JP2006054842A - 画像読取装置 - Google Patents

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修一 伊東
Yoshiyuki Ishii
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Abstract

【課題】送信に適した読取条件を選択するための判断材料をユーザに提供し、これに基づいてユーザ自身で読取条件を選択することのできる画像読取装置を提供する。
【解決手段】ユーザが指定した読取条件で原稿を読み取り、その画像データのデータサイズの実測値を求める。その後、解像度や画質などの読取条件を種々に変更して原稿を読み取り、各読取条件におけるデータサイズの実測値を求める。あるいは読取条件を変えた場合の推測値を実測値から演算で求める。実測あるいは推測で求めた読取条件毎のデータサイズを表示し、どの読取条件の画像データを電子メールに添付して送信するかの選択操作をユーザから受け付け、選択された画像データを送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原稿を読み取る画像読取装置に関する。
原稿を読み取って得た画像データをファイル化し、これを電子メールに添付して送信したり、ネットワークを通じて外部装置に送信したりする機能を備えた画像読取装置がある。このような装置では、送信するデータサイズが膨大となってネットワークに大きな負荷がかからないように種々の対応措置が取られている。
たとえば、データサイズが予め定めた上限サイズを超える場合に、解像度を低下させたり画像サイズを縮小したりすることで自動的にデータサイズを低減するようにした画像読取装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。また、データサイズに応じて圧縮方式を自動選択する画像読取装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
特開2003−16017号公報 特開2000−101795号公報
データサイズに応じて解像度や画像サイズ、圧縮方式を自動的に変更するものでは、これらの変更がユーザの意思を確認することなく行なわれるので、ユーザの意図しない画質の画像が送信されてしまうことがある。たとえば、少しぐらいネットワーク負荷が増えても画質を優先したい場合でも、そのようなユーザの意思を反映させることはできなかった。
一方、ユーザには、解像度や圧縮方式を変えた場合にデータサイズやネットワークへの負荷がどのように変化するかが分からないので、最適な読取条件をユーザ自身に選択させることは難しい。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、送信に適した読取条件を選択するための判断材料をユーザに提供すること、およびこの判断材料に基づいてユーザ自身で読取条件を選択することのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
請求項1に係わる発明は、原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データの属性に関与する実測値を検出するとともに、
前記画像データもしくは前記実測値に基づいて、前記原稿を読み取る際の読取条件を変化させた際に得られる画像データの属性に関与する推測値を演算する演算手段と、
前記実測値と前記推測値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置である。
上記発明によれば、読み取ったデータについて、所定の属性に関与する実測値と、読み取り条件を変えた場合の推測値とが表示される。推測値は1種類でも、読取条件を種々に変えて複数種類求めてもよい。
請求項2に係わる発明は、原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段での第1の読取条件に基づく読み取りにより得られた画像データの属性に関与する第1の実測値を検出するとともに、
前記読取手段での第1の読取条件とは異なる第2の読取条件に基づく読み取りにより得られた画像データの属性に関与する第2の実測値を検出する演算手段と、
前記第1の実測値及び前記第2の実測値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置である。
上記発明によれば、同じ原稿を異なる読取条件で複数回読み取り、それぞれの読み取りで得たデータについて、所定の属性の実測値が検出されて表示される。
請求項3に係わる発明は、原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データの属性に関与する実測値を検出するとともに、
前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データを出力する際の出力条件に応じてデータの属性に関与する推測値を演算する演算手段と、
前記実測値と前記推測値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置である。
上記発明によれば、読み取ったデータについて、所定の属性に関与する実測値と、出力する際の出力条件に応じた推測値とが表示される。出力条件には、たとえば、出力時の記録紙サイズや出力時の解像度がある。
請求項4に係わる発明は、前記属性とはデータ容量である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、読み取ったデータのデータ容量(データサイズ)に係わる実測値や推測値が表示される。
請求項5に係わる発明は、前記読取条件とは解像度である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、解像度を変えた場合の推測値や実測値が表示される。解像度には、水平解像度と垂直解像度とがある。水平解像度と垂直解像度との組み合わせが予め定めてある場合のほか、水平解像度と垂直解像度とを独立に選択可能な場合も含まれる。
請求項6に係わる発明は、前記読取条件とは圧縮方式である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、圧縮率を変えた場合の推測値や実測値が表示される。
請求項7に係わる発明は、前記読取条件とは画質である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、画質を変えた場合の推測値や実測値が表示される。
請求項8に係わる発明は、前記出力条件とは外部端末での印刷出力時の出力サイズである
ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、たとえば、出力条件として外部端末での出力サイズを読取装置側で指定できる場合に、出力条件に対応した推測値が表示される。
請求項9に係わる発明は、さらに、前記表示手段での表示の確認後に、前記実測値もしくは前記推測値に対応するデータを選択する選択手段を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、表示された複数種類の実測値や推測値を判断材料として、データ(読取条件)が選択される。
請求項10に係わる発明は、前記選択手段で選択された推測値が前記読取条件を変化させて演算したものである場合、前記推測値を演算した時の読取条件にて原稿を再読取させる
ことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、読取条件を変化させて演算した推測値が選択されたときは、その推測値を演算した時の読取条件で原稿が再読取される。
請求項11に係わる発明は、さらに、前記選択手段で選択されたデータもしくは再読取で得られたデータを送信する画像送信手段を備える
ことを特徴とする請求項9乃至10のいずれかに記載の画像読取装置である。
たとえば、電子メールの添付ファイルとして転送する。
請求項12に係わる発明は、前記実測値もしくは前記推測値に応じて、前記画像送信手段によるデータ送信時のネットワーク負荷に関する情報の表示を行なう表示手段を備える
ことを特徴とする請求項11に記載の画像読取装置である。
上記発明によれば、実測値や推測値のそれぞれについて転送負荷に関する情報が表示される。転送負荷を表わす情報は、案内メッセージのほか記号や絵柄、数値などで表示してもよい。
請求項13に係わる発明は、原稿を読み取り、該原稿に対応する画像信号を出力する読取手段と、
前記画像信号を処理する項目に関して第1の処理条件および第2の処理条件の中から所望の1つを選択可能な画像処理条件設定手段と、
前記画像信号を前記第1の処理条件に基づいて処理し、第1の画像データを得るとともに、該第1の画像データに基づいて第1の属性値を演算する演算手段と、
前記第1の属性値を表示する表示手段と
を有することを特徴とする画像読取装置である。
請求項14に係わる発明は、前記演算手段は、前記画像信号を前記第2の処理条件に基づいて処理し、第2の画像データを得るとともに、前記第2の画像データに基づいて第2の属性値を演算し、
前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置である。
請求項15に係わる発明は、前記表示手段に表示される前記第1の属性値および前記第2の属性値に基づいて、所望の画像処理条件を選択する選択手段
を有することを特徴とする請求項14に記載の画像読取装置である。
請求項16に係わる発明は、前記選択手段で選択された前記画像処理条件に基づいて画像処理された結果得られた画像データを送信する送信手段
を有することを特徴とする請求項15に記載の画像読取装置である。
請求項17に係わる発明は、前記第1の処理条件に基づく処理の後に実行される前記第2の処理条件に基づく処理に際し、前記読取手段が再度原稿を読み取り、該原稿に対応する画像信号を出力すること
を有することを特徴とする請求項16に記載の画像読取装置である。
請求項18に係わる発明は、前記演算手段は、前記第1の属性値と前記第2の処理条件に基づいて第2の属性値を演算し、
前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置である。
請求項19に係わる発明は、前記演算手段は、前記画像信号と前記第2の処理条件に基づいて第2の属性値を演算し、
前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置である。
請求項20に係わる発明は、前記表示手段に表示される前記第1の属性値および前記第2の属性値に基づいて、所望の画像処理条件を選択する選択手段
を有することを特徴とする請求項18もしくは19に記載の画像読取装置である。
請求項21に係わる発明は、前記選択手段で選択された前記画像処理条件に基づいて処理された結果得られた画像データを送信する送信手段
を有することを特徴とする請求項20に記載の画像読取装置である。
請求項22に係わる発明は、前記画像読取装置は、前記第1の処理条件に基づいて画像処理された結果得られた前記第1の画像データを送信する送信手段を有しており、
前記表示手段は、前記第1の画像データを前記送信手段にて送信してよいか否かを判断するために前記第1の属性値を表示させること
を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置である。
請求項23に係わる発明は、前記演算手段は、前記画像信号を前記第1の処理条件に基づいて処理し、第1の画像データを得る画像処理手段と、該第1の画像データに基づいて第1の属性値を演算する属性演算手段とを有すること
を特徴とする請求項13乃至22のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項24に係わる発明は、前記表示手段は、得られた属性値としきい値とを比較し、ネットワーク負荷に関する情報を表示すること
を特徴とする請求項13乃至23のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項25に係わる発明は、前記表示手段は、前記属性値、前記処理条件および前記負荷に関する情報を関連付けて表示すること
を特徴とする請求項24に記載の画像読取装置である。
請求項26に係わる発明は、前記画像読み取り装置は操作パネルを有しており、
前記表示手段、および前記選択手段は、前記操作パネルに設けられていること
を特徴とする請求項13乃至25のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項27に係わる発明は、前記処理条件設定手段は、前記操作パネルに設けられていること
を特徴とする請求項26に記載の画像読取装置である。
請求項28に係わる発明は、前記画像読み取り装置は外部のコンピュータと電気的に接続されており、
前記表示手段、および前記選択手段は、前記コンピュータに設けられていること
を特徴とする請求項13乃至25のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項29に係わる発明は、前記処理条件設定手段は、前記コンピュータに設けられていること
を特徴とする請求項28に記載の画像読取装置である。
請求項30に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、原稿読取条件に関するものであること
を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項31に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、解像度であること
を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置である。
請求項32に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、圧縮方式であること
を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置である。
請求項33に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、画質であること
を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置である。
請求項34に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、画像出力条件に関するものであること
を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置である。
請求項35に係わる発明は、前記画像信号を処理する前記項目は、用紙サイズであること
を特徴とする請求項34に記載の画像読取装置である。
請求項36に係わる発明は、前記属性値は、データサイズに関するものであること
を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置である。
本発明に係わる画像読取装置によれば、原稿を読み取って得たデータの所定の属性に関する実測値と、読取条件を変えた場合の実測値や推測値もしくは出力条件に応じた推測値とを表示するので、読取条件等を選択するための判断材料がユーザに提供される。これにより、ユーザは表示された実測値や推測値を参考に、自己の希望と折り合いの付く読取条件や出力条件を選択することができる。たとえば、実測値や推測値がデータ容量である場合には、送信に適した条件のデータを選択することができる。さらに受信側のネットワーク環境がわかっている場合には、表示された実測値や推測値を参考にして、その環境にあった画像データをユーザ自身で選択することができる。
推測値を求めるものでは、原稿を再度読み取って実測値を求める場合に比べて判断材料をユーザに迅速に提供することができる。一方、実測を繰り返すものでは、正確な判断材料を提供することができる。
また、実測値や推測値とともに転送負荷に関する情報を表示するものでは、データサイズだけでは判断できないユーザに対しても、ネットワークへの負荷がどの程度のものかを分かり易く通知することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係わる画像読取装置10の構成とその使用環境とを示している。画像読取装置10は、原稿を読み取って対応する画像データを取得し、この画像データをファイル化し、これを電子メールに添付して送信したり、FTP(File Transfer Protocol)で外部端末に送信したりする機能を備えている。また、原稿の読取条件として、解像度、画質、圧縮方式(ファイル形式)などを選択することができる。
画像読取装置10は、読取手段11と、演算手段12と、表示・選択手段13(操作パネル)と、送信手段14とを有している。このほか、画像データを一時的に保存するための図示省略の記憶部などを備えている。
画像読取装置10は、転送手段15を通じて転送端末16に接続される。転送手段15は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、電話線、光ケーブルなど、送信された画像データを伝送するネットワークや媒体である。転送端末16は、クライアントPCや、FTPサーバーなど伝送された画像データを受け取る装置である。
読取手段11は、原稿を読み取って対応する画像信号を出力する機能を果たす。読取手段11は、たとえば、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路とを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)で構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D変換され、デジタルの画像信号として出力される。
演算手段12は、CPU(中央処理装置)を主要部として構成されている。演算手段12は、読取手段11が出力した画像信号を、図示していない画像処理条件設定手段にて設定された画像処理条件(例えば、解像度や圧縮形式などの読取項目に関する条件や、出力画像サイズなどの出力項目に関する条件)に基づいた画像処理により得られた画像データを作成する機能を果たす。
また、作成された画像データについて、データの所定の属性(例えば、データサイズ)に関与する実測値を求めたり、画像処理条件(例えば、読取条件)を変えた場合の推測値を算出したりする機能を果たす。推測値は、読取項目に関する条件毎(例えば、解像度の項目につき、400dpi、200dpi毎)に重み係数を予め設定しておき、属性に関する実測値に重み係数を乗じることで算出される。
なお、推測値は画像処理により得られた画像データに基づいて算出してもよい。さらに演算手段12は、画像処理条件設定手段にて設定された画像処理条件に基づいて得られた画像データを転送する際の転送負荷に関する情報、たとえばネットワークへの負荷に関する情報をユーザに分かり易く示す情報を決定する機能を果たす。
ここで、演算手段12は、画像処理条件設定手段にて設定された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、画像処理手段により得られた画像データに基づいて、その属性値を演算する属性演算手段とを有し、処理を分担するように構成されてもよい。
表示・選択手段13は、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイと各種の操作スイッチとから構成され、ユーザに各種の案内表示や状態表示を行なったり、ユーザから各種の操作を受け付けたりする機能を有する。詳細には表示・選択手段13は、演算手段12による属性値の演算結果に基づいて、読取条件/出力条件別の属性値(データサイズ)を表示したり、データサイズなどに応じた情報(転送負荷を表す情報)を表示したり、転送される画像データにつき、表示される画像処理条件の中から任意のものの選択を受け付けたりする。
ここで、表示・選択手段13は、表示手段と選択手段とに分けて構成されてもよい。なお、生成された画像を画像読取装置10に接続した外部ディスプレイ装置などに表示する構成としてもよい。本実施の形態においては、画像読取装置10に表示・選択手段13が設けられる例を述べたが、この例に限らず、画像読取装置10に接続されるコンピュータに表示・選択手段13が設けられるようになっていてもよい。また、画像処理条件設定手段と表示・選択手段13とが兼用されるようになっていてもよい。
送信手段14は、作成した画像データを電子メールやFTP、SMB(Server Message Block)などで外部に送信する機能を果たす。なおSMBは、ファイルサービスやプリントサービスを実現するためのネットワークプロトコルである。送信手段14は、転送手段15に代えて図示しないプリンタ部に、画像データを送信してもよい。また、上記の例によらず、読取手段11および演算手段12を有する画像読取装置10と、この画像読取装置10に接続され、表示・選択手段13を有するコンピュータとを有する読取システムを構成してもよい。この場合、この読取システムが、送信手段14を有し、この送信手段14を用いることにより、読取システムの内外に画像データを送信することができる。
図2は、画像読取装置10の概略動作を示している。ユーザが原稿をセットし、ジョブの種類や読取条件、送信条件を選択・設定した後に図示省略のスタートボタンを操作すると、この処理(メインルーチン)が実行される。ジョブの種類には、読み取った画像データを電子メールの添付ファイルにして送信する「Scan to E-mail」ジョブとその他のジョブとがある。その他のジョブには、たとえば、読み取った画像データをそのままコンピュータ装置に転送するジョブがある。
まず、ジョブの種類をチェックし(ステップS101)、「Scan to E-mail」ジョブが選択されているときは(ステップS101;Y)、実測モードが選択されているか否かを調べる(ステップS102)。「Scan to E-mail」ジョブにおいてユーザは、実測モードと予測モードのいずれかを選択することができる。実測モードは、読取条件を変えて原稿を再度読み取る、もしくは、原稿を読み取って得た画像信号を保存しておき、この画像信号を再利用することで、それぞれの読取条件に対応する画像データの所定の属性(たとえば、データサイズ)の値を実測値として求める動作モードである。予測モードは、原稿を読み取って画像データ、および画像データに対応する所定の属性に係わる実測値を求めるとともに、この実測値、もしくは画像データに所定の演算を施すことで、読取条件を変えた場合の予測値を求める動作モードである。
実測モードが選択されているときは(ステップS102;Y)、読取条件を変更しては原稿を読み取ることを複数回行なって複数種類の実測値を求める「Scan to E-mail 処理1」を実行する(ステップS103)。予測モードが選択されているときは(ステップS102;N)、原稿を読み取って実測値を求め、この実測値から予測値を求める「Scan
to E-mail 処理2」を実行する(ステップS104)。「Scan to E-mail」ジョブが選択されていないときは(ステップS101;N)、その他の処理を実行する(ステップS105)。
「Scan to E-mail 処理1」では、画像処理条件として読取項目に関して設定可能な複数の条件毎に、その属性値に関する実測値を求めるようになっている。すなわち、原稿を読み取って画像信号を得て、この画像信号と複数の画像処理条件とに基づいて複数の画像データを作成し、各々の画像データの所定の属性について実測値を求める。なお、ここで、任意の読取項目につき、画像読取装置10にて設定可能なすべての条件に基づいて実測値を求めることが好ましい。画像処理条件としての読取項目には解像度、圧縮方式、画質があり、たとえば、解像度には、600dpi、400dpi、200dpiといった処理条件が設定可能である。以下、読み取りの際の処理に関する項目である解像度、圧縮方式、画質のそれぞれについて説明する。
図3は、読取条件として解像度を変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」の流れを示している。操作パネル13上で選択できる解像度の値のそれぞれについて原稿を読み取って画像データを生成する(ステップS121)。たとえば、操作パネル13から600dpi、400dpi、200dpiの3種類の解像度を選択可能な場合には、解像度を600dpiに設定した読取動作と、400dpiに設定した読取動作と、200dpiに設定した読取動作を実行する。なお、自動原稿送り装置で原稿を読み取る場合には、ユーザに原稿を原稿台へ再セットしてもらうことになる。このとき、再セットを促すメッセージを操作パネル13に表示するとよい。
次に、解像度別に生成された画像データからそれぞれのデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS122)、解像度別にデータサイズと、データサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報とを操作パネル13に表示する(ステップS123)。
図4は、操作パネル13に表示される解像度別表示画面130の一例を示している。解像度別表示画面130には、解像度と、データサイズ(実測値)と、そのデータサイズに応じた転送時の負荷(ネットワークへの負荷)予測を表した情報とが対応付けて表示されている。ここでは、予め定めた複数種類のしきい値とデータサイズ(得られた属性値)とを比較することで、画像データをクラス分けし、それぞれのクラスに対応付けて予め登録してあるメッセージをその画像データの転送時に生じるネットワークへの負荷に関する情報として表示するようになっている。
たとえば、データサイズが3Mバイト未満ならば「ネットワークへの負荷はあまりありません」というメッセージを表示する。3Mバイト以上6Mバイト未満ならば「ネットワークに負荷がかかる恐れがあります」というメッセージを表示する。6Mバイト以上なら「ネットワークに負荷がかかります」というメッセージを表示する。クラスの数、しきい値の値、メッセージの内容は適宜に設定変更することができる。
操作パネル13に表示された解像度別表示画面130を判断材料としてユーザにいずれの解像度で送信するかを選択させる(図3、ステップS124)。たとえば、ユーザは、タッチパネル式の操作パネル13に表示された解像度別表示画面130の中の該当箇所に触れることで解像度を選択することができる。図5は、図4において400dpiが選択された場合の解像度別表示画面130aの一例を示している。この画面では、選択された解像度に該当する横一行の表示欄131の色が変化している。たとえば、白黒反転表示したり、背景色や文字色を変化させたりすることができる。
画像読取装置10は、ユーザから解像度の選択操作を受けると、この選択された解像度の画像データを電子メールに添付して送信する(図3、ステップS125)。
次に、圧縮方式を変える場合について説明する。図6は、読取条件として圧縮方式を変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」の流れを示している。操作パネル13上で選択できるすべての圧縮方式のそれぞれについて、原稿を読み取り、それを圧縮した画像データを生成する(ステップS161)。たとえば、操作パネル13からTIFF(Tagged
Image File Format)とPDF(Portable Document Format)の2種類の圧縮方式を選択可能な場合には、圧縮方式を変えて原稿を2回読み取る。なお、TIFFやPDFはファイル形式であるが、それぞれのファイル形式で使用される圧縮方式が異なるので、データサイズの観点からすれば実質的に圧縮方式を選択していることになる。
その後、圧縮方式別に生成された画像データからそれぞれのデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS162)、圧縮方式別にデータサイズおよびデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報を操作パネル13に表示する(ステップS163)。
図7は、操作パネル13に表示される圧縮方式別表示画面170の一例を示している。圧縮方式別表示画面170には、読み取った画像データ毎に、圧縮方式と、データサイズ(実測値)と、そのデータサイズに応じた転送時の負荷(ネットワークへの負荷)予測を表した情報とが対応付けて表示されている。
操作パネル13に表示された圧縮方式別表示画面170を判断材料としてユーザにいずれの圧縮方式で送信するかを選択させる(図6、ステップS164)。図8は、図7においてTIFFが選択された場合の圧縮方式別表示画面170aの一例を示している。この画面では、選択された圧縮方式に該当する横一行の表示欄171の色が変化している。画像読取装置10は、ユーザから圧縮方式の選択操作を受けると、この選択された圧縮方式の画像データを電子メールに添付して送信する(図6、ステップS165)。
なお、原稿を読み取って得た生データ(画像信号)をメモリに保存しておき、この生データから各圧縮方式で圧縮した画像データを生成することで、各圧縮方式におけるデータサイズの実測値を求めるように構成してもよい。この場合、原稿の読み取り動作が1回で済むので、作業時間が短縮される。また、自動原稿送り装置に原稿を再セットする手間がなく、操作性が向上する。
次に、画質を変える場合について説明する。図9は、読取条件として原稿の画質に応じた処理モードを変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」の流れを示している。操作パネル13上で選択できるすべての原稿画質に対応する処理モードのそれぞれについて、原稿を読み取って画像データを生成する(ステップS201)。たとえば、操作パネルから写真、文字、鉛筆の3種類の原稿画質に対応する処理モードを選択可能な場合には、画質を変えて原稿を3回読み取る。
その後、画質別に生成された画像データからそれぞれのデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS202)、画質別にデータサイズおよびデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報を操作パネル13に表示する(ステップS203)。
図10は、操作パネル13に表示される画質別表示画面210の一例を示している。画質別表示画面210には、画質の種類と、データサイズ(実測値)と、そのデータサイズに応じた転送時の負荷(ネットワークへの負荷)予測を表した情報とが対応付けて表示されている。
操作パネル13に表示された画質別表示画面210を判断材料としてユーザにいずれの画質で送信するかを選択させる(図9、ステップS204)。図11は、図10において文字が選択された場合の画質別表示画面210aの一例を示している。この画面では、選択された画質に該当する横一行の表示欄211の色が変化している。画像読取装置10は、ユーザから画質の選択操作を受けると、この選択された画質で読み取った画像データを電子メールに添付して送信する(図9、ステップS205)。
次に、「Scan to E-mail 処理2」について説明する。「Scan to E-mail 処理2」では、読取手段11から得られた画像信号を処理するに際して読取項目に関する条件を選択させる場合と、出力項目に関する条件を選択させる場合とがある。まず、読取条件を変化させる場合について説明する。
読取条件を選択させる場合は、原稿を読み取る際に選択された読取条件で原稿を1度読み取って画像データを生成し、この画像データの所定の属性(データサイズ)について実測値を検出する。他の読取条件に関しては、先に得た実測値に所定の演算を施して、推測値を得るようになっている。
読み取りの際の処理に関する項目には解像度、圧縮方式、画質があり、以下、それぞれについて説明する。
図12は、読取条件として解像度を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」の流れを示している。また、この処理におけるデータの流れを図1に示してある。操作パネル13から指定された解像度で原稿を読み取って画像データを生成する(ステップS241、図1のP1)。この画像データのデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS242)、さらにこの実測値から他の解像度におけるデータサイズの推測値を演算で求める(ステップS243)。
たとえば、操作パネル13から600dpi、400dpi、200dpiの3種類の解像度を選択可能な場合で、実際の原稿の読み取りが400dpiで行なわれた場合には、600dpiと200dpiにおけるデータサイズの推測値を演算で求める。推測値は、あらかじめ設定した重み係数を実測値に乗じて求めるようになっている。
図13は、解像度別重み係数表250の一例を示している。この例では、600dpiには重み係数「5」を、400dpiには重み係数「3」を、200dpiには重み係数「1」を設定してある。これらの値は、たとえば、種々のテストチャートについて解像度を変えて画像データを読み取り、それらのデータサイズの実測値から統計的に定められる。
推測値は、推測値=(実測時のデータサイズ)÷(実測時の解像度の重み係数)×(推定する解像度の重み係数)として求められる。たとえば、原稿を読み取ったときの解像度が400dpiでそのデータサイズの実測値が3Mバイトの場合、図13の解像度別重み係数表250から、600dpiの推測値=3÷3×5=5Mバイトと求まる。200dpiの推測値=3÷3×1=1Mバイトになる。
次に、各解像度について、解像度と、その解像度における実測値または推測値のデータサイズと、そのデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報とを対応付けて操作パネル13に表示する(ステップS244)。図1のP2は、実測値および推測値の表示指令を表わしている。
図14は、操作パネル13に表示される解像度別表示画面260の一例を示している。ここでは、原稿読取時に選択された解像度(実測値)に対応する表示欄261の色を他(推測値)と異なる色にしてある。たとえば、白黒反転表示したり、背景色や文字色を変化させたりすることができる。
その後、操作パネル13に表示された解像度別表示画面260を判断材料としてユーザにいずれの解像度で送信するかを選択させる(図12、ステップS245)。図1のP3は、演算手段12への選択結果の通知である。
選択された解像度が読取時の解像度と異なる場合は(ステップS246;N)、変更された解像度で再度、原稿を読み取って画像データを作成し(ステップS247、図1のP4)、この画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS248、図1のP5〜P7)。
図15は、図14において読取時と異なる解像度が選択された場合の解像度別表示画面260aの一例を示している。この画面では、最初の読取時の解像度(400dpi)に対応する表示欄に代えて、後に選択された解像度(600dpi)の表示欄262の色が変化している。
選択された解像度が読取時の解像度と同じ場合は(図12、ステップS246;Y)、最初に読み取ったときの画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS248)。
図16は、読取条件として圧縮方式を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」の流れを示している。操作パネル13より指定された圧縮方式で原稿を読み取って画像データを生成する(ステップS301)。この画像データからデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS302)、さらにこの実測値から他の圧縮方式におけるデータサイズの推測値を演算で求める(ステップS303)。たとえば、操作パネル13からTIFFとPDFの2種類の圧縮方式を選択可能な場合で、実際の原稿の読み取りがTIFFで行なわれた場合には、PDFにおけるデータサイズの推測値を演算で求める。推測値は、あらかじめ設定した重み係数を実測値に乗じて求めるようになっている。
図17は、圧縮方式別重み係数表310の一例を示している。TIFFには重み係数「2」を、PDFには重み係数「1」を設定してある。これらの値は、たとえば、種々のテストチャートについて圧縮方式を変えて画像データを読み取り、それらのデータサイズの実測値から統計的に定められる。
推測値は、推測値=(実測時のデータサイズ)÷(実測時の圧縮方式の重み係数)×(推定する圧縮方式の重み係数)として求められる。たとえば、原稿を読み取ったときの圧縮方式がTIFFでそのデータサイズの実測値が5Mバイトの場合、図17の圧縮方式別重み係数表310から、PDFの推測値=5÷2×1=2.5Mバイトになる。
次に、各圧縮方式について、解像度と、その解像度における実測値または推測値のデータサイズと、そのデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報とを対応付けて操作パネル13に表示する(ステップS304)。
図18は、操作パネル13に表示される圧縮方式別表示画面320の一例を示している。ここでは、原稿読取時に選択された圧縮方式に対応する表示欄321の色を他と異なる色にしてある。たとえば、白黒反転表示したり、背景色や文字色を変化させたりすることができる。
その後、操作パネル13に表示された圧縮方式別表示画面320を判断材料としてユーザにいずれの圧縮方式で送信するかを選択させる(図16、ステップS305)。選択された圧縮方式が読取時の圧縮方式と異なる場合は(ステップS306;N)、変更された圧縮方式で再度、原稿を読み取り、圧縮して画像データを作成し(ステップS307)、この画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS308)。
図19は、図18において読取時と異なる圧縮方式が選択された場合の圧縮方式別表示画面320aの一例を示している。この画面では、最初の読取時の圧縮方式(TIFF)に対応する表示欄に代えて、後に選択された圧縮方式(PDF)の表示欄322の色が変化している。
選択された圧縮方式が読取時の圧縮方式と同じ場合は(図16、ステップS306;Y)、最初に読み取ったときの画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS308)。
なお、最初に原稿を読み取る際に生データ(画像信号)をメモリに保存しておき、圧縮方式が変更されたときこの生データから変更後の圧縮方式に対応する画像データを生成するように構成してもよい。この場合、圧縮方式を変更しても原稿の読み取り動作が最初の1回のみで済むので、作業時間が短縮される。また、自動原稿送り装置に原稿を再セットする手間がなく、操作性が向上する。
図20は、読取条件として画質を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」の流れを示している。操作パネル13より指定された画質で原稿を読み取って画像データを生成する(ステップS351)。この画像データからデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS352)、さらにこの実測値から他の画質におけるデータサイズの推測値を演算で求める(ステップS353)。たとえば、操作パネル13から写真、文字、鉛筆の3種類の画質を選択可能な場合で、実際の原稿の読み取りが写真で行なわれた場合には、文字と鉛筆のそれぞれにおけるデータサイズの推測値を演算で求める。推測値は、あらかじめ設定した重み係数を実測値に乗じて求めるようになっている。
次に、各画質について、解像度と、その解像度における実測値または推測値のデータサイズと、そのデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報とを対応付けて操作パネル13に表示する(ステップS354)。
図21は、操作パネル13に表示される画質別表示画面360の一例を示している。ここでは、原稿読取時に選択された画質に対応する表示欄361の色を他と異なる色にしてある。たとえば、白黒反転表示したり、背景色や文字色を変化させたりすることができる。
その後、操作パネル13に表示された画質別表示画面360を判断材料としてユーザにいずれの画質で送信するかを選択させる(図20、ステップS355)。選択された画質が読取時の画質と異なる場合は(ステップS356;N)、変更された画質で再度、原稿を読み込ませて画像データを作成し(ステップS357)、この画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS358)。
図22は、図21において読取時と異なる画質が選択された場合の画質別表示画面360aの一例を示している。この画面では、最初の読取時の画質(写真)に対応する表示欄に代えて、後に選択された画質(文字)の表示欄362の色が変化している。
選択された画質が読取時の画質と同じ場合は(図20、ステップS356;Y)、最初に読み取ったときの画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS358)。
次に、出力条件を選択させる場合について説明する。出力条件を選択させる場合は、読み取った画像データからデータサイズの実測値を検出し、他の出力の際の処理に関する項目に関しては、先の実測値に演算を施して推測値を得るようになっている。出力条件には、たとえば、読み取った原稿を送信先で画像形成した上で、記録紙に出力させる際の出力サイズがある。かかる出力条件の指定は、相手先で出力される際の出力サイズを送信側で指定できる場合に有効である。
図23は、出力条件として送信先での出力サイズを変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」の流れを示している。原稿を読み取り、操作パネル13より指定された出力サイズに合った画像データを生成する(ステップS401)。この画像データからデータサイズ(実測値)を検出し(ステップS402)、さらにこの実測値から他の出力サイズにおけるデータサイズの推測値を演算で求める(ステップS403)。たとえば、操作パネル13から出力サイズとして、A3、B4、A4、B5の4種類の出力サイズを選択可能な場合で、原稿の読み取り時の指定がA3の場合には、出力サイズがA3という条件については、得られた画像データに基づいてデータサイズ(実測値)を演算する。そして、出力サイズをB4、A4、B5とした場合のデータサイズの推測値については、この実測値に基づいて演算で求める。推測値は、あらかじめ設定した重み係数を実測値に乗じて求めるようになっている。
次に、各出力サイズについて、出力サイズと、その出力サイズにおける実測値または推測値のデータサイズと、そのデータサイズに応じた転送時の負荷予測を表した情報とを対応付けて操作パネル13に表示する(ステップS404)。
図24は、操作パネル13に表示される出力サイズ別表示画面410の一例を示している。ここでは、原稿読取時に選択された出力サイズに対応する表示欄411の色を他と異なる色にしてある。たとえば、白黒反転表示したり、背景色や文字色を変化させたりすることができる。
その後、操作パネル13に表示された出力サイズ別表示画面410を判断材料としてユーザにいずれの出力サイズで送信するかを選択させる(図23、ステップS405)。選択された出力サイズで画像データを作成し、この画像データを電子メールに添付して送信する(ステップS406)。
図25は、図24において読取時と異なる出力サイズが選択された場合の出力サイズ別表示画面410aの一例を示している。この画面では、最初に指定された出力サイズ(A3)に対応する表示欄に代えて、後に選択された出力サイズ(A4)の表示欄412の色が変化している。
次に、複数の読取条件を変更する場合について説明する。これまでの説明では、解像度、圧縮方式、画質などの画像信号を処理する項目につき、いずれか1つの項目の処理条件を変更する例を説明したが、複数種類の項目を選択し、各々の項目において処理条件を変更し、それぞれに対応するデータサイズや転送負荷に係わる情報を表示するように構成してもよい。たとえば、2種類の読取条件を変更する場合には、各読取条件のパラメータの組み合わせに対応するデータサイズをマトリクスで表示し、このマトリクスの中で1つの組み合わせをユーザに選択させ、その選択された組み合わせに対応する転送負荷情報を別途の表示領域に表示するように構成するとよい。
図26は、解像度と圧縮方式の2種類の読取条件を変更する場合のデータ表示画面500の一例を示している。データ表示画面500には、データサイズ表示領域501と負荷情報表示領域502とが設けてある。データサイズ表示領域501は、解像度を列方向のパラメータに、圧縮方式を行方向のパラメータにとり、ある解像度とある圧縮方式との組み合わせに対応するデータサイズをその行と列の交点に表示してある。選択された組み合わせのデータに対応する転送負荷の情報を表示する負荷情報表示領域502が設けてある。
図26に示す例では、データサイズ表示領域501の中で読取時に設定された解像度(600dpi)と圧縮方式(PDF)の組み合わせに対応する箇所の色が変化し、他の箇所と異なる色で表示されている。また負荷情報表示領域502には、上記の組み合わせに対応するデータサイズが5Mバイトなので、「ネットワークに負荷がかかります。」というメッセージが表示されている。
図27は、図26の状態から解像度が400dpiで圧縮方式がPDFの組み合わせに変更された場合のデータ表示画面500aの一例を示している。タッチ式の操作パネル13でユーザの選択操作を受ける場合には、処理項目の各条件部分(解像度の値が表示された箇所および圧縮方式の種類が表示された箇所)を選択させてもよいし、データサイズの表示されている箇所を選択することにより、処理条件を選択するようにさせてもよい。
選択されると、各項目の選択された条件およびデータサイズの該当箇所の色が変化する。また、選択された解像度と圧縮方式の組み合わせに対応するデータサイズに該当する転送負荷情報が負荷情報表示領域502に表示される。解像度400dpi圧縮方式PDFの組み合わせに対応するデータサイズは3Mバイトなので、「ネットワークに負荷がかかる恐れがあります」というメッセージが表示されている。
なお、複数の読取条件を変更した場合の推測値は、以下のようにして求める。解像度と圧縮方式とを変更する場合には、推測値=(実測時のデータサイズ)÷(実測時の解像度の重み係数)×(推定する解像度の重み係数)÷(実測時の圧縮方式の重み係数)×(推定する圧縮方式の重み係数)、となる。
たとえば、図13の解像度別重み係数表250と図17の圧縮方式別重み係数表310を用いるものとし、原稿を読み取ったときの解像度が400dpiかつ圧縮方式がPDFでそのデータサイズの実測値が3Mバイトの場合、以下のように推測値が演算される。
解像度600dpi、PDFの推測値=3÷3×5÷1×1=5Mバイトとなる。解像度200dpi、PDFの推測値=3÷3×1÷1×1=3Mバイトとなる。解像度600dpi、TIFFの推測値=3÷3×5÷1×2=10Mバイトとなる。解像度400dpi、TIFFの推測値=3÷3×3÷1×2=6Mバイトとなる。解像度200dpi、TIFFの推測値=3÷3×1÷1×2=25Mバイトとなる。
図28は、読取条件が3種類ある場合のデータ表示画面520の一例を示している。3種類以上の場合には、マトリクス表示できないので、条件を選択する条件選択欄521と、選択された条件の組み合わせに対応するデータサイズを表示するデータサイズ欄522と、選択された条件に対応する転送負荷情報を表示する情報欄523とを設けてある。
図28は、解像度を600dpiに、画質を写真に、圧縮方式をTIFFに選択して原稿を読み込んだ場合に表示されるデータ表示画面520を示しており、条件選択欄521の中で該当する箇所(600dpi、写真、TIFF)の色が変化している。
図29は、図28の状態から解像度を400dpiに、画質を鉛筆に、圧縮方式をPDFに変更した場合のデータ表示画面520aの一例を示している。ユーザはデータサイズ欄522の中で変更したい項目の値が表示されている箇所に触れることでその項目の値をその値に変更することができる。
推測値を求める場合には、選択された組み合わせに対応する推測値を演算で求め、その値がデータサイズ欄522に表示される。実測値の場合は、予めすべての組み合わせについて原稿を読み取って実測値を求めるように構成してもよいが、組み合わせが変更されたとき、その組み合わせに対応する条件で原稿の再読み取りをその都度行なうように構成してもよい。もちろん、既に読み取り済みの条件が再選択された場合には、再読み取りの必要はない。条件の種類が増えると組み合わせの数が膨大になるので、すべてについて実測値を予め求めるよりも、条件が変更される毎に、その条件で原稿を再読み取りするとよい。
データサイズ欄522には、解像度が400dpi、画質が鉛筆、圧縮方式がPDFの条件によるデータサイズの推測値または実測値が表示される。また情報欄523にはデータサイズ欄522に表示されているデータサイズに対する転送負荷情報が表示される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、重み係数を用いて実測値から推測値を求めるようにしたが、推測値の導出方法はこれに限定されるものではない。たとえば、実測値と推測値との関係を近似した関数を利用したり、実測値と推測値との対応関係を示すテーブルを用意し、このテーブルを参照して実測値から推測値を求めたりしてもよい。また、実測値からではなく、原稿を読み取って得た画像データに基づいて推測値を求めてもよい。
実施の形態では、読取条件や出力条件を変更して操作パネル13から選択可能なすべての条件について実測値や推測値を求めたが、任意の処理項目につき、選択可能な条件のすべてではなく、その内の複数個について属性値を求めるものであってもよい。たとえば、指定された読取条件や出力条件にて得られた画像データのデータサイズ(例えば、初回の読み取りにより得られた画像データのデータサイズ)よりも、処理条件を変化させることにより得られる画像データのデータサイズが小さくなる場合についてのみ、実測値や推測値を求めるように構成してもよい。
また、1つだけ画像データを得て、属性値についても1つだけ求めた上で、処理条件と付加情報とを併せて表示させ、そのまま送信してよいのか、処理条件を変更させた上で送信するのかを、ユーザに確認した上で画像データを送信するようにしてもよい。
また、原稿を最初に読み取ったときのデータサイズがネットワークに負荷がかかるとき、またはネットワークに負荷がかかる恐れがある場合にだけ、読取条件や出力条件を変更して実測値や推測値を求めて表示するように構成してもよい。どのような条件のときに条件を変更して実測値や推測値を求めるかを設定可能に構成するとよい。
このほか、保存した生データから読取条件を変更した場合の実測値を求める方法は、圧縮方式を変更する場合に限らず、可能であれば他の条件に適用してもよい。
本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の構成とその使用環境とを示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の概略動作を示す流れ図である。 読取条件として解像度を変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される解像度別表示画面の一例を示す説明図である。 解像度変更後の解像度別表示画面の一例を示す説明図である。 読取条件として圧縮方式を変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される圧縮方式別表示画面の一例を示す説明図である。 圧縮方式変更後の圧縮方式別表示画面の一例を示す説明図である。 読取条件として画質を変更する場合の「Scan to E-mail 処理1」を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される画質別表示画面の一例を示す説明図である。 画質変更後の画質別表示画面の一例を示す説明図である。 読取条件として解像度を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」を示す流れ図である。 解像度別重み係数表の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される解像度別表示画面の一例を示す説明図である。 解像度変更後の解像度別表示画面の一例を示す説明図である。 読取条件として圧縮方式を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」を示す流れ図である。 圧縮方式別重み係数表の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される圧縮方式別表示画面の一例を示す説明図である。 圧縮方式変更後の圧縮方式別表示画面の一例を示す説明図である。 読取条件として画質を変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される画質別表示画面の一例を示す説明図である。 画質変更後の画質別表示画面の一例を示す説明図である。 出力条件として出力サイズを変更する場合の「Scan to E-mail 処理2」を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係わる画像読取装置の操作パネルに表示される出力サイズ別表示画面の一例を示す説明図である。 出力サイズ変更後の出力サイズ別表示画面の一例を示す説明図である。 解像度と圧縮方式とを変更する場合のデータ表示画面の一例を示す説明図である。 図26に示す状態から解像度を400dpiに変更した後のデータ表示画面を示す説明図である。 解像度と画質と圧縮方式とを変更する場合のデータ表示画面の一例を示す説明図である。 図28に示す状態から解像度を400dpiに、画質を鉛筆に、圧縮方式をPDFに変更した後のデータ表示画面を示す説明図である。
符号の説明
11…読取手段
12…演算手段
13…表示・選択手段
14…送信手段
15…転送手段
16…転送端末
130…解像度別表示画面
131…表示欄
170…圧縮方式別表示画面
171…表示欄
210…画質別表示画面
211…表示欄
250…解像度別重み係数表
260…解像度別表示画面
261…表示欄
262…表示欄
310…圧縮方式別重み係数表
320…圧縮方式別表示画面
321…表示欄
322…表示欄
360…画質別表示画面
361…表示欄
362…表示欄
410…出力サイズ別表示画面
411…表示欄
412…表示欄
500…データ表示画面
501…データサイズ表示領域
502…負荷情報表示領域
520…データ表示画面
521…条件選択欄
522…データサイズ欄
523…情報欄

Claims (36)

  1. 原稿を読み取る読取手段と、
    前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データの属性に関与する実測値を検出するとともに、
    前記画像データもしくは前記実測値に基づいて、前記原稿を読み取る際の読取条件を変化させた際に得られる画像データの属性に関与する推測値を演算する演算手段と、
    前記実測値と前記推測値を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 原稿を読み取る読取手段と、
    前記読取手段での第1の読取条件に基づく読み取りにより得られた画像データの属性に関与する第1の実測値を検出するとともに、
    前記読取手段での第1の読取条件とは異なる第2の読取条件に基づく読み取りにより得られた画像データの属性に関与する第2の実測値を検出する演算手段と、
    前記第1の実測値及び前記第2の実測値を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  3. 原稿を読み取る読取手段と、
    前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データの属性に関与する実測値を検出するとともに、
    前記読取手段での読み取りに基づいて得られた画像データを出力する際の出力条件に応じてデータの属性に関与する推測値を演算する演算手段と、
    前記実測値と前記推測値を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  4. 前記属性とはデータ容量である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 前記読取条件とは解像度である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
  6. 前記読取条件とは圧縮方式である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
  7. 前記読取条件とは画質である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
  8. 前記出力条件とは外部端末での印刷出力時の出力サイズである
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  9. さらに、前記表示手段での表示の確認後に、前記実測値もしくは前記推測値に対応するデータを選択する選択手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像読取装置。
  10. 前記選択手段で選択された推測値が前記読取条件を変化させて演算したものである場合、前記推測値を演算した時の読取条件にて原稿を再読取させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
  11. さらに、前記選択手段で選択されたデータもしくは再読取で得られたデータを送信する画像送信手段を備える
    ことを特徴とする請求項9乃至10のいずれかに記載の画像読取装置。
  12. 前記実測値もしくは前記推測値に応じて、前記画像送信手段によるデータ送信時のネットワーク負荷に関する情報の表示を行なう表示手段を備える
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像読取装置。
  13. 原稿を読み取り、該原稿に対応する画像信号を出力する読取手段と、
    前記画像信号を処理する項目に関して第1の処理条件および第2の処理条件の中から所望の1つを選択可能な画像処理条件設定手段と、
    前記画像信号を前記第1の処理条件に基づいて処理し、第1の画像データを得るとともに、該第1の画像データに基づいて第1の属性値を演算する演算手段と、
    前記第1の属性値を表示する表示手段と
    を有することを特徴とする画像読取装置。
  14. 前記演算手段は、前記画像信号を前記第2の処理条件に基づいて処理し、第2の画像データを得るとともに、前記第2の画像データに基づいて第2の属性値を演算し、
    前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
    を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
  15. 前記表示手段に表示される前記第1の属性値および前記第2の属性値に基づいて、所望の画像処理条件を選択する選択手段
    を有することを特徴とする請求項14に記載の画像読取装置。
  16. 前記選択手段で選択された前記画像処理条件に基づいて画像処理された結果得られた画像データを送信する送信手段
    を有することを特徴とする請求項15に記載の画像読取装置。
  17. 前記第1の処理条件に基づく処理の後に実行される前記第2の処理条件に基づく処理に際し、前記読取手段が再度原稿を読み取り、該原稿に対応する画像信号を出力すること
    を有することを特徴とする請求項16に記載の画像読取装置。
  18. 前記演算手段は、前記第1の属性値と前記第2の処理条件に基づいて第2の属性値を演算し、
    前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
    を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
  19. 前記演算手段は、前記画像信号と前記第2の処理条件に基づいて第2の属性値を演算し、
    前記表示手段は、前記第2の属性値を表示すること
    を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
  20. 前記表示手段に表示される前記第1の属性値および前記第2の属性値に基づいて、所望の画像処理条件を選択する選択手段
    を有することを特徴とする請求項18もしくは19に記載の画像読取装置。
  21. 前記選択手段で選択された前記画像処理条件に基づいて処理された結果得られた画像データを送信する送信手段
    を有することを特徴とする請求項20に記載の画像読取装置。
  22. 前記画像読取装置は、前記第1の処理条件に基づいて画像処理された結果得られた前記第1の画像データを送信する送信手段を有しており、
    前記表示手段は、前記第1の画像データを前記送信手段にて送信してよいか否かを判断するために前記第1の属性値を表示させること
    を特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
  23. 前記演算手段は、前記画像信号を前記第1の処理条件に基づいて処理し、第1の画像データを得る画像処理手段と、該第1の画像データに基づいて第1の属性値を演算する属性演算手段とを有すること
    を特徴とする請求項13乃至22のいずれかに記載の画像読取装置。
  24. 前記表示手段は、得られた属性値としきい値とを比較し、ネットワーク負荷に関する情報を表示すること
    を特徴とする請求項13乃至23のいずれかに記載の画像読取装置。
  25. 前記表示手段は、前記属性値、前記処理条件および前記負荷に関する情報を関連付けて表示すること
    を特徴とする請求項24に記載の画像読取装置。
  26. 前記画像読み取り装置は操作パネルを有しており、
    前記表示手段、および前記選択手段は、前記操作パネルに設けられていること
    を特徴とする請求項13乃至25のいずれかに記載の画像読取装置。
  27. 前記処理条件設定手段は、前記操作パネルに設けられていること
    を特徴とする請求項26に記載の画像読取装置。
  28. 前記画像読み取り装置は外部のコンピュータと電気的に接続されており、
    前記表示手段、および前記選択手段は、前記コンピュータに設けられていること
    を特徴とする請求項13乃至25のいずれかに記載の画像読取装置。
  29. 前記処理条件設定手段は、前記コンピュータに設けられていること
    を特徴とする請求項28に記載の画像読取装置。
  30. 前記画像信号を処理する前記項目は、原稿読取条件に関するものであること
    を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置。
  31. 前記画像信号を処理する前記項目は、解像度であること
    を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置。
  32. 前記画像信号を処理する前記項目は、圧縮方式であること
    を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置。
  33. 前記画像信号を処理する前記項目は、画質であること
    を特徴とする請求項30に記載の画像読取装置。
  34. 前記画像信号を処理する前記項目は、画像出力条件に関するものであること
    を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置。
  35. 前記画像信号を処理する前記項目は、用紙サイズであること
    を特徴とする請求項34に記載の画像読取装置。
  36. 前記属性値は、データサイズに関するものであること
    を特徴とする請求項13乃至29のいずれかに記載の画像読取装置。
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