JP2000249686A - 埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置 - Google Patents
埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置Info
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- JP2000249686A JP2000249686A JP11095295A JP9529599A JP2000249686A JP 2000249686 A JP2000249686 A JP 2000249686A JP 11095295 A JP11095295 A JP 11095295A JP 9529599 A JP9529599 A JP 9529599A JP 2000249686 A JP2000249686 A JP 2000249686A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 埋設金属管の防食被覆損傷位置を簡単な構成
で且つ高感度で探査できる磁界法による方法及び装置を
提供することである。 【解決手段】 埋設金属管1に発信器5より交流信号電
流を流して該埋設金属管1の防食被覆損傷位置2に流出
入する電流i1により磁界Hを発生させると共に上記金
属管の管軸に沿った垂直面内で地表面にたいして45゜
傾斜させかつ互いの軸を直交させて配置した2つのコイ
ルを管軸に沿って走査することにより各々磁界強度を連
続的に検出する。これにより検出信号間の差を合成し、
その合成された信号の振幅出力の極小値から上記損傷位
置を探査する。
で且つ高感度で探査できる磁界法による方法及び装置を
提供することである。 【解決手段】 埋設金属管1に発信器5より交流信号電
流を流して該埋設金属管1の防食被覆損傷位置2に流出
入する電流i1により磁界Hを発生させると共に上記金
属管の管軸に沿った垂直面内で地表面にたいして45゜
傾斜させかつ互いの軸を直交させて配置した2つのコイ
ルを管軸に沿って走査することにより各々磁界強度を連
続的に検出する。これにより検出信号間の差を合成し、
その合成された信号の振幅出力の極小値から上記損傷位
置を探査する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋設金属管の防食
被覆損傷位置の磁界法による探査方法及び装置の改良に
係り、より詳細には地中に埋められた塗覆装金属管の塗
装損傷位置並びに該金属管と他の金属構造物との接触位
置を、該金属管と地中に埋設した対極との間に交流信号
電流を流し、該金属管の防食被覆損傷位置に流出入する
電流によって発生する磁界強度の変化を2つのコイルを
使用して地表面上において非接触で探査する方法並びに
埋設金属管の防食被覆損傷位置探査装置に関するもので
ある。
被覆損傷位置の磁界法による探査方法及び装置の改良に
係り、より詳細には地中に埋められた塗覆装金属管の塗
装損傷位置並びに該金属管と他の金属構造物との接触位
置を、該金属管と地中に埋設した対極との間に交流信号
電流を流し、該金属管の防食被覆損傷位置に流出入する
電流によって発生する磁界強度の変化を2つのコイルを
使用して地表面上において非接触で探査する方法並びに
埋設金属管の防食被覆損傷位置探査装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に地中に敷設する金属管、例えば都
市ガス埋設鋼管の外面は土壌腐食や電食を防止するため
にポリエチレン等の塗覆装と電気防食との二重の防食処
置がとられている。しかし、これら塗覆装金属管を敷設
した後に第三者の工事等で塗覆装が損傷を受けると、電
気防食装置からの防食電流がこの損傷部分に集中して周
囲に防食電流が行き渡らなくなり防食機能が低下する。
特に、この塗覆装損傷部分で他の金属埋設物と接触する
と防食電流が本来防食対象とはなっていない金属埋設物
にも流入するために大幅な防食電流の不足が生じて塗覆
装金属管の土壌腐食や電食が起こるおそれがある。
市ガス埋設鋼管の外面は土壌腐食や電食を防止するため
にポリエチレン等の塗覆装と電気防食との二重の防食処
置がとられている。しかし、これら塗覆装金属管を敷設
した後に第三者の工事等で塗覆装が損傷を受けると、電
気防食装置からの防食電流がこの損傷部分に集中して周
囲に防食電流が行き渡らなくなり防食機能が低下する。
特に、この塗覆装損傷部分で他の金属埋設物と接触する
と防食電流が本来防食対象とはなっていない金属埋設物
にも流入するために大幅な防食電流の不足が生じて塗覆
装金属管の土壌腐食や電食が起こるおそれがある。
【0003】このように塗覆装が損傷を受け電気防食の
効果が懸念される場合には、何らかの方法で損傷位置を
探査し、掘削して補修する等の処置を施さなければなら
ない。従来からこの塗覆装損傷位置の探査方法として、
損傷部に電流を通じて地表面の電位変化からその位置を
知る電位法と、損傷部における磁界の強さの変化からそ
の位置を知る磁界法が知られている。
効果が懸念される場合には、何らかの方法で損傷位置を
探査し、掘削して補修する等の処置を施さなければなら
ない。従来からこの塗覆装損傷位置の探査方法として、
損傷部に電流を通じて地表面の電位変化からその位置を
知る電位法と、損傷部における磁界の強さの変化からそ
の位置を知る磁界法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電位法には直流法と、
例えば特開昭61−210935号公報及び特開昭63
−191049号公報に開示されているような交流法の
2種類があり、磁界法と比べると一般に塗覆装の微小損
傷の探査に優れているが、いずれも地表面にセンサを接
触させて電位分布を検出する方法であるために、アスフ
ァルトなどの電気抵抗の高い舗装路面では散水して感度
をあげる必要があるなど作業性が悪いという欠点があ
る。
例えば特開昭61−210935号公報及び特開昭63
−191049号公報に開示されているような交流法の
2種類があり、磁界法と比べると一般に塗覆装の微小損
傷の探査に優れているが、いずれも地表面にセンサを接
触させて電位分布を検出する方法であるために、アスフ
ァルトなどの電気抵抗の高い舗装路面では散水して感度
をあげる必要があるなど作業性が悪いという欠点があ
る。
【0005】一方、磁界法として、例えば特開昭63−
300991号公報には図6に示すように、埋設金属管
の直上から側方にずれた位置に、管軸(x軸)、直角
(y軸)、垂直(z軸)に設置したコイルLx,Ly,
Lzを管軸方向に移動して金属管1から発生する磁界強
度の変化を捕らえ、この磁界強度の急変部分を他金属管
4との接触位置として探査する方法が開示されている
が、管内電流I0の変化から磁界強度の変化を検出する
方法はコイルを3個必要とするので、回路が複雑とな
り、更に一般に磁界の変化点が明瞭でないために他金属
管との接触位置の特定が困難となる問題点がある。
300991号公報には図6に示すように、埋設金属管
の直上から側方にずれた位置に、管軸(x軸)、直角
(y軸)、垂直(z軸)に設置したコイルLx,Ly,
Lzを管軸方向に移動して金属管1から発生する磁界強
度の変化を捕らえ、この磁界強度の急変部分を他金属管
4との接触位置として探査する方法が開示されている
が、管内電流I0の変化から磁界強度の変化を検出する
方法はコイルを3個必要とするので、回路が複雑とな
り、更に一般に磁界の変化点が明瞭でないために他金属
管との接触位置の特定が困難となる問題点がある。
【0006】また、例えば特開昭63−78063号公
報には図7に示すように、発信器5を金属管1と対極と
に接続し、金属管1の塗覆装の損傷部分2に流出入する
漏れ電流i1によって生じる磁界強度をコイル軸をxz
面に平行に設置したコイル3を管軸に沿って移動して検
出し、その検出信号の極大値を塗覆装損傷位置として探
査する方法が開示されている。しかし、漏れ電流i1は
一般に微小であるので、塗覆装損傷位置の特定が不正確
なことが多いことやデータの解析が容易でないという問
題点がある。
報には図7に示すように、発信器5を金属管1と対極と
に接続し、金属管1の塗覆装の損傷部分2に流出入する
漏れ電流i1によって生じる磁界強度をコイル軸をxz
面に平行に設置したコイル3を管軸に沿って移動して検
出し、その検出信号の極大値を塗覆装損傷位置として探
査する方法が開示されている。しかし、漏れ電流i1は
一般に微小であるので、塗覆装損傷位置の特定が不正確
なことが多いことやデータの解析が容易でないという問
題点がある。
【0007】また、従来の磁界法においては磁界の強さ
をコイルの受信信号の振幅を読み取ることにより検出し
ているために検出感度が低いことから、特開昭61−2
10935号公報で開示されているような送信信号の一
部を参照信号として高感度にする同期検波法もあるが、
同期信号を伝送するための回路が必要となるために回路
構成が複雑となる、などの欠点があった。
をコイルの受信信号の振幅を読み取ることにより検出し
ているために検出感度が低いことから、特開昭61−2
10935号公報で開示されているような送信信号の一
部を参照信号として高感度にする同期検波法もあるが、
同期信号を伝送するための回路が必要となるために回路
構成が複雑となる、などの欠点があった。
【0008】本発明は、以上述べた従来の埋設金属管の
防食被覆損傷位置探査方法の問題点を解決し、埋設金属
管の防食被覆損傷位置及び他埋設金属体との接触位置を
簡単な装置で容易且つ正確に探査することを目的とする
ものである。
防食被覆損傷位置探査方法の問題点を解決し、埋設金属
管の防食被覆損傷位置及び他埋設金属体との接触位置を
簡単な装置で容易且つ正確に探査することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者が研究を行った結果、 従来xz面内の磁界の測定には、1測定点に付きx
軸方向とz軸方向の2方向に各1個づつ計2個のコイル
を使用しているが、コイルを地表面に対してほぼ45゜
傾斜させることにより、1個の磁界検出用コイルにx軸
とz軸の両方向の成分を持たせることができるので、従
来よりも磁界検出用コイルの数を半減することができ
る。 原理的には1個の磁界検出用コイルでも間に合う
が、地表面に対してほぼ45゜傾斜させた一つのコイル
で検出された信号と、このコイルに直交する別のコイル
で検出された信号との差を合成する(以下、「差動的に
合成する」という。)ことにより、塗覆装欠陥の中央で
最小値となり、同期検波法のように同期信号を伝送する
ための回路を設けなくとも高感度で磁界強度の検出がで
きる。 更に、上記方法で検出され差動的に合成された出力
を二乗検波すれば、磁界の角度変化に対して従来方法よ
りも2倍の感度が得られる。などの知見を得て本発明を
成すに至った。
に、本発明者が研究を行った結果、 従来xz面内の磁界の測定には、1測定点に付きx
軸方向とz軸方向の2方向に各1個づつ計2個のコイル
を使用しているが、コイルを地表面に対してほぼ45゜
傾斜させることにより、1個の磁界検出用コイルにx軸
とz軸の両方向の成分を持たせることができるので、従
来よりも磁界検出用コイルの数を半減することができ
る。 原理的には1個の磁界検出用コイルでも間に合う
が、地表面に対してほぼ45゜傾斜させた一つのコイル
で検出された信号と、このコイルに直交する別のコイル
で検出された信号との差を合成する(以下、「差動的に
合成する」という。)ことにより、塗覆装欠陥の中央で
最小値となり、同期検波法のように同期信号を伝送する
ための回路を設けなくとも高感度で磁界強度の検出がで
きる。 更に、上記方法で検出され差動的に合成された出力
を二乗検波すれば、磁界の角度変化に対して従来方法よ
りも2倍の感度が得られる。などの知見を得て本発明を
成すに至った。
【0010】従って本発明の埋設金属管の防食被覆損傷
位置探査方法は、外面に防食被覆を施して地中に埋設し
た金属管に交流信号電流を流して該埋設金属管の防食被
覆損傷位置に流出入する電流により磁界を発生させると
ともに、上記金属管の管軸に沿った垂直面内で地表面に
対して45゜傾斜させ且つ互いの軸を直交させて配置し
た2つのコイルを上記管軸に沿って走査することにより
各々磁界強度を連続的に検出し、この2つのコイルの出
力を差動的に合成し、その合成出力信号から磁界強度の
変化を計測することにより埋設金属管の防食被覆損傷位
置を探査することを要旨とする。
位置探査方法は、外面に防食被覆を施して地中に埋設し
た金属管に交流信号電流を流して該埋設金属管の防食被
覆損傷位置に流出入する電流により磁界を発生させると
ともに、上記金属管の管軸に沿った垂直面内で地表面に
対して45゜傾斜させ且つ互いの軸を直交させて配置し
た2つのコイルを上記管軸に沿って走査することにより
各々磁界強度を連続的に検出し、この2つのコイルの出
力を差動的に合成し、その合成出力信号から磁界強度の
変化を計測することにより埋設金属管の防食被覆損傷位
置を探査することを要旨とする。
【0011】また本発明の埋設金属管の防食被覆損傷位
置探査装置は、地中に埋設した外面に防食被覆を施した
金属管と対極との間に交流信号電流を流す発信器と、該
発信器から上記埋設金属管の防食被覆損傷位置に流出入
する電流により発生する磁界強度を検出するための管軸
に沿った垂直面内に地表面に対して45゜傾斜させ且つ
互いに直交させて配置した2つのコイルと、該コイルを
上記金属管の管軸に沿って走査することにより検出され
た出力信号からノイズを除去する回路と、ノイズを除去
した2つの出力信号を差動的に合成する回路と、その合
成出力信号から埋設金属管の防食被覆損傷位置を表示す
る表示装置とから構成されることを要旨とする。
置探査装置は、地中に埋設した外面に防食被覆を施した
金属管と対極との間に交流信号電流を流す発信器と、該
発信器から上記埋設金属管の防食被覆損傷位置に流出入
する電流により発生する磁界強度を検出するための管軸
に沿った垂直面内に地表面に対して45゜傾斜させ且つ
互いに直交させて配置した2つのコイルと、該コイルを
上記金属管の管軸に沿って走査することにより検出され
た出力信号からノイズを除去する回路と、ノイズを除去
した2つの出力信号を差動的に合成する回路と、その合
成出力信号から埋設金属管の防食被覆損傷位置を表示す
る表示装置とから構成されることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施の形態を図面に
より具体的に説明する。図1は本発明による埋設金属管
の防食被覆損傷位置の探査方法を示す概略図である。図
1において、1は電気防食対象物である埋設金属管、4
は埋設金属管に接触している他の金属構造物(例えば水
道管)であり、埋設金属管1と金属構造物4とは塗覆装
の損傷部分2で電気的接続状態にある。5は埋設金属管
1に交流信号電流を流すための発信器であり、この発信
器の他極は地中に埋設された対極6(例えば電気防食用
マグネシウム陽極)と接続されている。3aおよび3b
は埋設金属管1に交流信号電流を流したときに塗覆装の
損傷部分から流出入する電流による地表面の磁界強度を
検出するコイルであり、各々リード線7a,7bが出て
いるところをコイルの巻きはじめとするとき、コイル3
aおよび3bは地表面に対してそれぞれφ1=45゜,
φ2=45゜の角度で傾斜させられ、略V字形またはハ
字形(φ1=135゜,φ2=135゜)をなし、且
つ、両コイルはコイル軸の延長線上で直交するように配
置されている。なお両コイルは、塗覆装の損傷部分から
流出入する電流による地表面上の磁界とコイルの向きが
一致し、出力信号が大きくなり易いハ字形に配置する方
が好ましい。
より具体的に説明する。図1は本発明による埋設金属管
の防食被覆損傷位置の探査方法を示す概略図である。図
1において、1は電気防食対象物である埋設金属管、4
は埋設金属管に接触している他の金属構造物(例えば水
道管)であり、埋設金属管1と金属構造物4とは塗覆装
の損傷部分2で電気的接続状態にある。5は埋設金属管
1に交流信号電流を流すための発信器であり、この発信
器の他極は地中に埋設された対極6(例えば電気防食用
マグネシウム陽極)と接続されている。3aおよび3b
は埋設金属管1に交流信号電流を流したときに塗覆装の
損傷部分から流出入する電流による地表面の磁界強度を
検出するコイルであり、各々リード線7a,7bが出て
いるところをコイルの巻きはじめとするとき、コイル3
aおよび3bは地表面に対してそれぞれφ1=45゜,
φ2=45゜の角度で傾斜させられ、略V字形またはハ
字形(φ1=135゜,φ2=135゜)をなし、且
つ、両コイルはコイル軸の延長線上で直交するように配
置されている。なお両コイルは、塗覆装の損傷部分から
流出入する電流による地表面上の磁界とコイルの向きが
一致し、出力信号が大きくなり易いハ字形に配置する方
が好ましい。
【0013】本発明の方法では発信器5より金属管1に
交流信号電流を流すと共にコイル3a,3bを金属管1
の管路付近を矢印方向に走査する。塗覆装と損傷がない
金属管1上では管内電流I0のみであるから発生磁界は
管軸に沿った方向でほぼ一定である。そして塗覆装の損
傷部分が近づくにつれてその部分に流出入する電流の密
度が大きくなるので発生磁界は管軸に沿った方向で大き
さが変化し、その変化割合は大きくなって損傷部分の直
上付近で極小となる。従ってコイル3a,3bの走査に
より磁界強度を連続的に検出し、その各検出信号の差を
合成し、更にこの差動的に合成された出力の二乗値を求
めると、その値の極小値となるコイルの走査位置が埋設
金属管1の防食被覆損傷位置である。
交流信号電流を流すと共にコイル3a,3bを金属管1
の管路付近を矢印方向に走査する。塗覆装と損傷がない
金属管1上では管内電流I0のみであるから発生磁界は
管軸に沿った方向でほぼ一定である。そして塗覆装の損
傷部分が近づくにつれてその部分に流出入する電流の密
度が大きくなるので発生磁界は管軸に沿った方向で大き
さが変化し、その変化割合は大きくなって損傷部分の直
上付近で極小となる。従ってコイル3a,3bの走査に
より磁界強度を連続的に検出し、その各検出信号の差を
合成し、更にこの差動的に合成された出力の二乗値を求
めると、その値の極小値となるコイルの走査位置が埋設
金属管1の防食被覆損傷位置である。
【0014】図2は上記方法を実施するための埋設金属
管の防食被覆損傷位置探査装置の概略構成を示す。同図
において、7a,7bはコイル3a,及び3bのリード
線、8a,8bは増幅器、9a,9bはバンドパスフィ
ルタ、10は差動回路でその回路構成例を図3に示す。
11は振幅検波回路でその回路構成例を図4に示す。1
2は振幅検波回路11の出力信号を表示する記録計など
の表示器である。なお、図2において、埋設金属管、発
信器等の図示は省略した。
管の防食被覆損傷位置探査装置の概略構成を示す。同図
において、7a,7bはコイル3a,及び3bのリード
線、8a,8bは増幅器、9a,9bはバンドパスフィ
ルタ、10は差動回路でその回路構成例を図3に示す。
11は振幅検波回路でその回路構成例を図4に示す。1
2は振幅検波回路11の出力信号を表示する記録計など
の表示器である。なお、図2において、埋設金属管、発
信器等の図示は省略した。
【0015】この装置においてxz平面に沿ってφ1=
φ2=45゜またはφ1=φ2=135゜の傾きを持た
せたコイル3a及び3bを、埋設金属管に交流信号電流
を流すことにより発生する傾きθの磁界H内で走査して
得られた誘導信号(検出信号)は、増幅器8a及び8b
で増幅された後、バンドパスフィルタ9a,9bで信号
周波数以外の雑音が除去されてから差動回路10でそれ
ぞれの信号Va,Vbの差が合成され、振幅検波回路1
1で検波された信号の振幅出力ηが得られ、表示器12
に表示される。
φ2=45゜またはφ1=φ2=135゜の傾きを持た
せたコイル3a及び3bを、埋設金属管に交流信号電流
を流すことにより発生する傾きθの磁界H内で走査して
得られた誘導信号(検出信号)は、増幅器8a及び8b
で増幅された後、バンドパスフィルタ9a,9bで信号
周波数以外の雑音が除去されてから差動回路10でそれ
ぞれの信号Va,Vbの差が合成され、振幅検波回路1
1で検波された信号の振幅出力ηが得られ、表示器12
に表示される。
【0016】ここで塗覆装の損傷がない埋設金属管上で
は管内電流I0のみであるからxz面内の磁界成分を持
たないのでH≒0となりVa=Vb≒0であるが、塗覆
装の損傷部分が近づくにつれて塗覆装の損傷部分に流出
入する漏れ電流i1の電流密度が大きくなってxz面内
に磁界Hが傾きθをもって生じるのでVaおよびVbは
次第に大きくなり、更に損傷部分の直上では磁界のz成
分が無くなるためにθ≒0になってVaおよびVbは極
大値を示す。ここでコイル3a及び3bは一定の間隔を
もって配置されているので、図1に示す如くコイル3a
及び3bを管路付近を矢印方向に走査すると、コイル3
bが先に損傷部分の直上に達してVbは極大値を示し、
その後次第に減衰する一方、コイル3aは遅れて損傷部
分の直上に接近するためにVaは次第に増大し損傷部分
の直上に達して極大値を示すので、VbとVaを差動的
に合成して得られたηはコイル3a及び3bの中間で極
小値を示す。従って表示器12の画面上でηが極小とな
る管軸(x軸)上の位置が損傷部分を表示していること
になり、容易に埋設金属管の塗覆装の損傷部分を探査す
ることができる。
は管内電流I0のみであるからxz面内の磁界成分を持
たないのでH≒0となりVa=Vb≒0であるが、塗覆
装の損傷部分が近づくにつれて塗覆装の損傷部分に流出
入する漏れ電流i1の電流密度が大きくなってxz面内
に磁界Hが傾きθをもって生じるのでVaおよびVbは
次第に大きくなり、更に損傷部分の直上では磁界のz成
分が無くなるためにθ≒0になってVaおよびVbは極
大値を示す。ここでコイル3a及び3bは一定の間隔を
もって配置されているので、図1に示す如くコイル3a
及び3bを管路付近を矢印方向に走査すると、コイル3
bが先に損傷部分の直上に達してVbは極大値を示し、
その後次第に減衰する一方、コイル3aは遅れて損傷部
分の直上に接近するためにVaは次第に増大し損傷部分
の直上に達して極大値を示すので、VbとVaを差動的
に合成して得られたηはコイル3a及び3bの中間で極
小値を示す。従って表示器12の画面上でηが極小とな
る管軸(x軸)上の位置が損傷部分を表示していること
になり、容易に埋設金属管の塗覆装の損傷部分を探査す
ることができる。
【0017】
【実施例】地表面から1.5mの深さに水平に埋設した
直径100mmのポリエチレンライニング鋼管の給電点
から23m地点に100cm2(10cm×10cm)
の模擬塗覆装損傷部を作り、信号周波数が商用電源の高
周波などの影響の少ない625Hzの交流信号電流を上
記鋼管に流し、図2に示した装置のコイル3a,3bを
図1に示すように該埋設管1に沿って走査して損傷部の
探査を行った。その探査結果を図5に示す。実験結果の
振幅出力の波形はほぼ23m付近で極小値を示し、模擬
塗覆装損傷位置と良い一致が見られた。
直径100mmのポリエチレンライニング鋼管の給電点
から23m地点に100cm2(10cm×10cm)
の模擬塗覆装損傷部を作り、信号周波数が商用電源の高
周波などの影響の少ない625Hzの交流信号電流を上
記鋼管に流し、図2に示した装置のコイル3a,3bを
図1に示すように該埋設管1に沿って走査して損傷部の
探査を行った。その探査結果を図5に示す。実験結果の
振幅出力の波形はほぼ23m付近で極小値を示し、模擬
塗覆装損傷位置と良い一致が見られた。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の装置よりも少ないコイル数で、且つ同期検波法をと
ることなく簡単な回路構成で埋設金属管の防食被覆損傷
位置を高感度で探査できるので、定期的に或いは電気防
食効果の低減が発見された時などに埋設金属管の診断を
行なうことにより損傷位置を正確に把握できて、塗覆装
を補修する際の掘削位置の誤認による無駄な費用の大幅
な削減ができ、また、都市ガス埋設鋼管からのガス漏れ
等の事故を未然に防ぐことができるなどの優れた効果を
奏する。
来の装置よりも少ないコイル数で、且つ同期検波法をと
ることなく簡単な回路構成で埋設金属管の防食被覆損傷
位置を高感度で探査できるので、定期的に或いは電気防
食効果の低減が発見された時などに埋設金属管の診断を
行なうことにより損傷位置を正確に把握できて、塗覆装
を補修する際の掘削位置の誤認による無駄な費用の大幅
な削減ができ、また、都市ガス埋設鋼管からのガス漏れ
等の事故を未然に防ぐことができるなどの優れた効果を
奏する。
【図1】本発明による埋設金属管の防食被覆損傷位置の
探査方法を示す概略図である。
探査方法を示す概略図である。
【図2】本発明の埋設金属管の防食被覆損傷位置探査装
置の探査器の概略構成を示すブロック図である。
置の探査器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の埋設金属管の防食被覆損傷位置探査装
置の探査器の差動回路の回路構成例を示した図である。
置の探査器の差動回路の回路構成例を示した図である。
【図4】本発明の埋設金属管の防食被覆損傷位置探査装
置の探査器の振幅検波回路の回路構成例を示した図であ
る。
置の探査器の振幅検波回路の回路構成例を示した図であ
る。
【図5】本発明の試験結果により埋設金属管の防食被覆
損傷位置を探査した際の出力波形を示すグラフである。
損傷位置を探査した際の出力波形を示すグラフである。
【図6】従来の埋設金属管の防食被覆損傷位置の探査方
法の一例を示す概略図である。
法の一例を示す概略図である。
【図7】従来の埋設金属管の防食被覆損傷位置の探査方
法の一例を示す概略図である。
法の一例を示す概略図である。
1 埋設金属管 2 塗覆装の損傷部分 3,3a,3b コイル 4 他の金属構造物 5 発信器 6 対極 7a,7b リード線 8a,8b 増幅器 9a,9b バンドパスフィルタ 10 差動回路 11 振幅検波回路 12 表示器 13 オペアンプ 14 ダイオード 15 増幅器 I0 管内電流 i1 漏れ電流 H 磁界 Va,Vb 信号 η 振幅出力 θ 磁界の傾き φ1,φ2 コイルの傾き Lx,Ly,Lz コイル
Claims (3)
- 【請求項1】 外面に防食被覆を施して地中に埋設した
金属管に交流信号電流を流して該埋設金属管の防食被覆
損傷位置に流出入する電流により磁界を発生させるとと
もに、上記金属管の管軸に沿った垂直面内で地表面に対
して45゜傾斜させ且つ互いの軸を直交させて配置した
2つのコイルを上記管軸に沿って走査することにより各
々磁界強度を連続的に検出し、この2つのコイルの出力
を差動的に合成し、その合成出力信号から磁界強度の変
化を計測することにより埋設金属管の防食被覆損傷位置
を探査することを特徴とする埋設金属管の防食被覆損傷
位置探査方法。 - 【請求項2】 地中に埋設した外面に防食被覆を施した
金属管と対極との間に交流信号電流を流す発信器と、該
発信器から上記埋設金属管の防食被覆損傷位置に流出入
する電流により発生する磁界強度を検出するための管軸
に沿った垂直面内に地表面に対して45°傾斜させ且つ
互いに直交させて配置した2つのコイルと、該コイルを
上記金属管の管軸に沿って走査することにより検出され
た出力信号からノイズを除去する回路と、ノイズを除去
した2つの出力信号を差動的に合成する回路と、その合
成出力信号から埋設金属管の防食被覆損傷位置を表示す
る表示装置とから構成されることを特徴とする埋設金属
管の防食被覆損傷位置探査装置。 - 【請求項3】 上記表示装置は、差動的に合成された出
力信号を検波する回路と、その検波された信号の振幅出
力を表示する装置とから成ることを特徴とする請求項2
に記載の防食被覆損傷位置探査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11095295A JP2000249686A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11095295A JP2000249686A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000249686A true JP2000249686A (ja) | 2000-09-14 |
Family
ID=14133792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11095295A Pending JP2000249686A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000249686A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018168480A1 (ja) * | 2017-03-13 | 2018-09-20 | 三菱重工業株式会社 | 渦流探傷プローブ |
JP2019200157A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 株式会社島津製作所 | 磁性体検査システムおよびプログラム |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP11095295A patent/JP2000249686A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018168480A1 (ja) * | 2017-03-13 | 2018-09-20 | 三菱重工業株式会社 | 渦流探傷プローブ |
JP2018151260A (ja) * | 2017-03-13 | 2018-09-27 | 三菱重工業株式会社 | 渦流探傷プローブ |
JP2019200157A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 株式会社島津製作所 | 磁性体検査システムおよびプログラム |
JP7271866B2 (ja) | 2018-05-17 | 2023-05-12 | 株式会社島津製作所 | 磁性体検査システムおよびプログラム |
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