JP2006045574A - 洗浄用溶剤組成物 - Google Patents

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旻又 金子
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Abstract

【課題】 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを主成分とする洗浄用溶剤組成物の洗浄能力をアップする。
【解決手段】 洗浄用溶剤組成物は、(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を5〜80重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を10〜85重量%、含有する。

Description

本発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを主成分とする洗浄用溶剤組成物に係り、特にその洗浄能力をアップする技術に関する。
塩素系溶剤やフッ素系溶剤は、従来、フラックス洗浄剤、ドライクリーニング用溶剤、脱脂洗浄剤、バフ研磨洗浄剤、レジスト剥離剤または付着水除去用溶剤などとして広く使用されてきた。しかしながら、塩素系溶剤は地下水汚染の原因物質として、またフッ素系溶剤はオゾン層の破壊の原因物質として、いずれも環境上の問題からその使用は抑制されつつある。そこで、かかる溶剤にかわる新規の溶剤が各方面で要望されている。
その1つに、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc、化学式:C)がある(特許文献1、2、3、4等参照)。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、その分子構造中に塩素を含まずオゾン破壊係数(ODP)は0であり、毒性も少なく、また温暖化係数(GWP)も小さく、環境に優しくクリーンであるという優れた特徴を備えている。
特開平5−171189号 特開平5−171190号 特開平6−322394号 特開平7−188700号
しかしながら、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)は、KB値(カウリブタノール値)が約14ときわめて低く、ほとんど脱脂能力がないという問題があった。KB値が低いと、各種洗浄剤としては、十分な洗浄能力を発揮することはできない。
そこで、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンに対し、これよりもKB値の高い脱脂洗浄力のある塩化メチレン、又は1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC141b)を混合して、洗浄能力のアップを図ることが提案されている(特開平5−171185号公報、特開平11−152236号公報参照)。
しかしながら、塩化メチレンは、毒性が強いことから、作業時の人体への悪影響が懸念されることから、使用上好ましくはないとともに、今後使用が難しくなりつつある。また、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(141b)は、オゾン破壊係数が高く、規制の対象となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを主成分とする洗浄能力、特に脱脂洗浄能力に優れた洗浄用溶剤組成物を提供することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を5〜80重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を10〜85重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を5〜80重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を10〜85重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
ここで、プロピレングリコール系溶剤は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの洗浄能力をアップさせるのに相応しい溶剤として見出したものである。プロピレングリコール系溶剤は、非常に溶解力が高く、脱脂洗浄に優れている。その上、プロピレングリコール系溶剤は、毒性もなく非常に安全で取り扱い易く、さらにその分子構造中に塩素やフッ素を含まず、オゾン破壊係数(ODP)も温暖化係数(GWP)も小さく、環境に優しいクリーンであるという優れた特性を有している。このような溶剤を1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンに混合することで、洗浄能力、特に脱脂洗浄能力の大幅なアップが図れ、各種洗浄剤としては、十分な性能を発揮させることができる。
ただし、プロピレングリコール系溶剤は引火性があり可燃物に該当するという欠点がある。しかし、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、引火性がなく不燃物であることから、これらの不燃溶剤と混合することで、引火性がなく安全な難燃物にすることができる。
さらに、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンを含有することで、さらに溶解力を高めることができ、優れた洗浄力を発揮することができる。
(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜85重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を5〜80重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
このような洗浄用溶剤組成物にあっては、洗浄能力、特に脱脂洗浄能力の大幅なアップが図れ、各種洗浄剤としては、十分な性能を発揮させることができる。さらに、この洗浄用溶剤組成物にあっては、引火性がなく安全な難燃物にすることができる。その上、この洗浄用溶剤組成物では、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンを含有することで、さらに溶解力を高めることができ、優れた洗浄力を発揮することができる。
(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜75重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜75重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテートおよび3−メトキシ−1−ブタノールの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を15〜80重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
このような洗浄用溶剤組成物にあっては、洗浄能力、特に脱脂洗浄能力の大幅なアップが図れ、各種洗浄剤としては、十分な性能を発揮させることができる。特にフラックスの洗浄において優れた効果を奏する。さらに、この洗浄用溶剤組成物にあっては、引火性がなく安全な難燃物にすることができる。その上、この洗浄用溶剤組成物では、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテートまたは3−メトキシ−1−ブタノールを含有することで、さらに溶解力を高めることができ、優れた洗浄力を発揮することができる。
===洗浄用溶剤組成物の概要===
以下に本発明に係る洗浄用溶剤組成物の実施の形態について説明する。本発明に係る洗浄用溶剤組成物は、(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を5〜80重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を10〜85重量%、含有する構成とする。
また、他の洗浄用溶剤組成物は、(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜85重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を5〜80重量%、含有する構成とする。
また、他の洗浄用溶剤組成物は、(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜75重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜75重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテートおよび3−メトキシ−1−ブタノールの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を15〜80重量%、含有する構成とする。
ここで、プロピレングリコール系溶剤としては、具体的に、プロピレングリコールメチルエーテル[PM](沸点:120℃,引火点:34℃)、ジ・プロピレングリコールメチルエーテル[DPM](沸点:188℃,引火点:79℃)、トリ・プロピレングリコールメチルエーテル[TPM](沸点:242℃,引火点:122℃)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB](沸点:170℃,引火点:62℃)、ジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB](沸点:229℃,引火点:106℃)、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点:274℃,引火点:138℃)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート[PMA](沸点:146℃,引火点:46.5℃)、プロピレングリコールジアセテート[PGDA](沸点:190℃,引火点:93℃)、プロピレングリコールフェニルエーテル[PPh](沸点:243℃,引火点:121℃)およびプロピレングリコールモノエチールエーテルアセテート(沸点:158℃,引火点:53℃)などがある。これらのプロピレングリコール系溶剤は、1種類単独で混合されても複数種類複合されて混合されてもよい。
また、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンについては、加熱状態や蒸気での洗浄に使用される際に、被洗浄物が鉄、亜鉛、アルミ、銅、真鍮等であると金属の影響で不安定になる場合があるため、安定剤として、ニトロ化合物類、フェノール類、アミン類、エーテル類、アミレン類、エポキサイド類、またはトリアゾール類から選ばれる1種以上の化合物を添加するのが好ましい。安定剤としては、具体的に次のようなものがある。プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、グリシドールなどのエポキシド類;ジメチルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、ジフェニルホスファイトなどのホスファイト類;トリラウリルトリチオフォスファイトなどのチオホスファイト類;トリフェノキシホスフィンサルファイド、トリメチルホスフィンサルファイドなどのホスフィンサルファイド類;ホウ酸、トリエチルボレート、トリフェニルボレート、フェニルボロン酸、ジフェニルボロン酸などのホウ素化合物;2,6−ジ−tert・ブチルパラクレゾールなどのフェノール類;ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロアルカン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル類;その他ジオキサン、tert−ブタノール、ペンタエリスリトール、パライソプロペニルトルエン。これらの安定剤の添加量については、特に限定されるものではないが、洗浄用溶剤組成物全体量の0.01〜5.00重量%程度に設定するのが好ましい。
また、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンについては、これらの中から選ばれた少なくとも1種の溶剤が混合されていればよく、もちろんこれらの中から2種以上選ばれて混合されてもよい。これらの溶剤の混合量については、あまり少なすぎても十分に洗浄能力の向上が図れず、このことから、その下限値については5重量%以上に設定するのが好ましい。また、これらの溶剤の混合量があまり大量過ぎると、引火性が生じてしまうため、引火性が生じない程度に適宜混合するのが好ましい。また、これらの溶剤はプロピレングリコール系溶剤に比べて割高となるため、その使用量をなるべく抑えるのが好ましい。
本発明の洗浄用溶剤組成物の主な用途としては、例えば、レジスト剥離剤やフラックス洗浄剤・油脂類等の脱脂洗浄剤、バフ研磨洗浄剤、接着剤(ウレタンやエポキシ、シリコン等)の溶解剤、ドライクリーニング用溶剤、グリース・油・ワックス・インキ等の除去剤、塗料用溶剤、抽出剤、ガラス・セラミックス・ゴム・金属製各種物品、特にIC部品、電気機器、精密機器、光学レンズ等の洗浄剤や水切り剤等を挙げることができる。
また、本発明の洗浄用溶剤組成物を適用可能な洗浄方法としては、例えば、手拭き、浸漬、スプレー、超音波洗浄、蒸気洗浄、接着剤(ウレタンやエポキシ、シリコン等)の充填装置のノズル洗浄、その他一般洗浄である。
次に本発明に係る洗浄用溶剤組成物の性能を確認するために次のような試験を行った。
《機械油の洗浄試験(1)》
この試験では、SUS−304のテストピース(縦25mm×横30mm×厚さ2mm)を用意し、このテストピースを機械油(CQ−30:日本石油株式会社製)中に浸漬した後、各洗浄液中に約3分間浸漬し、その後テストピースを乾燥処理してからテストピースの洗浄具合を調べた。洗浄用溶剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)に対し、プロピレングリコール系溶剤としてプロピレングリコールメチルエーテル[PM]を混合したものと、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB]を混合したものと、ジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB]を混合したものとにつきそれぞれ調べた。
その試験結果を次の表1〜3に記す。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
Figure 2006045574
これらの試験結果から、プロピレングリコール系溶剤の混合によって洗浄能力がアップし、機械油の洗浄が可能になることが確認された。さらに、PM,PnB及びDPnB共に20重量%以上混合することによって洗浄効果が得られることが確認され、このことから、機械油の洗浄においては、プロピレングリコール系溶剤の混合量を20重量%以上に設定することが好ましいことがわかった。
《フラックス洗浄試験(1)》
この試験では、テスト用のプリント基板全面にフラックス(タムラF−AL−4、株式会社タムラ製作所製)を塗布し、約200℃の電気炉で約2分間焼成処理した後、洗浄液中に約3分間浸漬した。その後、プリント基板を乾燥処理してから、洗浄状態を調べた。洗浄液としては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)に対し、プロピレングリコール系溶剤としてプロピレングリコールメチルエーテル[PM]、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB]またはジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB]を各々混合した場合についてそれぞれ調べた。
その試験結果を次の表4〜6に記す。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
Figure 2006045574
これらの試験結果から、プロピレングリコール系溶剤の混合により、洗浄能力がアップし、フラックスの洗浄が可能になることが確認された。さらに、PM,PnB及びDPnB共に、30重量%以上混合することによって、洗浄効果が得られることが確認され、このことから、フラックスの洗浄においては、プロピレングリコール系溶剤の混合量を30重量%以上に設定することが好ましいことがわかった。
《引火性試験》
この試験では、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンに対して、プロピレングリコール系溶剤を混合したときの引火性について調べた。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、前述したように引火性がなく、不燃物であるのに対して、プロピレングリコール系溶剤は引火性があり可燃物であることから、プロピレングリコール系溶剤の混合量が増えると、引火性が生じて可燃物になる虞がある。そこで、引火性が生じないようにするためのプロピレングリコール系溶剤の適切な混合量について調べた。
ここでは、洗浄液としては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)に対し、プロピレングリコール系溶剤として、プロピレングリコールメチルエーテル[PM]、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB]またはジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB]を各々混合した場合についてそれぞれ調べた。
その試験結果を次の表7〜9に示す。なお、引火性については、タグ密閉方式により調べた。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
Figure 2006045574
これらの試験結果から、プロピレングリコールメチルエーテル[PM]の場合には、これを80重量%以上混合したときに引火性が生じることがわかり、またプロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB]及びジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB]の場合には、これを95重量%以上混合したときに、引火性が生じることがわかった。これらのことから、プロピレングリコール系溶剤の混合により引火性が生じないようにするためには、プロピレングリコールメチルエーテル[PM]の場合には75重量%以下、またプロピレングリコール−n−ブチルエーテル[PnB]またはジ・プロピレングリコール−n−ブチルエーテル[DPnB]の場合には90重量%以下に混合量を抑える必要があることがわかった。
《機械油の洗浄試験(2)》
次にニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンを混合した場合の機械油の洗浄試験について説明する。ここでは、これらの溶剤の混合による洗浄能力の向上を見極めるために、洗浄効果があまり良好ではなかったプロピレングリコール系溶剤の混合量が10重量%以下の場合について調べることとした。
試験は、前述した試験と同様、SUS−304のテストピース(縦25mm×横30mm×厚さ2mm)を用意し、このテストピースを機械油(CQ−30:日本石油株式会社製)中に浸漬した後、各洗浄液中に約3分間浸漬し、その後テストピースを乾燥処理してからテストピースの洗浄具合を調べることにより行った。その試験結果を次の表10〜12に示す。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
Figure 2006045574
この試験結果により、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンの混合により、プロピレングリコール系溶剤のみを混合した場合よりも洗浄能力が向上することが確認された。また、これらの溶剤の混合量については、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)が85重量%の場合、少なくとも5重量%以上に設定するのが好ましいことがわかった。
《フラックスの洗浄試験(2)》
次にニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールまたはd−リモネンを混合した場合のフラックスの洗浄試験について説明する。ここでも、これらの溶剤の混合による洗浄能力の向上を見極めるために、洗浄効果があまり良好ではなかったプロピレングリコール系溶剤の混合量が20重量%以下の場合について調べることとした。
試験は、前述した試験と同様、テスト用のプリント基板全面にフラックス(タムラF−AL−4、株式会社タムラ製作所製)を塗布し、約200℃の電気炉で約2分間焼成処理した後、洗浄液中に約3分間浸漬した。その後、プリント基板を乾燥処理してから、洗浄状態を調べた。
その試験結果を次の表13〜15に示す。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
Figure 2006045574
この試験結果から、ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールの混合により、プロピレングリコール系溶剤(PM,PnB,DPnB)のみを混合した場合よりも洗浄能力が向上することが確認された。また、これらニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート又は3−メトキシ−1−ブタノールの混合量については、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)が75重量%の場合、15重量%以上に設定するのが好ましいことが確認された。なお、d−リモネンについては良好な結果を得ることができなかった。
《プラスチック又はゴム等への影響》
次に本発明に係る洗浄用溶剤組成物について各種プラスチック又はゴム等への影響を調べる試験を行った。この試験では、プラスチックとして、軟質塩化ビニール、硬質塩化ビニール、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ナイロン66(登録商標)、ポリアセタール、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンを用意し、またゴムとして、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、SBR、天然ゴム、プチルゴムを用意し、それぞれ常温にて約6時間洗浄液に浸漬するテストを行った。その後、乾燥処理を行って影響の有無を調べた。
この試験の結果を次の表16及び17に示す。
Figure 2006045574
Figure 2006045574
これらの試験結果から、本発明に係る洗浄用溶剤組成物は、各種プラスチック類またはゴム類に悪影響を及ぼす虞がないことが確認された。
《金属腐食試験》
この試験では、JIS−K1600に従って、洗浄後の洗浄液の液相部および気相部の各々にアルミニウム片(JIS−H−4000、A1100P)を配置し、約48時間後の金属の腐食状況を調べた。
その結果を次の表18に示す。
Figure 2006045574
この試験結果から、本発明に係る洗浄用溶剤組成物はどれも金属を腐食させるような悪影響は与えないことが確認された。

Claims (3)

  1. (a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を5〜80重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を10〜85重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
  2. (a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜85重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜85重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノールおよびd−リモネンの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を5〜80重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
  3. (a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを10〜75重量%、(b)1種または2種以上のプロピレングリコール系溶剤を10〜75重量%、(c)ニトロメタン、ニトロエタン、3−メトキシ・ブチルアセテートおよび3−メトキシ−1−ブタノールの中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を15〜80重量%、含有することを特徴とする洗浄用溶剤組成物。
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