JP2006045245A - シアノ化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
R1は、OHまたはそのエーテルもしくはエステルであり、
Xは、YR2、ハロゲン、ニトロ、NR4R5またはホルミルアミンであり、
Yは、OまたはS(O)mであり(ここで、mは、0、1または2である)、
R2は、メチルまたはエチルであり(ここで、メチルまたはエチルは、いずれも、所望により1個以上のハロゲンによって置換されていてもよい)、
R3は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、CH2NHC(O)C(O)NH2、ハロ置換C1−4アルキル、−CH=CHR8’R8’、所望によりR8’によって置換されていてもよいシクロプロピル、CN、OR8、CH2OR8、NR8R10、CH2NR8R10、C(Z’)H、C(O)OR8、C(O)NR8R10、または−C≡CR8’であり、
R4およびR5は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり、
R7は、−(CR4R5)qR12またはC1−6アルキルであり(ここで、R12またはC1−6アルキル基は、所望により、−F、−Br、−Cl、−NO2、−NR10R11、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−OR8、−CN、−C(=O)NR10R11、−OC(=O)NR10R11、−OC(=O)R8、−NR10C(=O)NR10R11、−NR10C(=O)R11、−NR10C(=O)OR9、−NR10C(=O)R13、−C(=NR10)NR10R11、−C(=N−CN)NR10R11、−C(=N−CN)SR9、−NR10C(=N−CN)NR10R11、−NR10S(=O)2R9、−S(O)m’R9、−NR10C(=O)C(=O)NR10R11、−NR10C(=O)C(=O)R10、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルから選択される1〜3個の基によって所望により置換されていてもよいC1−2アルキルによって1以上置換されていてもよい)、
R8は、−HまたはR9であり、
R8’は、R8またはフッ素であり、
R9は、所望により1〜3個の−Fによって置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
R10は、OR8、水素、または所望により1〜3個のフッ素によって置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
R11は、−Hまたは所望により1〜3個の−Fによって置換されていてもよいC1−4アルキルであるか、または、R10およびR11がNR10R11としてである場合、それらは、窒素原子と一緒になって、所望によりO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R12は、C3−7シクロアルキル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、フラニル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、キノリニル、ナフチルまたはフェニルであり、
R13は、オキサゾリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルまたはチアジアゾリルから選択される複素環式環であり、ここで、R13は、複素環式環の炭素原子を介して式(I)で示される化合物に結合されており、各複素環式環は、非置換であるか、または、1もしくは2個のC1−2アルキル基によって置換されていてもよく、
R14は、HまたはR7であるか、または、R10およびR14がNR10R14としてである場合、それらは、窒素原子と一緒になって、所望によりO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく、
m’は、0、1または2であり、
qは、0、1または2であり、
Y’は、OまたはSであり、
Zは、C(=Y’)R14、C(=O)OR14、C(=Y’)NR10R14、C(=NR10)NR10R14、CN、C(=NOR8)R14、C(=O)NR8NR8C(=O)R8、C(=O)NR8NR10R14、C(=NOR14)R8、C(=NR8)NR10R14、C(=NR14)NR8R8、C(=N−CN)NR10R14、C(=N−CN)SR9、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、4−トリアゾリル[1,2,3]、5−トリアゾリル[1,2,3]、3−トリアゾリル[1,2,4]、5−トリアゾリル[1,2,4]、5−テトラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−オキサジアゾリル[1,2,4]、5−オキサジアゾリル[1,2,4]、2−オキサゾリル[1,3,4]、2−チアジアゾリル[1,3,4]、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニルまたは5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、または5−イミダゾリジニルであり、ここで、複素環式環系の全ては、所望によりR14によって1以上置換されていてもよく、
Z’は、O、NR9、NOR8、NCN、C(−CN)2、CR8CN、CR8NO2、CR8C(O)OR8、CR8C(O)NR8R8、C(−CN)NO2、C(−CN)C(O)OR9、またはC(−CN)C(O)NR8R8である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本明細書で用いる場合、以下の用語および表現は、所定の意味を有する。
「アリール」または「アラルキル」は、特記しない限り、フェニル、ベンジル、フェネチルまたはナフチルなどの炭素原子6〜10個の芳香族環または環系を意味する。アルキル鎖は、炭素原子1〜4個の直鎖または分枝鎖の両方の基が含まれることを意味する。
a)限定されないが単球またはマクロファージを含む全ての細胞によるIL−1のイン・ビボ放出の阻害による、ヒトにおける過剰なイン・ビボIL−1またはTNFレベルの、正常なレベル以下への低下、
b)翻訳レベルまたは転写レベルでの、ヒトにおける過剰なイン・ビボIL−1またはTNFレベルの、正常なレベル以下への下方調節、または
c)翻訳後レベルとしてのIL−1またはTNFレベルの直接的な合成の阻害よる下方調節
を意味する。
本発明の好ましい化合物は、R1がOHまたは−OCOHであり、XがYR2であり、特にここで、YがOであり、R2が1個以上のハロゲンによって置換されているメチルであり、R3がCNまたは−C≡CHであり、Zが−C(O)OHなどのカルボン酸誘導体、その塩、またはC(=Y’)R14、C(=O)OR14、C(=Y’)NR10R14、C(=NR10)NR10R14などのエステルもしくはアミド誘導体である化合物である。さらに、R3基が軸結合であり、Z基が赤道結合であるのが好ましい。
シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸};
シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ホルミルオキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸}、および
シス−{4−シアノ−4−[3−(トランス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸}
である。
式(I)で示される化合物の製造は、以下の反応スキームに概略記載する方法および実施例に示される特定の化学物質に従って当業者によって行うことができる。該スキームおよび実施例は、シス/シス異性体の製造を説明するが、化合物4の処理における名目上の変化により、同一の化学物質セットによってシス/トランス異性体も製造することができる;化合物4を鹸化することにより、シス/トランス化合物、すなわち、シス−{4−シアノ−4−[3−(トランス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸}または式Iによって定義される対応する化合物が得られる。本明細書に記載されない式(I)で示される残りの化合物の製造は、下記スキームからなる本明細書に記載の方法と類似の方法によって製造することができる:
シス−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]の製造
1(a) (3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)アセトニトリル
3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(20g、90.8mmol)のアセトニトリル(100mL)中溶液に臭化リチウム(15g、173mmol)を添加し、次いで、塩化トリメチルシリル(17.4mL、137mmol)を滴下した。15分後、反応混合物を0℃に冷却し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(26.7mL、151mmol)を滴下し、得られた混合物を室温に加温した。3時間撹拌した後、該混合物は、二層に分かれた。下層を取り出し、塩化メチレンで希釈し、セライト(CeliteR(登録商標))を介して濾過した。減圧下、濾液を濃縮し、塩化メチレンに溶解させ、再度濾過した。溶媒を真空除去して、淡い褐色の油状物を得た。アルゴン雰囲気下の、この粗製ブロモ−3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシトルエンのジメチルホルムアミド(160mL)中溶液にシアン化ナトリウム(10.1g、206mmol)を添加し、得られた混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、冷水(600mL)中に注ぎ、エーテルで3回抽出した。有機抽出物を水で3回、食塩水で1回洗浄し、次いで、乾燥させた(K2CO3)。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)に付して精製して、オフホワイト色の固体を得た(融点32〜34℃);わずかに不純な物質のさらなる量を単離した。
アルゴン雰囲気下の、(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)アセトニトリル(7g、30.3mmol)のアセトニトリル(200mL)中溶液にトリトン−Bのメタノール(1.4mL、3.03mmol)中40%溶液を添加し、該混合物を加熱還流した。アクリル酸メチル(27mL、303mmol)を注意して添加し、該反応混合物を還流させながら5時間維持し、次いで、冷却した。該混合物をエーテルで希釈し、1N塩酸で1回および食塩水で1回洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空除去した。固体残留物を5%エタノール/ヘキサンと一緒に粉砕して、白色固体(融点81−82℃)を得た;濾液からさらなる量を得た。元素分析(C22H29NO6):理論値:C,65.49;H,7.25;N,3.47、測定値:C,65.47;H,7.11;N,3.49。
窒素雰囲気下の、ナトリウムメトキシド(350mL、1.55mol、メタノール中25%w/w)の80℃に加熱したトルエン(2.45L)中懸濁液に4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピメリン酸ジメチル(350.0g、0.87mol)のトルエン(1.05L)中溶液を10分間かけて添加した。該反応を85℃に加熱して、溶媒250mLを留去し、窒素下で2時間、強く撹拌した。該反応を50℃に冷却し、3NのHCl水溶液(700mL、2.1mol)でクエンチした。有機層を単離し、脱イオン水(700mL)で1回および食塩水(700mL)で1回洗浄した。有機層を低真空蒸留によって濃縮して、トルエン中の粗製2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンを得た。これをジメチルスルホキシド4.2Lに溶解させ、次工程で用いた。
塩化ナトリウム(315g、5.39mol)および脱イオン水(315mL)の懸濁液に、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン(323g、0.87mol)のジメチルスルホキシド(4.2L)溶液を添加し、得られた懸濁液を155℃に1.75時間加熱した。該反応を40℃に冷却し、氷水(2℃)8L中にクエンチし、酢酸エチル(3.5L)で抽出した。水性層を単離し、酢酸エチル2.5Lで再抽出した。合わせた有機抽出物(6L)を脱イオン水(2×1L)で2回、食塩水(1L)で1回洗浄した。有機層を単離し、真空濃縮して、残留物を得た。この残留物を還流イソプロパノール(500mL)に溶解させ、0℃に冷却し、この温度で1時間保持した。結晶を濾過によって単離し、イソプロパノール(0℃)250mLで洗浄し、真空オーブン(20インチで45℃)中で乾燥させて、4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンを得た。融点111−112℃;元素分析(C19H23NO3):理論値:C,72.82;H,7.40;N,4.47、測定値:C,72.72;H,7.39;N,4.48。
アルゴン雰囲気下で0℃の、2−トリメチシリル−1,3−ジチアン(9.25mL、48.7mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(80mL)中溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、19.2mL、48mmol)を迅速に添加した。10分後、該混合物を−78℃に冷却し、4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン(7.53g、23mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)中溶液を添加した。10分後、塩化ナトリウム水溶液を添加し、該混合物を室温に加温し、水で希釈した。この混合物を、ケトン(3.04g、6.01および6.1g、合計48.3mmol)について行われた3つの実質的に同様の反応物と合わせ、合わせた混合物を塩化メチレンで3回抽出し、該抽出物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、白色固体を得た。融点115−116℃。
窒素下の、2−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキシリデン]−1,3−ジチアン(140.0g、0.34mol)のアセトニトリル(500mL)および脱イオン水(140mL)中懸濁液に、トリフルオロ酢酸(136g、1.19mol)を添加した。該懸濁液を65℃に1.25時間加熱し、次いで、20%水酸化ナトリウム(420g、2.1mol)を添加した。該溶液を70〜75℃でさらに1.25時間加熱し、45℃に冷却し、脱イオン水(420mL)を添加し、次いで、3N HCl水溶液(392mL、1.18mol)を添加した。該懸濁液を5℃に冷却し、1時間保持した。該懸濁液を濾過し、冷たい(5℃)脱イオン水(200mL)で洗浄し、真空オーブン(20インチで40℃)中で乾燥させて、粗製のシス−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]を得た。この物質が98.5%でアッセイされ、シス−トランス異性体の98.8:1.2混合物であることが判明し、残存1,3−プロパンジチオールの0.1%で汚染されていた。この物質を、以下のとおり酸化処理によって精製した。
粗製シス−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸](85g、0.247mol)のアセトニトリル(425mL)中熱溶液(65℃)に1M水酸化ナトリウム(425mL、0.425mol)を添加した。該溶液(60℃)に次亜塩素酸カルシウム4.25gを添加し、該懸濁液を強く2時間撹拌した。該反応を濃縮して、溶媒320mLを留去し、次いで、酢酸エチル(425mL)を添加した。該反応を再度濃縮して、溶媒445mLを留去し、55℃に冷却し、次いで、酢酸エチル(1.0L)および6N HCl水溶液(100mL)を添加した。有機層を単離し、脱イオン水(3×300mL)で3回洗浄し、濾過し、濃縮して、溶媒530mLを留去した。溶媒750mLを留去しつつ、該溶液に酢酸エチル(635mL)を添加した。該溶液を65℃に冷却し、次いで、ヘキサン(340mL)を添加した。該懸濁液を5℃に冷却し、この温度で1時間保持し、濾過し、冷たい(5℃)10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)で洗浄した。固体を回収し、真空オーブン(20インチで40℃)中で乾燥させて、シス−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]を得た。この物質は、トランス異性体を含まないことが判明した。元素分析(C20H25NO4):理論値:C,69.95;H,7.34;N,4.08、測定値:C,69.90;H,7.35;N,4.02。
シス−{4−シアノ−4−[3−(トランス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−シクロヘキサン−1−カルボン酸}の製造
2(a) シス−[4−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]
−78℃でアルゴン雰囲気下の、三臭化ホウ素のジクロロメタン(0.1M、335mL、33.5mmol)中溶液に、シス−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸](4.03g、11.7mmol)のジクロロメタン(180mL)中溶液をゆっくりと添加した。該混合物を5分間撹拌し、メタノール中15%ナトリウムメトキシドをpH8〜9まで添加し、該反応をRTに加温した。水(100mL)を添加し、該混合物を3N塩酸水溶液でpH1〜2に酸性化した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4/Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。残留物をクロロホルムに2回溶解させ、該溶液を蒸発させて、白色固体を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.01(d,J=2.4Hz,1H)、6.96(d of d,J=2.4,8.5Hz,1H)、3.89(s,3H)、2.31(m,1H)、2.21(br t,J=13.6Hz,4H)、1.98(m,2H)、1.77(m,2H);融点190−193℃。
アルゴン雰囲気下の、実施例2(a)の化合物(0.70g、2.54mmol)の乾燥メタノール(20mL)に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.015g、0.08mmol)を添加し、該反応を45〜50℃で6時間撹拌した。該反応をRTに冷却し、さらに16時間撹拌した。該溶液を蒸発させ、残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して白色固体として標記化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.01(m,2H)、6.85(d,J=9.1Hz,1H)、3.90(s,3H)、3.72(s,3H)、2.35(t of t,J=3.6,12.2Hz,1H)、2.14−2.25(m,4H)、2.00(app q,J=13.4Hz,1H)、1.99(app q,J=13.4Hz,1H)、1.77(app,t,J=13.4Hz,1H)、1.76(app t,J=13.4Hz,1H);融点106−107℃。
実施例2(b)の化合物(0.69g、2.37mmol)をアルゴン雰囲気下のテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ。トリフェニルホスフィン(1.24g、4.74mmol)およびシス−1,3−シクロペンタンジオール(0.49g、4.74mmol)で処理した。アゾジカルボン酸ジエチル(0.83g、4.74mmol)を添加し、該混合物をRTで16時間撹拌した。該溶液を蒸発させ、残留物をエーテルで希釈し、白色固体を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標記化合物およびトリフェニルホスフィンオキシドの混合物を得た。該混合物をエーテルで希釈し、白色固体のトリフェニルホスフィンオキシドを濾過によって除去した。濾液を蒸発させて、粘性の無色の半固体として標記化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.07(d,J=2.4Hz,1H)、7.02(d of d,J=2.4,8.8Hz,1H)、6.87(d,J=8.8Hz,1H)、4.99(m,1H)、4.37(m,1H)、3.85(s,3H)、3.74(s,3H)、3.16(d,J=9.1Hz,1H)、2.39(m,1H)、1.88−2.25(m,12H)、1.80(br t,J=13.5Hz,2H)。
実施例2(c)の化合物(0.10g、0.27mmol)を5:5:2のテトラヒドロフラン/メタノール/水(5mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(0.035g、0.88mmol)を添加し、該混合物をRTで3時間撹拌した。該溶媒を蒸発させ、残留物を5%NaOH水溶液およびジクロロメタンに分配し、層を分離した。3N塩酸水溶液で水性層をpH3に酸性化し、クロロホルム中5%メタノールで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10:1クロロホルム/メタノール/水)によって精製して、固体を得、これをエーテル中でスラリー化せさ、濾過によって回収し、真空乾燥させて、標記化合物を得た。MS(CI/NH3)m/e 377[M+NH3]+;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.08(br s,1H)、7.03(br d,J=8.5Hz,1H)、6.88(d,J=8.5Hz,1H)、4.98(m,1H)、4.38(m,1H)、3.84
(s,1H)、2.41(m,1H)、1.77−2.29(m,16H);元素分析(C20H25NO5・0.9H2O):理論値:C,63.95;H,7.19;N,3.73、測定値:C,64.06;H,6.88;N,3.77;融点161−163℃。
シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−シクロヘキサン−1−カルボン酸}
3(a) シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ホルミルオキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−シクロヘキサン−1−カルボン酸}メチル
実施例2(c)の化合物(0.68g、1.83mmol)をアルゴン雰囲気下のテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(0.96g、3.66mmol)およびギ酸(0.17g、3.66mmol)で処理した。アゾジカルボン酸ジエチル(0.64g、3.66mmol)を添加し、該混合物をRTで16時間撹拌した。該溶液を蒸発させ、エテールを添加し、白色固体を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、65%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、透明な無色の油状物として標記化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.02(s,1H)、7.0(d of d,J=2.4,8.2Hz,1H)、6.99(d,J=2.4Hz,1H)、6.87(d,J=8.2Hz,1H)、5.48(m,1H)、4.95(m,1H)、3.84(s,3H)、3.72(s,3H)、2.31−2.40(m,2H)、2.13−2.28(m,7H)、1.96−2.06(m,3H)、1.74−1.87(m,3H)。
実施例3(a)の化合物(0.52g、1.31mmol)を5:5:2のテトラヒドロフラン/メタノール/水(20mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(0.32g、8.0mmol)を添加し、該混合物をRTで2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、水性残留物を3N塩酸水溶液でpH1〜2に酸性化した。白色固体生成物を回収し、水で洗浄し、真空乾燥させて、白色固体として標記化合物を得た。MS(CI/NH3)m/e 377[M+NH3]+;1H NMR(250MHz,CDCl3)δ:6.98(m,2H)、6.86(d,J=8.2Hz,1H)、4.97(m,1H)、4.59(m,1H)、3.85(s,3H)、1.64−2.47(m,17H);融点143−145℃。
式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を用いるためには、そのままで用いてもよいが、好ましい方法は、標準的な製薬プラクティスとの担体/希釈剤と一緒にそれを提供することである。デリバリーの選択された方法および化合物の安定性と適合する製剤が用いられる。当業者は、処方技術の分野で標準的なプラクティスに従って許容される製剤を選択し調製することができるであろう。
式(I)で示される化合物は、所望の治療活性を生じるのに充分な量で、慣用の方法に従って、かかる薬剤を標準的な医薬担体と混合することよって調製した慣用の投与形態で、経口的に(この経路によって活性である場合)、経口、静脈内、腹腔内、および筋肉内投与、局所的、非経口的、または吸入によって投与されてもよい。
局所投与に対する治療効果のために必要とされる式(I)で示される化合物の量は、もちろん、選択された化合物、症状の性質および重篤度、および治療下の動物によって変わるであろうし、最終的には、医師の裁量しだいである。
経口投与用の日用量の方針は、好適には、遊離塩基として計算して式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩約.001mg/kg〜100mg/kg、好ましくは、0.01mg/kg〜40mg/kgである。活性成分は、活性を示すのに充分に、1〜6回投与される。
実施例A
ヒト単球によるイン・ビトロTNF産生に対する式(I)で示される化合物の阻害効果
ヒト単球によるイン・ビトロTNF産生に対する式(I)で示される化合物の阻害効果は、バッジャー(Badger)ら、EPO公開された出願0 411 754 A2(1991年2月6日)およびハンナ(Hanna)、WO 90/15534(1990年12月27日)に開示されたようなプロトコールによって測定される。
エンドトキシックショックの2つのモデルを利用して、式(I)で示される化合物についてのイン・ビトロTNF活性を測定した。これらのモデルにおいて用いたプロトコールは、バッジャー(Badger)ら、EPO公開された出願0 411 754 A2(1991年2月6日)およびハンナ(Hanna)、WO 90/15534(1990年12月27日)に開示されている。
本明細書で例示した化合物は、エンドトキシン注射によって産生されたTNFの血清レベルを減少させる正のイン・ビトロ反応を示した。
PDEイソ酵素の単離
式(I)で示される化合物のホスホジエステラーゼ阻害活性および選択性は、一連の5種類のPDEイソ酵素を用いて測定することができる。種々のイソ酵素の供給源として用いた組織は、以下のとおりである:1)PDE Ib、ブタ大動脈;2)PDE Ic、モルモット心臓;3)PDE III、モルモット心臓;4)PDE IV、ヒト単球;および5)PDE V(「Ia」とも称される)、イヌ気管筋。PDE Ia、Ib、IcおよびIIIは、標準的なクロマトグラフィー法を用いて部分的に精製される[トーフィー(Torphy)およびシーズリンスキー(Cieslinski)、Mol.Pharmacol.、37:206−214、1990]。PDE IVは、陰イオン交換、次いで、ヘパリン−セファロースクロマトグラフィーの連続使用によって動力学的均質になるまで精製される[トーフィー(Torphy)ら、J.Biol.Chem.、267:1798−1804、1992]。
ホスホジエステラーゼ活性は、トーフィー(Torphy)およびシーズリンスキー(Cieslinski)、Mol.Pharmacol.、37:206−214、1990のプロトコールに開示されているとおりアッセイされる。式(I)について本明細書に記載した実施例の化合物についてのナノモル〜μMの範囲の正のIC50が示された。
無傷の組織における選択されたPDE IV阻害薬のcAMP蓄積の増加能は、多量のPDE IVを含有することが示されているヒト単球細胞系であるU−937細胞を用いて評価する。無傷細胞におけるPDE IV阻害の活性を評価するために、区別されないU−937細胞(約105細胞/反応管)を種々の濃度(0.01〜1000μM)のPDE阻害薬と一緒に1分間、および、1μMプロスタグランジンE2と一緒にさらに4分間インキュベートした。反応を開始して5分後、17.5%過塩素酸の添加によって細胞を溶解し、1M炭酸カリウムの添加によってpHを中和し、RIAによってcAMP含量を評価した。このアッセイについての一般的なプロトコールは、ブルッカー(Brooker)ら、環状AMPおよび環状GMPの放射性イムノアッセイ(Radioimmunoassay of cyclic AMP and cyclic GMP)、Adv.Cyclic Nucleotide Res.、10:1−33、1979に開示されている。式(I)について本明細書に記載した実施例の化合物は、前記アッセイにおいてμMの範囲で正のEC50を示した。
これらの化合物を本発明に従って投与する場合、毒物的効果は、全く予想されない。
Claims (5)
- 式I
R1は、OHまたはそのエーテルもしくはエステルであり、
Xは、YR2、ハロゲン、ニトロ、NR4R5またはホルミルアミンであり、
Yは、OまたはS(O)mであり(ここで、mは、0、1または2である)、
R2は、メチルまたはエチルであり(ここで、メチルまたはエチルは、いずれも、所望により1個以上のハロゲンによって置換されていてもよい)、
R3は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、CH2NHC(O)C(O)NH2、ハロ置換C1−4アルキル、−CH=CHR8’R8’、所望によりR8’によって置換されていてもよいシクロプロピル、CN、OR8、CH2OR8、NR8R10、CH2NR8R10、C(Z’)H、C(O)OR8、C(O)NR8R10、または
−C≡CR8’であり、
R4およびR5は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり、
R7は、−(CR4R5)qR12またはC1−6アルキルであり(ここで、R12またはC1−6アルキル基は、所望により、−F、−Br、−Cl、−NO2、−NR10R11、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−OR8、−CN、−C(=O)NR10R11、−OC(=O)NR10R11、−OC(=O)R8、−NR10C(=O)NR10R11、−NR10C(=O)R11、−NR10C(=O)OR9、−NR10C(=O)R13、−C(=NR10)NR10R11、−C(=N−CN)NR10R11、−C(=N−CN)SR9、−NR10C(=N−CN)NR10R11、−NR10S(=O)2R9、−S(O)m’R9、−NR10C(=O)C(=O)NR10R11、−NR10C(=O)C(=O)R10、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルから選択される1〜3個の基によって所望により置換されていてもよいC1−2アルキルによって1以上置換されていてもよい)、
R8は、−HまたはR9であり、
R8’は、R8またはフッ素であり、
R9は、所望により1〜3個の−Fによって置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
R10は、OR8、水素、または所望により1〜3個のフッ素によって置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
R11は、−Hまたは所望により1〜3個の−Fによって置換されていてもよいC1−4アルキルであるか、または、R10およびR11がNR10R11としてである場合、それらは、窒素原子と一緒になって、所望によりO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R12は、C3−7シクロアルキル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、フラニル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、キノリニル、ナフチルまたはフェニルであり、
R13は、オキサゾリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルまたはチアジアゾリルから選択される複素環式環であり、ここで、R13は、複素環式環の炭素原子を介して式(I)で示される化合物に結合されており、各複素環式環は、非置換であるか、または、1もしくは2個のC1−2アルキル基によって置換されていてもよく、
R14は、HまたはR7であるか、または、R10およびR14がNR10R14としてである場合、それらは、窒素原子と一緒になって、所望によりO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく、
m’は、0、1または2であり、
qは、0、1または2であり、
Y’は、OまたはSであり、
Zは、C(=Y’)R14、C(=O)OR14、C(=Y’)NR10R14、C(=NR10)NR10R14、CN、C(=NOR8)R14、C(=O)NR8NR8C(=O)R8、C(=O)NR8NR10R14、C(=NOR14)R8、C(=NR8)NR10R14、C(=NR14)NR8R8、C(=N−CN)NR10R14、C(=N−CN)SR9、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、4−トリアゾリル[1,2,3]、5−トリアゾリル[1,2,3]、3−トリアゾリル[1,2,4]、5−トリアゾリル[1,2,4]、5−テトラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−オキサジアゾリル[1,2,4]、5−オキサジアゾリル[1,2,4]、2−オキサジアゾリル[1,3,4]、2−チアジアゾリル[1,3,4]、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニルまたは5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、または5−イミダゾリジニルであり(ここで、複素環式環系の全ては、所望によりR14によって1以上置換されていてもよい)、
Z’は、O、NR9、NOR8、NCN、C(−CN)2、CR8CN、CR8NO2、CR8C(O)OR8、CR8C(O)NR8R8、C(−CN)NO2、C(−CN)C(O)OR9、またはC(−CN)C(O)NR8R8である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩。 - R1がOHまたは−OCOHであり、XがYR2であり、YがOであり、R2が1個以上のハロゲンによって置換されているメチルであり、R3がCNまたは−C≡CHであり、Zが−C(O)OHなどのカルボン酸誘導体、その塩またはC(=Y’)R14、C(=O)OR14、C(=Y’)NR10R14、C(=NR10)NR10R14などのエステルまたはアミド誘導体であり、R3基が軸結合であり、Z基が赤道結合である請求項1記載の化合物。
- シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸};
シス−{4−シアノ−4−[3−(シス−3−ホルミルオキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸}、もしくは
シス−{4−シアノ−4−[3−(トランス−3−ヒドロキシシクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸}、またはその医薬的に許容される塩
である請求項2記載の化合物。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物および医薬的に許容される賦形剤からなる喘息の治療方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物からなる医薬組成物。
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