JP2006046825A - 塩素化合物の処理方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダイオキシン類の濃度変動に確実に対応することができ、焼却炉よりも下流側でのダイオキシン類の生成・再合成を防止することができ、しかも吸着剤の吹込み量を削減することができる塩素化合物の処理方法および処理装置を提供する。
【解決手段】 上流側ダクト6内の排ガス中のHCl濃度の検出を、応答性が良く、ダストからの影響を受け難いレーザ式HCl計40を用いて連続的に行うとともに、一次燃焼領域のO濃度検出をレーザ式O計50を用いて連続的に行う。一次燃焼領域のO濃度が、O濃度の設定値を越えていた場合には、O濃度の検出値が設定値に一致するように一次燃焼空気の供給量をフィードバック制御し、排ガス中のHCl濃度がHCl濃度の設定値を越えていた場合には、HCl濃度の検出値が設定値に一致するように一次燃焼領域への脱塩剤の吹込み量をフィードバック制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、焼却設備におけるダイオキシン類の濃度上昇の要因である塩素化合物の処理方法および処理装置に関するものである。
一般に、焼却炉の焼却処理に伴い発生する排ガスには、人体への毒性が極めて高いダイオキシン類が含まれているため、ダイオキシン類の除去技術の開発が強く希求されている。
前記ダイオキシン類の除去技術としては、種々のものが開発されているが、例えば、焼却炉より発生する高温域の排ガス中にHCl中和剤を供給して、ダイオキシン類の生成原料の一つと考えられるHClをその排ガス中から取り除き、ダイオキシン類の発生を抑制するという方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1に記載のような方法では、ダイオキシン類の濃度変動に対応していないため、ダイオキシン類濃度を法定濃度よりも低濃度に抑制するためには、ダイオキシン類の変動に対して余裕を見た、過剰な量のHCl中和剤を排ガス中に供給せねばならず、ランニングコストが嵩み、また、HCl濃度が突発的に高濃度になった場合には、HCl中和剤を過剰に供給していてもなお不足する場合があり、したがって、ダイオキシン類を法定濃度以下に抑制できないという問題点がある。
このような問題点を解決するためには、ダイオキシン類濃度を直接的かつ連続的に検出し、そのダイオキシン類濃度に対応した量のHCl中和剤等を供給するようにすれば良いが、前記ダイオキシン類は極めて微量な物質であり、直接的かつ連続的な測定が極めて困難である。現に、各プラント等において年に数回実施されているダイオキシン類対策特別措置法およびJISに基づく測定方法では、測定結果が出るまでに1ヶ月程度の期日を要するため、制御の指標として用いることができない。
そこで、ダイオキシン類の代替指標として排ガス中のHCl濃度を検出し、このHCl濃度に比例した量の活性炭を、集塵処理が完了する前の排ガス中に投入するようにされたダイオキシン類の処理方法が特許文献2において提案されている。また、ダイオキシン類の代替指標として排ガス中のCO濃度を検出し、このCO濃度に基づき、ダイオキシン類濃度を推定し、ダイオキシン類の削減制御を行う技術が特許文献3において提案されている。
特開平10−249154号公報 特開平11−47553号公報 特開2002−54811号公報
しかしながら、前記特許文献2に開示されるような、ダイオキシン類の処理方法によれば、焼却設備の下流域(バグハウスとバグハウスを結ぶ経路内)に活性炭を投入するようにされているため、焼却炉と活性炭の投入ポイントとの間にあるガス冷却部(ボイラ、エコノマイザなど)等でのダイオキシン類の生成・再合成を防止することができないという問題点がある。そのため、活性炭の投入ポイントにおいて排ガス中のダイオキシン類濃度が増すことになり、活性炭の吹込み量の増加に繋がるという問題点がある。
また、最新の焼却設備においては、燃焼制御の進歩に伴い焼却炉内での完全燃焼が非常に高い水準で達成されていることから、排ガス中のCO濃度は極めて低い濃度(10ppm前後)で安定している。そのため、特許文献3に開示されるような、CO濃度に基づいたダイオキシン類濃度の推定方法を最新の焼却設備に適用した場合、焼却設備内で排ガス中のダイオキシン類濃度の変動が生じた場合に、その濃度変動がCO濃度に正しく反映されないことが多く、焼却設備においてダイオキシン類の濃度制御の指標として用いるにはあまりにも信用が置けないという問題点がある。また、特許文献3に開示されているような技術においても、特許文献2に開示される技術と同様、焼却炉から吸着剤の吹込み部位までの間のダイオキシン類の生成・再合成については何等対策が施されておらず、やはり、吸着剤の吹込み量の増加に繋がるという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、ダイオキシン類の濃度変動に確実に対応することができ、焼却炉よりも下流側でのダイオキシン類の生成・再合成を防止することができ、しかも吸着剤の吹込み量を削減することができる塩素化合物の処理方法および処理装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による塩素化合物の処理方法は、
焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
レーザ式O計による焼却炉内O濃度の連続的な検出および/またはレーザ式HCl計による集塵手段により集塵される前の排ガス中HCl濃度の連続的な検出により得られる結果に基づき、焼却炉内へ供給される一次燃焼空気量および/または焼却炉内へ吹き込む脱塩剤量を制御することを特徴とするものである。
また、第2発明による塩素化合物の処理装置は、
焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
前記集塵手段により集塵される前の排ガス中のHCl濃度を連続的に検出するレーザ式HCl計と、このレーザ式HCl計からの出力に基づき、前記焼却炉内の一次燃焼領域に吹き込まれる脱塩剤量を制御する制御手段を備えることを特徴とするものである。
さらに、第3発明による塩素化合物の除去装置は、
焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
焼却炉内のO濃度を連続的に検出するレーザ式O計と、前記集塵手段により集塵される前の排ガス中のHCl濃度を連続的に検出するレーザ式HCl計と、前記レーザ式O計およびレーザ式HCl計からの出力に基づき、前記焼却炉内へ供給される一次燃焼空気量と、焼却炉内の一次燃焼領域へ吹き込まれる脱塩剤量とを制御する制御手段を備えることを特徴とするものである。
前記各発明によれば、焼却炉内のO濃度がレーザ式O計によって連続的に検出されるとともに、ダイオキシン類濃度と高い相関があると確認された排ガス中のHCl濃度が、レーザ式HCl計によって連続的に検出され、これらの検出結果に基づいて、焼却炉内へ供給される一次燃焼空気量および/または焼却炉内の一次燃焼領域への脱塩剤の吹込み量が制御されて、ダイオキシン類の生成・再合成の要因(例えば、HCl、Cl、有機塩素化合物等)の生成抑制あるいは除去が図られるので、焼却炉よりも下流側におけるダイオキシン類の生成・再合成を防止することができ、ダイオキシン類濃度を低く抑えることができる。したがって、吸着剤の吹き込み量を従来のものよりも大幅に削減することができる。
また、応答性に優れ、ダストの影響を受け難いレーザ式O計によって、リアルタイムにかつ連続的に焼却炉内O濃度が測定されるので、一次燃焼領域のO濃度の変動に確実に対応した一次燃焼空気量の制御を行うことができ、さらに、応答性に優れ、ダストの影響を受け難いレーザ式HCl計によって、ダイオキシン類濃度と相関のある排ガス処理前の排ガス中のHCl濃度を連続的に測定できるので、排ガス中のダイオキシン類濃度(実際には、HCl濃度)の変動に確実に対応した脱塩剤量の制御を行うことができる。
次に、本発明による塩素化合物の処理方法および処理装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る焼却設備の概略構成図が、図2には、レーザ式HCl計の概略構成図がそれぞれ示されている。
本実施形態において、焼却設備1は、被処理物の焼却処理を行うストーカ式焼却炉(以下、単に「焼却炉」という。)2と、この焼却炉2から排出される排ガスの熱交換処理を行うボイラ装置3と、このボイラ装置3通過後の排ガスの熱交換処理および減温処理を行うエコノマイザ4と、このエコノマイザ4通過後の排ガスの集塵処理を行う集塵装置5と、前記エコノマイザ4と集塵装置5とを結ぶダクト(以下「上流側ダクト」という。)6と、集塵装置5と下流側の図示省略される煙突とを結ぶダクト(以下、「下流側ダクト」という。)7とを備えて構成されている。
前記焼却炉2の下部には、被処理物を乾燥させるととともにその被処理物の送り出し手段を兼ねる乾燥ストーカ段12aと、被処理物の一次燃焼を行う燃焼ストーカ12bと、被処理物のおき燃焼を行う後燃焼ストーカ12cからなるストーカ12が配されている。また、このストーカ12の上流側には、被処理物貯留用のホッパ11が隣接配置されており、そのホッパ11の下部であって、乾燥ストーカ12aの上流側には給塵装置13が設置されている。また、後燃焼ストーカ12cのさらに下流側には、その後燃焼ストーカ12c上の被処理物を排出するための灰シュート14が設けられている。
前記乾燥ストーカ12a、燃焼ストーカ12b、後燃焼ストーカ12cの下方には、第1、第2、第3の風箱15a,15b,15cがそれぞれ設けられている。これら各風箱15a,15b,15cには、送風機16からの一次燃焼空気が、予熱器17およびダンパ18が介挿される一次燃焼空気用ダクト19およびその一次燃焼空気用ダクト19から分岐される分岐配管19a,19b,19cを介して導入される。また、前記焼却炉2の上部には、二次燃焼空気を供給するための二次燃焼空気供給口20が設けられている。
前記焼却炉2には、前記燃焼ストーカ12bに近接した領域を中心に形成される一次燃焼領域に、脱塩剤(苛性ソーダ、消石灰等)を吹込み、それによって、ダイオキシン類の生成および再合成の要因であるHClやCl等の塩素化合物を除去するための脱塩剤吹込装置30が付設されている。
前記脱塩剤吹込装置30は、脱塩剤が貯留される脱塩剤貯留槽31と、この脱塩剤貯留槽31内の脱塩剤を供給するための脱塩剤用ダクト32を備えるとともに、前記脱塩剤貯留槽31の下部に、脱塩剤を脱塩剤用ダクト32に供給するための供給装置31aを備えている。また、前記脱塩剤用ダクト32の先端部にはノズル33が装着されており、このノズル33は、その先端部の噴出口が一次燃焼領域に向くように、焼却炉2の一次燃焼領域に対向する炉壁2'に固定されている。
また、前記上流側ダクト6には、必要に応じて、その上流側ダクト6内の排ガス中に吸着剤(活性炭等)とアルカリ薬剤(消石灰等)とを吹込み、それによって、ダイオキシン類および酸性ガスの除去を補助的に行う薬剤吹込装置35が付設されている。
前記薬剤吹込装置35は、内部にダイオキシン類を吸着・除去するための吸着剤が貯留される吸着剤貯留槽38と、内部に酸性ガスを中和・除去するためのアルカリ薬剤が貯留されるアルカリ薬剤貯留槽39と、これら各貯留槽38,39内の薬剤を前記上流側ダクト6に供給する薬剤用ダクト37とを備えて構成されている。また、前記吸着剤貯留槽38およびアルカリ薬剤貯留槽39の下部には、吸着剤およびアルカリ薬剤をそれぞれ前記薬剤用ダクト37に供給するための供給装置38a、39aが設けられている。
本実施形態において、前記上流側ダクト6には、前記薬剤用ダクト37の接続部位よりも上流側に、応答性に優れ、ダスト等の影響を受け難く精度が良く、連続的なHClの濃度検出を行うことができるレーザ式HCl計40が付設されている。このレーザ式HCl計40は、図2に示されるように、レーザ光の光源を備える検出器本体41と、上流側ダクト6内にレーザ光を連続的に照射する照射部42と、この照射部42の対向面に設けられ、その照射部42からのレーザ光を受信する受信部43と、各機器間を接続する光ファイバーケーブル44,45,46を備えている。
このレーザ式HCl計40によれば、前記検出器本体41のレーザ光源から発信され光ファイバーケーブル44を通して照射部42に達したレーザ光は、その照射部42から上流側ダクト6内に照射され、上流側ダクト6内の排ガスを横切る際に、ある特定の波長が減衰される。こうして排ガスを横切り減衰されたレーザ光は、前記受信部43で受信され、光ファイバーケーブル45,46を通して検出器本体41に導かれる。
こうして、前記検出器本体41において、受信部43で受信されたレーザ光と、照射部42より発信される減衰・吸収前のレーザ光との比較が行われて、レーザ光の減衰の度合いが分析され、この分析結果に基づいて、上流側ダクト6内を通過する排ガス中のHCl濃度が検出される。
また、前記焼却炉2には、応答性に優れ、ダスト等の影響を受け難く精度が良く、焼却炉2内に形成される一次燃焼領域におけるO濃度の検出を連続的に行うことができるレーザ式O計50が付設されている。このレーザ式O計50は、レーザ光の光源を備える検出器本体51と、焼却炉2内にレーザ光を照射する照射部52と、この照射部52の対向面に設けられ、その照射部52からのレーザ光を受信する受信部53と、各機器間を接続する光ファイバーケーブル(明示を省略する。)を備えており、前記レーザ式HCl計50と同様に、照射前のレーザ光と、受信されたレーザ光とを比較・分析して、焼却炉2内の一次燃焼領域におけるO濃度を検出するようにされている。
また、前記レーザ式HCl計40およびレーザ式O計50には、データの入出力部、記憶部、後述の制御を行うための制御部等を具備するコントローラ(制御手段)60が接続されている。このコントローラ60には、前記レーザ式HCl計40およびレーザ式O計50からの検出結果が随時入力される。また、前記記憶部には、各燃焼設備において別個独立に設定される排ガス中のHCl濃度−ダイオキシン類濃度間の相関データ、排ガス中のHCl濃度の設定値、一次燃焼領域におけるO濃度の設定値、焼却炉2内に供給される一次燃焼空気量の下限値等が記憶されている。
前記相関データは、本実施形態の焼却設備1においては、HCl濃度に対するダイオキシン類濃度の関係が右肩上がりの直線である検量線Aとして表される(図3参照。)。ここで、前記検量線Aは、排ガス中のHCl濃度と、ダイオキシン類濃度との測定を、種々のHCl濃度について行い、これらの測定結果をプロットし、プロットされた各点についての直線近似または曲線近似(本実施形態においては直線近似)を行うことで求めることができる。なお、排ガス中のHCl濃度とダイオキシン類濃度の測定は、特に限定されるものではないが、例えば、ダイオキシン類対策特別措置法およびJIS規定に準じた測定方法等を用いることができる。
一方、コントローラ60の記憶部に記憶させるHCl濃度の設定値は、前記検量線Aを利用して、次のようにして求められる。まず、排ガス中のダイオキシン類濃度の法定濃度(図3中、記号Bにて示す。)よりも低濃度のダイオキシン類濃度(図3中、記号Cにて示す。)を設定する。次いで、この設定値Cに対応するHCl濃度(図3中、記号Dにて示す。)を、前記検量線Aを用いて求める。こうして、求められた値をHCl濃度の設定値Dとする。
また、一次燃焼領域におけるO濃度の設定値としては、種々の設定方法が考えられるが、例えば、一次燃焼領域を還元雰囲気に保つことができる一次燃焼空気の供給量の範囲を実測等により求め、その供給量の範囲の中から任意の供給量を適宜選択し、選択された量の一次燃焼空気を焼却炉2内に供給した際に、前記レーザ式O計50等の検出手段によって検出される値を、そのO濃度の設定値として採用することができる。また、一次燃焼空気量の下限値としては、一次燃焼領域における燃焼状態を安定に維持できる最小の値を採用することができる。
前記コントローラ60の制御部は、前記レーザ式HCl計40およびレーザ式O計50により随時入力される排ガス中のHCl濃度、一次燃焼領域のO濃度に基づき、次のような制御を行う。
(a)前記レーザ式O計50により随時入力された一次燃焼領域のO濃度が、前記記憶部に記憶されるO濃度の設定値を越えたときには、前記ダンパ18に制御信号を発信し、前記O濃度の検出値が設定値に一致するようにダンパ18の閉操作を行い、一次燃焼領域への一次燃焼空気の供給量を抑制して一次燃焼領域を還元雰囲気に保ち、一次燃焼領域でのHClの発生そのものを抑制する(詳細は後述。)。ただし、一次燃焼領域の燃焼状態を安定に保つために、一次燃焼空気の供給量が、前記一次燃焼空気量の下限値以下にならないように注意する必要がある。
(b)前記レーザ式HCl計40により随時入力された排ガス中のHCl濃度が、前記HCl濃度の設定値Dよりも高濃度になった場合には、脱塩剤貯留槽31の供給装置31aに制御信号を送信し、前記HClの検出値が設定値に一致するように供給装置31aの供給速度の増加調整を行い、脱塩剤の吹込み量を調整する。
一次燃焼空気の供給量の抑制によって一次燃焼領域のO濃度が設定値以下に回復し、脱塩剤の吹込み量の調整により前記HCl濃度が設定値D未満に回復した際には、前記ダンパ18の開操作および、供給装置31aの供給速度の減少調整を行う。これら各フィードバック制御を行うことにより、HClの生成抑制・除去がなされ、排ガス中のHCl濃度が設定値Dあるいはその近傍に維持される。
以上のように、本実施形態においては、焼却炉2内に供給される一次燃焼空気量の制御と、焼却炉2内の一次燃焼領域に吹き込まれる脱塩剤量の制御とを併せて行うことによって、ダイオキシン類の濃度上昇の要因を、焼却設備1の上流域、すなわち焼却炉2内の一次燃焼領域で取り除き、ダイオキシン類の生成・再合成を防止することができる。
ここで、ダイオキシン類の濃度上昇要因の一つとして、焼却炉2内の一次燃焼領域にて形成されるHClを挙げることができる。このことは、排ガス中のHCl濃度が減少すれば、排ガス中のダイオキシン類濃度が減少することを示す、図3の検量線Aより明らかである。また、前記焼却炉2内の乾燥ストーカ2a上方および燃焼ストーカ12b上方の一次燃焼領域においては、下記のような化学反応が生じているものと解されている。
(1)NaCl+1/2SO+1/4O+1/2H
→1/2NaSO+HCl
(2)CaCl+SO+1/2O+H
→CaSO+2HCl
このことから、ダイオキシン類の濃度上昇の要因を取り除くには、焼却炉2内への一次燃焼空気(厳密には酸素)の供給量を減らし、一次燃焼領域を還元雰囲気に維持できるような一次燃焼空気量の制御を行えば良いことが分かる。
したがって、上述したような本実施形態の制御が行われると、前記焼却炉2内の一次燃焼領域においては、一次燃焼空気の減少によって前記反応式(1)(2)で示される化学反応が抑制され、抑制が不十分な場合には、脱塩剤の吹込みにより、ダイオキシン類の生成要因の一つであるHClが生成抑制され、発生したHClは強制除去される。
なお、前記一次燃焼空気の供給量を減らしすぎると、焼却炉2内の燃焼状態が極めて不安定になり、被処理物の焼却処理自体に支障をきたす恐れがあるため、前述のように、一次燃焼空気量には下限が設けられている。そのため、HClの生成抑制が不十分になる場合があるが、一次燃焼領域で生成されたHClは、脱塩剤の吹き込み量を増加させることによって除去されるのでダイオキシン類の濃度上昇の要因になることはない。
本実施形態によれば、レーザ式HCl計40によって検出されたHCl濃度が、HCl濃度の設定値に一致するように、一次燃焼領域へ吹き込まれる脱塩剤量が制御され、加えて、レーザ式O計50によって検出されたO濃度が、O濃度の設定値に一致するように、焼却炉2内に供給される一次燃焼空気量が抑制されて一次燃焼領域が還元雰囲気に保たれるので、ダイオキシン類の生成および再合成の要因の一つであるHClの生成抑制・除去を焼却炉2内の一次燃焼領域において行うことができる。したがって、焼却炉2−上流側ダクト6間でのダイオキシン類の生成・再合成を確実に防止して、ダイオキシン類濃度を抑制することができる。そのため、前記薬剤供給装置35からの吸着剤の吹込みを大幅に削減することができ、場合によってはその吹込みをなくすことができる。また、排ガス中のHCl濃度も減少するので、アルカリ薬剤の供給量を削減することができる。
また、本実施形態によれば、応答性に優れ、ダストの影響を受け難いレーザ式HCl計40/レーザ式O計50によって、排ガス中のHCl濃度/一次燃焼領域のO濃度が連続的にかつ精度良く検出されるので、これらの指標(HCl濃度の検出結果、一次燃焼領域のO濃度の検出結果)を用いた、脱塩剤の吹込み量の制御・一次燃焼空気の供給制御をより確実に行うことができる。
また、本実施形態においては、上流側ダクト6にレーザ式HCl計40の照射部42および受信部43を取り付け、上流側ダクト6内の排ガスのHCl濃度を検出するようにされているが、未集塵かつ、吸着剤・アルカリ薬剤の吹込み等の排ガス処理がなされる前の排ガス中のHCl濃度が検出できるのであれば、それら照射部42および受信部43の取り付け位置を限定する必要はなく、例えば、ボイラ3の出口に照射部42および受信部43を取り付け、ボイラ3の出口の排ガスのHCl濃度を検出するようにしても良い。こうした場合であっても本実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
本実施形態においては、一次燃焼空気の供給量を制御する手段として、前記ダンパ18の開閉操作を行うようにされているが、前記送風機16に設けられる一次燃焼空気供給用のファンの回転数を制御するVVVF(Variable Voltage Variable Frequency=電圧可変則制御)等、他の方法により、その一次燃焼空気の供給量を調整するようにしても良い。また、本実施形態においては、焼却炉2の一次燃焼領域に対応する壁面2'に脱塩剤の供給部(ノズル33)を設けたが、一次燃焼領域への脱塩剤の供給ができるのであれば、他の場所に設けるようにしても良い。
また、本実施形態においては、一次燃焼空気量のフィードバック制御と、脱塩剤量のフィードバック制御を行うことによって、ダイオキシン類の生成要因の一つであるHClの生成抑制を図るとともに、生成抑制しきれなかったHClを除去するようにされているが、前記各制御のうち、いずれか一方のみを行うようにしても一定程度の効果を期待することができる。
ここで、一次燃焼空気の供給制御のみを行う場合、ダイオキシン類の生成抑制効果が望めるため、上流側ダクト6への吸着剤・アルカリ薬剤の供給量を、従来のものよりも大幅に削減できるという効果がある。
一方、脱塩剤の吹込み制御のみを行う場合、脱塩剤の吹き込みによりHClを除去して、下流側でのダイオキシン類の生成・再合成を防止することができるので、やはり前記吸着剤・アルカリ薬剤の吹き込み量を削減することができる。
本発明の一実施形態に係る焼却設備の概略構成図 レーザ式HCl計の概略構成図 排ガス中のダイオキシン類濃度と、HCl濃度との相関図
符号の説明
1 焼却設備
2 焼却炉
3 ボイラ装置
5 集塵装置
6 上流側ダクト
12 ストーカ
16 送風機
18 ダンパ
19 一次燃焼空気用ダクト
19a〜19c 分岐配管
30 脱塩剤供給装置
31 脱塩剤貯留槽
32 脱塩剤用ダクト
31a 供給装置
33 粉体ノズル
35 薬剤供給装置
40 レーザ式HCl計
50 レーザ式O
60 コントローラ

Claims (3)

  1. 焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
    レーザ式O計による焼却炉内O濃度の連続的な検出および/またはレーザ式HCl計による集塵手段により集塵される前の排ガス中HCl濃度の連続的な検出により得られる結果に基づき、焼却炉内へ供給される一次燃焼空気量および/または焼却炉内へ吹き込む脱塩剤量を制御することを特徴とする塩素化合物の処理方法。
  2. 焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
    前記集塵手段により集塵される前の排ガス中のHCl濃度を連続的に検出するレーザ式HCl計と、このレーザ式HCl計からの出力に基づき、前記焼却炉内の一次燃焼領域に吹き込まれる脱塩剤量を制御する制御手段を備えることを特徴とする塩素化合物の処理装置。
  3. 焼却炉にて発生した排ガスを集塵手段にて集塵して系外に排出する焼却設備において、
    焼却炉内のO濃度を連続的に検出するレーザ式O計と、前記集塵手段により集塵される前の排ガス中のHCl濃度を連続的に検出するレーザ式HCl計と、前記レーザ式O計およびレーザ式HCl計からの出力に基づき、前記焼却炉内へ供給される一次燃焼空気量と、焼却炉内の一次燃焼領域へ吹き込まれる脱塩剤量とを制御する制御手段を備えることを特徴とする塩素化合物の処理装置。
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JP2019070479A (ja) * 2017-10-10 2019-05-09 株式会社神鋼環境ソリューション 廃棄物処理設備
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