JP2004064271A - 無線lanシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】今までの無線LANの方式では全てのデータの誤り検出を行い、誤りが発生すると上記ACKの手段を使用して誤りが無くなるまで再送を繰り返す。このため、実効のデータ転送レートが低くなり、大画面のリアルタイム映像伝送ができないという課題があった。
【解決手段】送信側では誤り再送処理を必要とするデータと再送処理を必要としないデータとを分ける手段を設け、送信データ内に再送処理を必要としないデータであるかどうかを示す情報を付加してデータ送信する構成にする。受信側では再送処理を必要としないデータである場合には、誤り検出手段にて検出された結果に関わらずACKを送信することにより誤りが発生しても再送が行われない。このため、データ転送レートを落とす原因の再送回数を減らせるため、実行データ転送レートを高く設定でき、リアルタイム映像伝送が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】送信側では誤り再送処理を必要とするデータと再送処理を必要としないデータとを分ける手段を設け、送信データ内に再送処理を必要としないデータであるかどうかを示す情報を付加してデータ送信する構成にする。受信側では再送処理を必要としないデータである場合には、誤り検出手段にて検出された結果に関わらずACKを送信することにより誤りが発生しても再送が行われない。このため、データ転送レートを落とす原因の再送回数を減らせるため、実行データ転送レートを高く設定でき、リアルタイム映像伝送が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線でデータ伝送を行う無線LANシステムに関するものである。さらに詳述すれば、送受信機の受信側が送信データを正常に受信できたときは、送受信機の送信側に正常受信信号(ACK)を送信し、送信側が正常受信信号を受信しなかったときはデータを再送することにより正常にデータの送受信を行う無線LANシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送受信機において送信側と受信側との間でデータを送受信する場合、受信側が受信したデータに誤りが含まれることがある。この場合、誤りが少ししかなければ受信側で誤り訂正を行うことにより、データを正常に復元することが可能である。しかしながら誤りが多ければ、データを正常に復元することが出来ずにデータの正常な送受信は行われない。したがって、誤り訂正後に受信データが正常に復元できたか否かの検出を行う必要がある。検出の結果、正常にデータが復元できたことが検出されたときには、正常受信信号(以下、ACK)を送信側に送信する。送信側はデータを送信した後、受信側から送信されてきたACKを受信することにより、データが正常に届いたことを認識する。受信側において、正常にデータが復元できなかったときには、正常受信信号を送信側に送り返さない。送信側は一定期間内にACKが受信できなかった場合には、データを正常に送れなかったと認識し、再度同一データを送信する。以下、ACKが受信できるまでこの動作を繰り返すことにより、受信側はデータを正常に受信することができる。
【0003】
以下説明の簡単のために、上記の誤り訂正について説明は省略をし、本明細書中で「誤り検出」とは「誤り訂正後に正常に復元できたか否かの検出を行うこと」をいい、「誤りが検出される」とは「誤り訂正後に復元できなかった誤りが検出されること」をいい、「正常受信」とは「誤り訂正によって誤りが完全に訂正され、受信されること」をいうものとする。
【0004】
従来の無線LANシステムにおけるデータの送受信について、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図11は無線LANシステムの構成図を示したものである。無線LANシステムは複数の送受信機、アクセスポイント、基幹ネットワークから構成される。通信を行う送受信機が同一のアクセスポイントに接続されている場合は、各送受信機は無線によるアクセスポイントとの通信を行うことにより互いにデータの送受信を行うことができる。通信を行う送受信機が異なるアクセスポイントと接続されている送受信機と通信を行う場合は、アクセスポイントとの通信に加えてさらに基幹ネットワークを介したアクセスポイント間の通信を行うことにより、互いにデータの送受信を行うことができる。
【0006】
図12は図11のような無線LANシステムで用いられる送受信機の従来の構成を示した図である。このような構成の送受信機の間でデータの送受信は行われる。
【0007】
まず、データの送信について説明する。101は送信側が受信側へと送信する送信元データであり、演算・記憶部100から出力される。送信データ組立部1201は送信元データ101がどのような属性のデータか判断し、送信元データ101から送信データ106への組立処理を行う。送信データ組立部1201が行う処理としては、例えば、動画像のようにリアルタイム性が重要である送信元データを送信データへと組立てる際に行う、UDPIP処理がある。送信データ組立部1201は送信データ106を組立てると、送信要求信号103を送信制御部105へ、送信データ106をフレーム合成部107へと出力する。送信要求信号103を受けた送信制御部105は、フレーム合成部107へとデータ送信命令108を出力する。データ送信命令108を受け取るとフレーム合成部107は、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報によって構成されるヘッダー1を送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータによって構成されるフッターを送信データ106の最後に付加し、これらをまとめて送信フレームデータ109としてデータ送信部110へと出力する。データ送信部110は送信フレームデータ109が入力されると、この先頭にプリアンブル、データ長、送信レートから構成されるヘッダー2を付加し、変調処理を行った上で送信変調データ114として無線送受信部115に出力する。ここでプリアンブルは、受信側において信号を正確に受信するための同期信号を抽出するために用いられる。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機へと送信する。なお、上記のヘッダー1、ヘッダー2、フッターを付加された結果、送信変調データ114は図14のようなデータ構造を持つことになる。
【0008】
次にデータの受信について説明する。送信側の送受信機から送信された送信変調データ114は、アクセスポイントを介して、受信側の送受信機の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと入力される。データ受信部117では受信変調データ116の復調処理を行った後に、ヘッダー2に含まれるプリアンブルから同期信号を抽出してデータの同期を確保する。さらにデータ受信部117は受信変調データ116からヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として誤り検出部119、受信バッファ125へと出力する。誤り検出部119では受信フレームデータ118に付加されているフッターを利用して、受信フレームデータ118が正常受信されたかどうかの検出を行い、正常受信が行われなかった場合は送信制御部105及び受信バッファ125へと出力される誤り検出信号122をONにする。受信バッファ125は受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを削除して受信データ127とし、誤り検出信号122がOFFの場合には正しいデータが受信されたことを示す受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力する。受信データ組立部128では、受信データを組立てると演算・記憶部100へと出力する。誤り検出信号がONの場合には、受信データ127は誤りを含んでいるので破棄する。
【0009】
ACKの送信について説明する。ACKは受信側の送受信機から送信側の送受信機へと送信されるので、この動作は受信側の送受信機が行うものである。誤り検出信号122がOFFであるときには、送信制御部105は、データが正常に受信されたと判断して、ACK合成部112へとACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112はACKフレームデータ113をデータ送信部110へと出力する。データ送信部110では通常の送信フレームデータ109の場合と同様に、ACKフレームデータ113にヘッダー2を付加し、変調処理を行った後に無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114として、この変調されたACKの送信を行う。
【0010】
ACKの受信について説明する。ACKは受信側の送受信機から送信側の送受信機へと送信されるので、この動作は送信側の送受信機が行う。送信側の送受信機は受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部117で同期を確保した後、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120では、受信されたデータがACKであるかどうかの検出を行う。受信されたデータがACKであった場合には、受信側においてデータが正常に受信されたものと判断して、ACK受信信号123をONにする。ACK受信信号123がONになると、送信制御部105は次の送信データの処理に入る。しかしながら、データ送信から一定の時間を経過してもACK受信信号123がONとならない場合には、受信側の送受信機においてデータが正常に受信されなかったものと判断して、送信制御部105はデータの再送処理に入る。
【0011】
次に図13を用いて、上記の構成を持った送受信機について、具体例を挙げてデータフローを説明する。図13は従来例におけるデータフローの一例である。図13において、送信側の送受信機と受信側の送受信機は2つのデータDATA1、DATA2の送受信を行う。ここでDATA1については受信側の送受信機において正常受信され、DATA2については1回目では受信側の送受信機で正常受信されず、2回目の送信で正常受信されたものとする。
【0012】
1301のフローはDATA1の送受信を表している。データを送信する場合、フレーム合成部107において送信データ106にヘッダー1及びフッターが付加され送信フレームデータ109となる。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機へと送信される。
【0013】
受信側の送受信機では送信側の送受信機から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118とする。DATA1は正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。受信フレームデータ118は受信バッファ125において、ヘッダー1とフッターを削除され、受信データ127となる。
【0014】
1302はACKの送受信を表している。DATA1は正常に受信されているので、送信制御部105はACK合成部112へと出力されるACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112は、ACKフレームデータ113をデータ送信部110へと送信する。ACKフレームデータ113を入力されたデータ送信部110は、これにヘッダー2を付加して、送信変調データ114として送信側の送受信機へと送信する。
【0015】
送信側の送受信機では受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部においてACKに付加されたヘッダー2を利用して同期を確保し、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120でACKを受信したことを確認すると、ACK受信信号123がONとなり、送信側の送受信機は次の送信データDATA2の送信準備に入る。
【0016】
1303はDATA2の送受信を表している。送信側の送受信機においてはDATA1の場合と同様にして送信処理が行われる。受信側の送受信機においてもDATA1の場合と同様に受信処理が行われていくが、今回は正常受信されないので誤り検出部119において誤りが検出される。すると送信制御部105はACK合成部112へとACK送信命令111を出力しない。従って、ACKは送信されない。
【0017】
1304はデータの再送を示している。送信側の送受信機で一定時間ACKを受信しないと、送信制御部105が先ほど送信したデータについてのデータ送信命令108を出力し、データの再送処理に入る。再送処理における送受信はDATA1の送受信1301の場合と同様にして行われる。データは正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。
【0018】
1305はACKの送受信を示している。DATA2は再送によって、受信側の送受信機において正常に送受信されたので、受信側の送受信機から送信側の送受信機へとACKが送信される。この処理は1305と同様にして行われる。
【0019】
上記のような手順を繰り返すことにより、送信側の送受信機と受信側の送受信機の間で正常にデータの送受信が行われる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線LANシステムでは、データの誤りが発生した時に同一データの再送が発生するため、データ転送レートが低下する。しかしながら、データの内容によっては、正常に受信されなくてもシステム動作に与える影響が少ないデータと、正常に受信されないとシステム動作に与える影響が大きいデータが存在する。例えば、動画像を無線LANシステムで伝送する場合に、伝送されるデータは、制御系データと、映像データとに分けられる。制御系データが正常に受信されないと動画像を再生することは出来ないが、映像データが正常に受信されなくとも人間の目では誤りを識別するのが難しい。しかも映像データの方が制御系データよりも、データ量がはるかに大きいという特長がある。従来の無線LANシステムでは、正常に受信されなくてもシステム動作に与える影響が少ないデータと、正常に受信されないとシステム動作に与える影響が大きいデータと、どちらについても誤りが検出されたときには再送が発生する。また、データ量が大きい方が誤りのおきる回数は当然大きくなる。従って、動画像を伝送する場合には、正常に受信されなくとも影響が少ないがデータ量が大きい映像データの伝送で誤りが多く発生し、正常受信ができずに再送が行われることにより、データの実伝送レートが低下し、解像度の大きな画面が送れないという問題があった。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するために発明されたもので、送信側において、正常受信を必要とするか否かによって送信データの選別を行い、正常受信を必要とするか否かに関する情報を送信データ自体に組込む。
【0022】
受信側においては、この送信データに組込まれた情報を検出することで、受信したデータが正常受信を必要とするか否かの判断をし、正常受信を必要としない場合には、正常受信が行われたか否かに関わらず、ACKを送信側へと送信する。
【0023】
これにより、正常受信を必要としないデータについては、受信側で誤りが検出されたときでも再送が行われないので、高いデータ伝送速度を実現することができる。
【0024】
また、誤りを検出した回数を計数しておくことで、通信環境が悪く、誤りが多発するような場合には、通常のデータ送受信を行うことも可能である。
【0025】
なお、正常受信を必要とするか否かに関する情報を組込む手段としては、送信データにフラグを付与する方法、送信レートで識別する方法、プリアンブルを異なる形にする方法などが挙げられる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明においても、無線LANシステムの全体構成は図11のように表される。すなわち、無線LANシステムは複数の送受信機、アクセスポイント、基幹ネットワークから構成され、通信を行う送受信機が同一のアクセスポイントに接続されている場合は、各送受信機は無線によるアクセスポイントとの通信を行うことにより互いにデータの送受信を行うことができ、通信を行う送受信機が異なるアクセスポイントと接続されている送受信機と通信を行う場合は、アクセスポイントとの通信に加えてさらに基幹ネットワークを介したアクセスポイント間の通信を行うことにより、互いにデータの送受信を行うことができる。
【0027】
しかしながら本発明においては、高い伝送速度を実現するために、無線LANシステムで用いられる送受信機の構成が従来と異なっている。以下、本明細書において、説明の簡単のためにアクセスポイント、基幹ネットワークについては説明を省略し、送受信機の構成について詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態における無線LANシステムで用いられる送受信機の構成を示した図である。以下の説明においては、説明の簡単のため、図1における送受信機の主に送信機能の構成を示した図2と、図1における送受信機の主に受信機能の構成を示した図3と分けて説明を行う。
【0029】
図2を用いて送信側の送受信機1におけるデータの送信について説明する。まず、演算・記憶部100が、送信元データ101を送信データ選別部102へと出力する。送信データ選別部102は、従来例における送信データ組立部1201の機能に加えて、組立てられた送信データ106が正常受信を必要とするデータであるか否かによって、送信データ106を選別する機能を有する。送信データ106が正常受信を必要とする場合には、正常受信を必要とすることを示す誤り検出ON信号104を送信制御部105へ出力し、送信データ106が正常受信を必要としないデータである場合には誤り検出ON信号104は出力しない。なお、従来から送信データ組立部1201はデータの組立の際にデータ属性の判断を行っていたので、上記の選別機能は容易に実現することができる。送信制御部105は送信要求信号103に従いデータ送信命令108を出力し、誤り検出ON信号104が出力されていない場合には誤り検出有効フラグ130をOFFにする。誤り検出ON信号104が出力されている場合には誤り検出有効フラグ130はONとなる。フレーム合成部107は、データ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報及び誤り検出有効フラグ130の状態をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109を出力する。以下の送信動作は従来例と同様であるのでここでは説明を省略するが、送信処理の結果として送信される送信変調データ114のデータ構造は図4のようになる。本実施の形態においては、ヘッダー1内に従来例には無い誤り検出有効フラグが挿入されている。
【0030】
次に図3を用いて受信側の送受信機2におけるデータの受信及びACKの送信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力される。データ受信部117では復調処理を行った後に、ヘッダー2に含まれるプリアンブルから同期信号を抽出してデータの同期を確保する。さらにデータ受信部117は受信変調データ116からヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として誤り検出部119、受信バッファ125及びフレーム解析部121へと出力する。本実施の形態においては、フレーム解析部121が受信データ選別部を構成している。誤り検出部119では受信フレームデータ118に付加されているフッターを利用して、受信フレームデータ118の誤り検出を行い、受信フレームデータ118に誤りが検出された場合は送信制御部105及び受信バッファ125へと出力される誤り検出信号122をONにする。フレーム解析部121は受信フレームデータ118内の誤り検出有効フラグを解析し、誤り検出有効フラグがOFFである場合には、信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をONにする。計数部201は、誤り検出部119で誤りが検出された回数をカウントする機能を有する。計数部201がカウントした回数が設定された所定の値を超えると、計数部201はマスク信号202をONとする。信号マスク部200は、マスク信号202がOFFの場合は、受信誤り許可フラグ124をそのまま送信制御部105へと出力する(203)。マスク信号202がONの場合は、受信誤り許可フラグ124の状態によらず、これをOFFにして送信制御部へと出力する(203)。誤り検出回数をカウントすることによって、誤りが多数生じる場合にはACKの送受信を従来通りに行うことが可能となり、連続して正常受信に失敗することによりデータが大きく乱れるのを防ぐことが出来る。送信制御部105は誤り検出信号122がOFFである場合と、受信誤り許容信号203がONである場合に、ACK送信命令111を出力する。ACK合成部112ではACK送信命令111が出力されるとACKフレームデータ113をデータ送信部110に出力する。データ送信部110ではACKフレームデータ113にヘッダー2を付加し、送信変調データ114として無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114としてACKを送信側の送受信機1へと送出する。受信バッファ125は、誤り検出信号122がOFFである場合と、受信誤り許容信号203がONである場合に受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを取り除き正しいデータが受信されたことを示す受信要求信号131と共に受信データ127と誤りフラグ126を出力する。ここで誤りフラグ126は誤り検出部119で検出された誤り検出信号122と同一の状態を出力する。受信データ組立部128は受信要求信号131にしたがって受信データ127と誤りフラグ126を取り込み、受信データ127から受信組立データ129を組立、出力する。さらに誤りフラグ126がONの場合は、受信データが誤りを含んでいるので、受信組立データ129の補正処理などを行う。誤り検出信号122がONかつ受信誤り許容信号203がOFFである場合は、受信組立データ129の組立は行わない。
【0031】
送信側の送受信機1におけるACKの受信の詳細に関しては従来例と同様であるので、ここでは説明を省略する。送信側の送受信機1において、ACKが受信されなかった時は、送信側の送受信機1はデータの再送を行う。この際、誤り検出ON信号104の状態によらず誤り検出有効フラグ130はONとする。すなわち、データは正常受信を必要とするデータとして再送処理を行う。
【0032】
次に図5を用いて、上記の構成を持った送受信機について、具体例を挙げてデータフローを説明する。図5は実施の形態1におけるデータフローの一例である。送信側の送受信機1から受信側の送受信機2へと3つのデータが送信され、DATA1、DATA3は正常受信され、DATA2が正常受信されなかった場合のデータフローを示している。データの種類は、DATA1のみ正常受信を必要とするデータであり、DATA2、DATA3は正常受信を必要としないデータであるとする。またデータフローの最初において、受信側の送受信機2では計数部201のカウントが0であり、計数部201に設定された所定の値は10であるとする。
【0033】
501のフローはDATA1の送受信を表している。DATA1は正常受信を必要とするデータであるので、送信データ選別部102は誤り検出ON信号104を出力する。よってフレーム合成部107は、ON状態の誤り検出有効フラグ130を含むヘッダー1及びフッターを送信データ106に付加し、送信フレームデータ109とする。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機2へと送信される。
【0034】
受信側の送受信機2では送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として、誤り検出部119及びフレーム解析部121へと出力する。DATA1は正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。よって計数部201のカウントは増えない。また、誤り検出有効フラグ130がOFFであるので、フレーム解析部121が出力する受信誤り許可フラグ124もOFFのままである。信号マスク部200はマスク信号202がOFFであるので、受信誤り許可フラグ124をそのままの状態(203)で送信制御部105及び受信バッファ125へと出力する。正常受信されているので、受信フレームデータ118は、受信バッファ125においてヘッダー1とフッターを削除され、受信データ127として、受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力される。
【0035】
502はACKの送受信を表している。DATA1は受信側の送受信機2において正常に受信されているので、送信制御部105はACK合成部112へとACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112は、ACKフレームデータ113をデータ送信部110へと送信する。ACKフレームデータ113を入力されたデータ送信部110は、これにヘッダー2を付加して、送信変調データ114として送信側の送受信機1へと送信する。
【0036】
送信側の送受信機1では受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部においてACKに付加されたヘッダー2を利用して同期を確保し、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120でACKを受信したことを確認すると、ACK受信信号123がONとなり、送信側の送受信機1は次の送信データDATA2の送信準備に入る。
【0037】
503はDATA2の送受信を表している。DATA2は正常受信を必要としないデータであるので、送信データ選別部102は誤り検出ON信号104を出力しない。よってフレーム合成部107は、OFF状態の誤り検出有効フラグ130を含むヘッダー1及びフッターを送信データ106に付加し、送信フレームデータ109とする。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機2へと送信される。
【0038】
受信側の送受信機2では送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118とすると、誤り検出部119及びフレーム解析部121へと出力する。DATA1は正常に受信されないので、誤り検出部119において誤りが検出される。よって計数部201のカウントは増えて1となる。また、誤り検出有効フラグ130がONであるので、フレーム解析部121が出力する受信誤り許可フラグ124がONとなる。信号マスク部200はマスク信号202がOFFであるので、受信誤り許可フラグ124をそのままの状態(203)、すなわちON状態で送信制御部105及び受信バッファ125へと出力する。受信データは正常に受信されていないものの、受信誤り許容信号203がONであるので、受信バッファ125は、受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを削除し、受信データ127として、受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力する。
【0039】
504はACKの送信を示している。受信データは正常に受信されているものの、受信誤り許容信号203がONであるので、送信制御部105はACKの送信処理を行う。以下の手順は502の場合と同様に行われる。
【0040】
505はDATA3の送受信を示している。送信手順は502の場合と同様であるので省略する。受信側においては、DATA3は正常に受信される。したがって誤り検出信号122はOFFとなるので、計数部の計数回数はリセットされる。
【0041】
DATA3は正常に受信されたのでACKが送信される。送受信動作は502と同様であるので省略する。
【0042】
次に図6を用いて、別の具体例を挙げてデータフローを説明する。図6は実施の形態1におけるデータフローの一例である。送信側の送受信機1から受信側の送受信機2へと送信されるDATA1、DATA2ともに正常受信を必要としないデータであり、DATA1を正常に受信しないことにより、計数部201がカウントした回数が設定された所定の値である10回を超えた場合の例を示している。なお、データの送受信の詳細は図5の場合と同様であるので図6の説明では省略する。
【0043】
このデータフローでは計数部201に設定された所定の値は10であり、本データフローの開始前の段階ですでに連続して正常受信に失敗しているため、受信側の送受信機2では計数部201のカウントが9となっているものとする。601はDATA1の送受信を示している。DATA1は受信側の送受信機2において正常に受信されないが、DATA1は正常受信を必要としないDATAであるので、受信側の送受信機2はACKを送信する。また、DATA1が正常に受信されないことにより計数部201のカウントは10となる。これによって次に送受信されるデータを正常に受信されなかった場合には、そのDATAが正常受信を必要とするか否かに関わらず、ACKを返さないこととなる。
【0044】
602はACKの送受信を示している。詳細は図5の説明と同様であり、ACKを受信することにより、送信側はDATA2の送信処理に取り掛かる。
【0045】
603はDATA2の送受信を示している。DATA2は正常受信を必要としないデータである。従ってマスク信号202がONでない場合には、DATA2が正常に受信されたか否かに関わらずACKを返さないこととなる。しかしながら、DATA1の送受信において計数部のカウント数が所定の値に達したので、今回の送受信においてデータが正常に受信されなかった場合には計数部201のカウント数は所定の値を超えることとなる。すると、マスク信号202がONとなり、データが正常受信を必要とするデータであるか否かに関わらず、誤りを検出した場合には受信側の送受信機2はACKを送信せず、送信側の送受信機1はデータの再送を行うこととなる。603のDATA2の送受信において、DATA2は正常に受信されない。従って計数部201のカウント数は11となり、所定の値を超えたのでACKの送信は行われていない。
【0046】
604はDATA2の再送を示している。603のDATA2の送信に対してACKの送受信が行われないので、送信側の送受信機1はDATA2の再送処理を行う。データの再送処理であるので、誤り検出ON信号104の状態によらず誤り検出有効フラグ130をONとしてヘッダー1に付与する。よってDATA2は正常受信を必要とするデータとして取り扱われる。今回の送信でDATA2は受信側の送受信機2において正常に受信されるので、計数部201のカウント数はリセットされ、マスク信号202はOFFとなる。また、受信側の送受信機2は送信側の送受信機1へとACKを送信する。
【0047】
605はACKの送受信を示している。説明は省略する。
【0048】
以上のように本実施の形態によれば、予めデータを正常受信が必要であるか否かで分類しておき、そのことを示すフラグを付与してデータ送信することにより、例えば動画像における映像データなどのように、データ量が大きいが正常受信を必要としないデータの再送回数を減らすことが出来る。したがってデータの高速送受信が可能である。
【0049】
また、計数部201を設けることにより、通信環境の悪化などでデータが大きく乱れたときには、データの正常受信を優先させ、一定以上のデータの乱れを抑えることができる。
【0050】
なお、本実施の形態において計数部201は正常受信を一度でも行うとカウントした値をリセットしているが、複数回連続して正常受信を行った場合にのみカウント数をリセットするようにしても良い。
【0051】
なお、本実施の形態の説明において、ON状態にHIGHをOFF状態にLOWを用いているが、当然にこれは任意の極性で良い。また、誤り検出有効フラグ130をヘッダー1にいれたが、ヘッダー2もしくはフッターにいれても問題ない。
【0052】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。なお、説明の簡単のため、送受信機の主に送信機能の構成を示した図7と送受信機の主に受信機能の構成を示した図8とに分けて説明する。以下、図7,8を用いて説明を行う。
【0053】
図7は、本発明の実施の形態2における送信側の送受信機1を、図8は本発明の実施の形態2における受信側の送受信機2を示したものである。
【0054】
まず、図7を用いてデータの送信について説明する。102は送信データ選別部、101は送信元データ、103は送信要求信号、104は誤り検出ON信号、106は送信データ選別部102で組立てられた送信データであり、これらの動作は実施の形態1と同様である。送信制御部105は誤り検出有効フラグ140をフレーム合成部107ではなく、送信速度選択部143へ出力する点で実施の形態1と異なっている。フレーム合成部107は従来例と同様に、送信制御部105から出力されるデータ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109をデータ送信部110へと出力する。141は第1の速度記憶部であり正常受信を必要としないデータの送信に使用する第1の送信速度が記憶されている。142が第2の速度記憶部であり正常受信を必要とするデータの送信に使用する第2の送信速度が記憶されている。送信速度選択部143は誤り検出有効フラグ140がON状態のときに第2の速度記憶部142に記憶されている第2の記憶速度を送信速度信号144としてデータ送信部110に出力し、誤り検出有効フラグ140がOFF状態のときに第1の速度記憶部141に記憶されている第1の記憶速度を送信速度信号144としてデータ送信部に出力する。データ送信部110は、第1あるいは第2の速度記憶部から出力された送信速度に基づいて、ヘッダー1からフッターまでを変調処理し、ヘッダー2のレート部分に送信速度に関する情報を付与する。ヘッダー2は送受信機の間で予め決められた送信速度で変調処理され、ヘッダー2からフッターまではまとめて送信変調データ114として無線送受信部115へと出力される。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機2へと送信する。このように複数の送信速度を使い分けることで、送信データが正常受信を必要とするデータであるか、正常受信を必要としないデータであるかに関する情報を組込む。
【0055】
次に図8を用いてデータの受信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力されると共に、伝送速度解析部210へも出力される。伝送速度記憶部211は、予め正常受信を必要とするデータの送受信に用いる伝送速度を記憶している。伝送速度解析部210は受信変調データのヘッダー2のレート部分に書き込まれた送信速度と伝送速度記憶部211に記憶された値との比較を行い、一致する場合には信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をOFFにし、一致しない場合には受信誤り許可フラグ124をONにする。以下の動作は実施の形態1の場合と同様である。すなわち、受信誤り許可フラグ124がOFFの場合は、誤り検出部119で正常に受信されなかったことが検出されたならばACKを送信側に返信しないが、受信誤り許可フラグ124がONの場合は、誤り検出部119で正常に受信しなかったことが検出されたとしてもACKを返信する。本実施の形態においては、伝送速度解析部210と伝送速度記憶部211とで受信データ選別部を構成している。
【0056】
本実施の形態においては、送信速度を選択することにより正常受信を必要とするか否かの情報を組込むので、実施の形態1と比べるとフラグを送信データに付与することによるデータ量の増加を招くことなく、より効果的に送受信の実伝送レートを高くすることができる。
【0057】
なお、送信速度が低速である方が、正常受信を失敗する可能性は少ないので、正常受信を必要とするデータ属性のデータの送信は低速に、正常受信を必要としないデータ属性のデータの送信は高速になるように送信速度を選択するのが望ましい。
【0058】
また、送信速度は正常受信を必要とするデータ属性のデータの送受信に1つ、正常受信を必要としないデータ属性のデータの送受信に1つの計2つを用いて説明しているが、それぞれ複数でもかまわない。
【0059】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。なお、説明の簡単のため、送受信機の主に送信機能の構成を示した図9と送受信機の主に受信機能の構成を示した図10とに分けている。以下、図9,10を用いて説明を行う。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態3における送信側の送受信機1を、図10は本発明の実施の形態3における受信側の送受信機2を示したものである。
【0061】
まず、図9を用いてデータの送信について説明する。102は送信データ選別部、101は送信元データ、103は送信要求信号、104は誤り検出ON信号、106は送信データ選別部102で組立てられた送信データであり、これらの動作は実施の形態1と同様である。送信制御部105は誤り検出有効フラグ150をフレーム合成部107ではなく、プリアンブル選択部153へ出力する点で実施の形態1と異なっている。フレーム合成部107は従来例と同様に、送信制御部105から出力されるデータ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109をデータ送信部110へと出力する。151は第1のプリアンブル記憶部であり正常受信を必要としないデータの送信に使用する第1のプリアンブル波形が記憶されている。152が第2のプリアンブル記憶部であり正常受信を必要とするデータの送信に使用する第2のプリアンブル波形が記憶されている。プリアンブル選択部153は誤り検出有効フラグ150がON状態のときに第2のプリアンブル記憶部152に記憶されている第2のプリアンブル波形をプリアンブル信号154としてデータ送信部110に出力し、誤り検出有効フラグ150がOFF状態のときに第1のプリアンブル記憶部151に記憶されている第1のプリアンブル波形をプリアンブル信号154としてデータ送信部に出力する。データ送信部110は、プリアンブル信号154をプリアンブルとするヘッダー2を送信フレームデータ109に付与し、変調処理を行い、ヘッダー2からフッターまでをまとめて送信変調データ114として無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機2へと送信する。このように2つのプリアンブルを使い分けることで送信データが正常受信を必要とするデータであるか否かに関する情報を組込む。なお、第1のプリアンブル波形と第2のプリアンブル波形を反転したものとなっている。
【0062】
次に図10を用いてデータの受信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力されると共に、プリアンブル検出部220へも出力される。なお、データ受信部117はプリアンブル波形が反転していても同期を確保し、復調処理が可能であるものとする。一般にプリアンブル波形が反転していても同期を確保することは可能である。プリアンブル記憶部221は、予め正常受信を必要とするデータの送受信に用いるプリアンブル波形を記憶している。プリアンブル検出部220は受信変調データのヘッダー2のプリアンブル波形とプリアンブル記憶部221に記憶されたプリアンブル波形との比較を行い、一致する場合には信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をOFFにし、一致しない場合には受信誤り許可フラグ124をONにする。以下の動作は実施の形態1の場合と同様である。すなわち、受信誤り許可フラグ124がOFFの場合は、誤り検出部119で正常に受信されなかったことが検出されたならばACKを送信側に返信しないが、受信誤り許可フラグ124がONの場合は、誤り検出部119で正常に受信しなかったことが検出されたとしてもACKを返信する。本実施の形態においては、プリアンブル検出部220とプリアンブル記憶部221とで受信データ選別部を構成している。
【0063】
本実施の形態においては、極性の異なる2つのプリアンブル波形を使い分けることにより、送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込むので本実施の形態では実施の形態1のようにフラグ追加によるデータ量の増加を招くことはない。
【0064】
また、2つのプリアンブル波形は極性の異なる2つを用いているが、複数のプリアンブル波形をデータ受信部117が判別可能であれば、どのようなプリアンブル波形を用いても良い。プリアンブルの波形も2つに限られるものではなく、3以上の複数のプリアンブル波形を使い分けても良い。
【0065】
なお、上記実施の形態1から3までの処理機能は送受信機に組込まれた半導体集積回路によって制御・実現される。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、データの伝送において正常受信を必要とするデータ属性であるか否かを選別する手段を設けることによって、正常受信を必要としないデータ属性のデータについては、受信側で正常受信を失敗した場合でもデータの再送は行われず、従来よりも高い実伝送速度を実現することができる。また、データの再送は伴うか否かに関わらず、正常受信を失敗した回数を計数しておくことによって、一定以上のデータの乱れを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における送受信機の全体構成図
【図2】実施の形態1における送信側の送受信機の構成図
【図3】実施の形態1における受信側の送受信機の構成図
【図4】実施の形態1における送信変調データのデータ構造を示した図
【図5】実施の形態1におけるデータフローの例を示した図
【図6】実施の形態1におけるデータフローの別の例を示した図
【図7】実施の形態2における送信側の送受信機の構成図
【図8】実施の形態2における受信側の送受信機の構成図
【図9】実施の形態3における送信側の送受信機の構成図
【図10】実施の形態3における受信側の送受信機の構成図
【図11】無線LANシステムの構成図
【図12】従来例における送受信機の構成図
【図13】従来例におけるデータフローの例を示した図
【図14】従来例における送信変調データのデータ構造を示した図
【符号の説明】
1 送信側の送受信機
2 受信側の送受信機
100 演算・記憶部
101 送信元データ
102 送信データ選別部
103 送信要求信号
104 誤り検出ON信号
105 送信制御部
106 送信データ
107 フレーム合成部
108 データ送信命令
109 送信フレームデータ
110 データ送信部
111 ACK送信命令
112 ACK合成部
113 ACKフレームデータ
114 送信変調データ
115 無線送受信部
116 受信変調データ
117 データ受信部
118 受信フレームデータ
119 誤り検出部
120 ACK検出部
121 フレーム解析部
122 誤り検出信号
123 ACK検出信号
124 受信誤り許可フラグ
125 受信バッファ
126 誤りフラグ
127 受信データ
128 受信データ組立部
129 受信組立データ
130 誤り検出有効フラグ
131 受信要求信号
140 誤り検出有効フラグ
141 第1の速度記憶部
142 第2の速度記憶部
143 送信速度選択部
144 送信速度信号
150 誤り検出有効フラグ
151 第1のプリアンブル記憶部
152 第2のプリアンブル記憶部
153 プリアンブル選択部
154 プリアンブル信号
200 信号マスク部
201 計数部
202 マスク信号
203 受信誤り許容信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線でデータ伝送を行う無線LANシステムに関するものである。さらに詳述すれば、送受信機の受信側が送信データを正常に受信できたときは、送受信機の送信側に正常受信信号(ACK)を送信し、送信側が正常受信信号を受信しなかったときはデータを再送することにより正常にデータの送受信を行う無線LANシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送受信機において送信側と受信側との間でデータを送受信する場合、受信側が受信したデータに誤りが含まれることがある。この場合、誤りが少ししかなければ受信側で誤り訂正を行うことにより、データを正常に復元することが可能である。しかしながら誤りが多ければ、データを正常に復元することが出来ずにデータの正常な送受信は行われない。したがって、誤り訂正後に受信データが正常に復元できたか否かの検出を行う必要がある。検出の結果、正常にデータが復元できたことが検出されたときには、正常受信信号(以下、ACK)を送信側に送信する。送信側はデータを送信した後、受信側から送信されてきたACKを受信することにより、データが正常に届いたことを認識する。受信側において、正常にデータが復元できなかったときには、正常受信信号を送信側に送り返さない。送信側は一定期間内にACKが受信できなかった場合には、データを正常に送れなかったと認識し、再度同一データを送信する。以下、ACKが受信できるまでこの動作を繰り返すことにより、受信側はデータを正常に受信することができる。
【0003】
以下説明の簡単のために、上記の誤り訂正について説明は省略をし、本明細書中で「誤り検出」とは「誤り訂正後に正常に復元できたか否かの検出を行うこと」をいい、「誤りが検出される」とは「誤り訂正後に復元できなかった誤りが検出されること」をいい、「正常受信」とは「誤り訂正によって誤りが完全に訂正され、受信されること」をいうものとする。
【0004】
従来の無線LANシステムにおけるデータの送受信について、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図11は無線LANシステムの構成図を示したものである。無線LANシステムは複数の送受信機、アクセスポイント、基幹ネットワークから構成される。通信を行う送受信機が同一のアクセスポイントに接続されている場合は、各送受信機は無線によるアクセスポイントとの通信を行うことにより互いにデータの送受信を行うことができる。通信を行う送受信機が異なるアクセスポイントと接続されている送受信機と通信を行う場合は、アクセスポイントとの通信に加えてさらに基幹ネットワークを介したアクセスポイント間の通信を行うことにより、互いにデータの送受信を行うことができる。
【0006】
図12は図11のような無線LANシステムで用いられる送受信機の従来の構成を示した図である。このような構成の送受信機の間でデータの送受信は行われる。
【0007】
まず、データの送信について説明する。101は送信側が受信側へと送信する送信元データであり、演算・記憶部100から出力される。送信データ組立部1201は送信元データ101がどのような属性のデータか判断し、送信元データ101から送信データ106への組立処理を行う。送信データ組立部1201が行う処理としては、例えば、動画像のようにリアルタイム性が重要である送信元データを送信データへと組立てる際に行う、UDPIP処理がある。送信データ組立部1201は送信データ106を組立てると、送信要求信号103を送信制御部105へ、送信データ106をフレーム合成部107へと出力する。送信要求信号103を受けた送信制御部105は、フレーム合成部107へとデータ送信命令108を出力する。データ送信命令108を受け取るとフレーム合成部107は、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報によって構成されるヘッダー1を送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータによって構成されるフッターを送信データ106の最後に付加し、これらをまとめて送信フレームデータ109としてデータ送信部110へと出力する。データ送信部110は送信フレームデータ109が入力されると、この先頭にプリアンブル、データ長、送信レートから構成されるヘッダー2を付加し、変調処理を行った上で送信変調データ114として無線送受信部115に出力する。ここでプリアンブルは、受信側において信号を正確に受信するための同期信号を抽出するために用いられる。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機へと送信する。なお、上記のヘッダー1、ヘッダー2、フッターを付加された結果、送信変調データ114は図14のようなデータ構造を持つことになる。
【0008】
次にデータの受信について説明する。送信側の送受信機から送信された送信変調データ114は、アクセスポイントを介して、受信側の送受信機の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと入力される。データ受信部117では受信変調データ116の復調処理を行った後に、ヘッダー2に含まれるプリアンブルから同期信号を抽出してデータの同期を確保する。さらにデータ受信部117は受信変調データ116からヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として誤り検出部119、受信バッファ125へと出力する。誤り検出部119では受信フレームデータ118に付加されているフッターを利用して、受信フレームデータ118が正常受信されたかどうかの検出を行い、正常受信が行われなかった場合は送信制御部105及び受信バッファ125へと出力される誤り検出信号122をONにする。受信バッファ125は受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを削除して受信データ127とし、誤り検出信号122がOFFの場合には正しいデータが受信されたことを示す受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力する。受信データ組立部128では、受信データを組立てると演算・記憶部100へと出力する。誤り検出信号がONの場合には、受信データ127は誤りを含んでいるので破棄する。
【0009】
ACKの送信について説明する。ACKは受信側の送受信機から送信側の送受信機へと送信されるので、この動作は受信側の送受信機が行うものである。誤り検出信号122がOFFであるときには、送信制御部105は、データが正常に受信されたと判断して、ACK合成部112へとACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112はACKフレームデータ113をデータ送信部110へと出力する。データ送信部110では通常の送信フレームデータ109の場合と同様に、ACKフレームデータ113にヘッダー2を付加し、変調処理を行った後に無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114として、この変調されたACKの送信を行う。
【0010】
ACKの受信について説明する。ACKは受信側の送受信機から送信側の送受信機へと送信されるので、この動作は送信側の送受信機が行う。送信側の送受信機は受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部117で同期を確保した後、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120では、受信されたデータがACKであるかどうかの検出を行う。受信されたデータがACKであった場合には、受信側においてデータが正常に受信されたものと判断して、ACK受信信号123をONにする。ACK受信信号123がONになると、送信制御部105は次の送信データの処理に入る。しかしながら、データ送信から一定の時間を経過してもACK受信信号123がONとならない場合には、受信側の送受信機においてデータが正常に受信されなかったものと判断して、送信制御部105はデータの再送処理に入る。
【0011】
次に図13を用いて、上記の構成を持った送受信機について、具体例を挙げてデータフローを説明する。図13は従来例におけるデータフローの一例である。図13において、送信側の送受信機と受信側の送受信機は2つのデータDATA1、DATA2の送受信を行う。ここでDATA1については受信側の送受信機において正常受信され、DATA2については1回目では受信側の送受信機で正常受信されず、2回目の送信で正常受信されたものとする。
【0012】
1301のフローはDATA1の送受信を表している。データを送信する場合、フレーム合成部107において送信データ106にヘッダー1及びフッターが付加され送信フレームデータ109となる。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機へと送信される。
【0013】
受信側の送受信機では送信側の送受信機から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118とする。DATA1は正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。受信フレームデータ118は受信バッファ125において、ヘッダー1とフッターを削除され、受信データ127となる。
【0014】
1302はACKの送受信を表している。DATA1は正常に受信されているので、送信制御部105はACK合成部112へと出力されるACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112は、ACKフレームデータ113をデータ送信部110へと送信する。ACKフレームデータ113を入力されたデータ送信部110は、これにヘッダー2を付加して、送信変調データ114として送信側の送受信機へと送信する。
【0015】
送信側の送受信機では受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部においてACKに付加されたヘッダー2を利用して同期を確保し、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120でACKを受信したことを確認すると、ACK受信信号123がONとなり、送信側の送受信機は次の送信データDATA2の送信準備に入る。
【0016】
1303はDATA2の送受信を表している。送信側の送受信機においてはDATA1の場合と同様にして送信処理が行われる。受信側の送受信機においてもDATA1の場合と同様に受信処理が行われていくが、今回は正常受信されないので誤り検出部119において誤りが検出される。すると送信制御部105はACK合成部112へとACK送信命令111を出力しない。従って、ACKは送信されない。
【0017】
1304はデータの再送を示している。送信側の送受信機で一定時間ACKを受信しないと、送信制御部105が先ほど送信したデータについてのデータ送信命令108を出力し、データの再送処理に入る。再送処理における送受信はDATA1の送受信1301の場合と同様にして行われる。データは正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。
【0018】
1305はACKの送受信を示している。DATA2は再送によって、受信側の送受信機において正常に送受信されたので、受信側の送受信機から送信側の送受信機へとACKが送信される。この処理は1305と同様にして行われる。
【0019】
上記のような手順を繰り返すことにより、送信側の送受信機と受信側の送受信機の間で正常にデータの送受信が行われる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線LANシステムでは、データの誤りが発生した時に同一データの再送が発生するため、データ転送レートが低下する。しかしながら、データの内容によっては、正常に受信されなくてもシステム動作に与える影響が少ないデータと、正常に受信されないとシステム動作に与える影響が大きいデータが存在する。例えば、動画像を無線LANシステムで伝送する場合に、伝送されるデータは、制御系データと、映像データとに分けられる。制御系データが正常に受信されないと動画像を再生することは出来ないが、映像データが正常に受信されなくとも人間の目では誤りを識別するのが難しい。しかも映像データの方が制御系データよりも、データ量がはるかに大きいという特長がある。従来の無線LANシステムでは、正常に受信されなくてもシステム動作に与える影響が少ないデータと、正常に受信されないとシステム動作に与える影響が大きいデータと、どちらについても誤りが検出されたときには再送が発生する。また、データ量が大きい方が誤りのおきる回数は当然大きくなる。従って、動画像を伝送する場合には、正常に受信されなくとも影響が少ないがデータ量が大きい映像データの伝送で誤りが多く発生し、正常受信ができずに再送が行われることにより、データの実伝送レートが低下し、解像度の大きな画面が送れないという問題があった。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するために発明されたもので、送信側において、正常受信を必要とするか否かによって送信データの選別を行い、正常受信を必要とするか否かに関する情報を送信データ自体に組込む。
【0022】
受信側においては、この送信データに組込まれた情報を検出することで、受信したデータが正常受信を必要とするか否かの判断をし、正常受信を必要としない場合には、正常受信が行われたか否かに関わらず、ACKを送信側へと送信する。
【0023】
これにより、正常受信を必要としないデータについては、受信側で誤りが検出されたときでも再送が行われないので、高いデータ伝送速度を実現することができる。
【0024】
また、誤りを検出した回数を計数しておくことで、通信環境が悪く、誤りが多発するような場合には、通常のデータ送受信を行うことも可能である。
【0025】
なお、正常受信を必要とするか否かに関する情報を組込む手段としては、送信データにフラグを付与する方法、送信レートで識別する方法、プリアンブルを異なる形にする方法などが挙げられる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明においても、無線LANシステムの全体構成は図11のように表される。すなわち、無線LANシステムは複数の送受信機、アクセスポイント、基幹ネットワークから構成され、通信を行う送受信機が同一のアクセスポイントに接続されている場合は、各送受信機は無線によるアクセスポイントとの通信を行うことにより互いにデータの送受信を行うことができ、通信を行う送受信機が異なるアクセスポイントと接続されている送受信機と通信を行う場合は、アクセスポイントとの通信に加えてさらに基幹ネットワークを介したアクセスポイント間の通信を行うことにより、互いにデータの送受信を行うことができる。
【0027】
しかしながら本発明においては、高い伝送速度を実現するために、無線LANシステムで用いられる送受信機の構成が従来と異なっている。以下、本明細書において、説明の簡単のためにアクセスポイント、基幹ネットワークについては説明を省略し、送受信機の構成について詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態における無線LANシステムで用いられる送受信機の構成を示した図である。以下の説明においては、説明の簡単のため、図1における送受信機の主に送信機能の構成を示した図2と、図1における送受信機の主に受信機能の構成を示した図3と分けて説明を行う。
【0029】
図2を用いて送信側の送受信機1におけるデータの送信について説明する。まず、演算・記憶部100が、送信元データ101を送信データ選別部102へと出力する。送信データ選別部102は、従来例における送信データ組立部1201の機能に加えて、組立てられた送信データ106が正常受信を必要とするデータであるか否かによって、送信データ106を選別する機能を有する。送信データ106が正常受信を必要とする場合には、正常受信を必要とすることを示す誤り検出ON信号104を送信制御部105へ出力し、送信データ106が正常受信を必要としないデータである場合には誤り検出ON信号104は出力しない。なお、従来から送信データ組立部1201はデータの組立の際にデータ属性の判断を行っていたので、上記の選別機能は容易に実現することができる。送信制御部105は送信要求信号103に従いデータ送信命令108を出力し、誤り検出ON信号104が出力されていない場合には誤り検出有効フラグ130をOFFにする。誤り検出ON信号104が出力されている場合には誤り検出有効フラグ130はONとなる。フレーム合成部107は、データ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報及び誤り検出有効フラグ130の状態をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109を出力する。以下の送信動作は従来例と同様であるのでここでは説明を省略するが、送信処理の結果として送信される送信変調データ114のデータ構造は図4のようになる。本実施の形態においては、ヘッダー1内に従来例には無い誤り検出有効フラグが挿入されている。
【0030】
次に図3を用いて受信側の送受信機2におけるデータの受信及びACKの送信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力される。データ受信部117では復調処理を行った後に、ヘッダー2に含まれるプリアンブルから同期信号を抽出してデータの同期を確保する。さらにデータ受信部117は受信変調データ116からヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として誤り検出部119、受信バッファ125及びフレーム解析部121へと出力する。本実施の形態においては、フレーム解析部121が受信データ選別部を構成している。誤り検出部119では受信フレームデータ118に付加されているフッターを利用して、受信フレームデータ118の誤り検出を行い、受信フレームデータ118に誤りが検出された場合は送信制御部105及び受信バッファ125へと出力される誤り検出信号122をONにする。フレーム解析部121は受信フレームデータ118内の誤り検出有効フラグを解析し、誤り検出有効フラグがOFFである場合には、信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をONにする。計数部201は、誤り検出部119で誤りが検出された回数をカウントする機能を有する。計数部201がカウントした回数が設定された所定の値を超えると、計数部201はマスク信号202をONとする。信号マスク部200は、マスク信号202がOFFの場合は、受信誤り許可フラグ124をそのまま送信制御部105へと出力する(203)。マスク信号202がONの場合は、受信誤り許可フラグ124の状態によらず、これをOFFにして送信制御部へと出力する(203)。誤り検出回数をカウントすることによって、誤りが多数生じる場合にはACKの送受信を従来通りに行うことが可能となり、連続して正常受信に失敗することによりデータが大きく乱れるのを防ぐことが出来る。送信制御部105は誤り検出信号122がOFFである場合と、受信誤り許容信号203がONである場合に、ACK送信命令111を出力する。ACK合成部112ではACK送信命令111が出力されるとACKフレームデータ113をデータ送信部110に出力する。データ送信部110ではACKフレームデータ113にヘッダー2を付加し、送信変調データ114として無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114としてACKを送信側の送受信機1へと送出する。受信バッファ125は、誤り検出信号122がOFFである場合と、受信誤り許容信号203がONである場合に受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを取り除き正しいデータが受信されたことを示す受信要求信号131と共に受信データ127と誤りフラグ126を出力する。ここで誤りフラグ126は誤り検出部119で検出された誤り検出信号122と同一の状態を出力する。受信データ組立部128は受信要求信号131にしたがって受信データ127と誤りフラグ126を取り込み、受信データ127から受信組立データ129を組立、出力する。さらに誤りフラグ126がONの場合は、受信データが誤りを含んでいるので、受信組立データ129の補正処理などを行う。誤り検出信号122がONかつ受信誤り許容信号203がOFFである場合は、受信組立データ129の組立は行わない。
【0031】
送信側の送受信機1におけるACKの受信の詳細に関しては従来例と同様であるので、ここでは説明を省略する。送信側の送受信機1において、ACKが受信されなかった時は、送信側の送受信機1はデータの再送を行う。この際、誤り検出ON信号104の状態によらず誤り検出有効フラグ130はONとする。すなわち、データは正常受信を必要とするデータとして再送処理を行う。
【0032】
次に図5を用いて、上記の構成を持った送受信機について、具体例を挙げてデータフローを説明する。図5は実施の形態1におけるデータフローの一例である。送信側の送受信機1から受信側の送受信機2へと3つのデータが送信され、DATA1、DATA3は正常受信され、DATA2が正常受信されなかった場合のデータフローを示している。データの種類は、DATA1のみ正常受信を必要とするデータであり、DATA2、DATA3は正常受信を必要としないデータであるとする。またデータフローの最初において、受信側の送受信機2では計数部201のカウントが0であり、計数部201に設定された所定の値は10であるとする。
【0033】
501のフローはDATA1の送受信を表している。DATA1は正常受信を必要とするデータであるので、送信データ選別部102は誤り検出ON信号104を出力する。よってフレーム合成部107は、ON状態の誤り検出有効フラグ130を含むヘッダー1及びフッターを送信データ106に付加し、送信フレームデータ109とする。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機2へと送信される。
【0034】
受信側の送受信機2では送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118として、誤り検出部119及びフレーム解析部121へと出力する。DATA1は正常に受信されるので、誤り検出部119において誤りが検出されない。よって計数部201のカウントは増えない。また、誤り検出有効フラグ130がOFFであるので、フレーム解析部121が出力する受信誤り許可フラグ124もOFFのままである。信号マスク部200はマスク信号202がOFFであるので、受信誤り許可フラグ124をそのままの状態(203)で送信制御部105及び受信バッファ125へと出力する。正常受信されているので、受信フレームデータ118は、受信バッファ125においてヘッダー1とフッターを削除され、受信データ127として、受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力される。
【0035】
502はACKの送受信を表している。DATA1は受信側の送受信機2において正常に受信されているので、送信制御部105はACK合成部112へとACK送信命令111を出力する。ACK送信命令111が出力されると、ACK合成部112は、ACKフレームデータ113をデータ送信部110へと送信する。ACKフレームデータ113を入力されたデータ送信部110は、これにヘッダー2を付加して、送信変調データ114として送信側の送受信機1へと送信する。
【0036】
送信側の送受信機1では受信変調データ116としてACKを受信すると、データ受信部においてACKに付加されたヘッダー2を利用して同期を確保し、ヘッダー2を削除してACK検出部120へと出力する。ACK検出部120でACKを受信したことを確認すると、ACK受信信号123がONとなり、送信側の送受信機1は次の送信データDATA2の送信準備に入る。
【0037】
503はDATA2の送受信を表している。DATA2は正常受信を必要としないデータであるので、送信データ選別部102は誤り検出ON信号104を出力しない。よってフレーム合成部107は、OFF状態の誤り検出有効フラグ130を含むヘッダー1及びフッターを送信データ106に付加し、送信フレームデータ109とする。次にデータ送信部110において、送信フレームデータ109にヘッダー2が付加され、送信変調データ114へと変調された後に受信側の送受信機2へと送信される。
【0038】
受信側の送受信機2では送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114を、受信変調データ116として受信する。データ受信部117は受信変調データ116に付加されたヘッダー2を利用して同期を確保するとヘッダー2を削除し、受信フレームデータ118とすると、誤り検出部119及びフレーム解析部121へと出力する。DATA1は正常に受信されないので、誤り検出部119において誤りが検出される。よって計数部201のカウントは増えて1となる。また、誤り検出有効フラグ130がONであるので、フレーム解析部121が出力する受信誤り許可フラグ124がONとなる。信号マスク部200はマスク信号202がOFFであるので、受信誤り許可フラグ124をそのままの状態(203)、すなわちON状態で送信制御部105及び受信バッファ125へと出力する。受信データは正常に受信されていないものの、受信誤り許容信号203がONであるので、受信バッファ125は、受信フレームデータ118からヘッダー1とフッターを削除し、受信データ127として、受信要求信号131と共に受信データ組立部128へと出力する。
【0039】
504はACKの送信を示している。受信データは正常に受信されているものの、受信誤り許容信号203がONであるので、送信制御部105はACKの送信処理を行う。以下の手順は502の場合と同様に行われる。
【0040】
505はDATA3の送受信を示している。送信手順は502の場合と同様であるので省略する。受信側においては、DATA3は正常に受信される。したがって誤り検出信号122はOFFとなるので、計数部の計数回数はリセットされる。
【0041】
DATA3は正常に受信されたのでACKが送信される。送受信動作は502と同様であるので省略する。
【0042】
次に図6を用いて、別の具体例を挙げてデータフローを説明する。図6は実施の形態1におけるデータフローの一例である。送信側の送受信機1から受信側の送受信機2へと送信されるDATA1、DATA2ともに正常受信を必要としないデータであり、DATA1を正常に受信しないことにより、計数部201がカウントした回数が設定された所定の値である10回を超えた場合の例を示している。なお、データの送受信の詳細は図5の場合と同様であるので図6の説明では省略する。
【0043】
このデータフローでは計数部201に設定された所定の値は10であり、本データフローの開始前の段階ですでに連続して正常受信に失敗しているため、受信側の送受信機2では計数部201のカウントが9となっているものとする。601はDATA1の送受信を示している。DATA1は受信側の送受信機2において正常に受信されないが、DATA1は正常受信を必要としないDATAであるので、受信側の送受信機2はACKを送信する。また、DATA1が正常に受信されないことにより計数部201のカウントは10となる。これによって次に送受信されるデータを正常に受信されなかった場合には、そのDATAが正常受信を必要とするか否かに関わらず、ACKを返さないこととなる。
【0044】
602はACKの送受信を示している。詳細は図5の説明と同様であり、ACKを受信することにより、送信側はDATA2の送信処理に取り掛かる。
【0045】
603はDATA2の送受信を示している。DATA2は正常受信を必要としないデータである。従ってマスク信号202がONでない場合には、DATA2が正常に受信されたか否かに関わらずACKを返さないこととなる。しかしながら、DATA1の送受信において計数部のカウント数が所定の値に達したので、今回の送受信においてデータが正常に受信されなかった場合には計数部201のカウント数は所定の値を超えることとなる。すると、マスク信号202がONとなり、データが正常受信を必要とするデータであるか否かに関わらず、誤りを検出した場合には受信側の送受信機2はACKを送信せず、送信側の送受信機1はデータの再送を行うこととなる。603のDATA2の送受信において、DATA2は正常に受信されない。従って計数部201のカウント数は11となり、所定の値を超えたのでACKの送信は行われていない。
【0046】
604はDATA2の再送を示している。603のDATA2の送信に対してACKの送受信が行われないので、送信側の送受信機1はDATA2の再送処理を行う。データの再送処理であるので、誤り検出ON信号104の状態によらず誤り検出有効フラグ130をONとしてヘッダー1に付与する。よってDATA2は正常受信を必要とするデータとして取り扱われる。今回の送信でDATA2は受信側の送受信機2において正常に受信されるので、計数部201のカウント数はリセットされ、マスク信号202はOFFとなる。また、受信側の送受信機2は送信側の送受信機1へとACKを送信する。
【0047】
605はACKの送受信を示している。説明は省略する。
【0048】
以上のように本実施の形態によれば、予めデータを正常受信が必要であるか否かで分類しておき、そのことを示すフラグを付与してデータ送信することにより、例えば動画像における映像データなどのように、データ量が大きいが正常受信を必要としないデータの再送回数を減らすことが出来る。したがってデータの高速送受信が可能である。
【0049】
また、計数部201を設けることにより、通信環境の悪化などでデータが大きく乱れたときには、データの正常受信を優先させ、一定以上のデータの乱れを抑えることができる。
【0050】
なお、本実施の形態において計数部201は正常受信を一度でも行うとカウントした値をリセットしているが、複数回連続して正常受信を行った場合にのみカウント数をリセットするようにしても良い。
【0051】
なお、本実施の形態の説明において、ON状態にHIGHをOFF状態にLOWを用いているが、当然にこれは任意の極性で良い。また、誤り検出有効フラグ130をヘッダー1にいれたが、ヘッダー2もしくはフッターにいれても問題ない。
【0052】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。なお、説明の簡単のため、送受信機の主に送信機能の構成を示した図7と送受信機の主に受信機能の構成を示した図8とに分けて説明する。以下、図7,8を用いて説明を行う。
【0053】
図7は、本発明の実施の形態2における送信側の送受信機1を、図8は本発明の実施の形態2における受信側の送受信機2を示したものである。
【0054】
まず、図7を用いてデータの送信について説明する。102は送信データ選別部、101は送信元データ、103は送信要求信号、104は誤り検出ON信号、106は送信データ選別部102で組立てられた送信データであり、これらの動作は実施の形態1と同様である。送信制御部105は誤り検出有効フラグ140をフレーム合成部107ではなく、送信速度選択部143へ出力する点で実施の形態1と異なっている。フレーム合成部107は従来例と同様に、送信制御部105から出力されるデータ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109をデータ送信部110へと出力する。141は第1の速度記憶部であり正常受信を必要としないデータの送信に使用する第1の送信速度が記憶されている。142が第2の速度記憶部であり正常受信を必要とするデータの送信に使用する第2の送信速度が記憶されている。送信速度選択部143は誤り検出有効フラグ140がON状態のときに第2の速度記憶部142に記憶されている第2の記憶速度を送信速度信号144としてデータ送信部110に出力し、誤り検出有効フラグ140がOFF状態のときに第1の速度記憶部141に記憶されている第1の記憶速度を送信速度信号144としてデータ送信部に出力する。データ送信部110は、第1あるいは第2の速度記憶部から出力された送信速度に基づいて、ヘッダー1からフッターまでを変調処理し、ヘッダー2のレート部分に送信速度に関する情報を付与する。ヘッダー2は送受信機の間で予め決められた送信速度で変調処理され、ヘッダー2からフッターまではまとめて送信変調データ114として無線送受信部115へと出力される。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機2へと送信する。このように複数の送信速度を使い分けることで、送信データが正常受信を必要とするデータであるか、正常受信を必要としないデータであるかに関する情報を組込む。
【0055】
次に図8を用いてデータの受信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力されると共に、伝送速度解析部210へも出力される。伝送速度記憶部211は、予め正常受信を必要とするデータの送受信に用いる伝送速度を記憶している。伝送速度解析部210は受信変調データのヘッダー2のレート部分に書き込まれた送信速度と伝送速度記憶部211に記憶された値との比較を行い、一致する場合には信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をOFFにし、一致しない場合には受信誤り許可フラグ124をONにする。以下の動作は実施の形態1の場合と同様である。すなわち、受信誤り許可フラグ124がOFFの場合は、誤り検出部119で正常に受信されなかったことが検出されたならばACKを送信側に返信しないが、受信誤り許可フラグ124がONの場合は、誤り検出部119で正常に受信しなかったことが検出されたとしてもACKを返信する。本実施の形態においては、伝送速度解析部210と伝送速度記憶部211とで受信データ選別部を構成している。
【0056】
本実施の形態においては、送信速度を選択することにより正常受信を必要とするか否かの情報を組込むので、実施の形態1と比べるとフラグを送信データに付与することによるデータ量の増加を招くことなく、より効果的に送受信の実伝送レートを高くすることができる。
【0057】
なお、送信速度が低速である方が、正常受信を失敗する可能性は少ないので、正常受信を必要とするデータ属性のデータの送信は低速に、正常受信を必要としないデータ属性のデータの送信は高速になるように送信速度を選択するのが望ましい。
【0058】
また、送信速度は正常受信を必要とするデータ属性のデータの送受信に1つ、正常受信を必要としないデータ属性のデータの送受信に1つの計2つを用いて説明しているが、それぞれ複数でもかまわない。
【0059】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。なお、説明の簡単のため、送受信機の主に送信機能の構成を示した図9と送受信機の主に受信機能の構成を示した図10とに分けている。以下、図9,10を用いて説明を行う。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態3における送信側の送受信機1を、図10は本発明の実施の形態3における受信側の送受信機2を示したものである。
【0061】
まず、図9を用いてデータの送信について説明する。102は送信データ選別部、101は送信元データ、103は送信要求信号、104は誤り検出ON信号、106は送信データ選別部102で組立てられた送信データであり、これらの動作は実施の形態1と同様である。送信制御部105は誤り検出有効フラグ150をフレーム合成部107ではなく、プリアンブル選択部153へ出力する点で実施の形態1と異なっている。フレーム合成部107は従来例と同様に、送信制御部105から出力されるデータ送信命令108が出力されると、送信先アドレス、送信元アドレス、制御情報をヘッダー1として送信データ106の先頭に付加し、誤りチェック用のデータをフッターとして送信データ106の最後に付加し、送信フレームデータ109をデータ送信部110へと出力する。151は第1のプリアンブル記憶部であり正常受信を必要としないデータの送信に使用する第1のプリアンブル波形が記憶されている。152が第2のプリアンブル記憶部であり正常受信を必要とするデータの送信に使用する第2のプリアンブル波形が記憶されている。プリアンブル選択部153は誤り検出有効フラグ150がON状態のときに第2のプリアンブル記憶部152に記憶されている第2のプリアンブル波形をプリアンブル信号154としてデータ送信部110に出力し、誤り検出有効フラグ150がOFF状態のときに第1のプリアンブル記憶部151に記憶されている第1のプリアンブル波形をプリアンブル信号154としてデータ送信部に出力する。データ送信部110は、プリアンブル信号154をプリアンブルとするヘッダー2を送信フレームデータ109に付与し、変調処理を行い、ヘッダー2からフッターまでをまとめて送信変調データ114として無線送受信部115へと出力する。無線送受信部115は送信変調データ114を受信側の送受信機2へと送信する。このように2つのプリアンブルを使い分けることで送信データが正常受信を必要とするデータであるか否かに関する情報を組込む。なお、第1のプリアンブル波形と第2のプリアンブル波形を反転したものとなっている。
【0062】
次に図10を用いてデータの受信について説明する。送信側の送受信機1から送信された送信変調データ114は、受信側の送受信機2の無線送受信部115で受信され、受信変調データ116としてデータ受信部117へと出力されると共に、プリアンブル検出部220へも出力される。なお、データ受信部117はプリアンブル波形が反転していても同期を確保し、復調処理が可能であるものとする。一般にプリアンブル波形が反転していても同期を確保することは可能である。プリアンブル記憶部221は、予め正常受信を必要とするデータの送受信に用いるプリアンブル波形を記憶している。プリアンブル検出部220は受信変調データのヘッダー2のプリアンブル波形とプリアンブル記憶部221に記憶されたプリアンブル波形との比較を行い、一致する場合には信号マスク部200へと出力される受信誤り許可フラグ124をOFFにし、一致しない場合には受信誤り許可フラグ124をONにする。以下の動作は実施の形態1の場合と同様である。すなわち、受信誤り許可フラグ124がOFFの場合は、誤り検出部119で正常に受信されなかったことが検出されたならばACKを送信側に返信しないが、受信誤り許可フラグ124がONの場合は、誤り検出部119で正常に受信しなかったことが検出されたとしてもACKを返信する。本実施の形態においては、プリアンブル検出部220とプリアンブル記憶部221とで受信データ選別部を構成している。
【0063】
本実施の形態においては、極性の異なる2つのプリアンブル波形を使い分けることにより、送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込むので本実施の形態では実施の形態1のようにフラグ追加によるデータ量の増加を招くことはない。
【0064】
また、2つのプリアンブル波形は極性の異なる2つを用いているが、複数のプリアンブル波形をデータ受信部117が判別可能であれば、どのようなプリアンブル波形を用いても良い。プリアンブルの波形も2つに限られるものではなく、3以上の複数のプリアンブル波形を使い分けても良い。
【0065】
なお、上記実施の形態1から3までの処理機能は送受信機に組込まれた半導体集積回路によって制御・実現される。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、データの伝送において正常受信を必要とするデータ属性であるか否かを選別する手段を設けることによって、正常受信を必要としないデータ属性のデータについては、受信側で正常受信を失敗した場合でもデータの再送は行われず、従来よりも高い実伝送速度を実現することができる。また、データの再送は伴うか否かに関わらず、正常受信を失敗した回数を計数しておくことによって、一定以上のデータの乱れを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における送受信機の全体構成図
【図2】実施の形態1における送信側の送受信機の構成図
【図3】実施の形態1における受信側の送受信機の構成図
【図4】実施の形態1における送信変調データのデータ構造を示した図
【図5】実施の形態1におけるデータフローの例を示した図
【図6】実施の形態1におけるデータフローの別の例を示した図
【図7】実施の形態2における送信側の送受信機の構成図
【図8】実施の形態2における受信側の送受信機の構成図
【図9】実施の形態3における送信側の送受信機の構成図
【図10】実施の形態3における受信側の送受信機の構成図
【図11】無線LANシステムの構成図
【図12】従来例における送受信機の構成図
【図13】従来例におけるデータフローの例を示した図
【図14】従来例における送信変調データのデータ構造を示した図
【符号の説明】
1 送信側の送受信機
2 受信側の送受信機
100 演算・記憶部
101 送信元データ
102 送信データ選別部
103 送信要求信号
104 誤り検出ON信号
105 送信制御部
106 送信データ
107 フレーム合成部
108 データ送信命令
109 送信フレームデータ
110 データ送信部
111 ACK送信命令
112 ACK合成部
113 ACKフレームデータ
114 送信変調データ
115 無線送受信部
116 受信変調データ
117 データ受信部
118 受信フレームデータ
119 誤り検出部
120 ACK検出部
121 フレーム解析部
122 誤り検出信号
123 ACK検出信号
124 受信誤り許可フラグ
125 受信バッファ
126 誤りフラグ
127 受信データ
128 受信データ組立部
129 受信組立データ
130 誤り検出有効フラグ
131 受信要求信号
140 誤り検出有効フラグ
141 第1の速度記憶部
142 第2の速度記憶部
143 送信速度選択部
144 送信速度信号
150 誤り検出有効フラグ
151 第1のプリアンブル記憶部
152 第2のプリアンブル記憶部
153 プリアンブル選択部
154 プリアンブル信号
200 信号マスク部
201 計数部
202 マスク信号
203 受信誤り許容信号
Claims (17)
- 無線を用いてデータを送受信するための無線送受信部を備え、
他の送受信機へのデータ送信後に、前記他の送受信機からの正常受信信号を受信しなかった場合は、データを再送することにより正常な無線送受信を行う送受信機であって、
送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性か否かの選別を行う送信データ選別部と、
前記送信データ選別部の選別結果に基づいて、前記送信データに、正常受信を必要とするか否かに関する情報を組込む送信データ処理部と
を備える送受信機。 - 無線を用いてデータを送受信するための無線送受信部と、
正常受信信号の送信処理を行うACK合成部とを備え、
データを正常に受信できた場合は正常受信信号を送出することにより正常な無線送受信を行う送受信機であって、
予め受信データに組込まれた情報に基づいて、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行う受信データ選別部をさらに備え、
前記ACK合成部は、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要としないデータ属性である場合に、前記受信データが正常に受信されたか否かに関わらず、前記正常受信信号の送信処理を行うことを特徴とする送受信機。 - 少なくとも1つの請求項1記載の送受信機と、
少なくとも1つの請求項2記載の送受信機とを備えた無線LANシステム。 - 請求項1記載の送受信機であって、
前記送信データ処理部が、
前記送信データのデータ属性が正常受信を必要としないデータ属性である場合は、オフ状態の誤り検出有効フラグを付加し、
前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性である場合は、オン状態の誤り検出有効フラグを付加することによって、
前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込むこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項2記載の送受信機であって、
前記受信データ選別部は、
受信データに付加された誤り検出有効フラグがオン状態であるかオフ状態であるかによって、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行うこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項1記載の送受信機であって、
前記送信データ処理部は、伝送速度制御部を備え、
正常受信を必要としないデータ属性の送信データを送信するのに用いる第1の伝送速度と、
正常受信を必要とするデータ属性の送信データを送信するのに用いる第1の伝送速度と異なる第2の伝送速度とを予め定めておき、
前記伝送速度制御部が、前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに応じて、前記第1の伝送速度または前記第2の伝送速度を選択することにより、
前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込むこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項2記載の送受信機であって、
前記受信データ選別部は、伝送速度解析部を備え、
正常受信を必要としないデータ属性の送信データを送信するのに用いる第1の伝送速度と、
正常受信を必要とするデータ属性の送信データを送信するのに用いる第1の伝送速度と異なる第2の送信速度とを予め定めておき、
前記伝送速度解析部が、前記受信データが送信された伝送速度の解析を行い、前記受信データが前記第1の伝送速度と前記第2の伝送速度のどちらの伝送速度で送信されたかによって、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行うこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項1記載の送受信機であって、
前記送信データ処理部は、同期信号を選択する同期信号選択部を備え、
正常受信を必要としないデータ属性の送信データに付加される第1の同期信号と、正常受信を必要とするデータ属性の送信データに付加される第1の同期信号と異なる第2の同期信号とを予め定めておき、
前記同期信号選択部が、前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに応じて、前記送信データに、前記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択付加することにより、
前記送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込むこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項2記載の送受信機であって、
前記受信データ選別部は、同期信号の検出を行う同期信号検出部を備え、
正常受信を必要としないデータ属性の送信データに付加される第1の同期信号と、正常受信を必要とするデータ属性の送信データに付加される第1の同期信号と異なる第2の同期信号とを予め定めておき、
前記同期信号検出部が、前記第1の同期信号と前記第2の同期信号のいずれを検出するかによって、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行うこと
を特徴とする送受信機。 - 請求項8又は9いずれかに記載の送受信機であって、前記第2の同期信号は、前記第1の同期信号のデータ極性を反転したものであること
を特徴とする送受信機。 - 請求項2記載の送受信機であって、
データを正常に受信できたか否かを検出する誤り検出部と、
データを正常に受信できなかった回数を計数する計数部とをさらに備え、
前記計数部で計数された回数が所定の数を越えると、前記ACK合成部は、前記受信データ選別部の選別結果によらず、前記受信データを正常受信できなかったときには、前記正常受信信号の送信処理を行わないこと
を特徴とする送受信機。 - 無線LANシステムを構成し、無線を用いてデータを送受信するための無線送受信部を備え、他の送受信機へのデータ送信後に、前記他の送受信機からの正常受信信号を受信しなかった場合は、データを再送することにより正常な無線送受信を行う送受信機に用いられ、
送信データの処理を行う半導体集積回路であって、
送信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性か否かの選別を行う送信データ選別部と、
前記送信データ選別部の選別結果に基づいて、前記送信データに、正常受信を必要とするか否かに関する情報を組込む送信データ処理部とを備える
半導体集積回路。 - 無線LANシステムを構成し、無線を用いてデータを送受信するための無線送受信部を備え、他の送受信機へのデータ送信後に、前記他の送受信機からの正常受信信号を受信しなかった場合は、データを再送することにより正常な無線送受信を行う送受信機に用いられ、
受信データの処理を行う半導体集積回路であって、
正常受信信号の送信処理を行うACK合成部と、
予め受信データに組込まれた情報に基づいて、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行う受信データ選別部をさらに備え、
前記ACK合成部は、前記受信データのデータ属性が正常受信を必要としないデータ属性である場合に、前記受信データが正常に受信されたか否かに関わらず、前記正常受信信号の送信処理を行うこと
を特徴とする半導体集積回路。 - 無線を用いてデータを送受信する無線LANシステムの送信制御方法であって、
前記データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かの選別を行う選別ステップと、
前記選別ステップの結果に基づいて、前記データのデータ属性が正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込む組込みステップと、
前記組込みステップで情報を組込まれた前記データを送信するステップと
を備える無線LANシステムの送信制御方法。 - 無線を用いてデータを送受信する無線LANシステムの受信制御方法であって、
予め正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関する情報を組込まれたデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたデータのデータ属性が、正常受信を必要とするデータ属性であるか否かに関して選別を行う選別ステップと、
前記選別ステップの結果、前記データのデータ属性が正常受信を必要としないデータ属性である場合には、前記データが正常に受信されたか否かに関わらず正常受信信号を送信する送信ステップと
を備える無線LANシステムの受信制御方法。 - 請求項14記載の無線LANシステムの送信制御方法であって、前記正常受信を必要としないデータは映像データであること
を特徴とする無線LANシステムの送信制御方法。 - 請求項15記載の無線LANシステムの受信制御方法であって、前記正常受信を必要としないデータは映像データであること
を特徴とする無線LANシステムの送信制御方法。
Priority Applications (1)
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