JP2006045584A - 積層造形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易にかつ迅速に高強度の立体を造形する。
【解決手段】材料粉末512の種類に応じて定まる所定の厚さに材料粉末512を平坦化させた材料粉末層522を形成する。引き続き、目的とする立体形状における材料粉末層522の積層位置の設計断面形状に応じた材料粉末層522の領域を、材料を実質的に飛散させないレーザ光L1により局所的に加熱して溶融した後に凝固させ断面要素552を形成する。次に、断面要素552にレーザ光L2を照射して局所的に加熱し、既に造形された部分と一体化させる。次いで、レーザ光L3により断面要素552を整形した後、整形された断面要素572にレーザ光L4を照射して、断面要素572の表面を平滑化させる表面整形を行う。以後、材料層形成、断面要素形成、一体化及び表面整形を繰り返し行い、目的とする立体形状を造形する。
【選択図】図5

Description

本発明は、積層造形方法に係り、より詳しくは、粉末を材料として目的とする立体形状を造形する積層造形方法に関する。
従来から、CAD(Computer Aided Design)で図面を作成した立体形状をラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping;以下、「RP」と略す)システムにより実体化することが、様々な分野で行われている。特に、積層造形方法を使用したRPシステムはマシニングセンタ等に比べて簡単な装置でありながら加工の自由度が高い。こうした長所を有する積層造形方法は、樹脂や紙を材料とするものに多く適用されてきたが、強度や経時・経年変化等の面で問題がある。このため、金属等を材料とする積層造形方法による立体造形の研究が盛んに進められている。
こうした金属等を材料とする立体の積層造形のうち、高強度の造形品を目指すものとして、(a)金属等の材料粉末の表面に樹脂を塗布した後、レーザ照射により加熱して溶融させた樹脂部を接着剤として機能させて断面要素を順次積層し、立体を造形する方法や、(b)金属等の材料粉末を1種類のレーザ照射により直接加熱して溶融し、連続体を形成する方法が提案されている。こうした方法では、レーザ照射による所定領域の溶融及びその溶融部で凝固が起こる。しかし、こうした溶融及び凝固のみでは、造形された立体内部に空洞や樹脂が残留し、十分な強度が得られない。そこで、高温雰囲気中における残留樹脂成分の揮発や材料粒子の局所的な結合を促進させて焼結状態としたり、使用した金属等の材料よりも低融点材料を溶解して空洞部に浸透させたりする後処理が必要であり、こうした後処理により強度の向上を図っていた。
これに対し、最近になって、焼結や低融点材料といった後処理を必要とせずに高強度を達成できる金属等の積層造形方法が提案されている(非特許文献1参照;以下、「従来例1」と呼ぶ)。この従来例の積層造形方法では、図8に示されるように、まず、材料粉末91を供給する(図8(A)参照)。なお、図8(A)には、目的形状の一部が既に内部に積層造形された圧縮材料体98上に新たに積層造形される層のための材料粉末91が供給される例が示されている。
引き続き、ブレード等を用いて材料粉末91を平坦化させて、材料粉末層92を形成する(図8(B)参照)。そして、材料粉体層92を高い圧力Pで圧縮し、圧縮材料層93を形成する(図8(C)参照)。
次に、比較的低パワーのレーザ光L1により、目的とする立体形状の積層方向(+Z方向)における圧縮材料層93の位置の設計断面形状に応じた圧縮材料層93の領域を照射する。この結果、照射領域の材料が加熱されて溶融する。そして、その溶融部へのレーザ光L1の照射を止めて凝固させる。この結果、圧縮材料層93内に断面要素95が形成される(図8(D)参照)。なお、レーザ光L1を適当な速度で、設計断面形状に応じた圧縮材料層93の領域を走査することにより、材料を局所的に溶融して凝固させることが連続的に行われる。
次いで、レーザ光L1よりもパワーの高いレーザ光L2を、断面要素95に照射して加熱し、既に積層造形されている部分と断面要素とを一体化させる。この結果、断面要素95が新たに積層された積層造形体97が形成される(図8(E)参照)。以後、上記と同様にして、順次積層造形を進行させることにより、目的とする立体形状が高強度に造形される。
また、上記の従来例1における、材料粉体層を高い圧力Pで圧縮する工程を省略する技術も提案されている(非特許文献2参照;以下、「従来例2」と呼ぶ)。
徳永他 「2ステップレーザ照射法による純鉄粉体材料を用いた3次元造形」精密工学会誌 第65巻 第8号 第1136〜1140頁、平成11年8月5日 徳永他 「レーザによる金属粉体の高強度造形 −粉体の溶融結合特性−」2002年度 精密工学会秋季大会 講演論文集 第480頁、平成14年9月10日
上記の従来例1及び従来例2の積層造形方法は、それまでの高温雰囲気中における残留樹脂成分の揮発や材料粒子の局所的な結合を促進させて焼結状態としたり、使用した金属等の材料よりも低融点材料を溶解して空洞部に浸透させたりする後処理が必要な積層造形法と比べると、後処理の必要がないという点で非常に優れたものである。しかしながら、従来例1においては、例えば100MPaオーダーという非常に高い圧力で材料粉末層を積層方向に沿って圧縮する工程が必須であった。このため、従来技術の積層造形方法を使用して、高強度の立体を造形するには、大規模な圧縮装置が必要であるととともに、材料粉末層の形成場所である可動ステージ等も、こうした高い圧力に対する耐えられるものであることが必要であった。この結果、従来技術の積層造形方法を採用した積層造形装置は、大規模なものにならざるを得なかった。したがって、従来技術によっては、簡便に高強度の立体を造形することができるとはいい難かった。
また、従来例2においては、上記のような後処理の必要がないこと、非常に高い圧力で材料粉末層を積層方向に沿って圧縮する工程の必要はないが、最終的に達成される造形体における充填率は60〜70%程度であった。ここで、「充填率」とは、空隙部分の体積を全体積から差し引いた体積の全体積に対する割合をいう。すなわち、空隙率をαとした場合に、充填率は、(1−α)によって定義される。このため、更なる充填率の改善による更なる高強度の実現が望まれていた。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡易かつ迅速に高強度の立体を造形することができる積層造形方法を提供することを目的とする。
本発明の積層造形方法は、粉末を材料として目的とする立体形状を造形する積層造形方法であって、材料粉末の種類に応じて定まる所定の厚さに前記材料粉末を平坦化させた材料粉末層を形成する材料層形成工程と;前記目的とする立体形状における前記材料粉末層の積層位置の設計断面形状に応じた前記材料粉末層の領域を、前記材料を実質的に飛散させないパワーの第1レーザ光により走査し、局所的に加熱して溶融した後に凝固させて断面要素を形成する断面要素形成工程と;前記第1のレーザ光よりもパワーの大きな第2レーザ光により前記断面要素を走査し、局所的に加熱して既に造形された部分と前記断面要素とを一体化させる一体化工程と;前記第2レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第3レーザ光により前記一体化工程により一体化された断面要素を走査し、前記一体化された断面要素の表面を整形する表面整形工程と;を繰り返し、前記目的とする立体形状を造形することを特徴とする積層造形方法である。
この積層造形方法では、材料層形成工程において、材料粉末の種類に応じて定まる所定の厚さに材料粉末を平坦化させた材料粉末層を形成する。引き続き、断面要素形成工程において、目的とする立体形状における材料粉末層の積層位置の設計断面形状に応じた材料粉末層の領域を、材料を実質的に飛散させない第1レーザ光により走査し、局所的に加熱して溶融した後に凝固させる。
次に、一体化工程において、第1のレーザ光よりもパワーの大きな第2レーザ光により断面要素を走査し、局所的に加熱して既に造形された部分と断面要素とを一体化させる。この結果、従来技術により得られるものと同質の断面要素から成る中間造形体が形成される。
次いで、表面整形工程において、第2レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第3レーザ光により一体化工程により一体化された断面要素を走査し、当該一体化された断面要素の表面における閉ざされかかったくぼみを除去する整形を行い、当該一体化された断面要素の表面を平滑化する。このため、次層の造形のために行われる材料層形成工程により形成される材料粉末層における粉末を均等化することができ、最終的な造形体内に生じる空隙の発生を低減することができる。この結果、最終的な造形体における充填率を90%以上に向上させることができるとともに、当該断面要素と既に造形された部分との一体化も強固なものとなる。
以後、材料層形成工程、断面要素形成工程、一体化工程及び表面整形工程とを繰り返し行うことにより、目的とする立体形状が高強度に造形される。
したがって、本発明の積層造形方法によれば、簡易かつ迅速に高強度の立体を造形することができる。
本発明の積層造形方法では、前記表面整形工程において、前記第3レーザ光の瞬時的なパワーを走査位置に応じて変化させることとすることができる。この場合には、第3レーザ光の瞬時的なパワーを走査位置に応じて変化させることにより、走査位置に応じて一体化された断面要素における表面付近の材料の一部を飛散させる程度を調整することができる。このため、一体化された断面要素における表面を平坦化させたり、表面付近における凹凸形状が所望の微細構造を有するように微細加工を行ったりすることができる。
また、本発明の積層造形方法では、前記一体化工程と前記表面整形工程との間で、前記第3レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第4レーザ光を照射し、前記断面要素を前記設計断面形状となるように切断する切断工程を更に備えることとすることができる。この場合には、一体化された断面要素が形成された後、次の断面要素が形成される前に形成された断面要素の形状を設計断面形状に精度良く一致させることができる。このため、目的とする立体形状を精度良く造形することができる。
また、本発明の積層造形方法では、前記第1レーザ光による特定線状領域の走査後に、前記特定線状領域に隣接する線状領域を前記第1レーザ光により走査する際には、前記特定線状領域の40〜60%が前記隣接する線状領域に含まれることとすることができる。特定線状領域を第1レーザ光により走査しただけでは、当該走査によって形成される造形物の走査方向に垂直な断面形状が弓なりとなってしまい、厚さが均一な断面要素を形成できない。しかし、特定線状領域に隣接する線状領域を第1レーザ光により走査する際に、特定線状領域の40〜60%が隣接する線状領域に含まれることとすることにより、厚さが均一化された板状の断面要素を形成することができる。ここで、特定線状領域と隣接する線状領域との重なり領域の面積の特定線状領域の面積に対する割合が小さいと断面要素の厚さのむらが大きくなってしまい、また、この割合が大きくなると断面形成工程に要する時間が長くなってしまうが、この割合を40〜60%とすると、断面要素の厚さのむらの発生を抑制しつつ、迅速に断面要素を形成することができる。
また、本発明の積層造形方法では、前記第1レーザ光は、ビーム直径d1[mm]の連続発振レーザ光が焦点距離f1[mm]の集光光学系を介した後の光であり、前記粉末材料層の厚さt[mm]は、前記第1レーザ光の焦点位置と前記粉末材料層の表面との間の距離をz1[mm]とした場合に、材料の種類で定まる定数をkとして、次の式の条件を満たすこととすることができる。
t=k・ω1=k・z1・d1/(2f1
ここで、定数kは、材料粉末層の材料ごとに溶融された段階で、表面張力により液滴(粒状)とならず、ある程度広い面積を緩やかに加熱して溶融材料が材料粉末層に沈下するように選ばれる。溶融材料が材料粉末層に沈下するためには、厚さtをある程度以上とすることが必要であるが、厚さtを大きくしすぎると、断面要素が厚くなりすぎてしまい、造形体の形状精度を損ねることになってしまう。発明者が様々な実験の結果から得た知見によれば、例えば、前記粉末材料層の材料が、純鉄又は鉄を主成分とする合金である場合には、定数kが3.2≦k≦4.0の条件を満たすことが望ましい。
また、粉末材料層の材料が、純鉄又は鉄を主成分とする合金であり、上記のように定数kを選んだ場合には、前記第1レーザ光のパワーPM[W]及び走査速度v[mm/s]は、次の式の条件を満たすことが望ましい。
PM=A・v+B
ここで、10<A<11、25<B<40
以上のように、粉末材料層の材料が、純鉄又は鉄を主成分とする合金である場合に、定数k、第1レーザ光のパワーPM及び走査速度vを選ぶことにより、溶融された段階で、表面張力により液滴(粒状)とならず、溶融材料が材料粉末層に沈下するようにすることができる。
また、粉末材料層の材料が、純鉄又は鉄を主成分とする合金であり、上記のように定数kを選んだ場合には、前記第2レーザ光を、ビーム直径d2[mm]、ピークパワーPW[W]及びパルス幅8〜12[ms]のパルスレーザ光が焦点距離f2[mm]の集光光学系を介した後の光とすることができる。そして、前記ピークパワーPW[W]を、前記第2レーザ光の焦点位置と前記断面要素の表面との間の距離をz2[mm]とした場合に、定数aを約600、定数bを約470として、概ね次の式の条件を満たすように選ぶことが好ましい。
PW=a・ω2+b=a・z2・d2/(2f2)+b
こうして選ばれたピークパワーを有する第2レーザ光を、約(ω2/2)の距離を隔てて1パルスずつ、順次、前記断面要素に照射されるようにすると、新たに形成された断面要素と、既に造形された部分とをしっかりと一体化することができる。
粉末材料層の材料が、純鉄又は鉄を主成分とする合金であり、上記のように定数kを選んだ場合には、前記切断工程における第4レーザ光を、平均パワーPC[W]、パルス幅が数百[ns]、パルス周波数1〜3[kHz]のパルスレーザ光が集光光学系を介して前記断面要素の表面に集光された光とすることができる。そして、前記平均パワーPC[W]が、走査速度vc[mm/s]の場合、定数cを5〜15、定数dを15〜20として、次の式の条件を満たすようにすることが好ましい。
PC=c・vc+d
このように第4レーザ光を設定することにより、断面要素形成工程において形成された断面要素を、切断工程において、設計断面形状となるように精度良く切断することができる。
以上説明したように、本発明の積層造形方法によれば、簡易にかつ迅速に高強度の立体を造形することができるという顕著な効果がある。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る積層造形方法を実施する積層造形システム10の概略的な構成が示されている。図1に示されるように、この積層造形システム10は、(a)目的とする立体形状を設計するとともに、設計データを格納する計算機システム20と、(b)計算機システム20の制御のもとで、連続光又はパルス光を発生するレーザ照射装置30Aと、(c)計算機システム20の制御のもとで、パルス光を発生するレーザ照射装置30Bと、(d)計算機システム20の制御のもとで、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向に移動可能なステージ41を有するステージ装置40とを備えている。
計算機システム20は、(i)立体形状の設計プログラム等の様々なプログラムを実行するとともに、積層造形システム10全体を制御する処理装置21と、(ii)処理装置21の指令に応じて、図形や文字等を表示する表示装置22と、(iii)オペレータが処理装置21に対して指令や文字データを入力するキーボード等のストロークデバイス23と、(iv)オペレータが処理装置21に対して表示装置22の表示領域における位置を指定するマウス等のポインティングデバイス24と、(v)設計された立体形状のデータ等を格納する記憶装置25とを備えている。
レーザ照射装置30Aは、(i)計算機システム20(より詳細には処理装置21)からの指令LCAに応じて、連続光発振及びパルス光発振の一方を択一的に行うレーザ発振器31Aと、(ii)レーザ発振器31Aから射出されたレーザ光を、ステージ41の+Z方向の所定平面上に集光するとともに、計算機システム20からの当指定に応じて該所定平面FP(以下、「焦点面FP」と呼ぶ)上における集光位置(焦点位置)を変化させる照射光学系32Aとを備えている。本実施形態では、レーザ発振器31Aは、最大100Wのパワーの連続光を出力することができるYAGレーザと、このYAGレーザに付加可能なパルス光出力ユニット(Qスイッチパルスユニット)とを有している。そして、計算機システム20は、YAGレーザを制御することによりレーザ光出力のON/OFFを制御するとともに、パルス光出力ユニットを制御することにより連続光とパルス光との切換を行うようになっている。ここで、レーザ照射装置30Aは、計算機システム20からパルス光発生の指令を受信したときには、Qスイッチ方式により、1〜3[kHz]の繰り返し周波数で、幅が数百[ns]で数百[kW]から数[MW]のピーク値のパルス光を射出するようになっている。
本実施形態においては、照射光学系32Aでは、連続光及びパルス光の双方の場合において、最終段の集光レンズは焦点距離f1が約100[mm]となっている。また、最終段の集光レンズに入射する直前においては、ビーム直径d1が約10[mm]となっている。
なお、レーザ照射装置30Aから射出される連続光が、後述するレーザ光L1として使用される。また、レーザ照射装置30Aから射出されるパルス光が、後述するレーザ光L3及びレーザ光L4として使用される。
レーザ照射装置30Bは、(i)計算機システム20(より詳細には処理装置21)からの指令LCBに応じて、ノーマルパルスのパルス光発振を行うレーザ発振器31Bと、(ii)レーザ発振器31Bから射出されたレーザ光を、ステージ41の+Z方向の所定平面上に集光するとともに、計算機システム20からの当指定に応じて焦点面FP上における集光位置(焦点位置)を変化させる照射光学系32Bとを備えている。本実施形態では、レーザ発振器31Bは、パルス光を出力可能なYAGレーザを有している。なお、レーザ照射装置30Bから射出されるパルス光が、後述するレーザ光L2として使用される。
本実施形態においては、照射光学系32Bでは、最終段の集光レンズは焦点距離f2が約100[mm]となっている。また、最終段の集光レンズに入射する直前においては、ビーム直径d2が約10[mm]となっている。
ステージ装置40は、(i)上述したステージ41と、(ii)計算機システム20(より詳細には処理装置21)からの指令STCに応じて、ステージ41をXYZの3軸方向に駆動する駆動装置42とを備えている。また、ステージ41上には、十分な耐熱性を有するベース板43が載置されている。
次に、上記のように構成された積層造形システムによる積層造形の動作について説明する。
まず、設計者が、計算機システム20を使用して、目的とする立体形状を設計する。かかる設計作業は、処理装置により3次元CADプログラムを実行させた状態で、設計者が、表示装置22における表示を参照しながら、ストロークデバイス23及びポインティングデバイス24を操作することにより行われる。こうして設計された立体形状のデータ、及び当該立体を水平面(XY平面と並行な面)で所定の垂直方向(Z方向)の厚さでスライスした場合における、各スライス部の断面形状のデータは、記憶装置25に格納される。なお、本実施形態では、設計された立体は、図2に示されるように、Z方向に沿って、XY断面形状である正方形枠(+Z方向側では、正方形枠の一部が除去されている)の一辺の長さが変化している立体OBJであるものとする。
以上のようにして、CAD設計が終了すると、計算機システム20が駆動装置42を制御してステージ41上のベース板43がレーザ照射装置30Aの射出位置の−Z方向側となるように、ステージ41を移動させる。
次に、第1層目用の材料粉末511を、ベース板43の+Z方向側表面上に供給する(図3(A)参照)。なお、本実施形態では、材料粉末511,…としては、100〜200μmに粒系の40%程度が集中しているNi−Mo合金鋼(川崎製鉄製 KIP シグマロイ415(商品名))を用いている。なお、材料粉末511,…としては、Ni−Mo合金鋼以外に、純鉄等の金属や合金を用いることができる。
引き続き、ブレード等を用いて、材料粉末511を平坦化して材料粉末層521を形成する(図3(B)参照)。ここで、材料粉末層521の厚さtは材料粉末511の種類、並びに後述するレーザ光L1の材料粉末層521への照射条件に応じて適切な値が定まるものである。すなわち、厚さtは、材料ごとに定まる定数をkとして、次の(1)式により定まる。
t≦k・ω1=k・z1・d1/(2f1) …(1)
ここで、材料粉末511の種類が本実施形態にように鉄を主成分(組成の50%以上を占める成分)とする合金の場合には、3.2≦k≦4.0となる値kを選ぶことが望ましい。なお、材料粉末511の種類が純鉄の場合にも、値kの範囲は同様となる。
本実施形態では、距離z1(デフォーカス量)を5[mm]とするとともに、材料粉末層の521の厚さtを、定数kが4となる1[mm]としている。
次に、計算機システム20が駆動装置42を制御して材料粉末層521のZ位置が焦点面FPから約5[mm]だけ−Z方向側となるように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。引き続き、計算機システム20がレーザ照射装置30Aを制御することにより、材料粉末層521における設計断面形状に応じた領域にレーザ光L1を照射して局所的な加熱を行う。ここで、レーザ光L1の照射による局所的な加熱を行うためのレーザ光L1による当該設計断面形状に応じた領域を走査する走査速度v[mm/s]及び連続レーザ光L1のパワーPM[W]は、次の(2)式の条件により定まる。
PM=A・v+B …(2)
ここで、10<A<11、25<B<40
なお、本実施形態では、定数Aを10.8、定数Bを30、走査速度vを2.8〜3.7[mm/s]として、レーザ光L1のパワーPWを60〜70[W]とすることにより、上記の(2)式の条件を満たすようにしている。
上記の厚さtの条件を満たした材料粉末層521に、上記の(2)式の条件を満たした走査速度v[mm/s]及びパワーPM[W]でレーザ光L1を照射することにより、材料粉末層521の被照射領域が、溶融された段階で表面張力により液滴(粒状)とならず、溶融材料が材料粉末層に沈下する。
また、レーザ光L1による材料粉末層521の走査に際しては、線状領域の走査後に、当該線状領域に隣接する線状領域をレーザ光L1により走査する際には、当該線状領域の約50%が隣接する線状領域に含まれるようにしている。これは、走査に際して、走査方向と垂直な方向で隣り合うレーザ光L1の照射領域に重なりがないと、当該レーザ光L1の走査によって形成される断面要素の走査方向に垂直な断面形状が弓なりとなってしまい、厚さが均一な断面要素を形成できないためである。こうした断面形状が弓なりになることを防止するためには、当該線状領域と隣接する線状領域との重なり部分の割合を40%以上とすればよい。また、迅速な断面要素の形成のためには、重なり部分の割合を60%以下とすることが好ましい。
以上のような条件で、レーザ光L1を、当該設計断面形状に応じた領域内で走査させることにより、第1層目の断面要素551が形成される(図3(C)参照)。こうして形成された断面要素551のX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面を図4(A)に示す。この図4(A)で代表的に示されるように、断面要素551は、レーザ光L1が照射された領域と照射されなかった領域との境界部が三日月の端部のような形状となる。なお、断面要素551のZ軸方向厚さは、材料粉末層521のZ軸方向厚さの約30%程度となっている。
図3に戻り、次いで、計算機システム20が、レーザ照射装置30Aを制御して、パルス光L3を、立体OBJにおける断面要素551のZ位置に応じた断面形状、すなわち第1層目における設計断面形状の輪郭に沿って断面要素551内で走査させ、断面要素551を切断する。ここで、かかる切断に際しては、レーザ光L3を、パルス幅が数百[ns]、パルス周波数1〜3[kHz]のパルスレーザ光とし、レーザ光L3の焦点面に対する断面要素551表面のデフォーカス量を約0[mm]とする場合には、レーザ光L3の秒単位における平均パワーPC[W]及び走査速度vc[mm/s]が、次の(3)式の条件を満たすと、精度良く断面要素551が切断される。
PC=c・vc+d …(3)
ここで、cは5〜15、dは15〜25
本実施形態では、走査速度vcを1[mm/s]とするともに、平均パワーPCを20〜40[W]として、(3)式の条件を満たすようにしている。
こうしたレーザ光L3の照射により、第1層目における設計断面形状の輪郭に沿って断面要素551が切断され、整形断面要素571が形成される(図3(D)参照)。この整形断面要素571は、第1層目における設計断面形状に精度良く一致する。この整形断面要素571のZ軸と平行な面による断面の形状を、整形断面要素571がX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面図として、図4(B)において代表的に示す。
図3に戻り、次に、計算機システム20が駆動装置42を制御して整形断面要素571のZ位置が焦点面FPから約5[mm]だけ−Z方向側となるように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。引き続き、計算機システム20が、レーザ照射装置30Aを制御して、パルス光L4により整形断面要素571の表面を走査させることにより、整形断面要素571の表面における閉ざされかけたくぼみを除去し平滑化させる表面整形が行われる。この際、閉ざされかけたくぼみを除去と同時に、レーザ光L4のパワーを走査位置に応じて変化させることにより、整形断面要素571における表面付近の材料の一部を飛散させる程度を変化させることができる。この結果、各走査位置に応じて所望の量だけ材料の飛散をさせることができる。このため、整形断面要素571の表面を平坦化させたり、表面付近における凹凸形状が所望の微細構造を有するように微細加工を行ったりすることが自在にできる。なお、本実施形態においては、レーザ光L4による走査により、整形断面要素571の表面の平坦化を行うこととしている。
こうしたレーザ光L4の照射により、表面が平坦化された整形断面要素581が形成され(図3(E)参照)、この段階における造形体となる。この造形体581のZ軸と平行な面による断面の形状を、造形体581がX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面図として、図4(C)において代表的に示す。なお、整形断面要素571の表面の平滑化(この層の場合には平坦化)を行うことにより、次層の造形のための材料粉末層521の(図5(B)参照)における材料粉末の均等化を図ることができ、ひいては、最終的な造形体の充填率を向上させることができる。
次に、第2層目用の材料粉末512を、材料粉末層521の+Z方向側表面上に供給する(図5(A)参照)。引き続き、ブレード等を用いて、材料粉末512を平坦化して材料粉末層522を形成する(図5(B)参照)。なお、材料粉末層522の厚さは、上記の材料粉末層521の場合と同様の厚さとしている。
次に、上述した図4(C)の場合と同様にして、計算機システム20が、駆動装置42を制御して材料粉末層522のZ位置が焦点面FPから5[mm]だけ−Z方向側となるように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。引き続き、計算機システム20がレーザ照射装置30Aを制御することにより、材料粉末層521の場合と同様にして、材料粉末層522における設計断面形状に応じた領域にレーザ光L1を照射して局所的な加熱を行う。この結果、第2層目の断面要素552が形成される(図5(C)参照)。こうして形成された断面要素551のX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面を図6(A)に示す。この図6(A)で代表的に示されるように、断面要素552は、断面要素551と同様に、レーザ光L1が照射された領域と照射されなかった領域との境界部が三日月の端部のような形状となる。
次いで、計算機システム20が駆動装置42を制御してステージ41上のベース板43がレーザ照射装置30Bの射出位置の−Z方向側となるように、ステージ41を移動させる。引き続き、計算機システム20が駆動装置42を制御して、断面要素552が焦点面FPから5[mm]だけ−Z方向側となるように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。そして、計算機システム20が、レーザ照射装置30Bを制御して、パルスレーザ光L2を断面要素552の形成領域内で走査させることにより、局所的な加熱を行い、断面要素552と、それまでの造形体581とを溶接して一体化させる(図5(D)参照)。
こうした溶接のためのレーザ光L2のピークパワーPW[W]は、次の(4)式によって概ね定まる。
PW=a・ω2+b=a・z2・d2/(2f2)+b …(4)
ここで、aは約600、bは約470
本実施形態では、レーザ光L2のパルス幅を8〜12msとするとともに、ピークパワーPWを560〜650[W]として、(4)式の条件を満たすようにしている。そして、レーザ光L2を、約(ω2/2)の距離を隔てて1パルスずつ、順次、断面要素552に照射している。
こうしたレーザ光L2の照射により、それまでの造形体581と断面要素552とが、しっかりと一体化する。この一体化された状態におけるZ軸と平行な面による断面の形状を、積層体572がX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面図として図6(B)において代表的に示す。
図5に戻り、次に、計算機システム20が駆動装置42を制御してステージ41上のベース板43がレーザ照射装置30Aの射出位置の−Z方向側となるように、ステージ41を移動させる。引き続き、計算機システム20が駆動装置42を制御して、断面要素552が焦点面FPとほぼ一致するように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。そして、計算機システム20がレーザ照射装置30Aを制御することにより、断面要素551の場合と同様にして、パルス光L3を、立体OBJにおける断面要素552のZ位置に応じた断面形状、すなわち第2層目における設計断面形状の輪郭に沿って断面要素552内で走査させ、断面要素552を切断する。この結果、第2層目における設計断面形状の輪郭に沿って断面要素552が切断され、整形断面要素572が形成される(図5(E)参照)。この状態におけるZ軸と平行な面による断面の形状を、整形断面要素572がX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面図として、図6(C)において代表的に示す。
図5に戻り、次いで、計算機システム20が駆動装置42を制御して整形断面要素572のZ位置が焦点面FPから約5[mm]だけ−Z方向側となるように、ステージ41をZ軸方向に移動させる。引き続き、計算機システム20が、レーザ照射装置30Aを制御して、パルス光L4により、整形断面要素571の表面を走査させることにより、整形断面要素572の表面における閉ざされかけたくぼみを除去する表面整形、及び、整形断面要素572の表面付近における凹凸形状を所望の微細構造を有するようにする微細加工を行う。この結果、この段階における造形体582が形成される(図5(F)参照)。この造形体582のZ軸と平行な面による断面の形状を、造形体582がX軸方向に沿って延びる部分のYZ断面図として、図6(D)において代表的に示す。なお、レーザ光L4による整形断面要素572の表面加工として、図6(C)における整形断面要素572のY方向中央部は平坦化を行うとともに、Y方向端部は丸みを帯びさせる加工を行った。
以後、上記の第2層目における積層造形と同様にして、第3層目以降の積層造形が行われる。そして、最終的に、目的とする立体OBJが高強度かつ高精度で造形される。
こうして形成された積層造形体の断面写真が図7(A)に示されるとともに、上述した図3(E)及び図5(E)におけるレーザ光L4の照射を省略した場合に形成される比較例(すなわち、上述した従来例2)の積層造形体の断面写真が図7(B)に示されている。比較例の積層造形体の充填率は63.1%であるのに対して、本実施形態による積層造形体の充填率は95.0%であり、本実施形態による充填率の向上が確認された。
以上説明したように、本実施形態では、材料粉末の種類等に応じて定まる所定の厚さに材料粉末を平坦化させた材料粉末層を形成する。そして、レーザ光L1を用いて断面要素の形成し、レーザ光L2を用いて断面要素をそれまでに形成された造形体と一体化させた後、レーザ光L4により断面要素の表面を平滑化する表面整形を行っている。したがって、本実施形態によれば、最終的な造形体の充填率を向上させることができ、簡易にかつ迅速に高強度の立体を造形することができる。
また、本実施形態では、レーザ光L4による断面要素の表面整形を行う際に、レーザ光L4のパワーを走査位置に応じて変化させるので、断面要素の表面を所望の形状に加工することができる。
また、本実施形態では、各層の断面要素を形成する度に、断面要素の形状が設計断面要素形状に精度良く一致するように、レーザ光L3を用いて断面要素を切断している。したがって、目的とする立体形状を精度良く造形することができる。
なお、上記の実施形態では、レーザ光L1として連続光を採用したが、パルス高及びパルス間隔が適切なものであれば、パルス光を採用することもできる。
また、粉末材料粉末としては、上述したNi−Mo合金鋼の粉末、他の合金の粉末、純鉄等の金属の粉末以外に、セラミックの粉末等を材料として使用しても、同様に積層造形を行うこともできる。なお、合金粉末の組成において、炭素の含有量が多い場合には、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気という酸素を実質的に含まない雰囲気中で、レーザ光照射を行うことが好ましい。
また、上記の実施形態では、ステージ41がXY軸方向で可動としたが、レーザ照射装置30A,30Bによるレーザ光の走査範囲が十分に広ければ、ステージ41がXY軸方向で固定されていてもよい。また、上記の実施形態では、ステージ41のZ軸方向への移動を計算機システムの制御のもとで行ったが、ステージ41のZ軸方向への移動を手動で行ってもよい。
また、上記の実施形態では、新たな材料粉末の供給に伴い必要となる材料粉末層と焦点面とのZ軸方向の位置関係の調整を、ステージ41をZ軸方向に移動させることにより、行った。これに対して、レーザ照射装置30A,30Bを移動したり、照射光学系32A,32Bを調整したりすることにより、レーザ光L1、L2、L3、L4の焦点面のZ位置を調整するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、レーザ光L1,L2,L3、L4による走査は、可動ミラー等を用いて行ってもよいし、レーザ光L1,L2,L3、L4を導波する光ファイバの光射出位置を移動させて行ってもよい。
また、上記の実施形態では、レーザとしてYAGレーザを使用したが、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ等を使用することもできる。
また、上記実施形態では、レーザ照射装置30A,30Bそれぞれが、独立して照射光学系を備えることとした。これに対し、レーザ発振器31A,31Bから射出された光の一方を択一的に選択出力する光切換器により共通の照射光学系に導くようにすることにより、照射光学系を1つとすることもできる。こうした光切換器は、1つ以上のミラーを移動可能とすることにより構成することができる。
また、積層造形の対象となる立体形状は、上記の実施形態における立体OBJの形状に限定されるものではなく、任意の立体形状とすることができる。
以上説明したように、本発明の積層造形方法は、粉末を材料として、目的とする立体形状を造形する積層造形に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る積層造形方法を使用するための積層造形システムの構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態において、造形目的とする立体の形状を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る積層造形方法における工程を説明するための図(その1)である。 図3において形成される断面要素、整形断面要素及び造形体を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る積層造形方法における工程を説明するための図(その2)である。 図5において形成される断面要素、整形断面要素及び造形体を説明するための図である。 図7(A)は、本発明を適用して作成された積層造形体の断面写真であり、図7(B)は、比較例の積層造形体の断面写真である。 従来例の積層造形方法を説明するための図である。
符号の説明
10…積層造形システム、20…計算機システム、30A,30B…レーザ照射装置、40…ステージ装置、511,512…材料粉末、521,522…材料粉末層、551,552…断面要素、571,572…整形断面要素、581,582…造形体、L1…レーザ光(第1レーザ光)、L2…レーザ光(第2レーザ光)、L3…レーザ光(第4レーザ光)、L4…レーザ光(第3レーザ光)、OBJ…造形目的の立体。

Claims (9)

  1. 粉末を材料として目的とする立体形状を造形する積層造形方法であって、
    材料粉末の種類に応じて定まる所定の厚さに前記材料粉末を平坦化させた材料粉末層を形成する材料層形成工程と;
    前記目的とする立体形状における前記材料粉末層の積層位置の設計断面形状に応じた前記材料粉末層の領域を、前記材料を実質的に飛散させないパワーの第1レーザ光により走査し、局所的に加熱して溶融した後に凝固させて断面要素を形成する断面要素形成工程と;
    前記第1のレーザ光よりもパワーの大きな第2レーザ光により前記断面要素を走査し、局所的に加熱して既に造形された部分と前記断面要素とを一体化させる一体化工程と;
    前記第2レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第3レーザ光により前記一体化工程により一体化された断面要素を走査し、前記一体化された断面要素の表面を整形する表面整形工程と;を繰り返し、前記目的とする立体形状を造形することを特徴とする積層造形方法。
  2. 表面整形工程では、前記第3レーザ光の瞬時的なパワーを走査位置に応じて変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の積層造形方法。
  3. 前記一体化工程と前記表面整形工程との間で、前記第3レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第4レーザ光を照射し、前記断面要素を前記設計断面形状となるように切断する切断工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層造形方法。
  4. 前記第1レーザ光による特定線状領域の走査後に、前記特定線状領域に隣接する線状領域を前記第1レーザ光により走査する際には、前記特定線状領域の40〜60%が前記隣接する線状領域に含まれる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  5. 前記第1レーザ光は、ビーム直径d1[mm]の連続発振レーザ光が焦点距離f1[mm]の集光光学系を介した後の光であり、
    前記粉末材料層の厚さt[mm]は、前記第1レーザ光の焦点位置と前記粉末材料層の表面との間の距離をz1[mm]とした場合に、材料の種類で定まる定数をkとして、
    t=k・ω1=k・z1・d1/(2f1
    の条件を満たす、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  6. 前記粉末材料層の材料は、純鉄又は鉄を主成分とする合金であり、
    前記定数kは、3.2≦k≦4.0の条件を満たす、ことを特徴とする請求項5に記載の積層造形方法。
  7. 前記第1レーザ光のパワーPM[W]及び走査速度v[mm/s]は、
    PM=A・v+B
    ここで、10<A<11、25<B<40
    の条件を満たす、ことを特徴とする請求項6に記載の積層造形方法。
  8. 前記第2レーザ光は、ビーム直径d2[mm]、ピークパワーPW[W]及びパルス幅8〜12[ms]のパルスレーザ光が焦点距離f2[mm]の集光光学系を介した後の光であり、
    前記ピークパワーPW[W]は、前記第2レーザ光の焦点位置と前記断面要素の表面との間の距離をz2[mm]とした場合に、定数aを約600、定数bを約470として、
    PW=a・ω2+b=a・z2・d2/(2f2)+b
    の条件を満たすとともに、
    約(ω2/2)の距離を隔てて1パルスずつ、前記第2レーザ光が、順次、前記断面要素に照射される、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  9. 前記一体化工程と前記中実化工程との間で、前記第3レーザ光よりも瞬時的なパワーが高い第4レーザ光を照射し、前記断面要素を前記設計断面形状となるように切断する切断工程を更に備え、
    前記第4レーザ光は、平均パワーPC[W]、パルス幅が数百[ns]、パルス周波数1〜3[kHz]のパルスレーザ光が集光光学系を介して前記断面要素の表面に集光された光であり、
    前記平均パワーPCは、走査速度vc[mm/s]の場合、定数cを5≦c≦15、定数dを15≦d≦25として、
    PC=c・vc+d
    の条件を満たす、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の積層造形方法。

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