次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.実施例:
・動画像表示装置の構成:
図1は、本発明の実施例としての動画像表示装置DP1の構成を示す概略図である。実施例の動画像表示装置DP1は、プロジェクタとして構成されている。
動画像表示装置DP1は、映像信号を取得するためのインタフェースとして、ネットワークインタフェースカード(NIC)141と、映像端子142と、外部メモリインタフェース143を備えている。NIC141は、インターネットなどの外部ネットワークと接続するために用いられる。映像端子142は、例えば、コンポジット端子、S端子、D1端子であり、DVDプレーヤやビデオデッキなどの外部機器と接続するために用いられる。外部メモリインタフェース143は、メモリカードなどの外部メモリと接続するために用いられる。NIC141および外部メモリインタフェース143を介して、例えば、MPEG形式で圧縮された動画像データが、映像信号として、動画像表示装置DP1に入力される。映像端子142を介して、コンポジット信号やSビデオ信号、コンポーネント信号などが、映像信号として、動画像表示装置DP1に入力される。
動画像表示装置DP1は、信号変換部10と、メモリ書込制御部30と、フレームメモリ20と、メモリ読出制御部40と、駆動画像データ生成部50と、O.S.D(On-Screen Display)部55と、解像度変換部60と、液晶パネル駆動部70と、CPU80と、メモリ90と、液晶パネル100と、光源ユニット110と、投写光学系120と、操作パネル130とを備えている。
信号変換部10は、上述したインタフェース141〜143を介して入力される映像信号を、メモリ書込制御部30で処理可能な信号に変換するための処理回路である。例えば、入力される映像信号がアナログの映像信号(例えば、コンポジット信号)である場合には、入力される映像信号に含まれている同期信号に同期して、ディジタルの映像信号に変換する。また、入力される映像信号が圧縮符号化されたディジタルデータ(例えば、MPEG形式で圧縮された動画像データ及びJPEG形式で圧縮された静止画データ)である場合には、圧縮されたディジタルデータを複号化して、ディジタルの映像信号を生成する。信号変換部10は、ディジタルの映像信号を書込用同期信号と共に、メモリ書込制御部30に出力する。
メモリ書込制御部30は、信号変換部10から出力されたディジタルの映像信号に含まれている各フレームの画像データ(フレームデータ)を、その映像信号に対応する書込用同期信号に同期して、順にフレームメモリ20に書き込む。なお、書込用同期信号には、書込垂直同期信号や書込水平同期信号、書込クロック信号が含まれている。
メモリ読出制御部40は、CPU80から与えられる読出制御条件に基づいて読出用同期信号を生成するとともに、この読出用同期信号に同期して、フレームメモリ20に記憶されたフレームデータを読み出す。そして、メモリ読出制御部40は、読み出された画像データ(読出画像データ)信号および読出用同期信号をO.S.D部55や解像度変換部60に出力する。なお、読出用同期信号には、読出垂直同期信号や読出水平同期信号、読出クロック信号が含まれている。また、読出垂直同期信号の周期は、フレームメモリ20に書き込まれる映像信号の書込垂直同期信号の周期(フレーム周期)の2倍速に設定されており、メモリ読出制御部40は、フレームメモリ20に記憶された画像データを、1フレーム周期の間に2回読み出して、O.S.D部55に出力する。
O.S.D部55は、必要に応じて、メモリ読出制御部40から供給される読出画像データ信号や、後述する評価用動画像データ格納部92から供給される評価用動画像データに、メニュー表示画面を表すデータをミキシングするメニュー画面生成処理を行う。メニュー画面生成処理については、後述する。
駆動画像データ生成部50は、メモリ読出制御部40からO.S.D部55を介して供給される読出画像データ信号および読出同期信号とに基づいて、後述する液晶パネル100を駆動するための駆動画像データ信号を生成し、生成した駆動画像データ信号を後述する液晶パネル駆動部70に出力する。
解像度変換部60は、メモリ読出制御部40から供給される画像データ信号の解像度を、より低い解像度に変換する。解像度変換部60は、解像度変換後の画像データ信号をCPU80に出力する。
液晶パネル駆動部70は、駆動画像データ生成部50から供給された駆動画像データ信号を液晶パネル100に供給可能な信号に変換して液晶パネル100に供給する。
光源ユニット110は、液晶パネル100に向けて照明光を発する。液晶パネル100は、液晶パネル駆動部70から供給される駆動画像データに従って駆動される蓄積型表示装置であり、光源ユニット110から発せられた照明光を駆動画像データが表す画像を表す光(画像光)に変換する。投写光学系120は、画像光を投写スクリーンSC上で結像させることにより、投写スクリーンSC上に画像を投写する。
操作パネル130は、ユーザが種々の操作を入力するための入力装置であり、例えば、後述する動画ボケ軽減処理の特性を指定する特性指定を入力することができる。
CPU80は、メモリ90に記憶されている制御プログラム(図示省略)を実行することにより、上述した各構成要素の動作を制御する。CPU80は、制御プログラムを実行することにより様々な機能を実現するが、図1においては、本実施例の説明に必要な機能部を選択的に図示している。以下では、図示した機能部について説明する。CPU80が実現する機能部は、パラメータ値設定部82と、評価用動画像データ生成部84とを含む。パラメータ値設定部82は、操作パネル130を介して入力された特性指定に応じて、動画ボケ軽減処理のためのパラメータをはじめとする画質調整のためのパラメータを設定する。評価用動画像データ生成部84は、上述した各構成要素を制御して、上述したインタフェース141〜143を介して入力される映像信号の全部または一部を用いて評価用動画像データを生成する。具体的には、評価用動画像データ生成部84は、解像度変換部60に変換解像度を指示して、評価用動画像として用いるフレームデータの解像度を変換させ、解像度変換後のフレームデータを用いて評価用動画像データを生成して、後述する評価用動画像データ格納部92に格納する。パラメータ値設定部82および評価用動画像データ生成部84については、さらに、後述する。
メモリ90は、評価用動画像データ格納部92と、バッファ94とを含んでいる。評価用動画像データ格納部92は、評価用動画像データ生成部84により生成された評価用動画像データが格納される領域である。評価用動画像データ格納部92に格納された評価用動画像データは、O.S.D部55に供給され、後述するようにメニュー画面にミキシングされ、メニュー画面上に表示される。バッファ94は、CPU80が演算結果や画像データなどを一時的に格納するための作業領域であり、例えば、後述するように評価用動画像データを生成するためにキャプチャされたフレームデータが一時的に格納される。
・駆動画像データ生成部の構成および動作:
図2は、駆動画像データ生成部50の構成の一例を示す概略図である。駆動画像データ生成部50は、マスク制御部510と、第1のラッチ部520と、画像データ調整部560と、マスクデータ生成部530と、第2のラッチ部540と、マルチプレクサ(MPX)550と、を備えている。
マスク制御部510は、メモリ読出制御部40から供給された読出用同期信号RSNKに含まれている読出垂直同期信号VS、読出水平同期信号HS、読出クロックDCK、および、フィールド選択信号FIELDに基づいて、第1のラッチ部520および第2のラッチ部540の動作を制御するラッチ信号LTSと、マルチプレクサ550の動作を制御する選択制御信号MXSを出力し、駆動画像データ信号DVDSの生成を制御する。なお、フィールド選択信号FIELDは、フレームメモリ20から2倍速で読出された読出画像データ信号RVDSが、第1フィールドの読出画像データ信号であるか第2フィールドの読出画像データ信号であるか区別するための信号である。
画像データ調整部560は、メモリ読出制御部40から供給された読出画像データ信号RVDSに対して画像調整処理を行い、画像調整処理後の読出画像データ信号RVDS1を第1のラッチ部520に出力する。画像データ調整部560が行う画像調整処理は、読出画像データに対する輝度補正処理が含まれる。輝度補正処理については、後述する。
第1のラッチ部520は、画像データ調整部560から供給された読出画像データ信号RVDS1を、マスク制御部510から供給されたラッチ信号LTSに従って順次ラッチし、ラッチ後の読出画像データ信号RVDS1をマスクデータ生成部530および第2のラッチ部540に出力する。
マスクデータ生成部530は、CPU80から受け付けた動画ボケ軽減処理のためのパラメータである輝度係数MPと、第1のラッチ部520から供給された読出画像データ信号RVDS1とに基づいて、マスクデータを生成し、生成したマスクデータをマスクデータ信号MDS1として第2のラッチ部540に出力する。ここで、マスクデータは、読出画像データ信号RVDS1が表す画像の輝度に上述した輝度係数MPを掛けて、輝度を減衰させた画像を表す画像データである。例えば、読出画像データ信号RVDS1が表す画像の画素値が、YCbCr色空間を用いて(Y、Cb、Cr)と表されるとする(Y:輝度信号、Cb、Cr:色差信号)。かかる場合には、マスクデータ信号MDS1が表す画像の画素の画素値は、YCbCr色空間を用いて(MP×Y、Cb、Cr)と表される。輝度係数MPは、0〜1の範囲の数値を取る。
第2のラッチ部540は、第1のラッチ部520から出力された読出画像データ信号RVDS1およびマスクデータ生成部530から出力されたマスクデータ信号MDS1を、ラッチ信号LTSに従って順次ラッチし、ラッチ後の読出画像データを読出画像データ信号RVDS2として、また、ラッチ後のマスクデータをマスクデータ信号MDS2としてマルチプレクサ550に出力する。
マルチプレクサ550は、読出画像データ信号RVDS2とマスクデータ信号MDS2の一方を、マスク制御部510から出力される選択制御信号MXSに従って選択することによって、駆動画像データ信号DVDSを生成し、液晶パネル駆動部70に出力する。具体的には、マルチプレクサ550は、選択制御信号MXSがハイレベルである場合には、読出画像データ信号RVDS2を駆動画像データ信号DVDSとして出力し、選択制御信号MXSがローレベルである場合には、マスクデータ信号MDS2を駆動画像データ信号DVDSとして出力する。これにより、駆動画像データ信号DVDSに含まれるデータ(駆動画像データ)が表す画像は、読出画像データが表す画像の画素と、マスクデータが表す画像の画素とが混在した画像となる。駆動画像データについては、さらに、後述する。
選択制御信号MXSは、読出画像データに挿入されるマスクデータのパターンが所定のマスクパターンとなるように、フィールド選択信号FIELDと、読出垂直同期信号VSと、読出水平同期信号HSと、読出クロックDCKとに基づいて生成される。
図3を参照して、生成される駆動画像データについて説明する。図3は、駆動画像データが表す画像を説明するための概念図である。図3(a)は、フレームメモリ20に書き込まれているフレームデータが表す画像を示している。各フレームデータは、一定の周期(フレーム周期)Tfrの間にメモリ書込制御部30(図1)によって、フレームメモリ20に格納される。図3(a)は、Nフレーム(Nは1以上の整数)のフレームデータFR(N)と、(N+1)フレームのフレームデータFR(N+1)が順にフレームメモリ20に格納される場合を例に示している。
図3(b)は、フレームメモリ20から読み出される読出画像データが表す画像を示している。メモリ読出制御部40(図1)によって、フレームメモリ20に格納されているフレーム画像データが、フレーム周期Tfrの2倍速の周期(フィールド周期)Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。図3(b)は、Nフレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N)および第2フィールドの読出画像データFI2(N)と、(N+1)フレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)および第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)が順に出力される場合を例に示している。
図3(c)は、駆動画像データが表す画像を示している。駆動画像データ生成部50では、第1フィールドの読出画像データFI1の偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えた第1の駆動画像データが生成される(図3(c))。具体的には、第1フィールドの読出画像データ信号が入力されている期間(第1フィールド期間)において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの奇数番目の周期)においてHレベルとなり、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの偶数番目の周期)においてLレベルとなる選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第1の駆動画像データを生成することができる。
また、駆動画像データ生成部50では、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される(図3(c))。具体的には、第2フィールドの読出画像データ信号が入力されている期間(第2フィールド期間)において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間においてLレベルとなり、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間においてHレベルとなる選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第2の駆動画像データを生成することができる。
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ラインをマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の偶数番目の水平ラインをマスクデータに置き換えるようにしても良い。
また、図3に示した駆動画像データの表す画像は、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
以上説明したように、駆動画像データ生成部50は、1つのフレームデータを第1フィールドと第2フィールドの画像データとして読み出し、第1フィールドの読出画像データに対しては、偶数番目の水平ラインに対応する読出画像データをマスクデータに置き換えて第1の駆動画像データを生成し、第2フィールドの読出画像データに対しては、奇数番目の水平ラインに対応する読出画像データをマスクデータに置き換えて第2の駆動画像データを生成する。このような動画像処理により、1つの水平ラインについて着目すると、液晶パネルの各画素に対してマスクデータと画像データとがフィールド周期Tfiで交互に入力されることになるため、各画素では、読出画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示する。これにより、いわゆる動画ボケを軽減することができる。このような動画像処理における動画ボケの軽減の程度は、動画像処理のパラメータである輝度係数MPの値を変更することのより、調整することができる。
例えば、輝度係数MPを0とすると、マスクデータは、輝度が0の画像データ、すわなわち、黒の画像を表す画像データとなる。この結果、表示される動画像において、動画ボケの軽減の程度は最大になる一方で、実質的な輝度はフレームデータが表す画像の輝度に対して約半分に減衰してしまう。一方、輝度係数MPを1とすると、マスクデータは、フレームデータを表す画像と同一になる。この結果、動画ボケの軽減の程度は0になり、表示される動画像はフレームデータが表す画像そのものになる。以上から解るように、0〜1の範囲で変化する輝度係数MPが小さいほど、表示される動画像における動画ボケの軽減の程度は大きくなり、輝度は小さくなる。
・動画像処理のパラメータの設定:
図4〜図9を参照して、上述した動画像処理のパラメータである輝度係数MPを含む動画調整のためのパラメータの設定(動画調整設定)について、説明する。図4は、動画調整設定の第1のメニュー画面を示す図である。図5は、動画調整設定の第2のメニュー画面を示す図である。図6は、動画調整設定の第3のメニュー画面を示す図である。図7は、評価用動画像データ生成処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図8は、評価用動画像データの生成について説明する概念図である。図9は、輝度補正について説明する概略図である。
輝度係数MPの設定は、ユーザの操作に基づいて、CPU80が、各構成要素を制御することにより実行される。ユーザが操作パネル130を介して、動画調整設定の処理の開始指示を入力すると、図4に示す動画調整設定の第1のメニュー画面200が表示される。第1のメニュー画面200は、CPU80がO.S.D部55を制御して、O.S.D部55に第1のメニュー画面200を表す画像データを読出画像データ信号RVDSとして出力させることにより、最終的に投写スクリーンSC上に表示される。後述する他のメニュー画面(例えば、第2のメニュー画面300、第3のメニュー画面400)についても同様である。第1のメニュー画面200は、評価用動画像表示部201と、動画ボケ軽減レベル入力用ユーザインターフェース(UI)202と、輝度補正レベル入力用UI203と、動画像処理可否入力用UI204と、評価用動画像操作用UI205と、ソース指定画面移行用UI206と、設定処理終了入力用UI208とを含んでいる。
評価用動画像表示部201は、後述する評価用動画像データが表す動画像を表示するための領域である。動画ボケ軽減レベル入力用UI202は、ユーザが動画ボケ軽減レベルを指定する軽減レベル指定を入力するためのUIである。輝度補正レベル入力用UI203は、ユーザが輝度補正のレベルを指定する輝度補正レベル指定を入力するためのUIである。動画像処理可否入力用UI204は、ユーザが評価用動画像データに対して動画像処理を行うか否かを指定する可否指定を入力するためのUIである。評価用動画像操作用UI205は、ユーザが評価用動画像表示部201に表示される評価用動画像データが表す動画像の表示状況を操作するためのUIである。ソース指定画面移行用UI206は、ユーザが後述するソース指定のための第2のメニュー画面に移行する移行指示を入力するためのUIである。設定処理終了入力用UI208は、ユーザが動画調整設定の処理を終了する指示を入力するためのUIである。
ユーザは、まず、評価用動画像データを生成するために用いる動画像データ(元画像データ)を取得する取得先となる外部ソースを指定するために、ソース指定画面移行用UI206をクリックする。そうすると、動画像表示装置DP1は、第1のメニュー画面200に代えて、図5に示す第2のメニュー画面300を表示する。第2のメニュー画面300には、ユーザが外部ソースを指定するためのソース指定用UI301〜303が含まれる。本実施例では、図5に示すように、外部ソースとして、「映像端子」と「ネットワーク」と「外部メモリ」を指定することができる。
ユーザが「映像端子」を指定するUI301をクリックすると、映像端子142から入力されている映像信号に含まれる動画像データが、元画像データとして指定される。ユーザが「ネットワーク」を指定するUI302をクリックすると、NIC141を介して接続されているネットワーク上に存在する動画像データ、例えば、ネットワーク上のファイルサーバに格納されている動画像データを、選択する選択メニュー(図示省略)が表示される。選択メニューにおいて、ユーザが、ネットワーク上に存在する映像信号を特定すると、特定された動画像データが、元画像データとして指定される。ユーザが「外部メモリ」を指定するUI303をクリックすると、外部メモリインタフェース143を介して接続されている外部メモリ上に存在する動画像データ、例えば、メモリカードに格納されている動画像データを選択する選択メニュー(図示省略)が表示される。選択メニューにおいて、ユーザが、外部メモリ上に存在する動画像データを特定すると、特定された動画像データが、元画像データとして指定される。
元画像データが指定されると、動画像表示装置DP1は、図6に示す第3のメニュー画面400を表示する。第3のメニュー画面400は、UI表示部410を含んでいる。第3のメニュー画面400におけるUI表示部410を除く領域は、指定された元画像データが表す動画像が表示される表示領域である。UI表示部410は、開始指定用UI411と、終了指定用UI412と、フレーム数指定用UI413と、解像度指定用UI414と、リターン入力用UI415、を含んでいる。
ユーザは、表示領域に表示される元画像データが表す動画像を見ながら、UI表示部410に含まれる各UI411〜414を操作することにより、動画像表示装置DP1に、評価用動画像データを作成させる。生成される評価用動画像データのフレーム数は、フレーム数指定用UI413により指定された数となる。生成される評価用動画像データの解像度は、解像度指定用UI414により指定した解像度となる。ユーザは、フレーム数指定用UI413および解像度指定用UI414を操作して、指定フレーム数および指定解像度を変更することができる。
動画像表示装置DP1により評価用動画像データが作成される処理(評価用動画像データ生成処理)について、図7および図8を参照して、説明する。上述したように、評価用動画像データ生成処理は、元画像データが指定されたときに、第3のメニュー画面400(図6)を表示し、ユーザに必要な入力を促すことによって開始される(ステップS110)。
第3のメニュー画面400が表示されると、CPU80の評価用動画像データ生成部84は、第2のメニュー画面300において終了指定用UI412が押されたか否かを判断する(ステップS120)。評価用動画像データ生成部84は、終了指定用UI412が押されたと判断すると(ステップS120:YES)、終了指定用UI412が押されたタイミングで、表示領域に表示されているフレーム画像を表すフレームデータをキャプチャし(ステップS130)、キャプチャされたフレームデータの解像度を、解像度指定用UI414により指定された解像度に変換し(ステップS140)、解像度変換後のフレームデータをメモリ90のバッファ94に記憶する(ステップS150)。具体的には、評価用動画像データ生成部84は、終了指定用UI412が押されたタイミングで、フレームメモリ20に格納されているフレームデータを、メモリ読出制御部40に読み出させ、解像度変換部60に対して出力させる。評価用動画像データ生成部84は、解像度変換部60に、読み出されたフレームデータの解像度を指定された解像度に変換させ、解像度変換後のフレームデータを取得する。評価用動画像データ生成部84は、取得したフレームデータをバッファ94に格納する。
評価用動画像データ生成部84は、フレームデータをバッファに記憶すると、押された終了指定用UI412が離されたか否かを判断する(ステップS160)。評価用動画像データ生成部84は、終了指定用UI412が離されていない(押されたままである)と判断すると(ステップS160:NO)、ステップS130に戻って、時系列順に次のフレームデータについて上述した処理(ステップS130〜S150)を繰り返す。こうすることによって、図8(b)に示すように、終了指定用UI412が押された時点から、時系列順に、表示領域に表示されているフレームデータがバッファリングされる。
評価用動画像データ生成部84は、終了指定用UI412が離されたと判断すると(ステップS160:YES)、終了指定用UI412が離された時点において表示領域に表示されているフレームデータ、すなわち、最後にバッファリングされたフレームデータを、評価用動画像データとしてメモリ90の評価用動画像データ格納部92に記憶する(ステップS170)。そして、評価用動画像データ生成部84は、フレーム数指定用UI413により指定されたフレーム数分のフレームデータを、評価用動画像データ格納部92に記憶したか否かを判断する(ステップS180)。評価用動画像データ生成部84は、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データ格納部92に記憶されていないと判断すると(ステップS180:NO)、ステップS170に戻って、時系列順に1つ前にバッファリングされたフレームデータを評価用動画像データ格納部92に記憶する。こうすることによって、図8(b)に示すように、終了指定用UI412が離された時点から、時系列に遡って、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データとして評価用動画像データ格納部92に記憶される。評価用動画像データ生成部84は、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データ格納部92に記憶されたと判断すると(ステップS180:YES)、ステップS120に処理をリターンする。
ステップS120において、終了指定用UI412が押されていないと判断すると(ステップS120:NO)、評価用動画像データ生成部84は、開始指定用UI411が押されたか否かを判断する(ステップS190)。評価用動画像データ生成部84は、開始指定用UI411が押されたと判断すると(ステップS190:YES)、開始指定用UI411が押されたタイミングで、表示領域に表示されているフレーム画像を表すフレームデータをキャプチャし(ステップS200)、キャプチャされたフレームデータの解像度を、解像度指定用UI414により指定された解像度に変換し(ステップS210)、解像度変換後のフレームデータをメモリ90の評価用動画像データ格納部92に評価用動画像データとして記憶する(ステップS220)。そして、評価用動画像データ生成部84は、フレーム数指定用UI413により指定されたフレーム数分のフレームデータを、評価用動画像データ格納部92に記憶したか否かを判断する(ステップS230)。評価用動画像データ生成部84は、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データ格納部92に記憶されていないと判断すると(ステップS230:NO)、ステップS200に戻って、時系列順に次のフレームデータについて上述した処理(ステップS200〜S220)を繰り返す。こうすることによって、図8(a)に示すように、開始指定用UI411が押された時点から、時系列順に、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データとして評価用動画像データ格納部92に記憶される。評価用動画像データ生成部84は、指定されたフレーム数分のフレームデータが評価用動画像データ格納部92に記憶されたと判断すると(ステップS180:YES)、ステップS120に処理をリターンする。
ステップS190において、開始指定用UI411が押されていないと判断すると(ステップS190:NO)、評価用動画像データ生成部84は、リターン入力用UI415(「戻る」のボタン)が押されたか否かを判断する(ステップS240)。評価用動画像データ生成部84は、リターン入力用UI415が押されていないと判断すると(ステップS415:NO)、ステップS120に処理をリターンし、リターン入力用UI415が押されたと判断すると(ステップS415:YES)、評価用動画像データ生成処理を終了する。
図4に戻って説明を続ける。評価用動画像データ生成処理が終了されると、再び、図4に示す第1のメニュー画面200が表示される。このとき、評価用動画像データ生成処理において生成された評価用動画像データが表す画像(評価用動画像)が、評価用動画像表示部201に表示される。具体的には、CPU80の制御に従い、評価用動画像データ格納部92に格納されている評価用動画像データがフレーム単位で読み出され、O.S.D部55に供給される。そして、CPU80の制御に従い、O.S.D部55は、供給された評価用動画像データを用いて、評価用動画像表示部201に評価用動画像が表示された第1のメニュー画面200を表す読出画像データ信号RVDSを生成する。これによって、最終的に、評価用動画像表示部201に評価用動画像が表示された第1のメニュー画面200が投写スクリーンSCに表示される。ユーザは、評価用動画像操作用UI205を介して、評価用動画像表示部201に表示される評価用動画像の表示状況、例えば、「再生」「停止」「リピート」を操作することができる。
評価用動画像表示部201に評価用動画像が表示されているときに、動画像処理可否入力用UI204において、評価用動画像データに対して動画像処理を行う指定が入力されていると、評価用動画像表示部201には、動画像処理後の評価用動画像データに基づいて、評価用動画像が表示される。一方、動画像処理可否入力用UI204において、評価用動画像データに対して動画像処理を行わない指定が入力されていると、評価用動画像表示部201には、動画像処理前の評価用動画像データに基づいて、評価用動画像が表示される。本実施例では、図4に示すようなチェックボックス型の動画像処理可否入力用UI204にチェックがなされている場合には、動画像処理を行う指定が入力されていることを表し、チェックがなされていない場合には、動画像処理を行わない指定が入力されていることを表す。
評価用動画像表示部201に動画像処理後の評価用動画像が表示される場合には、動画像処理における動画ボケ軽減レベルおよび輝度補正レベルは、動画ボケ軽減レベル入力用UI202および輝度補正レベル入力用UI203により指定されたレベルにそれぞれ設定される。
動画ボケ軽減レベルは、上述したようにマスクデータの生成時に用いられる輝度係数MPの大きさに対応しており、動画ボケ軽減レベルが大きいほど輝度係数MPは小さくされ、動画ボケ軽減レベルが小さいほど輝度係数MPは大きくされる。
本実施例における輝度補正は、図9に示すようなトーンカーブを用いて行われる。本実施例に用いられる輝度補正に用いられるトーンカーブの形状は、入力値を基準輝度値Yrefとした場合の出力値がYref+AP×ΔYとなる一次特性線とされている。図9には、補正係数APと、輝度補正に用いられるトーンカーブの曲線形状との対応関係が示されている。図9から解るように、本実施例では、輝度補正レベルは、輝度補正に用いられるトーンカーブの曲線形状を決定する補正係数APに対応しており、輝度補正レベルが大きいほど補正係数APは大きくされ、輝度補正レベルが小さいほど補正係数APは小さくされる。補正係数APの値は、例えば、0〜1の範囲で定められる。
ここで、ユーザが動画ボケ軽減レベル入力用UI202および輝度補正レベル入力用UI203を操作することにより、動画像処理における動画ボケ軽減レベルおよび輝度補正レベルを変更すると、かかるレベル変更は、評価用動画像表示部201に表示される評価用動画像にリアルタイムに反映される。また、ユーザが動画像処理可否入力用UI204を操作して、動画像処理を行う指定と、動画像処理を行わない指定とを切り替えると、かかる切り替えは、評価用動画像表示部201に表示される評価用動画像にリアルタイムに反映される。具体的には、ユーザから、動画ボケ軽減レベルおよび輝度補正レベルを変更や、動画像処理を行う指定と動画像処理を行わない指定との切り替えが入力されると、かかる入力を受け付けたCPU80のパラメータ値設定部82は、かかる入力に応じて、上述した補正係数APおよび輝度係数MPを設定する。例えば、動画像処理を行う指定が入力されているときに、輝度補正レベルを減少させる入力がなされると、パラメータ値設定部82は補正係数APの値を入力に応じて減少させ、動画ボケ軽減レベルを減少させる入力がなされると、パラメータ値設定部82は輝度係数MPの値を入力に応じて増大させる。また、動画像処理を行う指定から動画像処理を行わない指定に切り替えられると、パラメータ値設定部82は補正係数APの値を0に、輝度係数MPの値を1に変更し、動画像処理を行わない指定から動画像処理を行う指定に切り替えられると、パラメータ値設定部82は補正係数APおよび輝度係数MPの値を指定されている輝度補正レベルおよび動画ボケ軽減レベルに応じた値に変更する。パラメータ値設定部82は、補正係数APの値を変更すると、駆動画像データ生成部50の画像データ調整部560に変更後の補正係数APの値を供給する。画像データ調整部560は、供給された補正係数APに応じて輝度補正がなされた読出画像データ信号RVDS1を生成する。また、パラメータ値設定部82は、輝度係数MPの値を変更すると、駆動画像データ生成部50のマスクデータ生成部530に変更後の輝度係数MPの値を供給する。マスクデータ生成部530は、供給された輝度係数MPの値に基づいて、マスクデータ信号MDS1を生成する。これにより、ユーザからの入力(例えば、動画ボケ軽減レベルの変更の入力)が、評価用動画像表示部201に表示される評価用動画像にリアルタイムに反映される。
ユーザの操作により設定処理終了入力用UI208の「適用」ボタンが押されると、「適用」ボタンが押された時点において指定されている輝度補正レベルおよび動画ボケ軽減レベルに応じた補正係数APおよび輝度係数MPの値が確定される。この結果、新たに設定された補正係数APおよび輝度係数MPを用いた動画像処理が、これ以降に投写スクリーンSCに表示される動画像に用いられる。一方、ユーザの操作により設定処理終了入力用UI208の「キャンセル」ボタンが押されると、補正係数APおよび輝度係数MPの値の変更は行われず、以前に設定された補正係数APおよび輝度係数MPの値が確定される。この結果、以前に設定された補正係数APおよび輝度係数MPの値を用いた動画像処理が、これ以降に投写スクリーンSCに表示される動画像に用いられる。
以上説明したように、実施例に係る動画像表示装置DP1によれば、動画調整設定において、外部ソースから取得された動画像データを用いて、評価用動画像データが生成される。ユーザは、このように生成された評価用動画像データに基づく動画像を見て、動画ボケを軽減する動画像処理の効果を確認しながら、動画ボケ軽減レベルや輝度補正レベルを調整することができる。これによって、ユーザは適切に動画ボケ軽減レベルや輝度補正レベルを調整することができる。
さらに、動画像表示装置DP1では、評価用動画像データの生成のために用いる動画像データの取得先の外部ソースを任意に選択することができる。この結果、ユーザは、好みの外部ソースから取得された動画像データを用いて生成された評価用動画像データに基づく動画像を見て、動画像処理の効果を確認することができる。
さらに、動画像表示装置DP1では、動画像処理可否入力用UI204を介した入力に応じて、動画像処理後の動画像と、動画像処理前の動画像を、リアルタイムに切り替えることができる。この結果、ユーザは、動画像処理後の動画像と動画像処理前の動画像を比較しながら、動画像処理の効果を確認することができる。
さらに、動画像表示装置DP1では、開始指定用UI411や終了指定用UI412を介した入力に応じて、評価用動画像データに用いるフレームデータを特定するので、ユーザは容易に好みのシーンを精度良く指定して、評価用動画像データを生成させることができる。
また、動画像表示装置DP1では、指定された解像度の評価用動画像データを生成するので、ユーザは任意の大きさの評価用動画像データを生成させることができる。
動画ボケを軽減する動画像処理の効果は、動画像を見る人が、その人の脳の働きを含めた視覚により感じ取るものであり、見る人により効果の感じ方に個人差がある。さらには、動きの激しさなど動画像の種類によっても、動画像処理の効果は、異なってくる。また、動画像処理による動画ボケ軽減レベルを大きくすると、画像全体の輝度が低くなってしまう弊害があるため、動画ボケを軽減する処理と共に輝度補正を行うことが、見る人にとって好ましい場合もある。この点、本実施例では、ユーザが評価用動画像データに用いられる画像データを任意に選択できるようにすることで、ユーザが好みの評価用動画を見ながら動画像処理の特性を設定することができる。このため、本実施例では、動画像処理の特性を、ユーザの視覚や見ようとする動画像の種類に応じて、適切に設定してもらうことができる。
B.変形例:
・第1変形例:
上記実施例では、評価用動画像データは、外部ソースから取得された動画像データを用いて生成されているが、外部ソースから取得された静止画像データを用いて生成されても良い。静止画像データを用いて評価用動画像データを生成する例を、図10を参照して第1変形例として説明する。図10は、第1変形例に係る評価用動画像データの生成について説明する図である。
第1変形例に係る動画像表示装置では、評価用動画像データを生成するための元画像データとして、動画像データに代えて、静止画像データを指定することができる。静止画像データが元画像データとして指定された場合、評価用動画像データ生成部84は、指定された静止画像データをメモリ90のバッファ94に展開する。図10の上側には、バッファ94上に展開された静止画像データSDが概念的に示されている。
評価用動画像データ生成部84は、バッファ94上に展開された静止画像データSDを、読み出し開始アドレスを順次に変更しながら、指定されたフレーム数回に亘って読み出し、順次に評価用動画像データ格納部92に格納することにより、指定されたフレーム数のフレームデータを評価用動画像データとして生成する。図10の下側には静止画像データSDから生成された4枚のフレームデータP1〜P4が概念的に示されている。図10の上側において静止画像データSDの上部に示された矢印は、各フレームデータを生成する際の読み出し開始アドレスの位置を概念的に示している。
以上説明した第1変形例に係る動画像表示装置によれば、評価用動画像データを生成するための元画像データとして、静止画像データ、例えば、JPEG形式で保存された画像データを指定することもできる。こうすれば、ユーザが元画像データとして選択できる範囲が広がるので、ユーザにとってより便利である。
・第2変形例:
上記実施例に係る動画像表示装置DP1では、動画ボケを軽減する動画像処理の特性として、動画ボケ軽減レベルを指定することができるが、他の特性を指定できるように構成しても良い。動画像処理の特性として動画ボケを軽減する処理のタイプを指定可能な動画像表示装置を、図11〜図13を参照しながら、第2変形例として説明する。図11は、第2変形例に係る第1のメニュー画面を示す図である。図12および図13は、第2変形例における駆動画像データが表す画像を説明するための概念図である。第2変形例に係る動画像表示装置の概略構成は、図1を参照して説明した実施例に係る動画像表示装置DP1の概略構成と同様であるのでその説明を省略する。
図11に示すように、第2変形例における第1のメニュー画面200bは、実施例における第1のメニュー画面200(図4)の構成に加えて、動画ボケ軽減タイプ入力用UI207a〜207cを含んでいる。本変形例における動画ボケ軽減タイプ入力用UI207a〜207cは、ラジオボタン型のUIであり、UI207a〜207cのうちのいずれか1つがオンになるように構成されている。これにより、ユーザは、3つのタイプA〜Cの中から、1つのタイプを択一的に選択することができる。
タイプAの動画像処理は、実施例において、図3を参照して説明したものと同じであるので、その説明を省略する。
タイプBの動画像処理について、図12を参照して説明する。図12(a)は、図3(a)と同様に、フレームメモリ20に書き込まれているフレームデータが表す画像を示している。各フレームデータは、一定の周期(フレーム周期)Tfrの間にメモリ書込制御部30(図1)によって、フレームメモリ20に格納される。
図12(b)は、図3(b)と同様に、フレームメモリ20から読み出される読出画像データが表す画像を示している。メモリ読出制御部40(図1)によって、フレームメモリ20に格納されているフレーム画像データが、フレーム周期Tfrの2倍速の周期(フィールド周期)Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
図12(c)は、タイプBの動画処理における駆動画像データが表す画像を示している。タイプBの動画像処理において、駆動画像データ生成部50では、第1フィールドの読出画像データFI1の偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えた第1の駆動画像データが生成される(図12(c))。具体的には、第1フィールド期間において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、各水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの各周期)において、各画素の読み出しに対応する読出クロックDCKの周期ごとにHレベルとLレベルとに交互に変化する選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第1の駆動画像データを生成することができる。選択制御信号MXSは、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとされる。
また、駆動画像データ生成部50では、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される(図12(c))。具体的には、第2フィールド期間において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、各水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの各周期)において、各画素の読み出しに対応する読出クロックDCKの周期ごとにHレベルとLレベルとに交互に変化する選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第2の駆動画像データを生成することができる。選択制御信号MXSは、第1フィールド期間とは逆に、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとされる。
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の垂直ラインをマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の偶数番目の垂直ラインをマスクデータに置き換えるようにしてもよい。
なお、図12に示した画像データの表す画像も、図3と同様に、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
以上説明したように、タイプBの動画像処理では、駆動画像データ生成部では、第1フィールドの各水平ラインの画像データのうち偶数番目の画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられ、第2フィールドの各水平ラインの画像データのうち奇数番目の画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられる。この結果、第1フィールドの読出画像データに対しては、奇数番目の垂直ラインに対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられて第1の駆動画像データが生成され、第2フィールドの読出画像データに対しては、偶数番目の垂直ラインに対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられて第2の駆動画像データが生成される。このような動画像処理により、1つの垂直ラインについて着目すると、液晶パネルに対してマスクデータと画像データとがフィールド周期で交互に入力されることになるため、各画素では、読出画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示する。これによりタイプAの動画像処理(図3)と同様に動画ボケを改善することができる。タイプBの動画像処理における動画ボケの軽減の程度は、タイプAの動画像処理と同様に、パラメータである輝度係数MPの値を変更することのより、調整することができる。
タイプBの動画像処理では、垂直ラインを形成する画素に対する読出が画像データがマスクデータに置き換えられるので、タイプAの動画像処理のように水平ラインに対する読出画像データがマスクデータに置き換えられる場合に比べて、水平方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善をより効果的に実現することができる。ただし、垂直方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善はタイプAの動画像処理の方がタイプBの動画像処理よりも効果的である。
タイプCの動画像処理について、図13を参照して説明する。図13(a)は、図3(a)および図12(a)と同様に、フレームメモリ20に書き込まれているフレームデータが表す画像を示している。各フレームデータは、一定の周期(フレーム周期)Tfrの間にメモリ書込制御部30(図1)によって、フレームメモリ20に格納される。
図13(b)は、図3(b)および図12(b)と同様に、フレームメモリ20から読み出される読出画像データが表す画像を示している。メモリ読出制御部40(図1)によって、フレームメモリ20に格納されているフレーム画像データが、フレーム周期Tfrの2倍速の周期(フィールド周期)Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
図13(c)は、タイプCの動画処理における駆動画像データが表す画像を示している。タイプCの動画像処理において、駆動画像データ生成部50では、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えた第1の駆動画像データが生成される。すなわち、チェッカフラグ状にマスクデータを有する駆動画像データが生成される。具体的には、第1フィールド期間において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、各水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの各周期)において、各画素の読み出しに対応する読出クロックDCKの周期ごとにHレベルとLレベルとに交互に変化する選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第1の駆動画像データを生成することができる。選択制御信号MXSは、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとされると共に、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとされる。
また、駆動画像データ生成部50では、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される。すなわち、第1フィールドにおけるマスクデータの位置とは異なった画素で、チェッカフラグ状にマスクデータを有する駆動画像データが生成される。具体的には、第2フィールド期間において、駆動画像データ生成部50のマスク制御部510が、各水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの各周期)において、各画素の読み出しに対応する読出クロックDCKの周期ごとにHレベルとLレベルとに交互に変化する選択制御信号MXSを生成することにより、駆動画像データ生成部50は、第2の駆動画像データを生成することができる。その際に、選択制御信号MXSは、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとされると共に、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、水平方向に奇数番目の画素に対応するクロック周期ではHレベルとなり、偶数番目の画素に対応するクロック周期ではLレベルとされる。
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ラインの奇数番目の画素および偶数番目の水平ラインの偶数番目の画素をマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ラインの偶数番目の画素および偶数番目の水平ラインの奇数番目の水平ラインをマスクデータに置き換えるようにしてもよい。
また、図13に示した画像データの表す画像も、図3および図12と同様に、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
以上説明したように、タイプCの動画像処理では、第1フィールドの画像データに対しては奇数番目の水平ラインにおける偶数番目の垂直ラインを形成する画素および偶数番目の水平ラインにおける奇数番目の垂直ラインを形成する画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられ、第2フィールドの画像データに対しては奇数番目の水平ラインにおける奇数番目の垂直ラインを形成する画素および偶数番目の水平ラインにおける偶数番目の垂直ラインを形成する画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられる。このような画像処理により、ある画素について着目すると、液晶パネルに対してマスクデータと画像データとがフィールド周期で交互に入力されることになるため、各画素では、新たな画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示する。これによりタイプAおよびタイプBの動画像処理(図3、図12)と同様に動画ボケを改善することができる。タイプCの動画像処理における動画ボケの軽減の程度は、タイプAおよびタイプBの動画像処理と同様に、パラメータである輝度係数MPの値を変更することのより、調整することができる。
タイプCの動画像処理では、チェッカフラグ状にマスクデータを有するので、タイプAの動画像処理のように垂直方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果と、タイプBの動画像処理のように水平方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果のバランス良く得ることが可能である。また、タイプCの動画像処理のようにチェッカフラグ状にマスクデータを有する場合には、タイプAおよびタイプBの動画像処理と比較して、マスクデータが表示されるパターンが細かくなるため、網膜上に起こる残像現象を低減させることができ、動画ボケをより改善することができる。
どのタイプの動画像処理が最も効果的であるかについても、見る人により個人差があるし、被写体の動きの方向の違いなど動画像の種類によっても異なってくる。本変形例に係る動画像表示装置DP1によれば、動画像処理の特性として、動画ボケ軽減レベルや輝度補正レベルに加えて、動画像処理のタイプも指定することができる。この結果、動画像処理の特性を、見る人の視覚や見ようとする動画像の種類に応じて、より細やかに設定してもらうことができる。
・第3変形例:
上記実施例に係る動画像表示装置DP1では、動画像処理として動画ボケを軽減する処理が用いられているが、他の処理であっても良い。動画ボケを軽減する処理と同様に、見る人や動画像の種類によって、効果が異なる動画像処理としては、フリッカ軽減処理がある。フリッカ軽減処理は、被写体の動きに伴う画質劣化の1つであるいわゆる動画フリッカを軽減する処理である。フリッカ軽減処理におけるフリッカ軽減レベルを調整可能な動画像表示装置を図14〜図16を参照しながら、第3変形例として説明する。図14は、第3変形例に係る第1のメニュー画面を示す図である。図15および図16は、フリッカ軽減処理について説明する図である。第3変形例に係る動画像表示装置の概略構成は、図1を参照して説明した実施例に係る動画像表示装置DP1の概略構成と同様であるのでその説明を省略する。
図14に示すように、第3変形例における第1のメニュー画面200cは、実施例における第1のメニュー画面200(図4)における動画ボケ軽減レベル入力用UI202および輝度補正レベル入力用UI203に代えて、フリッカ軽減レベル入力用UI209を備えている。フリッカ軽減レベル入力用UI209を操作して、ユーザは、フリッカ軽減レベルを指定することができる。フリッカ軽減処理におけるフリッカ軽減レベル(動画フリッカの軽減の程度)は、後述する動画像処理のパラメータである中間フレーム数Mの値に対応しており、フリッカ軽減レベルが大きいほど中間フレーム数Mは大きくされ、フリッカ軽減レベルが小さいほど中間フレーム数Mは小さくされる。
図15および図16を参照して、フリッカ軽減処理について説明する。図15(a)および図16(a)は、フレームメモリ20に書き込まれているフレームデータが表す画像を示している。第3変形例における動画像表示装置においては、フレームメモリ20に、時系列に連続する2枚のフレームデータが保存される。例えば、ある時点t1では、(N−1)フレームのフレームデータFR(N−1)とNフレームのフレームデータFR(N)が、フレームメモリ20に格納されており、時点t1から1フレーム周期後の時点t2では、NフレームのフレームデータFR(N)と(N+1)フレームのフレームデータFR(N+1)が、フレームメモリ20に格納されている。
図15(b)および図16(b)は、フレームメモリ20から読み出される読出画像データが表す画像を示している。メモリ読出制御部40は、フレームメモリ20から、先に表示すべき画像のフレームデータ(以下、「先フレームデータ」と呼ぶ)と、後に表示すべき画像のフレームデータ(以下、「後フレームデータ」と呼ぶ)とを、それぞれ、フレームデータのフレームレートの(M+1)倍の周期で、(2M+1)回連続して読出画像データとして読み出す(Mは、中間フレーム数を示す。)。例えば、中間フレーム数Mが1の場合には、先フレームデータと後フレームデータとが、それぞれ、フレームレートの2倍の周期で3回連続して読み出され(図15(b))、中間フレーム数Mが2の場合には、先フレームデータと後フレームデータとが、それぞれ、フレームレートの3倍の周期で5回連続して読み出される(図16(b))。このとき、(M+1)回目に読み出される読出画像データは独立して読み出される。一方、(M+1)回目以外の順番に読み出された読出画像データは、先フレームデータと後フレームデータを画素毎に交互に読み出すことで、先フレームデータと後フレームデータが合成された合成画像データとなる。例えば、中間フレーム数Mが1の場合には2回目、中間フレーム数Mが2の場合には3回目に読み出される読出画像データは独立して読み出される(図15(b)、図16(b))。一方、例えば、先フレームデータの3回目の読み出しと後フレームデータの3回目の読み出しに対応する読出画像データは、1つの合成画像データとなる。
図15(c)および図16(c)は、フリッカ軽減処理における駆動画像データが表す画像を示している。駆動画像データ生成部50は、各フレームデータから(M+1)回目に読み出された読出画像データに対応する駆動画像データD3として、読出画像データをそのまま出力する。従って、各フレームデータから(M+1)回目に読み出された読出画像データに対応する駆動画像データD3は、フレームデータそのものの画像を表す。
一方、駆動画像データ生成部50は、(M+1)回目以外の順番に読み出された読出画像データに対応する駆動画像データD2として、読出画像データに輝度補正を行ったデータを出力する。上述したように(M+1)回目以外の順番に読み出された読出画像データは、先フレームデータと後フレームデータとの合成画像データである。駆動画像データ生成部50は、合成画像データのうち、先フレームデータに対応する画素の輝度値Yaに第1の輝度係数K1を積算し、後フレームデータに対応する画素の輝度値Ybに第2の輝度係数K2を積算することにより、輝度補正を行う。駆動画像データD2は、動画フリッカの軽減のために追加される中間フレームに相当し、フレームレートの1周期につき、中間フレーム数Mの値の数だけ追加される。図15に示す例では、中間フレーム数M=1であるので、フレームレートの1周期につき1枚分、図16に示す例では、中間フレーム数M=2であるので、フレームレートの1周期につき2枚分の駆動画像データD2が生成される。
輝度補正に用いられる第1の輝度係数K1および輝度係数K2は、CPU80のパラメータ値設定部82により設定され、駆動画像データ生成部50に供給される。パラメータ値設定部82は、中間フレーム数Mに応じて、輝度係数K2および輝度係数K3の値を決定する。具体的には、パラメータ値設定部82は、以下に表1として示すテーブルに基づき、輝度係数K1およびK2を求めるための角度θ(rd)(0≦θ≦π)を駆動画像データD2ごと(中間フレームごと)に決定する。
表1に示したテーブルには、0からπまでの区間を中間フレーム数Mによって分割することによって得られる値が定義されている。このテーブルによれば、例えば、中間フレーム数M=3の場合には、1枚目の中間フレームに対応する駆動画像データD2を生成するためのθは(1/4)πとなり、2枚目は、(1/2)π、3枚目は(3/4)πとなる。そして、このθの値と、下記式(1)および(2)に示す正弦関数を用いて、各駆動画像データD2(中間フレーム画像データ)の生成に用いる輝度係数K1およびK2をそれぞれ決定する。
K1=(COSθ)/2+0.5 ・・・(1)
K2=0.5−(COSθ)/2 ・・・(2)
例えば、中間フレーム数M=1の場合は(K1、K2)=(0.50、0.50)となり、中間フレーム数M=2の場合は1枚目:(K1、K2)=(0.75、0.25)、2枚目:(K1、K2)=(0.25、0.75)となり、中間フレーム数M=3の場合は1枚目:(K1、K2)=(0.85、0.15)、2枚目:(K1、K2)=(0.50、0.50)、3枚目:(K1、K2)=(0.15、0.85)となる。
このようなフリッカ軽減処理によれば、元の動画像を構成する各フレームの間に、前後フレームの輝度を調整して合成した中間フレームが挿入されるため、滑らかに黒丸が移動していくように観察される。そのため、動画フリッカが軽減され、ユーザの視聴上の負荷を軽減することができる。このようなフリッカ軽減処理の効果は、中間フレーム数Mに応じて変動する。具体的には、中間フレーム数Mが多いほど、動画フリッカの軽減効果は大きいと考えられる。例えば、中間フレーム数M=1の場合(図15)、前後のフレームの輝度をそれぞれ半分にして合成した一枚の中間フレームが生成されるのに対し、中間フレーム数M=2の場合(図16)、先のフレームの輝度が徐々に低下し、後のフレームの輝度が徐々に増加するように合成された2枚のフレームが生成される。この結果、中間フレーム数M=2の場合には、中間フレーム数M=1の場合より被写体が徐々に移動しているかのような効果を得ることができ、中間フレーム数Mを2に設定した場合には、中間フレーム数Mを1に設定した場合と比較して、動画フリッカをより軽減することが可能になる。
フリッカ軽減処理の効果についても、見る人により個人差があるし、被写体の動きの程度など動画像の種類によっても異なってくる。第3変形例に係る動画像表示装置によれば、ユーザが評価用動画像データに用いられる画像データを任意に選択できるようにすることで、ユーザが好みの評価用動画を見ながらフリッカ軽減レベルを設定することができる。このため、本変形例では、動画像処理の特性としてのフリッカ軽減レベルを、ユーザの視覚や見ようとする動画像の種類に応じて、適切に設定してもらうことができる。
・第4変形例:
実施例に係る動画像表示装置DP1では、動画ボケを軽減する処理を動画像処理として行い、第3変形例に係る動画像表示装置では、動画フリッカを軽減する処理を動画像処理として行っているが、動画ボケを軽減する処理と動画フリッカを軽減する処理を組み合わせた動画像処理を行うこととしても良い。このような、動画像処理を行う動画像表示装置を、図17および図18を参照して第4変形例として説明する。図17は、第4変形例における第1のメニュー画面を示す図である。図18は、第4変形例における動画像処理について説明する図である。第4変形例に係る動画像表示装置の概略構成は、図1を参照して説明した実施例に係る動画像表示装置DP1の概略構成と同様であるのでその説明を省略する。
図17に示すように、第4変形例における第1のメニュー画面200dは、実施例における第1のメニュー画面200(図4)の構成に加えて、第3変形例におけるフリッカ軽減レベル入力用UI209を備えている。動画ボケ軽減レベルは、実施例と同様に、後述する輝度係数MPの大きさに対応しており、動画ボケ軽減レベルが大きいほど輝度係数MPは小さくされ、動画ボケ軽減レベルが小さいほど輝度係数MPは大きくされる。フリッカ軽減レベルは、第3変形例と同様に、後述する中間フレーム数Mの値に対応しており、フリッカ軽減レベルが大きいほど中間フレーム数Mは大きくされ、フリッカ軽減レベルが小さいほど中間フレーム数Mは小さくされる。
図18を参照して、第4変形例における動画像処理について説明する。第4変形例における動画像処理は、基本的に第3変形例におけるフリッカ軽減処理(図15、図16)と同様であるが、第4変形例における動画像処理では、生成される中間フレームを表す駆動画像データD2のうちの1枚分において、第3変形例におけるフリッカ軽減処理の場合より輝度を低くする輝度補正がなされる点で、第3変形例におけるフリッカ軽減処理と異なっている。具体的には、第3変形例におけるフリッカ軽減処理により生成された中間フレームを表す駆動画像データD2のうちの1枚分について、各画素の輝度値に第1実施例と同様の輝度係数MPを積算することにより、輝度補正がなされる。
例えば、図18に示すように、中間フレーム数Mが3である場合には、生成される3枚の中間フレームのうち、中間の1枚について、輝度補正がなされる。このように輝度補正がなされた中間フレームをマスクフレームと呼ぶ。このように、中間フレームのうちの一枚をマスクフレームとすれば、輝度の低いマスクフレームが合成元の2つのフレームが表示される間の所定のタイミングで表示されることになる。このようなタイミングで輝度の低いマスクフレームを表示するものとすれば、実施例と同様に動画ボケを軽減することが可能になる。
以上説明した第4変形例における動画像処理によれば、中間フレーム数Mおよび輝度係数MPの値を、指定されたフリッカ軽減レベルおよび動画ボケ軽減レベルに応じて設定することにより、動画フリッカの軽減の程度と動画ボケの軽減の程度を互いに独立して調整可能な動画像処理を行うことができる。
さらに、第4変形例に係る動画像表示装置によれば、ユーザが評価用動画像データに用いられる画像データを任意に選択できるようにすることで、ユーザが好みの評価用動画を見ながらフリッカ軽減レベルおよび動画ボケ軽減レベルを設定することができる。このため、本変形例では、動画像処理の特性としてのフリッカ軽減レベルおよび動画ボケ軽減レベルを、ユーザの視覚や見ようとする動画像の種類に応じて、適切に設定してもらうことができる。
・第5変形例:
上記実施例における動画像表示装置DP1は、投写スクリーンSC上に第1のメニュー画面200を表示し、ユーザは操作パネル130を介して、第1のメニュー画面200に含まれる各種UI202〜206を操作するように構成されているが、ユーザは独立した操作デバイスを介して、動画像表示装置を遠隔操作することとしても良い。パーソナルコンピュータを接続可能であり、接続されたパーソナルコンピュータを介して操作される動画像表示装置を、図19および図20を参照しながら、第5変形例として説明する。図19は、第5変形例における動画像表示システムの概略構成を示す図である。図20は、2つの表示部に分割表示された第1のメニュー画面を示す図である。
第5変形例における動画像表示システム1000は、動画表示装置DP2と、パーソナルコンピュータPCと、投写スクリーンSC1を備えている。第5変形例に係る動画表示装置DP2は、基本的に実施例における動画像表示装置DP1と同一の構成であるが、さらに、パーソナルコンピュータPCを接続するためのコネクタ(例えば、USBコネクタ)を備えている。パーソナルコンピュータPCは、周知の計算機、例えば、市販のノートパソコンであり、動画表示装置DP2を遠隔操作するためのソフトウエアがインストールされている。パーソナルコンピュータPCには、液晶パネルSC2を備えている。
第5変形例における動画像表示システム1000では、実施例において表示されるメニュー画面が、投写スクリーンSC1と、液晶パネルSC2に分割表示される。例えば、図20に示すように、上記実施例および上記変形例における第1のメニュー画面に対応するメニュー画面では、上記実施例および上記変形例における第1のメニュー画面が含む構成のうち、評価用動画像表示部は、投写スクリーンSC1に表示され、各種UI部分は、液晶パネルSC2に表示される。図20に示す例では、液晶パネルSC2には、各種UIとして動画ボケ軽減レベル入力用UI202、フリッカ軽減レベル入力用UI209、動画像処理可否入力用UI204、設定処理終了入力用UI208を備えている。これらのUIは、上記実施例および変形例における同名のUIと同一であるのでその説明を省略する。さらに、図20に示す例では、投写スクリーンSCには、ブライトネス設定UI210およびコントラスト設定UI211が表示されている。ブライトネス設定UI210は、図3における輝度補正レベル入力用UI203と同様に、投写スクリーンSC1に表示される動画像の輝度を調整するためのUIである。コントラスト設定UI211は、投写スクリーンSC1に表示される動画像のコントラストを調整するためのUIである。コントラストを調整する補正は、周知の種々の方法が用いられるが、その説明は省略する。
第5変形例に係る動画表示装置DP2においても、上記実施例および変形例と同様の作用・効果を奏することができる。以上の説明から解るように、請求項における特性指定入力手段に対応する構成要素は、実施例においては操作パネル130であり、変形例においてはパーソナルコンピュータPCと接続するためのコネクタである。
・その他の変形例:
上記各実施例および変形例における動画像処理の内容は、あくまで一例であり、動画像処理の内容を他の内容とすることも可能である。また、動画像表示装置の構成は、動画像処理の内容に応じて変形可能である。
例えば、第3変形例におけるフリッカ軽減処理についても、他の処理を採用可能である。例えば、上記各実施例では、中間フレーム数Mの生成に用いる輝度係数K1およびK2は、中間フレーム数Mに応じて予め定められた値に設定されるが、輝度係数K1およびK2が先フレーム画像と後フレーム画像との間の動ベクトル量に応じて算出されるとしてもよい。この場合に、動ベクトル量が大きくなるほど、輝度係数K1の値が小さく、かつ、輝度係数K2の値が大きくなるように、輝度係数K1およびK2が算出されるとしてもよい。また、上記実施例では輝度係数K1およびK2の値は合計が1となる値の組み合わせに設定されるが、必ずしもそのように設定される必要はない。
また、上記各実施例および変形例では、フレームデータの輝度値を調整することで、中間フレームを表すデータやマスクデータを生成したりしているが、例えば、色相や色彩、あるいは、R,G,B値のうちいずれかの値を調整することで生成するものとしてもよい。
上記実施例および変形例では、動画像処理に用いるパラメータとして輝度係数MPや中間フレーム数Mを用いているが、これらに代えて、あるいは、これらと共に、他の値を用いるとしても良い。他の値としては、例えば、フリッカ軽減処理において、中間フレームの生成に用いる輝度係数K1およびK2をパラメータとしてユーザが調整可能としても良い。
上記各実施例における各種メニュー画面(図4、5、6、11、14、17、20)の内容は、あくまで一例であり、他の構成としてもよい。例えば、第1のメニュー画面200において、2つの評価用動画像表示部201を含んでいてもよい。一の評価用動画像表示部201に動画像処理前の評価用動画像を表示し、他の評価用動画像表示部201に動画像処理後後の評価用動画像を表示してもよい。
上記各実施例および変形例では、動画像表示装置をプロジェクタとして構成した例を示したが、動画像表示装置は、液晶ディスプレイや、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ等として構成することも可能である。この場合には、図1に示した液晶パネル駆動部70や液晶パネル100等は、各表示装置に適合した駆動回路や表示デバイスに置き換えられる。
また、上記各実施例および変形例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。