JP2006053072A - 絶縁状態検査方法および検査システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 広範囲にわたって地中埋設配管の絶縁状態を検査することが可能な絶縁状態検査方法および検査システムを提供すること。
【解決手段】 絶縁部3を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法であって、地面に対電極4を設置する設置工程と、第1配管部と対電極4との間に、絶縁部3を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する電圧印加工程と、交流電圧を印加した状態で、地中埋設配管10に交差する方向の磁界を計測して、地中埋設配管10の絶縁状態を判定する判定工程とを包含する絶縁状態検査方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 絶縁部3を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法であって、地面に対電極4を設置する設置工程と、第1配管部と対電極4との間に、絶縁部3を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する電圧印加工程と、交流電圧を印加した状態で、地中埋設配管10に交差する方向の磁界を計測して、地中埋設配管10の絶縁状態を判定する判定工程とを包含する絶縁状態検査方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地中に埋設されている埋設配管に取り付けられる絶縁継手の絶縁性を検査する方法に関する。
地中には水やガスなどのユーティリティを消費者が生活する建物内へ供給するための様々な種類の配管が埋設されている。このような配管は、道路の下などに埋設された本支管(外管)を介して各建物の敷地内へ内管として引き込まれ、建物内部へ至る。このような配管において腐食が発生した場合、その腐食部分から水漏れやガス漏れといった問題が発生することがある。
配管の腐食現象の一つとして、土壌中の塗覆装管に起こるマクロセル腐食と呼ばれるものがある。これは、建物の外部から建物の敷地内に引き込まれた塗覆装管のうちの建物内の金属露出配管が、建物を形成しているコンクリート中の鉄筋と接触することによって起こるものである。金属露出配管とコンクリート中の鉄筋とが接触状態になると、コンクリートは強いアルカリ性のため、コンクリート中の鉄筋は約−200mV(飽和硫酸銅電極基準。以下の電位も同じ基準とする)の電位を示す。他方で、その金属露出配管の敷地内の土壌などの媒質中に埋設された部分(一般にはプラスチックライニング管)は周囲の環境に応じて、その塗覆装欠陥部において約−500mV〜−700mVの電位を示す。従って、コンクリート中の鉄筋に接触する部位と埋設部位との間には約300mV〜500mVの電位差を有するマクロセル(電池)が形成され、腐食電流が流れることで、土壌中の塗覆装管の腐食が進行する。
この問題を避ける方法の一つとして、絶縁継手を使用することが挙げられる。
ところが、この絶縁継手により、配管の継手部分の絶縁性を確保することができず、マクロセル腐食が進行する場合がある。従って、絶縁継手の絶縁性を検査する方法が必要とされている。
ところが、この絶縁継手により、配管の継手部分の絶縁性を確保することができず、マクロセル腐食が進行する場合がある。従って、絶縁継手の絶縁性を検査する方法が必要とされている。
この種の絶縁性の検査技術としては、図6に示すように、検査対象となる分岐管2の絶縁継手3を含む領域の両端に電圧印加手段5によって交流電圧を印加し、検査対象の分岐管2に流れる電流に起因して発生する磁界を磁界センサ6で測定することによって、分岐管2に取り付けられた絶縁継手3の絶縁状態を検査するという二点間検査方法があった。
一方、地中に埋設されている配管等の埋設状態を調査する方法については、例えば、ロケータを使用した調査方法が従来から公知である(例えば、特許文献1参照。)。
この種の特許文献1に代表される従来公知のロケータでは、地中埋設配管に確実に電流が流れるように、交流電圧周波数がかなり大きな値となるように設計されている。即ち、これまでに上市されているロケータは、交流電圧の周波数が8〜520kHzに設定されている。
この種の特許文献1に代表される従来公知のロケータでは、地中埋設配管に確実に電流が流れるように、交流電圧周波数がかなり大きな値となるように設計されている。即ち、これまでに上市されているロケータは、交流電圧の周波数が8〜520kHzに設定されている。
絶縁性の検査において、上記従来技術の二点間検査方法には次のような問題があった。まずこの方法では、検査可能な範囲が電圧を印加する電極の二点間に限定されるため、検査対象が広範囲にわたる場合では、電極の位置を変えて何度も検査を繰り返す必要があった。
なお、絶縁継手が配管と共に道路の下などの地中に埋設されている場合、建物の地下の地中に埋設されている場合、建物内部のコンクリート中及び建物の地下に埋設されている場合等には、当然に配管を掘り出さなくても絶縁継手の絶縁性を検査できることが求められるが、この問題は解消し得ない。
また、二点間検査方法では、磁界を検出する磁界センサを、検査対象である配管に直接接触させなければならなかった。この理由は、二点間検査方法は測定周波数が比較的小さい値(例えば、1〜10Hz程度)で実施されていたので、磁界センサの感度が上がらず、このため検査対象と磁界センサとの距離を大きくとることが困難であったからである。
従って、二点間検査方法は、埋設配管や隠蔽配管などに適用することが困難であった。
従って、二点間検査方法は、埋設配管や隠蔽配管などに適用することが困難であった。
一方、従来構成のロケータでは、絶縁継手に電流が流れてしまうので絶縁性検査には使用できない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、広範囲にわたって地中埋設配管の絶縁状態を検査することが可能な絶縁状態検査方法および検査システムを提供する点にある。
本発明に係る絶縁状態検査方法の特徴構成は、絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法であって、地面に対電極を設置する設置工程と、前記第1配管部と前記対電極との間に、前記絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する電圧印加工程と、前記交流電圧を印加した状態で、前記地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測して、前記地中埋設配管の絶縁状態を判定する判定工程とを包含する点にある。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管において、第1配管部と対電極との間に、絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加しているので、この交流電圧を印加した状態で、地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測することにより、広範囲にわたって地中埋設配管の絶縁状態を正確に判定することが可能となる。
本発明の絶縁状態検査方法では、前記判定工程において、前記地中埋設配管のうちの前記第1配管部に交差する方向の磁界の計測結果と前記第2配管部に交差する方向の磁界の計測結果とを比較し、その比較結果に基づいて前記絶縁部の絶縁性を判定することも可能である。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、第1配管部からの磁界計測結果と第2配管部からの磁界計測結果とを比較するだけで、地中埋設配管の絶縁部の絶縁状態を容易に検査することが可能となる。すなわち、例えば、第1配管部からの磁界強度と第2配管部からの磁界強度とが略同じ値である場合は、絶縁部の絶縁状態が維持されていないと判定することができ、両者の値に差がある場合、即ち第2配管部からの磁界強度が第1配管部からの磁界強度よりも小さい場合は、絶縁部の絶縁状態は維持されていると判定することができる。
本発明の絶縁状態検査方法では、前記絶縁部が、主配管に分岐接続された分岐管に設けられる絶縁継手からなり、前記第1配管部が、前記絶縁継手に接続する一方の配管部位であり、前記第2配管部が、前記絶縁継手に接続する他方の配管部位であることも可能である。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、地中の主配管から分岐管を介して建物へとつながる一般的な配管構成において、この低周波数の交流電圧を印加した状態で、地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測することにより、広範囲にわたって地中埋設配管の絶縁状態を正確に判定することが可能となる。
本発明の絶縁状態検査方法では、前記絶縁部が、主配管に分岐接続された分岐管に設けられる絶縁継手からなり、前記第1配管部が、前記主配管および基端側分岐管部位であり、前記第2配管部が、前記絶縁継手に接続し前記主配管に接続しない分岐先端側分岐管部位であり、前記設置工程において、前記対電極を、前記主配管に対して、前記分岐管が延出される延出側とは反対側の地面に設置することも可能である。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、対電極を、主配管に対して、分岐管が延出される延出側とは反対側の地面に設置しているので、分岐管あるいはその近傍にある埋設管に過大な電流が流れることによる誤測定のおそれがなくなり、分岐管に設けられる絶縁継手の絶縁状態をより正確に判定することが可能となる。
本発明の絶縁状態検査方法では、前記第1配管部に電気的に接続する他の地中埋設配管がある場合に、前記電圧印加工程において、前記他の地中埋設配管と前記対電極との間に前記交流電圧を印加することも可能である。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、地中に複数の埋設配管が存在する場合であっても、上記と同様に、広範囲にわたって地中埋設配管の分岐管に設けられる絶縁継手の絶縁状態を正確に判定することが可能となる。
本発明の絶縁状態検査方法では、前記交流電圧の周波数を100Hz〜5kHzとすることも可能である。
本構成の絶縁状態検査方法であれば、周波数が100Hz〜5kHzという低周波数の交流電圧であっても地中埋設配管の絶縁継手からの磁界を計測することができるので、分岐管に大きい電流を流す必要がなくなり、その結果誤測定のおそれもなくなり、分岐管に設けられた絶縁継手の絶縁状態をより正確に判定することが可能となる。
上記の交流電圧の周波数は、100Hzより低いと磁界の測定感度が低下し、5kHzより高いと、絶縁部を介して電流が流れ易くなって絶縁状態の判定精度が低下する。
上記の交流電圧の周波数は、100Hzより低いと磁界の測定感度が低下し、5kHzより高いと、絶縁部を介して電流が流れ易くなって絶縁状態の判定精度が低下する。
本発明に係る検査システムの特徴構成は、地面に設置される対電極と、交流電圧を印加可能な電圧印加手段と、磁界を計測可能な磁界計測手段と、前記磁界計測手段の計測結果を受け取る判定手段とを備えた検査システムであって、絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管に関して、前記電圧印加手段は、前記第1配管部と前記対電極との間に、前記絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加し、前記磁界計測手段は、前記交流電圧を印加した状態で、前記地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測し、前記判定手段は、前記地中埋設配管のうちの前記第1配管部に交差する方向の磁界の計測結果と前記第2配管部に交差する方向の磁界の計測結果とを比較し、その比較結果に基づいて前記絶縁部の絶縁性を判定する点にある。
本構成の検査システムであれば、絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管に関して、電圧印加手段が、第1配管部と対電極との間に、絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加しているので、この交流電圧を印加した状態で、磁界計測手段が地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測することにより、判定手段が広範囲にわたって地中埋設配管の絶縁状態を正確に判定することが可能となる。また、この判定手段は、第1配管部からの磁界計測結果と第2配管部からの磁界計測結果とを比較するだけで、地中埋設配管の絶縁部の絶縁状態を容易に検査することが可能となる。すなわち、例えば、第1配管部からの磁界強度と第2配管部からの磁界強度とが略同じ値である場合は、絶縁部の絶縁状態が維持されていないと判定することができ、両者の値に差がある場合、即ち第2配管部からの磁界強度が第1配管部からの磁界強度よりも小さい場合は、絶縁部の絶縁状態は維持されていると判定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施の形態および図面に記載される構成に限定されるものではない。
(第1実施形態)
本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を、この方法を実施するための検査システム100を用いて説明する。
本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を、この方法を実施するための検査システム100を用いて説明する。
図1は、本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を実施するための第1実施形態による検査システム100の構成を示す概略図である。ここで、地中埋設配管10は、絶縁部である絶縁継手3を介して、主配管1および基端側分岐管部位2aからなる第1配管部と、絶縁継手3に接続し主配管1に接続しない分岐先端側分岐管部位2bからなる第2配管部とが接続されて構成されている。そして、第2配管部は建物9の内部へと続いている。なお、本明細書では便宜上、図1に示す3つの分岐管2(基端側分岐管部位2a、分岐先端側分岐管部位2b、および絶縁継手3から構成される部位)を左側から順に分岐管P,Q,Rと称して説明する。
本実施形態の検査システム100は、対電極4と、電圧印加手段である交流電源5と、磁界計測手段である磁界センサ6と、判定手段であるコンピュータ7とを備えている。ここで、交流電源5の周波数は、地中埋設配管10に設けた絶縁継手3を介して流れない程度の低周波数を選択する必要がある。この周波数の範囲は、以下に説明する、予め行う絶縁性評価によって求めることができる。
図5に、絶縁性評価試験の概略を示す。
この絶縁性評価試験では、図5(a)に示すように、測定対象である現場回収の絶縁継手(この絶縁継手は標準例としての継手であり、実際に検査を行う現場に埋設されている絶縁継手ではない)の内部に、交流電圧を印加可能な電気化学測定装置の対電極および参照電極を設置し、さらにこの絶縁継手の被覆剥れ部分に他方の電極を設置し、この絶縁継手の絶縁性を測定した。
なお、この絶縁性評価試験において絶縁継手に印加する交流電圧の範囲は、20kHz〜1Hzとした。図5(b)に絶縁継手のインピーダンスの周波数特性のグラフを示す。このグラフにおいて、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸はインピーダンス(単位はΩで、絶縁抵抗に相当する)である。グラフより、インピーダンスは交流電圧周波数が概ね100Hz〜5kHzの範囲内において、常に1MΩ以上の値を示した。
この絶縁性評価試験では、図5(a)に示すように、測定対象である現場回収の絶縁継手(この絶縁継手は標準例としての継手であり、実際に検査を行う現場に埋設されている絶縁継手ではない)の内部に、交流電圧を印加可能な電気化学測定装置の対電極および参照電極を設置し、さらにこの絶縁継手の被覆剥れ部分に他方の電極を設置し、この絶縁継手の絶縁性を測定した。
なお、この絶縁性評価試験において絶縁継手に印加する交流電圧の範囲は、20kHz〜1Hzとした。図5(b)に絶縁継手のインピーダンスの周波数特性のグラフを示す。このグラフにおいて、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸はインピーダンス(単位はΩで、絶縁抵抗に相当する)である。グラフより、インピーダンスは交流電圧周波数が概ね100Hz〜5kHzの範囲内において、常に1MΩ以上の値を示した。
すなわち、交流電圧周波数を100Hz〜5kHzの範囲内で選択すれば、絶縁継手の絶縁性を確実に検出することが可能であると結論付けることができる。但し、交流電圧周波数が小さくなると磁界センサ6の感度が上げられないため、検査対象の状態(例えば埋設深さ、管径、管種等)に応じた適切な下限周波数が存在する。従って、このことを考慮すると、交流電圧周波数は、100Hz〜1kHzとすることがより好適である。
次に、本発明の絶縁状態検査方法を、それぞれの工程ごとに説明する。
<工程1:対電極設置工程>
磁界の計測に先立って、作業者は、地面Gに対電極4の設置を行う。この対電極4の設置において、作業者は、主配管1に対して、分岐管P,Q,Rが延出される延出側とは反対側の地面Gに対電極4を設置することが好ましい。その主な理由は、検査対象である分岐管P,Q,Rの延出側に対電極4を設置すると、分岐管P,Q,Rと対電極4との距離が近くなるため絶縁継手3の有無とは無関係に分岐管P,Q,R全体に大きな電流が流れることがあり、そうなると分岐管P,Q,R全体から磁界が発生し、絶縁継手3の絶縁状態の正確な判定を行うことができなくなるおそれがある点、および、対電極4の近傍では、対電極4自身から流れる電流に起因して磁界強度のレベルが大きくなるため、測定対象である分岐管P,Q,Rが延出される延出側に対電極4を設置すると、分岐管P,Q,Rからの電界と対電極4からの電界とを識別することが困難になる点、の二点である。なお、分岐管P,Q,Rの延出側と反対側に対電極4を設置すれば、例えば、測定対象の地中埋設配管10の下方に異なる別の配管等が存在していたとしても、当該別の配管等からは磁界が殆ど発生しないので、測定対象の地中埋設配管10を正確に検知することが可能になるという利点もある。
磁界の計測に先立って、作業者は、地面Gに対電極4の設置を行う。この対電極4の設置において、作業者は、主配管1に対して、分岐管P,Q,Rが延出される延出側とは反対側の地面Gに対電極4を設置することが好ましい。その主な理由は、検査対象である分岐管P,Q,Rの延出側に対電極4を設置すると、分岐管P,Q,Rと対電極4との距離が近くなるため絶縁継手3の有無とは無関係に分岐管P,Q,R全体に大きな電流が流れることがあり、そうなると分岐管P,Q,R全体から磁界が発生し、絶縁継手3の絶縁状態の正確な判定を行うことができなくなるおそれがある点、および、対電極4の近傍では、対電極4自身から流れる電流に起因して磁界強度のレベルが大きくなるため、測定対象である分岐管P,Q,Rが延出される延出側に対電極4を設置すると、分岐管P,Q,Rからの電界と対電極4からの電界とを識別することが困難になる点、の二点である。なお、分岐管P,Q,Rの延出側と反対側に対電極4を設置すれば、例えば、測定対象の地中埋設配管10の下方に異なる別の配管等が存在していたとしても、当該別の配管等からは磁界が殆ど発生しないので、測定対象の地中埋設配管10を正確に検知することが可能になるという利点もある。
<工程2:電圧印加工程>
次に、交流電源5により、第1配管部(これは、主配管1の任意の部位とすることができるが、主配管1に接続されている屋外バルブやマンホール内鋼管等であってもよい)と対電極4との間に、絶縁継手3を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する。このときの交流電圧の周波数は、上述のように、100Hz〜5kHzの範囲(例えば、500Hz)とすることができる。この周波数の値は、従来、地中埋設配管の埋設状態の調査に用いられていたロケータの使用周波数(8〜520kHz)よりもかなり小さい値となっている。このため、本実施形態の方法では、分岐管P,Q,Rに大きな電流が流れることがなく、その結果、磁界の誤測定の心配がなくなり、分岐管P,Q,Rに設けられる絶縁継手3の絶縁状態をより確実に判定することが可能となる。
次に、交流電源5により、第1配管部(これは、主配管1の任意の部位とすることができるが、主配管1に接続されている屋外バルブやマンホール内鋼管等であってもよい)と対電極4との間に、絶縁継手3を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する。このときの交流電圧の周波数は、上述のように、100Hz〜5kHzの範囲(例えば、500Hz)とすることができる。この周波数の値は、従来、地中埋設配管の埋設状態の調査に用いられていたロケータの使用周波数(8〜520kHz)よりもかなり小さい値となっている。このため、本実施形態の方法では、分岐管P,Q,Rに大きな電流が流れることがなく、その結果、磁界の誤測定の心配がなくなり、分岐管P,Q,Rに設けられる絶縁継手3の絶縁状態をより確実に判定することが可能となる。
<工程3:判定工程>
上記工程2で説明した交流電圧を印加した状態を維持しながら、磁界センサ6により、地中埋設配管10に交差する方向(図1中の両矢印で示す方向)の磁界を計測し、これに基づいて、コンピュータ7が地中埋設配管10の絶縁状態の判定を行う。なお、地中埋設配管10に平行な方向については、磁界の強度差を発生させる原因となる電位勾配が存在しないので、磁界の計測を行う場合において特に考慮する必要はない。
上記工程2で説明した交流電圧を印加した状態を維持しながら、磁界センサ6により、地中埋設配管10に交差する方向(図1中の両矢印で示す方向)の磁界を計測し、これに基づいて、コンピュータ7が地中埋設配管10の絶縁状態の判定を行う。なお、地中埋設配管10に平行な方向については、磁界の強度差を発生させる原因となる電位勾配が存在しないので、磁界の計測を行う場合において特に考慮する必要はない。
上記判定工程についてより詳しく説明すると、図1に示すように、この工程では、コンピュータ7が、磁界センサ6による地中埋設配管10のうちの第1配管部(例えば、分岐管P,Q,Rの基端側分岐管部位2a)に交差する方向の磁界の計測結果と第2配管部(例えば、分岐管P,Q,Rの分岐先端側分岐管部位2b)に交差する方向の磁界の計測結果とを磁界センサ6から取得し、そしてこれらを比較し、その比較結果に基づいて絶縁継手3の絶縁性を判定している。例えば、図2(a)に示すように、第1配管部からの磁界強度と第2配管部からの磁界強度とが略同じ値である場合は、絶縁継手3に導通があるということを示しているので、絶縁継手3の絶縁状態が維持されていないと判定することができる。一方、両者の値に差がある場合(例えば、即ち第2配管部からの磁界強度が第1配管部からの磁界強度よりも小さい場合)は、絶縁継手3は導通していないことになり、絶縁継手3の絶縁状態は維持されていると判定することができる。これを図2(b)の磁界強度の測定結果の例で説明すると、3つの分岐管のうち分岐管P,Rでは第1配管部の磁界強度に比べて第2配管部の磁界強度が小さくなっているので、分岐管P,Rにおける絶縁継手3の絶縁状態は維持されていると判定される。これに対して、分岐管Qでは第1配管部の磁界強度と第2配管部の磁界強度とが略同じ大きさであるので、分岐管Qにおける絶縁継手3の絶縁状態は維持されていないと判定される。
なお、本実施形態では、判定工程をコンピュータ7によって行うことを例示したが、本発明の絶縁状態検査方法を実施する作業者が、磁界センサ6の磁界計測結果を目視等で確認し、それに基づいて、作業者自身が地中埋設配管10の絶縁状態を判定するようにしてもよい。
以上のように本発明の検査システム100を用いて、本発明の絶縁状態検査方法を実施すると、広範囲にわたって地中埋設配管10の絶縁状態を正確に判定することが可能となる。
(第2実施形態)
図3は、本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を実施するための第2実施形態による検査システム200の構成を示す概略図である。ここで、地中埋設配管10は、絶縁部である絶縁継手3を介して、主配管1、基端側分岐管部位2a、および他の配管8からなる第1配管部と、絶縁継手3に接続し主配管1に接続しない分岐先端側分岐管部位2bからなる第2配管部とが接続されて構成されている。なお、本実施形態における他の配管8は、主配管1と導通状態にあるものとする。
図3は、本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を実施するための第2実施形態による検査システム200の構成を示す概略図である。ここで、地中埋設配管10は、絶縁部である絶縁継手3を介して、主配管1、基端側分岐管部位2a、および他の配管8からなる第1配管部と、絶縁継手3に接続し主配管1に接続しない分岐先端側分岐管部位2bからなる第2配管部とが接続されて構成されている。なお、本実施形態における他の配管8は、主配管1と導通状態にあるものとする。
本実施形態の検査システム200は、上記第1実施形態の検査システム100と同様に、対電極4と、電圧印加手段である交流電源5と、磁界計測手段である磁界センサ6と、判定手段であるコンピュータ7とを備えた構成となっている。この検査システム200による絶縁状態検査方法は、第1実施形態で説明した手順と略同様であるが、本実施形態では、従来行っていた埋設配管の位置の特定についても同時に行うことができる。すなわち、本実施形態は、100Hz〜5kHzの範囲の低周波数の交流電圧を印加した状態で、磁界センサ6により、地中埋設配管10に交差する方向の磁界を計測するに際し、絶縁継手3が取り付けられた分岐管2と他の配管8との両方に対して磁界計測を行うことができる。すなわち、地中埋設配管10の絶縁状態の検査は、磁界センサ6の捜査範囲内に導通可能な他の配管8が存在していても何ら影響されるものではないため、地中埋設配管10の絶縁状態の検査と位置特定とを両立させることが可能となる。このように、本実施形態では、地中埋設配管10の絶縁状態の検査を行いながら、従来のロケータによって行われてきた配管位置の特定を同時に実施することができるので、測定作業を効率化できるという利点がある。
(第3実施形態)
図4は、本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を実施するための第3実施形態による検査システム300の構成を示す概略図である。ここで、地中埋設配管10は、絶縁部である絶縁継手3を介して、主配管1、基端側分岐管部位2a、および他の配管8からなる第1配管部と、絶縁継手3に接続し主配管1に接続しない分岐先端側分岐管部位2bからなる第2配管部とが接続されて構成されている。なお、他の配管8は、主配管1と導通状態にあるものとする。
図4は、本発明の地中埋設配管10の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法を実施するための第3実施形態による検査システム300の構成を示す概略図である。ここで、地中埋設配管10は、絶縁部である絶縁継手3を介して、主配管1、基端側分岐管部位2a、および他の配管8からなる第1配管部と、絶縁継手3に接続し主配管1に接続しない分岐先端側分岐管部位2bからなる第2配管部とが接続されて構成されている。なお、他の配管8は、主配管1と導通状態にあるものとする。
本実施形態の検査システム300は、上記第1実施形態の検査システム100と同様に、対電極4と、電圧印加手段である交流電源5と、磁界計測手段である磁界センサ6と、判定手段であるコンピュータ7とを備えた構成となっている。但し、この検査システム300による絶縁状態検査方法では、電圧印加工程において、交流電源5により、第1配管部となる他の配管8の任意の部位と対電極4との間に、絶縁継手3を介して流れない低周波数の交流電圧を印加している。本実施形態では、他の配管8は主配管1と導通状態であることから、他の配管8と対電極4との間に交流電圧を印加しても、何ら問題なくこの絶縁状態検査方法を実施することができる。このように、本実施形態では、主配管1に交流電源5を取り付けることができない場合であっても、主配管1に導通する他の配管8(または、この他の配管8に接続されている屋外バルブやマンホール内鋼管等)に電極を取り付けることができれば、第1実施形態と同様に、広範囲にわたって地中埋設配管10の絶縁状態を正確に判定することができる。
1 主配管
2 分岐管
3 絶縁部(絶縁継手)
4 対電極
5 電圧印加手段(交流電源)
6 磁界計測手段(磁界センサ)
7 判定手段(コンピュータ)
10 地中埋設配管
100 検査システム
2 分岐管
3 絶縁部(絶縁継手)
4 対電極
5 電圧印加手段(交流電源)
6 磁界計測手段(磁界センサ)
7 判定手段(コンピュータ)
10 地中埋設配管
100 検査システム
Claims (7)
- 絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管の絶縁状態を検査する絶縁状態検査方法であって、
地面に対電極を設置する設置工程と、
前記第1配管部と前記対電極との間に、前記絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加する電圧印加工程と、
前記交流電圧を印加した状態で、前記地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測して、前記地中埋設配管の絶縁状態を判定する判定工程と
を包含する絶縁状態検査方法。 - 前記判定工程において、前記地中埋設配管のうちの前記第1配管部に交差する方向の磁界の計測結果と前記第2配管部に交差する方向の磁界の計測結果とを比較し、その比較結果に基づいて前記絶縁部の絶縁性を判定する請求項1記載の絶縁状態検査方法。
- 前記絶縁部が、主配管に分岐接続された分岐管に設けられる絶縁継手からなり、
前記第1配管部が、前記絶縁継手に接続する一方の配管部位であり、前記第2配管部が、前記絶縁継手に接続する他方の配管部位である請求項1又は2記載の絶縁状態検査方法。 - 前記絶縁部が、主配管に分岐接続された分岐管に設けられる絶縁継手からなり、
前記第1配管部が、前記主配管および基端側分岐管部位であり、前記第2配管部が、前記絶縁継手に接続し前記主配管に接続しない分岐先端側分岐管部位であり、
前記設置工程において、前記対電極を、前記主配管に対して、前記分岐管が延出される延出側とは反対側の地面に設置する請求項1又は2記載の絶縁状態検査方法。 - 前記第1配管部に電気的に接続する他の地中埋設配管がある場合に、
前記電圧印加工程において、前記他の地中埋設配管と前記対電極との間に前記交流電圧を印加する請求項1〜4のいずれか1項記載の絶縁状態検査方法。 - 前記交流電圧の周波数が100Hz〜5kHzである請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁状態検査方法。
- 地面に設置される対電極と、
交流電圧を印加可能な電圧印加手段と、
磁界を計測可能な磁界計測手段と、
前記磁界計測手段の計測結果を受け取る判定手段と
を備えた検査システムであって、
絶縁部を介して第1配管部と第2配管部とが接続されてなる地中埋設配管に関して、
前記電圧印加手段は、前記第1配管部と前記対電極との間に、前記絶縁部を介して流れない低周波数の交流電圧を印加し、
前記磁界計測手段は、前記交流電圧を印加した状態で、前記地中埋設配管に交差する方向の磁界を計測し、
前記判定手段は、前記地中埋設配管のうちの前記第1配管部に交差する方向の磁界の計測結果と前記第2配管部に交差する方向の磁界の計測結果とを比較し、その比較結果に基づいて前記絶縁部の絶縁性を判定する検査システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004235444A JP2006053072A (ja) | 2004-08-12 | 2004-08-12 | 絶縁状態検査方法および検査システム |
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JP2004235444A JP2006053072A (ja) | 2004-08-12 | 2004-08-12 | 絶縁状態検査方法および検査システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006053072A true JP2006053072A (ja) | 2006-02-23 |
Family
ID=36030650
Family Applications (1)
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JP2004235444A Pending JP2006053072A (ja) | 2004-08-12 | 2004-08-12 | 絶縁状態検査方法および検査システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006053072A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007271540A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Tokiko Techno Kk | 腐食推定装置及び腐食推定方法 |
CN110763916A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-02-07 | 云南电网有限责任公司临沧供电局 | 一种带电作业绝缘裤的绝缘检测装置及其检测方法 |
-
2004
- 2004-08-12 JP JP2004235444A patent/JP2006053072A/ja active Pending
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