JP6643644B2 - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、三次元形状造形物の製造方法に関する。より詳細には、本開示は、粉末層への光ビーム照射によって固化層を形成する三次元形状造形物の製造方法に関する。
光ビームを粉末材料に照射することを通じて三次元形状造形物を製造する方法(一般的には「粉末床溶融結合法」と称される)は、従来より知られている。かかる方法は、以下の工程(i)および(ii)に基づいて粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施して三次元形状造形物を製造する(特許文献1または特許文献2参照)。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程。
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、同様に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程。
このような製造技術に従えば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することが可能となる。粉末材料として無機質の金属粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。一方、粉末材料として有機質の樹脂粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末材料として金属粉末を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。図9に示すように、まず、スキージング・ブレード23を動かして粉末19を移送させて造形プレート21上に所定厚みの粉末層22を形成する(図9(a)参照)。次いで、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射して粉末層から固化層24を形成する(図9(b)参照)。引き続いて、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層24が積層することになり(図9(c)参照)、最終的には積層化した固化層から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用することができる。
特表平1−502890号公報 特開2000−73108号公報
上記のような粉末床溶融結合法において、本願発明者らは、三次元形状造形物が光ビームの照射を通じて製造されるものであるため、三次元形状造形物およびそれを支える造形プレートは光ビームによる熱の影響を少なからず受けることを見出した。具体的には、固化層形成時の入熱量が過度になると、三次元形状造形物に内部応力が生じてしまうことを見出した。つまり、光ビームの照射に起因した粉末溶融物、それから得られる固化層、またはそれらの土台となる造形プレートへの入熱が過度になると、三次元形状造形物またはそれと造形プレートとの一体化物に内部応力が発生し得る。それゆえ、造形プレートを固定しているボルトを外すと内部応力に起因してプレートごと三次元形状造形物が反る現象が生じ得る。また、三次元形状造形物に対して放電加工または切削加工などの後処理を施す場合では内部応力に起因して三次元形状造形物にクラックが発生し得る。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。すなわち、本発明の主たる課題は、三次元形状造形物の反りまたはクラックをより好適に減じることができる粉末床溶融結合法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、
(i)造形プレート上の粉末層の所定箇所に光ビームを照射して当該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、その新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
固化層形成のために、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面の濡れ性を高くする濡れ性処理を行うことを含む、三次元形状造形物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の一態様では、三次元形状造形物の反りまたはクラックをより好適に減じることができる。より具体的には、“濡れ性処理”によって固化層形成時の入熱量を減じることができる。したがって、本発明の一態様では、三次元形状造形物に発生し得る内部応力を減じることができ、三次元形状造形物の反りまたはクラックの発生をより抑制できる。
表面の濡れ性を高くする濡れ性処理を説明するための模式的平面図 表面に部分的に行われる濡れ性処理を説明するための模式的平面図 高濡れ性領域における粉末溶融物の濡れ広がりを説明するための模式的断面図 本発明の製造方法の一態様における概念を模式的に示した工程断面図(図4(a):造形プレートの表面、図4(b):表面への濡れ性処理、図4(c):高濡れ性領域上での光ビーム照射、図4(d):粉末溶融物の発生、図4(e):粉末溶融物の濡れ広がり) 濡れ性処理が行われた表面上で固化層が形成される態様を模式的に示した断面図 表面の高温化の一態様を説明するための模式的断面図 表面の還元処理を説明するための模式的断面図 本願発明者らが見出した事項を説明するためのグラフ 粉末床溶融結合法が実施される光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示した断面図(図9(a):粉末層形成、図9(b):固化層形成、図9(c):固化層の積層化) 光造形複合加工機の構成を模式的に示した斜視図 光造形複合加工機の一般的な動作を示すフローチャート 濡れ性処理が行われていない条件下の粉末溶融物の態様を模式的に示した断面図
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法は、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書において「粉末層」とは、例えば「金属粉末から成る金属粉末層」または「樹脂粉末から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末に対して光ビームを照射することによって、その粉末が焼結又は溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。
また、本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”の方向は、例えば三次元形状造形物の製造時における造形プレートと三次元形状造形物との位置関係に基づいている。具体的には、造形プレートを基準にして三次元形状造形物が製造される側を「上方向」とし、その反対側を「下方向」としている。
[粉末床溶融結合法]
まず、本発明の製造方法の前提となる粉末床溶融結合法について説明する。特に粉末床溶融結合法において三次元形状造形物に対して切削処理を付加的に行う光造形複合加工を例として挙げる。図9は、光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示している。図10および図11は、粉末床溶融結合法と切削処理とを実施できる光造形複合加工機の主たる構成および動作のフローチャートをそれぞれ示している。
光造形複合加工機1は、図10に示すように、粉末層形成手段2、光ビーム照射手段3および切削手段4を備えている。
粉末層形成手段2は、金属粉末または樹脂粉末などの粉末を所定厚みで敷くことによって粉末層を形成するための手段である。光ビーム照射手段3は、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射するための手段である。切削手段4は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための手段である。
粉末層形成手段2は、図9に示すように、粉末テーブル25、スキージング・ブレード23、支持テーブル20および造形プレート21を主に有して成る。粉末テーブル25は、外周が壁26で囲まれた粉末材料タンク28内にて上下に昇降できるテーブルである。スキージング・ブレード23は、粉末テーブル25上の粉末19を支持テーブル20上へと供して粉末層22を得るべく水平方向に移動できるブレードである。支持テーブル20は、外周が壁27で囲まれた造形タンク29内にて上下に昇降できるテーブルである。そして、造形プレート21は、支持テーブル20上に配され、三次元形状造形物の土台となるプレートである。
光ビーム照射手段3は、図10に示すように、光ビーム発振器30およびガルバノミラー31を主に有して成る。光ビーム発振器30は、光ビームLを発する機器である。ガルバノミラー31は、発せられた光ビームLを粉末層22にスキャニングする手段、すなわち、光ビームLの走査手段である。
切削手段4は、図10に示すように、エンドミル40および駆動機構41を主に有して成る。エンドミル40は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための切削工具である。駆動機構41は、エンドミル40を所望の切削すべき箇所へと移動させる手段である。
光造形複合加工機1の動作について詳述する。光造形複合加工機1の動作は、図11のフローチャートに示すように、粉末層形成ステップ(S1)、固化層形成ステップ(S2)および切削ステップ(S3)から構成されている。粉末層形成ステップ(S1)は、粉末層22を形成するためのステップである。かかる粉末層形成ステップ(S1)では、まず支持テーブル20をΔt下げ(S11)、造形プレート21の上面と造形タンク29の上端面とのレベル差がΔtとなるようにする。次いで、粉末テーブル25をΔt上げた後、図9(a)に示すようにスキージング・ブレード23を粉末材料タンク28から造形タンク29に向かって水平方向に移動させる。これによって、粉末テーブル25に配されていた粉末19を造形プレート21上へと移送させることができ(S12)、粉末層22の形成が行われる(S13)。粉末層22を形成するための粉末材料としては、例えば「平均粒径5μm〜100μm程度の金属粉末」および「平均粒径30μm〜100μm程度のナイロン、ポリプロピレンまたはABS等の樹脂粉末」を挙げることができる。粉末層22が形成されたら、固化層形成ステップ(S2)へと移行する。固化層形成ステップ(S2)は、光ビーム照射によって固化層24を形成するステップである。かかる固化層形成ステップ(S2)においては、光ビーム発振器30から光ビームLを発し(S21)、ガルバノミラー31によって粉末層22上の所定箇所へと光ビームLをスキャニングする(S22)。これによって、粉末層22の所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させ、図9(b)に示すように固化層24を形成する(S23)。光ビームLとしては、炭酸ガスレーザ、Nd:YAGレーザ、ファイバレーザまたは紫外線などを用いてよい。
粉末層形成ステップ(S1)および固化層形成ステップ(S2)は、交互に繰り返して実施する。これにより、図9(c)に示すように複数の固化層24が積層化する。
積層化した固化層24が所定厚みに達すると(S24)、切削ステップ(S3)へと移行する。切削ステップ(S3)は、積層化した固化層24の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るためのステップである。エンドミル40(図9(c)および図10参照)を駆動させることによって切削ステップが開始される(S31)。例えば、エンドミル40が3mmの有効刃長さを有する場合、三次元形状造形物の高さ方向に沿って3mmの切削処理を行うことができるので、Δtが0.05mmであれば60層分の固化層24が積層した時点でエンドミル40を駆動させる。具体的には駆動機構41によってエンドミル40を移動させながら、積層化した固化層24の側面に対して切削処理を施すことになる(S32)。このような切削ステップ(S3)の最終では、所望の三次元形状造形物が得られているか否かを判断する(S33)。所望の三次元形状造形物が依然得られていない場合では、粉末層形成ステップ(S1)へと戻る。以降、粉末層形成ステップ(S1)〜切削ステップ(S3)を繰り返し実施して更なる固化層の積層化および切削処理を実施することによって、最終的に所望の三次元形状造形物が得られる。
[本発明の製造方法]
本発明の製造方法の一態様は、上述した粉末床溶融結合法につき、固化層の形成態様に特徴を有している。
具体的には、固化層形成のために“濡れ性”に関連する処理を行ってから、光ビームの照射を行う。特に、固化層形成のために「造形プレート」または「最直近で形成された固化層」の表面の濡れ性を高くする濡れ性処理を行う。
本明細書にいう「濡れ性」は、広義には、固化層形成のための土台面の濡れ性のことを指している。狭義には、「濡れ性」は、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面の濡れ性であって、特に粉末層への光ビーム照射で生じ得る粉末溶融物に対する濡れ性を意味している。なお、「最直近で形成された固化層」とは、固化層形成時において既に形成された先行の固化層のうち最も上層に位置する固化層のことを指している。
本発明の製造方法では固化層形成のための土台面(すなわち、「造形プレート」または「最直近で形成された固化層の表面」)に対して濡れ性を高くする濡れ性処理を行う。あくまでも例示にすぎないが、図1に示すように、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24'に高濡れ性領域60が全体的に形成されるように濡れ性処理を行ってよい。あるいは、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24'に対して部分的に濡れ性処理を行ってもよい。例えば、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24'のなかでも固化層が形成される領域、すなわち、三次元形状造形物の造形領域にのみ高濡れ性領域60が形成されるように濡れ性処理を行ってよい(図2参照)。つまり、三次元形状造形物のための造形領域が高濡れ性領域60に相当するようにしてよい。
濡れ性処理が行われた場合、粉末層への光ビーム照射時に生じる粉末溶融物が影響を受けることになる。より具体的には、光ビーム照射時に生じる粉末溶融物62は高濡れ性領域60において濡れ広がり易くなり、比較的短時間で固化層が形成される(図3参照)。粉末床溶融結合法で粉末層から所望の固化層が形成される際には、粉末溶融物62は球状化を経た後で厚みを減じつつ広がって固化し得る。「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24'」の濡れ性が高くないと、粉末溶融物62の球状化が相対的に維持され易くなり粉末溶融物62が広がるまでに時間を要し、結果として光ビーム照射のエネルギーが増してしまう。一方、本発明の如く「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24'」の濡れ性が高いと、粉末溶融物62の球状化は相対的に維持され難くなり粉末溶融物62が広がるまでの時間が短く、結果として光ビーム照射のエネルギーの低減を図ることができる。これは、光ビーム照射時に生じる粉末溶融物62は高濡れ性領域60では濡れ広がりやすく、光ビームのパワー(より具体的には「単位時間当たりのエネルギー量」)が同じであっても、高濡れ性領域60で光ビームの走査スピードを速くすることができ、比較的短時間で固化層を形成できることを意味している(図3参照)。従って、本発明の製造方法では固化層形成時の光ビーム照射に起因する入熱量が減じられることになる。換言すれば、濡れ性処理が行われない条件下では粉末溶融物62は特に表面張力によって球状化が維持される傾向があり(図12参照)、そのような球状化に起因して固化層形成は比較的長い時間を要することになる。これに対して、本発明に従って濡れ性処理が行われると、球状化を一旦経り得るものの直ぐに濡れ広がる粉末溶融物62に起因して比較的短い時間で固化層が形成されるので(図3参照)、光ビーム照射に起因する入熱量を減じることができる。
このように光ビーム照射に起因する入熱量が減じられるので、本発明の製造方法の一態様では、三次元形状造形物の反りまたは三次元形状造形物におけるクラックの発生をより抑制することができる。つまり、光ビーム照射に起因して固化層またはその土台の造形プレートにもたらされる熱が過度になる場合では三次元形状造形物に内部応力が発生し得るところ、本発明ではそのような過度な熱を回避できる。特に本発明ではそのような過度な熱を濡れ性処理を通じて減じることができるので、三次元形状造形物に発生し得る内部応力をより好適に減じることができる。結果として三次元形状造形物の反りまたは三次元形状造形物におけるクラックをより好適に防止できる。
図4を参照して本発明の製造方法の例示的な態様を経時的に説明する。まず、図4(a)および4(b)に示すように、造形プレート21の表面21'に対して濡れ性処理を施す。つまり、かかる表面21'の濡れ性をより高くするための濡れ性処理を行って高濡れ性領域60を形成する。濡れ性処理は表面全体に施してよく、あるいは、固化層が形成される表面領域にのみ限定して施してもよい。次いで、高濡れ性領域60上に粉末層22を形成して光ビームLを照射する(図4(c)参照)。光ビームLの照射によって生じる粉末溶融物62は、図4(d)および4(e)に示すように、濡れ性処理が行われた表面領域(すなわち、高濡れ性領域60)で濡れ広がることになる。つまり、より短時間でかかる表面領域の全体に粉末溶融物62が行き渡るので、入熱量を減じた状態で固化層が形成される。それ以降は、同様にして、形成された固化層の表面に対して濡れ性をより高くする濡れ性処理を行うことが好ましい。これによって、以降の固化層形成時においても同様に比較的短時間で粉末溶融物の濡れ広がりが生じ、入熱量を減じて固化層の形成を行うことができる。
本発明の製造方法では、光ビーム照射時に生じる粉末溶融物は高濡れ性領域で濡れ広がってから固化層を成すことになるので、その固化層は粉末層よりも薄くなり得る。つまり、本発明のある態様では、濡れ性処理が行われた表面上において粉末層から形成される固化層24は、その粉末層22よりも小さい厚みを有する(図5参照)。これに対して、濡れ性処理が行われていない条件下では粉末溶融物は表面張力によって球状化がより長く維持される傾向があり(図12参照)、そのような球状化に起因して固化層は薄くなり難い。従って、固化層が粉末層よりも薄くなり得ることは本発明の特徴の1つといえる。
本発明の製造方法においては、濡れ性処理として“表面の滑面化”または“表面の昇温”を行ってよい。
“表面の滑面化”の場合、滑面は高い濡れ性を呈する高濡れ性領域を成し得るので、「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」を滑面化することが好ましい。滑面化処理としては、例えば研磨処理を行ってよい。特に制限するわけではないが、研磨処理はバフ研磨であってよい。
“表面の昇温”の場合、より高温化された面は高い濡れ性を呈し得るので、「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」を昇温することが好ましい。例えば、「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」を比較的小さい照射エネルギーの光ビーム照射に付し、かかる光ビーム照射に起因してもたらされる熱でもって表面を昇温させてよい。あくまでも例示にすぎないが、昇温によって表面温度を昇温前よりも例えば1〜100℃高くしてよい。
なお、表面の昇温は、光ビーム照射による固化層形成時に粉末層への光ビームの入射を斜めに行うことによって実施してもよい。具体的には、図6に示すように、鉛直下向き方向から角度を成すように光ビーム照射を斜めにして固化層24を形成する場合、光ビームLの入射方向の延長線上の表面部分が光ビームLの影響を受けるので、その部分を高温化させることができる。よって、そのように斜めの光ビーム照射を行うと、固化層24の形成を行いつつ表面(造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面21',24')の昇温を行って高濡れ性領域を形成できる。
本発明の製造方法では、所望の高濡れ性領域の形成のために酸化処理または還元処理を行ってもよい。
(酸化処理)
「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」に対する処理について、酸化処理された表面領域が、そのように酸化処理がされていない領域と比べて高い濡れ性を呈することになる場合、本発明における“濡れ性処理”として酸化処理を実施してよい。かかる場合、固化層形成時の光ビーム照射で生じる粉末溶融物は酸化処理された表面領域で濡れ広がり易くなり、その結果、固化層形成時における入熱量を減じることができる。
酸化処理は種々の態様で実施することができる。例えば、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面に対して酸化剤を塗布することによって、酸化処理を行ってもよい。つまり、所望の表面領域にのみ酸化剤を塗布して、その塗布部分に酸化膜を形成してよい。このような酸化剤の塗布のために、例えばインクジェット法を用いてよい。つまり、インクジェットプリントヘッドから酸化剤を表面に対して吹き付けることによって酸化剤を塗布してよい。これにより、比較的精度良く選択的な酸化を施すことができる。酸化剤としては、特に制限するわけではないが、例えば過酸化水素水を用いてよい。
また、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面を酸化ガス雰囲気下で局所的な加熱に付すことによって行ってもよい。例えば、図7に示すように、光透過性の天面を備えた可動式覆い部材80で「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」の近傍雰囲気を囲い、その可動式覆い部材80内を酸化ガスで満たし、その状態で表面に光ビームを照射してよい。光ビームが照射された箇所は加熱されるので、その箇所のみ選択的に酸化膜が形成され、酸化がなされることになる。かかる態様では、光ビームの照射を制御することによって、比較的精度良く局所的な酸化処理を行うことができる。酸化ガスとしては、特に制限するわけではないが、例えば酸素ガスを用いてよい(可動式覆い部材80内の雰囲気ガスの全てを酸素ガスにする必要はなく、他のガス成分が付加的に含まれていてもよい)。
(還元処理)
「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」に対する処理について、還元処理された表面領域が、そのような処理がされていない領域と比べて高い濡れ性を呈することになる場合、本発明における“濡れ性処理”として還元処理を実施してよい。かかる場合、固化層形成時の光ビーム照射で生じる粉末溶融物は還元処理された表面領域で濡れ広がり易くなり、その結果、固化層形成時における入熱量を減じることができる。
還元処理は種々の態様で実施することができる。例えば、「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」に対して還元剤を塗布することによって、還元処理を行ってよい。つまり、対象となる表面に空気などに起因して自然酸化膜が形成されている場合では還元剤を表面に塗布して、酸化膜を還元作用で除去してよい。このような還元剤の塗布のために、例えばインクジェット法を用いてよい。つまり、インクジェットプリントヘッドから酸化剤を表面に対して吹き付けることによって還元剤を塗布してよい。これにより、比較的精度良く還元処理を行うことができる。還元剤としては、特に制限するわけではないが、例えばアルデヒド剤またはフラックス剤などを用いてよい。
また、「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」を還元ガス雰囲気下で加熱に付すことによって表面の還元処理を行ってもよい。例えば、図7に示すように、光透過性の天面を備えた可動式覆い部材80で「造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面」の近傍雰囲気を囲み、その可動式覆い部材80内を還元ガスで満たし、その状態で表面に光ビームを照射してよい。光ビームが照射された表面領域は加熱されるので、その領域の酸化膜が除去され、還元がなされることになる。かかる場合、光ビームの照射を制御することによって、比較的精度良く還元処理を行うことができる。還元ガスとしては、特に制限するわけではないが、例えば水素ガスを用いてよい(可動式覆い部材80内の雰囲気ガスの全てを水素ガスにする必要はなく、他のガス成分が付加的に含まれていてもよい)。
粉末床溶融結合法において三次元形状造形物に発生する内部応力について本願発明者らが見出した事項について付言しておく。典型的な粉末床溶融結合法では“造形プレートと三次元形状造形物との界面領域”の近傍に内部応力(特に三次元形状造形物に反りをもたらす内部応力)が発生して残留する傾向がある。具体的には、図8のグラフに示すように、典型的な粉末床溶融結合法では造形プレート上に固化層を約100層積層するまでの過程において内部応力が蓄積し易い。したがって、かかる事項を本発明の製造方法に好適に適用すれば、造形プレート上の第1層〜第100層に相当する固化層の少なくとも1つの形成で濡れ性処理を行うことが好ましいといえる。これによって、そのような界面近傍の固化層の形成で入熱量を減じることができ、結果として三次元形状造形物の反りをより効果的に抑制することができる。
上記で言及した図8のグラフは、以下の粉末床溶融結合法で得られたものである:
・粉末:平均粒径50μmの鉄系混合粉末
・粉末層厚さ:約0.05mm
・光ビームの照射エネルギー密度:5J/mm〜15J/mm
・造形プレートの材質:炭素鋼(S50C)
・造形プレートの全体寸法:125mm(横幅寸法)×125mm(縦幅寸法)×8mm(高さ寸法)
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、それは本発明の適用範囲のうちの典型例を示したに過ぎない。従って、本発明は、上記にて説明した実施形態に限定されず、種々の変更がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、光ビーム照射時に生じる粉末溶融物に対する表面の濡れ性(すなわち、造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面の濡れ性)の程度をより好適なものとするために、粉末を前処理に付しておいてもよい。例えば、粉末床溶融結合法に用いる粉末(すなわち、粉末層形成に用いられ、ひいては固化層形成に供される粉末)に対して酸化処理または還元処理などを予め施しておいてもよい。
尚、上述のような本発明は、次の好適な態様を包含している。
第1態様:(i)造形プレート上の粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
前記固化層形成のために、前記造形プレートまたは最直近で形成された前記固化層の表面の濡れ性を高くする濡れ性処理を行うことを含む、三次元形状造形物の製造方法。
第2態様:上記第1態様において、前記濡れ性処理として前記表面の滑面化または該表面の昇温を行う、三次元形状造形物の製造方法。
第3態様:上記第1態様または第2態様において、前記濡れ性処理として前記表面を酸化処理または還元処理する、三次元形状造形物の製造方法。
第4態様:上記第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、前記濡れ性処理が行われた前記表面上において前記粉末層から形成される前記固化層は、該粉末層よりも小さい厚みを有する、三次元形状造形物の製造方法。
本発明の三次元形状造形物の製造方法を実施することによって、種々の物品を製造することができる。例えば、三次元形状造形物が金属材料から成る場合、三次元形状造形物をプラスチック射出成形用金型、プレス金型、ダイカスト金型、鋳造金型、鍛造金型などの金型として用いることができる。一方、三次元形状造形物が樹脂材料から成る場合、三次元形状造形物を樹脂成形品として用いることができる。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2016−123864号(出願日:2016年6月22日、発明の名称:「三次元形状造形物の製造方法」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。
21 造形プレート
22 粉末層
24 固化層
21',24' 造形プレートまたは最直近で形成された固化層の表面
L 光ビーム

Claims (3)

  1. (i)造形プレート上の粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
    (ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
    により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
    前記固化層形成のために、前記造形プレートまたは最直近で形成された前記固化層の表面の濡れ性を高くする濡れ性処理を行うことを含む、三次元形状造形物の製造方法。
  2. 前記濡れ性処理として前記表面の滑面化または該表面の昇温を行う、請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  3. 前記濡れ性処理として前記表面を酸化処理または還元処理する、請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法。
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