JP2022058307A - 洗浄用溶剤組成物 - Google Patents

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JP2022058307A JP2021161971A JP2021161971A JP2022058307A JP 2022058307 A JP2022058307 A JP 2022058307A JP 2021161971 A JP2021161971 A JP 2021161971A JP 2021161971 A JP2021161971 A JP 2021161971A JP 2022058307 A JP2022058307 A JP 2022058307A
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和音 小柳津
Kazune Koryuzu
昌平 河野
Shohei Kono
慎平 長田
Shimpei Osada
旻又 金子
Binsuke Kaneko
清 嶋田
Kiyoshi Shimada
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Kaneko Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、洗浄性及び安全性が高い洗浄用溶剤組成物を提供する。【解決手段】 本発明は、(a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)とを含む、洗浄用溶剤組成物であって、(i)(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合は、(A)の含有量をx1とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy1とした場合、100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19を満足する、又は、(ii)更に(c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の溶剤(C)を含む、洗浄用溶剤組成物、前記洗浄用溶剤組成物を用いた、油性汚れ、油、フラックス、未硬化樹脂及び埃塵からなる群より選択される1種以上が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤、及び、前記洗浄用溶剤組成物を用いた、拭き取り用洗浄剤、ブラシ洗浄用洗浄剤、かけ洗い用洗浄剤又は超音波浸漬洗浄に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、洗浄用溶剤組成物に関する。
グリコールエーテル類、アルコール類は脱脂力に優れるため、フッ素系溶剤との組み合わせで非引火性洗浄剤として使用される。また、非引火性の工業用洗浄剤組成物として、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールのアルキルエーテルと、フッ素系不燃性溶剤との混合物(特許文献1及び2)、1-プロパノールと、プロピレングリコールモノメチルエーテルと、フッ素系不燃性溶剤との混合物(特許文献3)が知られている。
特開平10-212498号公報 特開平10-251692号公報 特開2017-39866号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているような、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールのアルキルエーテルを含む洗浄剤は、乾燥性が悪いという問題があった。特に、手拭洗浄剤として使用する場合には、通常は真空乾燥・熱風乾燥・蒸気乾燥をせずに自然乾燥させることが多いため、特に問題となる場合が多かった。また、特許文献3に記載されているような、アルコール類は、引火性の問題があった。また、フッ素系溶剤の中には、特に、エラストマーや樹脂等の基材へのダメージ性が問題となる場合があった。よって、本発明は、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、洗浄性及び安全性が高い洗浄用溶剤組成物を提供することを課題とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1](a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、
(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、を含む、洗浄用溶剤組成物であって、
(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、
(A)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合は、(A)の含有量をx1とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy1とした場合、100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19を満足する、洗浄用溶剤組成物。
[2](B)が(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルであり、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上73重量部以下である、[1]の洗浄用溶剤組成物。
[3](A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上73重量部以下である、[2]の洗浄用溶剤組成物。
[4](B)が(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤であり、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上92重量部以下である、[1]の洗浄用溶剤組成物。
[5](A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上92重量部以下である、[4]の洗浄用溶剤組成物。
[6]洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)の合計が55重量部以上である、[1]~[5]のいずれかの溶剤組成物。
[7](a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、
(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、
(c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の溶剤(C)と
を含む、洗浄用溶剤組成物。
[8](C)が、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、(E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上の溶剤である、[7]の洗浄用溶剤組成物。
[9](A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、
(C)の含有量が45重量部以下であり、
(A)及び(C)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部超92重量部未満である場合は、(A)の含有量の合計をx2とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy2とした場合、100-x2>y2>(x2-73)×8÷19を満足する、[7]又は[8]の洗浄用溶剤組成物。
[10]洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)と(C)の合計が60重量部以上である、[7]~[9]のいずれかの溶剤組成物。
[11]油性汚れ、油、フラックス、未硬化樹脂及び埃塵からなる群より選択される1種以上が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤である、[1]~[10]のいずれかの洗浄用溶剤組成物。
[12]拭き取り用洗浄剤、ブラシ洗浄用洗浄剤、かけ洗い用洗浄剤及び超音波浸漬洗浄浄からなる群より選択される1種以上である、[1]~[11]のいずれかの洗浄用溶剤組成物。
[13][1]~[12]のいずれかの洗浄用溶剤組成物を用いて、拭き取り洗浄、ブラシ洗浄、かけ洗い又は超音波浸漬洗浄で被洗浄物の表面を清浄にする、洗浄方法。
また、本発明は、以下の構成も有していてもよい。
[1a](a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテルと(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルを含み、(a-1)と(b-1)の合計を100重量部としたときに、(a-1)が15重量部以上73重量部以下である、洗浄用溶剤組成物。
[2a](a-1)と(b-1)の合計を100重量部としたときに、(a-1)が30重量部以上73重量部以下である、[1a]の洗浄用溶剤組成物。
[3a]洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(a-1)と(b-1)の合計が80重量部以上である、[1a]又は[2a]の洗浄用溶剤組成物。
[4a]油性汚れ、油、フラックス、未硬化樹脂及び埃塵からなる群より選択される1種以上が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤である、[1a]~[3a]のいずれかの洗浄用溶剤組成物。
[5a]拭き取り用洗浄剤である、[1a]~[4a]のいずれかの洗浄用溶剤組成物。
[6a][1a]~[5a]のいずれかの洗浄用溶剤組成物を用いて、被洗浄物の表面を拭き取り洗浄で清浄にする、洗浄方法。
本発明により、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、洗浄性及び安全性が高い洗浄用溶剤組成物が提供される。
(用語の定義)
「(a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル」を「(a-1)」又は「(a-1)成分」という場合がある。「(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル」等の他の成分についても同様である。
数値範囲に関して「~」は、その両端の値を含むことを意味する。即ち、「15~73重量部」は、「15重量部以上73重量部以下」を意味する。また、「以下」は「同じ又は未満」を意味し、「以上」は「同じ又は超える」を意味する。
[第1の洗浄用溶剤組成物]
第1の洗浄用溶剤組成物(以下、「第2の洗浄用溶剤組成物」の説明まで、単に「洗浄用溶剤組成物」ともいう。)は、(a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、を含み、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合は、(A)の含有量をx1とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy1とした場合、100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19を満足する。
<溶剤(A)>
溶剤(A)は、(a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の成分である。(A)成分は、洗浄用溶剤組成物の主剤である。(a-1)成分は、モノプロピレングリコールモノメチルエーテルである。また、(a-1)成分は、1-メトキシ-2-プロパノールとも呼ばれる。発明者らの知見によれば、グリコールエーテル類の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルを使用した場合に、乾燥性、洗浄性、安全性が優れることが見出された。また、発明者らの知見によれば、アルコール類の中でも、1-プロパノールを使用した場合に、乾燥性、洗浄性、安全性が優れることが見出された。
<溶剤(B)>
溶剤(B)は、(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の成分である。(B)成分は、洗浄用溶剤組成物の主剤である。(b-1)成分は、1,1,2,2-テトラフルオロ-1-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エタン、HFE-347pc-fとも呼ばれる。発明者らの知見によれば、フッ素系溶剤の中でも、(b-1)、(b-2)及び(b-3)からなる群より選択される1種以上の成分を使用した場合に、基材へのダメージ性が抑えられることが見出された。本明細書において、「基材へのダメージ性が抑えられる」とは、少なくとも、ニトリルゴム及びポリカーボネート樹脂に対するダメージ性が抑えられることを意味し、好ましくは、エラストマー及び樹脂に対するダメージ性が抑えられることを意味し、特に好ましくは、後述する基材に対するダメージ性が抑えられることを意味する。また、発明者らの知見によれば、フッ素系溶剤の中でも、(b-1)、(b-2)及び(b-3)からなる群より選択される1種以上の成分を使用した場合に、引火点を検知せず、かつ、(A)成分と混合して組成物としたときに、特に低温化での安定性に優れた組成物が得られることが見出された。
<溶剤(A)及び溶剤(B)以外の成分>
洗浄用溶剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分及び(B)成分以外の成分を含むことができる。このような成分として、(c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の溶剤(C)、(D)更なる成分及び(E)添加剤を含むことができる。ここで、(D)更なる成分及び(E)添加剤は、溶剤(A)~溶剤(C)ではない。
≪溶剤(C)≫
溶剤(C)は、(c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の成分である。溶剤(C)は、(A)成分及び/又は(B)成分(好ましくは、(b-1)成分)の一部を置き換え得る成分である。(c-1)ハイドロフルオロオレフィンは、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される1種以上の原子を含んでいてもよいハロゲン化フルオロオレフィン化合物である。(c-1)成分としては、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd(Z))、(E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン((E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、HCFO-1233yd(E))、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン((Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、HCFO-1233yd(Z))、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン等が挙げられる。(c-1)成分は、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、(E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンが好ましい。(c-1)成分の市販品として、CELEFIN(登録商標)1233Z(HCFO-1233zd(Z))(セントラル硝子株式会社製)、AMOLEA(登録商標) AS-300(AGC株式会社製)((E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd(E))、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd(Z))及び安定剤の混合物))等が挙げられる。
<<(D)更なる成分>>
(D)更なる成分としては、(d-1)ニトロ化合物、(d-2)エーテル、(d-3)エステル((d-2)エーテルを除く)、(d-4)アルコール((d-2)エーテルを除く)、(d-5)アミド化合物、(d-6)クロロオレフィン、(d-7)ハイドロブロモカーボン、(d-8)ハイドロフルオロカーボン、(d-9)ハイドロフルオロエーテル、(d-10)炭化水素及び(d-11)塩素化炭化水素((d-6)クロロオレフィン及び(d-10)炭化水素を除く)が挙げられる。
≪(d-1)ニトロ化合物≫
(d-1)ニトロ化合物は、分子中に1以上のニトロ基を有する化合物であれば特に限定されない。(d-1)成分としては、ニトロメタン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン等のニトロアルカンが挙げられる。
≪(d-2)エーテル≫
(d-2)エーテルとしては、炭素原子、水素原子及びエーテル結合(-O-)を含み、直鎖又は分岐状であってもよく、環状又は非環状であってもよい、エーテル系溶剤である。なお、(d-2)成分は、グリコールエーテル類を含む。(d-2)成分の具体例としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、1,2-ブチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘプテンオキサイド、オクテンオキサイド、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、モノエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、モノプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、モノプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、モノプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグリム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシテトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、モノプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられる。
≪(d-3)エステル((d-2)エーテルを除く)≫
(d-3)エステル((d-2)エーテルを除く)としては、例えば、モノエステル系溶剤、カルボニル基を二つ有するエステル系溶剤、炭酸エステル系溶剤及び環状エステル系溶剤が挙げられる。また、(d-3)成分の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、大豆脂肪酸メチルエステル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、二塩基酸エステル(DBE)、アセト酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、しゅう酸ジメチル、しゅう酸ジエチル等が挙げられる。
≪(d-4)アルコール((d-2)エーテルを除く)≫
(d-4)アルコール((d-2)エーテルを除く)としては、モノアルコール系溶剤、グリコール系溶剤が挙げられる。また、(d-4)成分の具体例としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、イソブチルアルコール、ターシャリーブタノール、セカンダリーブチルアルコール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、2-プロピン-1-オール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
≪(d-5)アミド化合物≫
(d-5)アミド化合物は、アミド結合を有する環状又は非環状の化合物である。(d-5)成分としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルアセトアセトアミド等が挙げられる。
≪(d-6)クロロオレフィン≫
(d-6)クロロオレフィンは、炭素原子及び塩素原子を含み、水素原子を含んでいてもよい、オレフィン化合物である。(d-6)成分としては、水素原子を含むハイドロクロロオレフィンであるtrans-1,2-ジクロロエチレン及びトリクロロエチレン、水素原子を含まないテトラクロロエチレン(パークロロエチレン)等が挙げられる。
≪(d-7)ハイドロブロモカーボン≫
(d-7)ハイドロブロモカーボンは、炭素原子、臭素原子及び水素原子のみからなる化合物である。(d-7)成分としては、ノルマルプロピルブロマイド(1-ブロモプロパン)、イソブチルブロマイド等が挙げられる。
≪(d-8)ハイドロフルオロカーボン≫
(d-8)ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、炭素原子、フッ素原子及び水素原子のみからなる化合物であり、炭素-炭素二重結合を有さない化合物である。(d-8)成分としては、例えば、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(HFC-c447ef)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロオクタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC-43-10mee)が挙げられる。(d-8)成分の市販品として、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンについてはソルカン(登録商標)365mfc(日本ソルベイ株式会社製)等が、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンについてはゼオローラ(登録商標)H(日本ゼオン株式会社製)が挙げられる。
≪(d-9)ハイドロフルオロエーテル≫
(d-9)ハイドロフルオロエーテル(HFE)類は、炭素原子、フッ素原子、水素原子及びエーテル結合(-O-)を含む化合物である。(d-9)成分としては、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロ-4-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)ペンタン、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロ-2-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ブタン、メチルパーフルオロプロピルエーテル等が挙げられる。
≪(d-10)炭化水素≫
(d-10)炭化水素は、炭素及び水素のみからなり、直鎖又は分岐状であってもよく、環状又は非環状であってもよく、炭素-炭素二重結合を有していてもよい、炭化水素系溶剤である。(d-10)成分としては、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソヘプタン、シクロヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、シクロオクタン、ノナン、イソノナン、シクロノナン、デカン、イソデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、リモネン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、3-エチル-2-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、2,4,4-トリメチル-1-ペンテン、2,4,4-トリメチル-2-ペンテン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン、イソドデカン、イソパラフィン類、ナフテン類、芳香族系炭化水素等が挙げられる。炭化水素系溶剤は、合成物であってもよい。
≪(d-11)塩素化炭化水素((d-6)クロロオレフィン及び(d-10)炭化水素を除く)≫
(d-11)塩素化炭化水素((d-6)クロロオレフィン及び(d-10)炭化水素を除く)は、塩素原子及び炭素原子を含み、水素原子を含んでいてもよい炭化水素系溶剤である。(d-11)成分としては、塩化メチレン等が挙げられる。
(D)更なる成分は、それぞれ、1種又は2種以上の組合せであってもよい。なお、(D)成分は、(d-2)エーテル及び(d-9)ハイドロフルオロエーテルを含まないものであってもよく、(d-4)アルコール及び(d-9)ハイドロフルオロエーテルを含まないものであってもよい。また、(D)成分は、(d-8)ハイドロフルオロカーボンを含まないものであってもよい。
<<(E)添加剤>>
(E)添加剤は、(D)成分以外の成分であって、洗浄用溶剤組成物の分野で慣用されている成分であれば特に制限されない。(E)添加剤としては、水、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、消泡剤、界面活性剤及びキレート剤等からなる群より選択される1種以上が挙げられる。なお、(E)成分として振舞う(D)成分は、(E)成分に含むものとする。
紫外線吸収剤及び酸化防止剤は、洗浄用溶剤組成物の長期保存等における安定性を向上させる成分である。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系紫外線吸収剤が挙げられる。酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤は、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタドデシル-3-[3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート]、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、4-メトキシフェノール、メチルハイドロキノン等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、N,N-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン誘導体、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル)イソシアヌレート等が挙げられる。硫黄系酸化防止剤は、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、ジラウリル-3,3-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3-ジオジプロピオネート、ジステアリル-3,3-チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル-3,3-チオジプロピオネート、2-メルカプトベンズイミダゾール、ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド等が挙げられる。リン系酸化防止剤は、トリス-ノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(イソデシル)フォスファイト等が挙げられる。
キレート剤は、アミノカルボン酸系のキレート剤が挙げられ、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸やそれらの塩等が好ましい。
防錆剤は、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン及びN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-シクロヘキシルアミンが挙げられる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤が挙げられ、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤等が好ましい。
上記した成分以外の添加剤は、洗浄用溶剤組成物の分野で慣用されている成分であれば特に限定されず、適宜用いることができる。
(E)添加剤は、それぞれ、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
<洗浄用溶剤組成物の組成>
洗浄用溶剤組成物において、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合は、(A)の含有量をx1とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy1とした場合、式(1):100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19を満足する。
よって、(B)が(b-1)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上73重量部以下であることができる。また、(B)が(b-2)成分及び/又は(b-3)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上92重量部以下であることができる。そのため、前記式(1)は、(A)成分の含有量が多い場合であっても、効果を奏することができる(A)成分と、(b-2)成分及び/又は(b-3)成分の合計の含有量に基づくものである。なお、(b-1)の含有量は、前記した(b-2)及び(b-3)の合計の含有量であるy1が、式(1)の関係を満足する範囲で任意である。即ち、(b-1)の含有量をy1’とした場合、y1’は、100-(x1+y1)≧y1’≧0を満足する。
(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部未満である場合、洗浄性が劣る。また、(A)の含有量が92重量部超である場合、乾燥性が劣り、かつ、引火点が検知されるために安全性が劣る。そして、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下であるときに、(b-2)成分及び/又は(b-3)成分の合計の含有量であるy1が、(x1-73)×8÷19未満である場合は、相対的に(A)の含有量が大きくなるため、乾燥性が劣り、かつ、引火点が検知されるために安全性が劣る。
(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)は、30重量部以上73重量部以下であることが好ましく、30重量部以上68重量部以下であることが特に好ましい。これらの場合に、洗浄用溶剤組成物は、乾燥性により優れ、かつ、洗浄性及び安全性がより高くなる。
(A)が(a-1)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、拭き取り洗浄性の観点から、(A)が30重量部以上であることが好ましく、45重量部以上であることが特に好ましく、乾燥性の観点から、73重量部以下であることが好ましく、68重量部以下であることが好ましく、45重量部以下であることが特に好ましい。また、(A)が(a-2)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、拭き取り洗浄性の観点から、(A)が60重量部以上であることが好ましく、乾燥性の観点から、60重量部以下であることが好ましい。
(B)が(b-1)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上73重量部以下であることが好ましく、30重量部以上68重量部以下であることが特に好ましい。また、(B)が(b-2)成分及び/又は(b-3)成分である場合は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上92重量部以下であることが好ましく、30重量部以上60重量部以下であることが特に好ましい。
洗浄用溶剤組成物としての効果がより優れる観点から、洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)の合計が55重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましく、80重量部以上であることが更に好ましく、85重量部以上であることがより更に好ましく、90重量部以上であることが特に好ましい。
洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(C)と(D)と(E)の合計は、45重量部以下であることが好ましく、40重量部以下であることがより好ましく、30重量部以下であることが更に好ましく、20重量部以下であることが特に好ましい。
(C)の含有量は、前記した(C)と(D)と(E)の合計の含有量を超えない範囲であれば特に限定されず、45重量部以下であってもよく、40重量部以下であってもよく、10重量部以下であってもよく、5重量部以下であってもよい。
(D)及び(E)のそれぞれの含有量は、前記した(C)と(D)と(E)の合計の含有量を超えない範囲であれば特に限定されず、40重量部以下であってもよく、20重量部以下であってもよく、10重量部以下であってもよく、5重量部以下であってもよい。
このような範囲であると、洗浄用溶剤組成物としての効果がより優れる。
[第2の洗浄用溶剤組成物]
第2の洗浄用溶剤組成物は、(a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、(c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の溶剤(C)とを含む。
第2の洗浄用溶剤組成物において、(C)成分は、(A)成分及び(B)成分と共に洗浄用溶剤組成物の主剤を構成する。(C)成分は、(A)成分及び/又は(B)成分の機能を有し得る成分である。第2の洗浄用溶剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外の成分を含むことができる。このような成分として、(D)更なる成分及び(E)添加剤が挙げられる。ここで、(A)成分~(E)成分は、好ましい態様を含め、第1の洗浄用溶剤組成物において、前記した通りである。
<第2の洗浄用溶剤組成物の組成>
第2の洗浄用溶剤組成物において、各成分の含有量は以下であることが好ましい。
第2の洗浄用溶剤組成物において、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(C)の含有量が45重量部以下であり、(A)及び(C)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部超92重量部未満である場合は、(A)の含有量をx2とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy2とした場合、式(2):100-x2>y2>(x2-73)×8÷19を満足することが好ましい。
よって、(B)が(b-1)成分である場合は、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)の含有量が15重量部超73重量部以下であってもよい。また、(B)が(b-2)成分及び/又は(b-3)成分である場合は、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)の含有量が15重量部超92重量部以下であってもよい。そのため、前記式(2)は、(A)成分の含有量が多い場合であっても、効率的に本発明の効果を奏することができる(A)成分の含有量と、(b-2)成分及び/又は(b-3)成分の合計の含有量に基づくものである。なお、(b-1)成分及び(C)成分の含有量は、前記した(b-2)及び(b-3)の合計の含有量であるy2が、式(1)の関係を満足する範囲で任意である。即ち、(b-1)の含有量をy2’とし、(C)の含有量をz2とした場合、y2’は、100-(x2+y2)≧y2’+z2>0を満足する。
(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)及び(C)の合計の含有量が15重量部以上である場合、洗浄性に優れる傾向がある。また、(A)及び(C)の合計の含有量が92重量部以下である場合、乾燥性に優れ、かつ、安全性が優れる傾向がある。そして、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下であるときに、(b-2)成分及び/又は(b-3)成分の合計の含有量であるy2が、(x2-73)×8÷19以上である場合は、相対的に(A)の合計の含有量が少なくなるため、乾燥性が優れる傾向があり、かつ、安全性が優れる傾向がある。
(B)が(b-1)成分である場合は、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)及び(C)の合計の含有量が30重量部以上75重量部以下であることが好ましく、30重量部以上60重量部以下であることが特に好ましい。また、(B)が(b-2)成分及び/又は(b-3)成分である場合は、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)及び(C)の合計の含有量が30重量部以上92重量部以下であることが好ましく、30重量部以上60重量部以下であることが特に好ましい。
また、前記した(C)の含有量の上限と、(A)及び(C)の含有量の合計を満足する場合において、(A)成分及び(C)成分の含有量は範囲で任意である。(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(A)成分の含有量は、5重量部以上であることが好ましい。また、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(C)の含有量は、5重量部以上であることが好ましく、8重量部以上であることが特に好ましい。
これらの場合に、第2の洗浄用溶剤組成物は、乾燥性により優れ、かつ、洗浄性及び安全性がより高くなる。
(C)成分が、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンである場合、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(C)の含有量が45重量部以下であることが好ましい。また、前記の場合、拭き取り洗浄性、乾燥性等の観点から(B)が(b-1)であり、(A)が(a-1)及び(a-2)の組み合わせであることが好ましく、(a-1)と(a-2)との合計を100重量部としたときに、(a-1)の含有量が30重量部以上75重量部以下であることが特に好ましい。
(C)成分が、(E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン及び(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上である場合、(A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、(C)の含有量が30重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることが更に好ましく、15重量部以下であることが特に好ましい。
洗浄用溶剤組成物としての効果がより優れる観点から、第2の洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)と(C)との合計の合計が60重量部以上であることが好ましく、70重量部以上であることがより好ましく、80重量部以上であることが更に好ましく、85重量部以上であることがより更に好ましく、90重量部以上であることが特に好ましい。
(D)及び(E)のそれぞれの含有量は、第1の洗浄用溶剤組成物において前記した通りである。
[洗浄用溶剤組成物の製造方法]
洗浄用溶剤組成物(以下、第1の洗浄用溶剤組成物及び第2の洗浄用溶剤組成物を含む。)の製造方法は任意である。洗浄用溶剤組成物に含まれる原料成分を、公知の方法を適宜選択して行うことで、例えば、撹拌、混合、溶解及び分散からなる群より選択される1種以上の手段を行うことで製造することができる。
[洗浄用溶剤組成物の各成分の分析方法]
洗浄用溶剤組成物における各成分の含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)又はガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)等の有機化合物のための通常の定量分析手段によって、測定することができる。
[洗浄用溶剤組成物の用途]
洗浄用溶剤組成物は、油、フラックス及び/又は未硬化の樹脂の溶解性に優れることから、油性汚れ、油、フラックス及び未硬化の樹脂からなる群より選択される1種以上が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤として用いることができる。また、洗浄用溶剤組成物は、乾燥性に優れるため、塵埃が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤として用いることができる。
<<油>>
油としては、鉱物油、植物油、動物油、重質油、ワックス、シリコーンオイル及びフッ素オイル等が挙げられる。これらの油は、例えば切削油、プレス油、引抜き油、熱処理油、防錆油、潤滑油、金属加工油、グリース、アスファルト、水溶性油として用いられている場合がある。
鉱物油としては、特に制限はなく、市販品としてはプーリーSFオイル(出光興産株式会社製)が挙げられる。植物油としては、オリーブ油、アマニ油、キリ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ヒマシ油、綿実油、ヤシ油、コーン油及び脱水ヒマシ油等が挙げられる。植物油を構成する脂肪酸は、C12~C18の飽和又は不飽和脂肪酸であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びエレオステアリン酸等が挙げられる。動物油としては、魚油、鯨油、豚脂、牛脂等が挙げられる。重質油としては、アスファルテン等が挙げられる。樹脂としては、ピッチ、松脂等が挙げられる。ワックスとしては、植物系、動物系、石油系、合成炭化水素系が挙げられる。
シリコーンオイルは、シロキサン結合からなる主骨格を有する。シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイルであってもよい。また、ポリシロキサンの側鎖又は末端に、カルボキシル基、アミノ基、ポリエーテル基、アクリル基又はエポキシ基などの他の有機基を導入した変性シリコーンオイルであってもよい。このようなシリコーンオイルの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ポリオキシエチレン-メチルポリシロキサンなどが挙げられる。このようなシリコーンオイルとしては、市販品として、信越化学株式会社製KF-96L-2CS、KF-6012等が挙げられる。
フッ素オイルとは、ポリアルキルエーテル化合物における水素原子の一部又は全部をフッ素で置換した物質であり、塩素及び臭素等のハロゲン、リン、硫黄、及び窒素などの更なる原子を含んでいてもよい。フッ素オイルの市販品としては、例えばソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社製のフォンブリン Y-LVAC、Y-HVAC、Y04、及びYR;NOKクリューバー株式会社製のバリエルタ(BARRIERTA)J100フルード、バリエルタJ25フルード、バリエルタJ400フルード、バリエルタJ25V、バリエルタSJ07、バリエルタSJ15、及びバリエルタSJ30;Chemours社製のクライトックス1506、クライトックス1514、及びクライトックス1525;ダイキン工業株式会社製のデムナムS-20等が挙げられる。
水溶性油は、エマルジョン型、ソリュブル型、ソリューション型に大別される。エマルジョン型は鉱油や脂肪油などの水に不溶な油と界面活性剤とを主成分とし、水で希釈した場合に乳白色のエマルジョンを形成する。ソリュブル型も水に不溶な油と界面活性剤を含有するが、水で希釈した場合に透明~半透明になる。ソリューション型は水溶性の無機塩等を主成分とし、水で希釈した場合には透明となる。また、シリコーンオイルと界面活性剤と水とを混合したエマルジョン型シリコーンオイルもある。
<<フラックス>>
フラックスとしては、ロジン系のフラックスが挙げられる。ロジン系フラックスは、ロジン(アビエチン酸を主成分とする樹脂酸)及び変性ロジン等のロジン類を主成分とする非活性ロジンフラックス;前記ロジン類と、アミン化合物の無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩)及び有機酸からなる群より選択される1種以上の活性化剤とを主成分とする活性ロジンフラックスが挙げられる。アミン化合物の無機酸塩は、トリエタノールアミン塩酸塩、トリエチレンテトラアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、塩酸アニリン等が挙げられる。有機酸は、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸、マレイン酸等のカルボン酸(ジカルボン酸を含む。);オキシ酸(ヒドロキシカルボン酸)等が挙げられる。
また、フラックスは、ハンダ用金属とロジンフラックスが一体となったクリームハンダの形態で提供される場合がある。クリームハンダは、ハンダ合金粉末、樹脂、活性剤、酸化防止剤、チクソ剤、及び溶剤を含む組成物であり、いわゆる金属粉末とフラックス成分からなる。
<<樹脂>>
未硬化の樹脂における樹脂としては、特に限定されず、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、スチロール樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、トリレンジイソシアナート(TDI)、及びジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)等のジイソシアナートと、ポリプロピレングリコール等のポリオール類との反応生成物が挙げられる。ウレタン樹脂がフォーム状である場合、軟質フォーム、半硬質フォーム、硬質フォームのいずれであってもよい。ウレタン樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、乳化剤、発泡剤、安定剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、褶動性改良剤、及び耐衝撃性改良剤等が挙げられる。ウレタン樹脂の硬化物は、断熱材や電子基板用コーティング剤等に使用される。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多塩基酸のポリグリシジルエステル、3,4-エポキシシクロヘキシル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びヒダントイン環を有するエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として通常使用されているものであればいずれであってもよく、例えばフェノールノボラック、ビフェノール型ノボラック、及びビスフェノールA型ノボラック等のノボラック、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、及び無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン、及びヘキサメチレンテトラミン等のアミン類、並びにポリアミドアミン等のアミド樹脂等が挙げられる。硬化促進剤としては、例えば第三級アミン類又は有機リン化合物が挙げられる。エポキシ樹脂の硬化物は、接着剤や電子基板用ポッティング剤等に使用される。
アクリル樹脂としては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する化合物が挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。アクリル樹脂は、フッ素原子を有さないことが好ましく、ハロゲン原子を有さないことが特に好ましい。アクリル樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。アクリル樹脂は、加工性が良く、透明性も優れることから、アクリル樹脂の硬化物は、風防ガラス、航空機・船舶・自動車等の窓、水槽、レンズ、照明器具、ディスプレー、看板等に使用される。
スチロール樹脂は、スチレンをモノマーとするポリマーであり、その硬化物はポリスチレンとも呼ばれる。スチロール樹脂がフォーム状である場合、スチロール樹脂の硬化フォームは、発泡スチロールとも呼ばれる。スチロール樹脂に配合される添加剤としては、発泡剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。スチロール樹脂の硬化物は、自動車用ランプレンズやカバー等に使用される。
シリコーン樹脂は、有機珪素化合物の高縮合体であり、ジメチルシロキサンやメチルフェニルシロキサンの繰り返し構造を有する。シリコーン樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等の添加剤が挙げられる。シリコーン樹脂の硬化物は、接着剤やコーティング剤等に使用される。
ポリ塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルの単独重合体又は塩化ビニルと更なるビニルモノマーとの共重合体である。ポリ塩化ビニル樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂の硬化物は、パイプや床材等の建築資材等に使用される。
ポリカーボネート樹脂は、熱可塑性プラスチックの一種である。モノマー単位同士の接合部が、カーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成される。ポリカーボネート樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の硬化物は、自動車等の部材等に幅広く用いられており、ルーフ、ヘッドランプレンズ等に使用される。
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂は、ゴム質の重合体であるポリブタジエンが分散された、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体であるアクリロニトリル・スチレン系共重合体であり、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの三成分を主体とする。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等が挙げられる。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂の硬化物は、自動車等の内装及び外装部材等に幅広く用いられており、ホイールキャップ、ホイールカバー、ダッシュボード等に使用される。
前記した他に、未硬化の樹脂の具体例として、油性マーカー又は水性マーカー等のインク及び前記したいずれかの樹脂を含有する筆記具等が挙げられる。
<<塵埃>>
塵埃としては、特に限定されず、空気中に漂う固形物(例えば、5mm以下の固体状粒子)が挙げられる。
<<油性汚れ>>
油性汚れとしては、油汚れ、フラックスの汚れ、未硬化の樹脂の汚れが挙げられる。油性汚れは、塵埃を含んでいてもよい。油性汚れの原料となる、油、フラックス及び未硬化の樹脂は、前記したとおりである。油性汚れとしては、前記した油の極性に応じて、非極性の油性汚れ、極性成分による油性汚れ、及び極性の異なる複数の成分による油性汚れが挙げられる。また、フラックスの汚れは、フラックス成分であるロジン、アミン化合物の無機酸塩、有機酸、及び前記成分が高温でのリフローにより一部変質又は炭化した成分を含む。さらに、クリームハンダの汚れは、前記フラックス成分の汚れ及び金属粉末を含む。また、樹脂の汚れは、樹脂成分及び併用される成分の極性に応じて、非極性の樹脂汚れ、極性成分による油性汚れ、及び極性の異なる複数の成分による油性汚れが挙げられる。
<洗浄方法>
洗浄用溶剤組成物を用いた洗浄方法(即ち、洗浄用溶剤組成物の使用方法)は、洗浄用溶剤組成物を被洗浄物と接触させることを含む。被洗浄物は、油性汚れ、油、フラックス、未硬化の樹脂及び/又は塵埃が基材に付着している。洗浄方法において、洗浄用溶剤組成物を被洗浄物に接触させることにより、基材に付着した、油性汚れ、油、フラックス、未硬化の樹脂及び/又は塵埃は、基材から除去される。なお、油性汚れが塵埃等の固形の汚れを含む場合、この固形の汚れは、油性汚れの除去と同時に除去され得る。
<基材>
基材の材質は、特に制限されないが、金属、繊維、ガラス、陶器、エラストマー、プラスチック等が挙げられる。金属としては、銀、亜鉛、ニッケル、鉄、アルミニウム、銅、マンガン、マグネシウム、ステンレス、アルミニウム合金(アルミニウムと、銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛及びニッケルからなる1種以上の金属との合金)等が挙げられる。エラストマーとしては、ニトリルゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴムや熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系)が挙げられる。プラスチックとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)等が挙げられる。なお、前記した油性汚れ、油、フラックス、未硬化の樹脂又は塵埃が基材から除去される限り、基材はプラスチックであってもよい。
基材の具体例としては、前記樹脂の硬化物を得るための装置及びその部品、金属加工物、電気・電子部品、光学部品、自動車部品、機械部品、半導体部品及び表示体部品等が挙げられる。
電気・電子部品としては、プリント基板、及びセラミック基板などの配線基板が挙げられる。光学部品としては、光学レンズ(例えばカメラ用のレンズ)及び光学レンズのための部品(例えばカメラ筐体)が挙げられる。自動車部品としては、自動車用のシャフトやフレーム部品、外装部品等に用いられる金属製部品が挙げられる。機械部品としては、真空ポンプ、半導体製造装置、洗浄装置、モーター、ファンなどの軸受、時計などの精密機械用部品などの軸受、並びに印刷機のローラー等の部品が挙げられる。半導体関連部品としては、ICチップ、抵抗器、などの電子部品が挙げられる。表示体部品としては、液晶基板、有機EL基板、無機EL基板などが挙げられる。これらの部品の形状は板状部材に限らず、断面円形状や矩形状のパイプ状部材や長尺部材であったり、その他、複雑な形状を有する部材であったりする。洗浄用溶剤組成物は、表面張力の小さい(B)成分を含むことから、浸透性に優れるため、微細な構造を有する被洗浄物に対してとりわけ有効である。
なお、被洗浄物は、日常的なメンテナンス用、1日に1回~2回洗浄される被洗浄物であるか、オーバーホール用、例えば6か月~1年に1回洗浄される被洗浄物であってもよい。
洗浄用溶剤組成物は、基材(例えば、エラストマー及び樹脂)へのダメージ性が抑えられる。よって、洗浄用溶剤組成物は、エラストマー及び樹脂からなる群より選択される1種以上を含む基材を洗浄するための洗浄剤であってもよい。
洗浄用溶剤組成物と、被洗浄物とを接触させるための方法としては、特に制限はなく、例えば、拭き取り洗浄(手拭洗浄、機械式拭き取り洗浄を含む)、浸漬洗浄(液相洗浄)、スプレー洗浄(洗浄用エアゾール組成物による噴射を含む)、シャワー洗浄、超音波浸漬洗浄、蒸気洗浄(気相洗浄)、かけ洗い及びこれらの組み合わせが挙げられる。洗浄用溶剤組成物は、拭き取り用洗浄剤、ブラシ洗浄用洗浄剤又はかけ洗い用洗浄剤であることが好ましい。ここで、洗浄用エアゾール組成物については、特開2018-105723号公報の記載を参照することができる。また、浸漬洗浄と蒸気洗浄との組み合わせによる被洗浄物の洗浄方法としては、例えば、特開2015-217319号公報に開示された、洗浄剤を収納し被洗浄物が浸漬される洗浄槽と、洗浄剤の蒸気を発生させる蒸気槽とを有する洗浄装置を用いた洗浄方法が挙げられる。
拭き取り洗浄による洗浄方法は、洗浄用溶剤組成物を用いて、被洗浄物の表面を拭き取り洗浄で清浄にすることが挙げられる。拭き取り洗浄による洗浄方法は、拭き取りによる物理的な力が加わるため、浸漬洗浄に比べて洗浄効果がより高まる洗浄方法である。拭き取り洗浄としては、手拭洗浄及び機械式拭き取り洗浄が挙げられる。手拭洗浄は、特に限定されず、洗浄用溶剤組成物を染み込ませた紙、コットン、布、綿棒等を、油性汚れ及び/又は油が付着した領域に接触させながら手でこすることにより行ってもよく;又は、洗浄用溶剤組成物を染み込ませた紙、コットン、布等を、油性汚れ及び/又は油が付着した領域に接触させながら板や棒を介して手でこすることにより行ってもよい。また、洗浄用溶剤組成物を散布した後に、コットン、布等で拭き取りを行ってもよい。機械式拭き取り洗浄は、前記した手拭洗浄を機械的に行う洗浄方法であってよい。拭き取り洗浄における、被洗浄物を拭き取り回数は、被洗浄物に付着した油性汚れ、油、フラックス、未硬化の樹脂及び/又は塵埃が除去できる回数であれば特に限定されず、1回又は2回以上であってよい。
ブラシ洗浄による洗浄方法は、洗浄用溶剤組成物とブラシを用いて、被洗浄物の表面をブラシで擦ることで清浄にすることが挙げられる。ブラシ洗浄による洗浄方法は、ブラシによる物理的な力が加わるため、浸漬洗浄に比べて洗浄効果がより高まる洗浄方法である。ブラシ洗浄としては、手作業及び機械式ブラシ洗浄が挙げられる。ブラシの材質としては、化学繊維であってもよく、動物繊維であってもよく、植物繊維であってもよく、金属線であってもよい。化学繊維は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、塩化ビニル、アクリル、テフロン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂が挙げられ、砥粒、硫化銅、エレノンエマルジョン等を含むものであってもよい。動物繊維は、馬毛、豚毛、羊毛、鹿毛、人毛が挙げられる。植物繊維は、タンピコ、パーム、シダ、シュロ、カルカヤ、サイザル、パルミラが挙げられる。金属線は、硬鋼線、焼入線、金メッキ線、鉄線、ステンレス線、真鍮線、燐青銅、ベリリウム銅が挙げられる。洗浄用溶剤組成物に浸したブラシで洗浄してもよく、かけ洗い後にブラシで洗浄してもよい。
かけ洗い洗浄による洗浄方法は、洗浄用溶剤組成物を、被洗浄物の表面にかけることで清浄にすることが挙げられる。かけ洗いによる洗浄方法は、洗浄用溶剤組成物が被洗浄物の表面にかけられる際の物理的な力が加わるため、浸漬洗浄に比べて洗浄効果がより高まる洗浄方法である。洗浄用溶剤組成物を被洗浄物の表面にかける方法としては、バケツや桶等の容器に小分けした洗浄用溶剤組成物をかける方法、シャワー、スプレー、ジェット、エアゾール等が挙げられる。
洗浄用溶剤組成物及び被洗浄物の接触時間に相当する洗浄時間は、基材から油性汚れ及び/又は油を除去できる時間であれば特に制限されない。例えば、洗浄時間は、1秒以上2時間以下であってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、部は、重量部である。
(使用製品)
実施例で使用した成分は以下のとおりである。実施例及び比較例の組成物は、表の組成(重量部)にしたがって、以下の溶剤をそのまま用いるか、各溶剤を混合することにより調製した。
1.(A)成分
a-1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製、1-メトキシ-2-プロパノール)
a-2:1-プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
2.(B)成分
b-1:1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル(AGC株式会社製、アサヒクリンAE-3000)
b-2:メチルノナフルオロブチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
b-3:メチルノナフルオロイソブチルエーテル
b-4:Novec(商標)7100:メチルノナフルオロイソブチルエーテルとメチルノナフルオロブチルエーテルとの混合物(スリーエムジャパン株式会社製、3М(商標)Novec(商標)7100高機能性液体)
3.(C)成分
c-1:1233Z;シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd(Z)、セントラル硝子株式会社製)
c-2:AS-300;AMOLEA(登録商標) AS-300(AGC株式会社製)((E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd(E))、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd(Z))及び安定剤の混合物))
4.(A)、(B)及び(C)以外の成分
a’-1:プロピレングリコール(東京化成工業株式会社製、1,2-プロパンジオール)
a’-2:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-3:ジプロピレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-4:ジエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-5:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-6:3-メトキシ-1-ブタノール(東京化成工業株式会社製)
a’-7:3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(東京化成工業株式会社製)
a’-8:3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート(東京化成工業株式会社製)
a’-9:ジエチレングリコールジブチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-10:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
a’-11:エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
a’-12:2-プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
a’-13:乳酸ブチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
a’-14:エチレングリコールジメチルエーテル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
a’-15:プロピレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業株式会社製、1-ブトキシ-2-プロパノール)
b’-1:Novec(商標)7200;エチルノナフルオロブチルエーテルとエチルノナフルオロイソブチルエーテルとの混合物(スリーエムジャパン株式会社製、3М(商標)Novec(商標)7200高機能性液体)
b’-2:オプテオン(商標)SF10(メトキシパーフルオロヘプテン異性体混合物 99質量%超)(三井・ケマーズ フロロプロダクツ株式会社製)
b’-3:Novec(商標)7300;1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)-ペンタン99質量%以上100質量%以下(スリーエムジャパン株式会社製、3М(商標)Novec(商標)7300高機能性液体)
4.油等
(1)鉱物油:ダフニーマーグプラスST25(出光興産株式会社製)(水素化低粘度パラフィン90重量%以上100重量%以下、硫化油脂1重量%以上10重量%未満、水素化中粘度パラフィン1重量%以上10重量%未満、2,6-ジ-ターシャリーブチル-4-クレゾール0.1重量%以上1重量%未満、溶剤脱ワックス重パラフィン系石油留分0.1重量%以上1重量%未満、潤滑油添加剤2重量%未満)
(2)植物油:食用オリーブ油(AJINOMOTO オリーブオイルエクストラバージン、株式会社J-オイルミルズ製)
(3)シリコーンオイル:ジメチルシリコーンオイル 350CS(信越化学工業株式会社、KF96-350CS-1、粘度350cSt)
(4)マッキーペン:油性マーカー ハイマッキー黒色(ゼブラ株式会社)
(5)未硬化エポキシ樹脂:高性能エポキシ系強力接着剤Araldite(登録商標)Standard(ハンツマン・ジャパン株式会社製)の主剤と硬化剤を質量比1:1で混合したもの
(6)未硬化ウレタン樹脂:LOCTITE 発泡ウレタングリーンフォーム(ヘンケルジャパン株式会社製)
(7)ロジン系フラックス:プリント基板用フラックスBS-75B(太洋電機産業株式会社製)(ロジン系特殊合成樹脂27~29%、活性剤2~3%、アルコール系溶剤68~70%)
5.試験例
以下の試験例1~試験例9を行った。試験例1、6、7及び9は、洗浄性の試験例であり、試験例2が、安全性の試験例であり、試験例3が、乾燥性の試験例であり、試験例4及び5が基材のダメージ性の試験例であり、試験例8が組成物の安定性の試験である。
試験例1:拭き取り試験(1)
SUS304板(株式会社岩田製作所製、100mm×100mm×0.1mm)の表面に、鉱物油、植物油、シリコーンオイル又は未硬化樹脂0.1gを滴下するか、マッキーペンで直線を描き、洗浄試験サンプルとした。また、SUS304板を1か月室内に放置して塵埃を付着させたものを塵埃用洗浄試験サンプルとした。
2枚重ねのティッシュペーパー(王子ネピア株式会社製)1組を、縦65mm、横72mmの大きさにしたものを、四つ折りにして各実施例の洗浄用組成物を染み込ませ、それを親指と人差し指で1回絞った。各溶剤組成物を染み込ませたティッシュペーパーをSUS304板表面に接触させて手でこすることにより拭いた。2回目以降の拭き取りは、毎回、新しい各溶剤組成物を染み込ませたティッシュペーパーを使用した。
(鉱物油、植物油、シリコーンオイル又は未硬化樹脂)
◎+:目視上SUS板表面を清浄にするには2回拭き取りが必要であるが、1回の拭き取りで実用上問題がないレベルまで清浄にできた。
◎:2回拭き取りで目視上SUS板表面を清浄にできた。
○:3回拭き取りで目視上SUS板表面を清浄にできた。
●:4回拭き取りで目視上SUS板表面を清浄にできた。
×:4回拭き取りをしても、明らかな汚れがあった。
(マッキーペン)
◎+:2回拭き取りで目視上マッキーペンの跡は認められず、清浄にできた。
◎:3回拭き取りで目視上マッキーペンの跡は認められず、清浄にできた。
○:4回拭き取りで目視上マッキーペンの跡は認められず、清浄にできた。
●:4回拭き取りで、極微細なマッキーペンの跡が認められたが、概ね清浄にできており、実用上問題がない。
×:4回拭き取りをしても、明らかなマッキーペンの跡が認められた。
(塵埃)
◎:1回拭き取りで目視上SUS板表面を清浄にできた。
○:2回拭き取りで目視上SUS板表面を清浄にできた。
×:2回拭き取りをしても、明らかな汚れがあった。
試験例2:タグ密閉式引火点測定
タグ密閉式引火点測定atg-8l(田中科学機器製作株式会社)を用いて、-20℃から温度上昇しなくなる温度まで引火点測定を実施した。
○:引火点を検知しなかった。×:引火点を検知した。
試験例3:乾燥性試験
SUS304板(株式会社岩田製作所製、100mm×100mm×0.1mm)に各溶剤組成物を約20mg計り取り、室温(約20℃)で放置して完全に乾燥するまでの時間を測定した。
◎+:30分以内に乾燥した。
◎:30分超1時間以内に乾燥した。
○:1時間超1.5時間以内に乾燥した。
●:1.5時間超2時間以内に乾燥した。
×:2時間経過後に乾燥しなかった。
試験例4:樹脂ダメージ試験
50mL規格瓶中の50mLの各組成物にポリカーボネート樹脂片(株式会社光製、30mm×10mm×0.5mm)を常温(約20℃)で3時間浸漬させた。表面をティッシュペーパーで拭き取り後、ポリカーボネート樹脂片へのダメージを以下の通り評価した。
○:樹脂の透明性は失われておらず、ひび等の外観上のダメージも無かった。
×:樹脂が白化した、樹脂が崩壊した、又は、浸漬中は透明であっても、ティッシュペーパーで拭き取り後、乾燥の際に樹脂が白化した。
試験例5:エラストマーダメージ試験
ガラスシャーレの中央に配置したニトリルゴムOリング(亜木津工業株式会社製、1AP-12、内径11.8mm)に各組成物20gを滴下した。24時間後、表面をティッシュペーパーで拭き取り、各試験片へのダメージを以下の通り評価した。
○:重量変化率が20%以下であった。
×:重量変化率が20%超であった、又は表面に変質が認められた。
試験例6:拭き取り試験(2)
亜鉛引き鉄板(JISG3302相当縦30mm、横20mm、厚さ0.3mm)に、ロジン系フラックスを塗布し、約180℃のホットプレートで10分間焼成処理を行い、室温で10日放置し洗浄試験サンプルを得た。
綿棒に各組成物を染み込ませ、拭き取りをした後のフラックスの除去状態について、以下の通り評価した。なお、2回目以降の拭き取りは、新しい各組成物を染み込ませた新しい綿棒を使用した。
◎:3回拭き取りで清浄にできた。
○:4回拭き取りで清浄にできた。
●:5回拭き取りで清浄にできた。
×:5回拭き取りをしても、明らかにフラックスが付着していた。
試験例7:鉱物油洗浄試験
SUS304板(株式会社岩田製作所製、35mm×15mm×0.1mm)に鉱物油0.05gを滴下したものを洗浄試験サンプルとした。株式会社エスエヌディ製超音波洗浄器US-13KS(発振周波数:38kHz,高周波出力:360W)を水道水で満たし、水温約40℃に調整した。100mLビーカーに洗浄用組成物を50mL入れ、アルミホイルで封をし、超音波洗浄器中に浸漬して洗浄用組成物の液温が約39~40℃になるように調整した後、超音波発生下で洗浄試験サンプルを洗浄用組成物中に3分間浸漬した。その後、リンス洗浄として20℃(常温)の50mLの同じ組成の組成物が入った100mLビーカーに投入し、1分後に液中から引き上げ風乾させた後のSUS304板の状態を観察して、以下の通り洗浄性を評価した。
◎:SUS板表面を清浄にできた。
○:SUS板表面に極僅かなオイルの残存が認められたが、実用上問題がない。
×:SUS板表面に明らかなオイルの残存が認められた。
試験例8:低温下での分離確認試験
[方法]
規格瓶(アズワン株式会社製、容量24mL)に実施例1~191の組成物20mlを入れ、冷蔵庫(約5~10℃)に1時間放置した。
○:組成物は白濁しておらず、透明な液体のままであった。
×:明らかな白濁が認められた、又は、明らかな分離が認められた。
[結果]
実施例1~191の組成物はいずれも「○」であった。
一方で、実施例1~52の各組成物の(B)成分を(b’-3)NOVEC(商標)7300に置き換えた場合、全て「×」となった。
試験例1~8の結果から、洗浄剤として以下の通り判断した。
総合判定
◎+:洗浄剤として特に望ましい(試験例1~8において、×が0であり、かつ、乾燥性及び洗浄性の両方が◎+(試験例1の「塵埃」は「◎」)である)
◎:洗浄剤として特に望ましい(試験例1~8において、×が0であり、かつ、乾燥性及び洗浄性の両方が◎であるか、一方が◎でありもう一方が◎+(試験例1の「塵埃」は「◎」)である)
○~◎:洗浄剤としてより望ましい(試験例1~8において、×が0であり、かつ、洗浄性が◎である)
○:洗浄剤として望ましい(試験例1~8において、×が0であり、かつ、洗浄性が〇である)
●:洗浄剤として好ましい(試験例1~8において、×が0であり、かつ、洗浄性が●である)
×:洗浄剤として望ましくない(試験例1~8において、×が1つ以上)
試験例9:洗浄方法比較試験
(洗浄試験サンプルの作成)
SUS304板(株式会社岩田製作所製、35mm×15mm×0.1mm)の表面に、鉱物油0.05gを滴下したものを洗浄試験サンプルとした。
(洗浄方法)
拭き取り洗浄(1):2枚重ねのティッシュペーパー(王子ネピア株式会社製)1組を、縦65mm、横72mmの大きさにしたものを、四つ折りにして各実施例の洗浄用組成物を染み込ませ、それを親指と人差し指で1回絞った。各溶剤組成物を染み込ませたティッシュペーパーをSUS304板表面に接触させて手でこすることにより拭いた。拭き取り洗浄は3回実施した。2回目以降の拭き取りは、毎回、新しい各溶剤組成物を染み込ませたティッシュペーパーを使用した。
拭き取り洗浄(2):拭き取り洗浄の実施回数が2回である以外は拭き取り洗浄(1)と同様の洗浄をした。
ブラシ洗浄:市販のポリプロピレン製ブラシを有する歯ブラシを各溶剤組成物に浸漬し、取り出した後、約10秒間SUS304板表面をブラシ洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。
かけ洗い(1):パスツールピペットで2mlの各溶剤組成物を一気にSUS304板表面に吹きかけた。
かけ洗い(2):アルミ製詰め替え式エアースプレー缶A1631D(容量650ml、FIRSTINFO TOOLS CO., LTD.製)に各溶剤組成物300mlを入れた後、窒素ガスを充填した(0.6MPa)。洗浄試験サンプルから50cmのところより、エアゾール組成物を10秒間噴射した。
浸漬洗浄:100mLビーカーに約20℃の洗浄用組成物を50mL入れ、洗浄試験サンプルを洗浄用組成物中に1分間浸漬した。その後、リンス洗浄として約20℃の50mLの同じ組成の組成物が入った100mLビーカーに投入し、1分後に液中から引き上げた。洗浄とリンス洗浄の際、ピンセットで試験サンプルをつかみ、左右に毎秒毎に揺動させた。
超音波浸漬洗浄:株式会社エスエヌディ製超音波洗浄器US-13KS(発振周波数:38kHz,高周波出力:360W)を水道水で満たした。100mLビーカーに約20℃の洗浄用組成物を50mL入れ、超音波発生下で洗浄試験サンプルを洗浄用組成物中に1分間浸漬した。その後、リンス洗浄として約20℃の50mLの同じ組成の組成物が入った100mLビーカーに投入し、1分後に液中から引き上げた。リンス洗浄の際、ピンセットで試験サンプルをつかみ、左右に毎秒毎に揺動させた。
(洗浄性)
◎:SUS板表面を清浄にできた。
○:SUS板表面に極僅かなオイルの残存が認められたが、実用上問題がない。
●:SUS板表面に僅かなオイルの残存が認められたが、実用上問題がない。
×:SUS板表面に明らかなオイルの残存が認められ、実用上問題がある。
結果を、以下の表にまとめる。
Figure 2022058307000001
Figure 2022058307000002
Figure 2022058307000003
Figure 2022058307000004
Figure 2022058307000005
Figure 2022058307000006
Figure 2022058307000007
Figure 2022058307000008
Figure 2022058307000009
Figure 2022058307000010
Figure 2022058307000011
Figure 2022058307000012
Figure 2022058307000013
Figure 2022058307000014
Figure 2022058307000015
Figure 2022058307000016
Figure 2022058307000017
Figure 2022058307000018
Figure 2022058307000019
Figure 2022058307000020
Figure 2022058307000021
Figure 2022058307000022
Figure 2022058307000023
Figure 2022058307000024
Figure 2022058307000025
Figure 2022058307000026
Figure 2022058307000027
第1及び第2の洗浄用溶剤組成物は、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、洗浄性及び安全性が高い洗浄用溶剤組成物であった。また、(b-4)を使用した実施例及び比較例について、(b-4)を(b-2)に置き換えて試験した場合であっても、(b-4)を(b-3)に置き換えて試験した場合であっても、結果は同一であった。
実施例1~8について、試験例1、6及び7の結果により、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上である場合、被洗浄物に付着した油性汚れ、油、フラックス、未硬化の樹脂又は塵埃が除去できるまでの拭き取り回数が少なくなり、洗浄性により優れていた。
実施例1~8について、試験例3の結果により、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が68重量部以下である場合、乾燥性により優れていた。
実施例9~31より、(B)が(b-2)成分及び/又は(b-3)成分であるときは、(A)が92重量部以下である場合に、本発明の効果を奏していた。そして、実施例49~52より、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合であっても、(b-2)成分及び(b-3)成分の含有量の合計であるy1が、式(1):100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19の関係を満足するため、本発明の効果を奏していた。
実施例32~52より、複数の(A)成分及び(B)成分を用いた場合においても、本発明の効果を奏していた。
実施例53~191は、(A)成分~(C)成分を含む洗浄用溶剤組成物に関する。例えば、実施例68のように、第1の洗浄用溶剤組成物における(A)と(B)の含有量の範囲外である場合であっても、(C)成分を併用した第2の洗浄用溶剤組成物とすることにより、本発明の効果を奏していた。
比較例1は、(A)成分のみからなるため、試験例2の結果により、安全性が劣っていた。
比較例2~17は、(A)成分以外のグリコール系溶剤等のみからなるため、特に試験例2の結果により、安全性が劣っていた。更に、試験例1~5のいずれかで劣っており、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、洗浄性が高いが溶剤組成物ではなかった。
比較例18は、(B)成分のみからなるため、試験例1の結果により、洗浄性が劣っていた。
比較例19~20は、(C)成分のみからなるため、特に試験例4及び5の結果により、基材へのダメージ性が抑えられていなかった。
比較例21及び22は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が73重量部超であり、かつ、(b-2)及び(b-3)を含まず、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量y1が式(1)の関係を満足していないため、試験例2の結果により安全性が劣っていた。
比較例23及び24は、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部未満であるため、試験例1の結果等により洗浄性が劣っていた。
比較例25~26は、(B)成分以外のフッ素系溶剤を含む溶剤組成物であり、特に試験例4及び5の結果により基材へのダメージ性が抑えられていなかった。
比較例27~66は、(A)成分以外のグリコール系溶剤等を含む溶剤組成物であり、試験例1~5のいずれかで劣っており、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、安全性が高い溶剤組成物ではなかった。
比較例67~76は、(A)成分が92重量部超であるか、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量y1が式(1)の関係を満足していないか、(A)成分が15重量部未満であるため、試験例1~7のいずれかで劣っており、乾燥性に優れ、基材へのダメージ性が抑えられ、かつ、安全性が高い溶剤組成物ではなかった。
比較例77~88は、(B)成分以外のフッ素系溶剤を含む溶剤組成物であり、試験例2の結果により安全性が劣っていた。

Claims (13)

  1. (a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、
    (b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、を含む、洗浄用溶剤組成物であって、
    (A)と(B)の合計を100重量部としたときに、
    (A)の含有量が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部以上92重量部以下である場合は、(A)の含有量をx1とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy1とした場合、100-x1≧y1≧(x1-73)×8÷19を満足する、洗浄用溶剤組成物。
  2. (B)が(b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルであり、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上73重量部以下である、請求項1に記載の洗浄用溶剤組成物。
  3. (A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上73重量部以下である、請求項2に記載の洗浄用溶剤組成物。
  4. (B)が(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤であり、(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が15重量部以上92重量部以下である、請求項1に記載の洗浄用溶剤組成物。
  5. (A)と(B)の合計を100重量部としたときに、(A)が30重量部以上92重量部以下である、請求項4に記載の洗浄用溶剤組成物。
  6. 洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)の合計が55重量部以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の溶剤組成物。
  7. (a-1)プロピレングリコールモノメチルエーテル及び(a-2)1-プロパノールからなる群より選択される1種以上の溶剤(A)と、
    (b-1)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、(b-2)メチルノナフルオロブチルエーテル及び(b-3)メチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤(B)と、
    (c-1)ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種以上の溶剤(C)と
    を含む、洗浄用溶剤組成物。
  8. (C)が、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、(E)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、(Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上の溶剤である、請求項7に記載の洗浄用溶剤組成物。
  9. (A)と(B)と(C)との合計を100重量部としたときに、
    (C)の含有量が45重量部以下であり、
    (A)及び(C)の含有量の合計が15重量部以上92重量部以下であり、ここで、(A)の含有量が73重量部超92重量部未満である場合は、(A)の含有量の合計をx2とし、(b-2)及び(b-3)の合計の含有量をy2とした場合、100-x2>y2>(x2-73)×8÷19を満足する、請求項7又は8に記載の洗浄用溶剤組成物。
  10. 洗浄用溶剤組成物の総量を100重量部としたときに、(A)と(B)と(C)の合計が60重量部以上である、請求項7~9のいずれか一項に記載の溶剤組成物。
  11. 油性汚れ、油、フラックス、未硬化樹脂及び埃塵からなる群より選択される1種以上が付着した被洗浄物を洗浄するための洗浄剤である、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄用溶剤組成物。
  12. 拭き取り用洗浄剤、ブラシ洗浄用洗浄剤、かけ洗い用洗浄剤及び超音波浸漬洗浄浄からなる群より選択される1種以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄用溶剤組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の洗浄用溶剤組成物を用いて、拭き取り洗浄、ブラシ洗浄、かけ洗い又は超音波浸漬洗浄で被洗浄物の表面を清浄にする、洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023009358A1 (en) * 2021-07-29 2023-02-02 Chemours-Mitsui Fluoroproducts Co., Ltd Fluorine-based solvent composition
WO2024182748A1 (en) * 2023-03-02 2024-09-06 Zynon Technologies, Llc Azeotrope-like solvent blends exhibiting low global warming potential and methods of use

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