊維等が挙げられる。
本発明(ii)の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、上記例示の繊維の混紡品又は交織品も挙げられる。この混紡品又は交織品としては、上記例示の繊維同士の混紡品や交織品、前記例示以外のセルロース繊維、羊毛又は絹との混紡品や交織品等が挙げられる。本発明(ii)の染色方法(捺染方法も含む)に適用される疎水性繊維材料としては、特にポリエステル繊維材料が好ましい。
また、本発明(ii)の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、新合繊材料も挙げられる。上記新合繊材料の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタル酸と1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとの重縮合物等のポリエステル繊維類;ナイロン等のポリアミド系繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品;木綿、絹、羊毛等の天然繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品が挙げられる。
以上例示した素材の形態としては、糸、織物や編み物等が挙げられる。
上記(i)の黄色分散染料組成物を用いる本発明において、併用される好ましい赤色分散染料や青色分散染料としては、例えば、下式(6)〜下式(14)で示される染料が挙げられる。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜8のアルキルカルボニルオキシアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数4〜8のアルコキシアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数2〜8のシアノアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシカルボニルオキシアルキル基、炭素数8〜12のフェニルカルボニルオキシアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基又は炭素数7〜9のフェノキシアルキル基等を表す。]
R14及びR15は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜7のアルキルカルボニルオキシアルキル基、炭素数4〜8のアルコキシアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数2〜8のシアノアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシカルボニルオキシアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基又は炭素数7〜9のフェノキシアルキル基を表す。]
また、上記フェニル基における水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数2〜4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシカルボニルアルコキシ基及び炭素数2〜6のアルコキシアルキルアミノスルホニル基、炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数3〜6のアルキルカルボニルアルコキシ基、炭素数7〜9のフェニルアルコキシ基、炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルコキシ基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキルチオエーテル基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい。]
上式(6)〜(14)で示される分散染料は、いずれも公知の化合物である。
キノリン誘導体(1)、1,3−インダンジオン誘導体(2)、該1,3−インダンジオン誘導体のモノ臭素化物(3)、ジ臭素化物(4)及びジ臭素化物(5)の各1部を、それぞれ個別に、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルマリンとの縮合物3部と共に6部の水中で微粒子化して、水性組成物を各々得た。これらの水性組成物を用いて、表1に記載の配合割合に調整した後、水で10倍に希釈して組成物の母液を調製した。この組成物の母液を適宜希釈して、疎水性繊維材料の染色に供した。
i)上述した組成物の母液20部及びイオネットRAP−1170[三洋化成(株)製]3部を、水に均一に分散させた。次いで、この分散液に酢酸1.2部及び酢酸ソーダ4.8部を添加して、総量3000部の染浴とした。
ii)上記の染浴にテトロントロピカル[東レ(株)製のポリエステル繊維織物]100部を投入して、60℃から130℃まで毎分1℃の速度で昇温後、130℃で45分間保温して、染色を行った。染色終了後、90℃以下に冷却して染浴中のテトロントロピカルを取出し、水洗、還元洗浄及び乾燥の順に処理して、染色布Aを得た。
iii)染浴にテトロントロピカル100部を投入して、60℃から毎分1℃の速度で昇温して、染浴の温度が100℃になった時点で染浴中のテトロントロピカルを取出し、水洗、還元洗浄及び乾燥の順に処理して、染色布Bを得た。
130℃で30分間染色した染色布Aの色濃度、及び100℃で取出した染色布Bの色濃度を、各々、住化分析センター(株)製のシコマック20(分光光度計等を備えた測色装置)で測定し、得られた測定値と下式(15)により染着速度指数を算出した。
したがって、染着速度については、上記(イ)のときを○、上記(ロ)のときを△、上記(ハ)のときを×として、評価した。
i)式(16)で示される化合物を含む市販の赤色分散染料(スミカロン ルビン SE−GL、住友化学工業(株)製)の3.0部、及び式(17)で示される化合物を含む市販の赤色分散染料(スミカロン ブリリアントレッド S―B、住友化学工業(株)製)の3.0部に水94部を加えて、赤色の混合母液を調製した。
上述した番号1〜7の染色布を順に並べて、染色布表面の色相の変化を目視し(黄色染料、赤色染料及び青色染料の混合割合の変化を観察するものであり、色濃度の変化を観察するものではない)、使用した黄色染料、赤色染料及び青色染料の染着速度の一致状態(相容性)を評価した。
○・・番号7の染色布とほぼ同色相で、濃度のみが変化している
△・・番号7の染色布と色相が多少異なるが、ほぼ同系統の色相で変化している
×・・番号7の染色布と全く異なる色相の抜き取り布が存在する
表に示されるように実施例1〜8の本発明組成物では、いずれの場合でも実用的な染着速度及び相容性が得られた。一方、比較例1〜3では、実用上問題が生じることが予見される結果を得た。
また、本発明(ii)の染色方法によれば、相容性が良好な染色物が得られる。
さらに、本発明(iii)の染色方法によれば、疎水性繊維材料を所望の色調に染色することができる。
Claims (14)
- 式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体の臭素化物が、式(3)で示されるモノ臭素化物と式(4)で示されるジ臭素化物の混合物である請求項2に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体の臭素化物が、式(3)で示されるモノ臭素化物と式(5)で示されるジ臭素化物の混合物である請求項2に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体、式(3)で示されるモノ臭素化物及び式(4)で示されるジ臭素化物の合計重量と、式(1)で示されるキノリン誘導体の重量との比率が、(30〜80):(70〜20)の範囲である請求項3に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体、式(3)で示されるモノ臭素化物及び式(5)で示されるジ臭素化物の合計重量と、式(1)で示されるキノリン誘導体の重量との比率が、(30〜80):(70〜20)の範囲である請求項4に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(3)で示されるモノ臭素化物及び式(4)で示されるジ臭素化物の合計重量と、式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体の重量との比率が、(80〜20):(20〜80)の範囲である請求項3に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(3)で示されるモノ臭素化物及び式(5)で示されるジ臭素化物の合計重量と、式(2)で示される1,3−インダンジオン誘導体の重量との比率が、(80〜20):(20〜80)の範囲である請求項4に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(3)で示されるモノ臭素化物と式(4)で示されるジ臭素化物との重量比率が、(70〜99.5):(30〜0.5)の範囲である請求項5に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 式(3)で示されるモノ臭素化物と式(5)で示されるジ臭素化物との重量比率が、(70〜99.5):(30〜0.5)の範囲である請求項6に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- さらに、分散剤を含む請求項1〜10のいずれかに記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 分散剤が、アニオン系界面活性剤である請求項11に記載の三原色用黄色分散染料組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の三原色用黄色分散染料組成物を用いることを特徴とする疎水性繊維材料の染色方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の三原色用黄色分散染料組成物に加えて、さらに赤色分散染料及び/又は青色分散染料を用いることを特徴とする疎水性繊維材料の染色方法。
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