JP2005091191A - 埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法 - Google Patents

埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法 Download PDF

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尚 大平
Fumio Kajiyama
文夫 梶山
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Abstract

【課題】埋設金属管の塗覆装欠陥部の有無ならびに塗覆装欠陥部の位置を交通規制をしないで、若しくは短時間の交通規制のみで検出可能な塗覆装欠陥部検出方法を提供する。
【解決手段】 埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法であって、該埋設金属管1と大地間に信号発生器2によって信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所の計測点3にて該埋設金属管1の大地に対する管対地信号電位を計測し、各計測点3から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出することを特徴とする埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、埋設金属管における塗覆装欠陥部の存在の有無の判定および塗覆装欠陥部が存在する場合はその位置を、開削することなく検出する技術に関する。
埋設されたガス導管等に代表される金属管の塗覆装欠陥部を検出する従来技術としては、2本の照合電極を管軸および管直方向に移動しながら地表面電位差(場合によっては管対地電位も同時に計測)を計測し、地表面電位差分布から塗覆装欠陥部を検出する方法が知られている。また、特公平7−52166号公報に開示されているように、交流電流を金属管に連続通電して埋設金属管直上を地表面電位差を計測する車輪電極を用いたセンサ部を走行させ、塗覆装欠陥部により金属部材が大地(地盤)に接触したことにより流れる信号電流がつくりだす地表面電位差分布の変化を、2つの車輪電極間の信号電位差が作り出す特有の波形と位相の情報より判定する技術がある。
同様な地表面電位差を計測して金属管の塗覆装欠陥部を検出する方法として、特開2000−19158号公報、特開2003−4686号公報、特開2003−4687号公報がある。
また、特開2000−249687号公報には、埋設金属管に発信器により交流信号電圧を印加し、該埋設金属管の塗覆装欠陥部に流出入する電流により磁界を発生させ、金属管の直上の地表面に沿って磁界強度を検出して埋設金属管の塗覆装欠陥部を探査する方法が開示されている。
特公平7−52166号公報 特開2000−19158号公報 特開2003−4686号公報 特開2003−4687号公報 特開2000−249687号公報
上記の従来技術に係る埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法は、埋設ガス導管や埋設石油導管などの維持管理に有用な検査技術として大いに活用されている。
2本の照合電極を管軸および管直方向に移動しながら地表面電位差(場合によっては管対地電位も同時に計測)を計測し、地表面電位差分布から塗覆装欠陥部を検出する方法では、照合電極の接地抵抗を低くするため、舗装面上に照合電極の設置孔をあけるか、舗装面に水を撒くなど検査に相当の時間と労力を要し、さらに何よりも直流または交流の迷走電流が存在すると塗覆装欠陥部を検出できないという欠点があった。
また、ガス導管のほとんどは一般公共道路に埋設されていることが多い。このため特に交通量の多い幹線道路下に埋設されている金属管を対象として塗覆装欠陥部を検出する検査を行う場合、埋設管上の道路にセンサ部を走行させるため、一般車両の通行を制限しなければならない。このため、通行制限による交通渋滞を引き起こす課題があった。
また、交通量の多い昼間を避けるためにやむなく夜間に調査工事を行う場合、交通整理要員の配置による検査コスト増といった課題があった。
さらに、検査対象となるガス導管等は長距離に渡って埋設されているため、全長の塗覆装欠陥を検査するには長い期間と多大な費用を要するという課題もあった。
本発明は、このような従来技術の課題を解消するべく案出したものであり、その主な目的は、長距離に渡って埋設されている埋設金属管の塗覆装欠陥部を簡易に、効率よく、且つ迅速に検出することを可能とする、埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法を提供するものである。
本発明では上記従来技術の課題を解決するために以下の構成とした。
埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法であって、該埋設金属管と大地間に信号発生器によって信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所の計測点にて該埋設金属管の大地に対する管対地信号電位を計測し、各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出することを特徴とする埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法である。
前記管対地信号電位を計測する複数箇所の計測点としては、埋設金属管に沿って間隔をおいて配置されている既設のカソード防食管理用のターミナルリード線を使用することができる。
また、各計測点から得られる管対地信号電位の距離に対する減衰の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法としては、信号電圧印加点からの距離と各計測点の管対地信号電位の関係をグラフにプロットし、このプロットを結んだ線の傾きの変化から塗覆装欠陥部を判定する。
または、隣接する計測点の管対地信号電位差を演算し、該管対地信号電位差の単位区間換算値の変化から塗覆装欠陥部を判定することができる。
さらに、前記の方法によって判定した各計測点間の埋設金属管の塗覆装欠陥部の位置をさらに詳細に特定するために従来技術を組み合わせて、塗覆装欠陥部が存在する計測点間を車輪電極により移動しながら地表面電位差を検出し、検出した地表面電位差波形から塗覆装欠陥部の詳細位置を特定することとしてもよい。
[本発明の作用]
通常、埋設金属管に交流の信号電圧を印加した場合、信号の伝播は、埋設金属管のもつ材料の電気抵抗と金属管を埋設することで鋼材、塗覆装、土壌等の電解質により形成される電気的な容量成分を介して流出することにより、印加点から距離が離れるに従って式(1)に示すように指数関数的に減衰する。
Vp(x)=Vs・exp(a・x) ・・・(1)
ここで Vp(x):信号電圧印加点からx km離れた地点の管対地信号電位(V)
Vs :信号電圧印加点における管対地信号電位(V)
a :調査対象とする埋設金属管固有の係数
(例えば実施例2においては、-0.2)
この信号電圧が印加された埋設金属管の一部分に何らかの理由で塗覆装欠陥部が存在した場合、この塗覆装欠陥部は金属と大地(地盤)が直接接触する低接地部位となり、他の塗覆装の健全な部位と比較すると、欠陥部の接地抵抗に反比例した大きな信号電流の出入り口となる。このため、信号の伝播する回路としては欠陥部が電気的な接地極とみなすことができ、信号は塗覆装の欠陥がない部分は指数関数的に減衰するが、塗覆装欠陥がある部分において減衰が大きくなり段差をもった形状として減衰グラフが得られることをフィールド計測により発見した。
即ち、本発明は、埋設金属管と大地間に信号発生器によって信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所の計測点にて該埋設金属管の大地に対する管対地信号電位を計測し、各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法である。このため、前記従来技術のように埋設管の直上の路面を連続的に走行することなく、信号電圧の印加点から適宜間隔毎に離れた計測点毎に管対地信号電位を計測して得られた減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する。
なお、本発明で得られる欠陥部は、ある計測点間のおおよその位置であるため、正確な位置を特定する場合は欠陥の存在が認められた区間において、例えば前述した特公平7−52166号公報に開示されている技術を併用し、詳細な位置を判別することができる。
計測点はできるだけ間隔を狭くした方が欠陥部の精度は高まるが、埋設管の絶縁被覆を剥いで計測器の信号入力端子を接触させる必要があるため、カソード防食管理用に設けられている既設のターミナルボックスやバルブステーションを用いる方がよい。また、橋梁添架部やステーションなどで管体が地上に露出している部分に計測点を設けてもよい。
管対地信号電位を計測して得られた減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法には、以下の方法がある。
(1)管対地信号電位の減衰量の変化点を欠陥部と判定する。但し、この方法は欠陥箇所が信号電圧印加点から遠距離になると小さな管対地信号電位になり、計測器の精度の限界とS/N比の兼ね合いより判別が困難となるため、計測対象範囲のうち、信号電圧印加地点に比較的近い欠陥箇所の検出に利用するのが良い。
(2)管対地信号電位信号の伝播形状をそのままの数値でプロットすると遠距離では信号電位の絶対値が小さくなり減衰の傾きが小さなグラフとなるため、塗覆装欠陥によって生じる減衰の小さな変化を表し難い。
しかし、管対地信号電位を対数で表すと遠距離の小さな変化を判断するのが容易となる。
(1)式の対数を取ると
log{Vp(x)}=log{Vs・exp(a・x)}
=log(Vs)+log{exp(a・x)}
=log(Vs)+a・x{ln(e)/ln(10)}
=0.43・a・x+log(Vs) ・・・(2)
これは、log{Vp(x)}が切片log(Vs)で傾き0.43・aの1次関数として表わされることがわかる。
このため、各計測点の管対地信号電位の値を対数で表現すると、遠距離の小さな減衰状況でもS/N比の良い信号電圧印加点近傍でのデータより直線で推定できるため、遠方での欠陥が起こす減衰の変化を見逃さないため、塗覆装欠陥部を精度よく検出可能となる。
(3)また、計測点間の管対地信号電位の電位差を比較して塗覆装欠陥部を検出する方法がある。
この方法は、隣接する各計測点間の管対地信号電位の電位差を比較して、その電位差の単位区間換算値の変化から塗覆装欠陥部を検出するものである。この方法によれば、隣接する各計測点の電位差を相対的に比較して判別できるため、管対地信号電位が距離に対して指数関数的に距離に対して減衰しても電位差の変化を容易に判別することができ、計測対象範囲の全体に渡って精度よく塗覆装欠陥部を検出することができる。
前記の方法によって判定した各計測点間の埋設金属管の塗覆装欠陥部の位置をさらに詳細に特定するには、従来の塗覆装欠陥部検出技術を組み合わせて、塗覆装欠陥部が存在する計測点間の区間の路面上を車輪電極により移動しながら地表面電位差を検出し、検出した電位差波形から塗覆装欠陥部の詳細位置を特定する。この場合、路面上を走査することになるが、塗覆装欠陥部が存在する短い区間に限られ、短時間で検査できるため交通規制する時間が大幅に短縮される。
本発明は埋設金属管の塗覆装欠陥部の有無と、塗覆装がある場合にはその塗覆装欠陥部の位置を計測点間の区間で特定する塗覆装欠陥部検出方法であって、信号電圧の印加点から離間する複数箇所の計測点にて管対地信号電位を計測し、各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法である。
このため、従来技術のように埋設管上の路面に沿って計測装置を走行させる必要がないため、幹線道路や交通量の多い道路での検査においても交通渋滞を引き起こす事がなく、交通整理要員の増加によるコスト増といった課題も解消できる。
また、各計測点として既設のカソード防食管理用のターミナル等を利用すると、埋設金属管から新たに信号線を取り出したり計測箇所を設ける必要もなく経済的に検査できる。
上記各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出するに当たり、各計測点の管対地信号電位の値を対数で表現すると、信号電圧印加点から遠距離の小さな管対地信号電位をグラフ上では大きく表わせるため、塗覆装欠陥部を精度よく検出することができる。
また、計測点の管対地信号電位の電位差を比較して塗覆装欠陥部を検出する方法によれば、隣接する各計測点の管対地信号電位差を相対的に比較して判別できるため、管対地信号電位が指数関数的に距離に対して減衰しても精度よく塗覆装欠陥部を検出することができる。
なお、計測点間の塗覆装欠陥部の存在を確認後、詳細な塗覆装欠陥部を特定するために従来の車輪電極を備えた計測装置を走査させる方法を組み合わせた場合も、従来技術を使用する範囲は短区間であるため、交通規制する範囲と時間は著しく短縮でき効率よく検査することができる。
図1は本発明の実施形態を示すものであって、いま検査しようとする埋設金属管1の検査対象範囲の一端側に、埋設金属管1と大地間に信号発生器2によって信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所に設けた計測点3にて該埋設金属管1の大地に対する管対地信号電位を計測する基本的な構成を示している。この場合、カソード防食の方式がマグネシウムなどを用いた流電陽極法による場合は、マグネシウム陽極が低接地個所となり検出精度を低下させるため、本発明を適用する場合は、防食電流、電位監視用に設けられているターミナルボックスで絶縁区間内の全てのマグネシウム陽極との接続をオフにした状態にする必要がある。また、カソード防食の方式が外部電源法による場合は、同様に外部電極が低接地個所となるために検査時間中は外部電源をオフにする必要がある。以下、本発明の埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法における主要な構成要件について説明する。
<信号発生器>
信号発生器1から埋設金属管1と大地間に印加する交流電気信号は、S/N比を向上させるため商用周波数及びこの高調波を外した周波数の電気信号を用いる。これにより直流、交流電気鉄道による迷走電流やその他の電気設備から発せられる直流および交流ノイズをかなり低減でき、塗覆装欠陥部の検出精度を上げることが可能となる。また、信号周波数は埋設金属管1の径、埋設延長(絶縁距離)によって定在波による伝播うねりが生じないような周波数を選択する必要がある。
<管対地信号電位の計測点>
管対地信号電位の計測点3は通常、前記信号電圧の印加点から数百m間隔毎に配置する。
検査対象区間が短い場合は、埋設金属管1の端部にて信号電圧を印加し、一方向に設けた計測点3で管対地信号電位を計測する。また、検査対象区間が長い場合は、適切な電圧値を確保するため信号電圧を電源負荷の許容する範囲で増加させるかまたは、信号電圧の印加点を移動してもよい。また、検査対象区間の中間部にて信号電圧を印加し、左右に配置した計測点3で管対地信号電位を計測してもよい。
計測点3は埋設金属管に沿って適宜間隔毎に設置されている既設のカソード防食管理用のターミナルボックスおよび流電陽極法によるカソード防食方式の場合は、流電陽極と埋設管を接続しているリード線をはずして埋設金属管側のリード線を利用するのが望ましい。このターミナルボックスは数百m毎に設けられており、埋設金属管の対地電位を計測するための端子が備えられているため、この端子で管対地信号電位を容易に計測することが出来る。また、バルブステーションや、橋梁添架部等の埋設金属管が地上に露出している箇所を計測点に加えてもよい。
<管対地信号電位の計測装置>
上記計測点3において管対地信号電位を計測するには、従来の塗覆装欠陥部検出法に使用されているものと同様な電位差計測装置(管対地信号電位計測装置4)を用いる。即ち、ノイズを除去して目的信号を精度よく計測するため参照信号発信器を内蔵して印加信号と同様な周波数成分のみを取り出すロックインアンプまたは、フィルターによる目的信号のフィルタリングと交流電圧計の組み合わせを用いることができる。但し、本発明に用いる管対地信号電位計測装置4は位相の計測機能や記録計が不要であるため、簡易なハンディタイプの計測装置とすることが出来る。
なお、各計測点3を信号線で結び集中監視部で監視するようにしてもよい。
上記の信号発生器2および管対地信号電位計測装置4を用いて本発明に係る埋設金属管の塗覆装欠陥部を検出する方法について説明する。
埋設金属管1に前記信号電圧を印加した状態とし、各計測点3の管対地信号電位を順次計測する。そして、全ての計測点3の計測データを取得した後、以下によって塗覆装欠陥部の有無とその位置を判別する。
[実施形態1]
得られた各計測点3の管対地信号電位(V)の値と計測点距離(x)の関係を減衰量としてグラフにプロットし各プロットを線で結ぶ。プロット線が同一の傾きで減衰すれば計測対象区間に塗覆装欠陥部は存在しないと判定するが、プロット線の途中に段差等の変化が認められたらこの計測点間に欠陥が存在すると判定する。
[実施形態2]
また、各計測点3の管対地信号電位(V)の対数値を減衰量としてグラフにプロットする(片対数グラフを用いてもよい)。このプロット線が1本の直線で変化がなければ、計測対象区間に欠陥部は存在しないと判定する。また、上記プロット線に段差等の変化が認められたらこの計測点区間に欠陥部が存在すると判定する。
[実施形態3]
前記実施形態1,2と同様にして各計測点3の管対地信号電位を計測した後、別の方法で埋設金属管1の塗覆装欠陥部を検出することができる。
この方法は、隣接する各計測点3の管対地信号電位の電位差を演算し、該電位差の単位区間換算値の変化から塗覆装欠陥部を判定するものである。前述のように管対地信号電位は指数関数的に減衰するため、管対地信号電位の絶対値によって変化を見出すのは困難である。しかしながら、隣接する各計測点3の管対地信号電位の電位差を演算し、相対的に比較すれば明確に欠陥部における変化を見出すことが出来る。なお、計測点3が等間隔になっていない場合は、各計測点間の電位差を基準となる単位区間の換算値に補正して比較する。勿論、計測点間が等間隔であれば、各計測点間の電位差をそのまま比較すればよい。
[実施形態4]
上記実施形態1〜3によって検出する埋設金属管1の塗覆装欠陥部は、各計測点間の区間を特定するものである。例えば、計測点の間隔が200mであればこの200m間のどこかに塗覆装欠陥部が存在することが解る。従って、塗覆装欠陥部を補修するには塗覆装欠陥部の詳細な位置を特定して掘削面積を小さくした方が効率がよい。
このためには、前記のような計測点間の塗覆装欠陥部検出方法と、従来法である埋設管上の路面を車輪電極を走行させて地表面電位差を検出して、検出した管対地信号電位差の波形から塗覆装欠陥部を検出する方法を組み合わせて、計測点間の塗覆装欠陥部をさらに詳細に特定することにした方がよい。この場合、従来法による塗覆装欠陥部を検出する方法では交通規制して車輪電極を走行させることになるが、この検査区間は計測点間の短区間であるため規制の範囲および時間も短くて済みあまり問題にはならない。
以下、本発明を用いて埋設金属管1の塗覆装欠陥部を検出した具体的な実施例について説明する。
埋設金属管1は、ポリエチレン塗覆装を施した口径900mmの鋼管で絶縁継手間距離(検査対象範囲)約40kmの程度の導管である。信号発生器2から埋設金属管2と大地間に印加した信号電圧は220Hz、10Vとした。
表1は信号電圧印加点から2.18km〜4.55kmの範囲におけるデータを示したものであって、信号電圧印加点からの計測点3の距離、計測点区間および各計測点3における管対地信号電位のデータ、管対地信号電位の対数値および各計測点間の管対地信号電位差を単位距離(1km)に換算した管対地信号電位差の換算値である。
Figure 2005091191
図2は前記欠陥判別の実施形態1に係るものであって、表1の各計測点における管対地信号電位(mV)を縦軸に、信号電圧印加点からの距離(km)を横軸にして管対地信号電位データをプロットし、プロットを結んだ距離に対する減衰グラフである。
図3は前記欠陥判別の実施形態2に係るものであって、縦軸の管対地信号電位(V)は対数値log(Vp)を表したものである。
この実施例の場合は、欠陥位置が信号電圧の印加点から比較的近いため図2、図3の何れの減衰グラフにおいても、T−15からT−20までの区間は電位が1380mV〜850mVとほぼ直線状にスムーズに低下しているが、T−20とT−21間で急激に低下する段差が認められる。そして、T−21より遠方の管対地信号電位は緩やかに低下している。即ち、管対地信号電位の距離に対する減衰が急激に変化(段差)するT−20とT−21計測点間に塗覆装欠陥部が存在すると判定することができた。
なお、検査後にT−20とT−21間に従来技術である特公平7−52166号公報技術を適用し、埋設金属管1の塗覆装欠陥部のさらに細かい位置を特定するために、図示を省略するが、塗覆装欠陥部が存在する計測点3の区間を、埋設金属管1の塗覆装欠陥部と、大地(地盤)との間に信号発生器から交流信号電流を通じさせて、受信装置における車輪電極により埋設金属管1の直上を移動しながら地表面電位差を検出し、検出した地表面電位差波形(詳しくは、参照信号発生器が出力する前記計測信号発生器の出力周波数との相対的位相変化の程度が少なくとも180度/時間より小さい範囲の同じ周波数の参照信号と同期しない信号の雑音信号をロックインアンプにより除去し、参照信号と同期した信号の波形の変化)から塗覆装欠陥部の詳細な位置特定を行った後、開削して調査を行った結果、間違いなく塗覆装欠陥部の存在を確認した。
図4は前記欠陥判別の実施形態3に係るものであって、表1における隣接計測点間の管対地信号電位差(mV)を区間距離(km)で補正した換算値を、各区間毎に棒グラフで表したものである。表1、図4によると、T−20とT−21間の電位差は2148mVであり、他の区間の電位差167〜522mVに較べて著しく大きい値を示す特異点であることから、T−20とT−21間に塗覆装欠陥部が存在すると判定することができる。
なお、計測対象範囲内に複数箇所の欠陥がある場合、それぞれの欠陥箇所で生じる減衰曲線の変化から複数箇所の欠陥部を検出可能である。
本発明を21kmの調査区間に適用した例を示す。
前記実施例と同様に10Vの信号電圧を印加した信号の印加点を原点として、1km毎の信号電位を計測してプロットしたものである。この実施例では、信号電圧の印加点から遠方に欠陥が存在する場合の欠陥を検出することを検証するため、信号電圧の印加点から16km地点に模擬的に欠陥を加えた。
図5は前記欠陥判別の実施形態1に係るもので、各計測点3における管対地信号電位(V)を縦軸に、信号電圧印加点からの距離0〜20kmの範囲を横軸にした通常のリニア表示グラフにデータをプロットし、線で結んだ距離に対する減衰グラフである。また、図6は同様な減衰グラフであって、信号電圧印加点からの距離10〜20kmの範囲について拡大して示したものである。
図5、図6のいずれも管対地信号電位(V)の減衰が著しく、模擬欠陥を加えた16km地点では10Vの印加電圧が0.4V(4%)に低下している。従って、S/N比が悪く欠陥を判別するのは困難であった。
一方、図7は欠陥判別の実施形態2に係るもので、各計測点の管対地信号電位の対数値(log(Vp))を縦軸に、信号電圧印加点からの距離(km)を横軸にプロットし、直線近似で結んだグラフである。このグラフによると、模擬欠陥を加えた16km点と17km間に段差が認められ、プロット線の傾き変化から欠陥の存在を判別できる。
本発明に係る埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法の実施例を示す全体構成図である。 本発明の実施例1において、塗覆装欠陥部を検出する実施形態1に関するグラフである。 本発明の実施例1において、塗覆装欠陥部を検出する実施形態2に関するグラフである。 本発明の実施例1において、塗覆装欠陥部を検出する実施形態3に関するグラフである。 本発明の実施例2において、塗覆装欠陥部を検出する実施形態1に関するグラフである。 図5のグラフを拡大したものである。 本発明の実施例2において、塗覆装欠陥部を検出する実施形態2に関するグラフである。
符号の説明
1 埋設金属管
2 信号電圧発生部
3 ターミナルボックス(計測点)
4 管対地信号電位計測装置
5 電極

Claims (5)

  1. 埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法であって、該埋設金属管と大地に設けられた接地極間に信号発生器によって信号電圧を印加し、信号電圧印加点から離間する複数箇所の計測点にて該埋設金属管の大地に対する管対地信号電位を計測し、各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出することを特徴とする埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
  2. 管対地信号電位を計測する複数箇所の計測点として、埋設金属管に沿って間隔をおいて配置されている既設のカソード防食管理用のターミナルリード線を使用することを特徴とする請求項1記載の埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
  3. 各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法は、信号電圧印加点からの距離と各計測点における管対地信号電位をグラフにプロットし、このプロットを結んだ線の傾きの変化から塗覆装欠陥部を判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
  4. 各計測点から得られる管対地信号電位の減衰量の変化から塗覆装欠陥部を検出する方法は、隣接する計測点の管対地信号電位の電位差を演算し、該管対地信号電位差の単位区間換算値の変化から塗覆装欠陥部を判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
  5. 前記請求項1乃至請求項4の何れかの方法によって判定した埋設金属管の塗覆装欠陥部の位置をさらに詳細に特定するために、塗覆装欠陥部が存在する計測点の区間を、車輪電極により移動しながら地表面電位差を検出し、検出した地表面電位差波形から塗覆装欠陥部の詳細位置を特定することを特徴とする埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法。
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