JP4857136B2 - 埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法及び検出システム - Google Patents

埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法及び検出システム Download PDF

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Description

本発明は、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所の存在の有無、存在する場合はその位置を、地上部から掘削することなく検出する方法及びシステムに関するものである。
埋設されたガスパイプライン等の金属パイプラインには、金属パイプラインの腐食を防止するために、その表面に塗覆装が設けられている。このような埋設金属パイプラインの塗覆装欠陥部(塗覆装が破れてパイプラインの金属表面が露出した箇所)を検出する従来技術としては、ポリエチレン等の高抵抗率塗覆装が施されてカソード防食されている金属パイプラインを対象にして、地表面上で2本の照合電極を管軸或いは管直方向に移動しながら地表面電位差を計測し、地表面電位差分布から塗覆装欠陥部を検出する方法が一般に知られている(NACE International,ANSI/NACE Standard RP0502-2002 Item No.21097,Standard Recommended Practice,Pipeline External Corrosion Direct Assessment Methodology,p.39(2002)参照)。
また、このような塗覆装欠陥検出方法としては、交流電流を金属パイプラインに連続通電して、埋設金属パイプライン直上を、地表面電位差を計測する車輪電極を用いたセンサ部を走行させて、塗覆装欠陥部の発生でパイプラインの金属部材が大地(地盤)に接触したことにより流れる信号電流によって形成される地表面電位差分布の変化を、2つの車輪電極間の信号電位差による特有の波形と位相の情報により判定することで塗覆装欠陥部の位置を検出する方法(下記特許文献1参照)、埋設金属パイプラインに交流信号電圧を印加し、該埋設金属パイプラインの塗覆装欠陥部に流出入する電流により磁界を発生させ、金属パイプラインの直上の地表面に沿って磁界強度を検出して塗覆装欠陥部を探査する方法(下記特許文献2参照)、埋設金属パイプラインと大地に設けられた接地極間に信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所の計測点にて埋設金属パイプラインの大地に対する管対地信号電圧を計測し、各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法(下記特許文献3参照)等が、提案されている。
特公平7−52166号公報 特開2000−249687号公報 特開2005−91191号公報
前述した従来技術は何れも、ポリエチレン等からなる高抵抗率塗覆装の欠陥部検出に適した技術であり、これをアスファルト等からなる歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインに適用しても良好な検出結果を得ることができない。
歴青質塗覆装は地中に設置してから短い期間で水分を吸収した状態になるので、歴青質塗覆装パイプラインはパイプラインの金属表面と電解質が接触している状態になっている。それ故に、カソード防食されている歴青質塗覆装パイプラインは、歴青質塗覆装を介して防食電流がパイプ内に流入することになり、パイプラインの管対地電位を防食電位以下に下げて良好な防食状況を維持することができる。つまり、カソード防食されている歴青質塗覆装パイプラインでは、塗覆装の多くの箇所から防食電流が流入している状態になっており、カソード防食を一時的に停止してパイプラインに信号電圧又は信号電流を印加すると塗覆装の多くの箇所から信号電流の流出入が生じることになるので、前述した従来技術の塗覆装欠陥検出方法では検出対象箇所を明確に特定できないことになる。
一方、歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインをカソード防食する際に、歴青質塗覆装が部分的に剥がれて金属表面が直接土壌に接触している場合や、埋設金属パイプラインの金属表面に他の金属構造物が接触している場合(以下、これをメタルタッチという)等には、それらの接触箇所で接地抵抗が異常に低くなり、これを放置すると防食管理上様々な問題が生じる。
一つは、その異常低接地箇所を含む防食範囲全体で良好な防食状況を得ようとすると防食効率が低下する問題が生じる。すなわち、例えば外部電源方式によってカソード防食を行う場合に、埋設金属パイプラインの一部に接地抵抗が異常に低い箇所があると、その箇所の管対地電位が防食電位以下になるように外部電源の出力が設定されることになり、歴青質塗覆装で全体が覆われており接地抵抗が均一に高い場合に比べて外部電源の出力を高くする必要がある。これによって、一部に接地抵抗が異常に低い箇所が存在すると、接地抵抗の高い多くの箇所では必要以上の防食電流が供給されることになり、防食効率の低下を招くことになる。
別の問題としては、異常に接地抵抗が低い局所的な箇所の管対地電位を防食電位以下にするために外部電源の出力を高く設定すると、アノード電極の設置位置近傍の防食対象では過防食の状態になって、塗覆装の陰極剥離やパイプラインの水素応力割れ等の過防食リスクが生じることになり、また、アノード電極からの発生電流(防食電流)が防食対象の周辺に存在する他の埋設金属構造物に直流干渉して、防食対象に流入させるべき防食電流が防食対象の周辺に存在する他の埋設金属構造物に流入して、その流出箇所で腐食を引き起こす等の不具合が生じることも懸念される。
したがって、歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインをカソード防食する際には、防食範囲内の異常低接地箇所を速やかに特定して、それに対する改善措置を講じることが必要になる。
しかしながら、前述した従来のカソード防食されている金属パイプラインを対象にした塗覆装欠陥検出方法によって、歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインをカソード防食する際の異常低接地箇所を検出しようとすると、前述したように多くの箇所で防食電流の流入が生じることによって異常低接地箇所の特定が困難になるだけでなく、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在する場合には、地表面電位差の分布状況の変化が異常低接地箇所の存在に起因するものか、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流の変化に起因するものかの区別がつかず、これによって異常低接地箇所を特定することができない問題が生じる。
また、従来技術のようにパイプラインに信号電流又は信号電圧を印加して、異常低接地箇所から流出入する信号電流等を検出する方法では、信号に特異性を持たせることで直流迷走電流且つ又は交流迷走電流との区別は可能であるが、特異信号を発生させるために装置が複雑になる問題が生じる。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインを対象にして、カソード防食を行う際に防食効率の低下,過防食,他埋設金属構造物への直流干渉等の原因になる異常低接地箇所を検出できること、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在する場合にも、装置の複雑さを招くことなく、カソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を明確に特定できること、等を目的とするものである。
本発明は、このような目的を達成するために、以下に示す特徴を少なくとも具備するものである。
一つには、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法であって、埋設金属パイプラインの埋設位置を確認して、その埋設位置の直上地上部に検出対象区間を設定し、該検出対象区間内でのカソード防食設備稼働の影響を排除する準備工程と、前記検出対象区間の一端に近接して電極を設置し、該電極から防食電流が発生するように前記電極と前記埋設金属パイプラインとを直流電源装置を介して接続する接続工程と、前記直流電源装置のオン・オフを繰り返しながら、前記検出対象区間に沿って、前記埋設金属パイプラインの管対地電位を計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差を計測する制御・計測工程とを有し、前記直流電源装置のオン・オフに対応した前記管対地電位の計測地点毎の変化と前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の計測地点毎の変化に基づいて、前記埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を検出することを特徴とする。
また一つには、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システムであって、埋設金属パイプラインの埋設位置を確認して、その埋設位置の直上地上部に設定される検出対象区間の一端に近接して設置される電極と、該電極から防食電流が発生するように前記電極と前記埋設金属パイプラインとの間に接続される直流電源装置と、前記直流電源装置のオン・オフを繰り返しながら、前記検出対象区間の各地点で、前記埋設金属パイプラインの管対地電位を計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差を計測する制御・計測手段と、前記直流電源装置のオン・オフに対応した前記管対地電位の計測地点毎の変化と前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の計測地点毎の変化に基づいて、前記埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明は、このような特徴を具備することで、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を適正に検出することが可能になり、この異常低接地箇所を改善することによって、防食効率の低下,過防食,他埋設金属構造物への直流干渉等のリスクを回避することができる。また、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在する場合にも、装置の複雑さを招くことなく、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を明確に特定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法を実行するためのシステム構成を説明する説明図である。
検出対象である埋設金属パイプライン1は、地中に埋設された状態で通常は外部電源方式,流電陽極方式又はその両方のハイブリッド方式によってカソード防食されている。この埋設金属パイプライン1に対して、確認された埋設位置の直上地上部に長さL(例えば、80〜100m)の検出対象区間ABを設定する。
この埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所検出システムは、検出対象区間ABの一端に近接して設置されている電極2、電極2から防食電流Idcが発生するように電極2と埋設金属パイプライン1との間に接続される直流電源装置3、制御・計測手段4、検出手段5を備えている。
電極2は、掘削することなく地中に打ち込むことができる金属棒によって形成することができ、電線10A,直流電源装置3,電線10Bを介して埋設金属パイプライン1に接続されている。
直流電源装置3は、直流電源3A,可変抵抗器3B,埋設金属パイプライン1との接続を通電及び遮断するスイッチ3Cによって構成することができる。
制御・計測装置4は、直流電源装置3のオン・オフを繰り返しながら、検出対象区間ABの各地点で、埋設金属パイプライン1の管対地電位P/Sを計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差S/Sを計測するものである。
管対地電位P/Sと地表面電位差S/Sは地表面に設置された一対の照合電極(例えば、飽和硫酸銅電極)6A,6Bと電圧計7によって計測される。照合電極6Aと埋設金属パイプライン1とを接続する電線10C間に設けた電圧計7Aによって計測される管対地電位P/Sの計測データと、埋設金属パイプライン1に沿って単位距離(例えば1m)だけ離れて設置されている一対の照合電極6A,6B間を接続する電線10D間に設けた電圧計7Bによって計測される地表面電位差S/Sの計測データが制御・計測装置4に入力されるようになっている。
また、制御・計測装置4からの出力信号によって直流電源装置3の可変抵抗器3B及びスイッチ3Cが制御できるようになっており、この出力信号によって直流電源装置3の出力設定及びオン・オフ制御を行うことができる。
検出手段5は、制御・計測手段4からの出力信号に基づいて埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所を検出するものであり、検出対象区間AB間で埋設金属パイプライン1の埋設位置に沿って一対の照合電極6A,6Bを移動させて、直流電源装置1のオン・オフに対応した管対地電位P/Sの計測地点毎の変化と直流電源装置オン時の地表面電位差S/Sの計測地点毎の変化に基づいて、埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所を検出する。
図2は、本発明の実施形態にかかる埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法の概略フローを示した説明図である。埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所検出方法は、準備工程S1,接続工程S2,制御・計測工程S3,検出工程S4を有している。
準備工程S1では、埋設金属パイプライン1の埋設位置を確認して、その埋設位置の直上地上部に検出対象区間ABを設定し、検出対象区間AB内でのカソード防食設備稼働の影響を排除する。埋設位置の確認は配管図面や既存の金属管探知機等を用いて行うことができる。検出対象区間ABを設定すると、その区間に影響を及ぼしている外部電源装置をオフにし、またその区間或いはその周辺に流電陽極が接続されている場合には、その流電陽極と埋設金属パイプライン1との接続を遮断する。
接続工程S2では、検出対象区間ABの一端に近接して電極2を設置し、電極2から防食電流Idcが発生するように電極2と埋設金属パイプライン1とを直流電源装置3を介して電線10A,10Bによって接続する。また、照合電極6A,6Bを検出対象区間ABの計測開始位置に設置し、照合電極6Aと埋設金属パイプライン1とを電圧計7Aが設けられた電線10Cによって接続し、照合電極6A,6B間を電圧計7Bが設けられた電線10Dによって接続する。
制御・計測工程S3では、直流電源装置3のオン・オフを繰り返しながら、検出対象区間ABに沿って、埋設金属パイプライン1の管対地電位P/Sを電圧計7Aによって計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差S/Sを電圧計7Bによって計測する。
検出工程S4では、直流電源装置3のオン・オフに対応した管対地電位P/Sの計測地点毎の変化と直流電源装置オン時の地表面電位差S/Sの計測地点毎の変化に基づいて、埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所を検出する。ここで計測地点毎の変化とは、照合電極6A,6Bの設置位置を検出対象区間ABで移動させた場合の各地点で計測された管対地電位P/Sと地表面電位S/Sの値の変化を指している。
このような埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法及びシステムによると、歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプライン1に対して、アスファルト等の歴青質塗覆装が部分的に剥がれて金属表面が直接土壌と接触しているか、或いは埋設金属パイプライン1が他の金属埋設物と接触(メタルタッチ)している等して、異常低接地箇所が存在する場合に、この箇所を管対地電位P/Sの計測地点毎の変化と地表面電位差S/Sの計測地点毎の変化に基づいて検出することができる。
この際に、直流電源装置3のオン・オフに対応した管対地電位P/Sと地表面電位差S/Sによる検出を行うので、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在する状況下であっても、それらの存在に関係なく異常低接地箇所を検出することができる。また、直流電源装置3によって防食電流Idcを供給している状態での管対地電位P/Sと地表面電位差S/Sによる検出を行うので、カソード防食されている状況下での異常低接地箇所を規格化された条件に基づいて検出することができる。
図3は、本発明の実施形態における制御・計測手段の具体的な機能又は制御・計測工程の具体的な工程を説明する説明図である。
制御・計測手段4によって実行される制御・計測工程S3において、直流電源装置3のオン・オフタイミングは、埋設金属パイプライン1における管対地電位が通電前に復帰可能で且つ埋設金属パイプライン1への通電状態を把握可能な時間にオン時間tONを設定し(図示の例では4sec)、埋設金属パイプライン1の管対地電位が通電前に復帰する時間にオフ時間tOFFを設定する(図示の例では1sec)。
直流電源装置3をオンさせることで、一定値に設定された直流電源装置3の出力によって得られる規格化された防食電流Idcが供給されることになり、その防食電流Idcの影響による管対地電位P/S及び地表面電位差S/Sの変化によって異常低接地箇所を検出するので、普遍性の高い異常低接地箇所を検出することができる。
この際、直流電源装置3の出力を継続させて防食電流Idcを連続的に又は長期間印加すると、埋設金属パイプライン1はカソード分極してパイプと電解質界面の状態が直流電源装置3の通電前の状態から大きく変化して、防食電流の印加を停止しても直流電源装置3通電前の管対地電位に戻らなくなる。このように、防食電流Idcの印加時間によって埋設金属パイプライン1の管対地電位が非可逆的に変化してしまうと、一つの地点での計測値とその後に計測された他の地点での計測値とで計測条件が変わってしまう問題が生じる。
これを解消するために、直流電源装置3のオン時間tONは埋設金属パイプライン1の管対地電位が通電前に復帰可能で且つ埋設金属パイプライン1への通電状態を把握可能な時間に設定しており、直流電源装置3のオフ時間tOFFは埋設金属パイプライン1の管対地電位が通電前に復帰する時間に設定している。これによって、各地点での計測を同条件で計測することが可能になり、その計測結果から普遍性のある異常低接地箇所を検出することができる。
直流電源装置3のオン時間tONは、直流電源装置3のオン後、電極2から最も離れた検査対象地点の管対地電位が管対地電位を指標としたカソード防食基準に合格した時点となる時間を計測前に設定しておく。
図3に示した実施形態では、直流電源装置3のオン・オフタイミングは、オン時間tONが4secでオフ時間tOFFが1secに設定しており、オン時間tON+オフ時間tOFF=5secを一つのサイクルとして、一点で複数サイクル(第1サイクル,第2サイクル,…)の計測を行っている(図3(a)参照)。前述した事情によって1地点の計測時間は必要最小限の時間にすることが必須であるから、本発明の実施形態ではこれを1サイクル当たり5secに設定している。また、オン時間tONとオフ時間tOFFを変える(オン時間tONを長く、オフ時間tOFFを短く設定する)ことで、直流電源装置3のオンに対応するパイプ/電解質界面状態の変化を最小化し、且つオフ後のパイプの復極(パイプラインがオン前の管対地電位に戻ろうとする現象)が進み過ぎて管対地電位がオン前の値よりもプラスにならないようにしている。以上によって、各サイクルにおけるパイプ/界面状態は等しくなり、再現性のあるデータが得られることになり、普遍性のある異常低接地箇所を検出することができる。
また、オン時間tONとオフ時間tOFFを変えることで、応答現象の把握が明確になる。本発明の実施形態は、あくまで直流電源装置3のオンに伴う一定の防食電流Idcに応答する現象の情報を把握することで、普遍性のある異常低接地箇所を検出している。
直流電源装置3の出力は、電極2を検出対象区間A,Bの一端A側に設置した場合には、その他端B(電極2から最も遠方にある地点)での管対地電位P/Sが、管対地電位を指標としたカソード防食基準(例えば、ISO15589−1によると、−850mV(CSE:飽和硫酸銅電極基準))に合格するように設定する。その設定が適正であれば、埋設金属パイプライン1の管対地電位P/Sの時系列プロフィール(経時変化)は、図3(b)に示すように直流電源装置3のオン・オフタイミングに同期して変化することになる。
このような管対地電位P/Sのプロフィールを考慮して、適正な計測値が得られ、しかも管対地電位P/Sが直流電源装置3のオン・オフタイミングに同期していることを確認するために、管対地電位P/Sの計測タイミングは、第1サイクルでは、直流電源装置3のオン時点の前後に計測区間a,bを設定し、直流電源装置3のオフ時点の前後に計測区間c,dを設定している。また、第2サイクル以降も同様に計測区間(a,b,c,d),(a,b,c,d),…を設定している(図3(c)参照)。図示の例では各計測区間は20msecに設定され、オン時点又はオフ時点の前後に10msecのタイムラグを設定している。また、地表面電位差S/Sの計測タイミングは、各サイクルにおいて、前述した管対地電位P/Sの計測区間c,c,c,…に同期して、計測区間e,e,eを設定している(図3(d)参照)。このようにオン時点又はオフ時点の前後に10msecのタイムラグを設定している理由は、直流電源装置3をオン・オフする際に発生するスパイクの影響を避けるためであり、これによって、異常計測値の取得を避けている。
図4は、本発明の実施形態における制御・計測手段の具体的な動作例を示した説明図である。この例では、制御・計測手段4は、内部にセットされたタイマーの作動に応じて時系列的に動作する。制御・計測手段4と電圧計7とを別に動作させる場合には、制御・計測手段4内蔵のタイマーと電圧計7内蔵のタイマーとをインターネットにより時刻合わせする。オン時間tONが4secでオフ時間tOFFが1secの1サイクル5secであれば、インターネットでの時刻合わせで十分対応可能である。
計測開始に伴ってタイマーが始動すると、第1サイクル(S30)が実行され、先ず、計測区間aで管対地電位P/Sのサンプリングが例えば0.1msec間隔で20msec間行われる(S30A)。
その後、設定時間(例えば、10msec)のタイムラグが設けられ、直流電源装置3のオン信号が出力され(S30B)、更にその後、設定時間(例えば、10msec)のタイムラグが設けられ、計測区間bで管対地電位P/Sのサンプリングが例えば0.1msec間隔で20msec間行われる(S30C)。
その後、設定時間(例えば、3940msec)のタイムラグが設けられ、計測区間cで管対地電位P/Sのサンプリングが例えば0.1msec間隔で20msec間行われ、それと同期して計測区間eで地表面電位差S/Sのサンプリングが例えば0.1msec間隔で20msec間行われる(S30D)。P/SとS/Sのサンプリングの同期は、1つのA/Dコンバータで0.1msecより高速の電位切り替えを行うか、或いは2つのA/Dコンバータを用いて、P/SとS/SのそれぞれにA/Dコンバータを一対一対応させることによって行うことができる。
その後、設定時間(例えば、10msec)のタイムラグが設けられ、直流電源装置3のオフ信号が出力され(S30E)、更にその後、設定時間(例えば、10msec)のタイムラグが設けられ、計測区間dで管対地電位P/Sのサンプリングが例えば0.1msec間隔で20msec間行われる(S30F)。
この第1サイクル(S30)では、計測区間a,dで直流電源装置3がオフ時の管対地電位P/Sが計測されており、計測区間b,cで直流電源装置3がオン時の管対地電位P/Sが計測されている。計測された管対地電位P/Sのサンプリングデータは、制御・計測手段4内のメモリに記憶される。
第1サイクル(S30)と同様に、第2サイクル(S31)及び第3サイクル(S32)を実行し、各計測区間(a,b,c,d,e),(a,b,c,d,e),(a,b,c,d,e)の各サンプリングデータに基づいて計測区間毎の計測時間平均値(P/S)〜(P/S)12,(S/S)〜(S/S)が求められる(S33)。
そして、前述した計測時間平均値によって更に3サイクルトータルの平均値計算を行い、一つの地点で、直流電源装置3のオン時とオフ時の管対地電位の差Δ(P/S)、直流電源装置3オン時の地表面電位差S/S、直流電源装置3オン時の管対地電位P/Sの3項目値を下記式(1),(2),(3)によって求める。ここでは、一点で3サイクルの計測を行うことを前提に説明しているが、4サイクル以上の複数のサイクルを設定することも可能である。
Figure 0004857136
このように計測時間を設定すると、計測中にたとえ直流迷走電流且つ又は交流迷走電流が存在していても、サンプルデータはこれらの迷走電流の影響を受けない。P/S,Δ(P/S),及びS/Sを得るための一つの計測区間は20msecで、データサンプリング間隔は0.1msecに設定しているので、一つの計測区間でデータ数が200点ある。前述したP/S,Δ(P/S),S/Sは200個のデータの計測時間平均値として求めることができるので、50Hzの商用周波数に起因する交流迷走電流やノイズの影響を受けない。検出対象の埋設金属パイプライン1が50Hzの交流誘導の影響を受けていても、前述した計測時間平均値により交流誘導の影響は排除される。地表面に50Hzの交流迷走電流が存在している環境下でも同様の理由で、交流迷走電流の影響は排除される。ここで、P/S,Δ(P/S),S/Sは全て電圧の直流成分である。直流迷走電流且つ又は交流迷走電流がある環境下でも、0.1msecのようなデータ高速サンプリングの計測時間平均値が電圧の直流成分になることを利用している。
更には、前述した計測時間平均値を用いて、管対地電位の計測値が直流電源装置3のオン・オフに同期して変化していることを確認する(同期確認S35)。この同期の確認は、直流電源装置3オン時点前後の計測値の差と直流電源装置3オフ時点前後の計測値の差が極性反転していることを確認することによって行うことができる。
具体的な確認方法の一例を以下に説明する。第1サイクル〜第3サイクルにおける直流電源装置3のオン時点前後の計測時間平均値を用いて、{(P/S)−(P/S)}=K,{(P/S)−(P/S)}=K,{(P/S)10−(P/S)}=Kをそれぞれ計算し、その計算値が正の場合には1を各係数K,K,Kに代入し、その計算値が負の場合には−1を各係数K,K,Kに代入する。また、直流電源装置3のオフ時点前後の計測時間平均値で、{(P/S)−(P/S)}=K,{(P/S)−(P/S)}=K,{(P/S)12−(P/S)11}=Kをそれぞれ計算し、その計算値が正の場合には1を各係数K,K,Kに代入し、その計算値が負の場合には−1を各係数K,K,Kに代入する。そして、ΣK1〜6(各係数に代入された数値の合計)を計算して、それがゼロであれば同期していることが確認でき、それがゼロでない場合は同期していないと判定することができる。
これによって同期が確認できた場合には、直流電源装置3のオン・オフによって管対地電位P/Sが時間変化していることが確認できるので、この管対地電位P/S又はΔ(P/S)を用いて異常低接地箇所を検出することで、直流迷走電流且つ又は交流迷走電流或いは突発的な通電現象の影響を排除し、規格化された防食電流Idcが作用している状況下での普遍的な異常低接地箇所を検出することが可能になる。
図5は、検出工程及び検出結果に基づく対策フローを含む本発明の実施形態に係る埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法の全体フローを示した説明図である。
準備工程(S1)では、前述したように検査対象となる埋設金属パイプライン1の埋設位置の確認が行われ、検出対象区間ABの設定がなされる(S100)。検出対象区間ABが決まると、前述したようにその区間内でのカソード防食設備稼働の影響を排除する(S101)。
そして、接続工程(S2)では、前述したように、検出対象区間ABの一端に近接して電極2を設置し、電極2と埋設金属パイプライン1との間に直流電源装置3を接続する(S200)。
制御・計測工程(S3)では、検出対象区間ABの他端での管対地電位P/Sがカソード防食基準(例えば、ISO15589−1によると、−850mV(CSE:飽和硫酸銅電極基準))に合格するように直流電源装置3の出力を設定する(S300)。そして、直流電源装置3を制御・計測手段4の出力によってオン・オフ作動制御しながら(S301)、検出対象区間ABの一端側の一地点で、前述したS30〜S34ステップ(図4参照)を実行して、直流電源装置オン時の管対地電位P/S,直流電源装置オン時とオフ時の管対地電位差Δ(P/S),直流電源装置オン時の地表面電位差S/Sを計測する(S302)。その後、前述したS35ステップ(図4参照)によって同期確認を行い、P/SとΔ(P/S)が直流電源装置3のオン・オフに同期しているか否かの判断を行う(S303)。この同期が得られていない場合は、直流電源装置3の出力再設定を行って(S304)、再びS302ステップを実行し、同期が得られている場合は、照合電極6A,6Bを移動させることによって計測地点を移動させて、計測対象区間AB全体を走査終了するまで、S302,S303(S304)の各ステップを繰り返し実行する(S305)。
検出対象区間AB全体で制御・計測工程(S3)を実行した後に、検査工程(S4)に移行する。検査工程(S4)では、直流電源装置3のオン・オフに対応した管対地電位の計測地点毎の変化(直流電源装置3オン時の管対地電位P/Sの計測地点毎の変化と直流電源装置3のオン時とオフ時の管対地電位差Δ(P/S)の計測地点毎の変化)と直流電源装置3オン時の地表面電位差S/Sの計測地点毎の変化に基づいて、埋設金属パイプライン1の異常低接地箇所を検出する。
より具体的には、直流電源装置3オン時の管対地電位P/Sが他の位置における値に対してプラスよりの値を示し、且つ、直流電源装置3のオン時とオフ時の管対地電位差Δ(P/S)が他の位置における値より小さい値を示し、且つ、直流電源装置3オン時の地表面電位差S/Sがその位置の両側で極性反転する位置を、異常低接地箇所として検出する。
これによると、歴青質塗覆装が施された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所をカソード防食が施された状況下で精度の高い検出が可能になる。すなわち、直流電源装置3オン時の地表面電位差S/Sが極性反転する位置は防食電流が流入するか或いは埋設金属パイプライン1から周辺電解質に電流が流出している箇所と言えるが、歴青質塗覆装1Aが施された埋設金属パイプライン1の場合には、この箇所が必ずしも防食管理上問題となる異常低接地箇所になるとは限らない。そこで、直流電源装置3オン時の管対地電位P/Sが他の位置における値に対してプラスよりの値を示す条件と、直流電源装置3のオン時とオフ時の管対地電位差Δ(P/S)が他の位置における値より小さい値を示す条件を更に加えることで、歴青質塗覆装が剥がれて金属面が露出している箇所やメタルタッチが生じている箇所等、検出対象となる異常低接地箇所をより高精度で特定できるようにしている。
また、本発明の実施形態では、計測項目であるP/SとΔ(P/S)の経時変化が直流電源装置3のオン・オフに同期していることを確認しているので、検出工程(S4)において異常低接地箇所を特定する判断は、規格化された防食電流Idcの供給・停止に基づくP/S,Δ(P/S)の計測値によって行われることになり、これによって普遍的な検出結果を得ることができる。
この検出工程(S4)で、前述したP/S,Δ(P/S),S/Sによる判定の結果、位置特定ができない場合には異常低接地箇所なし(S401)の結論が出され、位置特定ができた場合には、その特定された位置で異常低接地箇所を検出する(S402)。
異常低接地箇所が検出された場合には、それを解消するための対策が必要になる。この対策フローとしては、検出された箇所にプローブを設置して(S500)、直流電気鉄道システム稼働時において、プローブ電流密度を計測する(S501)。そして、計測結果がプローブ電流密度を指標としたカソード防食基準に合格していない場合は、即座に異常低接地箇所を掘削して改善工事を実施する(S503)。また、計測結果がプローブ電流密度を指標としたカソード防食基準に合格している場合には、即座の改善工事は必要ないので、他路線の異常低接地箇所の状況を考慮した優先順位付けに基づいて改善工事の実施を計画する(S504)。
図6は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。この実施形態では、検出工程で2段階の条件判定を行い、前述した実施形態に対して更に厳格に異常低接地箇所を特定する。ここでは、検出工程のみを説明するが他の工程は前述した実施形態と同様である。
この実施形態では、検出工程(S4)において、前述した実施形態のS400ステップを実行して、位置特定ができない場合には、前述同様に異常低接地箇所なし(S401A)の結論が出される。しかしながら、このS400ステップで位置特定ができた場合であっても、その特定された地点で計測されたサイクル毎のP/S,Δ(P/S),S/Sに再現性があるか否かの判定を行い(S410)、再現性がない場合は異常低接地箇所なし(S401B)の結論が出され、再現性がある場合に、その位置において異常低接地箇所を検出する(S411)。
この実施形態においては、前述したように1地点当たり3サイクル以上の複数計測サイクルを実行することで、計測値の再現性を確認することができる。検出対象としている歴青質塗覆装の剥がれやメタルタッチ等による異常低接地箇所は、複数回のサイクルからなる設定された計測時間での時系列的変動がないことが特徴の一つと言える。1地点当たり3サイクル以上の複数回のサイクルでの計測と、計測されたP/S,Δ(P/S),S/Sの値の最大値と最小値の差が、ISOに定める直流電圧計の精度(0Vから10Vの電圧範囲で、±5mV)以下であることにより、計測結果に再現性があることを確認することができる。
図7は、検出対象区間ABにおけるP/S,Δ(P/S),S/Sの計測地点毎の変化の計測例及び異常低接地箇所の検出例を示した説明図である。図示のように、S/Sの計測地点毎の変化のみでは、S/Sが極性反転する位置は多数あり、検出対象の異常低接地箇所を特定することができないが、P/S及びΔ(P/S)の計測結果を加味することにより、図示の斜線で示した異常低接地箇所を明確に特定することができる。
本発明の実施形態にかかる埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法を実行するためのシステム構成を説明する説明図である。 本発明の実施形態にかかる埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法の概略フローを示した説明図である。 本発明の実施形態における制御・計測手段の具体的な機能又は制御・計測工程の具体的な工程を説明する説明図である。 本発明の実施形態における制御・計測手段の具体的な動作例を示した説明図である。 検出工程及び検出結果に基づく対策フローを含む本発明の実施形態に係る埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法の全体フローを示した説明図である。 本発明の他の実施形態を示す説明図である。 検出対象区間におけるP/S,Δ(P/S),S/Sの計測地点毎の変化の計測例及び異常低接地箇所の検出例を示した説明図である。
符号の説明
1 埋設金属パイプライン
1A 歴青質塗覆装
2 電極
3 直流電源装置
3A 直流電源
3B 可変抵抗器
3C スイッチ
4 制御・計測手段
5 検出手段
6A,6B 照合電極(飽和硫酸銅電極)
7,7A,7B 電圧計
10A,10B,10C,10D 電線
dc 防食電流

Claims (11)

  1. 歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法であって、
    埋設金属パイプラインの埋設位置を確認して、その埋設位置の直上地上部に検出対象区間を設定し、該検出対象区間内でのカソード防食設備稼働の影響を排除する準備工程と、
    前記検出対象区間の一端に近接して電極を設置し、該電極から防食電流が発生するように前記電極と前記埋設金属パイプラインとを直流電源装置を介して接続する接続工程と、
    前記直流電源装置のオン・オフを繰り返しながら、前記検出対象区間に沿って、前記埋設金属パイプラインの管対地電位を計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差を計測する制御・計測工程とを有し、
    前記直流電源装置のオン・オフに対応した前記管対地電位の計測地点毎の変化と前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の計測地点毎の変化に基づいて、前記埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を検出することを特徴とする埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  2. 前記制御・計測工程において、前記埋設金属パイプラインの管対地電位が通電前に復帰可能で且つ前記埋設金属パイプラインへの通電状態を把握可能な時間に前記直流電源装置のオン時間を設定し、前記埋設金属パイプラインの管対地電位が通電前に復帰する時間に前記直流電源装置のオフ時間を設定することを特徴とする請求項1に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  3. 前記直流電源装置のオン・オフに対応した管対地電位の計測地点毎の変化は、前記直流電源装置オン時の管対地電位の計測地点毎の変化と前記直流電源装置のオン時とオフ時の管対地電位の差の計測地点毎の変化とからなり、
    前記直流電源装置オン時の管対地電位が他の位置における値に対してプラスよりの値を示し、前記直流電源装置のオン時とオフ時の管対地電位の差が他の位置における値より小さい値を示し、且つ、前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の値がその位置の両側で極性反転する位置を、前記異常低接地箇所として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  4. 前記制御・計測工程において、前記検出対象区間の1地点で前記直流電源装置のオン・オフを複数回繰り返し、前記管対地電位の計測値が前記直流電源装置のオン・オフに同期して変化することを確認することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  5. 前記同期の確認は、前記直流電源装置オン時点前後の計測値の差と前記直流電源装置オフ時点前後の計測値の差が極性反転していることを確認することを特徴とする請求項4に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  6. 前記制御・計測工程において、前記地表面電位差の計測は前記直流電源装置オン時の管対地電位の計測と同期して行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  7. 前記制御・計測工程において前記検出対象区間の1地点で前記直流電源装置のオン・オフを複数回繰り返し、
    前記直流電源装置オン時の管対地電位と、前記直流電源装置のオン時とオフ時の管対地電位の差と、前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の各値が、各回の計測毎に再現性があることを確認することを特徴とする請求項3に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出方法。
  8. 歴青質塗覆装が施されてカソード防食されている埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システムであって、
    埋設金属パイプラインの埋設位置を確認して、その埋設位置の直上地上部に設定される検出対象区間の一端に近接して設置される電極と、
    該電極から防食電流が発生するように前記電極と前記埋設金属パイプラインとの間に接続される直流電源装置と、
    前記直流電源装置のオン・オフを繰り返しながら、前記検出対象区間の各地点で、前記埋設金属パイプラインの管対地電位を計測すると共に、単位2地点間の地表面電位差を計測する制御・計測手段と、
    前記直流電源装置のオン・オフに対応した前記管対地電位の計測地点毎の変化と前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の計測地点毎の変化に基づいて、前記埋設金属パイプラインの異常低接地箇所を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システム。
  9. 前記制御・計測手段は、前記埋設金属パイプラインの管対地電位が通電前に復帰可能で且つ前記埋設金属パイプラインの通電状態を把握可能な時間に前記直流電源装置のオン時間を設定し、前記埋設金属パイプラインの管対地電位が通電前に復帰する時間に前記直流電源装置のオフ時間を設定することを特徴とする請求項8に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システム。
  10. 前記制御・計測手段は、前記直流電源装置オン時の前記管対地電位と前記直流電源装置オフ時の前記管対地電位と前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差をそれぞれ計測し、
    前記検出手段は、前記直流電源装置オン時の管対地電位が他の位置における値に対してプラスよりの値を示し、前記直流電源装置のオン時とオフ時の管対地電位の差が他の位置における値より小さい値を示し、且つ、前記直流電源装置オン時の前記地表面電位差の値がその位置の両側で極性反転する位置を、前記異常低接地箇所として検出することを特徴とする請求項8又は9に記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システム。
  11. 前記制御・計測手段は、前記検出対象区間の1地点で前記直流電源装置のオン・オフを複数回繰り返し、前記直流電源装置オン時の管対地電位の計測と同期して前記地表面電位差の計測を行い、
    前記検出手段は、前記管対地電位の計測値が前記直流電源装置のオン・オフに同期して変化することを、前記直流電源装置オン時点前後の計測値の差と前記直流電源装置オフ前後の計測値の差が極性反転していることによって確認することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載された埋設金属パイプラインの異常低接地箇所検出システム。
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