JP4297521B2 - 付着水除去用溶剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品、金属部品、機械部品、硝子或いはプラスチック等に付着した水を除去する為に用いられる付着水除去用溶剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
精密金属部品、光学部品、電子部品の多くが加工途中で水を使用しており、この工程の後処理として必要な、付着残留水の除去及び乾燥には、被洗浄物を腐食せずに水を洗い落とすことができ、しかもその洗浄液自体の除去が容易にできるような適当な沸点を持つ洗浄剤が用いられる。そのような洗浄剤として、これまで、クロロフルオロカーボン系洗浄剤(例えば、CFC−113、沸点48℃)に界面活性剤を混合した組成物が使用されてきた。しかし、クロロフルオロカーボンについてはオゾン層保護の観点からウィーン条約やモントリオール議定書に基づき国際的な規制が実施され、わが国でもエッセンシャルユースを除き1995年末に全廃された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、CFC−113等のクロロフルオロカーボン系付着水除去用溶剤組成物が有する低毒性、不燃性、低腐食性の特性を失うこと無く、水置換性能が優れ、且つオゾン層を破壊する恐れがない付着水除去用溶剤組成物の開発が望まれている。
【0004】
炭化水素の水素原子の一部が弗素原子のみで置換したハイドロフルオロカーボン(HFC)は塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊する恐れがないという点では規制の対象となっていないものである。そこで、HFCの中、洗浄溶剤として適当な沸点を有するデカフルオロペンタンはクロロフルオロカーボン系に代替する溶剤としての使用が考えられるが、これに界面活性剤を配合した組成物は界面活性剤溶解能力に乏しいので、付着水除去用溶剤としての効果が充分でない。
【0005】
しかし本発明の発明者らは、デカフロロペンタンに可溶な有機溶剤を混合することにより、活性剤溶解能力が増加すること、及び界面活性剤として特定の2種類の活性剤を使用すると、その相乗作用により水を除去する能力が格段に向上することを見いだし本発明に到達した。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明は、下記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる付着水除去用溶剤組成物である。
(A)1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン
(B)ベンジルアルコール及びトリエチレングリコールジメチルエーテルからなる群から選ばれる1種類または2種類の溶剤
(C)一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤:
【化3】
(式中R1は炭素数5−10のアルキル基、mは4-10の整数である。)
(D)一般式(II)で表されるN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロアルキルスルホンアミド型界面活性剤:
【化4】
(式中、R2は炭素数2−10のアルキル基、Rfは炭素数5−18の完全フッ素化アルキル基、nは3−15の整数である。)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の付着水除去用溶剤組成物の主成分であるデカフルオロペンタン(A)は、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(以下、HFC-43-10meeと呼ぶ)である。
【0008】
デカフルオロペンタンに可溶な溶剤(B)としては、水除去の操作の際、沸騰状態にある付着水除去用溶剤組成物に浸漬する工程において、蒸気層中への有機溶剤の混入を防ぐために、沸点が180℃以上の溶剤が好ましい。このような溶剤として本発明においては、ベンジルアルコールまたは、トリエチレングリコールジメチルエーテルが用いられる。
【0009】
界面活性剤(C)としては、一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤を用いる。
【化5】
(式中R 1 は炭素数5−10のアルキル基、mは4−10の整数である。)
具体的にはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0010】
本発明の組成物は、上記界面活性剤(C)、のほかに界面活性剤(D)を使用する。すなわち(C)成分及び(D)成分の2種類の界面活性剤を必須成分とするものである。
【0011】
界面活性剤(D)は、完全フッ素化アルキル基及びオキシエチレン基を有するアミドであり、一般式(II)で表されるN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロアルキルスルホンアミド型界面活性剤が用いられるが、特にN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミドが好適である。
【化6】
(但し、R 2 は炭素数2−10のアルキル基、Rfは炭素数5−18の完全フッ素化アルキル基、nは3−15の整数である。)
【0012】
本発明の付着水除去用溶剤組成物を構成する各成分の組成は、(A)(B)(C)(D)成分の合計を100重量%としたときに、
(B)1−10重量%、
(C)0.01−3重量%、
(D)0.01−1重量%、
残りが(A)成分となるような範囲とするのが好ましい。
(B)(C)(D)の各成分が少ないと付着水除去能力が低下し、またこれらが多過ぎると被洗浄物のすすぎ不良の原因となる。
上記溶剤には必要に応じ、他の有機溶剤を添加することができる。
【0013】
また、安定剤としてニトロ化合物、ベンゾトリアゾール等を添加することもできる。
【0014】
部品に付着した水を除去する方法としては、沸騰状態にある本発明の付着水除去用溶剤組成物に浸漬する方法が一般的であるが、その他、超音波、スプレー、揺動等の他の方法で行うこともできる。尚、水を除去した被洗浄物には界面活性剤が付着しているが、それはデカフルオロペンタンによってすすぎ落とされる。
【0015】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
25ml(ミリリッター)メスシリンダーに純水3mlを入れ、8mlの標線まで直径0.4mmのガラスビーズを入れた。その後、ベンジルアルコールと、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミドを表1に示される量で混合し、更にHFC43−10meeを表1に示される量混合した。この混合溶液を25mlの標線まで注入し、注入直後から5分後迄に浮遊した水の量を測定し、下記の式により付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【数1】
【0016】
[実施例2]
実施例1において、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミドの添加量を表1記載の量に変えた以外は実施例1と同様にして、付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0017】
[実施例3]
実施例2において、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルをポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルに変えた以外は実施例2と同様にして、付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0018】
[比較例1]
HFC−43−10mee(A)とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(C)及びN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミド(D)のみを表1の混合比で配合し、ベンジルアルコール(B)を含有しない組成物について実施例1と同様にして、付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0019】
[比較例2]
HFC−43−10mee(A)とベンジルアルコール(B)及びN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミド(D)のみを表1の混合比で配合し、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(C)を含有しない組成物について実施例1と同様にして、付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0020】
[比較例3]
HFC−43−10mee(A)とベンジルアルコール(B)及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(C)のみを表1の混合比で配合し、N−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミド(D)を含有しない組成物について実施例1と同様にして、付着水除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1から明らかなように、デカフルオロペンタンに可溶な有機溶剤(B成分)が含まれない場合(比較例1)、オキシエチレン基を有する界面活性剤(C成分)が含まれない場合(比較例2)、及びパーフルオロアルキル基及びオキシエチレン基を有するアミン(D成分)が含まれない場合(比較例3)には、付着水除去率が低く被洗浄物の付着水が除去されていないことがわかる。
【0023】
【発明の効果】
本発明に用いられるデカフルオロペンタンは、塩素分子を含有していないのでオゾン層破壊の恐れが無い。
また、本発明の付着水除去用溶剤組成物は、2種類の活性剤の相乗作用により水を除去する能力が優れている。
デカフルオロペンタンの活性剤溶解能力は乏しいが、デカフロロペンタンに可能な有機溶剤を混ぜることにより、活性剤溶解能力が増加する。更に、有機溶剤の沸点を180℃以上にすることにより、蒸気層中への有機溶剤の混入量が極めて少ないため、デカフルオロペンタンによる蒸気すすぎが可能であり、デカフルオロペンタンは、沸点が約55℃であり容易に蒸発するため、シミ等の恐れが無く、最終的には水及び洗浄液が完全に除去された清浄な物品が得られる。
Claims (3)
- 下記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる付着水除去用溶剤組成物。
(A)1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン
(B)ベンジルアルコール及びトリエチレングリコールジメチルエーテルからなる群から選ばれる1種類または2種類の溶剤
(C)一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤:
(D)一般式(II)で表されるN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロアルキルスルホンアミド型界面活性剤:
- (C)が、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルまたは、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の付着水除去用溶剤組成物。
- (D)が、N−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフロロオクタンスルホンアミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の付着水除去用溶剤組成物。
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