JP2006045386A - 制電性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電防止効果の持続性に優れた非晶性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 a)ガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、b)エチレンオキシド単位40〜95モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位5〜60モル%からなるオキシラン共重合体を5〜40重量部含むことを特徴とする制電性ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 a)ガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、b)エチレンオキシド単位40〜95モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位5〜60モル%からなるオキシラン共重合体を5〜40重量部含むことを特徴とする制電性ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、帯電防止性を有する非晶性ポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエステル系樹脂の一種である非晶性ポリエステル樹脂は、透明性に優れ、高い機械的強度を有し、成形性も良好であることから、近年、比較的新しい樹脂材料として、あるいはPVCの代替材料として注目を集めており、医療機器部品のパッケージ、機器の保護カバーやディスプレイ用シート、食品容器、液体用ボトル、ラベル用フィルム、玩具、家電機器部品、看板などの広範な分野で使用され始めている。
しかしながら、非晶性ポリエステル樹脂は電気絶縁性が高いため、摩擦などによって容易に帯電し、塵埃を吸着して外観を損ねるばかりか、精密電子機器の誤作動などの静電気障害を招く危険性が指摘されている。
一般的に電気絶縁性の高いプラスチック材料の帯電を防止する手段として、比較的低分子量の界面活性剤(帯電防止剤)をプラスチック中に練り込むか、あるいは成形品表面に塗布し、プラスチック材料の表面抵抗を低下させて対応してきたが、この方法では水洗いによって帯電防止性を失ったり、あるいは帯電防止剤が成形品表面にブリードしてべトつきの原因となるといった問題点がある。
このような問題点を解消するために、ポリエーテルやポリエーテルエステルアミドなどの高分子量の帯電防止剤をプラスチック材料に練り込む方法が提案され、ABS樹脂やPVC樹脂などでは一定の成果が得られている。
高分子量のポリエーテル系帯電防止剤を用いて、ポリエステル樹脂の帯電を防止する手段としては、例えばエピハロヒドリン系ポリマーをプラスチック材料に添加する方法が提案されており(特許文献1参照)、本先行例の中でプラスチック材料の一種として、ポリエステル樹脂でも帯電防止効果が得られることが示唆されている。
特開昭62−25164号公報
しかしながら、本先行例において示唆されているポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステル樹脂であって、特定組成のオキシラン共重合体が、非晶性のポリエステル樹脂に適する帯電防止剤として作用し得ることについては記載も示唆もなされていない。
本発明の目的は、その優れた機械的性質や良好な加工性から、近年、注目を集め、広範な分野で利用され始めている非晶性ポリエステル樹脂の上記のような問題点を解消し、帯電防止効果の持続性に優れた非晶性ポリエステル樹脂組成物を提供しようとするところにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねたところ、エチレンオキシドと、これと共重合可能なオキシラン単量体とを共重合せしめた特定組成のオキシラン共重合体が、これを非晶性ポリエステル樹脂に含ませることにより、非晶性ポリエステル樹脂に、持続性に優れた帯電防止能を付与せしめ得ることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明はすなわち、a)ガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、b)エチレンオキシド単位40〜95モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位5〜60モル%からなるオキシラン共重合体を5〜40重量部含むことを特徴とする制電性ポリエステル樹脂組成物である。
高分子量の帯電防止剤を樹脂材料に練り込んだ制電性樹脂組成物の帯電防止性能、およびその持続性は、樹脂と帯電防止剤との相容性に大きく依存し、樹脂と帯電防止剤との相容性が悪すぎる場合には、帯電防止剤が樹脂成形品表面に層を形成して、水洗による帯電防止剤の喪失や、帯電防止剤の剥離、水濡れによる樹脂の白化などの諸問題を招く。また、相容性が良すぎる場合は帯電防止剤が樹脂成形品の表面近傍に集まらないため、樹脂表面の電気抵抗が低下せず、結果として優れた帯電防止性能が得られない。本発明の制電性ポリエステル樹脂組成物は、上述のように、非晶性ポリエステル樹脂に特定組成のオキシラン共重合体を帯電防止剤として適用したところに特徴がある。すなわち、エチレンオキシド単位が40〜95モル%の範囲内にあるオキシラン共重合体が、非晶性ポリエステル樹脂と適当な相容性を示すという知見を得るに到り、非晶性ポリエステル樹脂にこのようなオキシラン共重合体を配合することにより、持続性に優れた帯電防止性を有する本発明の制電性ポリエステル樹脂組成物が得られたものである。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本発明において用いられる非晶性ポリエステル樹脂の非晶性とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて−100℃〜300℃まで10℃/分の昇温速度で昇温した際に、結晶の融解による明確な融解ピークを持たないことを意味しており、また、同様に測定したガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂が本発明においては適用される。このような非晶性ポリエステルは、ジカルボン酸成分、およびグリコール成分より構成されたものであり、例えば、主成分であるテレフタル酸成分、及びエチレングリコール成分と共に、他のジカルボン酸成分、および/または他のジオール成分が、少量成分として共重合された非晶性のポリエステルが挙げられる。
本発明において用いられる非晶性ポリエステル樹脂の非晶性とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて−100℃〜300℃まで10℃/分の昇温速度で昇温した際に、結晶の融解による明確な融解ピークを持たないことを意味しており、また、同様に測定したガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂が本発明においては適用される。このような非晶性ポリエステルは、ジカルボン酸成分、およびグリコール成分より構成されたものであり、例えば、主成分であるテレフタル酸成分、及びエチレングリコール成分と共に、他のジカルボン酸成分、および/または他のジオール成分が、少量成分として共重合された非晶性のポリエステルが挙げられる。
更に具体的な非晶性ポリエステル樹脂の例としては、例えばテレフタル酸、エチレングリコール、およびテレフタル酸以外のジカルボン酸成分を共重合してなるポリエステル樹脂、テレフタル酸、エチレングリコール、およびエチレングリコール以外のグリコール成分を共重合してなるポリエステル樹脂、テレフタル酸、エチレングリコール、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分、およびエチレングリコール以外のグリコール成分を共重合してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。また、これらポリエステル樹脂の2種以上の併用は任意である。
なお、テレフタル酸以外のジカルボン酸の例としては、例えばイソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、エチレングリコール以外のグリコールとしては、例えばプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
本発明において用いられるエチレンオキシド、およびこれと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン化合物の共重合体(以下ポリエーテル共重合体と略称する)の分子量としては、相容性の観点、すなわち帯電防止性能の観点から、JIS K 6300−1に記載の100℃で測定したムーニー粘度(ML1+4)が10〜200、好ましくは20〜100の範囲内である。このような高分子量のポリエーテル共重合体の製造は、触媒としてオキシラン化合物を開環重合させ得るものを使用し、温度−20〜100℃の範囲で溶液重合法、スラリー重合法などにより実施できる。このような触媒としては、例えば有機アルミニウムを主体としこれに水やリンのオキソ酸化合物やアセチルアセトンなどを反応させた触媒系、有機亜鉛を主体としこれに水を反応させた触媒系、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系などが挙げられる。例えば本出願人による米国特許第3,773,694号明細書に記載の有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系を使用して本発明のポリエーテル共重合体を製造することができる。
本発明におけるオキシラン単量体を共重合する際の共重合割合は、エチレンオキシド単位が40〜95モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単位が5〜60モル%の範囲内、さらに好ましくはエチレンオキシド単位60〜90モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位10〜40モル%の範囲内にある。
エチレンオキシド単位が95モル%を超えるとエチレンオキシド単位の結晶化により十分な帯電防止性能が得られず、さらに、非晶性ポリエステル樹脂との相容性の低下により、組成物の水濡れ白化などの諸問題を招く。また、エチレンオキシド単位が40モル%未満では非晶性ポリエステル樹脂との相容性が良くなり過ぎ、結果として十分な帯電防止性が得られない。
本発明のポリエーテル共重合体の製造に用いられるエチレンオキシド以外のオキシラン化合物としては、エチレンオキシドと共重合が可能であればいかなるものでも用いることがでる。例としてはプロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド類、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリン類、スチレンオキシドなどを挙げることができ、これらは2種以上を併用しても良い。本発明において好ましく用いられるエチレンオキシド以外のオキシラン化合物は、非晶性ポリエステル樹脂との相容性の観点から、エピクロルヒドリンである。なお、分子内にエチレン性不飽和結合を有するオキシラン化合物を用いると、得られるポリエステル組成物の成形品表面の光沢が損なわれる可能性がある。
このようにして得られた非晶性ポリエステル樹脂とポリエーテル共重合体との配合割合は、非晶性ポリエステル樹脂の100重量部に対し、ポリエーテル共重合体が5〜40重量部の範囲内にある。ポリエーテル共重合体の配合割合が5重量部未満では十分な帯電防止性能が得られず、また、40重量部を超えると非晶性ポリエステル樹脂の機械的性質を著しく低下させる。特に好ましいポリエーテル共重合体の配合割合は10〜20重量部の範囲内である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、当該技術分野で通常用いられている上記以外の配合剤、例えば、滑剤、充填剤、補強剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、顔料、粘着付与剤、衝撃吸収剤、結晶核剤などを必要に応じて任意に配合できる。さらに、プラスチック材料に通常用いられている比較的低分子量の界面活性剤(帯電防止剤)を、これが成形品表面にブリードして製品価値を落とさない程度に併用すれば、より優れた帯電防止性能が得られる。また、当該技術分野で通常行われている、アクリレートエラストマー、ウレタンエラストマーなどのエラストマーや、ポリオレフィン、AS樹脂、ABS樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などの樹脂とブレンドを行うことも可能である。
上記非晶性ポリエステル樹脂、上記ポリエーテル共重合体を用いて本発明による樹脂組成物を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類、混練押し出し機等を用いて非晶性ポリエステル樹脂、ポリエーテル共重合体、および他の配合剤を混合することにより得られる。混合時の温度は用いる非晶性ポリエステル樹脂によって適宜設定されるが、通常は温度100〜280℃、好ましくは150〜240℃の範囲内にある。また、ポリエーテル共重合体とAS樹脂、ABS樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などの樹脂とのマスターバッチ(例えばポリエーテル共重合体60〜80重量部、樹脂20〜40重量部)を予め作成しておいてから、このマスターバッチと非晶性ポリエステル樹脂を上記混合手段を用いて混合することも可能である。得られた樹脂組成物は射出成形、押出成形、カレンダー成形など、通常プラスチックに用いられている成形手段で成形することができる。成形時の温度は用いる非晶性ポリエステル樹脂によって適宜設定されるが、通常は温度100〜280℃、好ましくは150〜240℃の範囲内にある。
このようにして得られた本発明による制電性ポリエステル樹脂組成物は、以上のように構成されており、その優れた帯電防止性能から、非晶性ポリエステル樹脂が用いられている広範な分野の中でも、特に帯電防止性が要求される分野における利用が期待される。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
重合用触媒の製造
攪拌機、温度計、およびコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、およびトリブチルフォスフェート35gを投入し、窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降これを重合用触媒として使用した。
攪拌機、温度計、およびコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、およびトリブチルフォスフェート35gを投入し、窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降これを重合用触媒として使用した。
重合体の分析
参考1で得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、フラスコ燃焼法で測定した塩素含有量より算出した。また、参考2で得られたポリエーテル共重合体の共重合組成はH−NMRスペクトルより求めた。ポリエーテル共重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300に記載の方法に従い、Lローターを用いて100℃で測定を行った。
参考1で得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、フラスコ燃焼法で測定した塩素含有量より算出した。また、参考2で得られたポリエーテル共重合体の共重合組成はH−NMRスペクトルより求めた。ポリエーテル共重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300に記載の方法に従い、Lローターを用いて100℃で測定を行った。
(参考例1)
内容量20Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒12g、エピクロルヒドリン578g、および溶媒としてノルマルヘキサン7121gを仕込み、エチレンオキシド2474gはエピクロルヒドリンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を30℃に維持したまま8時間後に水10gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体2955gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド単位90モル%、エピクロルヒドリン単位10モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は65であった。
内容量20Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒12g、エピクロルヒドリン578g、および溶媒としてノルマルヘキサン7121gを仕込み、エチレンオキシド2474gはエピクロルヒドリンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を30℃に維持したまま8時間後に水10gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体2955gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド単位90モル%、エピクロルヒドリン単位10モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は65であった。
(参考例2)
重合時の仕込み量を、縮合物触媒10g、フェニルグリシジルエーテル563g、エチレンオキシド935g、およびノルマルヘキサン5990gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体1449gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、フェニルグリシジルエーテル単位15モル%、エチレンオキシド単位モル85%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は58であった。
重合時の仕込み量を、縮合物触媒10g、フェニルグリシジルエーテル563g、エチレンオキシド935g、およびノルマルヘキサン5990gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体1449gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、フェニルグリシジルエーテル単位15モル%、エチレンオキシド単位モル85%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は58であった。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
性能試験用ポリエステル樹脂組成物の作成に用いた配合材料
ポリエステル組成物の作成に用いた配合剤は以下の通りである。
非晶性ポリエステル樹脂:「イースター コポリエステル6763」、イーストマンケミカル社製
ポリエーテル1:「エピクロマーC」、ダイソー株式会社製 エチレンオキシド50モル%、エピクロルヒドリン50モル%共重合体
ポリエーテル2:「エピクロマーD」、ダイソー株式会社製 エチレンオキシド61モル%、エピクロルヒドリン39モル%共重合体
ポリエーテル3:参考例1で作成 エチレンオキシド90モル%、エピクロルヒドリン10モル%共重合体
ポリエーテル4:参考例2で作成 エチレンオキシド85モル%、フェニルグリシジルエーテル15モル%共重合体
ポリエーテル5:「エピクロマーH」、ダイソー株式会社製 エピクロルヒドリン単独重合体
ポリエーテル6:「PEO−3」、住友精化株式会社製 エチレンオキシド単独重合体
性能試験用ポリエステル樹脂組成物の作成に用いた配合材料
ポリエステル組成物の作成に用いた配合剤は以下の通りである。
非晶性ポリエステル樹脂:「イースター コポリエステル6763」、イーストマンケミカル社製
ポリエーテル1:「エピクロマーC」、ダイソー株式会社製 エチレンオキシド50モル%、エピクロルヒドリン50モル%共重合体
ポリエーテル2:「エピクロマーD」、ダイソー株式会社製 エチレンオキシド61モル%、エピクロルヒドリン39モル%共重合体
ポリエーテル3:参考例1で作成 エチレンオキシド90モル%、エピクロルヒドリン10モル%共重合体
ポリエーテル4:参考例2で作成 エチレンオキシド85モル%、フェニルグリシジルエーテル15モル%共重合体
ポリエーテル5:「エピクロマーH」、ダイソー株式会社製 エピクロルヒドリン単独重合体
ポリエーテル6:「PEO−3」、住友精化株式会社製 エチレンオキシド単独重合体
性能試験用成形品の作成手順
表面温度160℃に設定した8インチ2本ロールで、非晶性ポリエステル樹脂、および表1に記載のポリエーテル共重合体を表1に示した配合割合で混練してロールシート状の非晶性ポリエステル樹脂組成物を得た。次いでこのロールシートをペレタイザーを用いて粉砕することによりペレット状の非晶性ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたペレットは65℃で4時間乾燥を行った後に、バレル温度230℃、ノズル温度220℃、金型温度40℃に設定した射出成形機を用いて射出成形することにより、95mm×105mm×2mmの板状試験片を得た。なお、比較例1については市販されているペレットをそのまま射出成形に供した。
表面温度160℃に設定した8インチ2本ロールで、非晶性ポリエステル樹脂、および表1に記載のポリエーテル共重合体を表1に示した配合割合で混練してロールシート状の非晶性ポリエステル樹脂組成物を得た。次いでこのロールシートをペレタイザーを用いて粉砕することによりペレット状の非晶性ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたペレットは65℃で4時間乾燥を行った後に、バレル温度230℃、ノズル温度220℃、金型温度40℃に設定した射出成形機を用いて射出成形することにより、95mm×105mm×2mmの板状試験片を得た。なお、比較例1については市販されているペレットをそのまま射出成形に供した。
性能試験
上述の方法で得られた各試験片に対し表面抵抗率の測定を行った。測定は温度23℃、および湿度50%RH下でヒューレットパッカード社製の絶縁抵抗計4329Aを用い、試験片に500Vの電圧を印加し、1分後の抵抗値から表面抵抗率を算出した。試験結果を表1に示す。
上述の方法で得られた各試験片に対し表面抵抗率の測定を行った。測定は温度23℃、および湿度50%RH下でヒューレットパッカード社製の絶縁抵抗計4329Aを用い、試験片に500Vの電圧を印加し、1分後の抵抗値から表面抵抗率を算出した。試験結果を表1に示す。
実施例、および比較例で得られた非晶性ポリエステル樹脂組成物の評価は次の通りである。表2中、実施例1〜6の組成物は、非晶性ポリエステル樹脂をそのまま用いた比較例1よりも低い表面抵抗率を示しており、帯電防止性能を有していることが判る。
また、エチレンオキシド単位を含まないポリエーテル重合体を用いた比較例2の組成物では表面抵抗率が低下しておらず、更に、ポリエチレンオキシドを用いた比較例3の組成物においても表面抵抗率の低下は十分ではない。
本発明の制電性ポリエステル樹脂組成物は以上のように構成されており、優れた帯電防止性能を有している。従って、非晶性ポリエステル樹脂が用いられている広範な分野の中でも、特に帯電防止性が要求される分野における利用が期待される。
Claims (4)
- a)ガラス転移温度が50℃〜120℃の範囲内にある非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、b)エチレンオキシド単位40〜95モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位5〜60モル%からなるオキシラン共重合体を5〜40重量部含むことを特徴とする制電性ポリエステル樹脂組成物。
- オキシラン共重合体の共重合割合が、エチレンオキシド単位60〜90モル%、エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体単位10〜40モル%の範囲内にある請求項1に記載の制電性ポリエステル樹脂組成物。
- エチレンオキシドと共重合可能なエチレンオキシド以外のオキシラン単量体がエピクロルヒドリンである請求項1または2に記載の制電性ポリエステル樹脂組成物。
- オキシラン共重合体の配合割合が、非晶性ポリエステル樹脂の100重量部に対し、10〜20重量部の範囲内にある請求項1から3のいずれかに記載の制電性ポリエステル樹脂組成物。
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