JP2006045201A - 高純度テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

高純度テレフタル酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度テレフタル酸の精製工程において、晶析の際に排出される溜出蒸気凝縮液や、洗浄の際に排出される洗浄排液が有するエネルギーの損失を抑えた、よりエネルギー効率のよい高純度テレフタル酸の製造方法を提供する。
【解決手段】スラリー化工程、溶解工程、還元工程、晶析工程、分離工程、洗浄工程、及び乾燥工程を有する高純度テレフタル酸の製造方法において、上記洗浄工程で排出される洗浄後の洗浄排液を、120℃以上、200℃以下の状態を維持させて、上記スラリー化工程の水溶媒として使用して、高純度テレフタル酸を製造する。
【選択図】図1

Description

この発明は、高純度テレフタル酸の製造方法に関する。
高純度テレフタル酸結晶を得るには、パラキシレンを酸化することにより得られる粗テレフタル酸結晶から、酸化の際に副生成する4−カルボキシベンズアルデヒドを主成分とする中間体不純物を出来る限り取り除く必要がある。そこでこの4−カルボキシベンズアルデヒドを、テレフタル酸よりも水溶性の高いパラトルイル酸に還元した上で、テレフタル酸を晶析させて高純度テレフタル酸結晶を得る精製工程を行う。
まずスラリー化工程(a’)として、スラリー化槽において粗テレフタル酸を水溶媒と混合してスラリーとする。水溶媒としては新規の水や、この精製工程の各工程で排出され水を主成分とする回収水を用いる。通常、スラリー濃度は20〜30重量%である。低温域においては、粗テレフタル酸の主成分であるテレフタル酸の水への溶解度は十分ではないので、上記スラリー化槽で得られる上記スラリーを250〜350℃程度に加熱し、テレフタル酸を溶解させる。また、高温域で液体状態を維持するため、最終的な加熱温度における水蒸気圧以上に加圧しておく。具体的には、上記スラリーをポンプで昇圧した後に予熱器によって上記スラリーを加熱して、溶解させ、水溶液とする。
次に還元工程(b’)として、高温高圧の状態でテレフタル酸を溶解させた上記水溶液を、水添反応器に導入し、触媒存在下で水素と接触させることによって、4−カルボキシベンズアルデヒドをパラトルイル酸に還元する。こうしてパラトルイル酸とテレフタル酸とが主要成分として含有された還元反応液を、複数の晶析槽に導入して晶析させる晶析工程(c’)を行う。ここで、テレフタル酸はパラトルイル酸より水溶性が低いので、晶析条件を調整することで、高純度テレフタル酸結晶を晶析させることができる。この際、晶析槽として放圧蒸発槽を用いた場合に留出する水蒸気は、回収して上記水溶媒として使用する。また、発生蒸気が持つ熱エネルギーを上記溶解に用いることができる。
ここで、放圧蒸発による晶析を用いるが、大気圧まで放圧し100℃まで冷却されると、テレフタル酸だけではなくパラトルイル酸も共晶してしまい、高純度テレフタル酸結晶を得ることができないので、最終晶析温度が120〜180℃、好ましくは130〜170℃になるように大気圧より圧力を有した状態に調整する必要がある。
その次に分離工程(d’)として、晶析した高純度テレフタル酸結晶を含んだ晶析スラリーを固液分離機に導入し、圧力を有する状態で、高純度テレフタル酸ケーキと還元反応母液とに固液分離する。この高純度テレフタル酸ケーキに対して、洗浄工程(e’)として、洗浄装置で洗浄液により洗浄操作を行って再度固液分離を行い、洗浄ケーキを得る。さらに乾燥工程(f’)として、得られた洗浄ケーキを乾燥装置で乾燥させて高純度テレフタル酸結晶を得る。
一方、分離工程(d’)で排出される上記還元反応母液には、テレフタル酸やパラトルイル酸などの有効成分がなお含まれているため、出来るだけ多くのこれら有効成分を回収し、また、溶媒分は直接又は何らかの処理を行った後に間接的に上記水溶媒として再利用する。そこで上記還元反応母液を冷却槽に導入し、上記有効成分を固形分として析出させて上記粗テレフタル酸を生成するパラキシレンの酸化工程に戻し、残りの液体分は、さらに、溶解している金属成分や有機物その他有効成分をイオン交換や吸着、膜などにより除去した後に上記スラリー化工程(a’)の上記スラリー化槽に水溶媒として、また、上記
洗浄工程(e’)の洗浄液として、再利用する。
また、上記洗浄工程(e’)で排出される洗浄排液は直接又は含有する固形分を除去した後に、上記スラリー化工程(a’)のスラリー化槽に水溶媒として供給する。
さらに上記分離工程(d’)と上記洗浄工程(e’)とを一体化した装置を用いて圧力を有する状態で固液分離・洗浄を行い、工程を簡略化することもできる。
このような方法を用いたテレフタル酸の製造方法が記載された例として、特許文献1が挙げられる。ここで得られる上記洗浄排液は圧力を有している。
WO93/24440号公報
洗浄排液は圧力を有しており、温度も最終晶析温度と同等である。しかし、このように、晶析工程(c’)で得られる溜出蒸気凝縮液や洗浄排液は熱エネルギーを持っているが、このままスラリー化工程(a’)に戻すと、大気圧下にあるスラリー化槽が沸騰状態になるので、供給前に冷却処理を行う必要がある。特に、上記スラリー化槽から次工程に送るポンプのキャビテーション(インペラー上を流れる液体が加速されることによって、液体の静圧が局部的に飽和水蒸気以下に低下し、気泡を生じることにより大きな衝撃的圧力が発生し、機械的ダメージを受けること)を回避できる操作温度が必要であるため、通常、スラリー化槽の温度は90℃程度とする。
しかし、上述した通り、上記スラリー化槽のスラリーは溶解するために所定温度まで加熱する必要があるので、洗浄排液を上記スラリー化槽に供給する前に冷却することは、熱エネルギーを無駄にしており効率が悪かった。
そこでこの発明は、高純度テレフタル酸の精製工程において、晶析の際に溜出される上記の凝縮液や、洗浄の際に排出される洗浄排液が有するエネルギーの損失を抑えた、よりエネルギー効率のよい高純度テレフタル酸の製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、洗浄工程で排出される洗浄排液を、所定の温度を維持してスラリー化工程に送り、水溶媒として使用することにより、上記の課題を解決したのである。すなわち、この発明の要旨は、下記(1)〜(6)に存する。
(1)4−カルボキシベンズアルデヒドを含有する粗テレフタル酸を、水溶媒中に供給してスラリー濃度10%以上、50%以下のスラリーとするスラリー化工程(a)、
上記スラリーを加圧及び加温して、スラリー中の粗テレフタル酸を水溶媒に溶解させて粗テレフタル酸水溶液を得、かつ、上記の加圧の条件を、上記加温後の水溶液の蒸気圧を上回る圧力とすると共に、上記の加圧後に加温を行う溶解工程(b)、
触媒の存在下で水素と接触させて、上記粗テレフタル酸水溶液中の上記4−カルボキシベンズアルデヒドを還元し、還元反応液を得る還元工程(c)、
上記還元反応液を120℃以上、200℃以下に冷却して、高純度テレフタル酸結晶を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーを得る晶析工程(d)、
上記晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーの母液の蒸気圧以上の圧力下で、上記高純度テレフタル酸スラリーの温度を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキと、還元反応母液とを固液分離する分離工程(e)、
上記分離工程(e)の操作圧力を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキを、上記分離工程(e)での操作温度以上かつ、上記分離工程(e)の操作圧力における水の沸点未満の温度である洗浄液で洗浄する洗浄工程(f)、
洗浄した洗浄ケーキを乾燥し、高純度テレフタル酸の結晶を得る乾燥工程(g)、
を有する高純度テレフタル酸の製造方法において、
上記洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液を、120℃以上、200℃以下の温度状態で、上記スラリー化工程(a)に送り、上記水溶媒として使用する、高純度テレフタル酸の製造方法。
(2)上記洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液を、上記洗浄液の蒸気圧以上の圧力下であるスラリー化工程(a)に送る、(1)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(3)上記晶析工程(d)における冷却が放圧蒸発による冷却であり、上記晶析工程(d)で晶析蒸気の凝縮液を得て、この凝縮液を120℃以上、200℃以下の温度状態でスラリー化工程(a)に送り、水溶媒として使用する(1)又は(2)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(4)上記晶析工程(d)で得られた晶析蒸気の凝縮液を、その凝縮液の蒸気圧以上の圧力下であるスラリー化工程(a)に送る、(3)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(5)上記スラリー化工程(a)における操作温度が120℃以上、200℃以下であり、操作圧力が0.2MPa以上、2.1MPa以下である、(1)乃至(4)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(6)上記分離工程(e)で得られた上記還元反応母液を、その還元反応母液に含まれる金属成分及び/又は有機成分の少なくとも一部を除去した後に、上記洗浄工程(f)に送り、上記洗浄液の一部又は全部として使用する、(1)乃至(5)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
本発明により、高純度テレフタル酸の精製工程において、晶析の際に溜出される上記の凝縮液や、洗浄の際に排出される洗浄排液が有するエネルギーの損失を抑えた、よりエネルギー効率のよい高純度テレフタル酸の製造方法を提供することができる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる高純度テレフタル酸の製造方法は、
・4−カルボキシベンズアルデヒドを含有する粗テレフタル酸を、水溶媒中に供給してスラリー濃度10%以上、50%以下のスラリーとするスラリー化工程(a)、
・上記スラリーを加圧及び加温して、スラリー中の粗テレフタル酸を水溶媒に溶解させて粗テレフタル酸水溶液を得、かつ、上記の加圧の条件を、上記加温後の水溶液の蒸気圧を上回る圧力とすると共に、上記の加圧後に加温を行う溶解工程(b)、
・触媒の存在下で水素と接触させて、上記粗テレフタル酸水溶液中の上記4−カルボキシベンズアルデヒドを還元し、還元反応液を得る還元工程(c)、
・上記還元反応液を120℃以上、200℃以下に冷却して、高純度テレフタル酸結晶を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーを得る晶析工程(d)、
・上記晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーの母液の蒸気圧以上の圧力下で、上記高純度テレフタル酸スラリーの温度を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキと、還元反応母液とを固液分離する分離工程(e)、
・上記分離工程(e)の操作圧力を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキを、上記分離工程(e)での操作温度以上かつ、上記分離工程(e)の操作圧力における水の沸点未満の温度である洗浄液で洗浄する洗浄工程(f)、
・洗浄した洗浄ケーキを乾燥し、高純度テレフタル酸の結晶を得る乾燥工程(g)、
を有する高純度テレフタル酸の製造方法において、
上記洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液を、120℃以上、200℃以下の温度状態で、上記スラリー化工程(a)に送り、上記水溶媒として使用することを特徴とするものである。
この発明において、「高純度テレフタル酸」とは、粗テレフタル酸を水素添加により還元反応処理して回収されたテレフタル酸をいう。
この発明における、「粗テレフタル酸」とは、パラキシレンを酢酸溶媒下で分子状酸素により酸化させたものであり、副生成物として片方のアルキル基の酸化が完全に進行していない4−カルボキシベンズアルデヒドなどの中間体(テレフタル酸に交換可能な有効成分ではあるが、製品テレフタル酸に混入すると不純物である。)を含んでいる。
この粗テレフタル酸は、触媒の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素によりパラキシレンを液相酸化することにより生成される。この工程は周知であり、触媒としては、従来よりこの反応に用い得ることが知られている触媒が用いられ、具体的には、コバルト化合物、マンガン化合物、鉄化合物、クロム化合物などの重金属化合物及び臭素化合物等が挙げられる。これらは溶解した状態で反応系に存在している。なかでも好ましいのは、コバルト化合物又はマンガン化合物と臭素化合物との組み合わせである。この場合、これらの化合物は、通常、溶媒に対して、コバルト原子が10〜5000ppm、マンガン原子が10〜5000ppm、臭素原子が10〜10000ppmとなるように用いられる。
上記の分子状酸素としては、通常は不活性ガスと酸素との混合ガスが用いられ、例えば、空気や酸素富化空気が用いられる。反応器に供給するパラキシレンに対する分子状酸素のモル比は、通常3〜20モル倍、好ましくは2〜4モル倍である。
上記の液相酸化を行う反応系に供給する酢酸に対するパラキシレンの比率は、通常1〜50重量%である。また、反応系内の水分濃度は、通常5〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。
上記のパラキシレンを液相酸化する酸化反応の温度は、通常160〜260℃、好ましくは170〜210℃、圧力は、反応温度において反応系が液相を保持できる圧力以上であればよく、通常0.5〜5MPa、好ましくは1〜2MPa、滞留時間は通常10〜200分である。
パラキシレンを酸化して得られるテレフタル酸は、溶媒である酢酸に溶け難いため、通常、酸化反応工程で生成したテレフタル酸は結晶として析出し、スラリーを形成する。しかしながら、溶媒の量、反応温度、圧力によっては、テレフタル酸が溶解している場合がある。この場合には、反応液を冷却等する晶析工程を設けてテレフタル酸を析出させ、スラリーを形成させる。このスラリーを固液分離して、粗テレフタル酸結晶を取得する。酸化反応工程で得られたテレフタル酸スラリーは加圧状態にあるが、そのまま固液分離しても、放圧冷却等してから固液分離してもよい。固液分離の方法としては、結晶と母液とが分離できるものであればよく、濾過、遠心分離などが挙げられる。固液分離したものに、さらに必要に応じて洗浄、乾燥を行い、粗テレフタル酸結晶を得る。
上記のようにして得られる、この発明における「粗テレフタル酸」は、中間体である4−カルボキシベンズアルデヒドを通常、1000〜10000ppm含有するテレフタル酸である。
高純度テレフタル酸を製造するためには、上記の粗テレフタル酸からこれらの中間体を出来る限り取り除く必要がある。その工程を図1により説明する。
まず、スラリー化工程(a)においては、粗テレフタル酸Aをスラリー化槽11に供給し、水溶媒でスラリー化させる。この水溶媒としては、後述する洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液Mを、120℃以上、200℃以下の温度状態、好ましくは130℃以上、180℃以下の温度状態を維持させて使用することが必要である。
ここで、この洗浄排液Mをスラリー化工程(a)に供給するにあたり、洗浄排液Mが持つ温度を維持するために、スラリー化工程(a)の操作圧力をこの洗浄排液の蒸気圧以上の圧力として、放圧蒸発によるフラッシュ冷却をさせない事が好ましい。なお、放圧蒸発によるフラッシュ冷却とは、対象である液体の現在の圧力よりも低圧の環境に導入し、その環境の圧力におけるその液体の沸点が、導入前のその液体の温度以下であるようにすることで、その液体の一部を蒸発させ、残りをその圧力における沸点まで冷却することをいう。
また、後述する晶析槽14を用いる晶析工程(d)で晶析蒸気Gの凝縮液G’を得、スラリー化工程(a)に送り水溶媒として使用する場合のスラリー化工程(a)の操作条件は、上記洗浄工程(f)の温度により決定され、洗浄排液Mの温度を維持するためには、この洗浄排液Mの蒸気圧以上の操作圧力とすることが好ましい。
さらに、上記晶析工程(d)における冷却が放圧蒸発による冷却である場合は、晶析工程(d)で留出する晶析蒸気Gの凝縮液G’を120℃以上、200℃以下の温度状態でスラリー化工程(a)に送り、水溶媒の一部として使用してもよい。さらに、上記水溶媒の全体供給量を調整するために、水Bを新たに加えてもよい。晶析蒸気Gの凝縮方法(図中の熱交換器14bに相当する。)としては、公知の方法を用いることができるが一般的には多管式のコンデンサーが好ましく、この凝縮熱を用いて上記溶解工程(b)における加温のエネルギーとして利用することが好ましい。
このスラリー化工程(a)で得られるスラリーCの濃度は10〜50重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。
上記の粗テレフタル酸Aをスラリー化させるスラリー化槽11の操作温度は、120℃以上、200℃以下であることが望ましく、130℃以上、180℃以下であるとより望ましく、130℃以上、170℃以下であるとさらに望ましい。この操作温度は供給される水溶媒温度から決定されるものである。上記洗浄排液M、及び/又は上記の晶析蒸気Gの凝縮液を120℃以上、200℃以下の温度状態で維持する目的は、スラリー化槽11を従来より高温にするためである。
また、上記のスラリー化槽11の操作圧力は、その操作温度における水の蒸気圧以上とする必要があり、0.2MPa以上、2.1MPa以下であることが好ましい。この操作圧力はスラリー化槽11内のスラリー母液が液体状態を保持できる圧力であり、スラリー母液の蒸気圧より高くする必要がある。なお、上記溶解工程(b)へ輸送するためのポンプ11a内でキャビテーション(気泡の発生)が生じないように圧力条件を設定する必要もある。この圧力条件は、スラリー化槽11の液深レベルや、ポンプの仕様等の諸条件によって決定される。
上記の溶解工程(b)では、スラリー化工程(a)で得られたスラリーCを加圧及び加温して、スラリー中の粗テレフタル酸を水溶媒に溶解させて粗テレフタル酸水溶液Dを得、かつ、上記の加圧の条件を、上記加温後の水溶液の蒸気圧を上回る圧力とすると共に、上記の加圧後に加温を行う。「加温後の水溶液の蒸気圧」とは、加圧後に行う「スラリーC中の粗テレフタル酸が溶解して水溶液となり得る温度」まで加温した際の水溶媒の蒸気圧を指す。なお、「加温後の水溶液の蒸気圧を上回る圧力」とは、好ましくは0.1MPa以上、1MPa以下であり、より好ましくは0.2MPa以上、0.5MPa以下である。また、「スラリーC中の粗テレフタル酸が溶解して水溶液となり得る温度」とは、テレフタル酸の水に対する溶解度から計算して溶解し得る温度より高い温度であり、理論温度+(0〜20℃)が好ましい。
具体的な好ましい数値条件としては、ポンプ11aで2.8MPa以上、11.8MPa以下まで昇圧し、熱交換器11bにより、上記スラリーCを230℃以上、320℃以下まで加熱してテレフタル酸を水溶媒に完全溶解させる。一般にテレフタル酸の水に対する溶解度は低く、上記スラリーCを所定温度以上に加熱して溶解度を高める必要がある。この加熱温度は上記スラリー化工程(a)におけるスラリー濃度によって決定される。230℃未満では溶解度が足りずに完全溶解には不十分であり、逆にスラリー濃度及び溶解度を考慮すると、320℃を超えるまで加熱する必要もない。また必要以上に加熱すると副反応が促進されるおそれがあり反応上望ましくない。さらに、装置もコストアップに繋がることになる。さらにまた、圧力についてはスラリーCを過熱した状態で水溶媒を液体状態に保持しておくために、水蒸気より高くする必要があるが、一方で、必要以上に高くすると装置のコストアップに繋がる。
具体的手順としては上記スラリー化工程(a)で得られたスラリーCをポンプで所定圧力まで昇圧させ、熱交換器11bで所定温度まで加熱する方法で行う。また熱交換器11bの熱源にはスチームや熱媒油等が使われるが、後述する晶析工程(d)で発生する晶析蒸気Gを利用することが望ましい。
次に還元工程(c)として、上記溶解工程(b)で得られた粗テレフタル酸水溶液Dを、水添反応器13へ送り、触媒存在下において、導入した水素Eにより接触還元させて、還元反応液Fを得る。この触媒と水添反応器13内の条件とは、上記4−カルボキシベンズアルデヒドを還元し、上記テレフタル酸は還元しないものである必要がある。粗テレフタル酸水溶液Dに含まれる上記4−カルボキシベンズアルデヒドを、上記テレフタル酸より水溶性の高いパラトルイル酸に還元するためである。この還元反応は、出来るだけ高い率で行うことが望ましい。
この還元反応も周知であり、触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウムなどの8〜10族(IUPAC無機化学命名法改訂版(1998)による。)金属触媒が用いられ、通常、活性炭などの担体に担持して固定床として用いる。これらのなかでも活性炭に担持させたパラジウムが好ましい。この還元反応の温度は、通常260℃以上、320℃以下であり、好ましくは270℃以上、300℃以下である。また、水素の分圧は通常0.5〜20kg/cmGである。
さらに晶析工程(d)として、上記還元工程(c)で得られた還元反応液Fを晶析槽14に導入し、上記パラトルイル酸を溶解させたままとなる範囲で温度を下げ、上記テレフタル酸を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーHにする。具体的な温度としては、通常、120℃以上、200℃以下、好ましくは130℃以上、180℃以下に冷却して高純度テレフタル酸を晶析させる。温度が低すぎるとパラトルイル酸が共晶してしまい、得られる高純度テレフタル酸中のパラトルイル酸濃度が高くなり、品質上好ましくない。また温度が高すぎるとテレフタル酸の析出量が低減するので、回収して得られる高純度テレフタル酸が減り、かつ、高純度テレフタル酸中の不純物濃度を必要以上に低下させることとなってしまい生産効率が低下する。ここで、晶析槽14を直列に複数段設けて、段階的に放圧蒸発させて冷却して上記テレフタル酸を晶析させるとより望ましい。図1では晶析槽14を2つ記載しているが、1つであっても、3つ以上でもよい。
上記の晶析槽14としては放圧蒸発槽を用いると、還元反応液Fが有するエネルギーを有効に利用できるので望ましい。この放圧蒸発槽とは、導入する液体の圧力よりも低圧にした槽であり、その槽内の圧力における上記液体の主成分の沸点が、導入前の上記液体の温度以下であるようにしたものをいう。この放圧蒸発槽に液体を導入すると、液体の一部は蒸発し、かつ、液体の残りは変化後の圧力下における沸点まで冷却される放圧蒸発が起こる。このとき、液体が溶液である場合には、蒸発せずに残った分の液体の、冷却後の溶解度を超えた分の溶質が晶析する。
ここで最終晶析槽の温度は、パラトルイル酸がテレフタル酸と共晶しない温度条件に制御すればよく、具体的には120℃以上、200℃以下が好ましく、130℃以上、180℃以下であるとより好ましい。また、この際の圧力は、0.20MPa以上、1.56MPa以下であると好ましく、0.27MPa以上、1.00MPa以下であるとより好ましい。温度が低すぎると上記テレフタル酸だけではなく、パラトルイル酸も共晶しやすくなり、得られる高純度テレフタル酸結晶の純度を下げてしまうおそれがある。一方で温度が高すぎると得られるテレフタル酸の晶析量が少なくなり、効率が悪くなる。
また、上記晶析工程(d)として、晶析槽14を使う以外に、熱交換などの方法により徐々に冷却することで上記テレフタル酸を晶析させても良い。
上記の晶析槽14として上記放圧蒸発槽を用いると、上記放圧蒸発により還元反応液Fの上記水溶媒の一部が晶析蒸気Gとして留出する。この晶析蒸気Gを熱交換器14bにより凝縮させた凝縮液G’の状態で、上記スラリー化工程(a)のスラリー化槽11に導入して、上記水溶媒として利用すると、水Bの使用量と、それを加熱するエネルギーとを節約できてより望ましい。このとき、上記凝縮液をスラリー化槽11に導入する際の温度は、120℃以上、200℃以下が好ましく、130℃以上、180℃以下であるとより好ましい。
このとき、スラリー化工程(a)の操作圧力は、上記凝縮液G’の蒸気圧以上の圧力下としておく必要がある。
その次に、分離工程(e)として、上記の高純度テレフタル酸スラリーHを固液分離機15に導入し、還元反応母液Iを分離して、高純度テレフタル酸ケーキJを得る。このような固液分離機15としては、遠心分離機や濾過機が挙げられ、特に好ましくは遠心分離機である。固液分離機15の操作条件は、晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーHの母液の蒸気圧以上の圧力、及び上記高純度テレフタル酸スラリーHの温度を実質的に維持した状態である。
ここで「晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーの母液の蒸気圧以上の圧力」とは、上記最終晶析槽の操作圧力を維持又は少しの圧力を加えることで放圧させないように圧力を操作することである。また、「上記高純度テレフタル酸スラリーHの温度を実質的に維持した状態」とは、上記晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーHを上記分離工程(e)に移送するに際し、配管や装置、バルブ等が原因で生じる圧力損失により、上記高純度テレフタル酸スラリーHが放圧して温度が低下する場合があるため、これによる温度低下を含めて、上記高純度テレフタル酸スラリーHの温度を維持していることを意味する。
具体的には、圧力は上記スラリーが放圧によって冷却されることを抑えるために、ポンプ14aにより、上記最終晶析の際の圧力より、0.05〜1MPa加圧しておくことが好ましい。もしここで、固液分離機15の圧力が上記最終晶析槽又は上記晶析工程(d)の最終晶析圧力より低くなると、固液分離機15内でスラリー温度が低下し、スラリー母液中に溶解しているテレフタル酸やパラトルイル酸の一部が固液分離機15の内部で晶析してしまい、固液分離の運転安定性に支障をきたすおそれがある。
さらに、洗浄工程(f)として、洗浄装置16で高純度テレフタル酸ケーキJを、洗浄液Kにより洗浄する。この洗浄液Kとしては、水が望ましい。洗浄した洗浄スラリーLを固液分離機17で分離して、洗浄ケーキNを取り出し、洗浄液Kの成分を主成分とする洗浄排液Mを排出する。
洗浄工程(f)の操作条件は、上記分離工程(e)の操作圧力を実質的に維持した状態である。「上記分離工程(e)の操作圧力を実質的に維持した状態」とは、配管や装置の圧力損失による低下はあるものの故意に圧力を変動させずに上記分離工程(e)の操作圧力を維持することを示す。高純度テレフタル酸ケーキJを洗浄する洗浄液Kの温度は、上記分離工程(e)の操作温度以上、かつ上記分離工程(e)の操作圧力における水の沸点未満の温度である。洗浄液Kの温度が上記分離工程(e)の操作温度を下回る温度であれば洗浄操作温度を低下させ装置内のスケーリングを招くおそれがあり、また、洗浄排液の温度も低下し本発明の効果を小さくする。一方、上記分離工程(e)の操作温度が上記分離工程(e)の操作圧力における水の沸点以上であれば洗浄装置内で放圧蒸発によるフラッシュを起こして洗浄機能が低下する。具体的な洗浄工程(f)の操作条件は、晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーHの蒸気圧以上の圧力下で、120〜200℃に維持した状態であり、上記分離工程(e)と同等が好ましい。
この発明においては、上記の分離工程(e)と洗浄工程(f)とを、同時に行うことの出来る固液分離・洗浄装置(図中破線囲み18の部分に相当)を用いて行ってもよい。このような固液分離・洗浄装置としては、例えばスクリーンボウル型遠心分離機やロータリーバキュームフィルター、水平ベルトフィルター等が挙げられ、特に好ましくはスクリーンボウル型遠心分離器である。
このように分離工程(e)と洗浄工程(f)とを、同時に行う際の操作温度は、上記晶析工程(d)の最終晶析槽と同等であり、120℃以上、200℃以下であることが望ましく、130℃以上、180℃以下であるとより望ましく、また圧力については、放圧による温度低下を抑えるために、晶析工程(d)の最終晶析槽の圧力よりも高い圧力であることが必要である。具体的には、晶析工程(d)の最終晶析槽の圧力よりも0.05〜1MPa高い圧力であることが望ましい。上記最終晶析槽での晶析の後でさらに圧力を下げると、放圧蒸発による冷却が起こり、母液中に溶解している成分の析出が生じて、固液分離・洗浄装置における分離工程(e)に支障をきたすおそれがある。一方で、必要以上の圧力にすることは、それに耐え得るように機器の増強が必要になってしまう。
上記のようにして得られた洗浄ケーキNを、乾燥工程(g)として、乾燥装置19で乾燥させる。乾燥により洗浄ケーキNに残留する付着液を除去することで、高純度テレフタル酸結晶Oを得ることができる。ここで用いる乾燥装置19としては、例えば、スチームチューブドライヤー、流動層乾燥機等が挙げられ、複数の乾燥装置19を合わせて用いてもよい。また、高温高圧である洗浄ケーキNを放圧することによって、このケーキに付着する溶媒成分の少なくとも一部を蒸発させてもよい。上記乾燥装置19は、通気ガスの存在下、水蒸気等の熱源に用いて乾燥出口操作温度が70℃〜180℃で実施される。
一方、上記の分離された還元反応母液Iは、主に水溶媒からなるが、この中にはまだ有効成分が含まれている。なお、この有効成分とは、テレフタル酸と、テレフタル酸の製造工程及び精製工程中の酸化還元等によりテレフタル酸にすることができるその他の化合物とをいい、溶解している成分と析出している成分とをどちらも含む。この析出している成分を、固形分と称する。
この還元反応母液Iをそのまま廃棄すると、上記有効成分が無駄になってしまい、一方で、そのまま上記の工程に戻すと上記有効成分の一部が不純物として系内に蓄積されてしまうおそれもある。そこで還元反応母液Iに含まれる上記有機成分の少なくとも一部を除去した上で、必要に応じて、更に何らかの処理を行った後に上記スラリー化工程(a)のスラリー化槽11に戻すとよい。例えば冷却槽20を用いて上記有効成分を析出させて、冷却スラリーPとし、これを固液分離機21で固液分離した後、固形分Qとして除去し、残りの液体分Rをさらに純水化処理して上記洗浄工程(f)における洗浄液Kの代わりに、又は洗浄液Kとともに用いると望ましい。また、上記有効成分を含む固形分Qは、上記の粗テレフタル酸を製造する酸化反応工程に戻すと望ましい。
また、上記の分離された還元反応母液Iには、上記の粗テレフタル酸を製造する酸化反応の触媒に由来する金属成分(具体例としてはコバルト及びマンガンが挙げられる。)が含まれることがある。この金属成分の少なくとも一部を、イオン交換樹脂を用いて上記還元反応母液Iから、又は上記有効成分を冷却槽20等により析出させた後の冷却スラリーPから取り出すことで触媒金属の損失を抑えることもできる。
さらに、固液分離機17又は固液分離・洗浄装置18から排出される、洗浄液Kの成分を主成分とする洗浄排液Mにも、上記有効成分が含まれる。特に上記の一体化した固液分離・洗浄装置18を用いる場合、スクリーンボウル型遠心分離機のように、濾過洗浄を行うと、上記有効成分が上記固形分として混入されやすい。この洗浄排液Mをそのまま上記スラリー化工程(a)で溶媒として再使用すると、固形分の増量に従って、設備の大型化につながる。そこで、この洗浄排液Mから、固形分を除去した後に、上記スラリー化工程(a)の上記水溶媒として使用することが望ましい。ただし、上記スラリー化工程(a)のスラリー化槽11は120℃以上、200℃以下の環境で運用することが望まれるため、この洗浄排液Mを、固液分離機17又は固液分離・洗浄装置18から排出された後、120℃以上、200℃以下の状態を維持させて、上記スラリー化工程(a)の上記水溶媒として使用することが必要である。この際、洗浄排液Mをこの温度範囲に維持させるだけでなく、出来るだけ温度低下幅を小さくしておくことが望ましい。洗浄排液Mが有している熱エネルギーを有効利用するためである。
このように洗浄排液Mの温度を維持させたまま上記水溶媒として用いることにより、上記スラリー化工程(a)のスラリー化槽11の操作温度及び圧力を従来より高温高圧にできるので、次の溶解工程(b)でスラリーCの溶解に必要な温度及び圧力にするために要するエネルギーを抑制することができ、高純度テレフタル酸の製造において生産性の向上に繋がる。
この発明にかかる高純度テレフタル酸の製造方法の例を示すフロー図
符号の説明
11 スラリー化槽
11a ポンプ
11b 熱交換器
13 水添反応器
14 晶析槽
14a ポンプ
14b 熱交換器
15 固液分離機
16 洗浄装置
17 固液分離機
18 固液分離・洗浄装置
19 乾燥装置
20 冷却槽
21 固液分離機
A 粗テレフタル酸
B 水
C スラリー
D 粗テレフタル酸水溶液
E 水素
F 還元反応液
G 晶析蒸気
G’ 凝縮液
H 高純度テレフタル酸スラリー
I 還元反応母液
J 高純度テレフタル酸ケーキ
K 洗浄液
L 洗浄スラリー
M 洗浄排液
N 洗浄ケーキ
O 高純度テレフタル酸結晶
P 冷却スラリー
Q 固形分
R 液体分

Claims (6)

  1. 4−カルボキシベンズアルデヒドを含有する粗テレフタル酸を、水溶媒中に供給してスラリー濃度10%以上、50%以下のスラリーとするスラリー化工程(a)、
    上記スラリーを加圧及び加温して、スラリー中の粗テレフタル酸を水溶媒に溶解させて粗テレフタル酸水溶液を得、かつ、上記の加圧の条件を、上記加温後の水溶液の蒸気圧を上回る圧力とすると共に、上記の加圧後に加温を行う溶解工程(b)、
    触媒の存在下で水素と接触させて、上記粗テレフタル酸水溶液中の上記4−カルボキシベンズアルデヒドを還元し、還元反応液を得る還元工程(c)、
    上記還元反応液を120℃以上、200℃以下に冷却して、高純度テレフタル酸結晶を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーを得る晶析工程(d)、
    上記晶析工程(d)で得られた高純度テレフタル酸スラリーの母液の蒸気圧以上の圧力下で、上記高純度テレフタル酸スラリーの温度を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキと、還元反応母液とを固液分離する分離工程(e)、
    上記分離工程(e)の操作圧力を実質的に維持した状態で、上記高純度テレフタル酸ケーキを、上記分離工程(e)での操作温度以上かつ、上記分離工程(e)の操作圧力における水の沸点未満の温度である洗浄液で洗浄する洗浄工程(f)、
    洗浄した洗浄ケーキを乾燥し、高純度テレフタル酸の結晶を得る乾燥工程(g)、
    を有する高純度テレフタル酸の製造方法において、
    上記洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液を、120℃以上、200℃以下の温度状態で、上記スラリー化工程(a)に送り、上記の水溶媒として使用する、高純度テレフタル酸の製造方法。
  2. 上記洗浄工程(f)で排出される洗浄後の洗浄排液を、上記洗浄液の蒸気圧以上の圧力下であるスラリー化工程(a)に送る、請求項1に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  3. 上記晶析工程(d)における冷却が放圧蒸発による冷却であり、上記晶析工程(d)で晶析蒸気の凝縮液を得て、この凝縮液を120℃以上、200℃以下の温度状態で上記スラリー化工程(a)に送り、水溶媒として使用する請求項1又は2に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  4. 上記晶析工程(d)で得られた晶析蒸気の凝縮液を、その凝縮液の蒸気圧以上の圧力下である上記スラリー化工程(a)に送る、請求項3に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  5. 上記スラリー化工程(a)における操作温度が120℃以上、200℃以下であり、操作圧力が0.2MPa以上、2.1MPa以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  6. 上記分離工程(e)で得られた上記還元反応母液を、その還元反応母液に含まれる金属成分及び/又は有機成分の少なくとも一部を除去した後に、上記洗浄工程(f)に送り、上記洗浄液の一部又は全部として使用する、請求項1乃至5のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
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