JP2006045429A - 水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、下記一般式(I)で表される水溶性高分子多糖類(A)と、該水溶性高分子多糖類以外の水溶性高分子多糖類(B)から選ばれる少なくとも1種とを含有してなることを特徴とする水性インキ組成物。及びそれを充填した水性ボールペンを提供する。
【化1】
〔上記式(I)中、Mは、ナトリウム、カリウム及び1/2カルシウムから選ばれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、nは102〜1010である。〕
【選択図】 なし
Description
(1) 少なくとも、下記一般式(I)で表される水溶性高分子多糖類(A)と、該水溶性高分子多糖類以外の水溶性高分子多糖類(B)から選ばれる少なくとも1種とを含有してなることを特徴とする水性インキ組成物。
(2) 水溶性高分子多糖類(A)と、水溶性高分子多糖類(B)との合計含有量が水性インキ組成物全量に対して、0.01〜1.0重量%である上記(1)記載の水性インキ組成物。
(3) 水溶性高分子多糖類(A)と、水溶性高分子多糖類(B)の含有比率(A)/(B)が、重量比で0.02〜50である上記(1)又は(2)記載の水性インキ組成物。
(4) 水溶性高分子多糖類(B)が、キサンタンガム、グァーガム、ウェランガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、カラギーナン、ラムザンガム、サクシノグリカン、ペクチン、アルギン酸誘導体である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水性インキ組成物。
(5) 上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水性インキ組成物をインキ収容管に充填してなることを特徴とする水性ボールペン。
本発明の水性インキ組成物は、少なくとも、下記一般式(I)で表される水溶性高分子多糖類(A)と、該水溶性高分子多糖類以外の水溶性高分子多糖類(B)から選ばれる少なくとも1種とを含有してなることを特徴とするものである。
このダイユータンガムは、水性インキ組成物へ使用した場合は、従来の水溶性高分子多糖類であるキサンタンガム、ウェランガム等の単独使用や併用よりも優れた効果を発揮するものであるが、本発明ではこの水溶性高分子多糖類(A)と、該水溶性高分子多糖類以外の水溶性高分子多糖類(B)から選ばれる少なくとも1種とを併用することを必須とするものである。
具体的に用いることができる水溶性高分子多糖類(A)としては、例えば、Kelcocrete200(三晶社製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
好ましい水溶性高分子多糖類(B)としては、本発明の更なる効果を発揮せしめる点から、キサンタンガム、グァーガム、ウェランガム、ローカストビーンガム、サクシノグリカンの使用が望ましい。
具体的に用いることができる水溶性高分子多糖類(B)としては、キサンタンガムでは市販のK9A48、ケルザン(以上、三晶社製)、エコーガムRD(大日本製薬社製)、グァーガムでは市販のMEYPRO−GAT(三晶社製)、ウェランガムでは市販のK1A96(三晶社製)、ローカストビーンガムでは市販のメイプロディン200(三晶社製)、アラビアガムでは、市販のアラビアガムA(伊那食品工業社製)、カラギーナンでは、市販のゲニューゲルCJ(三晶社製)、ラムザンガムでは、市販のK7C233(三晶社製),サクシノグリカンでは、市販のレオザン(三晶社製)、ペクチンでは、市販のSLENDID type100、GENU pectin type BETA(以上、三晶社製)、アルギン酸誘導体では、市販のケルギン(三晶社製)などを挙げることができる。
この合計含有量が0.01%未満である場合には、ペン先を下向きにした場合、インキが漏れ出す、いわゆるインキの直流現象が見られ、一方、1.0%を超えると、ペン先からのインキの流出が不十分となり、好ましくない。
この含有比率(A)/(B)が0.02未満であると、着色剤の分散安定化を更に長期間に亘り維持するのが難しく、一方、含有比率(A)/(B)が50を超えると、ダイユータンガムの特徴が顕著となり低温あるいは高温貯蔵の経時で粘度が若干上昇し、インキの吐出がやや渋くなる。
下記表1及び表2に示される各原料を使用した配合組成により実施例、参考例及び比較例の各水性インキ組成物(全量100%)を調製した。
各試料インキは、上記高分子多糖類(A)、水溶性高分子多糖類(B)を攪拌しつつ水中に加え、均一に溶解後、着色剤、水溶性有機溶剤などを加えて均一に溶解または分散させるなどして調製した。下記表1に、実施例〔高分子多糖類(A)、水溶性高分子多糖類(B)の併用〕、参考例(高分子多糖類(A)単独使用)のインキ組成を示し、下記表2に比較例〔水溶性高分子多糖類(B)の単独、併用〕のインキ組成を示す。
これらの試験結果を下記表1及び表2に示す。
初期(水性ボールペン作製直後)、60℃で2ヶ月放置後、25℃で12ヶ月放置後、及び0℃で2ヶ月放置後、市販のコピー用紙に、直径2cmの螺旋筆記を30周行い、描線を目視にて下記評価基準で評価した。なお、○´以上を合格品とした。
評価基準:
◎:最適な筆記可能。
○:良好に筆記可能。
○´:実使用上差し支えない筆記状態。
△:筆記可能であるが描線に5周以上20周未満のカスレを生ずる。
△△:筆記可能であるが描線に20周以上のカスレを生ずる。
×:筆記不能
E型粘度計(100rpm/25℃、トキメック社製)により、初期の粘度値と、60℃で2ヶ月放置後、25℃で12ヶ月放置後、及び0℃で2ヶ月放置後の各粘度値を比較し、下記評価基準で評価した。なお、○以上を合格品とした。
評価基準:
◎:初期粘度に対して、各経時後の粘度が0〜20%未満。
○:初期粘度に対して、各経時後の粘度が20%以上〜40%以下。
△:初期粘度に対して、各経時後の粘度が40%超過〜60%以下。
△△:初期粘度に対して、各経時後の粘度が60%超過〜80%以下。
×:初期粘度に対して、各経時後の粘度が80%超過。
初期、60℃で2ヶ月放置後、25℃で12ヶ月放置後、及び0℃で2ヶ月放置後の各インキについて、目視で下記評価基準で評価した。なお、○以上を合格品とした。
評価基準:
○:層分離が発生しておらず、均一な状態を保っている。
△:層分離が観察され、上層と下層の高さの比率が1/20未満。
×:層分離が観察され、上層と下層の高さの比率が1/20以上。
1)Kelcocrete200(三晶社製、平均分子量105〜1013程度)
2)ケルザン(三晶社製)
3)MEYPRO−GAT(三晶社製)
4)K1A96(三晶株式会社製)
5)メイプロディン200(三晶社製)
6)GENU pectin type BETA(三晶社製)
7)レオザン(三晶社製)
8)カーボンブラックMA−100(三菱化学社製)
9)WATER REDI(オリエント化学工業社製)
10)ラブコロールMタイプ(大日精化工業社製)
11)RB−410(東邦化学株式会社製)
12)ジョンクリルJ62(ジョンソンポリマー社製)
13)ジョンクリル7001(ジョンソンポリマー社製)
14)トラガントガム(五協産業社製)
15)ケルギン(三晶社製)
これに対して、参考例、比較例を見ると、参考例1は、ダイユータンガムの単独使用の水性インキ組成物であり、この参考例1は、比較例1〜7のキサンタンガム、ウェランガム等の単独使用や併用よりも効果を発揮するものであるが、実施例1〜10と較べると、その効果は劣ることが判った。
これらの結果を総合すると、本発明の水性インキ組成物は、経時後も水性インキ組成物が不均一になることがなく、常温(25℃)はもとより、低温(0℃)あるいは高温(60℃)貯蔵後も、インキの分散系を安定に保ち、粘度の変化もほとんどなく、初期の状態と同様な筆記感を得ることができると共に、長期貯蔵安定性に優れることが判った。
Claims (5)
- 水溶性高分子多糖類(A)と、水溶性高分子多糖類(B)との合計含有量が水性インキ組成物全量に対して、0.01〜1.0重量%である請求項1記載の水性インキ組成物。
- 水溶性高分子多糖類(A)と、水溶性高分子多糖類(B)の含有比率(A)/(B)が、重量比で0.02〜50である請求項1又は2記載の水性インキ組成物。
- 水溶性高分子多糖類(B)が、キサンタンガム、グァーガム、ウェランガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、カラギーナン、ラムザンガム、サクシノグリカン、ペクチン、アルギン酸誘導体である請求項1〜3の何れか一つに記載の水性インキ組成物。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の水性インキ組成物をインキ収容管に充填してなることを特徴とする水性ボールペン。
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