以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置100は、入力される画像信号(以下、入力画像信号)に対して輝度補正処理を行うことにより表示画面における焼き付きを軽減させる焼付き軽減部(画像処理装置)10と、該焼付き軽減部10の輝度補正部2(後述)による補正後或いは補正されないままの画像信号が入力され、該入力される画像信号に基づき画像表示を行う表示部20と、を備えて構成されている。
このうち焼付き軽減部10は、入力画像信号に基づいて、画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布をヒストグラム化して検出するヒストグラム検出部(輝度レベル分布検出手段)1と、このヒストグラム検出部1を介して画像信号が入力され、必要に応じて画像信号の輝度レベルを補正する輝度補正部2と、ヒストグラム検出部1により検出された統計分布に関するデータが入力されるマイクロコンピュータ4(以下、マイコン4と略記)と、を備えて構成されている。
なお、マイコン4及び輝度補正部2により、輝度補正手段が構成されている。
マイコン4は、CPUとメモリを備えて構成され、メモリにはCPU制御用のプログラムが格納されている。CPUひいてはマイコン4は、このプログラムに従って、動作する。
また、本実施形態の場合、表示装置100は、例えば、表示部20としてプラズマディスプレイパネルを備えるプラズマ表示装置である。
本実施形態の場合、ヒストグラム検出部1は、例えば、表示部20の表示画面(一表示画面)の全体に表示される画像について、該画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布(以下、輝度レベル分布)を検出する。
ヒストグラム検出部1は、より具体的には、輝度レベル毎に画素数を計数し、該計数した画素数の統計分布を求めて、ヒストグラム化するように構成されている。
更に具体的には、ヒストグラム検出部1は、例えば、黒レベル、白レベル及びそれらの中間レベルの3つの輝度レベル毎の画素数の統計分布を検出してヒストグラム化するように構成されている。
すなわち、例えば、図3乃至図9に示すように、ヒストグラム検出部1は、ヒストグラムを(1)黒レベルエリア(黒レベル)、(2)中間レベルエリア(中間レベル)及び(3)白レベルエリア(白レベル)の3つの輝度レベルのエリアに分割して各エリア毎の合計画素数を計数し、ヒストグラム化を行う。
ここで、図3乃至図9に示す折れ線グラフは、各輝度レベル毎の画素数であり、このうち上記(1)〜(3)の各エリアに含まれる輝度レベルの画素数を合計したものが、それぞれの図におけるヒストグラムとして表されている。
なお、図2(b)、並びに、図3乃至図9において、それぞれ右側ほど高輝度のエリア、左側ほど低輝度のエリアとなっている。
例えば、図3乃至図9に示すように、輝度レベルの階調数が0〜255の256の場合、輝度レベル0〜85の86階調分を(1)黒レベルエリアに含ませ、輝度レベル86〜170の85階調分を(2)中間レベルエリアに含ませ、輝度レベル171〜255の85階調分を(3)白レベルエリアに含ませると良い。
更に、ヒストグラム検出部1は、例えば図2(b)に示すように、(1)〜(3)の各エリアに含まれる輝度レベルを更に細分化し、該細分化された輝度レベル毎の画素数の分布を検出してヒストグラム化することも可能に構成されている。
ここで、(1)黒レベル、(2)中間レベル、及び、(3)白レベルは、画像信号の輝度レベル範囲内である0〜1024(デジタル10bit信号の場合)を三分割した合計画素数であり、各レベルの合計画素数には以下の関係式が成り立つ。
(1)黒レベルに含まれる合計画素数+(2)中間レベルに含まれる合計画素数+(3)白レベルに含まれる合計画素数=一表示画面に含まれる全画素数(解像度)(例えばVGAの場合:640×480=307200)
ヒストグラム検出部1は、上記のように検出した輝度レベル分布のデータ(以下、輝度レベル分布データ)を、マイコン4に送信する。
また、マイコン4は、ヒストグラム検出部1からの輝度レベル分布データに応じて、表示部20の表示画面に焼付きが生じる可能性の有無を判定し、焼付きが生じる可能性があると判定した場合に、輝度レベルの補正動作を行わせるべく、輝度補正部2に対して制御データを送信する。
ここで、(1)黒レベルに含まれる合計画素数、(2)中間レベルに含まれる合計画素数、及び、(3)白レベルに含まれる合計画素数を、それぞれ単に(1)、(2)、(3)と表記すると、輝度レベルの補正を行うか否かの判定は、以下のA、B及びCのうちの何れか1つ或いは複数の組み合わせの条件を判定基準として行う。
A・・・(1)、(2)及び(3)の値に応じて行う(黒レベル、白レベル及びそれらの中間レベルの3つの輝度レベル毎の画素数に応じて、前記入力画像信号の輝度レベルを補正する)。
B・・・(1)、(2)、(3)の値の大小関係に応じて行う(黒レベル、白レベル及びそれらの中間レベルの3つの輝度レベルの画素数の大小関係に応じて、前記入力画像信号の輝度レベルを補正する)。
C・・・白レベルのうち特定の輝度レベル(階調)の画素数の値(以下、単に(4)と表記する)に応じて行う。
本実施形態の場合、より具体的には、輝度レベルの補正を行うか否かの判定基準として、例えば、以下の条件D及びEを用いる。
<条件D>
条件Dは、図5に示すように、「第1のしきい値a<(3)<第2のしきい値b」という第1の条件と、「(2)<第3のしきい値c」という第2の条件と、「(1)≫(2)」という第3の条件と、「(1)≫(3)」という第4の条件と、を全て満たす場合に成立する。
ここで、例えば、第2のしきい値b<第3のしきい値cが成立する。
また、(1)≫(2)は、具体的には、例えば、(1)が(2)の2倍以上或いは3倍以上である場合を意味する。
また、(1)≫(3)は、具体的には、例えば、(1)が(3)の2倍以上或いは3倍以上である場合を意味する。
<条件E>
条件Eは、図4に示すように、「(1)>第4のしきい値d」という第5の条件と、「(2)>第4のしきい値d」という第6の条件と、のうち何れか一方を満たし、且つ、「(4)>第5のしきい値e」という第7の条件を満たす場合に成立する。
ここで、例えば、第3のしきい値c<第4のしきい値dが成立する。
また、例えば、第2のしきい値b<第5のしきい値e<第3のしきい値cが成立する。
そして、マイコン4は、上記の条件D又はEに当てはまると判定される状態が、合計で所定時間α(例えば、30秒又は1分)以上継続する場合に、画面の焼付きが生じる可能性があると判定し、輝度レベルの補正動作を行わせるべく、輝度補正部2に対して制御データを送信する。
他方、条件D及び条件Eの何れにも当てはまらない図3、図6、図7、図8及び図9の場合、並びに、条件D又は条件Eに当てはまるがその状態が上記所定時間α未満しか継続しない場合には、画面の焼付きが生じる可能性がないと判定し、輝度レベルの補正を行わない。
なお、条件Eに当てはまる図4に示す輝度レベル分布を細分化すると、図2(b)に示すのと同様の輝度レベル分布になる。図2(b)に示す輝度レベル分布は、例えば、図2(a)に示すように、画面のほぼ全体が薄暗く、右上の隅に高輝度で白の時計表示がなされているような画面表示の場合に得られる。図2(a)に示すような画面表示状態は、それが継続すると画面の焼付きが生じる可能性がある。この場合、ヒストグラム検出部1により検出される輝度レベル分布には、図2(b)に示すように、(1)が比較的多い一方で、(4)に際だったピークが見られる。
また、条件Dに当てはまる図5に示す輝度レベル分布は、(4)の際だったピークはないものの、(1)が多く、(3)もある程度多いような画面表示の場合に得られる。このような場合も、図4と同様に、画面の焼付きが生じる可能性があるため、輝度レベルの補正を行う。
なお、図3に示すように(2)が多く(1)及び(3)がともに少ない場合、図6に示すように(3)は多いが(1)が少ない場合、図7に示すように(1)〜(3)がそれぞれ同程度の場合、図8に示すように(1)及び(3)が(2)よりもやや多いが(1)及び(3)が相互に同程度の場合、図9に示すように(3)が少なく(4)のピークもない場合には、何れも画面の焼付きが生じる可能性があまりないため、画面の焼付きが生じる可能性がないと判定し、輝度レベルの補正を行わない。
このように、マイコン4は、白レベルの画素数が一定以上の値である場合に、輝度レベルの補正のために輝度補正部2に制御データを送信する。
また、輝度補正部2は、輝度レベルの補正のためにマイコン4から制御データが送信されると、ヒストグラム検出部1を介して入力される入力画像信号に対し、輝度レベルの補正を行う。
ここで、輝度補正部2による補正は、例えば、補正の対象となる白レベルの画素(例えば、(3)の全ての画素を一様に)の輝度レベルを、所定割合だけ低下させることにより行う。
この補正は、具体的には、例えば、白レベルの画素の輝度を70%以下(具体的には、例えば70%)に低下させる(つまり30%だけ低下させる)ことにより行うことが挙げられる。或いは、白レベルの画素の輝度を50%以下(具体的には、例えば50%)に低下させる(つまり50%だけ低下させる)ことにより補正を行うことが挙げられる。
或いは、白レベルの画素のうち特定の画素、すなわち、(4)の白ピーク付近輝度レベルにある画素の輝度を低下させるように行うことも好ましい。この補正も、具体的には、例えば、(4)の白ピーク付近輝度レベルにある画素の輝度を70%以下(具体的には、例えば、70%)に低下させることにより、或いは、50%以下(具体的には、例えば、50%)に低下させることにより行うことが挙げられる。
或いは、(4)の白ピークの輝度レベルの画素のみの輝度を低下させるように行うことも好ましい。この補正も、具体的には、例えば、該当する画素の輝度を70%以下(具体的には、例えば、70%)に低下させることにより、或いは、50%以下(具体的には、例えば、50%)に低下させることにより行うことが挙げられる。
ここで、輝度補正部2による補正は、輝度の補正を行っていることを表示部20の表示画面を観る人に感じさせないように、表示部20の維持周波数を徐々に変化させて行う。
また、輝度補正部2は、このように必要に応じて補正が施された入力画像信号(画面の焼き付きが発生する可能性があると判定された場合には補正された入力画像信号であり、画面の焼き付きが発生する可能性がないと判定された場合には補正されていない入力画像信号である)を表示部20に送信する。
表示部20は、その表示画面(図示略)にて、輝度補正部2からの入力画像信号に基づく画像表示を行う。
次に、図10のフローチャートを参照して、マイコン4の動作を説明する。
なお、図10に示す処理は、マイコン4により所定周期毎に繰り返し行われる処理である。
先ず、ステップS1では、「第1のしきい値a<(3)白レベルの画素数<第2のしきい値b」という第1の条件が成立するか否かを判定する。
第1の条件が成立すると判定した場合(ステップS1のYES)、ステップ2に移行し、「(2)中間レベルの画素数<第3のしきい値c」という第2の条件が成立するか否かを判定する。
第2の条件が成立すると判定した場合(ステップS2のYES)、ステップS3に移行し、「(1)黒レベルの画素数≫(2)中間レベルの画素数」という第3の条件が成立するか否かを判定する。
第3の条件が成立すると判定した場合(ステップS3のYES)、ステップS4に移行し、「(1)黒レベルの画素数≫(3)白レベルの画素数」という第4の条件が成立するか否かを判定する。
第4の条件が成立すると判定した場合(ステップS4のYES)、すなわち、上記第1乃至第4の全ての条件が成立すると判定した場合、ステップS5に移行する。
なお、上記ステップS1〜S4は、上記の条件Dに当てはまるか否かを判定する過程である。
ステップS5では、タイマーのカウント値を「1」だけ加算する。
続くステップS6では、タイマーのカウント値が所定時間α(例えば、30秒又は1分)に相当する値よりも大きいか否かを判定する。
タイマーのカウント値が所定時間αに相当する値よりも大きいと判定した場合(ステップS6のYES)、ステップS7に移行し、画面の焼き付きを生じる可能性があると判定するとともに、輝度補正を行わせるべく、輝度補正部2に制御データを送信し、再びステップS1以降の処理を繰り返す。
他方、上記ステップS6にて、タイマーのカウント値が所定時間αに相当する値よりも大きくはないと判定した場合(ステップS6のNO)、ステップS12に移行して画面の焼き付きを生じる可能性がないと判定し、輝度制御を行わずに(輝度補正部2に制御データを送信せずに)再びステップS1以降の処理を繰り返す。
また、上記第1乃至第4の条件のうちの何れか1つでも成立しないと判定した場合には(ステップS1乃至S4の何れかのNO)、すなわち、上記の条件Dに当てはまらない場合には、ステップS8に移行する。
ステップS8では、「(1)黒レベルの画素数>第4のしきい値d」という第5の条件が成立するか否かを判定する。
第5の条件が成立すると判定した場合(ステップS8のYES)、ステップS9に移行し、「(4)白レベルのうち特定のレベルの画素数>第5のしきい値e」という第7の条件が成立するか否かを判定する。
第7の条件が成立すると判定した場合(ステップS9のYES)、すなわち、第5の条件及び第7の条件が共に成立すると判定した場合、ステップS5に移行する。ステップS5以降の処理は、上記と同様である。
他方、上記のステップS9にて、第7の条件が成立しないと判定した場合(ステップS9のNO)、ステップS11に移行し、タイマーのカウント値をリセットして(「0」にして)、ステップS12に移行して画面の焼き付きを生じる可能性がないと判定し、輝度制御を行わずに再びステップS1以降の処理を繰り返す。
また、上記ステップS8にて、第5の条件が成立しないと判定した場合(ステップS8のNO)、ステップS10に移行し、「(2)中間レベルの画素数>第4のしきい値d」という第6の条件が成立するか否かを判定する。
第6の条件が成立すると判定した場合(ステップS10のYES)、ステップS9に移行し、「(4)白レベルのうち特定のレベルの画素数>第5のしきい値e」という第7の条件が成立するか否かを判定する。
第7の条件が成立すると判定した場合(ステップS9のYES)、すなわち、第6の条件及び第7の条件が共に成立すると判定した場合、ステップS5に移行する。ステップS5以降の処理は、上記と同様である。
また、上記のステップS10にて、第6の条件が成立しないと判定した場合(ステップS10のNO)、ステップS11に移行し、該ステップS11以降の処理を上記と同様に行う。
なお、上記ステップS8〜S10は、上記の条件Eに当てはまるか否かを判定する過程である。
以上のように、第1の実施形態によれば、画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布を入力画像信号に基づき検出するヒストグラム検出部1と、ヒストグラム検出部1により検出された統計分布に応じて入力画像信号の輝度レベルを補正する輝度補正手段としてのマイコン4及び輝度補正部2と、を備えるので、従来よりも好適に焼付きを軽減することができるとともに、画質を向上させることができる。
すなわち、具体的には、例えば、ヒストグラム検出部1により(1)〜(3)の各輝度レベルの割合を検出することができ、例えば(3)の白レベルの割合が多い場合などに輝度を補正することができる。また、例えば時計表示など、画面のほとんどの画素が黒レベルであり、白レベルの画素が少ししかない画像の表示時にも、それを検出し、輝度を補正することができる。
特に、ヒストグラム検出部1により、輝度レベル分布をヒストグラムとして表すことができるため、好適に輝度の補正を行うことができる。
また、このように輝度の補正を行うことにより、消費電力を抑制できるという副次的効果も得られる。
<変形例>
図11は第1の実施形態の変形例に係る表示装置150の構成を示すブロック図である。
図11に示す表示装置150は、タイマー5を更に備える点でのみ上記の第1の実施形態に係る表示装置100と異なり、その他の点では表示装置100と同様に構成されているため、表示装置150において、表示装置100と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記の第1の実施形態では、マイコン4にてカウント値を加算することにより上記所定時間αを計数する例を示したが、例えば、図11に示す表示装置150のように、計時動作を行い、その計時データをマイコン4に与えるタイマー5(タイマーIC)を更に備えるものとし、タイマー5からの計時データに基づいて、マイコン4が上記所定時間αの経過監視を行うようにしても良い。この場合、マイコン4、タイマー5及び輝度補正部2により、輝度補正手段が構成される。
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、一表示画面の全体について輝度レベル分布を検出し、輝度レベルの補正を行う例について説明したが、第2の実施形態では、一表示画面の一部の表示領域について輝度レベル分布を検出し、該表示領域における輝度レベルの補正を行う例について説明する。
図12及び図13は第2の実施形態の場合の動作を説明するための図であり、このうち図12(a)は画面に表示される画像の一例を示し、図12(b)は画像が図12(a)である場合のヒストグラム化された輝度レベル分布を示す。また、図13(a)は画面に表示される画像の他の一例を示し、図13(b)は画像が図13(a)である場合のヒストグラム化された輝度レベル分布を示す。
なお、第2の実施形態の場合も、表示装置100の構成は、上記の第1の実施形態と同様である。
例えば、時計表示やチャンネル表示は、画面の隅(例えば、右上の隅)において行われることが多い。
そこで、本実施形態においては、ヒストグラム検出部1は、図12及び図13に示すように、表示画像の一部(例えば、右上の隅)の表示領域Rについてのみ、輝度レベル分布を検出する。
また、本実施形態の場合、マイコン4は、例えば、「白レベルに含まれる輝度レベルのうち、特定の輝度レベルの画素数のみが第5のしきい値e以上である」という条件Fを満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に、輝度レベルの補正を行う。これにより、画面の角にある時計表示、チャンネル表示などを検知しやすくなり、このような場合における焼付きを防止すべく輝度レベルを補正することができる。
図12(a)に例示するように、画面の右上の隅にて白レベルで時間表示がなされているため、画面の焼付きが生じる可能性が高いと考えられる。このような場合、図12(b)に示すように、上記条件Fを満たすため、輝度レベルの補正がなされる。
他方、図13(a)に例示するように、画面の左側から右側に欠けて暗い画面から明るい画面へと次第に変化しているような画像表示の場合、画面の焼付きが生じる可能性が低いと考えられる。このような場合、図13(b)に示すように、白レベルに含まれる輝度レベルのうち、特定の輝度レベルの画素数だけでなく、白レベルに含まれるその他の輝度レベルの画素数も第5のしきい値e以上であるため、上記条件Fを満たさず、輝度レベルの補正は行わない。
以上のように、第2の実施形態によれば、一表示画面の一部の表示領域Rを指定し、該表示領域Rについて輝度レベル分布を検出し、該表示領域Rにおける輝度レベルの補正を行うので、例えば、時計表示、チャンネル表示による焼付きを好適に軽減することができる。
なお、上記の第2の実施形態では、白レベルに含まれる輝度レベルのうち、特定の輝度レベルの画素数のみが第5のしきい値e以上である場合に補正を行い、図13に示すように、特定の輝度レベルの画素数だけでなく、白レベルに含まれるその他の輝度レベルの画素数も第5のしきい値e以上である場合には、補正を行わない例について説明したが、単に、「白レベルに含まれる輝度レベルのうち、特定の輝度レベルの画素数が第5のしきい値e以上である場合」に何れの場合にも補正を行うものとし、図12に示すような場合だけでなく、図13に示すような場合にも補正を行うようにしても良い。
〔第3の実施形態〕
図14は第3の実施形態に係る表示装置300の構成を示すブロック図である。
上記の各実施形態では、ヒストグラム検出部1を1つのみ備える例について説明したが、第3の実施形態では、図14に示すように、複数のヒストグラム検出部1、1Aを備える例について説明する。
なお、第3の実施形態に係る表示装置300は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係る表示装置100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る表示装置100と同様に構成されているため、第3の実施形態に係る表示装置300において、表示装置100と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態の場合、例えば、図14に示すように、前段のヒストグラム検出部(第1の輝度レベル分布検出手段)1は、一表示画面の全体について輝度レベル分布を検出し、後段のヒストグラム検出部1A(第2の輝度レベル分布検出手段)は、一表示画面の一部の表示領域R(図12参照)について輝度レベル分布を検出する。
また、マイコン4は、ヒストグラム検出部1、1Aのうちの何れかにより検出された輝度レベル分布が、上記の条件(例えば、条件D、E、F)の何れかを満たす場合に、輝度補正部2に制御データを送信し、輝度レベルの補正を行わせる。
以上のように、第3の実施形態によれば、ヒストグラム検出可能なIC(ヒストグラム検出部1、1A)を2つ用いることにより、表示画像の一部分によるヒストグラム検出と表示画像全体によるヒストグラム検出を同時に行うことで、表示画像の各輝度レベルの位置情報を把握することも可能である。
なお、上記の第3の実施形態では、2つのヒストグラム検出部1、1Aを備える例について説明したが、本発明はこれに限らず、ヒストグラム検出部を3つ以上備えることとし、それぞれ相互に異なる複数の表示領域(ただし、相互に重複部分は存在しても良い)について、輝度レベル分布を検出するようにしても良い。また、このように相互に異なる複数の表示領域についての輝度レベル分布検出を、1つのヒストグラム検出部により行うようにしても良い。
〔第4の実施形態〕
図15は第4の実施形態に係る表示装置400の構成を示すブロック図である。
上記の各実施形態では、ヒストグラム検出部1が予め定められた1つの表示領域についてのみ輝度レベル分布を検出する例について説明したが、第4の実施形態では、統計分布の検出対象となる表示領域を順次変更する例について説明する。
なお、第4の実施形態に係る表示装置400は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態の変形例に係る表示装置150(図11)と異なり、その他の点では表示装置150と同様に構成されているため、第4の実施形態に係る表示装置400において、表示装置150と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態の場合、例えば図15に示すように、表示装置400は、画像において輝度レベル分布を検出すべき表示領域を指定する表示領域指定データを記憶する記憶部6を備え、ヒストグラム検出部1は、記憶部6から表示領域指定データを読み出し、該表示領域指定データにより指定される表示領域について輝度レベル分布を検出する。また、マイコン4は、記憶部6の表示領域指定データを順次書き換えることによって、ヒストグラム検出部1による輝度レベル分布の検出対象となる表示領域を順次変更する。
なお、本実施形態の場合、マイコン4及び記憶部6により検出領域変更手段が構成され、このうちマイコン4は指定データ書換手段を、記憶部6は記憶手段を、構成している。
次に、図16のフローチャートを参照して、本実施形態の場合の動作を説明する。
マイコン4は、先ず、輝度レベル分布の検出対象となる表示領域として、例えば、表示画面の全体を指定する(ステップS11)。すなわち、記憶部6の表示領域指定データを、表示画面の全体を指定する内容とする。
すると、ヒストグラム検出部1は、記憶部6から表示領域指定データを読み出し、該読み出した表示領域指定データにより指定される表示領域、すなわち表示画面の全体について、輝度レベル分布を検出し、該検出結果をマイコン4に送信する。
すると、マイコン4は、ヒストグラム検出部1により検出された輝度レベル分布が、上記の条件(例えば、条件D、E、F)の何れかを満たす状態が上記所定時間α以上継続するという条件Gを満たすか否かを判定する(ステップS12)。
そして、マイコン4は、条件Gを満たすと判定した場合(ステップS12のYES)、輝度補正部2に制御データを送信し、輝度レベルの補正を行わせる(ステップS13)。
また、上記のステップS12にて条件Gを満たさないと判定した場合(ステップS12のNO)、或いは、輝度レベルの補正(ステップS13)後、マイコン4は、輝度レベル分布の検出対象となる表示領域を、画面全体を2分割したそれぞれの表示領域とすべく、記憶部6の表示領域指定データを書き換える(ステップS14)。
すると、ヒストグラム検出部1は、表示領域指定データにより指定される表示領域、すなわち画面全体を2分割したそれぞれの表示領域について輝度レベル分布を検出し、該検出結果をマイコン4に送信する。
すると、マイコン4は、2分割した何れかの表示領域において上記条件Gを満たすか否かを判定する(ステップS15)。
そして、マイコン4は、条件Gを満たすと判定した場合(ステップS15のYES)、輝度補正部2に制御データを送信し、2分割された表示領域のうちの条件Gを満たす表示領域における輝度レベルの補正を行わせる(ステップS16)。
また、上記のステップS15にて、2分割された何れの表示領域においても条件Gを満たさないと判定した場合(ステップS15のNO)、或いは、輝度レベルの補正(ステップS16)後、マイコン4は、輝度レベル分布の検出対象となる表示領域を、画面全体を4分割したそれぞれの表示領域とすべく、記憶部6の表示領域指定データを書き換える(ステップS17)。
すると、ヒストグラム検出部1は、画面全体を4分割したそれぞれの表示領域について輝度レベル分布を検出し、該検出結果をマイコン4に送信する。
すると、マイコン4は、4分割した何れかの表示領域において上記条件Gを満たすか否かを判定し(ステップS18)、満たす場合(ステップS18のYES)、輝度補正部2に制御データを送信し、条件を満たす表示領域における輝度レベルの補正を行わせる(ステップS19)。
また、上記のステップS18にて、4分割された何れの表示領域においても条件Gを満たさなかった場合(ステップS18のNO)、或いは、輝度レベルの補正(ステップS19)後、マイコン4は、再び、輝度レベル分布の検出対象となる表示領域を画面全体に戻す(ステップS11からの繰り返し)。
以後は、上記と同様に、輝度レベル分布の検出対象となる表示領域の設定を、画面全体→画面全体を2分割したそれぞれの表示領域→画面全体を4分割したそれぞれの表示領域→画面全体の順に繰り返し行う。
以上のように、第4の実施形態によれば、ヒストグラム検出部1による輝度レベル分布の検出対象となる表示領域を順次変更するので、焼きつきを生じやすい条件を満たす画像が、表示画面における何れの表示領域に表示される場合であっても、そのことを検出し、輝度を補正することができる。
なお、上記の第4の実施形態では、輝度レベル分布を検出する工程として、画面全体について検出する工程、画面全体を2分割したそれぞれの表示領域について検出する工程、及び、画面全体を4分割したそれぞれの表示領域について検出する工程を行う例を説明したが、さらに、画面全体を8分割したそれぞれの表示領域について検出する工程、画面全体を16分割したそれぞれの表示領域について検出する工程、・・・、を順次行うようにしても良い。
また、上記の第4の実施形態では、複数分割(2分割、4分割)したそれぞれの表示領域についての輝度レベル分布検出を並行して行う例について説明したが、複数分割(2分割、4分割)したそれぞれの表示領域についての輝度レベル分布検出は、順次行うようにしても良い。すなわち、例えば、2分割された第1及び第2の表示領域の表示領域を検出対象とした際において、先ず、第1の表示領域の輝度レベル分布を検出し、次に、第2の輝度レベル分布を検出することが可能である。
また、上記の各実施形態では、輝度レベル分布をヒストグラム化して検出する例を説明したが、要は輝度レベルの統計分布を認識可能であれば良く、その他の統計グラフ化して検出することとしても良い。
〔第5の実施形態〕
図17及び図18は第5の実施形態の場合の輝度補正部2による補正を説明するための図であり、このうち図17(a)は白レベルの表示領域R1の周囲の表示領域R2が全黒(表示領域R2内の全ての画素の輝度レベルが0階調)である場合の画面表示を示す図、図17(b)は白レベルの表示領域R1の周囲の表示領域R2が全白(表示領域R2内の全ての画素の輝度レベルが255階調)である場合の画面表示を示す図、図18は第5の実施形態の場合の輝度レベル補正に用いられる補正曲線の一例(曲線L2)を示す図である。
上記の各実施形態では、マイコン4により補正が必要と判定された場合の輝度補正部2による補正として、例えば、白レベルの画素や、白レベルの画素のうち特定の画素の輝度レベルを、その周囲の画素の輝度レベル分布の態様にかかわらず、一定の割合だけ低下させる(例えば、70%や50%にする(30%や50%だけ低下させる))ことにより行う例を説明した。
しかし、一般的に、白レベルの画素の表示は、その周囲の画素の輝度レベル分布が、全黒に近い(平均映像レベル;APLが小さい)ほど高輝度とする一方で、全白に近い(APLが大きい)ほど低輝度とするような制御の下で行っている。これは、このような方法で輝度補正を実施しないと、ビデオ信号のAPLが小さくなる暗い画面では、コントラスト比が低下し表示画質が劣化してしまい、また、表示装置(例えばPDP)では、APLの大きいときと小さいときの消費電力の差が大きく、電源の負担が大きくなるという問題点が生じるためである。
このような問題点を解消するために、例えば、図17(a)に示すように白レベルの表示領域R1の周囲の表示領域が全黒である場合と、図17(b)に示すように白レベルの表示領域R1の周囲の表示領域R2が全白である場合とでは、同じレベルの白レベルの表示であっても、前者の方をより高輝度で表示する制御を通常は行う。
つまり、通常は、例えば図18に示す曲線L1に従って、白レベルの画素の輝度レベルを制御する。
しかしながら、このような制御を行うと、例えば、図17(a)に示すような輝度レベル分布の状態や、これに近い輝度レベル分布の状態では、画面の焼き付きが発生しやすいという問題がある。
そこで、第5の実施形態では、マイコン4により補正が必要と判定された場合の輝度補正部2による補正として、白レベルの画素の輝度レベルを、その周囲の画素の輝度レベル分布が低輝度のレベル分布となっているほど、大きい割合で低下させるような補正を行う。
すなわち、輝度補正部2は、具体的には、例えば、図18に示す曲線L2に従って白レベルの画素の輝度レベルを制御することとなるような補正を、マイコン4の制御下で行う。
これにより、例えば、図17(a)に示すように、白レベルの表示領域R1の周囲の表示領域R2が全黒であるような輝度レベル分布状態や、これに近い輝度レベル分布状態であっても、画面の焼き付きを発生しにくくすることができる。
以上のような第5の実施形態によれば、輝度補正部2は、補正の対象となる画素の輝度レベルを、その周囲の画素の輝度レベルが低ければ低いほど大きい割合で低下させることによって、補正を行うので、上記の各実施形態よりも好適に焼付きを軽減することができる。
〔第6の実施形態〕
図19は第6の実施形態に係る表示装置600の構成を示すブロック図である。
図19に示す表示装置600は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係る表示装置100と異なり、その他の点では表示装置100と同様に構成されているため、表示装置600において、表示装置100と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記の各実施形態では、画像信号に対する輝度レベルの補正を行う例を説明したが、第6の実施形態に係る表示装置600は、画像信号に対する輝度レベルの補正と、画像信号に対する非線形処理と、のうちのいずれか一方を択一的に行う。
そのような動作を実現するため、表示装置600の焼付き軽減部10は、図19に示すように、上記の第1の実施形態に係る表示装置100における焼き付き軽減部10の各構成要素に加えて、画像を複数部分に分割する画像分割部(画像分割手段)30と、分割された各々の画像に対してそれぞれ個別に非線形処理の一例としてのガンマ処理を施すガンマ処理部(非線形処理手段)40と、ガンマ処理後の画像を合成する画像合成部(画像合成手段)50と、合成される画像間の境界部を平滑化するための2次元ローパスフィルタ(境界部画像処理手段)60と、輝度補正部2による輝度レベルの補正がなされた画像信号を表示用に出力する第1の動作モードと、画像分割部30、ガンマ処理部40、2次元ローパスフィルタ60及び画像合成部50による画像処理がなされた画像信号を表示用に出力する第2の動作モードと、を切り替える切替部7と、を更に備えて構成されている。
このうち切替部7は、例えば、マイコン4の制御下で、第1の動作モードと第2の動作モードとのうちのいずれか一方の動作モードへの切り替えを行う。マイコン4は、例えば、図示しない操作部に対するユーザの操作に応じて、切替部7に対し制御信号を出力し、第1の動作モード又は第2の動作モードへの切り替えを該切替部7に行わせる。すなわち、マイコン4及び切替部7により、動作モード選択手段が構成されている。
切替部7には、焼付き軽減部10への入力画像信号が入力される。切替部7は、動作モードを第1の動作モードに切り替えているときには入力画像信号をヒストグラム検出部1に対して出力する一方で、動作モードを第2の動作モードに切り替えているときには入力画像信号を画像分割部30に対して出力する。
本実施形態の場合、マイコン4は、第1の動作モードの場合には、上記の第1の実施形態の場合と同様に動作する。
他方、第2の動作モードの場合には、マイコン4は、ヒストグラム検出部1により検出された統計分布に関するデータに基づいて、ガンマ処理部40、画像合成部50及び2次元ローパスフィルタ60の動作制御を行う。
以下、第2の動作モードの場合に機能する各構成要素について、詳細に説明する。
画像分割部30は、選択部7を介して入力される一の画像信号により表示すべき画像を複数部分に分割する。
本実施形態の場合、画像分割部30は、具体的には、例えば、画像を第1分割画像G1及び第2分割画像G2の2つの部分に分割する。
本実施形態の場合、例えば、それら第1及び第2分割画像G1、G2の相互の境界線Kは、予め設定され、画像分割部30は、その予め設定された境界線Kを境として、元々一つの画像を第1及び第2の2つの分割画像に分割するように構成されている。境界線Kは、例えば、図19に示すように矩形状のものであることが挙げられる。
ここで、例えばテレビ画像における時計表示は、選択したチャンネルに関わらず、ほぼ同じ位置(表示領域)で行われることが多い。
そこで、本実施形態の場合、画像分割部30は、具体的には、例えば、表示部20の表示画面21において時計表示がなされる可能性が高い表示領域(例えば、画面の右側上部)の画像(第1分割画像G1)と、それ以外の表示領域の画像(第2分割画像G2)と、に画像を分割するものとする。
そして、画像分割部30は、分割したうちの一方の画像(第1分割画像G1)に対応する画像信号を第1ガンマ処理部41(後述)並びにヒストグラム検出部1に対してそれぞれ出力する。
また、画像分割部30は、分割したうちの他方の画像(第2分割画像G2)に対応する画像信号を第2ガンマ処理部42(後述)に対して出力する。
加えて、画像分割部30は、分割した2つの画像相互間の境界部の画像(境界部画像G3)に対応する画像信号を2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
ここで、境界部画像G3は、第1分割画像G1と第2分割画像G2との境界線Kを含む所定面積の画像であり、例えば、図19に網掛けで示すように、互いに相似形且つ互いに中心が等しい2つの矩形に挟まれた領域の画像である。
ガンマ処理部40は、第1分割画像G1に対応する画像信号に対してガンマ処理を施す第1ガンマ処理部41と、第2分割画像G2に対応する画像信号に対してガンマ処理を施す第2ガンマ処理部42と、を備えている。
第1ガンマ処理部41及び第2ガンマ処理部42は、マイコン4の制御下で、それぞれ独自にガンマカーブを選択して、画像信号に対してガンマ処理を施す。
すなわち、例えば、後述するように、ヒストグラム検出部1による検出結果に基づいて、第1分割画像G1の表示領域に画面の焼き付きが生じる可能性があると判定された場合には、マイコン4は、第1ガンマ処理部41と第2ガンマ処理部42に対して制御信号を出力し、画面の焼き付きが生じにくいようなガンマカーブを選択させる。
なお、第1ガンマ処理部41及び第2ガンマ処理部42は、予め選択候補として設定されている複数種類のガンマカーブの中から、それぞれ最適なガンマカーブを一つ選択して、画像信号に対してガンマ処理を施す。
第1及び第2ガンマ処理部41,42は、それぞれガンマ処理を施した画像信号を画像合成部50に対して出力する。
また、2次元ローパスフィルタ60は、第1分割画像G1と第2分割画像G2との境界部の画像、つまり境界部画像G3のうち、マイコン4により指定される表示領域(範囲)の画像に対し、該画像を平滑化する処理(平滑化処理)を行って、該画像をぼかして目立ちにくいようにする。
すなわち、2次元ローパスフィルタ60は、境界部画像G3のうちマイコン4により指定される表示領域の画像に含まれる各画素において、表示位置が第1分割画像G1に近い部分から第2分割画像G2に近い部分にかけて、徐々にその表示色並びに表示輝度を変化させ、該画像を鈍らせる。
より具体的には、例えば、第1分割画像G1における表示が(時計表示などのため)白っぽく高輝度であり、第2分割画像G2における表示が暗く低輝度である場合には、第2分割画像G2側から第1分割画像G1側に近づくにつれて徐々に明るく高輝度の画像へと変化させるように、2次元ローパスフィルタ60はフィルタ処理を行う。
2次元ローパスフィルタ60は、このような平滑化処理後の画像信号を画像合成部50に対して出力する。
画像合成部50は、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42及び2次元ローパスフィルタ60から出力される画像信号を1つの画像信号に合成する。
ここで、第1分割画像G1には、境界部画像G3と相互に重複する部分(境界部画像G3の全体と重なる部分)が存在し、同様に、第2分割画像G2にも相互に重複部分(こちらも境界部画像G3の全体と重なる部分)が存在する。
そこで、画像合成部50は、それら重複部分については、2次元ローパスフィルタ60から出力される画像信号(境界部画像G3)により、第1及び第2ガンマ処理部41、42から出力される画像信号(第1分割画像G1、第2分割画像G2)をそれぞれ上書きする。つまり、第1分割画像G1、第2分割画像G2における各重複部分は、それぞれ境界部画像G3に置き換えられる。
また、ここで、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させるか否かを、ヒストグラム検出部1による検出結果に応じて決定し、平滑化処理結果を画像に反映させるか否かの指令信号を画像合成部50に対して出力するようになっている。
すなわち、例えば、マイコン4は、ヒストグラム検出部1による検出結果に基づき、画面の焼き付きを生じる可能性がないと判定した場合には、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させないような指令信号を画像合成部50に出力する。この場合、画像合成部50は、2次元ローパスフィルタ60から出力される画像信号(境界部画像G3)は合成せず、第1及び第2ガンマ処理部41、42から出力される画像信号(第1分割画像G1、第2分割画像G2)のみを合成する。
他方、ヒストグラム検出部1による検出結果に基づき、画面の焼き付きを生じる可能性があると判定した場合には、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させるような指令信号を画像合成部50に出力する。この場合、画像合成部50は、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42及び2次元ローパスフィルタ60から出力される3つの画像信号を1つの画像信号に合成する。
次に、ヒストグラム検出部1は、本実施形態の場合の第2の動作モードのときには、例えば、第1分割画像G1について、該画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布(以下、輝度レベル分布)を検出する。
ヒストグラム検出部1による検出動作は、上記の各実施形態と同様である。
ヒストグラム検出部1は、このように検出した輝度レベル分布のデータ(輝度レベル分布データ)を、マイコン4に対して出力する。
マイコン4は、ヒストグラム検出部1からの輝度レベル分布データに応じて、第1分割画像G1の表示領域に画面の焼付きが生じる可能性の有無を判定する。
本実施形態も、マイコン4による判定動作は、上記の各実施形態におけるマイコン4による判定動作と同様である。
また、本実施形態の場合の第2の動作モードのときには、マイコン4は、このような判定動作により、画面の焼き付きが生じる可能性があると判定した場合、焼き付きの発生を低減すべく、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42、2次元ローパスフィルタ60及び画像合成部50に対してそれぞれ制御データを出力する。
すなわち、マイコン4は、画面の焼き付きが生じる可能性があると判定した場合、焼き付きの発生を低減できるように、画像における各画素の明暗の差が小さくなるようなガンマカーブを第1ガンマ処理部41に選択させる。つまり、ガンマ処理に用いるガンマカーブを、それまで選択していたガンマカーブ(例えば標準的なガンマカーブ)から、別のガンマカーブへと変更させる。
なお、第2ガンマ処理部42に対しては、例えば、標準的なガンマカーブを選択させるようにしても良いし、或いは、第2分割画像G2の明るさを第1分割画像G1の明るさに近づけるようなガンマカーブを選択させるようにしても良い。つまり、第2分割画像G2と第1分割画像G1との輝度レベル分布の較差を低減させるようにしても良い。
また、マイコン4は、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を指定する信号を、2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。ここで、例えば、ヒストグラム検出部1による検出結果に基づき、第1分割画像G1が極端に明るいと判定されるような場合には、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を拡大させる旨を指令する信号を出力する一方で、画面の焼き付きが生じる可能性は高いものの、第1分割画像G1が比較的暗めであると判定されるような場合には、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を縮小させる旨を指令する信号を出力する。
更に、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させる旨を画像合成部50に対して指令する。
従って、画面の焼き付きが生じる可能性がある場合には、第1分割画像G1の表示領域における画像の焼き付きが低減されるとともに、第1分割画像G1と第2分割画像G2との境界部(境界部画像G3)に対して平滑化処理が施された画像が表示画面21に表示される。
他方、上記の判定により、画面の焼き付きが生じる可能性がないと判定した場合、マイコン4は、第1及び第2ガンマ処理部41,42に対して、共に標準的なガンマカーブを用いたガンマ処理を行わせるとともに、画像合成部50に対しては2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させないような指令信号を出力する。
従って、画面の焼き付きが生じる可能性がない場合には、第1及び第2分割画像G1、G2を共に標準的なガンマカーブによりガンマ処理して表示するとともに、2次元ローパスフィルタ60により平滑化処理された境界部画像G3は合成せずに、第1及び第2分割画像G1、G2のみを合成して表示する。
以上のような第6の実施形態によれば、焼付き軽減部10は、第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替える切替部7と、第2の動作モードの場合に、入力される一の画像信号により表示すべき画像を2つに分割する画像分割部30と、第2の動作モードの場合に、画像分割部30による分割後の2つの画像を1つに合成する画像合成部50と、第2の動作モードの場合に、画像分割部30による分割後、且つ、画像合成部50による合成前の2つの画像の各々に対してそれぞれ個別にガンマ処理を施すガンマ処理部40と、を備えているので、第2の動作モードのときに、入力される一の画像信号により表示すべき画像の一部(第1分割画像G1)が画面の焼き付きが生じやすいような画像である場合に、その画像の一部に対してのみ該画像における明暗の差を小さくさせるようなガンマ処理を施す一方で、画像のそれ以外の部分(第2分割画像G2)には通常の明るさとなるようなガンマ処理を施すことができる。よって、例えば、表示画面における焼き付きの発生を好適に低減させることができる。
なお、第1の動作モードのときには、上記の第1の実施形態と同様に機能するので、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
ここで、高輝度の画像表示は高い消費電力を伴うが、上記のように画面の焼き付きが生じやすいような画像である場合に、その画像における明暗の差を小さくさせるようなガンマ処理を施すことにより、表示画像の輝度を低下させて消費電力も低減させることができる。
また、焼付き軽減部10のヒストグラム検出部1は、画像分割部30により分割された画像のうちの1つの画像(第1分割画像G1)について、該画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布を検出し、ガンマ処理部40は、ヒストグラム検出部1により検出された統計分布に応じて、画像に対してガンマ処理を施すので、分割された画像の各々に対して、それぞれ最適なガンマ処理を自動的に行うことができる。
より具体的には、ヒストグラム検出部1は、輝度レベル毎の画素数の統計分布を検出し、マイコン4は、該検出された統計分布に基づき画面の焼き付きの発生可能性の有無を判定し、ガンマ処理部40は、該判定結果に応じて画像に対してガンマ処理を施すので、分割された画像の各々に対して、それぞれ最適なガンマ処理を自動的に行うことができる。
更に、焼付き軽減部10は、画像分割手段により分割された複数の画像相互間の境界部の画像(境界部画像G3)を平滑化する処理を行う2次元ローパスフィルタ60を備えるので、境界部画像G3をなまらせることができる。よって、境界部画像G3が顕在化してしまうことを抑制でき、第1分割画像G1と第2分割画像G2とを滑らかにつなぐことができるため、境界部画像G3の表示領域での画面の焼き付きの発生を好適に低減させることができる。
また、境界部画像G3のうち、平滑化処理を施す画像の範囲を拡大させたり縮小させたりすることにより、適当な範囲の画像に対して平滑化処理を施すことができ、例えば、平滑化処理の範囲が広すぎるためにかえって画質が低下してしまうことや、平滑化処理の範囲が狭すぎるために画像の境界線が顕在化したままとなってしまうことを抑制できる。
更に、平滑化処理の結果を表示画像に反映させるか否かの制御も行うことができるため、平滑化処理が必要な場合にのみ、該平滑化処理の結果を表示画像に反映させることができる。
なお、上記の第6の実施形態では、上記の第1の実施形態の構造を一部変更した例を説明したが、同様の変更は、上記の第2乃至第5のいずれの実施形態に対しても同様に適用可能である。
また、上記の第6の実施形態では、画像分割部30により分割された画像の各々に対してガンマ処理部40にて個別にそれぞれ最適なガンマ処理を施す例を説明したが、画像分割部30により分割された画像のうちの少なくとも何れか1つに対してガンマ処理部40にて最適なガンマ処理を施すようにしても良い。すなわち、例えば、焼付き軽減部10に入力される元々の画像信号に対して既に一括して標準的なガンマ処理が施されているような場合には、ガンマ処理部40では、例えば、第1分割画像G1に対してのみ個別のガンマ処理を施して、画面の焼き付きの低減などを行うようにしても良い。
また、上記の第6の実施形態では、第1分割画像G1を表示画面21における右上の領域に設定した例を示したが、第1分割画像G1の領域の設定は目的に応じて任意に変更しても良い。すなわち、第1の実施形態の場合には、時計表示やチャンネル表示などの有無を検出するために、第1分割画像G1を表示画面21における右上の領域に設定したが、例えば、映画などにおける字幕の有無を検出する場合には、第1分割画像G1を表示画面21における下部の領域に設定すれば良い。また、境界線K1を矩形状に設定した例を説明したが、該境界線K1の形状も目的に応じて任意に変更して良い。
更に、上記の第6の実施形態では、焼き付きが発生すると判定された場合に、画像合成部50において各画像を構成するに際して、第1分割画像G1と第2分割画像G2をそれぞれ第3分割画像G3により上書きする例を説明したが、第1分割画像G1と第3分割画像G3との重複部分についてはこれら両画像G1、G3を平均化した画像を表示し、同様に、第2分割画像G2と第3分割画像G3との重複部分についてはこれら両画像G2、G3を平均化した画像を表示するようにしても良い。
或いは、上記の第6の実施形態では、第1分割画像G1、第2分割画像G2に、それぞれ境界部画像G3と相互に重複する部分が存在する例を説明したが、重複部分が存在しないように第1分割画像G1、第2分割画像G2及び境界部画像G3を分割することも好ましい。すなわち、例えば、図20に示すように、互いに相似形で互いに中心が等しい2つの矩形状の境界線K1、K2のうち、内側の境界線K1により第1分割画像G1と境界部画像G3とを区分けする一方で、外側の境界線K2により第2分割画像G2と境界部画像G3とを区分けするようにし、これら境界線K1、K2により挟まれた領域の画像を境界部画像G3としても良い。
また、上記の第6の実施形態では、ヒストグラム検出部1による検出結果に応じて、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を拡大させたり縮小させたりする例を説明したが、平滑化処理を施すべき範囲は一定(例えば常に境界部画像G3の全体)であっても良い。
また、上記の第6の実施形態では、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させるか否かの指令を画像合成部50に対して行うことにより、平滑化処理結果の画像への反映の有無を制御する例を説明したが、画像合成部50に対する指令に代えて、2次元ローパスフィルタ60に対する指令を行うことにより、平滑化処理結果の画像への反映の有無を制御するようにしても良い。すなわち、ヒストグラム検出部1による検出結果が、第1分割画像G1の表示領域に画面の焼き付きが生じる可能性があるような検出結果となった場合には、マイコン4から2次元ローパスフィルタ60に対して制御信号を出力し、境界部画像G3を平滑化する処理を行わせる一方で、第1分割画像G1の表示領域に画面の焼き付きが生じる可能性がないような検出結果となった場合には、マイコン4から2次元ローパスフィルタ60に対して制御信号を出力し、境界部画像G3を平滑化する処理を行わせないようにしても良い。
〔第7の実施形態〕
図21は第7の実施形態に係る表示装置700の構成を示すブロック図である。
上記の第6の実施形態では、第2の動作モードの場合に、ヒストグラム検出部1が、画像に含まれる画素の輝度レベル毎の統計分布を第1分割画像G1についてのみ検出する例について説明したが、第7の実施形態では、第2の動作モードの場合に、ヒストグラム検出部70が、第1及び第2分割画像G1、G2の各々について輝度レベル分布を個別に検出する例について説明する。
なお、第7の実施形態に係る表示装置700は、以下に説明する点でのみ上記の第6の実施形態に係る表示装置600と異なり、その他の点では第6の実施形態に係る表示装置600と同様に構成されているため、第7の実施形態に係る表示装置700において、表示装置600と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図21に示すように、本実施形態の場合、ヒストグラム検出部1に代えて、ヒストグラム検出部70を備えている。このヒストグラム検出部70は、第1ヒストグラム検出部71と第2ヒストグラム検出部72とを備えて構成されている。
このうち第1ヒストグラム検出部71は、第1の動作モードのときには、上記の各実施形態の場合におけるヒストグラム検出部1と同様に機能する。
また、本実施形態の場合、切替部7は、動作モードを第1の動作モードに切り替えているときには入力画像信号を第1ヒストグラム検出部71に対して出力する一方で、動作モードを第2の動作モードに切り替えているときには入力画像信号を画像分割部30に対して出力する。
また、本実施形態の場合の第2の動作モードのときには、画像分割部30は、第1分割画像G1に対応する画像信号を第1ヒストグラム検出部71に対して出力する一方で、第2分割画像G2に対応する画像信号を第2ヒストグラム検出部72に対して出力する。
そして、第1ヒストグラム検出部71は、第1分割画像G1について輝度レベル分布を検出する一方で、第2ヒストグラム検出部72は、第2分割画像G2について輝度レベル分布を検出する。
また、本実施形態の場合の第2の動作モードのときには、マイコン4は、例えば、以下に説明する制御を行う。
先ず、マイコン4は、第1及び第2分割画像G1、G2について、例えば、画面の焼き付きの可能性の有無の判定と、画像が暗すぎないかどうかの判定と、をそれぞれ行う。
すなわち、マイコン4は、第1ヒストグラム検出部72からの検出データに基づいて、上記の第6の実施形態で説明したのと同様に、第1分割画像G1における画面の焼き付きの可能性の有無を判定するのに加えて、該検出データに基づいて、第1分割画像G1が暗すぎないかどうかの判定を行う。
同様に、マイコン4は、第2ヒストグラム検出部72からの検出データに基づいて、第2分割画像G2における画面の焼き付きの可能性の有無を判定するのに加えて、第2分割画像G2が暗すぎないかどうかの判定を行う。
更に、マイコン4は、第1分割画像G1と第2分割画像G2とで明暗の差が大きすぎないかどうかの判定を行う。
そして、第1分割画像G1における画面の焼き付きの可能性が有ると判定した場合、マイコン4は、第1ガンマ処理部41に対して制御データを出力し、第1分割画像G1における各画素の明暗の差が小さくなるようなガンマカーブを選択させて、焼き付きの発生を低減させる。
同様に、第2分割画像G2における画面の焼き付きの可能性が有ると判定した場合、マイコン4は、第2ガンマ処理部42に対して制御データを出力し、第2分割画像G2における各画素の明暗の差が小さくなるようなガンマカーブを選択させて、焼き付きの発生を低減させる。
また、第1分割画像G1が暗すぎると判定した場合、マイコン4は、第1ガンマ処理部41に対して制御データを出力し、第1分割画像G1における階調数を増加させるようなガンマカーブを選択させて、第1分割画像G1の画質を向上させる。
同様に、第2分割画像G2が暗すぎると判定した場合、マイコン4は、第2ガンマ処理部42に対して制御データを出力し、第2分割画像G2における階調数を増加させるようなガンマカーブを選択させて、第2分割画像G2の画質を向上させる。
また、第1分割画像G1と第2分割画像G2とで明暗の差が大きすぎると判定した場合には、マイコン4は、これら両画像G1、G2の明暗の差を低減させるように、第1及び第2ガンマ処理部41,42に対してそれぞれ制御データを出力し、第1分割画像G1と第2分割画像G2の明暗の較差を低減させるようなガンマカーブを各々選択させて、表示画面21全体の画質を向上させる。
また、マイコン4は、第1及び第2分割画像G1、G2のうちの何れか一方における画面の焼き付きの可能性があると判定した場合、第1及び第2分割画像G1、G2のうちの何れか一方が暗すぎると判定した場合、或いは、第1及び第2分割画像G1、G2の明暗の差が大きすぎると判定した場合には、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させる旨を画像合成部50に対して指令する。
ここで、マイコン4は、例えば、ヒストグラム検出部70による検出結果に基づき、第1分割画像G1と第2分割画像との明暗の差が大きいと判定される場合には、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を拡大させる旨を指令する信号を2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。他方、第1及び第2分割画像G1、G2のうちの何れか一方における画面の焼き付きの可能性があるか、又は、第1及び第2分割画像G1、G2のうちの何れか一方が暗すぎる場合であっても、第1分割画像G1と第2分割画像との明暗の差が小さいと判定される場合には、境界部画像G3のうち平滑化処理を施すべき範囲を縮小させる旨を指令する信号を2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
以上のような第7の実施形態によれば、上記の第6の実施形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、以下の効果が得られる。
第2の動作モードのときに、第1分割画像G1と第2分割画像G2について、個別に判定(例えば、画面の焼き付きの可能性の有無の判定、画像が暗すぎないかどうかの判定、画像総合観の明暗の差が大きすぎないかどうかの判定)を行い、その判定結果に応じて、第1分割画像G1と第2分割画像G2に対して個別にガンマ処理を施すので、第6の実施形態の場合よりも好適に各画像G1、G2に対してガンマ処理を施すことができる。
つまり、例えば、第1及び第2分割画像G1、G2の各々の表示領域について、個別に画面の焼き付きの発生を低減させたり、個別に暗い画像の画質を向上させたり、第1及び第2分割画像G1、G2の各々の表示領域の画質の較差(輝度レベル分布の較差に基づき判定)を低減させて、表示画面21全体の画質を向上させたりすることができる。
なお、上記の第7の実施形態では、画像分割部30が画像を2つの部分に分割する例を説明したが、3つ以上の部分に分割するようにしても良い。この場合、画像の分割数をn(=3以上)とすると、ガンマ処理部40は、例えば、少なくとも(n−1)個、又はn個のガンマ処理部を備えるとともに、ヒストグラム検出部70も、少なくとも(n−1)個、又はn個のヒストグラム検出部を備えるものとし、n個に分割された画像のうちの少なくとも(n−1)個、又はn個の画像に対して、それぞれ個別に輝度レベル分布を検出し、該検出した輝度レベル分布に応じて、それぞれ個別にガンマ処理を施すようにすると良い。
〔第8の実施形態〕
図22は第8の実施形態に係る表示装置800の構成を示すブロック図である。
上記の第6及び第7の実施形態では、画像分割部30による画像の分割境界が予め設定されている例について説明したが、第8の実施形態では、ヒストグラム検出部1により検出した輝度レベル分布に基づいて、画像の分割境界を決定する例について説明する。
なお、第8の実施形態に係る表示装置800は、以下に説明する点でのみ上記の第6の実施形態に係る表示装置600と異なり、その他の点では第6の実施形態に係る表示装置600と同様に構成されているため、第8の実施形態に係る表示装置800において、表示装置600と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図22に示すように、本実施形態の場合、ヒストグラム検出部1は、例えば、画像分割部30及び切替部7の前段に設けられている。
第2の動作モードのときには、ヒストグラム検出部1及び切替部7を介して、画像分割部30に画像信号が入力されるようになっている。
他方、第1の動作モードのときには、ヒストグラム検出部1及び切替部7を介して、輝度補正部2に画像信号が入力されるようになっている。
また、ガンマ処理部40は、例えば、第1乃至第4のガンマ処理部41、42、43、44を備えている。
本実施形態の場合の第2の動作モードの時には、ヒストグラム検出部1は、例えば、以下の2種類の検出動作が可能に構成されている。
(1−1)表示画面21を2分割した各々の表示領域に表示される画像(図23(a)の第1及び第2分割画像G11、G12)について、それぞれ輝度レベル分布を検出する動作。
(1−2)表示画面21を4分割した各々の表示領域に表示される画像(図23(b)の第1乃至第4分割画像G11〜G14)について、それぞれ輝度レベル分布を検出する動作。
また、マイコン4は、以下のような判定動作を行い、判定結果に応じて、ガンマ制御部40、2次元ローパスフィルタ60及び画像合成部50を制御する。
(2−1)ヒストグラム検出部1による上記(1−1)の検出動作の結果に基づいて、図23(a)における第1分割画像G11と第2分割画像G12のうちの何れか一方のみに暗すぎる又は画面の焼き付きの可能性の問題があると判定した場合や、両画像G11、G12の明暗の較差が大きすぎるという問題があると判定した場合には、これら第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきであると判定する。つまり、この場合、表示画面21における画像を、例えば図23(a)に示す態様で2分割すべきであると判定する。
また、この場合、画像分割部30に対して、表示画面21における画像を図23(a)の第1分割画像G11と第2分割画像G12に分割し、該分割した各々の画像に対応する画像信号を第1、第2ガンマ処理部41、42に対して出力させる旨の指令と、該第1及び第2分割画像G11、G12の相互間の境界部画像(例えば、図23(a)に示すような直線状の境界線の近傍の画像)を2次元ローパスフィルタ60に対して出力させる旨の指令と、を行う。
2次元ローパスフィルタ60に対しては、画像G11、G12における問題の種類や程度に応じて、平滑化処理の範囲を拡大又は縮小させる指令を行う。
画像合成部50に対しては、画像G11、G12及びそれらの境界部画像を合成させる指令を行う。
(2−2)ヒストグラム検出部1による上記(1−1)の検出動作の結果に基づいて第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきではないと判定した場合において、ヒストグラム検出部1による上記(1−2)の検出動作の結果に基づいて、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち何れか1つのみに暗すぎる又は画面の焼き付きの可能性の問題があると判定した場合や、何れか1つの画像のみが他の画像との明暗の較差が大きすぎるという問題があると判定した場合には、表示画面21全体の画像の中から該1つの画像(図23(b)の第1〜第4分割画像G11〜G14のうち何れか1つ)のみを分割すべきであると判定する。つまり、この場合、表示画面21における画像を、例えば図23(c)に示す態様で2分割すべきであると判定する。
また、この場合、画像分割部30に対して、表示画面21全体の画像の中から、問題のある何れか1つの画像(第1〜第4分割画像G11〜G14のうち何れか1つの画像)のみを分割させる。つまり、この場合、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、問題のある1つの画像(例えば、第1分割画像G11)に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に対して出力させる一方で、残る3つ分の画像(例えば、第2〜第4分割画像G12〜G14)に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に対して出力させる旨の指令と、前記問題のある1つの画像と他の3つ分の画像との境界部画像を2次元ローパスフィルタ60に対して出力させる旨の指令と、を画像分割部30に対して行う。
2次元ローパスフィルタ60に対しては、前記問題のある1つの画像における問題の種類や程度に応じて、平滑化処理の範囲を拡大又は縮小させる指令を行う。
画像合成部50に対しては、前記問題のある1つの画像と、他の3つ分の画像と、それらの境界部画像(例えば、図23(c)に示すようなL字型の境界線の近傍の画像)と、を合成させる指令を行う。
(2−3)ヒストグラム検出部1による上記(1−1)の検出動作の結果に基づいて第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきではないと判定した場合において、ヒストグラム検出部1による上記(1−2)の検出動作の結果に基づいて、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、相互に隣り合わない何れか2つの画像(画像G11と画像G14の組み合わせ、又は、画像G11と画像G14の組み合わせ)に、暗すぎる、画面の焼き付きの可能性がある、隣の画像との明暗の較差が大きすぎる、という3つの問題のうちの少なくとも1つが存在すると判定した場合には、第1〜第4分割画像G11〜G14を相互に分割すべきであると判定する。つまり、この場合は、表示画面21における画像を、例えば図23(b)に示す態様で4分割すべきであると判定する。
また、この場合、画像分割部30に対して、表示画面21における画像を図23(b)の第1〜第4分割画像G11〜G14に分割し、該分割した各々の画像に対応する画像信号を第1〜第4ガンマ処理部41〜44に対して出力させる旨の指令と、第1〜第4分割画像G11〜G14の相互間の境界部画像(例えば、図23(b)に示すような十字型の境界線の近傍の画像)を2次元ローパスフィルタ60に対して出力させる旨の指令と、を行う。
2次元ローパスフィルタ60に対しては、問題のある2つの画像における問題の種類や程度に応じて、平滑化処理の範囲を拡大又は縮小させる指令を行う。
ここで、境界部画像には、第1分割画像G11と第2分割画像G12との境界部である部分と、第1分割画像G11と第3分割画像G13との境界部である部分と、第2分割画像G12と第4分割画像G14との境界部である部分と、第3分割画像G13と第4分割画像G14との境界部である部分と、の4つの部分がある。よって、2次元ローパスフィルタ60に対しては、これら4つの部分の各々について、個別に、平滑化処理の範囲を指令するようにしても良い。
画像合成部50に対しては、第1分割画像G11と、第2分割画像G12と、第3分割画像G13と、第4分割画像G14と、それらの境界部画像と、を合成させる指令を行う。
(2−4)ヒストグラム検出部1による上記(1−1)の検出動作結果に基づいて第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきではないと判定した場合において、ヒストグラム検出部1による上記(1−2)の検出動作結果に基づいて、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、相互に隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)のみに、暗すぎる、画面の焼き付きの可能性がある、隣の画像との明暗の較差が大きすぎるという3つの問題のうちの少なくとも1つが問題が存在し、且つ、この隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)における問題の種類が相互に異なる(例えば、一方は暗すぎて、他方は焼き付きの可能性がある)と判定した場合には、表示画面21全体の画像の中から、これら隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)のみを相互に独立に分割する一方で、残る2つの画像(例えば、第2及び第4分割画像G12、G14)は分割させないままにすべきであると判定する。つまり、この場合、表示画面21における画像を、例えば、図23(d)に示す態様で3分割すべきであると判定する。
また、この場合、画像分割部30に対して、表示画面21全体の画像の中から、問題があり且つ相互に隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)のみを各々独立に分割させ、残る2つ分の画像はまとまった状態のままとさせる。つまり、この場合、問題があり且つ相互に隣り合う2つの画像のうちの一方(例えば第1分割画像G1)に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に対して出力させ、他方(例えば第3分割画像G13)に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に対して出力させ、残る2つ分(例えば第2及び第4分割画像G12、G14)に対応する画像信号はまとめて第3ガンマ処理部43に対して出力させる旨の指令と、前記問題のある2つの画像と、残る2つ分の画像と、の相互間の境界部画像(例えば、図23(d)に示すようなT字型の境界線の近傍の画像)を2次元ローパスフィルタ60に対して出力させる旨の指令と、を画像分割部30に対して行う。
2次元ローパスフィルタ60に対しては、問題のある2つの画像における問題の種類や程度に応じて、平滑化処理の範囲を拡大又は縮小させる指令を行う。
ここで、境界部画像には、第1分割画像G11と第2分割画像G12との境界部である部分と、例えば、図23(d)の例の場合には、第1分割画像G11と第3分割画像G13との境界部である部分と、第1分割画像G11と第2分割画像G12との境界部である部分と、第3分割画像G13と第4分割画像G14との境界部である部分と、の3つの部分がある。よって、2次元ローパスフィルタ60に対しては、これら3つの部分の各々について、個別に、平滑化処理の範囲を指令するようにしても良い。
画像合成部50に対しては、分割後の各画像、すなわち、例えば、第1分割画像G11と、第3分割画像G13と、第2及び第4分割画像G12、G14からなる画像と、それらの境界部画像と、を合成させる指令を行う。
(2−5)判定が上記(2−1)〜(2−4)のいずれにも該当しない場合には、第1〜第4分割画像G11〜G14を分割すべきではないと判定する。
この場合、画像分割部30に対して、表示画面21における画像を分割させずに、該画像全体に対応する画像信号を例えば第1ガンマ処理部41に対してのみ出力させる旨の指令を行う。
また、画像分割部30は、表示画面21に表示される画像を、マイコン4からの指令に応じて、例えば、以下の4種類の態様で分割する。
(3−1)マイコン4により上記(2−1)の判定がなされた場合には、表示画面21における画像を図23(a)の第1分割画像G11と第2分割画像G12に分割し、該分割したうちの一方に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に、他方に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に、それぞれ出力するとともに、各画像の相互間の境界部画像に対応する画像信号は2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
(3−2)マイコン4により上記(2−2)の判定がなされた場合には、表示画面21全体の画像の中から、問題のある何れか1つの画像(図23(b)の第1〜第4分割画像G11〜G14のうち何れか1つの画像)のみを分割し、該分割した1つの画像に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に、残る3つ分の画像に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に、それぞれ出力するとともに、問題のある1つの画像と他の3つ分の画像との境界部画像を2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
(3−3)マイコン4により上記(2−3)の判定がなされた場合には、表示画面21における画像を図23(b)の第1〜第4分割画像G11〜G14に4分割し、該分割したうちの第1分割画像G11に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に、第2分割画像G12に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に、第3分割画像G13に対応する画像信号は第3ガンマ処理部43に、第4分割画像G14に対応する画像信号は第4ガンマ処理部44に、それぞれ出力するとともに、第1〜第4分割画像G11〜G14の相互間の境界部画像は2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
(3−4)マイコン4により上記(2−4)の判定がなされた場合には、表示画面21全体の画像の中から、問題があり且つ相互に隣り合う2つの画像のみを各々独立に分割させ、残る2つ分の画像はまとまった状態のままとさせる。つまり、問題があり且つ相互に隣り合う2つの画像のうちの一方(例えば図23(d)の第1分割画像G1)に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に対して出力し、他方(例えば図23(d)の第3分割画像G13)に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に対して出力し、残る2つ分(例えば図23(d)の第2及び第4分割画像G12、G14)に対応する画像信号はまとめて第3ガンマ処理部43に対して出力するとともに、前記問題のある2つの画像と、残る2つ分の画像と、の相互間の境界部画像は2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
(3−5)マイコン4により上記(2−5)の判定がなされた場合には、表示画面21全体の画像に対応する画像信号をガンマ処理に対してのみ出力する。
また、各ガンマ処理部41〜44は、それぞれ、画像分割部30から入力される画像信号に対し、マイコン4からの指令に従って選択したガンマカーブを用いてガンマ処理を施し、該処理後の画像信号を画像合成部50に対して出力する。
なお、画像が分割されない場合には、第2〜第4ガンマ処理部42〜44には画像信号が入力されず、これら第2〜第4ガンマ処理部42〜44はガンマ処理を行わないとともに画像合成部50に対して画像信号を出力しない。
また、画像が2分割される場合には、第3及び第4ガンマ処理部43,44には画像信号が入力されず、これら第3及び第4ガンマ処理部43,44はガンマ処理を行わないとともに画像合成部50に対して画像信号を出力しない。
更に、画像が3分割される場合には、第4ガンマ処理部44には画像信号が入力されず、該第4ガンマ処理部44はガンマ処理を行わないとともに画像合成部50に対して画像信号を出力しない。
2次元ローパスフィルタ60は、画像分割部30から入力される境界部画像(例えば、図23(a)〜(d)の何れかにおける画像の境界部の画像)に対して、平滑化処理を施して、画像合成部50に対して出力する。
なお、画像が分割されない場合には、2次元ローパスフィルタ60には画像信号が入力されず、2次元ローパスフィルタ60は平滑化処理を行わないとともに画像合成部50に対して画像信号を出力しない。
また、画像合成部50は、画像が2分割された場合には、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42及び2次元ローパスフィルタ60から入力される各画像信号を合成して表示部20に対して出力し、画像が3分割された場合には、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42、第3ガンマ処理部43及び2次元ローパスフィルタ60から入力される各画像信号を合成して表示部20に対して出力し、画像が4分割された場合には、第1ガンマ処理部41、第2ガンマ処理部42、第3ガンマ処理部43、第4ガンマ処理部44及び2次元ローパスフィルタ60から入力される各画像信号を合成して表示部20に対して出力する。なお、画像が分割されない場合には、画像合成部50は、例えば第1ガンマ処理部41から入力される表示画面21全体の画像信号を表示部20に対してそのまま出力する。
次に、本実施形態の場合の第2の動作モードのときにおける動作を説明する。
先ず、マイコン4は、ヒストグラム検出部1に対して指令を出力し、例えば、図23(a)における第1分割画像G11及び第2分割画像G12について、それぞれ輝度レベル分布を検出させる。
すると、ヒストグラム検出部1は、図23(a)における第1分割画像G11及び第2分割画像G12について、それぞれ輝度レベル分布を検出し、該検出結果のデータをマイコン4に対して出力する。
マイコン4は、これら2つの輝度レベル分布のデータに基づいて、表示画面21の画像を図23(a)における第1分割画像G11と第2分割画像G12に分割すべきか否かについての判定を行う。
ここで、マイコン4は、例えば、図23(a)における第1分割画像G11と第2分割画像G12のうちの何れか一方のみが暗すぎる場合や、何れか一方のみに画面の焼き付きの可能性がある場合や、両画像G11、G12における明暗の較差が大きすぎる場合には、これら第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきであると判定する。
マイコン4は、図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきであると判定した場合には、画像分割部30に対しその旨を指令する。
画像分割部30は、この指令に従って画像を図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12に分割し、このうち第1分割画像G11に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に、第2分割画像G12に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に、第1及び第2分割画像G11、G12の相互間の境界部画像に対応する画像信号は2次元ローパスフィルタ60に、それぞれ出力する。
また、マイコン4は、第1及び第2ガンマ処理部41、42に対し、それぞれ上記第2の実施形態で説明したのと同様の指令を行って、各々最適なガンマカーブを選択させ、焼き付きの発生を低減させたり、画質を向上させたりする。
更に、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60に対し、上記第2の実施形態で説明したのと同様の指令を行って、平滑化処理を施すべき範囲を拡大又は縮小させたりする。
加えて、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させる旨を画像合成部50に対して指令する。
他方、図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12を分割すべきでないと判定した場合には、マイコン4は、ヒストグラム検出部1に対して指令を出力し、図23(b)における第1分割画像G11、第2分割画像G12、第3分割画像G13、第4分割画像G14について、それぞれ輝度レベル分布を検出させる。
すると、ヒストグラム検出部1は、図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14について、それぞれ輝度レベル分布を検出し、該検出結果のデータをマイコン4に対して出力する。
マイコン4は、これら4つの輝度レベル分布のデータに基づいて、表示画面21の画像を図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14の何れかを分割すべきか否かについての判定を行う。
ここで、マイコン4は、例えば、図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14の何れかが暗すぎる場合や、何れかの画像に画面の焼き付きの可能性がある場合や、隣り合う何れかの画像間における明暗の較差が大きすぎる場合に、画像を分割すべきであると判定する。
すなわち、例えば、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、何れか1つの画像(例えば第1分割画像G11)のみに、暗すぎる、画面の焼き付きの可能性がある、他の画像との明暗の較差が大きすぎる、という問題がある場合には、表示画面21全体の画像の中から該1つの画像(例えば第1分割画像G11)のみを分割すべきであると判定する(上記(2−2)の判定)。
或いは、例えば、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、相互に隣り合わない何れか2つの画像(例えば、第1及び第4分割画像G11、G14)のみが暗すぎる場合や、該2つの画像のみに画面の焼き付きの可能性がある場合や、該2つの画像における各々の隣の画像との明暗の較差が大きすぎる場合には、これら第1〜第4分割画像G11〜G14を相互に分割すべきであると判定する(上記(2−3)の判定)。
或いは、例えば、第1〜第4分割画像G11〜G14のうち、相互に隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)が、暗すぎる場合や、画面の焼き付きの可能性がある場合や、隣の画像との明暗の較差が大きすぎる場合で、且つ、この隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)の画質が相互に異なる場合(例えば、一方は暗すぎて、他方は焼き付きの可能性がある場合など)には、表示画面21全体の画像の中から、これら隣り合う2つの画像(例えば、第1及び第3分割画像G11、G13)を分割すべきであると判定する(上記(2−4)の判定)。
マイコン4は、図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14を分割すべきであると判定した場合には、どのように画像を分割するのかの指令を、画像分割部30に対して上述のように行う。
画像分割部30は、この指令に従って画像を、例えば、図23(b)、図23(c)、或いは図23(d)のように適宜に分割し、このうち1つ目の画像に対応する画像信号は第1ガンマ処理部41に、2つ目の画像に対応する画像信号は第2ガンマ処理部42に、3つ目の画像に対応する画像信号は第3ガンマ処理部43に、4つ目の画像に対応する画像信号は第4ガンマ処理部44に、分割した各画像相互間の境界部画像に対応する画像信号は2次元ローパスフィルタ60に、それぞれ出力する。なお、図23(c)のような態様で分割する場合には3つ目及び4つ目の画像は存在せず、図23(d)のような態様で分割する場合には4つ目の画像は存在しない。
また、マイコン4は、第1〜第4ガンマ処理部41〜44のうちの画像信号が入力される何れか2つ乃至4つの処理部41〜44に対し、それぞれ上記第7の実施形態で説明したのと同様の指令を行って、各々最適なガンマカーブを選択させ、焼き付きの発生を低減させたり、画質を向上させたりする。
更に、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60に対し、上記第7の実施形態で説明したのと同様の指令を行って、平滑化処理を施すべき範囲を拡大又は縮小させたりする。
加えて、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理結果を画像に反映させる旨を画像合成部50に対して指令する。
他方、図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14の何れをも分割すべきでないと判定した場合(上記(2−5)の判定)には、マイコン4は、画像の分割を行わない旨を画像分割部30に対して指令する。この場合、画像分割部30は、表示画面21全体の画像に対応する画像信号を、例えば第1ガンマ処理部41に対してのみ出力し、第1ガンマ処理部41は、この画像信号に対して一律に標準的なガンマ処理を施して、画像合成部50に出力する。また、画像合成部50は、第1ガンマ処理部41からの画像信号をそのまま表示部20に出力する。
その後は、引き続き同様に図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12についての輝度レベル分布に基づく判定と、図23(b)における第1〜第4分割画像G11〜G14についての輝度レベル分布に基づく判定と、を繰り返し行い、その判定結果に応じて、画像を分割して各々個別にガンマ処理を施したり、或いは、画像を分割せずに一律のガンマ処理を施したりする。
以上のような第8の実施形態によれば、上記の第7の実施形態により得られる効果に加えて、以下の効果が得られる。
すなわち、第8の実施形態によれば、第2の動作モードのときに、ヒストグラム検出部1により検出した輝度レベル分布に基づいて、画像の分割境界を決定するので、より最適な分割境界で画像を分割し、分割した各々の画像に対して個別にガンマ処理を施すことができる。
なお、上記の第8の実施形態では、画像を4分割を上限として分割可能な例を説明したが、5つ以上に分割可能にしても良い。
具体的には、例えば、2分割→4分割→8分割→・・・といったように、順次、輝度レベル分布の検出対象とする画像の領域を細分化していきながら、画像の分割数及び分割境界を決定することも好ましい。
また、上記の第8の実施形態では、例えば、2分割した画像のうちの何れか一方が暗すぎたり画面の焼き付きの発生可能性があった場合に、直ちに画像の分割数及び分割境界を決定する例を説明したが、2分割した画像のうちの何れか一方が暗すぎたり何れか一方に画面の焼き付きの発生可能性があった場合に、さらに、該一方の画像を細分化していくことにより、画像の最適な分割境界を決定することも好ましい。すなわち、例えば、図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12のうちの何れか一方が暗すぎたり画面の焼き付きの発生可能性があった場合に、該一方の画像(例えば第1分割画像G11)を図23(b)における第1分割画像11及び第3分割画像13に分割し、該分割した各々の輝度レベル分布を判定し、該判定によっても何れか一方のみ(例えば第3分割画像G13)が暗い場合や、何れか一方(例えば第3分割画像G13)のみに画面の焼き付きの発生可能性がある場合には、画像(例えば第3分割画像G13)のみを他の部分から分割する一方で、該判定では双方の画像の輝度レベル分布にあまり較差がなければ、図23(b)における第1及び第3分割画像11、13の分割は行わず、図23(a)における第1及び第2分割画像G11、G12に分割するようにしても良い。
<変形例>
図24は第8の実施形態の変形例に係る表示装置850の構成を示すブロック図である。
上記の第8の実施形態では、図22に示すように、ヒストグラム検出部1が画像分割部30の前段に設けられている例について説明したが、例えば、図24に示すように、切替部7を介して、画像分割部30(第2の動作モードのとき)又はヒストグラム検出部1(第1の動作モードのとき)に対して択一的に画像信号(表示画面21の全体に対応する画像信号)が入力されるようになっていても良く、この場合にも、上記と同様の効果が得られる。
〔第9の実施形態〕
上記の第6乃至第8の実施形態では、画像分割部30による画像の分割境界が、予め設定されているか、又は、ヒストグラム検出部(ヒストグラム検出部1又は70)により検出した輝度レベル分布に基づいて自動的に設定される例について説明したが、第9の実施形態では、画像の分割境界をユーザの操作により設定する例について説明する。
また、上記の第6乃至第8の実施形態では、2次元ローパスフィルタ60により平滑化処理を施す範囲が自動的に決定される例について説明したが、第9の実施形態では、平滑化処理の範囲についてもユーザの操作により設定する例について説明する。
更に、上記の第6乃至第8の実施形態では、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理の結果を反映させるか否かが自動的に決定される例について説明したが、第9の実施形態では、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理の結果を反映させるか否かについてもユーザの操作により設定する例について説明する。
図25は第9の実施形態に係る表示装置900の構成を示すブロック図である。
なお、第9の実施形態に係る表示装置900は、以下に説明する点でのみ上記の第7の実施形態に係る表示装置700と異なり、その他の点では第7の実施形態に係る表示装置700と同様に構成されているため、第9の実施形態に係る表示装置900において、表示装置700と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図25に示すように、本実施形態の場合、表示装置900は、ユーザに操作される操作部90を備えている。この操作部90は、例えば、マウスなどのGUI(Graphical User Interface)及び操作キー(操作ボタン)からなる。
操作部90は、ユーザによる操作を検出すると、操作の種類に応じた検出信号をマイコン4に対して出力する。マイコン4は、操作部90から入力される検出信号の種類に応じて、画像分割部30、2次元ローパスフィルタ及び画像合成部50に対して指令信号を出力する。
また、本実施形態の場合、画像分割部30は、例えば、マイコン4からの指令に応じてのみ画像を分割するように構成され、マイコン4からの指令がない場合には、画像を分割せずに表示画面21の全体の画像に対応する画像信号を第1ガンマ処理部41に対してのみ出力する。
従って、マイコン4から画像分割部30に対して指令がない場合には、第1ガンマ処理部41のみがガンマ処理を行って画像信号を画像合成部50に出力し、第2ガンマ処理部42はガンマ処理を行なわず、画像信号を画像合成部50に出力しない。
また、マイコン4から画像分割部30に対して指令がない場合には、ヒストグラム検出部70は輝度レベル分布を検出せず、2次元ローパスフィルタ60は平滑化処理を行わず、画像合成部50は画像を合成せずに第1ガンマ処理部41から入力される画像信号をそのまま表示部20に対して出力する。
次に、本実施形態の場合の動作を説明する。
先ず、ユーザは、表示画面21に表示される画像に応じて、画像を分割するか否かを判断し、分割する場合には、操作部80を操作して画像を所望の境界線で2分割する。
ここで、画像の分割は、例えば、時計表示、チャンネル表示、映画の字幕表示がなされている場合や、一画面内に2画面の信号が存在すると認識した場合(ニュースなどで2つの中継場所、例えば1つはレポートを行う中継先で、もう1つはスタジオなどを共に映す場合)や、暗い部分と明るい部分での明暗の較差が大きい画像が表示されている場合に行うことが挙げられる。
画像を分割する場合には、操作部90に対して、画像の分割を開始する旨の操作を行う。すると、例えば、表示画面21にて、ポインタP(図25参照)或いはインジケータが表示される。
そして、ユーザは、例えばポインタPを移動させて分割したい画像の範囲を指定する。すなわち、例えば、ポインタPの移動軌跡に応じて表示画面21内に矩形状の枠Wが表示されるので、枠Wが所望の位置・寸法・形状となるようにドラッグ操作などを行ったところで、画像範囲の決定操作を行う。
ここで、ポインタPや枠Wの表示は、例えば、図示しない記憶部に記憶された絵柄データを用いて、マイコン4の制御下で、画像合成部50にて嵌め込み合成することにより行われる。
なお、枠Wは、矩形状に限らず、例えば、ポインタPの任意の移動軌跡により閉塞される領域を枠Wとしても良い。
こうして、操作部80を用いた画像範囲の決定操作がなされると、マイコン4は、枠Wを境界線として画像を2分割させるべく、画像分割部30に対して指令信号を出力する。
画像分割部30は、マイコン4からの指令信号を受けると、枠Wを境界線として画像を2分割し、このうち一方の画像(例えば第1分割画像G1)に対応する画像信号を第1ガンマ処理部41に、他方の画像信号(例えば第2分割画像G2)に対応する画像信号を第2ガンマ処理部42に、それぞれ出力するとともに、第1分割画像G1と第2分割画像G2との境界部の画像(境界部画像G3:図25では図示略)を2次元ローパスフィルタ60に対して出力する。
更に、画像分割部30は、2分割した画像、すなわち第1分割画像G1及び第2分割画像G2に対応する画像信号を、それぞれ第1ヒストグラム検出部71及び第2ヒストグラム検出部72に対して出力する。
マイコン4は、上記の第7の実施形態で説明したのと同様に、判定動作を行って、その判定結果に基づいて第1ガンマ処理部41及び第2ガンマ処理部42を制御する。
第1ガンマ処理部41及び第2ガンマ処理部42は、それぞれマイコン4による指令に従ってガンマカーブを選択し、該選択したガンマカーブを用いて画像信号にガンマ処理を施して、画像合成部50に対して出力する。
他方、2次元ローパスフィルタ60は、境界部画像G3のうち、ユーザによる前回の設定操作により決定された範囲の画像に対して、平滑化処理を施して、画像合成部50に対して出力する。
画像合成部50は、第1ガンマ処理部41からの第1分割画像G1と、第2ガンマ処理部42からの第2分割画像G2と、2次元ローパスフィルタ60からの境界部画像G3とを合成し、合成後の画像信号を表示部20に対して出力する。
表示部20では、画像合成部50からの画像信号に基づき画像を表示する。
次に、ユーザは、この画像表示を確認して、第1分割画像G1と第2分割画像G2との境界部に対する平滑化処理を施すべき画像の範囲を判断したり、平滑化処理の必要性の有無を判断する。
すなわち、ユーザは、例えば、平滑化処理の範囲が広すぎるために、かえって画像が劣化していると感じた場合には、操作部90に対し、平滑化処理を施すべき画像の範囲を縮小する操作を行う。
すると、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60に対して、平滑化処理を施すべき画像の範囲を縮小させる制御指令を出力し、この制御指令を受けて2次元ローパスフィルタ60は平滑化処理を施すべき画像の範囲を縮小する。
他方、平滑化処理の範囲が狭すぎるために、画像の境界線が顕在化していると感じた場合には、ユーザは、操作部90に対し、平滑化処理を施すべき画像の範囲を拡大する操作を行う。
すると、マイコン4は、2次元ローパスフィルタ60に対して、平滑化処理を施すべき画像の範囲を拡大させる制御指令を出力し、この制御指令を受けて2次元ローパスフィルタ60は平滑化処理を施すべき画像の範囲を拡大する。
また、境界部画像G3に対する平滑化処理自体が必要ないと感じた場合には、ユーザは、操作部90に対し、平滑化処理の結果を反映させないようにする操作を行う。すると、マイコン4は、画像合成部50に対して、平滑化処理の結果を反映させないようにする制御指令を出力し、この制御指令を受けて画像合成部50は平滑化処理の結果を反映させないようにする。
以上のような第9の実施形態によれば、上記の第7の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、第9の実施形態によれば、操作部90を操作することにより、画像分割部30による画像の分割境界や、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理を施す画像範囲や、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理の有効/無効の別(結果を反映させるか否か)を、それぞれユーザが任意に設定することができる。
なお、上記の第9の実施形態では、画像分割部30による画像の分割境界、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理を施す画像範囲、及び、2次元ローパスフィルタ60による平滑化処理の有効/無効の別を、それぞれユーザが任意に選択操作可能な例を説明したが、これらの選択操作に加えて、ガンマ処理部40でのガンマ処理の態様もユーザが任意に選択操作することが可能に構成しても良い。すなわち、例えば、ユーザが操作部90を操作することにより、暗い画像の階調数を増加させたり、或いは、焼き付きが発生しそうな画像における明暗の差を小さくさせたりすることができるようにしても良い。なお、ガンマ処理部40でのガンマ処理態様をユーザが任意に選択操作可能な場合には、ヒストグラム検出部70は無くても良い。
また、上記の第9の実施形態では、画像の分割境界となる枠Wの位置・寸法・形状をユーザが任意に設定可能な例を説明したが、例えば、画像の分割境界の選択肢は予め定められており、この既定の選択肢の中から所望の分割境界の選択操作を行うことにより、画像の分割境界を決定できるようにしても良い。すなわち、例えば、図23(b)に示すように4分割された画像のうちの何れか(1つ〜3つの範囲内の任意の画像)をユーザが操作部90に対する操作によって選択し、該選択された画像を画像分割部30が分割するようにしても良い。
〔第10の実施形態〕
図26は第10の実施形態に係る表示装置750の構成を示す。
上記の第6乃至第9の各実施形態では、切替部7が画像分割部30やヒストグラム検出部(ヒストグラム検出部1、70)の前段に設けられている例を説明したが、第10の実施形態では、切替部7が画像合成部50及び輝度補正部2の後段に配置されている例を説明する。
なお、第10の実施形態に係る表示装置750は、以下に説明する点でのみ上記の第6の実施形態に係る表示装置600と異なり、その他の点では第6の実施形態に係る表示装置600と同様に構成されているため、第10の実施形態に係る表示装置750において、表示装置600と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の場合、入力画像信号は、画像分割部30及びヒストグラム検出部1の前段にて分岐し、画像分割部30及びヒストグラム検出部1に対してそれぞれ入力される。
そして、画像分割部30、ヒストグラム検出部1、ガンマ処理部40、2次元ローパスフィルタ60、画像合成部50及びマイコン4によるガンマ処理と、ヒストグラム検出部1、輝度補正部2及びマイコン4による輝度補正処理と、を並行して行い、それぞれの処理結果としての画像信号を、画像合成部50及び輝度補正部2から切替部7に対してそれぞれ入力する。
ただし、切替部7では、マイコン4からの制御信号に応じて、第1の動作モードのときには輝度補正部2から入力される画像信号のみを選択的に表示部20に対して送信する一方で、第2の動作モードのときには画像合成部50から入力される画像信号のみを選択的に表示部20に対して送信する。
その結果、表示部20では、第1の動作モードのときには、ヒストグラム検出部1、輝度補正部2及びマイコン4による輝度補正処理が施された画像信号に基づき画像表示を行う一方で、第2の動作モードのときには、画像分割部30、ヒストグラム検出部1、ガンマ処理部40、2次元ローパスフィルタ60、画像合成部50及びマイコン4によるガンマ処理が施された画像信号に基づき画像表示を行う。
以上のような第10の実施形態によれば、上記の第6の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第10の実施形態では、第6の実施形態に係る表示装置600の一部を変更した例を説明したが、本実施形態のように切替部7を画像合成部50及び輝度補正部2の後段に配置する変更は、第7乃至第9の各実施形態にも同様に適用可能である。
また、上記の第6乃至第10の実施形態では、切替部7を備える例を説明したが、本発明はこの例に限らず、切替部7を省略しても良い。具体的には、例えば、画像分割部30、ヒストグラム検出部1(70)、ガンマ処理部40、2次元ローパスフィルタ60、画像合成部50及びマイコン4によるガンマ処理と、ヒストグラム検出部1(70)、輝度補正部2及びマイコン4による輝度補正処理と、を並行して行うとともに、マイコン4からの制御信号に応じて、画像合成部50又は輝度補正部2から択一的に表示部20に対して画像信号を出力するように構成すれば、切替部7を省略できる。
また、上記の第6乃至第10の実施形態では、ガンマ処理を行う機能部(画像分割部30、ヒストグラム検出部1(70)、ガンマ処理部40、2次元ローパスフィルタ60、画像合成部50及びマイコン4)と、輝度補正処理を行う機能部(ヒストグラム検出部1(70)、輝度補正部2及びマイコン4)で、マイコン4及びヒストグラム検出部1(70)を共有する例を説明したが、ガンマ処理を行う機能部と輝度補正処理を行う機能部で、各々別個にマイコン4及びヒストグラム検出部1(70)のうちのいずれか一方又は両方を備えるようにしても良い。
また、上記の第6乃至第9の実施形態では、非線形処理としてガンマ処理を行う例について説明したが、非線形処理の例としては、その他にも、例えば、コントラスト調整処理、シャープネス調整処理、ノイズリダクション処理及び色補正処理が挙げられる。
また、非線形処理として、ガンマ処理、コントラスト調整処理、シャープネス調整処理、ノイズリダクション処理及び色補正処理のうちの何れか1つの処理を、画像を複数部分に分割した各々の分割部分のうちの少なくとも何れか1つの画像に対して(好ましくは、分割した各々の画像に対して個別に)行うのであっても良いし、或いは、2つ以上の処理を行うのであっても良い。
また、上記の第6乃至第9の実施形態では、輝度レベル分布をヒストグラム化して検出する例を説明したが、要は輝度レベルの統計分布を認識可能であれば良く、輝度レベル分布は、その他の統計グラフ化して検出することとしても良い。
更に、上記の第6乃至第10の実施形態で説明したように、画像分割部30及び画像合成部50を用いることにより、画像分割部30による分割後、且つ、画像合成部50による合成前の画像信号に対して画像処理を施す構成は、非線形処理(ガンマ処理など)を行う場合に限らず、輝度補正処理を行う場合にも同様に適用可能である。すなわち、例えば、第2乃至第4の実施形態で説明したように、一表示画面の一部の表示領域について輝度レベル分布を検出し、該表示領域における輝度レベルの補正を行う場合には、例えば、ヒストグラム検出部1の前段に画像分割部30を配置し、輝度補正部2の後段に画像合成部50を配置すればよい。更に、その場合に、必要に応じて、画像分割部30以降における画像信号の各伝達経路にヒストグラム検出部1及び輝度補正部2をそれぞれ別個に設けても良い。更に、第2乃至第4の実施形態のように輝度補正処理を行うに際し、画像分割部30及び画像合成部50を備える場合には、上記の第6乃至第10の実施形態で説明したような2次元ローパスフィルタ(境界部画像処理手段)60を備えることも好ましく、この場合、合成される画像間の境界部を平滑化することができる。
〔第11の実施形態〕
図27は第11の実施形態に係る表示装置1100の構成を示すブロック図、図28乃至図30は表示装置1100の動作を説明するための図である。
例えばプラズマディスプレイパネルなどの表示部を備える表示装置においては、高輝度の画像表示を継続的に行う場合、表示パネルの温度が非常に高くなる。すなわち、APLが大きい画像を表示する時間が長くなるほど表示パネルの温度は上昇する。そして、表示パネルがある程度以上の温度となってしまうと、表示パネルの割れといった破壊現象や、温度上昇による電気的特性値の変動といった悪影響が生じる可能性がある。
そこで、第11の実施形態では、図28に示すように、表示部20の表示画面G1101全体の中から、白レベルの画像G1102の表示位置を検出し、更に、該白レベルの画像G1102の表示態様が、所定の条件を満たす表示態様であるか否かを、ヒストグラム検出部1による検出結果に基づき判定し、所定の条件を満たす表示態様での表示が所定時間β以上継続する場合に、表示パネルに悪影響を及ぼすと判定し、輝度レベルの補正動作を輝度補正部2に行わせる。
このような動作を実現するために、第11の実施形態に係る表示装置1100は、図27に示すように、第1の実施形態に係る表示装置100(図1)の各構成要素に加えて、画像位置検出部1101と、タイマー1103と、画面サイズ情報出力部1102と、を備えて構成されている。
本実施形態に係る表示装置1100においては、画像信号は、例えば、ヒストグラム検出部1及び画像位置検出部1101の前段において分岐し、ヒストグラム検出部1及び画像位置検出部1101に対してそれぞれ入力される。
ヒストグラム検出部1は、上記の第1の実施形態と同様に、表示画面G1101(図28)の全体について輝度レベル分布を検出し、図30に示すような検出結果(検出データ)をマイコン4宛に出力する。
なお、本実施形態の場合、例えば、図30に示すように、白レベルの画素の数と黒レベルの画素の数だけを計数すれば良く、中間レベルの画素については計数を行う必要がない。
画像位置検出部1101は、表示部20の表示画面G1101全体の中から、白レベルの画像G1102の表示位置を検出し、検出結果(検出データ)をマイコン4宛に出力する。
画像位置検出部1101による検出動作は、具体的には、例えば、以下に説明するように行う。
すなわち、画像位置検出部1101は、例えば、図28に示す表示画面G1101における左上の位置P3の画素→その1つ下に位置する画素→更にその1つ下に位置する画素→、・・・の順に輝度レベルが白レベルであると判定される画素を検出するまで輝度レベルの判定動作を繰り返し行う。更に、一番下の画素まで判定動作を行っても白レベルの画素がなければ、一列だけ右側の画素列について、同様の判定動作を一番上側の画素から順に行う。
なお、画素が白レベルであるか否かの判定には、予め、白レベルに含まれる任意の輝度レベルをしきい値と設定しておく。そして、判定は、画素の輝度レベルが、そのしきい値を超えるか否かを判定することにより行う。
このような判定動作を繰り返す結果、例えば、図28に示す位置P1の画素についての判定動作により、始めて白レベルである旨の判定結果が得られたとする。すると、画像位置検出部1101は、この位置P1を白レベルの画像G1102の始点位置であると認識し、記憶する。
続いて、画像位置検出部1101は、例えば、表示画面G1101における右下の位置P4の画素→その1つ上に位置する画素→更にその1つ上に位置する画素→、・・・の順に輝度レベルが白レベルであると判定される画素を検出するまで輝度レベルの判定動作を繰り返し行う。更に、一番上の画素まで判定動作を行っても白レベルの画素がなければ、一列だけ左側の画素列について、同様の判定動作を一番下側の画素から順に行う。
このような判定動作を繰り返す結果、例えば、図28に示す位置P2の画素についての判定動作により、始めて白レベルである旨の判定結果が得られたとする。
すると、画像位置検出部1101は、この位置P2を白レベルの画像G1102の終点位置であると認識し、記憶する。
続いて、画像位置検出部1101は、対角に位置する2つの頂点が位置P1及び位置P2である矩形状の領域内の画像を、白レベルの画像G1102であると認識する。
画像位置検出部1101は、例えばこのようにして白レベルの画像G1102の表示位置及び表示領域の多さ(該表示領域に含まれる画素数)を検出する。
マイコン4では、画像位置検出部1101による検出結果と、ヒストグラム検出部1による検出結果と、を比較し、白レベルの画像G1102の表示態様が、表示パネルが割れるなどの悪影響が生じる可能性があるような所定条件を満たす表示態様であるか否かを判定する。
すなわち、白レベルの画像G1102内に含まれる白レベルの画素の数や、白レベルの画像G1102内に含まれる白レベルの画素の割合などに応じて、判定を行う。
そして、マイコン4は、上記の所定条件を満たす表示態様であると判定される状態が、所定時間β以上継続する場合に、表示パネルが割れるなどの悪影響が生じる可能性があると判定し、輝度レベルの補正動作を行わせるべく、輝度補正部2に対して制御データを送信する。なお、所定時間βの計時動作は、タイマー1103からマイコン4に入力される計時情報に基づき行う。
輝度補正部2は、輝度レベルの補正のためにマイコン4から制御データが送信されると、ヒストグラム検出部1を介して入力される入力画像信号に対し、輝度レベルの補正を行う。
ここで、表示パネルに悪影響が生じる可能性があるか否かの判定に、画像位置検出部1101による検出結果だけでなく、ヒストグラム検出部1による検出結果も用いるのは、以下の理由による。
すなわち、画像位置検出部1101による検出動作では、極端な例を挙げると、例えば図28に示すように白レベルの画像G1102に含まれる画素が全て白レベルである場合も、図29に示すように始点及び終点として検出された位置P1及びP2のみが白レベルである場合も、互いに同一の検出結果が得られる。
例えば、図28に示すように白レベルの画素がある程度以上多いような表示状態が継続すると輝度レベルの補正を行う必要があるが、図29に示すように白レベルの画素が殆ど無い場合には輝度レベルの補正を行う必要がない。
よって、ヒストグラム検出部1による検出結果を用いることにより、マイコン4にて適正な判定を行うことができ、不要な補正動作を行うことを防止することができる。
ところで、例えば、ユーザの操作に応じて画面サイズ(表示画面G1101全体のうち画像表示に使用される領域のサイズ)選択的に切り替えることが可能に構成された表示装置の場合、上記のように画像位置検出部1101及びヒストグラム検出部1による検出結果だけを用いた判定では、適切な判定を行うことができない場合がある。
すなわち、例えば、小さい画面サイズが選択されている場合には、実際に表示画面G1101に表示される画像は画像信号が示す画像サイズよりも小さく圧縮されているため、実際には輝度レベルの補正を行う必要が無い場合がある。
そこで、本実施形態の場合、例えば、ユーザの操作に応じて選択的に切り替えられる画面サイズ(表示画面G1101全体のうち画像表示に使用される領域のサイズ)を示す画面サイズ情報を画面サイズ情報出力部1102からマイコン4宛に出力するようになっており、マイコン4では、この画面サイズ情報に応じた補正を施して、上記の判定動作を行う。
これにより、マイコン4では、より適正な判定を行うことができ、不要な補正動作を行うことを防止することができる。
以上のような第11の実施形態によれば、表示部20(表示パネル)が高温となることを防止でき、表示パネルが割れるといった悪影響の発生を抑制することができる。
なお、上記の第11の実施形態では、表示パネルが割れるなどの悪影響を及ぼすと判定した場合に、輝度レベルの補正を行うことにより悪影響の発生を抑制する例を説明したが、この例に限らず、例えば、非線形処理(上記の第6の実施形態など参照)を行うようにしても良い。
また、上記の第11の実施形態では、表示パネルが割れるといった悪影響の発生を抑制することを目的とした例を説明したが、判定条件を適宜変更することにより、上記の第11の実施形態と同様の構成の表示装置1100によっても、上記の第1乃至第10の実施形態と同様に画面の焼き付きを防止することができる。逆に、上記の第1乃至第10の実施形態においても、判定条件を適宜変更することにより、表示パネルが割れるといった悪影響の発生を抑制することもできる。
また、上記の第11の実施形態では、ヒストグラム検出部1と画像位置検出部1101とが別個に構成され、ヒストグラム検出部1及び画像位置検出部1101に対して並列に画像信号が入力される例を説明したが、ヒストグラム検出部1と画像位置検出部1101とは、例えば、同一のICにより構成されていても良い。この場合、ヒストグラム検出部1及び画像位置検出部1101を構成するICに入力される1系統の画像信号を用いて、例えば、ヒストグラムの検出処理と画像位置の検出処理とを、並行して行ったり、或いは、何れかの順序で順次行ったりする。
また、ヒストグラム検出部1と画像位置検出部1101とが別個に構成されている場合、ヒストグラム検出部1と画像位置検出部1101のうちの一方が前段に、他方が後段に配設されており、ヒストグラム検出部1及び画像位置検出部1101に対して、何れかの順序で順次、画像信号が入力されるようになっていても良い。
また、上記の第11の実施形態では、表示装置1100が画面サイズ情報出力部1102を備える例を説明したが、画面サイズが固定である表示装置の場合、画面サイズ情報出力部1102は備える必要がない。
また、上記の各実施形態では、表示装置としてプラズマ表示装置を例示したが、本発明はこの例に限らず、その他の表示装置にも適用可能である。