JP2006056422A - 作業車輌 - Google Patents

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敏彦 伊部
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Abstract

【課題】 ブレーキレバーが操作されることで左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置を設けるにあたって、運転者や、その他の操作部材に対し、該パーキングブレーキ操作装置を設けることによる影響を考慮した効率的な配置が可能な作業車輌を提供する。
【解決手段】 ブレーキペダル14a,14bが運転席11前方に、前後進ペダル15a,15bが運転席11前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌200において、ブレーキレバー161が操作されることでブレーキ装置13a,13bの双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置16を備え、ブレーキレバー161は、把持部161aが車輌前後方向Xに関し操向ハンドル10と運転席11との間に位置するように、運転席11の右側に配設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌に関する。
トラクタ等の作業車輌のなかには、運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方(例えば、運転席前方で車輌左側や車輌右側)に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられているものがある。
このような作業車輌では、仕様によっては、ブレーキレバーを有するパーキングブレーキ操作装置であって、前記ブレーキレバーが操作されることで前記左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置が設けられることもある(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−329005号公報
ところが、前記したような従来の作業車輌において、前記パーキングブレーキ操作装置を設ける場合に、運転者や、その他の操作部材(例えば、変速レバーなどの各種操作レバー等)に対し、該パーキングブレーキ操作装置を設けることによる影響を考慮した効率的な配置がなされていないのが実情である。
例えば、パーキングブレーキ操作装置が他の操作部材(各種操作レバー等)の近傍に設けられると、ブレーキレバーとその近傍の操作部材(各種操作レバー等)との間で互いに誤操作を起こしやすかったり、また、特許文献1に示される如く、パーキングブレーキ操作装置が運転席の左側に設けられ且つブレーキレバーが運転席の前方に突出した状態で設けられると、運転者は、通常、運転席の左側から乗り降りするので、かかる乗り降りの際に、ブレーキレバーが邪魔になって乗り降りしづらいといった問題がある。
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌において、前記ブレーキレバーが操作されることで前記左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置を設けるにあたって、運転者や、その他の操作部材に対し、該パーキングブレーキ操作装置を設けることによる影響を考慮した効率的な配置が可能な作業車輌を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌において、ブレーキレバーを有するパーキングブレーキ操作装置であって、前記ブレーキレバーが操作されることで前記左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置を備えており、前記ブレーキレバーは、把持部が車輌前後方向に関し前記操向ハンドルと前記運転席との間に位置するように、前記運転席の右側に配設されていることを特徴とする作業車輌を提供する。
本発明に係る作業車輌では、前記パーキングブレーキ操作装置における前記ブレーキレバーについて、例えば、他の操作部材(各種操作レバー等)の近傍に設けないように、把持部が車輌前後方向に関し前記操向ハンドルと前記運転席との間に位置するように、前記運転席の右側に配設されているので、前記ブレーキレバーと他の操作部材(各種操作レバー等)との間で互いに誤操作を起こし難い。また、前記パーキングブレーキ操作装置における前記ブレーキレバーは、前記運転席の右側に配設されているので、通常、運転席の左側から乗り降りする運転者が乗り降りの際に、前記ブレーキレバーが邪魔になって乗り降りしづらいといったことがない。さらに、前記パーキングブレーキ操作装置のブレーキ操作がなされる際には、運転者は、前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている前記前後進ペダルから右足を外した姿勢となり得るので、右足に体重をかけて踏ん張って前記運転席の右側に配設されている前記ブレーキレバーのブレーキ操作を行うことができ、これにより、該ブレーキレバーを確実に操作することができる。なお、本発明にいう「前記ブレーキレバーの前記把持部が車輌前後方向に関し前記操向ハンドルと前記運転席との間に位置する」というのは、車輌前進方向において、前記操向ハンドルの下流端部と前記運転席の上流側端部との間のいずれの位置も含み、好ましくは、前記操向ハンドルの上流端部と前記運転席の下流側端部との間の近傍領域に位置する。
このように本発明に係る作業車輌によれば、前記パーキングブレーキ操作装置を設けるにあたって、運転者や、その他の操作部材に対し、該パーキングブレーキ操作装置を設けることによる影響を考慮した効率的な配置が可能である。
なお、本発明に係る作業車輌では、前記左右一対のブレーキペダルは運転席前方に設けられるのであるが、このとき車輌右側及び左側のいずれに配置されていてもよい。例えば、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方で且つ車輌左側に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている場合や、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方で且つ車輌右側に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ該左右一対のブレーキペダルよりさらに右側に設けられている場合を挙げることができる。
本発明に係る作業車輌において、例えば、差動伝達装置(デフ装置)が設けられている場合、該デフ装置に設けられたデフロック部にデフロック連動機構を介して連動連結されるデフロックペダルが、前記ブレーキレバーが設けられる側と同じ運転席の右側に設けられると、デフロックの連動機構やパーキングブレーキの操作機構等が運転席の右側部分で構成部品が混み合い、これにより該右側部分で余裕のない構成になってしまい、ひいては組み付け作業等の作業性が低下し易い。そこで、デフロックペダルを運転席の左側に設けることが好ましい。こうすることで、デフロックの連動機構やパーキングブレーキの操作機構等による運転席の右側部分での構成部品の混み合いを抑制でき、これにより運転席の右側部分で余裕のある構成にすることができ、それだけ組み付け作業等の作業性を向上させることができる。
本発明に係る作業車輌において、前記ブレーキレバーが、平面視において、把持端部が揺動端部より車輌幅方向外方に位置するように、傾斜されていることが好ましい。このように、平面視において、把持端部が揺動端部より車輌幅方向外方に位置するように、傾斜されていることで(例えば、車輌前後方向に沿って延びる直線に対して5度〜25度程度傾斜されていることで)、運転者が前記把持部を把持する際のブレーキ操作の操作性を向上させることができる。また、このように前記ブレーキレバーが傾斜されていると、例えば、運転者が運転席に座った際に開きがちになる右足の邪魔になり難くすることができる。
ここで前記把持端部は、前記ブレーキレバーの前記把持部の端部であって前記ブレーキレバーの自由端部であり、前記揺動端部は、前記ブレーキレバーの基端部である。また、前記把持端部が前記揺動端部より車輌幅方向外方に位置する形態には、直線状のブレーキレバーにおいて揺動軸線を車輌幅方向に対して傾斜させる形態や、揺動軸線が車輌幅方向に沿ったブレーキレバーにおいて自由端部を車輌幅方向外方へ偏向させる態様を含む。
また、本発明に係る作業車輌において、駆動源から駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿された伝動装置と、該伝動装置の上方に配設されたステップ台であって、該伝動装置を回避する為に車輌幅方向中央部が凸状とされたステップ台と、前記運転席の左右に配置された左右の後輪フェンダーとを備えている場合には、前記ブレーキレバーが、車輌幅方向位置に関し、前記ステップ台の中央部と前記右後輪フェンダーとの間に配設されている態様を例示できる。なお、前記伝送装置には、ミッションケースやクラッチハウジングを含む。この場合、前記ブレーキレバーが、ブレーキ揺動操作のいずれの状態においても、側面視において前記右後輪フェンダーによって隠蔽されるように配置されていてもよい。こうすることで、たとえ運転者が運転席の右側から乗り降りすることがあっても、当該乗り降りの際に、前記ブレーキレバーが邪魔になって乗り降りしづらいといったことがない。
さらに、本発明に係る作業車輌において、前記パーキングブレーキ操作装置を一体化して前記作業車輌におけるフレームに着脱可能に設けてもよい。例えば、前記パーキングブレーキ操作装置が、前記ブレーキレバーを揺動自在に支持する支持部材と、前記支持部材に回動自在に支持されたカム部材であって、前記ブレーキレバーの前記把持部とは反対側の端部に当接される当接部を有し、該当接部が前記ブレーキレバーのブレーキ揺動操作によって前記把持部とは反対側端部に当接されることで所定の回動方向に回動するカム部材と、前記支持部材に支持される付勢手段であって、前記カム部材が前記所定回動方向とは反対側に回動するように付勢力を付与する付勢手段とを備えていて、前記ブレーキレバー、前記カム部材及び前記付勢手段を一体的に支持する前記支持部材が、前記作業車輌におけるフレームに着脱可能に設けられる態様を挙げることができる。このように前記パーキングブレーキ操作装置を一体化して前記作業車輌におけるフレームに着脱可能に設けることで、製造工程において、前記ブレーキ操作装置を前記作業車輌におけるフレームに取り付ける際の取り付け作業性が良好となり、それだけ製造作業効率を向上させることができると共に、製品出荷後、前記ブレーキ操作装置を交換等するにあたり、該ブレーキ操作装置を着脱する際のメンテナンス作業性が良好となり、それだけメンテナンス作業効率を向上させることができる。
以上説明したように本発明によると、運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌において、前記ブレーキレバーが操作されることで前記左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置を設けるにあたって、運転者や、その他の操作部材に対し、該パーキングブレーキ操作装置を設けることによる影響を考慮した効率的な配置が可能な作業車輌を提供することができる。
さらに、前記ブレーキレバーは前記運転席の右側に配設されているので、右足を踏ん張った状態で(すなわち右足に体重をかけた状態で)該ブレーキレバーを確実に操作することができる。
また、前記ブレーキレバーが、平面視において、把持端部が揺動端部より車輌幅方向外方に位置するように、傾斜されている場合には、運転者が前記把持部を把持する際のブレーキ操作の操作性を向上させることができる。
また、前記伝動装置と、前記ステップ台と、前記左右の後輪フェンダーとを備えている場合において、前記ブレーキレバーが、車輌幅方向位置に関し、前記ステップ台の中央部と前記右後輪フェンダーとの間に配設されており、且つ、ブレーキ揺動操作のいずれの状態においても、側面視において前記右後輪フェンダーによって隠蔽されるように配置されている場合には、たとえ運転者が運転席の右側から乗り降りすることがあっても、当該乗り降りの際に、前記ブレーキレバーが邪魔になって乗り降りしづらいといったことがない。
また、前記パーキングブレーキ操作装置を一体化して前記作業車輌におけるフレームに着脱可能に設ける場合には、該パーキングブレーキ操作装置を前記作業車輌におけるフレームに取り付ける際の取り付け作業性が良好となると共に、該パーキングブレーキ操作装置を交換等するにあたり、該パーキングブレーキ操作装置を着脱する際のメンテナンス作業性が良好となり、それだけ作業効率を向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係る作業車輌200の要部を詳細に示した平面図であり、図2は前記作業車輌200の側面図である。
作業車輌200は、本実施の形態ではトラクタであり、図1及び図2に示すように、駆動源としてのエンジン5からの駆動力を車輌前後方向(図中X方向)一方側及び他方側にそれぞれ配置された駆動輪としての一対の操向輪及び一対の非操向輪に伝達し得るように構成されている。なお、本実施の形態においては、前輪1が操向輪とされ、且つ、後輪2が非操向輪とされている。
この作業車輌200では、前輪1及び後輪2が本機の前後に支承されており、エンジン5が本機前部のボンネット6内部に配置されている。該ボンネット6の後方には操向ハンドル10が設けられ、該操向ハンドル10の後方には運転席11が配設されている。換言すれば、該運転席11の前方に操向ハンドル10が配設されている。操向ハンドル10近傍の図示を省略したダッシュボードには各種操作レバー等の操作部材が配置されている。
エンジン5の後部には該エンジン5から後輪2へ至る走行系伝動経路に介挿されたクラッチハウジング及びミッションケースを含む伝動装置4が配置されていると共に、該伝動装置4の上方に該伝動装置4を回避する為に車輌幅方向(図1中Y方向)中央部12aが凸状とされたステップ台12が配設されており、また運転席11の左右には左右の後輪2の上方と前方と内側方をそれぞれ覆う左右の後輪フェンダー21,22が配置されている。エンジン5からの動力は、後輪2に連結されている左右一対の駆動車軸2a,2bに伝達されて該後輪2が駆動される。この左右の駆動車軸2a,2bに対しては、左右一対のブレーキ装置13a,13bがそれぞれ個別的に独立してそれぞれ制動力を付加する。
そして、運転席11前方(本実施形態では運転席11前方で且つ車輌左側下方)には左右のブレーキ装置13a,13bをそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダル(左ブレーキペダル14a及び右ブレーキペダル14b)が配設されている。この左右のブレーキペダル14a,14bは、ブレーキペダル操作によってブレーキ解除位置(初期位置)とブレーキ作動位置とをとり得るようにそれぞれ構成されていて、所謂ツーペダル仕様とし、ブレーキ操作機構14を介して左右のブレーキ装置13a,13bに作動的に連結されている。このブレーキ操作機構14では、それぞれ付勢部材141a,141bにて、常時、ブレーキ解除位置へ向けて付勢されていて、運転者が該付勢力に抗してブレーキペダル14a,14bをそれぞれ踏み込み操作することでブレーキ作動位置に位置されて左右のブレーキ機構がそれぞれブレーキON状態となり、これによりブレーキ装置13a,13bにて駆動車軸2a,2bに対する制動力がそれぞれ付加される。一方、運転者による踏み込み操作が解除されると、ブレーキペダル14a,14bがいずれも自動的にブレーキ解除位置へ戻され、左右のブレーキ機構がいずれもブレーキOFF状態となり、これによりブレーキ装置13a,13bにて駆動車軸2a,2bへの制動力がそれぞれ解除される。なお、ブレーキ操作機構14の構成は従来周知の構成であり、ここではブレーキ操作機構14のさらに詳しい説明は省略する。
運転席11前方で且つ車輌右側下方には車輌200の前後進速度を調整する為の前後進ペダル(前進ペダル15a及び後進ペダル15b)が配設されている。また、運転席11前方で且つ車輌左側下方であってブレーキペダル14a,14bの後方には図示を省略した差動伝達装置(デフ装置)に設けられたデフロック部にデフロック連動機構を介して連動連結されたデフロックペダル18が配置されている。なお、前後進ペダル15a,15b及びデフロックペダル18に関する連動機構等の構成も従来周知の構成であり、ここではこれらについてのさらに詳しい説明も省略する。
さらに、作業車輌200にはブレーキレバー161を有するパーキングブレーキ操作装置16が設けられている。このパーキングブレーキ操作装置16は、ブレーキレバー161が操作されることで左右一対のブレーキ装置13a,13bの双方が同時に作動するように構成されており、ブレーキレバー161は、把持部161aが車輌前後方向Xに関し操向ハンドル10と運転席11との間に位置するように、運転席11の右側に配設されている。さらに説明すると、ブレーキレバー161の把持部161aが、車輌前進方向(図中X1方向)において、操向ハンドル10の下流端部Aと運転席11の上流側端部Bとの間にあって、本例では、操向ハンドル10の上流端部A’と運転席11の下流側端部B’との間の近傍領域、さらに言えば、上流端部A’と下流側端部B’との間より若干前方に位置している。また、ブレーキレバー161は、車輌幅方向Y位置に関し、ステップ台12の中央部12aと右後輪フェンダー22との間に配設されている。
図3は図1及び図2に示す作業車輌200におけるパーキングブレーキ操作装置16を側面より若干前方から見た概略斜視図である。図3に示すように、パーキングブレーキ操作装置16は一体化して作業車輌200におけるフレーム17(図3では図示省略、図1及び図2参照)に着脱可能に設けられている。本例では、パーキングブレーキ操作装置16は、ブレーキレバー161を揺動自在に支持する支持部材162と、該支持部材162に回動自在に支持されたカム部材163であって、ブレーキレバー161の把持部161aとは反対側の端部161bに当接される当接部163aを有し、該当接部163aがブレーキレバー161のブレーキ揺動操作によって把持部161aとは反対側端部161bに当接されることで所定の第1回動方向(図中時計方向C1)に回動するカム部材163と、支持部材162に支持される付勢手段164(本例では巻きバネ)であって、カム部材163が第1回動方向C1とは反対側の第2回動方向(図中反時計方向C2)に回動するように付勢力を付与する付勢手段164とを備え、ブレーキレバー161、カム部材163及び付勢手段164を一体的に支持する支持部材162が、作業車輌200におけるフレーム17に3本のボルト19にて着脱可能に設けられている。
さらに説明すると、支持部材162は板状の部材であり、ブレーキレバー161を揺動自在に支持する第1支持軸162aと、カム部材163を回動自在に支持する第2支持軸162bと、巻きバネ164の一方の端部のフック部164aを引掛けるためのバネ保持孔162c’を有するバネ保持部材162cと、ブレーキ揺動操作によるブレーキレバー161の作動位置を保持するための側面視ノコギリ歯状の保持部162d’を有する保持部材162dとを備えていて、フレーム17に取り付けるための3本のボルト19を貫通する図示しない貫通孔を有している。
ブレーキレバー161は、支持部材162に設けられた第1支持軸162aに揺動自在に配設されており、運転者の右手等のブレーキ揺動操作によるブレーキレバー161の作動位置を保持できるように支持部材162に設けられた保持部162d’に係合する図示を省略した係合部と、把持部161aの先端において運転者の右手親指等で押圧することで前記係合部の保持部162d’との係合を解除し得るように設けられたレバー保持解除部材161cと、第1支持軸162aを間にして把持部161aとは反対側端部161bにおいてブレーキレバー161の把持部161aを引き上げることでカム部材163の当接部163aと係合する係合部161dとを備えている。
カム部材163は、支持部材162に設けられた第2支持軸162bに回動自在に配設されており、当接部163aにおいて巻きバネ164の他方の端部のフック部164bを引掛けるためのバネ保持部163b’が設けられたバネ保持部材163bと、第2支持軸162bを間にして当接部163aとは反対側の端部163cにおいて後述するパーキングブレーキ操作機構30(図5参照)における第1連結部材31を回動自在に支持する第3支持軸163dとを備えている。
巻きバネ164は、一方の端部164aでバネ保持孔162c’に、また他方の端部164bでバネ保持部163b’に引掛けられている。これにより、巻きバネ164は、カム部材163が第1回動方向C1とは反対側の第2回動方向C2に回動するように付勢力を付与することができる。
図4は図1及び図2に示す作業車輌200におけるパーキングブレーキ操作装置16部分を平面から見た拡大図である。図4に示すように、ブレーキレバー161は、平面視において、ブレーキレバー161の把持部161aの端部であってブレーキレバー161の自由端部である把持端部161a’がブレーキレバー161の基端部である揺動端部161eより車輌幅方向Y外方に位置するように、例えば、車輌前後方向Xに沿って延びる直線Lに対してθ=5度程度傾斜されている。なお、把持端部161a’が揺動端部161eより車輌幅方向Y外方に位置する形態としては、図4に示すように、直線状のブレーキレバー161において揺動軸線αを車輌幅方向Yに対して傾斜させる形態の他、揺動軸線αが車輌幅方向Yに沿ったブレーキレバー161において自由端部161a’を車輌幅方向Y外方へ偏向させる態様を例示できる。
また、ブレーキレバー161は、運転席11の前方に(側面視において右後輪フェンダー22から前方に)突出した状態で設けられていてもよいが、本例では、図2に示すように、ブレーキ揺動操作のいずれの状態においても、側面視において右後輪フェンダー22によって隠蔽されるように配置されている。
図5は図1及び図2に示す作業車輌200におけるパーキングブレーキ操作装置16のブレーキ揺動操作によってブレーキ装置13a,13bを作動させるためのパーキングブレーキ操作機構30の動作状態を説明するための図であり、図5(A)にパーキングブレーキ操作装置16及びパーキングブレーキ操作機構30のブレーキOFF状態を示し、図5(B)にパーキングブレーキ操作装置16及びパーキングブレーキ操作機構30のブレーキON状態を示す。
パーキングブレーキ操作装置16は、図5に示すように、ユニット化された構成となっており、3本のボルト19にて作業車輌200におけるフレーム17(図5では図示を省略、図1及び図2参照)に取り付けられている。
パーキングブレーキ操作機構30は、ブレーキペダル14a,14bに連結される前記ブレーキ操作機構とは別系統で設けられており、前記の第1連結部材31の他、ブレーキシャフト32、左右の一対のブレーキアーム33a,33b及び左右の一対の第2連結部材34a,34bを備えている。ブレーキシャフト32は、作業車輌200におけるフレーム17に回転自在に支持されており、一端部32aで左ブレーキアーム33aを、他方の端部32bで右ブレーキアーム33bをそれぞれ相対回転不能に支持している。このブレーキシャフト32に支持されている左右のブレーキアーム33a,33bのうち、左ブレーキアーム33aは左第2連結部材34aを回動自在に支持する支持部33a’を有している一方、右ブレーキアーム33bは右第2連結部材34bを回動自在に支持する第1支持部33b’を有している。また右ブレーキアーム33bは第1連結部材31を回動自在に支持する第1支持部33b”を有している。
左右の第2連結部材34a,34bは、それぞれ一端部341a,341bで左右のブレーキアーム33a,33bにおける支持部33a’,33b’に回動自在に支持されており、他端部342a,342bで左右のブレーキ装置13a,13b(図5では図示を省略、図1参照)に作動的に連結されている。
このパーキングブレーキ操作装置16及びパーキングブレーキ操作機構30では、図5(A)に示すように、パーキングブレーキ操作装置16のカム部材163が付勢部材164にて、常時、パーキングブレーキ解除位置へ向けて付勢されていて、運転者がブレーキレバー161を作動するように右手等でブレーキ揺動操作することで、パーキングブレーキ作動位置に位置させると、ブレーキレバー161の把持部161aとは反対側端部161bがカム部材163の当接部163aに当接しつつ付勢部材164の付勢力に抗してカム部材163が第1回動方向C1に回動され、さらに第1連結部材31が車輌前後方向後方X2に移行すると共に、右ブレーキアーム33bが第2回動方向C2に回動され、ひいてはブレーキシャフト32が第2回動方向C2に回動されて左ブレーキアーム33aが第2回動方向C2に回動され、その結果、左右の第2連結部材34a,34bが車輌前後方向前方X1にそれぞれ移行することで、左右のブレーキ装置13a,13bがそれぞれブレーキON状態となり、これにより該ブレーキ装置13a,13bにて駆動車軸2a,2bに対する制動力がそれぞれ付加される。このとき、ブレーキレバー161は支持部材162の側面視ノコギリ歯状保持部162d’に図示を省略した前記係合部が係合されることで該ブレーキレバー161の作動位置に保持される(図5(B)参照)。
一方、運転者が右手親指等でブレーキレバー161のレバー保持解除部材161cを押圧して該ブレーキレバー161をパーキングブレーキ作動位置から解除することで、図5(B)に示すように、ブレーキレバー161の把持部161aとは反対側端部161bがカム部材163の当接部163aから離間する方向に移動すると共に、付勢部材164の付勢力にてカム部材163が第2回動方向C2に回動され、さらに第1連結部材31が車輌前後方向前方X1に移行すると共に、右ブレーキアーム33bが第1回動方向C1に回動され、ひいてはブレーキシャフト32が第1回動方向C1に回動されて左ブレーキアーム33aが第1回動方向C1に回動され、その結果、左右の第2連結部材34a,34bが車輌前後方向後方X2にそれぞれ移行することで、左右のブレーキ装置13a,13bがそれぞれブレーキOFF状態となり、これによりブレーキ装置13a,13bにて駆動車軸2a,2bへの制動力がそれぞれ解除される(図5(A)参照)。
なお、本実施形態では、左右一対のブレーキペダル14a,14bが運転席11前方で且つ車輌左側に、前後進ペダル15a,15bが運転席11前方で且つ車輌右側に設けられているが、該ブレーキペダル14a,14bが運転席11前方で且つ車輌右側に、該前後進ペダル15a,15bが運転席11前方で且つ該ブレーキペダル14a,14bよりさらに右側に設けられていてもよい。
以上説明した作業車輌200では、パーキングブレーキ操作装置16におけるブレーキレバー161について、例えば、他の操作部材(各種操作レバー等)の近傍に設けないように、把持部161aが車輌前後方向Xに関し操向ハンドル10と運転席11との間に位置するように、運転席11の右側に配設されているので、ブレーキレバー161と他の操作部材(各種操作レバー等)との間で互いに誤操作を起こし難い。また、ブレーキレバー161は、運転席11の右側に配設されているので、通常、運転席11の左側から乗り降りする運転者が乗り降りの際に、ブレーキレバー161が邪魔になって乗り降りしづらいといったことがない。さらに、パーキングブレーキ操作装置16のブレーキ操作がなされる際には、運転者は、運転席11前方で且つ車輌右側に設けられている前後進ペダル15a,15bから右足を外した姿勢となり得るので、右足に体重をかけて踏ん張って運転席11の右側に配設されているブレーキレバー161のブレーキ操作を行うことができ、これにより、該ブレーキレバー161を確実に操作することができる。
このように作業車輌200によれば、パーキングブレーキ操作装置16を設けるにあたって、運転者や、その他の操作部材に対し、該パーキングブレーキ操作装置16を設けることによる影響を考慮した効率的な配置が可能である。
また、ブレーキレバー161が、図4に示すように、平面視において、把持端部161a’が揺動端部161eより車輌幅方向Y外方に位置するように、傾斜されているので、運転者が把持部161aを把持する際のブレーキ操作の操作性を向上させることができる。
また、ブレーキレバー161が、図1に示すように、車輌幅方向Y位置に関し、ステップ台12の中央部12aと右後輪フェンダー22との間に配設されており、且つ、図2に示すように、ブレーキ揺動操作のいずれの状態においても、側面視において右後輪フェンダー22によって隠蔽されるように配置されているので、たとえ運転者が運転席11の右側から乗り降りすることがあっても、当該乗り降りの際に、ブレーキレバー161が邪魔になって乗り降りしづらいといったことがない。
また、パーキングブレーキ操作装置16を一体化して作業車輌200におけるフレーム17に着脱可能に設けるので、該操作装置16をフレーム17に取り付ける際の取り付け作業性が容易となると共に、該操作装置16を交換等するにあたり、該操作装置16を着脱する際のメンテナンス作業性が容易となり、それだけ作業効率を向上させることができる。
さらに、作業車輌200では、デフロックペダル18がブレーキレバー161が設けられる側とは異なる運転席11の左側に設けられているので、デフロックの連動機構やパーキングブレーキの操作機構等による運転席11の右側部分での構成部品の混み合いを抑制でき、これにより運転席11の右側部分で余裕のある構成にすることができ、それだけ組み付け作業等の作業性を向上させることができる。
ここで、本実施形態のような、前後進ペダル15a,15bが運転席11前方で車輌右側に設けられている構成とは別の構成であるが、図6に示すような構成の作業車輌200’についても例示しておく。
図6は、ハンドルコラム10’の左側方に前後進レバー15’が設けられている構成の作業車輌200’を示している。なお、図6では、図1から図3に示す作業車輌200と実質的に同様の構成作用を有する部材のうち一部について同じ参照符号を付してある。
この作業車輌200’では、前後進レバー15’がハンドルコラム10’左側方から突出しており、運転席11前方で車輌左側にはクラッチペダル40が、運転席11前方で車輌右側には左右一対のブレーキペダル14a,14bが設けられている。また、運転席11前方で車輌左側であってクラッチペダル40の後方にはデフロックペダル18が配置されている。
このような構成の作業車輌200’においても、パーキングブレーキ操作装置16のブレーキレバー161を、把持部161aが車輌前後方向Xに関し操向ハンドル10と運転席11との間に位置するように、運転席11の右側に配設することができる。また、この作業車輌200’においても、デフロックペダル18がブレーキレバー161が設けられる側とは異なる運転席11の左側に設けられているので、デフロックの連動機構やパーキングブレーキの操作機構等による運転席11の右側部分での構成部品の混み合いを抑制でき、これにより運転席11の右側部分で余裕のある構成にすることができ、それだけ組み付け作業等の作業性を向上させることができる。
図1は、本実施の形態に係る作業車輌の要部を詳細に示した平面図である。 図2は、図1に示す作業車輌の側面図である。 図3は、図1及び図2に示す作業車輌におけるパーキングブレーキ操作装置を側面より若干前方から見た概略斜視図である。 図4は、図1及び図2に示す作業車輌におけるパーキングブレーキ操作装置部分を平面から見た拡大図である。 図5は、図1及び図2に示す作業車輌におけるパーキングブレーキ操作装置のブレーキ揺動操作によってブレーキ装置を作動させるためのパーキングブレーキ操作機構の動作状態を説明するための図であって、図5(A)は、パーキングブレーキ操作装置及びパーキングブレーキ操作機構のブレーキOFF状態を示す図であり、図5(B)は、パーキングブレーキ操作装置及びパーキングブレーキ操作機構のブレーキON状態を示す図である。 図6は、ハンドルコラムの左側方に前後進レバーが設けられている構成の作業車輌を示す平面図である。
符号の説明
1,2…駆動輪 2a…左駆動車軸 2b…右駆動車軸 4…伝動装置 5…駆動源
11…運転席 12…ステップ台 12a…ステップ台の中央部 10…操向ハンドル
13a…左ブレーキ装置 13b…右ブレーキ装置 14a…左ブレーキペダル
14b…右ブレーキペダル 15a…前進ペダル 15b…後進ペダル
16…パーキングブレーキ操作装置 17…作業車輌におけるフレーム
21…左後輪フェンダー 22…右後輪フェンダー 161…ブレーキレバー
161a…ブレーキレバーの把持部 161a’…ブレーキレバーの把持端部
161b…ブレーキレバーの把持部とは反対側の端部
161c…ブレーキレバーの揺動端部 162…支持部材 163…カム部材
163a…カム部材の当接部 164…付勢手段 200…作業車輌
X…車輌前後方向 Y…車輌幅方向

Claims (5)

  1. 運転席と、該運転席の前方に配設された操向ハンドルと、左右一対の駆動車軸に対してそれぞれ作動的に制動力を付加する左右一対のブレーキ装置と、前記左右一対のブレーキ装置をそれぞれ個別操作する為の左右一対のブレーキペダルと、車輌の前後進速度を調整する為の前後進ペダルとを備え、前記左右一対のブレーキペダルが運転席前方に、前記前後進ペダルが前記運転席前方で且つ車輌右側に設けられている作業車輌において、
    ブレーキレバーを有するパーキングブレーキ操作装置であって、前記ブレーキレバーが操作されることで前記左右一対のブレーキ装置の双方が同時に作動するように構成されたパーキングブレーキ操作装置を備えており、
    前記ブレーキレバーは、把持部が車輌前後方向に関し前記操向ハンドルと前記運転席との間に位置するように、前記運転席の右側に配設されていることを特徴とする作業車輌。
  2. 前記ブレーキレバーは、平面視において、把持端部が揺動端部より車輌幅方向外方に位置するように、傾斜されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車輌。
  3. 駆動源から駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿された伝動装置と、該伝動装置の上方に配設されたステップ台であって、該伝動装置を回避する為に車輌幅方向中央部が凸状とされたステップ台と、前記運転席の左右に配置された左右の後輪フェンダーとを備え、
    前記ブレーキレバーは、車輌幅方向位置に関し、前記ステップ台の中央部と前記右後輪フェンダーとの間に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車輌。
  4. 前記ブレーキレバーは、ブレーキ揺動操作のいずれの状態においても、側面視において前記右後輪フェンダーによって隠蔽されるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の作業車輌。
  5. 前記パーキングブレーキ操作装置は、前記ブレーキレバーを揺動自在に支持する支持部材と、
    前記支持部材に回動自在に支持されたカム部材であって、前記ブレーキレバーの前記把持部とは反対側の端部に当接される当接部を有し、該当接部が前記ブレーキレバーのブレーキ揺動操作によって前記把持部とは反対側端部に当接されることで所定の回動方向に回動するカム部材と、
    前記支持部材に支持される付勢手段であって、前記カム部材が前記所定回動方向とは反対側に回動するように付勢力を付与する付勢手段とを備え、
    前記ブレーキレバー、前記カム部材及び前記付勢手段を一体的に支持する前記支持部材が、前記作業車輌におけるフレームに着脱可能に設けられることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の作業車輌。
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