JP2006050396A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2006050396A
JP2006050396A JP2004230654A JP2004230654A JP2006050396A JP 2006050396 A JP2006050396 A JP 2006050396A JP 2004230654 A JP2004230654 A JP 2004230654A JP 2004230654 A JP2004230654 A JP 2004230654A JP 2006050396 A JP2006050396 A JP 2006050396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
rate
clock frequency
wireless communication
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004230654A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006050396A5 (ja
Inventor
Katsuyuki Tanaka
勝之 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004230654A priority Critical patent/JP2006050396A/ja
Publication of JP2006050396A publication Critical patent/JP2006050396A/ja
Publication of JP2006050396A5 publication Critical patent/JP2006050396A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D30/00Reducing energy consumption in communication networks
    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Abstract

【課題】 データ伝送を行なう通信局同士で、伝送レートを可変に制御することにより、低消費電力化を実現する。
【解決手段】 通信機は、伝送速度に合わせて送受信回路のクロック周波数を増減する。クロック周波数を低下させるのみでは、データ伝送量当たりの消費電力は変わらないが、クロック周波数に応じて回路へ供給する電源電圧も併せて制御することにより、データ伝送量当たりの消費電力を低減させることができる。最高速で伝送する必要がない場合、伝送速度に合わせて回路のクロック周波数と電源電圧を制御し、伝送量当たりの消費電力を減らす。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)若しくはPAN(Personal Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、データ伝送を行なう通信局間で伝送レートを可変に制御する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、データ伝送を行なう通信局同士で低消費電力化を実現する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、伝送効率を劣化させることなく通信機の消費電力を低減する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
有線方式による機器間のケーブル配線からユーザを解放する通信システムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
また、近年では、「ウルトラワイドバンド(UWB)通信」と呼ばれる、非常に広い周波数帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波に情報を載せて無線通信を行なう方式が、近距離超高速伝送を実現する無線通信システムとして注目され、その実用化が期待されている。現在、IEEE802.15.3などにおいて、ウルトラワイドバンド通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。
UWB通信は、超極細パルスを用いることにより高い時間分解能を持ち、この性質を使ってレーダやポジショニングを行なう「測距(Ranging)」をすることが可能である。特に、最近のUWB通信では、100Mbps超の高速データ伝送と元来の測距機能を併せ持つことができる(例えば、特許文献2を参照のこと)。
将来、UWBに代表される近距離通信のWPAN(Wireless Personal Access Network)はあらゆる家電品やCE(Consumer Electronics)機器に搭載されることが予想され、100Mbps超のCE機器間のP−to−P伝送や家庭内ネットワークの実現が期待されている。ミリ波帯の利用が普及した場合には1Gbps超の短距離無線も可能となり、ストレージデバイスなどを含む超高速な近距離用のDAN(Device Area Network)も実現可能となる。
他方、各種の情報機器に対して省電力の要求が高まっている。例えば、バッテリ駆動のモバイル機器においては、消費電力に応じてバッテリ寿命が変わることから、機器の使い勝手に影響する。また、商用AC電源により駆動する設置型の機器においても、環境若しくは社会生態学的な観点から、省電力化が求められている。
ところが、機器の動作速度の増大や、アプリケーションの肥大化に伴う処理負荷の増大などにより省電力化のメカニズムが十分に機能していないのが実情である。例えば、プロセッサの動作クロックを落とせば消費電力は低下するが、その分時間当たりの演算量が低下し、結局のところ処理量当たりの消費電力はほとんど変わらない。
また、無線通信機においては、データ伝送を行なっていない期間であっても、受信待機する、あるいはメディアの状態を監視する必要があるため、消費電力の問題がある。据え置きTVやPCのような外部電源からの給電により動作している機器の場合には格別問題にならないが、PDAのようなバッテリ駆動の携帯機器についてはバッテリ寿命に関わる。バッテリ残量の低下により通信が途絶すると、通信データの破壊や通信履歴の消失などを来たし、サービスの品質が著しく損なわれる。
また、前述したUWB方式は、当初、低消費電力且つ高速な無線方式ということで注目されたが、現実には、伝送速度が高速化されると少なくともディジタル信号処理部はその速度に比例するように消費電力が大きくなり、全体の消費電力に占める割合が増す。また、UWB方式に限らず、今後の無線は確実に高速化の方向にあるが、要求される伝送データの量と処理時間は用途によって異なり、必ずしも常に最高速で動作する必要はない。いかに消費電力を抑えてバッテリ寿命を伸ばすかも重要な課題となっている。
通信路の通信品質に応じたレート・アダプテーション(伝送速度の適応制御)や、送信電力制御はよく行なわれる。スペクトラム拡散(以下、SS)による無線の例で、相手装置の送信帯域幅及び送信電力を制御、劣化時に残り回線に余裕があれば帯域幅を広げ、なければ送信電力を上げ、ビット誤り率と回線利用効率を上げる方法がある(例えば、特許文献3を参照のこと)。
また、CDMA/FDDアクセス方式において親機が無線区間のリソースを拡散符号と複数のチップ・レートの組み合わせで一元管理し、無線ノードからのサービス要求に応じてリソースをダイナミックにアサインする手段で可変伝送速度に対応する例もある(例えば、特許文献4を参照のこと)。
その他、可変チップ・レートのスペクトラム拡散の例として、周波数ホッピング(FH)の周波数間隔を不等にし、周波数間隔の状態に対応して設定したチップ・レートを持つチップを送信するよう構成したものがある。
このように伝送速度、スペクトラム拡散のチップ・レートを可変にする例はあるが、ダイナミックなハードウェア・レベルでの制御による消費電力抑制を考慮している訳ではない。
データ伝送を行なう通信機間では、伝送路の状況に応じて伝送レートが適応的に切り替えることが行なわれる。送受信信号の処理回路モジュールの動作クロック周波数を落とせば、当該回路部分で消費される電力は低下するので、伝送レートを下げたときには、クロック周波数を落とすことにより、消費電力が抑制される。しかしながら、この場合、クロック周波数が低下した分だけ時間当たりの伝送データ量も低下し、結局のところ伝送データ量当たりの消費電力はほとんど変わらない。
特開2002−335228号公報 特表2002−517001号公報 特開2002−16526号公報 特開平7−226696号公報 International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer
本発明の目的は、データ伝送を行なう通信局同士で低消費電力化を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、データ伝送を行なう通信局同士で、伝送レートを可変に制御することにより、低消費電力化を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、伝送効率を劣化させることなく通信機の消費電力を低減することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の伝送レートを使用して通信機同士でデータ伝送を行なう無線通信システムであって、
各通信機は、使用する伝送レートに応じて、少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
を特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
無線通信機においては、データ伝送を行なっていない期間であっても、受信待機する、あるいはメディアの状態を監視する必要があるため、消費電力の問題がある。送受信信号の処理回路モジュールの動作クロック周波数を落とせば消費電力は低下するが、クロック周波数が低下した分だけ時間当たりの伝送データ量も低下し、結局のところ伝送データ量当たりの消費電力はほとんど変わらない。
これに対し、本発明によれば、使用する伝送レートを低下させたことに応じて、少なくとも一部の回路モジュールの動作クロックを低下させるとともに、当該回路モジュールの電源電圧を低下させるので、伝送効率を劣化させることなく通信機の消費電力を低減することができる。
例えば、バッテリ駆動の通信機は、バッテリの残存容量に応じて、使用する伝送レートを能動的に決定するようにしてもよい。
また、通信相手が能動的に伝送レートを決定する場合には、受信側の通信機は、通信相手となる通信機側で使用する伝送レートを検出するレート検出手段を備えていてもよい。この場合、検出結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御することができる。
本発明に係る無線通信システムでは、伝送レート毎に変調方式が設定されており、動作クロック周波数に比例したシンボル・レートでデータ伝送が行なわれる。このような場合、通信機は、それぞれのシンボル・レートで受信信号を復調する回路を並列的に備え、いずれの復調回路により復調できたかによってシンボル・レートを検出することができる。そして、復調後の信号を処理する回路モジュールを、検出できたシンボル・レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定することができる。
また、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定にして伝送するようにしてもよい。この場合、通信機は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レートに対応した動作クロック周波数によりプリアンブル及びヘッダ部を正確に復調し、これらの情報の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レートを識別することができる。
また、本発明に係る無線通信システムでは、さらに2次変調を適用し、シンボル・レートと同時に2次変調レートを可変にすることができる。そして、シンボル・レート毎に2次変調方式を設定するようにしてもよい。
このような場合、通信機は、それぞれの2次変調レートで受信信号を復調する回路を並列的に備え、いずれの復調回路により復調できたかによって2次変調レートを検出することができる。そして、復調後の信号を処理する回路モジュールを、変調できた2次変調レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定することができる。
また、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レート及び2次変調レートを固定にして伝送するようにしてもよい。この場合、通信機は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レート及び2次変調レートに対応した動作クロック周波数によりプリアンブル及びヘッダ部を正確に復調し、これらの情報の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レート及び2次変調レートを識別することができる。
なお、2次変調方式として、例えばスペクトラム拡散やOFDM変調方式を適用することができる。このような場合、ディジタル信号処理部の動作クロック周波数を下げる場合であっても、スペクトラム拡散における帯域幅の確保、あるいはOFDM復調時のサンプリング・レートを確保するために、2次変復調回路に関してはクロック周波数や電源電圧を下げないようにすることが好ましい。
また、本発明の第2の側面は、所定の無線通信環境下で複数の伝送レートを使用可能な通信回路を用いてデータ伝送を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
無線伝送路を介したデータ送受信において使用する伝送レートを決定する伝送レート制御ステップと、
前記伝送レート制御ステップにおいて決定した伝送レートに応じて、前記通信回路における少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数を制御するクロック制御ステップと、
前記動作クロック周波数に応じて当該回路モジュールに供給する電源電圧を制御する電源制御ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、データ伝送を行なう通信局同士で低消費電力化を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、データ伝送を行なう通信局同士で、伝送レートを可変に制御することにより、低消費電力化を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、伝送効率を劣化させることなく通信機の消費電力を低減することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、通信機は、伝送速度に合わせて送受信回路のクロック周波数を増減する。このとき、クロック周波数を低下させるのみでは、データ伝送量当たりの消費電力は変わらないが、このクロック周波数に応じて回路へ供給する電源電圧も併せて制御することにより、データ伝送量当たりの消費電力を低減させることができる。したがって、データ伝送を行なう通信機同士で、最高速で伝送する必要がない場合には、伝送速度に合わせて回路のクロック周波数と電源電圧を制御することにより、伝送量当たりの消費電力を減らすことができる。
また、本発明によれば、低消費電力モードに応じて異なる2次変調及び1次変調のレートが存在する場合であっても、通信機が複数のレートを検出する機能を備えることで、データ伝送を行なう相互に通信できる。
また、本発明によれば、バッテリ駆動する通信機がバッテリ残量に合わせて伝送モードを設定することで、バッテリ寿命を伸ばすことができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、無線信号の送受信を行なう通信装置の構成例を示している。図示の例では、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部(ADC)、並びにディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部(DAC)を境界に、RF部と、ディジタル信号処理部に分かれる。
RF部14は、アンテナ・スイッチ(Ant.SW)13を介して送信系統と受信系統に分離され、中間周波数帯の送信信号の無線周波数帯へのアップコンバート、並びにアンテナ受信信号のダウンコンバートを行なう。送信系統は、アナログ返還された送信信号のうち低周波成分のみを通過するローパスフィルタ(LPF)、送信信号を周波数変換してアップコンバートするミキサ、アップコンバートされた送信信号の電力を増幅するパワーアンプ(PA)で構成される。また、受信系統は、受信信号を電圧増幅する低雑音アンプ(LNA)や、電圧増幅された受信信号を周波数変換によりダウンコンバートするミキサ、受信信号のうち低周波成分のみを通過するローパスフィルタ(LPF)、自動利得制御器(AGC)で構成される。送信信号は、バンドパスフィルタ(BPF)経由でアンテナから送出され、アンテナ11での受信信号はバンドパスフィルタ12経由でRF部14に入力され、受信処理される。なお、ミキサへはローカル周波数発生器からローカル周波数が供給される。ローカル周波数発生器は、PLL、VCO、分周器、移相器で構成される。
ディジタル信号処理部15は、通常CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補金属酸化型半導体)などの半導体プロセスにより製作されるLSI(Large Scale Integration)チップ上に実装される。
このディジタル信号処理部15は、送受信信号の処理を行なう送受信信号処理部と、送受信信号の変復調処理を行なう送信系統並びに受信系統からなるベースバンド信号処理部を備えている。送信系統では、送信信号に1次変調部33並びに2次変調部32によりそれぞれの変調処理を施した後、D/A変換部(DAC)31によりディジタル信号に変換してRF部14に渡す。また、受信系統では、アナログ受信信号をA/D変換部(ADC)21によりディジタル信号に変換した後、2次復調部22並びに1次復調部23によりそれぞれの復調処理を施す。送受信信号処理部24では、送信データ符号化、所定のデータ・フォーマットの生成、インターリーブ、スクランブルなどからなる送信データの信号処理とプリアンブル検出、ヘッダ情報検出、デインターリーブ、デスクランブル、受信データ復号化などからなる受信データの信号処理を行なう。ディジタル信号処理部15はPHY層に相当し、ベースバンド信号処理部はインターフェース(I/F)25を介してMAC層などの上位プロトコルを実装した回路やCPU(図示しない)などとのインターフェースを行なう。
UWBなどの広帯域無線伝送の場合の変調方式として、BPSK、QPSK、QAMなど送信信号を信号空間(Constellation)上にマッピングする位相変調を1次変調とし、スペクトラム拡散、OFDMなどにより2次変調する方式が用いられる。但し、2次変調は必ずしも必要でない。例えば、近距離専用で安定した伝搬路が保証されるような無線システムでは1次変調のみで高速広帯域な無線伝送が可能である。
例えばCMOS素子より構成されるLSIの消費電力は、負荷容量の充放電、貫通電流、バイアス電流、リーク電流に起因するが、負荷容量の充放電による消費が支配的であることが知られている。負荷容量の充放電による消費電力Pは、一般に下式で表される。
P=p・C・F・V2
ここで、pは信号レベルがハイからロー又はその逆に遷移する確率、CはCMOS素子の負荷容量、Fはクロック周波数、Vは電源電圧である。上式が示すように、回路の消費電力はクロック周波数と電源電圧に比例する。
一方、回路の遅延時間はC・V/(V−Vth)α(但し、α≒1.3)に比例する。ここで、VthはFET(Field Effect Trangister:電界効果トランジスタ)の閾値電圧である。上記の2式から分かるように、回路の動作クロック数Cと電源電圧Vを下げることにより、消費電力を低減することができる。また、回路の電源電圧が閾値電圧に近づくにつれ、遅延時間が増大していく。
無線伝送においては、CMOS LSIの消費電力の式(前述)から分かるように、その消費電力はクロック周波数に比例するので、シンボル・レートや帯域幅を下げて信号処理量を減らしてクロック周波数を下げると、LSIにおいてそのクロックで動作する信号処理系の回路の消費電力は下がる。ところが、シンボル・レートを例えば1/2、クロック周波数を1/2にしただけでは、元のシンボル・レートで伝送した場合の2倍時間がかかることから、ピーク電力は下がるものの同じデータ量を送るのに必要な消費エネルギーは同じになるのでさほど意味をなさない。
通信システムでは、要求される伝送データの量と処理時間は用途によって異なり、必ずしも常に最高速で動作する必要はない。回路のクロック周波数のみを低下したときには、消費電力は低下するものの同じデータ量の伝送時間はその分長くなり、伝送データ量当たりの消費電力は変わらない。これに対し、クロック周波数とともに電源電圧を下げることにより、伝送データ量当たりの消費電力を低減することができる。電源電圧を低下させると回路の遅延時間が増大するが、要求されている伝送速度により許容される遅延時間を満たす範囲内では、回路のクロック周波数並びに電源電圧を下げることができる。そこで、本発明者らは、データ伝送で許容される遅延時間を考慮しながら、回路を動作させるクロック周波数と電源電圧をともに低下させることにより、低消費電力化を図ることを提案する。
すなわち、本発明に係る無線通信装置では、伝送速度や伝送距離といった通信の品質より、伝送速度や帯域幅を下げて低消費電力を優先するという低消費電力モードを定義する。伝送速度並びに遅延時間の許容範囲内で回路のクロック周波数並びに電源電圧を下げるという仕組みを利用することにより、低消費電力モードを、装置のハードウェア構成を極力変更することなく実現することができる。
本発明では、低消費電力を優先させる場合には、シンボル・レートを下げるためにクロック周波数を下げると同時に、ディジタル信号処理系の回路の電源電圧も下げる。図2には、このような低消費電力動作を実現することができる無線通信装置の構成を示している。
同図に示す無線通信装置は、ADC並びにDACを境界に、RF部14とディジタル信号処理部15に分かれている。アンテナ11、バンドパスフィルタ12、アンテナ・スイッチ13、並びにRF部14の構成は図1に示した装置と同様なので、ここでは説明を省略する。
ディジタル信号処理部15は、例えばCMOS LSIチップ上に実装される。送受信信号の処理を行なう送受信信号処理部24と、送受信信号の変復調処理を行なう送信系統並びに受信系統からなるベースバンド信号処理部20を備えている。送信系統では、送信信号に1次変調部33並びに2次変調32によりそれぞれの変調処理を施した後、DAC31によりディジタル信号に変換してRF部14に渡す。また、受信系統では、アナログ受信信号をADC21によりディジタル信号に変換した後、2次復調部22並びに1次復調部23によりそれぞれの復調処理を施す。送受信信号処理部24では、送信データ符号化、所定のデータ・フォーマットの生成、インターリーブ、スクランブルなどからなる送信データの信号処理とプリアンブル検出、ヘッダ情報検出、デインターリーブ、デスクランブル、受信データ復号化などからなる受信データの信号処理を行なう。ディジタル信号処理部はPHY層に相当し、ベースバンド信号処理部はインターフェースを介して上位プロトコルを実装した回路やCPUなどとのインターフェースを行なう。
図示の無線通信装置では、ベースバンド信号処理部20に供給する動作クロック周波数並びに電源電圧の切り換えを行なうクロック周波数/電源電圧制御部50が配設されている。クロック周波数/電源電圧制御部50からの指示に応じて、PLL/クロック発生器60がベースバンド信号処理部20の少なくとも一部の回路モジュールへ供給するクロック周波数を切り替える。また、DC−DCコンバータ41は、クロック周波数/電源電圧制御部50からの指示に応じて、クロック周波数の切り替えに従った分だけベースバンド信号処理部20の少なくとも一部の回路モジュールへ供給する電源電圧を変更する。
クロック周波数/電源電圧制御部50は、送受信信号処理部24により通信相手が適用するシンボル・レートの通知を受けたこと、あるいは主電源であるバッテリ40の残容量を検出したことに応じて、クロック周波数並びに電源電圧の切り替え指示をPLL/クロック発生器60並びにDC−DCコンバータ41に対しそれぞれ出力する。
クロック周波数/電源電圧制御部50や、クロック周波数並びに電源電圧の切り替え動作を実際に行なう機能モジュールは、ディジタル信号処理部15若しくはベースバンド信号処理部20を構成するLSI内部又は外部のいずれに実装してもよい。図2に示す例では、ディジタル信号処理部LSIの外部にDC−DCコンバータ41による可変電源電圧回路に実装し、当該機能部分に関するディジタル信号処理系の回路構成そのものは図1に示した装置とは変えていない。
また、図2に示す無線通信装置では、2次変復調回路を含むが、2次変復調は無い場合もある。例えば、近距離専用で安定した伝搬路が保証されるような無線システムでは1次変調のみで高速広帯域な無線伝送が可能である(同上)。
変調方式を同じにしておくと、同じ回路でクロック周波数だけを下げれば、シンボル・レートと帯域幅は単純にクロック周波数比にスケーリングされる。時間軸上で見れば、シンボル長などがクロック周波数比の逆数倍にスケーリングされる。シンボル・レートを下げるのに1次変調回路及びその後段の送受信信号処理系のクロック周波数を下げれば、1次変調以降はスケーリングされる。
また、2次変調回路も含む装置構成の場合、図2に示すように2次変調回路も同時にスケーリングすれば、ベースバンド信号処理系全体がスケーリングされる。ここで、2次変調としてスペクトラム拡散を行なったとすると、スペクトラム拡散のチップ・レートが変わるので、拡散後の帯域幅が変わる。例えば、UWBのようにトータルの送信電力ではなく単位帯域幅当たりの電力で規定されているような規格に対しては、クロック周波数と電源電圧を引き下げることは、送信電力の観点から不利になる。同様に、2次変調としてOFDM変調を行なう場合には、クロック周波数と電源電圧を引き下げると、十分なサンプリング・レートを確保できなくなる。
そこで、ベースバンド信号処理部のうち2次変復調部分並びにADC、DACの各回路に関しては、スケーリングを適用しない、すなわちシンボル・レートを低下しても、これら回路部分についてのクロック周波数並びに電源電圧を低下しない、という選択肢もある。この場合、図2に示した装置構成に比べ、消費電力は大きめになるが、十分な帯域幅を確保できる、あるいはサンプリング・レートを確保できるという効果がある。
図3には、2次変調回路並び2次変調回路と繋がるADC、DACに対してスケーリングしない無線通信装置の構成を示している。
同図に示す無線通信装置は、ADC並びにDACを境界に、RF部とディジタル信号処理部に分かれている。RF部14、並びにディジタル信号処理部15内のベースバンド信号処理部20に関しては、図2に示した装置と同様の構成なので、ここでは説明を省略する。
図示の無線通信装置では、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24に供給する動作クロック周波数並びに電源電圧の切り換えを制御する行なうクロック周波数/電源電圧制御部50が配設されている。
クロック周波数/電源電圧制御部50は、送受信信号処理部24により通信相手が適用するシンボル・レートの通知を受けたこと、あるいは主電源であるバッテリ40の残容量を検出したことに応じて、クロック周波数並びに電源電圧の切り替え指示をPLL/クロック発生器60並びにDC−DCコンバータ41に対しそれぞれ出力する。
クロック周波数/電源電圧制御部50からの指示に応じて、PLL/クロック発生器60は、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24へ供給するクロック周波数を切り替える。また、DC−DCコンバータ41は、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24へ供給する電源電圧を、クロック周波数の切り替えに従った分だけ変更する。
図3に示した装置構成では、シンボル・レートが低下した場合であっても、2次変復調部分並びにADC、DACの各回路に関してはスケーリングが適用されない。すなわちシンボル・レートを低下しても、これら回路部分についてのクロック周波数並びに電源電圧を低下しない。この場合、図2に示した装置構成に比べ、消費電力は大きめになるが、スペクトル拡散した信号の十分な帯域幅を確保できる、あるいはOFDM信号のサンプリング・レートを確保できるという効果がある。
図2並びに図3に示した無線通信装置の構成によれば、1次変調方式を固定にし、シンボル・レートを下げて信号処理量を減らすと、クロック周波数を下げることができる。回路の遅延量の増加を許容できるために、回路の遅延時間を表す式から分かるように、元のシンボル・レートで伝送する場合より電源電圧を下げることができる。この結果、ピーク電力が下がるだけでなく、同じデータ量の伝送に要する消費エネルギーも下げることができる。例えば、クロック周波数を1/2にすると同時に電源電圧を30%下げることができると、消費電力は約1/4、同じデータ量を送るのに必要な消費エネルギーは約1/2に減らすことができる。
シンボル・レートを多段階に可変とし、シンボル・レートと信号処理の許容遅延量に応じてクロック周波数と電源電圧を併せて変更することで、より細かい電力管理が可能となる。
クロック周波数を変える方法の例としては、PLLによって複数の周波数のクロックをあらかじめ生成しておき、論理ゲート又はスイッチで切り換えるという方法や、PLLの分周比を変更してPLLの生成するクロック周波数を切り換えるといった方法を挙げることができる。また、電源電圧については、ディジタル信号処理部LSIの内部又は外部で生成した複数の電源電圧をスイッチで切り換える、又は、図2並びに図3に示したように電源供給用に電圧可変のDC−DCコンバータ41を構成し、DC−DCコンバータ41の出力電圧を多段階に切り換えられるようにする。クロック周波数に対する電源電圧の設定については、例えばディジタル信号処理部LSI内部のROM上に対応表を記憶しておき、それを参照して設定するようにすればよい。
以上説明してきたように、要求される伝送データ量と処理時間に合わせてシンボル・レートを設定し、シンボル・レートに応じてクロック周波数を変えると同時に回路の電源電圧も変えることにより、常に最高速で伝送する場合に比べて消費電力を抑えたデータ伝送を行なうことができる。この低消費電力データ伝送によれば、伝送データ量当たりの消費電力も低減することができる。
続いて、上記のシンボル・レートを下げる低消費電力モードを持つ無線通信装置を用いてデータ送受信システムを構成する場合について考察してみる。データ通信を行なう無線通信装置同士で、使用するシンボル・レートを認識する仕組みが必要である。
ユーザが外部からの操作により、データ伝送を行なう送受信双方の無線通信装置のモード設定を手動で行なうなど、送受信機のモード設定が確実になされている場合を除けば、無線通信装置は、通信相手がどのシンボル・レートを使用しているかが分からない。例えば、送信側はバッテリの残容量などに応じて自身の判断で低消費電力モードに設定できても、受信側ではどのシンボル・レートで送信されてくるか分からない。
そこで、無線通信装置は、受信系において通信相手が使用するシンボル・レートを検出するレート検出機能を備えるようにしてもよい。このレート検出機能は、例えば、複数のシンボル・レートを検出(若しくは復調)する回路で構成することができる。この場合、各検出回路でシンボルの検出を並列的に行ない、いずれの回路でシンボル検出に成功したかで、シンボル・レートを検出することができる。そして、検出したシンボル・レートに合わせて、後段の処理系のクロック周波数と電源電圧を変えることができる。
複数のシンボル・レートを検出する方法として、例えば、シンボル・レートとして複数の伝送レート(例えば最大値とその1/2、1/4)を設定し、それぞれのシンボル・レートに対する独立した復調回路を並列的に配置し、受信時にはこれらの復調回路を並列的に動作させて、シンボル・レートの検出を行なう。図4には、この場合の無線通信装置の構成を示している。
同図に示す無線通信装置は、ADC並びにDACを境界に、RF部14とディジタル信号処理部15に分かれている。RF部14の構成は図1〜図3に示した装置と同様なので、ここでは説明を省略する。
ディジタル信号処理部15は、例えばCMOS LSIチップ上に実装され、送受信信号の処理を行なう送受信信号処理部24と、送受信信号の変復調処理を行なう送信系統並びに受信系統からなるベースバンド信号処理部20を備えている。送信系統では、送信信号に1次変調部33並びに2次変調部32でそれぞれの変調処理を施した後、DAC31によりディジタル信号に変換してRF部14に渡す。また、受信系統では、アナログ受信信号をADC21によりディジタル信号に変換した後、2次復調部22並びに1次復調部23でそれぞれの復調処理を施す。
図示のように、ベースバンド信号処理部20の受信系統では、それぞれのシンボル・レートに対する1次復調回路23−1、23-2、…を独立に持ち、受信時には2次復調されたシンボルの1次復調処理を並列的に動作させてシンボル・レートを検出する。各1次復調回路23−1、23-2、…は、それぞれ固定のクロック周波数、電源電圧で動作する。そして、いずれの1次復調回路でシンボルを復調できたかによって、シンボル・レートを検出することができる。復調回路の後段の送受信信号処理部24は、検出されたシンボル・レートによってクロック周波数と電源電圧を設定し、異なるレートに対する回路の電源をオフにする。
なお、図4に示した例では、2次変調回路32を1つにしている。この場合、2次復調のレートを変えながら、いずれかの1次復調回路23で検出できるまで2次変調のレートを変えてみる必要がある。
また、図4に示したように、無線通信装置が並列的に動作する複数の復調回路を持つ場合、復調回路の規模が大きくなるので、単一のレート検出回路でクロック周波数のみを切り替え、時分割で複数のシンボル・レートを検出するという方法も考えられる。但し、この方法では、信号の検出に長時間を要するため、伝送フレームのプリアンブル部分を長くするなどの対応が必要であり、スループットが犠牲となる。
データ通信を行なう無線通信装置同士で、使用するシンボル・レートを認識する他の仕組みとして、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部の記載を利用する方法が挙げられる。
IEEE802.11系の無線通信システムを始めとして、一般に、伝送フレームのプリアンブル部並びにヘッダ部には、使用するシンボル・レートに関する情報(変調方式並びに伝送レート)が記載される。そこで、送信側では、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定(例えば最低のレート)にして伝送する。
図5には、IEEE802.11系の伝送フレームのフォーマットを模式的に示している。図示の例では、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定にする。また、ヘッダ部以降のデータ部(ペイロード)に関しては、通信機におけるバッテリ残量や伝送路の状況などに応じて可変のシンボル・レートを採用する。
図10には、IEEE802.11aにおけるフレーム・フォーマットを示している。各パケットの先頭には、パケットの存在を示すためのプリアンブルが付加されている。プリアンブルは、規格により既知のシンボル・パターンが定義されている。受信機は、この既知パターンに基づいて受信信号がプリアンブルに値するか否かを判断することができる。
プリアンブルに続き、シグナル・フィールドが定義されている。シグナル・フィールドには、当該パケットの情報部を復号するのに必要な情報が格納されている。パケットの復号に必要な情報は、PLCPヘッダ(Physical Layer Convergence Protocolヘッダ)と呼ばれ、PLCPヘッダには、情報部(PLCPヘッダの一部であるServiceフィールドも含まれるが、説明の簡素化のため、以下では単に「情報部」と総称する)の伝送レートを示すRATEフィールド、情報部の長さを示すLENGTHフィールド、パリティ・ビット、エンコーダのTailビットなどが含まれている。受信機は、PLCPヘッダのRATE並びにLENGTHフィールドの復号結果に基づき、以降の情報部の復号作業を行なう。
図5に示したように、プリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定にして伝送を行なう場合、受信側では、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部をこの固定のシンボル・レートに対応した動作クロック周波数により検出する。そして、検出したプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レートを識別することができる。
クロック周波数/電源電圧制御部50は、通信相手が適用するシンボル・レートの通知を受けたこと、あるいは主電源であるバッテリ40の残容量を検出したことに応じて、クロック周波数並びに電源電圧の切り替え指示をPLL/クロック発生器60並びにDC−DCコンバータ41に対しそれぞれ出力し、シンボル検出回路以降の送受信信号処理部24におけるクロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を設定する。この結果、ヘッダ部以降のシンボルを検出することができる。
この場合、無線通信装置は、図4のようにシンボル・レート毎の複数の復調回路を持つ必要がない。すなわち、シンボル・レートを検出した後、データの処理に移行するタイミングでクロック周波数及び電源電圧の設定を変えればよい。
2次変復調の方式として、例えばスペクトラム拡散やOFDM変調を適用することができる。シンボル・レートに併せて、1次変復調回路並びに送受信信号処理部のクロック周波数や電源電圧を制御する場合であっても、2次変復調における帯域幅の確保やサンプリング・レートの確保のためには、上述したように、2次変復調回路のクロック周波数や電源電圧を固定にすることが好ましい(図3を参照のこと)。
但し、図2に示したように、シンボル・レートとともに2次変調回路(例えばスペクトラム拡散のチップ・レート、OFDMのサンプリング・レート)を含む動作クロックをシンボル・レートに合わせて下げてスケーリングする低消費電力モードを持つこともできる。ところが、スペクトラム拡散のチップ・レートのような2次変調のレートが複数個存在するようになる。このため、送受信機をユーザが外部からの操作によりモード設定を手動で行なう場合を除けば、送信側は自身の判断で低消費電力モードに設定できても、受信側ではどの2次変調のレートで送信されてくるか分からない。
そこで、複数の2次変調レートを検出する方法として、無線通信装置の受信系が複数の2次変調のレートを検出するための複数の2次復調回路を並列的に配置することが考えられる。受信時には、これらの復調回路を並列的に動作させて、2次変調レートの検出を行なう。そして、検出した2次変調のレートに合わせて後段のクロック周波数と電源電圧を変えるように構成する。図6には、この場合の無線通信装置の構成を示している。
同図に示す無線通信装置は、ADC並びにDACを境界に、RF部14とディジタル信号処理部15に分かれている。RF部14の構成は図1〜図4に示した装置と同様なので、ここでは説明を省略する。
ディジタル信号処理部15は、例えばCMOS LSIチップ上に実装され、送受信信号の処理を行なう送受信信号処理部24と、送受信信号の変復調処理を行なう送信系統並びに受信系統からなるベースバンド信号処理部20を備えている。送信系統では、送信信号に1次変調部33並びに2次変調部32においてそれぞれの変調処理を施した後、DAC31によりディジタル信号に変換してRF部14に渡す。また、受信系統では、アナログ受信信号をADC21によりディジタル信号に変換した後、2次復調部22並びに1次復調部23によりそれぞれの復調処理を施す。
図示のように、ベースバンド信号処理部の受信系統では、それぞれの2次変調レート並びにシンボル・レートに対する2次復調回路22−1、22−2、…及び1次復調回路23−1、23−2、…の組からなる復調系統を独立に持ち、受信時にはそれぞれの復調系統を並列的に動作させて2次変調レート及びシンボル・レートを検出する。各1次復調回路23−1、23−2、…及び2次復調回路22−1、22−2、…は、それぞれ固定のクロック周波数、電源電圧で動作する。そして、いずれの復調系統でシンボルを復調できたかによって、2次変調レート並びにシンボル・レートを検出することができる。復調回路の後段の信号処理部24は、検出されたシンボル・レートによってクロック周波数と電源電圧を設定し、異なるレートに対する回路の電源をオフにする。複数個の1次復調、2次復調回路はそれぞれ同じもので、クロック周波数だけが異なる。
2次変調のレートとシンボル・レートの関係を一定、例えば、スペクトラム拡散の場合にチップ・レートとシンボル・レートの比を一定にしておくと、2次変調と1次変調のレートの組み合わせを考慮する必要がない。
バッテリ駆動の機器において、効果的に消費電力を抑えてバッテリ寿命を伸ばすことは重要な課題である。図7には、主電源であるバッテリの残量に基づいてシンボル・レートを自律的若しくは能動的に決定する無線通信装置の構成を示している。
同図に示す無線通信装置は、ADC21並びにDAC31を境界に、RF部14とディジタル信号処理部15に分かれている。RF部14、並びにディジタル信号処理部15内のベースバンド信号処理部20に関しては図2並びに図3と同様の構成なので、ここでは説明を省略する。
図示の無線通信装置では主電源であるバッテリ40の残量をチェックするバッテリ・チェッカを備えている。また、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24に供給する動作クロック周波数並びに電源電圧の切り換えを制御する行なうクロック周波数/電源電圧制御部50が配設されている。
バッテリ・チェッカ70は、バッテリの出力電圧を常時監視しており、バッテリ40の残量をクロック周波数/電源電圧制御部50に通知する。クロック周波数/電源電圧制御部50は、バッテリ40の残量に基づいて現在の伝送レートによるデータ伝送を継続することが可能であるかどうかを判別する。そして、バッテリ40の残量に応じて低消費電力モードへの遷移が必要であると判断したときには、クロック周波数並びに電源電圧の切り替え指示をPLL/クロック発生器60並びにDC−DCコンバータ41に対しそれぞれ出力する。
クロック周波数/電源電圧制御部50からの指示に応じて、PLL/クロック発生器60は、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24へ供給するクロック周波数を切り替える。また、DC−DCコンバータ41は、ベースバンド信号処理部20内の1次変復調部23及びその後段の送受信信号処理部24へ供給する電源電圧を、クロック周波数の切り替えに従った分だけ変更する。
バッテリ駆動の無線通信装置は、バッテリ残量が少なくなった状態で最高速のまま伝送すると、伝送に要するトータルの消費電力及びピーク電力が大きいことにより、必要な電源電圧を回路に供給できなくなり、データ伝送が完結せず途絶するという事態があり得る。図7に示した無線通信装置では、電源電圧を常時監視し、バッテリ40の残量に応じて低消費電力モードへの遷移をコントロールする。最大のシンボル・レートをあらかじめ設定しておくが、バッテリ残量に応じてそれ以下のシンボル・レートとそのレートに応じて電源電圧を制御する。これによって、バッテリ寿命を伸ばし、ユーザがバッテリを充電又は交換するまでの猶予時間に余裕を持たせることができる。
ここまでは、無線システムのディジタル信号処理部15のクロック周波数と電源電圧の両方を制御することで消費電力を低減する方法を述べてきた。ところが、クロック周波数/電源電圧制御部から制御信号を発してから、DC−DCコンバータ41において所望の電源電圧に達するまでにはある程度の時間を要する、という問題がある。
前述した遅延時間の式が示すように、電圧を下げるときに特に遅延が大きくなる。この場合、回路として速い動作ができないので、回路が追従するまで待つ必要がある。
このため、例えばマイクロ秒オーダという短い間隔で頻繁に電源電圧を変えるように制御しても、DC−DCコンバータ41では電源電圧が制御に追従できないため、実質的な電源電圧がほとんど変わらず、低消費電力モードにしても伝送量当たりの消費電力はほとんど下がらない。また、低い電源電圧設定から高い電源電圧設定に変える場合には、同時に動作周波数も高くするが、その際に回路の動作速度不足による不具合が生ずる。
このような問題を避けるためには、シンボル・レートを下げる場合、すなわち電源電圧及びクロック周波数を下げる場合には、例えば1秒以上のような電源電圧が追従できる時間の数倍程度の時間はその設定が持続することを保証するようにする。
逆に、シンボル・レートを上げる場合、すなわち電源電圧及びクロック周波数を上げる場合には、電源電圧が追従できる時間分は電源電圧が移行すめためのインターバルを設定するようにし、データ伝送開始を遅らせるか、あるいは、電源電圧が追従できる時間分は移行中を示すフラグをヘッダに設定するようにする。例えば、図8に示すように、そのインターバルの間は元のシンボル・レートで伝送し、電源電圧が追従できる時間分が経過したところでフラグを解除してクロック周波数を上げるようにすればよい。
図9には、無線通信装置において、使用する伝送レートに応じてディジタル信号処理部の動作クロック周波数及び電源電圧を制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、通信相手が使用する伝送レートの識別結果、又は自局のバッテリ残量などに基づいて、伝送レートを変更する必要があるかどうかをチェックする(ステップS1)。
そして、伝送レートを変更する必要がある場合には、伝送レートを決定する(ステップS2)。
次いで、供給クロック周波数並びに電源電圧値を、例えばLSI内部のROMに書き込まれているテーブルから読み出す(ステップS3)。
そして、移行フラグ・ビットをセットし(ステップS4)、電源電圧を変更する(ステップS5)。
そして、所定のインターバルだけ待機した後(ステップS6)、移行フラグ・ビットを解除して(ステップS7)、ディジタル信号処理部15に供給するクロック周波数と、伝送レートを変更する(ステップS8)。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、無線通信システムにおいて信号処理系の回路のクロック周波数及び電源電圧を可変とすることで、必要な伝送速度に応じて消費電力を制御でき、低消費電力モードを実現できることを説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。本発明は例えば有線伝送を行なう通信装置に対しても同様に適用することができ、特に高速な伝送速度をサポートしているシステムにおいて有効である。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、無線信号の送受信を行なう通信装置の構成例を示した図である。 図2は、低消費電力動作を実現することができる無線通信装置の構成を示した図である。 図3は、2次変調回路並び2次変調回路と繋がるADC、DACに対してスケーリングしない無線通信装置の構成を示した図である。 図4は、複数のシンボル・レートに対する独立した復調回路を並列的に配置し、受信時にはこれらの復調回路を並列的に動作させて、シンボル・レートの検出を行なう無線通信装置の構成を示した図である。 図5は、IEEE802.11系の伝送フレームのフォーマットを模式的に示した図である。 図6は、受信系が複数の2次変調のレートを検出するための複数の2次復調回路を並列的に配置した無線通信装置の構成を示した図である。 図7は、主電源であるバッテリの残量に基づいてシンボル・レートを自律的若しくは能動的に決定する無線通信装置の構成を示した図である。 図8は、シンボル・レートを上げる場合のインターバルの設定例を示した図である。 図9は、無線通信装置において、使用する伝送レートに応じてディジタル信号処理部の動作クロック周波数及び電源電圧を制御するための処理手順を示したフローチャートである。 図10は、IEEE802.11aにおけるフレーム・フォーマットを示した図である。
符号の説明
11…アンテナ
12…バンドパスフィルタ
13…アンテナ・スイッチ
14…RF部
15…ディジタル信号処理部
21…ADC
22…2次復調部
23…1次復調部
24…送受信信号処理部
25…インターフェース
31…DAC
32…2次変調部
33…1次変調部
40…バッテリ
41…DC−DCコンバータ
50…クロック周波数/電源電圧制御部
60…PLL/クロック発生器
70…バッテリ・チェッカ

Claims (25)

  1. 複数の伝送レートを使用して通信機同士でデータ伝送を行なう無線通信システムであって、
    各通信機は、使用する伝送レートに応じて、少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    を特徴とする無線通信システム。
  2. 通信機は、バッテリにより駆動し、該バッテリの残存容量に応じて使用する伝送レートを決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 通信機は、通信相手となる通信機側で使用する伝送レートを検出するレート検出手段を備え、検出結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部の伝送レートを固定にして伝送され、
    通信機は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定の伝送レートに対応した動作クロック周波数により検出し、プリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいて、ヘッダ部以降における伝送レートを検出し、検出結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 伝送レート毎に変調方式が設定されており、動作クロック周波数に比例したシンボル・レートでデータ伝送が行なわれ、
    通信機は、それぞれのシンボル・レートで受信信号を復調する回路を並列的に備え、復調後の信号を処理する回路モジュールを、復調できたシンボル・レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  6. 伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定にして伝送され、
    通信機は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レートに対応した動作クロック周波数により検出し、該検出したプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レートを識別し、該識別結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
  7. 通信機はさらに2次変調を適用し、シンボル・レートと同時に2次変調レートを可変にする、
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
  8. シンボル・レート毎に2次変調方式が設定されており、
    通信機は、それぞれの2次変調レートで受信信号を復調する回路を並列的に備え、復調後の信号を処理する回路モジュールを、復調できた2次変調レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レート及び2次変調レートを固定にして伝送され、
    通信機は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レート及び2次変調レートに対応した動作クロック周波数により検出し、該検出したプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レート及び2次変調レートを識別し、該識別結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  10. 所定の無線通信環境下で、複数の伝送レートを使用してデータ伝送を行なう無線通信装置であって、
    無線伝送路を介したデータ送受信を行なう通信部と、
    前記通信部において使用する伝送レートを決定する伝送レート制御手段と、
    前記伝送レート制御手段により決定した伝送レートに応じて、前記通信部における少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数を制御するクロック制御手段と、
    前記動作クロック周波数に応じて当該回路モジュールに供給する電源電圧を制御する電源制御手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  11. 前記通信部は、無線信号の送受信処理を行なう無線部と、アナログ変換前の送信信号及びディジタル変換後の受信信号を処理するディジタル信号処理部を備え、
    前記クロック制御手段は、前記伝送レート制御手段により決定した伝送レートに応じて、前記ディジタル信号処理部内の少なくとも一部の回路モジュールにおける動作クロック周波数を制御し、
    前記電源制御手段は、前記動作クロック周波数に応じて、前記ディジタル信号処理部の少なくとも一部の回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記ディジタル信号処理部は、送受信信号を変復調する変復調部を備え、
    前記電源制御手段は、前記動作クロック周波数の変化に拘らず、前記変復調部への電源電圧を一定にする、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 電源電圧を供給するバッテリを備え、
    前記伝送レート制御手段は、前記バッテリの残存容量に応じて使用する伝送レートを決定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  14. 前記通信部によってデータ伝送を行なう通信相手において使用する伝送レートを検出するレート検出手段を備え、
    前記クロック制御手段及び前記電源電圧制御手段は、前記レート検出手段による検出結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧をそれぞれ制御する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  15. 前記無線通信環境下では、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部の伝送レートを固定にして伝送され、
    前記レート検出手段は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定の伝送レートに対応した動作クロック周波数により検出し、
    前記クロック制御手段及び前記電源制御手段はプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいて、ヘッダ部以降における伝送レートを検出し、検出結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。
  16. 前記無線通信環境下では、伝送レート毎に変調方式が設定されており、動作クロック周波数に比例したシンボル・レートでデータ伝送が行なわれ、
    前記ディジタル信号処理部は、それぞれのシンボル・レートで受信信号を並列的に検出する複数の変復調部を備え、復調後の信号を処理する回路モジュールを復調できたシンボル・レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  17. 前記無線通信環境下では、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レートを固定にして伝送され、
    前記ディジタル信号処理部は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レートに対応した動作クロック周波数により検出し、
    前記伝送レート制御手段は、該検出したプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レートを識別し、
    前記クロック制御手段及び前記電源制御手段は、該識別結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信装置。
  18. 前記無線通信環境下では、通信機はさらに2次変調を適用し、シンボル・レートと同時に2次変調レートを可変にする、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  19. 前記無線通信環境下では、シンボル・レート毎に2次変調方式が設定されており、
    前記ディジタル信号処理部は、それぞれの2次変調レートで受信信号を復調する複数の変復調部を並列的に備え、復調後の信号を処理する回路モジュールを復調できた2次変調レートに対応した動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧に設定する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の無線通信装置。
  20. 前記無線通信環境下では、伝送フレームのプリアンブル及びヘッダ部のシンボル・レート及び2次変調レートを固定にして伝送され、
    前記ディジタル信号処理部は、受信フレームのうちプリアンブル及びヘッダ部を該固定のシンボル・レート及び2次変調レートに対応した動作クロック周波数により検出し、
    前記伝送レート制御手段は、該検出したプリアンブル及びヘッダ部の記載に基づいてヘッダ部以降におけるシンボル・レート及び2次変調レートを識別し、
    前記クロック制御手段及び前記電源制御手段は、該識別結果に応じて前記回路モジュールの動作クロック周波数並びに当該回路モジュールの電源電圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の無線通信装置。
  21. 前記伝送レート制御手段は、伝送レートを切り替えたときに、次の伝送レートの持続時間が前記電源制御手段により前記回路モジュールに供給する電源電圧が遷移するのに要する時間以上であることを保証する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  22. 前記伝送レート制御手段は、伝送レートを上げるときに、前記電源制御手段により前記回路モジュールに供給する電源電圧が遷移するのに要する時間以上のインターバルを設定し、
    前記クロック制御手段は、該インターバルの期間は元の伝送レートで動作するように前記回路モジュールへ動作クロック周波数を供給し、該インターバルの経過後に次の伝送レートに応じた動作クロック周波数に上げる、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  23. 前記クロック制御手段及び前記電源制御手段は、前記伝送レート制御手段により決定される2次変調レートに拘らず、前記通信部内の2次変復調部の動作クロック周波数及び電源電圧を一定にする、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  24. 所定の無線通信環境下で複数の伝送レートを使用可能な通信回路を用いてデータ伝送を行なう無線通信方法であって、
    無線伝送路を介したデータ送受信において使用する伝送レートを決定する伝送レート制御ステップと、
    前記伝送レート制御ステップにおいて決定した伝送レートに応じて、前記通信回路における少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数を制御するクロック制御ステップと、
    前記動作クロック周波数に応じて当該回路モジュールに供給する電源電圧を制御する電源制御ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  25. 所定の無線通信環境下で複数の伝送レートを使用可能な通信回路を用いてデータ伝送を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    無線伝送路を介したデータ送受信において使用する伝送レートを決定する伝送レート制御ステップと、
    前記伝送レート制御ステップにおいて決定した伝送レートに応じて、前記通信回路における少なくとも一部の回路モジュールの動作クロック周波数を制御するクロック制御ステップと、
    前記動作クロック周波数に応じて当該回路モジュールに供給する電源電圧を制御する電源制御ステップと、
    を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
JP2004230654A 2004-08-06 2004-08-06 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Pending JP2006050396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004230654A JP2006050396A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004230654A JP2006050396A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006050396A true JP2006050396A (ja) 2006-02-16
JP2006050396A5 JP2006050396A5 (ja) 2007-08-23

Family

ID=36028405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004230654A Pending JP2006050396A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006050396A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008160797A (ja) * 2006-11-28 2008-07-10 Seiko Epson Corp データ転送を行う回路及び方法並びにクロックパルスを利用する回路及び方法
JP2009534950A (ja) * 2006-04-20 2009-09-24 クゥアルコム・インコーポレイテッド 超広帯域通信のためのメディアアクセス制御
JP2009535931A (ja) * 2006-04-26 2009-10-01 クゥアルコム・インコーポレイテッド デューティ・サイクリング電力スキーム
JP2010537511A (ja) * 2007-08-14 2010-12-02 クゥアルコム・インコーポレイテッド 共有されるベースバンド・プロセッサを使用するマルチ帯域幅通信システム
JP2014518043A (ja) * 2011-05-11 2014-07-24 クゥアルコム・インコーポレイテッド マルチ・スレッド・プロセッサ・モバイル・デバイスにおける電力消費量を低減すること
JP2015070567A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 沖電気工業株式会社 無線アクセスポイント及び無線通信方法
WO2015112091A1 (en) * 2014-01-23 2015-07-30 Massachusetts Institute Of Technology (Mit) An integrated circuit adapted for mobile communication and related mobile computing device
JP2015534349A (ja) * 2012-09-13 2015-11-26 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated デジタル・モデムの動的電力スケーリング
JP2016521487A (ja) * 2013-04-05 2016-07-21 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated ワイヤレスモデムにおける動的電圧および周波数スケーリング
US11444655B2 (en) 2019-05-31 2022-09-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device for adjusting peak voltage of UWB transmission signal based on frame length of data and operation method thereof

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05347612A (ja) * 1992-06-15 1993-12-27 Oki Electric Ind Co Ltd 無線データ送信装置、無線データ受信装置及び無線データ送受信装置
JP2000106605A (ja) * 1998-07-29 2000-04-11 Denso Corp 無線通信装置
JP2000349740A (ja) * 1999-06-08 2000-12-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 送受信装置
WO2001033810A1 (fr) * 1999-11-05 2001-05-10 Sony Corporation Procede et appareil de transmission de donnees
JP2002300076A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Toshiba Corp 移動無線端末装置
JP2003140767A (ja) * 2001-11-08 2003-05-16 Sony Corp 周波数制御回路
JP2003304577A (ja) * 2002-04-11 2003-10-24 Hitachi Ltd 無線通信方法、無線基地局装置、および端末装置
JP2004064271A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線lanシステム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05347612A (ja) * 1992-06-15 1993-12-27 Oki Electric Ind Co Ltd 無線データ送信装置、無線データ受信装置及び無線データ送受信装置
JP2000106605A (ja) * 1998-07-29 2000-04-11 Denso Corp 無線通信装置
JP2000349740A (ja) * 1999-06-08 2000-12-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 送受信装置
WO2001033810A1 (fr) * 1999-11-05 2001-05-10 Sony Corporation Procede et appareil de transmission de donnees
JP2002300076A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Toshiba Corp 移動無線端末装置
JP2003140767A (ja) * 2001-11-08 2003-05-16 Sony Corp 周波数制御回路
JP2003304577A (ja) * 2002-04-11 2003-10-24 Hitachi Ltd 無線通信方法、無線基地局装置、および端末装置
JP2004064271A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線lanシステム

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534950A (ja) * 2006-04-20 2009-09-24 クゥアルコム・インコーポレイテッド 超広帯域通信のためのメディアアクセス制御
US9124357B2 (en) 2006-04-20 2015-09-01 Qualcomm Incorporated Media access control for ultra-wide band communication
JP2012178826A (ja) * 2006-04-20 2012-09-13 Qualcomm Inc 超広帯域通信のためのメディアアクセス制御
JP2009535931A (ja) * 2006-04-26 2009-10-01 クゥアルコム・インコーポレイテッド デューティ・サイクリング電力スキーム
US8451710B2 (en) 2006-04-26 2013-05-28 Qualcomm Incorporated Sub-packet pulse-based communications
US8527016B2 (en) 2006-04-26 2013-09-03 Qualcomm Incorporated Wireless device communication with multiple peripherals
US8553745B2 (en) 2006-04-26 2013-10-08 Qualcomm Incorporated Inter-pulse duty cycling
JP2008160797A (ja) * 2006-11-28 2008-07-10 Seiko Epson Corp データ転送を行う回路及び方法並びにクロックパルスを利用する回路及び方法
JP2010537511A (ja) * 2007-08-14 2010-12-02 クゥアルコム・インコーポレイテッド 共有されるベースバンド・プロセッサを使用するマルチ帯域幅通信システム
JP2014180009A (ja) * 2007-08-14 2014-09-25 Qualcomm Incorporated 共有されるベースバンド・プロセッサを使用するマルチ帯域幅通信システム
US9313067B2 (en) 2007-08-14 2016-04-12 Qualcomm Incorporated Multi-bandwidth communication system using a shared baseband processor
JP2014518043A (ja) * 2011-05-11 2014-07-24 クゥアルコム・インコーポレイテッド マルチ・スレッド・プロセッサ・モバイル・デバイスにおける電力消費量を低減すること
JP2015534349A (ja) * 2012-09-13 2015-11-26 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated デジタル・モデムの動的電力スケーリング
JP2016521487A (ja) * 2013-04-05 2016-07-21 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated ワイヤレスモデムにおける動的電圧および周波数スケーリング
CN107222915A (zh) * 2013-04-05 2017-09-29 高通股份有限公司 无线调制解调器中的动态电压和频率缩放
JP2019193273A (ja) * 2013-04-05 2019-10-31 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated ワイヤレスモデムにおける動的電圧および周波数スケーリング
JP2015070567A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 沖電気工業株式会社 無線アクセスポイント及び無線通信方法
WO2015112091A1 (en) * 2014-01-23 2015-07-30 Massachusetts Institute Of Technology (Mit) An integrated circuit adapted for mobile communication and related mobile computing device
US9603190B2 (en) 2014-01-23 2017-03-21 Massachusetts Institute Of Technology Integrated circuit adapted for mobile communication and related mobile computing device
US11444655B2 (en) 2019-05-31 2022-09-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device for adjusting peak voltage of UWB transmission signal based on frame length of data and operation method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102194542B1 (ko) 무선 통신 시스템에서 파워 세이빙 방법
Aiello et al. Ultra-wideband wireless systems
US10111173B2 (en) Fully integrated wake-up receiver
JP5666572B2 (ja) 無線通信ネットワークにおける移動体端末と基地局との間のデータ送信のスケジューリング
Harada Software defined radio prototype toward cognitive radio communication systems
JP3875244B2 (ja) 無線通信用回路、無線通信装置、無線通信システム
US10594262B2 (en) Apparatus and method of reducing power consumption in a low intermediate frequency radio receiver
US7305259B1 (en) Apparatus and method for reducing power consumption in wireless RF systems
KR20070025379A (ko) 무선 기기의 전력 제어 방법 및 장치
US20050265434A1 (en) Communication apparatus, communication method, and program
JP2003332973A (ja) 無線通信装置
JP2006050396A (ja) 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム
US20170118711A1 (en) Method for reducting the power consumption of a mobile device
EP2060009B1 (en) Wireless device and method
Wylie-Green et al. Multi-band OFDM UWB solution for IEEE 802.15. 3a WPANs
US8064513B2 (en) Pulse generator, communication device, and pulse generation method
JP4354319B2 (ja) 無線通信装置の制御方法及び無線通信装置
JP2008306409A (ja) 無線通信システム
US10181916B1 (en) Apparatus and method of detection of image interference in a radio frequency receiver
US9432952B2 (en) Information processing apparatus and control method thereof
CN113647059B (zh) 用于采用交叠频带的无线通信系统的设备、系统和方法
JP2006254508A (ja) 無線通信装置
CN113825156A (zh) 无线通信方法以及电子设备
KR20100101471A (ko) 데이터 송수신장치 및 그 제어방법
Guvenc et al. 1 Short-range wireless communications and reliability

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027