JP4079163B2 - 投影型画像表示装置 - Google Patents
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そして、多くの投影型画像表示装置は、このスキャンコンバータの機能を利用して、いわゆる打ち上げと称され、スクリーン面に対し斜め下方から映写した場合の投影画像の台形歪(以下、垂直方向の台形歪)を補正する機能を備えている。
画像表示デバイス上の表示画像を故意に台形状に歪ませるためには、その前段階の信号処理において、スキャンコンバータを用いてラインごとに一方方向に徐々に圧縮率を増加させる処理を行う。例えば、スクリーン上の投影画像であって上辺が長く下辺が短い逆台形の歪み画像を補正するには、表示画像デバイスの表示画像上で、投影画像の上辺に対応するラインを最も圧縮率が高くし、そのラインから遠ざかる程ラインの圧縮率を徐々に低下させる。
この場合、スキャンコンバータは、例えば、スクリーン上の投影画像でリニアリティが保証される所定の規則にしたがって、複数の画素情報を併せ持つ新たな画素を補間処理によって合成し、リニアリティが高い自然な画像を保証しながら画素数を削減する。
これは、スクリーンの正面で鑑賞するユーザと投影型画像表示装置との水平方向の位置関係に自由度を持たせ、投影型画像表示装置の画像をスクリーン面に対し斜め横方向から投影させることを可能とするためである。
このことは、垂直と水平の2方向の台形歪補正機能を有した製品が実現していない要因の一つであった。
しかし、この場合、台形歪補正前の投影画像の一部がスクリーンからはみ出すことがあり、この状態ではメニュー画面の文字が読み難いことがあるといった課題があった。
本発明では好適に、前記メニュー画面での画像調整のための操作手段を更に有し、前記制御部は、前記メニュー画面の表示画面内位置の変更を、前記操作手段の操作に応じて制御する。
本発明では好適に、上記制御部は、上記メニュー画面の表示画面内位置を、表示画像の中央の定位置から四隅の何れか寄りの位置に変更する。
本発明では好適に、メニュー画面の位置変更が可能な前記表示画像内位置は、前記投射時の光軸に対する前記画像表示デバイスの光学部品のオフセット方向に応じて予め決められている。
台形歪補正量にメニューの表示位置が連動している場合は、台形歪補正をするだけで即、メニュー画面が見やすい位置に移動する。
なお、メニューの表示位置変更は、台形歪補正手順とは無関係に、例えば歪みが少ない位置に表示させることで文字を見やすくするなど、活用方法は種々ある。
図1は、本発明の実施形態に係る投影型画像表示装置(以下、単にプロジェクタという)の概略構成を示すブロック図である。
このプロジェクタ1は、ビデオ信号処理部2,同期信号処理部3,アナログ−ディジタル変換器(ADC)4,画像変換処理部5,ガンマ補正部(3Dγ回路)6,パネル駆動部7,全体の制御を行う中央演算部(CPU)8,およびR,G,Bごとの固定画素表示パネル9r,9g,9bとを有する。
なお、パネルがLCD等、アナログ信号駆動の場合、ディジタル−アナログ変換器(DAC)をパネル駆動部7に内蔵する。
ビデオ信号処理部2には、ビデオ信号が入力される。入力されたビデオ信号に含まれるクロマ信号はクロマデコーダにより色差信号に変換され、ビデオ信号に含まれる輝度信号とともにマトリックス回路でR,G,Bのカラー信号に変換される。その過程で、高解像化や各種フィルタリング処理がなされる。ビデオ信号処理部1からは、処理後のカラービデオ信号R,G,Bが出力される。
ADC4は、メモリクロックに同期して、入力したアナログのRGB信号を、ディジタルのRGB信号に変換して出力する。また、ADC4からは、メモリクロックMCLKも出力される。
また、画像変換処理部5には、ディスプレイクロックと称されるクロックDCLKを生成する発振回路が内蔵されている。画像変換処理部5内の画像メモリより後段は、このディスプレイクロックDCLKに同期して動作する。
画像変換処理後のRGB信号は、3Dγ回路6でゲインが調整された後にパネル駆動部7でパネル駆動信号に変換される。このパネル駆動信号がR,G,Bの各パネル9r,9g,9bを駆動するための信号として用いられる。
以上の各部の動作は、CPU8により制御される。
画像変換処理部5は、フレームメモリ51,スケーラ52,オンスクリーンディスプレイ(OSD)部53,画像合成部54,コントロール部55,画像変換に関する制御を行う中央演算部(CPU)56およびユーザインターフェイスに関する制御を行う中央演算部(UI.CPU)57を有する。
なお、コントロール部55は、フレームメモリ51,スケーラ52,OSD部53にそれぞれ分散して配置してもよい。また、コントロール部55,フレームメモリ51,スケーラ52,OSD部53それぞれには、レジスタReを備える。
なお、ユーザインターフェイス用のCPU57と、CPU56を一つのCPUから構成してもよい。
プロジェクタ1の操作パネル10には、ダイレクトボタン11およびポインタ移動キー13が配置されている。ダイレクトボタン11は、例えば水平方向の台形歪補正を粗調整するためのボタンであり、本発明の“外部操作手段”の一形態をなす。ダイレクトボタン11は、ポインタ移動キー13とともに、図2のUI.CPU57に電気的に接続されている。
プロジェクタ1がリモコン12を備品として有する場合、これらダイレクトボタン11およびポインタ移動キー13は、図示のように、リモコン12側にも設けるのが望ましい。
図4(A)に示すように、画像を映し出すスクリーン200に対しプロジェクタ1を中央に配置した場合、その投影画像(以下、スクリーン画像という)は、図5(A−1)のように綺麗な四角形となり、台形歪補正の必要がない。このとき、図5(A−2)に示すように、光源側から、すなわちスクリーンに向かって見た固定画素表示デバイスのパネル面90の画像も綺麗な四角形である。以下、デバイス表示画像というとき、特に断らない限り、光源側からスクリーンに向かって見たデバイスのパネル面90上の画像をいう。
逆に、スクリーン200に対しプロジェクタ1を上方から投射した図4(C)場合、スクリーン画像は、図5(C−1)に示すように、その上辺が下辺より短い台形状の歪みを起こす。
すなわち、下方からの投射の場合、図5(B−2)に示すように台形状に歪ませる。また、上方からの投射の場合、図5(C−2)に示すように逆台形状に歪ませる。
これらデバイス表示画像上での歪み補正率は、デバイスのパネル面90上に映し出された台形の長辺と短辺の比で決まる。この歪み補正率をスクリーン上での歪み率に適合させると、図5(B−3),(C−3)のように、綺麗な四角形のスクリーン画像が得られる。
また、デバイス表示画像は、その短辺とパネル面端との間に、歪み率に応じた幅のスペースを設けているが、これは、補正後のスクリーン画像のアスペクト比を原画像のアスペクト比と同じにするためである。したがって、補正後のスクリーン画像の大きさが変動するが、これに対しては、ユーザが好みの画像サイズになるように投影倍率を調整することで対処する。
図6(A),(B)に、1フレーム分および1ライン分の画像データを模式的に示す。
ここで、フレーム内の台形の下辺に沿ったラインLに注目する。このラインLに相当するラインL0の画像データを、原画像データを格納したフレームメモリ51からVスケーラに読み出し、リニアリティを確保しながら補間処理を行って圧縮した画像データを生成する。すなわち、見た目に同じ画像としながら画素数を削減する。そして、この圧縮により発生した画像データの左右の領域の画素をブラックとすることで、新たなラインLが生成される。
この画素数変換処理は、CPU56が、例えばコントロール回路55に内蔵されたレジスタReに格納された圧縮率を変更し、制御することにより行う。
一旦設定された圧縮率はスケーラ52内のレジスタReに記憶され、このレジスタReが次に書き換えられるまで、Vスケーラの画素数変換の毎に用いられるようにできる。したがって、例えば、ユーザが垂直方向の歪み補正率を外部から操作して、CPUがスケーラ52内のレジスタ内容を更新するまでは、例え電源をオフにしても垂直方向に関し同じ歪み補正が繰り返されるような処理手順の設定が可能となる。なお、この設定は、後述するメニュー画面の「台形補正メモリ」をオンする操作で行う。
図7(A)に示すように、画像を映し出すスクリーン200に対しプロジェクタ1を正面に配置した場合、そのスクリーン画像は、図8(A−1)のように綺麗な四角形となり、台形歪補正の必要がない。このとき、図8(A−2)に示すように、光源側から見たパネル面90上のデバイス表示画像も綺麗な四角形となっている。
逆に、スクリーン200に対しプロジェクタ1を右側から投射した図7(C)場合、スクリーン画像は、図8(C−1)に示すように、その右辺が左辺より短い横台形状の歪みを起こす。
すなわち、左側からの投射の場合、図8(B−2)に示す台形状に歪ませる。また、右側からの投射の場合、図8(C−2)に示す台形状に歪ませる。
これらデバイス表示画像上での歪み補正率は、デバイスのパネル面90上に映し出された台形の長辺と短辺の比で決まる。この歪み補正率をスクリーン上での歪み率に適合させると、図8(B−3),(C−3)のように、綺麗な四角形のスクリーン画像が得られる。
図9(A)に、1フレーム分の画像データを模式的に示す。また、図9(B)は、複数ラインの原画像データを用いて1ラインの画像データを生成する場合の説明図である。
フレーム内の台形の斜辺に交差するラインLに注目する。このラインL内で台形の斜辺に沿った箇所において、原画像データの最初の2ラインL01,L02を用いた補間処理により新たな画素P1を生成する。また、台形の斜辺より離れた画素P2を生成するには、途中の2ラインL0i、L0i+1を用いた補間処理を行う。このように、水平方向の台形歪補正では、1ラインを生成するのに複数のラインが用いられる。このため、フレームメモリ51内にバッファ領域を設けて、必要なラインの原画像データを予め抜き出しておくことが望ましい。そして、この新画像データの右側の領域の画素をブラックとすることで、新たなラインLが生成される。
この画素数変換処理は、CPU56が、例えばコントロール回路55に内蔵されたレジスタReに格納されたパラメータを変更し、制御することにより行う。
一旦設定されたパラメータはスケーラ52内のレジスタReに記憶され、このレジスタが次に書き換えられるまで、Hスケーラの画素数変換の毎に用いられるようにすることができる。例えば、ユーザが水平方向の歪み補正率を外部から操作して、CPUがスケーラ52内のレジスタRe内容を更新するまでは、例え電源をオフにしても垂直方向に関し同じ歪み補正が維持できるようにすることが可能となる。なお、この設定は、後述するメニュー画面の「台形補正メモリ」をオンする操作で行う。
図10に、台形歪補正時のメニュー画面例を示す。
ユーザがプロジェクタ1のボディまたはリモコン12に設けられた「メニュー」ボタン(不図示)を押すと、UI.CPU57がOSD部53に記憶されたメニューの「初期画面」を呼び出し、これを画像合成部54が合成して投影画像上に重ねて表示させる。ユーザは、メニューの幾つかある項目を、ポインタ移動キー13を用いて選ぶ。ここでは、4番目の「設置設定」の項目を選ぶ。その指示を受けたUI.CPU57がOSD部53に記憶されたメニューの「設置設定画面」を呼び出し、画像合成によって投影画像上に表示させる。
ユーザは、図10に示す「設置設定画面」の項目のうち「台形補正方向」を選択し、そのときに現れポップアップメニュー内で「水平」または「垂直」を選んで台形歪方向を決定する。更に、ユーザは、その上の「ディジタル台形補正」を選択し、調整画面へと移行する指示を行う。
垂直方向の台形歪補正の場合は下方投影か上方投影かに応じて、水平方向の台形歪補正の場合は左右の何れの側からの投影かに応じて、補正量の表示値をプラス方向に変化させるか、マイナス方向に変化させるかが決められている。
ユーザは、スクリーン画像を見ながらポインタ移動キー13を操作して補正量を変え、画面が綺麗な四角になったと判断したら操作を止める。後は、画面の大きさを調整したりピントの微調整をしたりすると、「設置設定」が終了する。
ダイレクトボタン11は、上記した補正量の表示値を、例えば±10ステップなど所定の大きなステップで変化させるボタンである。しかも、このダイレクトボタン11の操作は、メニュー画面の表示とは無関係に何時でもでき、台形歪補正の方向が水平方向,垂直方向の一方に限定されている。通常、プロジェクタ位置は、その高さ方向の移動は余りしないが、水平方向には、観賞の邪魔になるなどの理由で比較的頻繁に行うという事情がある。この事情に鑑みて、本例のプロジェクタでは、ダイレクトボタン操作で水平方向の補正量の粗調整が素早くできるようにしている。
また、ダイレクトボタン11が操作されたときは、他の垂直方向の補正量を直前の段階に固定するか、強制的にゼロに戻すようにしている。さらに、ダイレクトボタン11が操作はメニュー画面上での操作に優先して有効となる。
例えば図11(A)に示すようにパネル面90の中央にあるメニュー画面が補正後の画像表示エリアから一部はみ出してしまい、この状態で画像がスクリーン一杯となる倍率で投影すると、メニュー画面がスクリーンからはみ出て文字等が読み難くなる。この機能は、そのような事態を回避するために設けている。
この機能を用いると、図11(B)の例で最適な位置M1にメニュー画面を移動させることができる。これにより画面が見やすくなり、以後のメニュー操作が快適になる。
なお、メニュー自体が見づらい状態ではメニューの操作がやりにくいことを考慮すると、このメニュー位置変更をボディやリモコンに設けたボタンで操作できるようにしてもよい。
また、以上述べてきた「メニュー表示」,「ダイレクトボタン」、「メニュー位置変更」などの種々の機能によって、ユーザは台形歪補正が格段にし易くなり、その結果、このプロジェクタはユーザーフレンドリーな製品に仕上がっている。
この実施形態では、「メニュー位置」変更を自動で行う。
このフロー図における判断およびメニュー位置設定は、例えば、その全てが図2のUI.CPU57またはCPU56により実行され、その結果は、OSD部53内のレジスタReに記憶される。
この判断が「Yes」の場合は、水平方向の補正量が少ないのでメニュー画面が補正後の画像表示エリアをはみ出すことはないとして、ステップST21において、図11(B)における中央のメニュー位置M0を維持する。
この判断が「Yes」の場合は、図7(B)のように中央から大きく左寄りの位置から投影されたとして、ステップST22において、メニュー位置がM0の定位置から、図11(B)で左下側の位置M1に変更される。
また、「メニュー位置」変更は、メニュー画面でメニュー変更の項目を削除して自動変更モードのみとするか、あるいは、メニュー画面上での手動変更機能に付加して自動変更モードを設け、優先的に自動変更モードに入るようにしてもよい。さらには、メニュー画面の項目に、「メニュー位置自動」の項目を新たに設け、これを「オン」した場合にのみ、自動変更モードを優先させるようにしてもよい。
さらに、メニュー位置M3,M4も加えた4箇所に変更可能としてもよいし、垂直方向の補正に連動させてもよい。
なお、本例でメニュー変更位置をM1,M2に限定したのは、第1実施形態でも述べたようにオフセットとの関係で、画面下側で歪みが少ないためである。天井吊りなどの設置では、歪みが少ない箇所が画面の上側2箇所M3,M4となることが多いので、この場合、変更箇所を上側2箇所に限定しても構わない。
Claims (5)
- 画像表示デバイスに表示された表示画像を光によって外部に投射する投射型画像処理装置であって、
入力画像を、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方で台形歪補正した画像に変換し、前記画像表示デバイスに出力する画像変換部と、
画像調整を案内するメニュー画面を生成するOSD部と、
前記メニュー画面を前記表示画像上に重ねる画像合成部と、
前記表示画面上でメニュー画面が前記台形歪補正後の画像内となるように、前記OSD部および/または前記画像合成部を制御し、メニュー画面の表示画像内位置を変更する制御部と、
を有する投影型画像表示装置。 - 前記制御部は、前記メニュー画面の表示画面内位置の変更を、前記画像変換部からの前記台形歪補正の方向と補正量に応じて制御する
請求項1に記載の投影型画像表示装置。 - 前記メニュー画面での画像調整のための操作手段を更に有し、
前記制御部は、前記メニュー画面の表示画面内位置の変更を、前記操作手段の操作に応じて制御する
請求項1に記載の投影型画像表示装置。 - 上記制御部は、上記メニュー画面の表示画面内位置を、表示画像の中央の定位置から四隅の何れか寄りの位置に変更する
請求項1記載の投影型画像表示装置。 - メニュー画面の位置変更が可能な前記表示画像内位置は、前記投射時の光軸に対する前記画像表示デバイスの光学部品のオフセット方向に応じて予め決められている
請求項1記載の投影型画像表示装置。
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