JP2006048261A - 非接触icタグの製造方法及びその装置 - Google Patents

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若浩 川井
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Abstract

【課題】
金属製部品、あるいはプリント回路基板等の電子部品で構成された製品の直上や周辺に非接触ICタグを配置しても、記憶した情報が読み取れる非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造方法及びその装置を提案し、利便性の高い非接触ICタグを安価に提供する。
【解決手段】
物品に貼り付けて使用する非接触ICタグを製造する際に、高透磁率の部材により平状に形成した高透磁率層を、前記非接触ICタグ本体の物品との貼付面側に熱転写して製造する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、例えば非接触で通信する非接触ICタグを製造するような非接触ICタグ製造方法及びその装置に関する。
物流の自動化等を進めるためには、個々の物品に貼付される伝票等の内容を機械にて読み取り可能とすることが重要である。機械にて内容を読み取る方法としては、個々の伝票にその内容に対応したバーコードラベルを貼付することが従来から行われている。
しかしながら,いわゆるバーコードリ−ダを用いてバーコードラベルを読みとるためには、両者間に一定の距離的並びに方向的な関係付けを高精度に行わなければならず、物流の円滑化の障害になる問題があった。
さらに、バーコードに入力できる情報量が少ないため、物流の管理範囲も狭い区域に限られる問題もあった。
近年では、誘導電磁界を用いて非接触で読み取りが可能な伝票内装型の非接触ICタグが使用されてきている。
この伝票内装型の非接触ICタグは、読みとりに際しての距離的並びに方向的な制約がバーコードに比較して少ないため、利便性が高いものである。具体的には、読みとりの方向性に制約を受けることなく、1mの距離からでもその内容を確実に読みとるといったことができる。
また、この非接触ICタグ内のICには、管理対象となる物品の個体情報を大容量で記憶することができるため、個体を特定するためのセキュリティ情報として上記個体情報を用いることも可能である。
一方、このように誘導電磁界を用いる方法では、非接触ICタグを金属製部品、あるいはプリント回路基板等の電子部品の直上、あるいは周辺に配置すると読み取りができなくなるという問題があった。
この問題は、金属によって非接触ICタグの特性、例えば共振周波数、Q値等が変化してしまうことや、誘導電磁界が金属によって遮蔽されてしまうことにより、非接触ICタグのアンテナコイル内を磁束が通らなくなることによって発生する。
この問題を解決する方法として、非接触ICタグが装着される位置の金属部に穴等を加工して、非接触ICタグの直下に金属部が配置されないようにして誘導電磁界の遮蔽を防ぐ方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この方法では製品に加工を施さなければならないために汎用的に用いることができないという問題がある。
他の方法としては、図14の正面断面図に示すように、非接触ICタグ本体160を金属から樹脂性の板材135等で5〜10mm程度浮かした状態で金属上に配置する方法が考えられる。
他にも、高透磁率のアモルファスシート、あるいは、Ni、Fe等の高透磁率の磁性粉末を樹脂バインダで固めた板材(例えば0.5〜1mm程度の厚みの板材)135を、非接触ICタグ本体160と金属等の間に配置して磁束G’の通り道を形成し、非接触ICタグ本体160のコイル内に磁束G’が通るようにして読取りを可能にするという方法が考えられる。
しかし、こういった方法では、物品180の表面から非接触ICタグ本体160が突出し、物品180の美観、あるいは非接触ICタグ本体160の耐久性を損なうという問題がある。
また、アモルファスシート、あるいはNi、Fe等を分散させた板材135は高価であるという問題がある。
さらに、いずれの方法であっても非接触ICタグ本体160に板材135を積層するための加工コストが付加されるため、非接触ICタグ150のコストが高くなってしまうという問題がある。
特開平9−331279号公報
この発明は、上述の問題点に鑑み、金属製部品、あるいはプリント回路基板等の電子部品で構成された製品の直上や周辺に非接触ICタグを配置しても、記憶した情報が読み取れる非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造方法及びその装置を提案し、利便性の高い非接触ICタグを安価に提供することを目的とする。
この発明は、物品に貼り付けて使用する非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造方法であって、高透磁率の部材により平状に形成した高透磁率層を、前記非接触ICタグ本体の物品との貼付面側に熱転写する非接触ICタグ製造方法、又は、物品に貼り付けて使用する非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造装置であって、高透磁率の部材により平状に形成した高透磁率層を、非接触ICタグ本体の物品への貼付面側に熱転写する熱転写手段を備えた非接触ICタグ製造装置であることを特徴とする。
前記高透磁率層は、鉄―ニオブ系合金粒子を熱可塑性樹脂の樹脂バインダに分散させて形成することを含む。また、鉄―ニオブ系合金粒子に限らず、高透磁率のアモルファスシート、あるいはNi、Fe、及びそれらの合金等の高透磁率の磁性粉末を使用することも含む。
前記構成により、金属製部品や電子部品等、磁束を通さない部材で形成された物品に貼り付けても正常にデータの通信ができる非接触ICタグを提供することができる。
この発明の態様として、前記熱転写を前記非接触ICタグ本体に対して複数回実行する、又は、複数回実行可能に構成することができる。
これにより、高透磁率層を多層化し、磁束の通過量を増加させることができる。
またこの発明の態様として、前記非接触ICタグ本体に対する前記熱転写の実行回数を任意に設定することができる。
これにより、貼り付け対象の物品に対応させて、高透磁率層の厚さを必要最小限に容易に調節することができる。
またこの発明の態様として、前記非接触ICタグ本体に、共振周波数を5.0MHz〜12.0MHz内の所定周波数に調整した非接触ICタグ本体を使用することができる。
これにより、非接触ICタグを磁束を通さない物品に貼り付けても、平状に形成されている高透磁率層にて非接触ICタグのアンテナコイル内に磁束を通過させて、確実に通信することができる。
またこの発明の態様として、前記高透磁率層に、情報を視認可能に書き込むことができる。
前記情報は、高透磁率層を多層化した場合の層数、製造元、非接触ICタグのタイプ、非接触ICタグを貼り付ける対象の物品、又は非接触ICタグを購入する購入者等、非接触ICタグに関連する情報とすることを含む。
また該情報の書き込み位置は、非接触ICタグを物品に貼り付けた後は視認できないよう貼り付け面側に設定する、あるいは、物品に貼り付けた後も視認できるように非接触ICタグ側に設定することを含む。
前記構成により、非接触ICタグの種類の識別、セキュリティ情報としての利用、製造元へのトレーサビリティ等、非接触ICタグの利用における利便性を向上することができる。
またこの発明は、記憶手段とアンテナコイルとを備え、物品に貼り付けて使用する非接触ICタグであって、物品との貼付面側に、高透磁率の部材により膜状に形成した高透磁率膜を1層以上備えた非接触ICタグとすることができる。
これにより、金属製部品や電子部品等、磁束を通さない部材で形成された物品に貼り付けても正常にデータの通信ができる非接触ICタグを提供することができる。
この発明により、金属製部品、あるいはプリント回路基板等の電子部品で構成された製品の直上や周辺に非接触ICタグを配置しても、記憶した情報が読み取れる非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造方法及びその装置を提案し、利便性の高い非接触ICタグを安価に提供することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す構成図と共に、高透磁率層を備えた非接触ICタグを作成する非接触ICタグ製造装置1の構成について説明する。
非接触ICタグ製造装置1は、搬送ローラ15a,15b、熱転写ヘッド161(161a,161b,161c,…)、書き込みヘッド21a、及び通信アンテナ22aを備えている。
搬送ローラ15a,15bは、非接触ICタグロール70を搬送ローラ15aにセットし、非接触ICタグロール70の外周端部を搬送ローラ15bにセットして、搬送ローラ15aから搬送ローラ15bへ非接触ICタグロール70を巻き取る。
すなわち、複数の電子部品モジュール57をシート51上に等間隔に配設した状態でロール状に形成した非接触ICタグロール70を、搬送ローラ15aから搬送ローラ15bに巻変える。
これにより、シート51と電子部品モジュール57で構成する非接触ICタグ本体60を搬送ローラ15aから搬送ローラ15bへ搬送する搬送手段として機能している。
ICやアンテナコイルを備えた面を内側としてシート51をロール状に巻いているため、この実施形態で使用する際には、シート51の下面側にICやアンテナコイルが位置するようにして、上側から高透磁率層35を熱転写するようにしている。
なお、非接触ICタグロール70は、非接触ICタグ本体60を構成するICやアンテナコイルで構成する電子部品モジュール57をシート51に等間隔に配設したものであり、シート51を非接触ICタグ本体60の形状(例えば長方形のカード型)に切り抜くことで、非接触ICタグ本体60が取得できるものである。
熱転写ヘッド161は、前記搬送ローラ15a,15bによる非接触ICタグ本体60の搬送経路に複数個順番に並べて配設している。
各熱転写ヘッド161には、リボン30(30a,30b,30c,…)がそれぞれにセットされている。
ここで、リボン30は高透磁率層転写シートとして機能する熱転写用のリボンであり、図2の断面図に示すように、フィルム31の下面側に高透磁率層35を備えた2層構造に形成している。
このリボン30は、テープ状のフィルム31として厚さ12μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)を用い、該フィルム31の表面上(図示下面側)に、粒径5μm程度に粉砕された鉄―ニオブ系合金粒子を熱可塑性樹脂であるポリエステル系等の樹脂バインダに分散させて形成したペーストを、40〜50μm厚で塗布して膜状の高透磁率層35(高透磁率膜)を形成している。
上記ペーストは、熱可塑性樹脂であるポリエステルをバインダとしているため、150℃程度の加熱によって軟化させた状態で、バーコーター等を用いてフィルム31表面に連続的に塗工し、常温に冷却して硬化させる方法で塗布することができる。
このように形成することで、図2に示すように、高透磁率層35の中央側にて高透磁率粒子である鉄―ニオブ系合金粒子37を分散させ、高透磁率層35の表面側(上下両方)には、熱可塑性樹脂である樹脂バインダ36を集中させている。
従って、後に非接触ICタグ本体60へ高透磁率層35を熱転写する際に、表面で密となっている樹脂バインダ36により、容易に熱転写することができる。
なお、リボン30はこの構成に限らず、フェライト系の酸化鉄よりも透磁率が高い適宜の高透磁率部材を、適宜の熱可塑性樹脂に分散させて形成する等、他の構成としても良い。
図1に示した熱転写ヘッド161は、130℃〜150℃程度に加熱した状態で、0.5Kg/cm2程度の圧力で上記リボン30の上面のフィルム31を下方側へ押圧し、非接触ICタグ本体60に高透磁率層35を熱転写する。
この時、高透磁率粒子である鉄―ニオブ系合金粒子37を分散させた樹脂バインダ36は熱可塑性であるため、熱転写ヘッド161によって加熱軟化されることで粘着性を持つ。
従って、非接触ICタグ本体60と接触した部分のみと接着してリボン30より転写される。このため、図3の説明図の(A)に示す転写前の状態から、(B)の転写後の状態に示すように、リボン30上の高透磁率層35の一部を熱転写ヘッド161の形状に相応した形態に抜き出して非接触ICタグ本体60の表面上に転写し、非接触ICタグ50の高透磁率層35を形成できる。
なお、熱転写後は、(C)に示すようにシート51と電子部品モジュール57と高透磁率層35とで構成する非接触ICタグ50をタグ搬送部15によって搬送すると共に、リボン搬送部17によってリボン30を位置移動して、次の熱転写が可能なようにセットする。
図1に示した書き込みヘッド21aは、高透磁率層35にレーザー加工を行い、高透磁率層35の層数等の情報を視認可能に書き込む。
該書き込みヘッド21aで書き込む情報としては、層数に限らず、共振周波数、非接触ICタグの種類、製造元の情報、販売先の情報、又は貼付対象物品の情報等、使用用途や顧客要求に応じて適宜の情報を書き込む。
また該情報としては、例えば当たり/はずれの表示を書き込み、非接触ICタグ50に娯楽要素を付与するといったように利用しても良い。この場合は、貼付面側に書き込みを行い、物品からはがせば当たりかはずれかが見れるようにすると良い。
これにより、例えば一般消費者に販売する被服等の最終製品に非接触ICタグ50を貼り付けるような場合に、一般消費者が非接触ICタグ50を煩わしく感じることを防止し、非接触ICタグ50による当たりを期待して逆に喜ばせることが可能となる。
なお、書き込みヘッド21aは、レーザー加工に限らず、インクジェット方式等による印刷、熱転写による印字、又は彫刻によるエッチング等、視認可能に書き込みを行える他の装置で構成しても良い。
通信アンテナ22aは、薄型の非接触ICタグ50とデータ通信を行い、非接触ICタグ50に必要なデータを書き込む処理や初期化処理等を行う。
以上の構成により、非接触ICタグ本体60に高透磁率層35を多層に熱転写し、さらに視認可能な書き込みと視認不可能なデータ書き込みとを行うことができる。
なお、非接触ICタグ50は、共振周波数を5MHz〜12MHzの間の所定周波数に設計している。
次に図4に示すブロック図と共に、非接触ICタグ製造装置1の構成について説明する。
非接触ICタグ製造装置1は、制御部10に接続して、入力部11、タグ搬送部15、熱転写部16、リボン搬送部17、表示書込部21、及びデータ書込部22を備えている。
制御部10は、CPUで構成し、各種制御処理を実行する。
入力部11は、入力された信号を制御部10に送信する操作スイッチ等であり、非接触ICタグ50の製造の開始や停止、高透磁率層35の層数の設定といった指示の入力を受け付ける。
なお、入力部11は操作スイッチに限らず、例えばPC(パーソナルコンピュータ)を接続し、PCの画面上でマウスやキーボードによって、層数、表示書込部21で書き込む情報、データ書込部22で記録する情報、熱転写部16の温度や圧力、製造速度等を入力許容し、各種調整を行えるように構成しても良い。
タグ搬送部15は、前述した搬送ローラ15a,15b(図1)を備えており、搬送ローラ15a,15bを回動させて非接触ICタグ本体60を移動させる。
熱転写部16は、前述した熱転写ヘッド161(図1)を備えており、制御部10の制御信号に従って熱転写ヘッド161の加熱と下方への移動による圧力付加を行う。
このとき、シート51を挟んでICやアンテナコイルを備えた面と反対側の面に高透磁率層35を熱転写する。これにより、アンテナコイル等の凹凸が原因となって共振周波数等のタグ特性を変化させる影響を防止若しくは減少させている。
リボン搬送部17は、制御部10の制御に従い、熱転写部16で熱転写している間はリボン30の巻き出し(繰り出し)を停止し、熱転写していない間に、巻き出しを行ってリボン30を次の熱転写位置まで搬送して停止する。
表示書込部21は、制御部10の制御信号に従って高透磁率層35にレーザー加工を行い、高透磁率層35の層数等の情報を視認可能に書き込む。
データ書込部22は、制御部10の制御信号に従って前記通信アンテナ22aを備えており、非接触ICタグ50とデータ通信を行い、非接触ICタグ50に必要なデータを書き込む処理や初期化処理等を行う。
以上の構成により、非接触ICタグ本体60に高透磁率層35を熱転写し、さらに高透磁率層35に視認可能な書き込みや視認不可能なデータ書き込みを行うことができる。
次に、図5に示す処理フロー図と共に、非接触ICタグ製造装置1の全体の動作について説明する。
この実施形態では、熱転写部16を3つ備えた場合で説明する。
制御部10は、まず利用者による高透磁率層35の層数のセット、表示書込部21で書き込む文字又は図形等の設定、データ書込部22で記録させるデータの設定等の入力を入力部11にて受け付ける(ステップn1)。
制御部10は、タグ搬送部15により、非接触ICタグロール70を回転させ、これに装着されている非接触ICタグ本体60の搬送を実行する(ステップn2)。
設定された層数が1以下であれば(ステップn3:Yes)、1段目の熱転写ヘッド161aのみで、接触ICタグ本体60への高透磁率層35の熱転写を実行する(ステップn4)。
熱転写をすると、次の熱転写のためにリボン30a及び非接触ICタグロール70を次の熱転写用の位置まで搬送(移動)する(ステップn5)。
前記ステップn3で設定された層数が1以下でなかった場合(ステップn3:No)、層数が2以下か否か判定する(ステップn6)。
層数が2以下であれば(ステップn6:Yes)、1〜2段目の熱転写ヘッド161a,161bにより、接触ICタグ本体60への高透磁率層35の熱転写を実行して高透磁率層35を2層化する(ステップn7)。
熱転写をすると、次の熱転写のためにリボン30a,30b及び非接触ICタグロール70を次の熱転写用の位置まで搬送する(ステップn8)。
前記ステップn6で層数が2以下でなければ(ステップn6:No)、1〜3段目の熱転写ヘッド161a,161b,161cにより、接触ICタグ本体60への高透磁率層35の熱転写を実行して高透磁率層35を3層化する(ステップn9)。
熱転写をすると、次の熱転写のためにリボン30a,30b,30c及び非接触ICタグロール70を次の熱転写用の位置まで搬送する(ステップn10)。このように熱転写と搬送を順次繰り返すとことで多層化する。
制御部10は、入力部11(図4)で表示するための情報が指定されていれば(ステップn11:Yes)、指定された情報を表示書込部21で高透磁率層35に書き込む(ステップn12)。
制御部10は、入力部11(図4)で非接触ICタグ本体60に格納するためのデータが指定されていれば(ステップn13:Yes)、指定されたデータをデータ書込部22で非接触ICタグ本体60のメモリ(記憶手段)に書き込む(ステップn14)。
以上の動作により、入力部11で入力された層数だけ高透磁率層35を熱転写して積層し、入力部11で入力された指示に応じて情報表示やデータ格納をした非接触ICタグ50を製造することができる。
熱転写ヘッド161により高透磁率層35を順次熱転写することにより、通信距離(交信距離)の特性を向上させることを、安価に実施することができる。
完成した非接触ICタグ50は、図6の平面図、及び図7のA−A断面図に示すように、非接触ICタグ本体60の片面側に高透磁率層35を備えた構成となる。
ここで、非接触ICタグ本体60は、IC56を実装したモジュール基板55と、シート51の上に形成したアンテナコイル(巻き線コイル)53とを接合点54において機械的に締結して形成している。
アンテナコイル53は、9μm厚のCuをエッチングして成る渦巻き状導体パターンで形成している。
シート51は、38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムで形成している。
モジュール基板55は、樹脂製基材であり、25μmのPETフィルム基材で形成している。
電子部品モジュール57は、モジュール基板55上に、IC(ベアチップIC)56を実装して形成している。
高透磁率層35は、シート51の片面であって電子部品モジュール57を備えていない側の面に設けている。
このように製造した非接触ICタグ50は、図8の正面断面図に示すように、非接触ICタグ50を貼り付けた物品80がアルミ製の板材等であって、磁束を全く通さないあるいはあまり通さない場合であっても、磁束Gはアンテナコイル53(図示省略)の中心を抜けて高透磁率層35を通過するため、正常にデータ通信を行うことができる。
また、高透磁率層35を複数積層して多層構造とした場合は、図9の正面断面図に示すように、高透磁率層35が全体としてより磁束を通すようになる。従って、物品80が磁束を通さず高透磁率層35を1層設けただけでは通信できない場合であっても、複数層の高透磁率層35により通信を行うことができる。
このように、40〜50μmの薄膜状の高透磁率層35を重ねる層数を自由に調節して厚み調整をすることで、磁束が通過する断面積の大きさを調節できる。
これにより、図10の表に示すように、金属板(例えばアルミ製の板材)等の磁束を通さない物品に非接触ICタグ50を貼り付けて通信(交信)できる距離を、高透磁率層35を厚くして通信距離を長く設定するといったように調整することができる。
高透磁率層35は高価であるため、必要な交信距離や貼り付ける対象の物品の特性に対応して必要な厚みに調整し、利用者の使用用途に適切な非接触ICタグ50を低コストで提供することができる。
また、シート状に形成された高透磁率部材を非接触ICタグ本体60の形状に合わせるために切断加工し、切断した高透磁率部材又は非接触ICタグ本体60に接着剤を塗布し、両者を接着するといった製造工程が不要となり、量産性を向上し、低コスト生産が実現できる。
また、リボン30の作製は、高透磁率部材をテープ状のフィルムに塗布するという簡単な工程で大量生産できるため、アモルファスシートや板材を使用する場合と比較し、材料コストを低下できる。
また、貼り付け対象の物品80に対しては特殊な加工等を何ら行う必要がないため、どのような物品であっても容易に貼り付けて利用することができる。
表示書込部21で書き込んだ視認可能な情報は、例えば非接触ICタグ50を再利用する際等に、層数や共振周波数等の必要情報を取得することに役立てるといったことができる。
このような情報は、貼付面側に書き込めば、物品80に非接触ICタグ50を貼り付けた状態では見えないため、非接触ICタグ50の利用者は書き込まれた情報を意識することなく利用することができる。
次に、図11に示す斜視図、図12に示す貼り付け位置説明図、図13に示す通信距離説明図と共に、製造した非接触ICタグ50の利用方法について説明する。
図11は、ノートパソコン81を貼り付け対象物品として非接触ICタグ50を貼り付け、外部通信アンテナ85により非接触ICタグ50と通信する際の外観イメージを示している。
ノートパソコン81は、内部に様々な電子機器を備えているため、部位によって磁束を通過する量が異なる。
そこで、図12に示すように、ノートパソコン81を閉じた状態の表面Aの12箇所(A1〜A12とする)、及び裏面Bの12箇所(B1〜B12とする)について、通信距離の変化を説明する。
図13の表は、(A)が表面に貼り付けた場合の通信距離を示し、(B)が裏面に貼り付けた場合の通信距離を示す。この例では、共振周波数を10.8MHzに調整した非接触ICタグ50を使用している。
これを見ると、非接触ICタグ50の貼付位置により通信距離が異なり、貼付位置がA1〜A3,A12,B9〜B11である場合は、高透磁率層35を設けずとも通信できることが解る。
また、貼付位置がA4であれば、高透磁率層35が薄くても(3層でも)十分な通信距離が得られることが解る。
また、A1,A3,B9,B10といった貼付位置では、高透磁率層が無い方が交信距離が長くなるという特性があることがわかる。
こういった貼付位置による通信距離の違いは、電子機器であるノートパソコン81内部の電子部品、あるいは金属部品の配置に起因し、誘導電磁界の遮蔽の形態が、金属部品と非接触ICタグ50の位置関係により異なるために生じる。
これに対して、高透磁率層35の層厚を自在に調整することで、使用用途に合った最適な特性を、コストとの間でバランス良く選択できる。
すなわち、高透磁率層35を備えない非接触ICタグ50を提供する、あるいは、必要な通信距離に応じた層数だけ高透磁率層35を積層して提供することで、利用者の要求する通信能力を確保した非接触ICタグ50を提供することができる
なお、以上の実施形態において、シート51のほぼ全面に高透磁率層35を備えたが、平面視アンテナコイル53の内側と外側を繋ぐ所定の形状に形成してシート51の一部に備える構成としても良い。この場合でも、磁束を通過させることができる。
また、図5のステップn3の手前に層数が0か否かを判定する処理を追加し、層数が0であった場合はステップn11にスキップする構成としても良い。
この場合は、同一の非接触ICタグ製造装置1で高透磁率層35を備えていない非接触ICタグ50、高透磁率層35を1層備えた非接触ICタグ50、及び高透磁率層35を多層備えた非接触ICタグ50を自由に製造することができる。
これにより、小ロットでの注文に対して、製造設備のレイアウト変更なく迅速に非接触ICタグ50を製造して販売することができる。
また、各熱転写ヘッド161にセットするリボン30の高透磁率層35の厚みは全て同一に設定したが、異なる厚みのものをセットする構成としても良い。
例えば、熱転写ヘッド161aは厚さ40μm、熱転写ヘッド161bは厚さ80μm、熱転写ヘッド161cは厚さ160μmといったようにセットすれば、3つの熱転写ヘッド161により40μm,80μm,120μm,160μm,200μm,240μm,280μmと7種類の厚さの高透磁率層35が得られる等、熱転写ヘッド161の数以上の種類の厚さを得ることができる。
この場合は、各熱転写ヘッド161にセットするリボン30の高透磁率層35の厚さを整数倍に設定する、あるいはその他の設定とする事ができる。
また、リボン30上に高透磁率層35を形成する際の樹脂バインダとして、熱硬化性であるエポキシ系樹脂をメチルエチルケトン等の溶剤に溶かしたものを用いてもよい。
この場合、該樹脂バインダに磁性粉末(例えば鉄―ニオブ系合金粒子)を分散させて形成したペーストをフィルム31の表面に塗布した後、150℃程度の温度で該塗布層内の溶剤を揮発させて熱転写用のリボン30を作製すると良い。
この時、溶剤の揮発量を抑えて、例えば、溶剤が1m2当たり20g程度残留するように高透磁率層35を乾燥させておく等により、上述したポリエステル系等の樹脂バインダを使用する実施形態と同様な熱転写の方法で、非接触ICタグ本体60上に高透磁率層35を形成することできる。
また、熱転写ヘッド161は、複数ではなく1つ備える構成としても良い。
この場合は、タグ搬送部15による非接触ICタグロール70の巻きだしを一時停止した状態で、熱転写ヘッド161によるリボン30上の高透磁率層35の熱転写を行いリボン30の位置移動を行う1連の熱転写工程を、任意の回数実行できる設定とすれば良い。
これにより、1つの熱転写ヘッド161で非接触ICタグ50の高透磁率層35の層数を任意の調整することができる。
また、表示書込部21とデータ書込部22のいずれか一方又は両方を備えない構成としても良い。
この場合は、製造工程の工程数を削減して非接触ICタグ50をより安価に提供することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の熱転写回数設定手段は、実施形態の入力部11に対応し、
以下同様に、
熱転写手段は、熱転写部16に対応し、
書込手段は、表示書込部21に対応し、
高透磁率の部材は、鉄―ニオブ系合金粒子に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
非接触ICタグ製造装置の外観構成図。 リボンの断面図。 転写工程の説明図。 非接触ICタグ製造装置の構成を示すブロック図。 非接触ICタグ製造装置の動作を示す処理フロー図。 非接触ICタグの平面図。 非接触ICタグの正面断面図。 物品に貼り付けた非接触ICタグの正面断面図。 物品に貼り付けた非接触ICタグの正面断面図。 高透磁率層の層数と通信距離の関係を示す表。 非接触ICタグ付きノートパソコンと外部通信アンテナの斜視図。 非接触ICタグの貼り付け位置の説明図。 高透磁率層の貼付位置と層数と通信距離の関係を示す表。 従来考えられる方法の説明図。
符号の説明
1…非接触ICタグ製造装置
11…入力部
16…熱転写部
21…表示書込部
35…高透磁率層
50…非接触ICタグ
60…非接触ICタグ本体
80…物品

Claims (11)

  1. 物品に貼り付けて使用する非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造方法であって、
    高透磁率の部材により平状に形成した高透磁率層を、前記非接触ICタグ本体の物品との貼付面側に熱転写する
    非接触ICタグ製造方法。
  2. 前記熱転写を前記非接触ICタグ本体に対して複数回実行する
    請求項1記載の非接触ICタグ製造方法。
  3. 前記非接触ICタグ本体に対する前記熱転写の実行回数を任意に設定する
    請求項1又は2記載の非接触ICタグ製造方法。
  4. 前記非接触ICタグ本体として、共振周波数を5.0MHz〜12.0MHz内の所定周波数に調整した非接触ICタグ本体を使用する
    請求項1、2又は3記載の非接触ICタグ製造方法。
  5. 前記高透磁率層に、情報を視認可能に書き込む
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の非接触ICタグ製造方法。
  6. 物品に貼り付けて使用する非接触ICタグを製造する非接触ICタグ製造装置であって、
    高透磁率の部材により平状に形成した高透磁率層を、非接触ICタグ本体の物品への貼付面側に熱転写する熱転写手段を備えた
    非接触ICタグ製造装置。
  7. 前記熱転写手段を、前記熱転写を前記非接触ICタグ本体に対して複数回実行可能に構成した
    請求項6記載の非接触ICタグ製造装置。
  8. 前記非接触ICタグ本体に対する前記熱転写の回数を任意に設定許容する熱転写回数設定手段を備えた
    請求項7記載の非接触ICタグ製造装置。
  9. 前記非接触ICタグ本体として、共振周波数を5.0MHz〜12.0MHz内の所定周波数に調整した非接触ICタグ本体を使用する
    請求項6、7又は8記載の非接触ICタグ製造装置。
  10. 前記高透磁率層に情報を視認可能に書き込む書込手段を備えた
    請求項6〜9のいずれか1つに記載の非接触ICタグ製造装置。
  11. 記憶手段とアンテナコイルとを備え、物品に貼り付けて使用する非接触ICタグであって、
    物品との貼付面側に、高透磁率の部材により膜状に形成した高透磁率膜を1層以上備えた
    非接触ICタグ。
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