JP2006045526A - 蛍光体、及び、それを用いた発光素子、並びに、画像表示装置、照明装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 2価及び3価の金属元素を含む複合酸化物を母体結晶とし、該母体結晶内に付活剤元素として少なくともCeを含有し、室温での発光スペクトルにおいて485nm〜555nmの波長範囲に最大発光ピークを有することを特徴とする、下記一般式(I)で表される蛍光体、及び、その蛍光体を用いた発光素子、並びに、その発光素子を光源とする画像表示装置、照明装置、液晶ディスプレイ。
M1 aM2 bM3 cOd (I)
(式(I)中、M1は少なくともCeを含む付活剤元素、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素をそれぞれ示し、aは0.0001≦a≦0.2、bは0.8≦b≦1.2、cは1.6≦c≦2.4、dは3.2≦d≦4.8の範囲の数である。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子線、X線、紫外線、可視光線等の励起によって、赤色〜青色の領域の光を発することのできるセリウム(Ce)付活の酸化物蛍光体に関するものである。特に、近紫外〜青〜青緑色領域の光を吸収して、より長波長の緑〜黄〜赤色の発光を効率良く発することのできる蛍光体に関するものであって、該蛍光体を近紫外領域及び青色領域の発光を示す発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の半導体発光素子からの光を吸収する波長変換材料として用いることにより、演色性の高い発光素子、特に、白色発光の発光素子(以下、「白色LED」と記す)を構成することのできる蛍光体に関するものである。さらに、本発明は、それを用いた発光素子、エレクトロルミネッセンス発光素子、並びに、それらを光源として有する画像表示装置、照明装置に関するものである。
(1) 2価及び3価の金属元素を含む複合酸化物を母体結晶とし、該母体結晶内に付活剤元素として少なくともCeを含有し、室温での発光スペクトルにおいて485nm〜555nmの波長範囲に最大発光ピークを有することを特徴とする、下記一般式(I)で表される蛍光体。
M1 aM2 bM3 cOd (I)
(式(I)中、M1は少なくともCeを含む付活剤元素、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素をそれぞれ示し、aは0.0001≦a≦0.2、bは0.8≦b≦1.2、cは1.6≦c≦2.4、dは3.2≦d≦4.8の範囲の数である。)
(2) 式(I)における付活剤元素M1が、少なくともCeを含み、さらにCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むものであることを特徴とする(1)に記載の蛍光体。
(3) 式(I)における2価の金属元素M2が、Mg、Ca、Zn、Sr、Cd、及びBaからなる群から選択された少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の蛍光体。
(4) 式(I)における3価の金属元素M3が、Al、Sc、Ga、Y、In、La、Gd、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光体。
(5) 波長変換材料である蛍光体と、紫外光から可視光の波長範囲の光を発光する半導体発光素子とを有する発光素子であって、該蛍光体として少なくとも(1)〜(4)のいずれかに記載の蛍光体を含むことを特徴とする発光素子。
(6) (1)〜(4)のいずれかに記載の蛍光体を含有してなるエレクトロルミネッセンス発光素子。
(7) (5)又は(6)に記載の発光素子を光源として有する画像表示装置。
(8) (5)又は(6)に記載の発光素子を光源として有する照明装置。
M1 aM2 bM3 cOd (I)
(式(I)中、M1は少なくともCeを含む付活剤元素、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素をそれぞれ示し、aは0.0001≦a≦0.2、bは0.8≦b≦1.2、cは1.6≦c≦2.4、dは3.2≦d≦4.8の範囲の数である。)
ここで、式(I)におけるM1は、後述の母体結晶中に含有される付活剤元素(発光中心イオン)であり、少なくともCeを含むものであり、さらに蓄光性や色度調整や増感等の目的で、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbからなる群から選択された少なくとも1種の2〜4価の元素を共付活剤として含んでいてもよい。なお、共付活剤を含有させる場合、Ce 1molに対する共付活剤の量は、通常、0.01mol〜20molである。特に、Prを共付活剤として使用した場合は、Ceの発光に加えて620nm付近に共付活剤であるPrの発光が現れて、赤色成分の発光を加えることができるため好ましい。
本発明の前記蛍光体は、一般的な固相反応法によって合成することができる。例えば、前記一般式(I)における付活剤元素M1源化合物、2価の金属元素M2源化合物、及び3価の金属元素M3源化合物等の原料化合物を、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機を用いて粉砕した後、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機により混合するか、或いは、これらの原料化合物を混合した後、乾式粉砕機を用いて粉砕する乾式法;
又は、これらの原料化合物を水等の媒体中に加え、媒体攪拌式粉砕機等の湿式粉砕機を用いて粉砕及び混合するか、或いは、これらの原料化合物を乾式粉砕機により粉砕した後、水等の媒体中に加えて混合することにより調製したスラリーを、噴霧乾燥等により乾燥させる湿式法により、
粉砕混合物を調製し、得られた粉砕混合物を加熱処理して焼成することにより製造することができる。
また、前述した粉砕混合物を調製するときに、加熱処理の際に蛍光体粒子の結晶成長を促進するような添加物(一般に「フラックス」と呼ばれる)を添加することができる。フラックスとしては、例えば、NH4ClやNH4F・HFのようなハロゲン化アンモニウム、NaCO3,LiCO3等のアルカリ金属炭酸塩、LiCl,NaCl,KCl等のアルカリハロゲン化物、CaCl2,CaF2,BaF2のようなアルカリ土類金属のハロゲン化物、B2O3,H3BO3,NaB4O7のようなホウ酸塩化合物、Li3PO4,NH4H2PO4のようなリン酸塩、等が使用できる。これらの中では、CaF2、H3BO3が特に好ましい。
付活剤元素M1に含まれるCeについて、そのCe源化合物を具体的に例示すれば、Ce2O3、CeO2、Ce(OH)3、Ce(OH)4、Ce2(CO3)3、Ce(NO3)3、Ce2(SO4)3、Ce(SO4)2、Ce2(OCO)6、Ce(OCOCH3)3、CeCl3、CeCl4等が挙げられる。
この粒径範囲になるように、必要な分級処理、あるいは、解砕処理を行うことによって、より好ましい蛍光体を得ることができる。分級処理は、水簸のような湿式分級処理、サイクロンや慣性分級機のような気流分級処理等、如何なる手段も適用可能である。また、解砕処理についても、ボールミル処理等、処理手法に制限はない。
本発明の蛍光体は、噴霧熱分解法によっても合成することができる。例えば、まず、製造しようとする蛍光体の構成元素を含有する化合物を水等の溶媒に溶解して原料溶液を調製する。原料溶液の溶媒としては、後の手順で液滴を形成できる程度に粘度の低い液体であれば制限はないが、コストや排出ガスの安全性を考慮すると水を使用することが好ましい。
良好な発光特性を得るためには、これらの原料化合物及び原料溶液は、キラーセンターとなる鉄やニッケル等の不純物元素の少ないものであることが好ましい。
原料溶液内の上記構成元素の合計の濃度を大きくすると、得られる蛍光体の2次粒子径が大きくなり、逆に小さくすると2次粒子径が小さくなる傾向がある。また、溶質濃度が低すぎると蒸発させるべき溶媒の量が増加して不要なエネルギーが必要となるので好ましくない。一方、溶質濃度が高すぎると、液滴の形成が困難になる。従って、良好な蛍光体を合成するためには、原料溶液内に含まれる蛍光体構成元素の濃度合計モル数は、0.01mol/l以上、10mol/l以下であることが好ましい。
また、本発明の蛍光体は、光源(励起源)と蛍光体とを有する画像表示装置に使用することもできる。画像表示装置としては、例えば、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)等が挙げられる。また、画像表示装置用のバックライトにも使用することができる。
実施例1
製造される蛍光体の化学組成がCe0.01Ca0.99Sc2O4となるように、蛍光体1モルに対するモル比で、M1源化合物としてCeO2を0.01モル、M2源化合物としてCaCO3を0.99モル、及びM3源化合物としてSc2O3を1モルとなるように各原料粉末を秤量した。それらを粉体混合機中でエタノールを分散媒体として湿式粉砕混合した後に、分散媒体を気化させ除去して乾燥した原料粉砕混合粉末を得た。得られた粉砕混合物を白金製坩堝中で、水素を4%混合した窒素雰囲気中、最高温度1600℃で3時間、加熱することにより焼成し、引き続いて、水洗浄、乾燥、及び分級処理を行うことにより蛍光体の粉末を製造した。
また、この緑色蛍光体とEu付活CaS赤色蛍光体とをエポキシ樹脂と混合し、InGaN系青色発光ダイオード(ピーク波長460nm)上に塗布した後に加熱硬化させ、更にこれを透明エポキシ樹脂中に封止して、砲弾型白色LEDを作成した。このLEDを通電したところ、光度が大きく平均演色評価数が90となり非常に良好だった。なお、Eu付活CaS赤色蛍光体は、CaSとEuF3を99.6:0.4のモル比で混合し、アルミナ製坩堝の中で、水素を4%混合した窒素雰囲気中、1000℃にて2時間加熱し、粉砕、および、分級処理を行うことにより得た。
Y2O3:1.05モル、Gd2O3:0.39モル、Al2O3:2.5モル、CeO2:0.12モル、融剤としてBaF2:0.25モルを純水と共に、アルミナ製容器及びビーズの湿式ボールミル中で粉砕、混合し、乾燥後、ナイロンメッシュを通過させた。得られた粉砕混合物をアルミナ製坩堝中で、大気下、1450℃にて2時間加熱することにより焼成した。引き続いて、水洗浄、乾燥、および分級処理を行うことにより(Y0.7Gd0.26Ce0.04)3Al5O12蛍光体を得た。この蛍光体の455nm励起の発光強度を100として実施例1〜14の蛍光体の同じ励起波長における発光強度と対比した。なお、この蛍光体は、前記青色発光ダイオードの発光を照射したところ、蛍光体の発光と、蛍光体に吸収されなかったダイオードの青色光とが混合されて白色に見えた。
蛍光体製造時の坩堝の材質と焼成温度を表1に示す様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体は、粉末X線回折と発光スペクトルと励起スペクトルの解析により、CaSc2O4を母体結晶とし、該母体結晶中に付活剤元素として3価のCeを含有するものであることが確認された。得られた蛍光体の発光ピーク波長、発光強度を表1に合わせて示す。なお、実施例2以降の蛍光体の発光スペクトルの測定には、日本分光製蛍光体高速評価装置を使用した。この装置は、光源としてXeランプ、受光素子は浜松フォトニクス製C7041型マルチチャンネル検出器を備える。
発光強度は、白金坩堝を使用した場合の蛍光体が高く、また、この温度範囲では1600℃で焼成した蛍光体が最も高かった。
蛍光体のCeとCaの原料混合組成を表2に示す様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして蛍光体を製造した。得られた蛍光体は、粉末X線回折と発光スペクトルと励起スペクトルの解析により、CaSc2O4を母体結晶とし、該母体結晶中に付活剤元素として3価のCeを含有するものであることが確認された。得られた蛍光体の発光ピーク波長、発光強度を表2に合わせて示す。Ceの原料混合モル比を0.01に調整して得られた蛍光体の発光強度が最も高かった。また、Ce濃度を高くするに従って発光ピーク波長は、長波長側にずれ、より色純度の良い緑色発光を示した。
蛍光体のCaの一部をMgに置き換えるべく原料混合組成を表3に示す様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして蛍光体を製造した。但し、実施例1に記載の原料に加えてMg元素源としてMgCO3を使用した。得られた蛍光体は、粉末X線回折で確認したところ、空間群は実施例1と同一だったが、格子定数が短くなり、蛍光体以外にMgOが少量混存していた。また、発光スペクトルを測定したところ、発光ピーク波長が長波長側にずれていた。これらのことから、原料のMgの一部が母体結晶中に固溶していることが確認された。得られた蛍光体の発光ピーク波長、発光強度を表3に示す。CaのMgによる置換により発光強度は低下するものの、発光ピーク波長が長波長側にずれて好ましい緑色発光を示した。
原料溶液中の金属元素比(モル比)がCe:Ca:Sc=0.01:0.99:2となるように、硝酸セリウム、硝酸カルシウム、硝酸スカンジウムの各水溶液を混合して十分に撹拌した。この混合水溶液を白金容器中で乾燥した後に、水素を4%混合した窒素雰囲気中、最高温度1400℃で3時間、加熱することにより焼成して蛍光体を製造した。
原料溶液中の金属元素比が表4に記載のモル比となるように、硝酸マンガン、硝酸セリウム、硝酸カルシウム、硝酸スカンジウムの各水溶液を使用したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
表4に示す様に、Mnの共付活により蛍光体の発光強度が増大した。
原料溶液中の金属元素比が表4に記載のモル比となるように、共付活剤の稀土類元素の硝酸塩、硝酸セリウム、硝酸カルシウム、硝酸スカンジウムの各水溶液を使用したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表4に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
表4に示す様に、Pr、Tb、Dy、Tmの共付活により蛍光体の発光強度が増大した。中でも、Prを添加した場合には、Pr由来の発光がCeの発光とともにあらわれた。また、Nd、Sm、Ho、Er、Ybを微量添加しても発光強度の顕著な低下は認められなかった。
原料溶液中の金属元素比が表5に示すモル比となるように、実施例15で使用した硝酸塩に加えてMg、Sr、Baの各硝酸塩を添加して硝酸塩混合水溶液を調製したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表5に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
原料溶液中の金属元素比が表6に示すモル比となるように、実施例15で使用した硝酸塩に加えてAl、Y、Luの各硝酸塩を添加して硝酸塩混合水溶液を調製したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表6に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
発光ピーク波長は、Al含有量の増加と共に短波長にずれる傾向が見られた。一方、Y含有量とLu含有量の増加と共に、発光ピーク波長は長波長側にずれた。
原料溶液中の金属元素比が表7に示すモル比となるように、実施例15で使用した硝酸塩に加えてMg、Sr、Ba、Alの各硝酸塩を添加して硝酸塩混合水溶液を調製したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表7に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
原料溶液中の金属元素比が表8に示すモル比となるように、実施例15で使用した硝酸塩に加えてMg、Sr、Ba、Yの各硝酸塩を添加して硝酸塩混合水溶液を調製したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表8に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
原料溶液中の金属元素比が表9に示すモル比となるように、実施例15で使用した硝酸塩に加えてMg、Sr、Ba、Luの各硝酸塩を添加して硝酸塩混合水溶液を調製したこと以外は、実施例15と同様にして蛍光体を製造した。
得られた蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の蛍光体の発光ピーク波長とその波長における発光強度を表9に示す。ただし、この蛍光強度は、実施例15の蛍光体に波長455nmの励起光を照射した際の発光ピーク波長における発光強度を100とした場合の相対値として示している。
それぞれ以下の濃度で金属塩を含む前駆体溶液を調製した。
Ca(NO3)2 0.0495 mol/L
Sc(NO3)3 0.1 mol/L
Ce(NO3)3 0.0005 mol/L
流通させたガスを窒素ガスとしたこと以外は実施例87と同様の手順で、蛍光体を噴霧熱分解合成した。得られた蛍光体をるつぼに入れ、水素を4%含む窒素ガス雰囲気で1500℃に加熱(アニール)した。得られた蛍光体は、青色光を吸収して良好な緑色発光を示した。発光特性を表10に示す。
表10のようにアニール温度を変えたこと以外は実施例88と同様に処理し、蛍光体を得た。この蛍光体の発光特性を表10に示す。
表11の組成になるように、原料化合物とフラックス化合物を良く調合し、実施例1と同様の手順で加熱処理をして蛍光体を得た。ただし、焼成温度は1550℃とした。なお、フラックスのモル比は、生成する蛍光体CaSc2O4の1モルに対するフラックス化合物のモル数である。得られた蛍光体は、1規定の塩酸に1昼夜浸漬し、余剰のフラックス等の不純物を除去した。その後、上澄み液のpHが4以上になるまで固液分離と水を追加し撹拌する作業を繰り返した。洗浄済みの蛍光体は、120℃の乾燥器で乾燥し、篩がけをして乾燥凝集体をほぐした。得られた蛍光体の発光特性を表11に示す。発光強度は、比較例1の蛍光体を100とした相対値で表した。
SrCO3:0.0297モル、Y2O3:0.03モル、CeO2:0.0003モルをエタノールと共に、乳鉢の中で十分湿式混合し、乾燥させた。この混合物を白金箔上にのせ、4%の水素を含む窒素ガス雰囲気下、1450℃にて2時間加熱することにより焼成してSrY2O4:Ceを得た。粉末X線回折によって、得られた物質がSrY2O4として報告されている結晶構造を有するものであることを確認した。得られた物質はオレンジ色の粉末だった。得られた物質に波長254nm、365nm及び460nmの励起光を照射したが、いずれの波長の光によっても全く発光を示さなかった。
2:マウントリード
3:インナーリード
4:半導体発光素子
5:蛍光体含有樹脂部
6:導電性ワイヤー
7:モールド部材
8:面発光照明装置
9:拡散板
10:保持ケース
Claims (8)
- 2価及び3価の金属元素を含む複合酸化物を母体結晶とし、該母体結晶内に付活剤元素として少なくともCeを含有し、室温での発光スペクトルにおいて485nm〜555nmの波長範囲に最大発光ピークを有することを特徴とする、下記一般式(I)で表される蛍光体。
M1 aM2 bM3 cOd (I)
(式(I)中、M1は少なくともCeを含む付活剤元素、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素をそれぞれ示し、aは0.0001≦a≦0.2、bは0.8≦b≦1.2、cは1.6≦c≦2.4、dは3.2≦d≦4.8の範囲の数である。) - 式(I)における付活剤元素M1が、少なくともCeを含み、さらにCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
- 式(I)における2価の金属元素M2が、Mg、Ca、Zn、Sr、Cd、及びBaからなる群から選択された少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体。
- 式(I)における3価の金属元素M3が、Al、Sc、Ga、Y、In、La、Gd、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体。
- 波長変換材料である蛍光体と、紫外光から可視光の波長範囲の光を発光する半導体発光素子とを有する発光素子であって、該蛍光体として少なくとも請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体を含むことを特徴とする発光素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体を含有してなるエレクトロルミネッセンス発光素子。
- 請求項5又は6に記載の発光素子を光源として有する画像表示装置。
- 請求項5又は6に記載の発光素子を光源として有する照明装置。
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