JP2006298905A - 高純度テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

高純度テレフタル酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006298905A
JP2006298905A JP2006075283A JP2006075283A JP2006298905A JP 2006298905 A JP2006298905 A JP 2006298905A JP 2006075283 A JP2006075283 A JP 2006075283A JP 2006075283 A JP2006075283 A JP 2006075283A JP 2006298905 A JP2006298905 A JP 2006298905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
terephthalic acid
adsorption tower
liquid
purity terephthalic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006075283A
Other languages
English (en)
Inventor
Motomiki Numata
元幹 沼田
Isao Takahashi
高橋  功
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2006075283A priority Critical patent/JP2006298905A/ja
Publication of JP2006298905A publication Critical patent/JP2006298905A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 パラトルイル酸を選択的に回収してテレフタル酸の原料とし利用する高純度テレフタル酸の製造方法を提供すること。
【解決手段】 一次母液からパラトルイル酸を回収し酸化反応工程に供給するパラトルイル酸回収工程が、次の各工程を有することを特徴とする高純度テレフタル酸の製造方法。(I)安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔に、被処理液として一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させる吸着工程、(II)安息香酸の破過時間を超えた任意の時点で、吸着塔への被処理液の供給を停止する供給停止工程、(III)吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させる脱離工程、(IV)吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給する循環工程。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高純度テレフタル酸の製造方法に関する。詳しくは、パラキシレンの酸化による高純度テレフタル酸の製造において、副生するパラトルイル酸を回収して酸化工程に供給する高純度テレフタル酸の製造方法に関する。
現在、高純度テレフタル酸は、パラキシレンを酢酸溶媒中で酸化してテレフタル酸を生成させる酸化反応工程、酸化反応工程で得られるスラリーから粗テレフタル酸を取得する粗テレフタル酸結晶取得工程、得られた粗テレフタル酸を熱水に溶解し水素添加して精製する水素添加精製工程、水素添加精製工程を経た溶液から高純度テレフタル酸を晶析させる高純度テレフタル酸晶析工程、晶析した高純度テレフタル酸を回収する高純度テレフタル酸結晶取得工程、取得された高純度テレフタル酸を水で洗浄し、乾燥する洗浄・乾燥工程の各工程を経る製造方法により大規模に製造されている。
これらの工程、特に高純度テレフタル酸結晶取得工程の排水、すなわち結晶分離後の母液には、水溶性の副生物であるパラトルイル酸、安息香酸等の有機物が相当量含まれている。この排水は、そのまま環境中に排出すると環境汚染を引き起こすので、廃水処理装置で有機物濃度を低減させてから排出しなければならない。この処理には多額の費用を要する。
そこで、特許文献1では、排水中の不溶性有機物を濾過器で濾過して除去した後、重金属をイオン交換樹脂で除去し、さらに、溶解している有機物の塩を逆浸透システムで回収する方法が提案されている。
また、この排水、すなわち結晶分離後の母液を吸着剤で処理してパラトルイル酸、安息香酸等の有機物を除去してから、水素添加精製工程における粗テレフタル酸を溶解する熱水として再利用することが非特許文献1で提案されている。
特表2003−507156号公報 P.K.Khachane et.al., Separation Science and Technology, Vol.38, No.1, pp.93-111, 2003
ところで、排水中には上記したようにパラトルイル酸や安息香酸が相当量含まれているが、パラトルイル酸は酸化するとテレフタル酸になるので、排水中のパラトルイル酸を回収して、酸化反応工程に供給することができれば、テレフタル酸の収率を向上させることができる。
しかし、特許文献1の方法では、パラトルイル酸は、安息香酸との混合物として回収される。従って回収されたパラトルイル酸を酸化反応工程に供給すると、同伴する安息香酸により反応系における安息香酸の濃度が高くなり、製品の高純度テレフタル酸中に無視し得ない量の安息香酸が含まれるようになる。テレフタル酸に安息香酸が含まれていると、これを原料としてポリエステルを製造した際に、得られるポリエステルの重合度が所定の値にまで達しない恐れがあり、また、ポリエステルの着色の原因となる恐れがあるので、安息香酸との混合物として回収されたパラトルイル酸をそのままテレフタル酸の原料として再利用することはできない。従って、安息香酸とパラトルイル酸を含む排水から、パラトルイル酸だけを効率よく回収する方法が求められている。
非特許文献1には、安息香酸もパラトルイル酸も水溶液中から多孔質吸着剤に吸着されること、及び吸着された安息香酸やパラトルイル酸は酢酸や酢酸メチルで脱離させ得ることが記載されている。しかし、この文献も安息香酸とパラトルイル酸とを多孔質吸着剤を利用して分離し得ることは開示していない。
本発明者らは、この多孔質吸着剤を充填した吸着塔に安息香酸とパラトルイル酸の双方を含有する水溶液を供給した際に、吸着塔から出てくる流出液中へのこれらの化合物の流出状況を検討した。その結果、初めのうちは、安息香酸とパラトルイル酸はいずれもが吸着されるので、吸着塔からは両者のいずれをも含まない液が流出するが、水溶液の供給を継続していると流出液中に安息香酸が含まれるようになること、流出液中の安息香酸の濃度は漸次増加し、この濃度が相当高くなってから初めてパラトルイル酸が流出液中に含まれるようになり、かつその濃度が漸次増加していくことを見出し、本発明を完成するに至った。
この現象は安息香酸よりもパラトルイル酸の方が多孔質吸着剤への吸着力が強く、吸着塔が安息香酸とパラトルイル酸でほぼ飽和吸着に達した後は、パラトルイル酸が吸着されている安息香酸を置換して吸着されることを示している。従って、この現象を利用して、吸着されている安息香酸がパラトルイル酸で十分に置換されて、吸着塔内の安息香酸に対するパラトルイル酸の比が供給液中の比よりも十分に大きくなった時点で水溶液の供給を停止して脱離させれば、パラトルイル酸を選択的に回収することができる。
また更には、吸着塔から流出される流出液は、パラトルイル酸が低減されているので、これを粗テレフタル酸を溶解する水または、高純度テレフタル酸を洗浄する水として再利用することができれば、プロセス水を削減することができ、また、これをそのまま廃棄処分しようとする場合に要する多額の費用も削減できるので、結果として高純度テレフタル酸の製造コストを低減することができることを見出した。
即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(17)に存する。
(1) (a)触媒が存在している酢酸溶液中で、パラキシレンを酸化してテレフタル酸を生成させる酸化反応工程、(b)生成したテレフタル酸が析出しているスラリーを固液分離して粗テレフタル酸結晶を取得する粗テレフタル酸結晶取得工程、(c)粗テレフタル酸結晶を水に溶解して水溶液とし、これを水素添加する水素添加工程、(d)水素添加した水溶液からテレフタル酸を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーを生成させる高純度テレフタル酸晶析工程、(e)高純度テレフタル酸スラリーを固液分離して高純度テレフタル酸結晶及び一次母液を取得する高純度テレフタル酸結晶取得工程、(f)一次母液からパラトルイル酸を回収して酸化反応工程に供給するパラトルイル酸回収工程、の各工程を有する高純度テレフタル酸の製造方法であって、パラトルイル酸回収工程が次の(I)〜(IV)の各工程を有することを特徴とする高純度テレフタル酸の製造方法。
(I)安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔に、被処理液として一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させる吸着工程、
(II)安息香酸の破過時間を超えた任意の時点で、吸着塔への被処理液の供給を停止する供給停止工程、
(III)吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させる脱離工程、
(IV)吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給する循環工程。
(2) 更に、次の(g)及び(h)の各工程を有することを特徴とする上記(1)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(g)高純度テレフタル酸結晶を水で洗浄した後、乾燥して高純度テレフタル酸製品を得る高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程、
(h)高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程における洗浄排水を、水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用する洗浄排水循環工程
(3) 更に次の(i)工程を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(i)吸着工程(I)における吸着塔からの流出液の少なくとも一部を、水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用する流出液の循環工程
(4) 更に次の(ii)工程を有することを特徴とする上記(2)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(ii)吸着工程(I)における吸着塔からの流出液の少なくとも一部を、高純度テレフタル酸結晶洗浄工程(g)における高純度テレフタル酸結晶を洗浄する水として再利用する流出液の循環工程
(5) 高純度テレフタル酸結晶取得工程(e)における一次母液中の安息香酸の濃度が3000ppm以下となるように、循環工程において再利用する流出液の量を調整することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(6) 高純度テレフタル酸晶析工程(d)におけるテレフタル酸の晶析を、水溶液から水を蒸発させて水溶液の温度を低下させることにより行い、かつ発生した水蒸気を凝縮させ、この凝縮液を被処理液として吸着工程(I)における吸着塔に供給することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(7) 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中の安息香酸の濃度が、被処理液中の安息香酸濃度の少なくとも50%に達した時点で行うことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(8) 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中の安息香酸の濃度が被処理液中の安息香酸の濃度と等しくなった時点以降に行うことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(9) 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸の濃度が、被処理液中のパラトルイル酸の濃度の50%に達する前に行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(10) 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸の濃度が、被処理液中のパラトルイル酸の濃度の20%に達する前に行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(11) 吸着工程(I)において、安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔が複数個併設されており、各吸着塔は吸着−脱離−再生を反復するように構成されている第1吸着塔に、被処理液として一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させ(但し、第1吸着塔の流出液は流出液中にパラトルイル酸が流出してこない間は吸着プロセス系外に排出する)、供給停止工程(II)において、第1吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸が所定濃度に達したならば第一吸収塔への被処理液の供給を停止し、被処理液の供給先を第1吸着塔から第2吸着塔へ切り替え、脱離工程(III)において、第1吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させ、循環工程(IV)において、第1吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(12) 更に、脱離工程(III)を経た第1吸着塔に水を供給して吸着している脱離剤を溶出させ、吸着工程(I)における吸着塔として使用することを特徴とする上記(11)に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(13) 脱離剤が酢酸、酢酸メチル又はその混合物であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(14) 吸着剤がモノビニル化合物とポリビニル化合物との多孔質共重合体であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(15) 吸着剤がスチレン及びジビニルベンゼンを主成分とする多孔質共重合体であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(16) 脱離工程(III)を終了した吸着塔に水または二次分離母液を供給して吸着している脱離剤を脱離させることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
(17) 吸着工程(III)における吸着塔が複数の吸着塔を直列に配したものであり、直列に配した吸着塔の第1塔に供給停止工程(II)の条件を適用し、第1塔への供給停止の後、直列に配した吸着塔の第2塔に二次母液を供給し、第2塔を第1塔として使用することを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
本発明によれば、従来廃棄していた排水中のパラトルイル酸を選択的に回収してテレフタル酸の原料として利用するので、テレフタル酸の収率を向上させることができる。また、排水中からパラトルイル酸を回収する結果、排水中の有機物濃度が低下するので、排水処理に要する費用を削減することができる。
以下、本発明を図1を用いて説明する。
(a)酸化反応工程
触媒の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素によりパラキシレンを液相酸化することによりテレフタル酸を生成させる(1)。この工程は周知であり、触媒としては、従来よりこの反応に用い得ることが知られている触媒が用いられ、具体的には、コバルト化合物、マンガン化合物、鉄化合物、クロム化合物などの重金属化合物及び臭素化合物等が挙げられる。これらは溶解した状態で反応系に存在している。なかでも好ましいのは、コバルト化合物又はマンガン化合物と臭素化合物との組み合わせである。この場合、これらの化合物は、通常、溶媒に対して、コバルト原子が10〜5000ppm、マンガン原子が10〜5000ppm、臭素原子が10〜10000ppmとなるように用いられる。
分子状酸素としては、通常は不活性ガスと酸素との混合ガスが用いられ、例えば、空気や酸素富化空気が用いられる。反応器に供給するパラキシレンに対する分子状酸素のモル比は、通常3〜20モル倍、好ましくは2〜4モル倍である。
反応器に供給する酢酸に対するパラキシレンの比率は、通常1〜50重量%である。反応系内の水分濃度は、通常5〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。
酸化反応の温度は、通常160〜260℃、好ましくは170〜210℃、圧力は、反応温度において反応系が液相を保持できる圧力以上であればよく、通常0.5〜5MPa、好ましくは1〜2MPa、滞留時間は通常10〜200分である。反応器は通常は1個であるが、2個以上を直列に結合して用いることもできる。
(b)粗テレフタル酸結晶取得工程
テレフタル酸は溶媒である酢酸に溶け難いため、通常、酸化反応工程で生成したテレフタル酸は結晶として析出し、スラリーを形成する。しかしながら、溶媒の量、反応温度、圧力によっては、テレフタル酸が溶解している場合がある。この場合には、160℃〜260℃、0.5〜5MPaの反応液を90〜160℃、0〜0.2MPaまで冷却等する晶析工程(2)を設けてテレフタル酸を析出させ、スラリーを形成させる。このスラリーを固液分離(3)して、粗テレフタル酸(以下「CTA」と略記することがある)結晶を取得する。酸化反応工程で得られたテレフタル酸スラリーは加圧状態にあるが、そのまま固液分離しても、放圧冷却等してから固液分離してもよい。固液分離の方法としては、結晶と母液とが分離できるものであればよく、濾過、遠心分離などが挙げられる。
なお、放圧冷却とは、酸化反応工程で得られたテレフタル酸スラリーの圧力より低い圧力条件に保持されている晶析槽にテレフタル酸スラリーを導入し、ここで放圧させることにより、膨張及び溶媒成分の気化によりスラリー温度を低下させることをいう。
このようにして得られた粗テレフタル酸結晶は、必要に応じて洗浄、100〜200℃で乾燥(4)を行う。
一方、粗テレフタル酸結晶が分離された母液は、通常は、0.2〜10の還流比、25〜125の理論段数の蒸留塔で蒸留、特に共沸蒸留により酢酸と水に分離する(酢酸脱水工程5)。回収された酢酸は酸化反応工程に循環するが、パラトルイル酸回収工程で脱離剤として利用してもよい。また、この母液には酢酸の不均一反応によって生成した酢酸メチルを含有しているので、蒸留に際してはこれを分離回収するのが好ましい。回収された酢酸メチルはパラトルイル酸回収工程で脱離剤として利用することができる。
(c)水素添加工程
粗テレフタル酸結晶取得工程で得られた粗テレフタル酸結晶には、酸化中間体である4−カルボキシベンズアルデヒド(以下「4CBA」と略記することがある。)が不純物として含まれている。4CBAはテレフタル酸の着色原因となるため、除去しなければならない。この工程では4CBAを水素添加してパラトルイル酸とする。パラトルイル酸はテレフタル酸よりも水に溶けやすいので、後続する固液分離によってテレフタル酸とパラトルイル酸とを簡単に分離することができる。
水素添加工程では、粗テレフタル酸結晶を水とともに加熱して粗テレフタル酸を完全に水に溶解させた後(6)、水素添加触媒の存在下、水素と反応させることにより4CBAをパラトルイル酸に還元する(7)。
この水素添加も周知であり、水素添加触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウムなどの8〜10族金属触媒が用いられ、通常、活性炭などに担体に担持して固定床として用いる。これらのなかでも活性炭に担持させたパラジウムが好ましい。
粗テレフタル酸結晶は、水100重量部に対して、通常1〜80重量部、好ましくは15〜65重量部の割合で溶解する。水素添加の温度は、通常260〜320℃、好ましくは270〜300℃、水素の分圧は通常0.5〜20kg/cmGである。
(d)高純度テレフタル酸晶析工程
水素添加工程により水溶液中の4CBAは水溶性のパラトルイル酸に還元されているので、これからテレフタル酸結晶を晶析させると、パラトルイル酸を含まない高純度のテレフタル酸結晶が得られる。
晶析方法(8)としては、圧力を下げて溶媒を蒸発させる放圧冷却方式が一般に用いられている。通常は2〜6個の晶析缶を直列に接続し、段階的に圧力を下げて晶析させる。通常6.0〜12MPaの圧力から2〜6段階で0.1〜1.0MPaまで圧力を下げていく。晶析の最終温度は、通常100℃以上、好ましくは150〜160℃である。晶析缶から発生した水蒸気は、通常、冷却して凝縮液として回収する(14)。この凝縮液中には飛沫同伴したパラトルイル酸が含まれていることが多い。よって後述の(I)吸着工程の被処理液として供給して、パラトルイル酸を回収することが好ましい。
(e)高純度テレフタル酸結晶取得工程
晶析工程で得られた高純度テレフタル酸スラリーを固液分離(9)して高純度テレフタル酸結晶(以下「PTA」と略記することがある)(15)及び一次母液(16)を取得する。固液分離方法としては、結晶と母液とが分離できるものであればよく、濾過、遠心分離などが挙げられる。
パラトルイル酸は水溶性なので一次母液に残留する。そのため、回収される高純度テレフタル酸結晶のパラトルイル酸含有量は極めて少ない。一次母液から分離された高純度テレフタル酸結晶を、水で洗浄(10)した後、100〜200℃で乾燥(11)すると、高純度テレフタル酸製品が得られる。洗浄排水(24)は、水素添加工程における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として用いることができる。
一方、一次母液には、パラトルイル酸、安息香酸などの水溶性の反応副生物、析出しなかったテレフタル酸などの有機物が含まれている。
なお、吸着塔からの流出液を溶解水や洗浄水として再利用する際には、再利用する量を調整して、一次母液中の安息香酸濃度が、通常3000ppm以下、好ましくは1500ppm以下となるようにすることが好ましい。一次母液中の安息香酸の濃度が高すぎなければ、安息香酸を含む流出液をリサイクルしても、通常の洗浄、乾燥により得られる高純度テレフタル酸製品中の安息香酸濃度を50ppm以下、特に25ppm以下に維持することができる。安息香酸の濃度が上記範囲の高純度テレフタル酸は、この高純度テレフタル酸を用いて製造されるポリエステルの重合度は所定の値に達し、また、着色の少ないポリエステルを得ることができる等の高純度テレフタル酸の物性を維持することができる。一次母液中の安息香酸の濃度が多すぎると、安息香酸の含有量が上記範囲の高純度テレフタル酸を得るために、洗浄を強化する必要があり、洗浄で使用する水量が増加し、高純度テレフタル酸の製造にかかる費用が増大する。
(f)パラトルイル酸回収工程
本発明では、一次母液中のパラトルイル酸を、吸着剤を用いて安息香酸から分離・回収する(13)。高純度テレフタル酸の晶析温度によっても異なるが、一次母液には、パラトルイル酸が通常500〜5000ppm、安息香酸が通常50〜500ppm、テレフタル酸が通常1000〜5000ppm程度含まれている。
なお、一次母液はそのまま吸着処理に供することもできるが、これを冷却して溶解しているパラトルイル酸、テレフタル酸その他の有機物の一部を析出させたのち濾過その他の方法で固液分離して二次結晶(17)と二次母液(18)とに分離し、回収した二次母液を吸着処理に供するのが好ましい。一次母液の冷却温度は、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、二次母液は通常この温度範囲で吸着処理を行われる。これにより高温の一次母液と接触させると劣化する恐れのある吸着剤でも安全に用いることができる。また、二次母液はパラトルイル酸の濃度が低下しているので、吸着操作を終了させるまでにより多量の母液を吸着塔に供給することができる。一次母液を室温まで冷却した場合には、二次母液中には、パラトルイル酸が通常100〜1000ppm、安息香酸が通常100〜1000ppm、テレフタル酸は通常1〜500ppm程度含まれる。固液分離により回収した析出物は主としてパラトルイル酸やテレフタル酸なので、酸化反応工程に供給することができる(17)。
また、前述のように、高純度テレフタル酸晶析工程で晶析缶から発生した水蒸気を凝縮させて得た凝縮液(14)中には飛沫同伴したパラトルイル酸などが含まれていることが多いので、この凝縮液も一次母液や二次母液と一緒に吸着塔に供給してもよい。その際、凝縮液は高温であるので、一次母液と混合するのが好ましい。凝縮液は、パラトルイル酸を通常100〜1000ppm、安息香酸を通常10〜500ppm、テレフタル酸を通常500〜3000ppm程度含有している。
(I)吸着工程及び(II)供給停止工程、
本発明では、一次母液もしくは二次母液又はこれらとパラトルイル酸を含む凝縮液との混合物(以下、これを被処理液という)を、安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔(13)に供給して塔内を流下させる。なお、被吸着物を含有する液を吸着剤の充填されている吸着塔に流通させた際に、吸着塔からの流出液中に被吸着物が検出された時点を該被吸着物の破過点といい、被吸着物を含有する液の吸着塔への流通開始から該被吸着物の破過点に達するまでの時間を、該被吸着物の破過時間という。
被処理液中の安息香酸及びパラトルイル酸は吸着剤に吸着されるので、吸着塔の末端からはこれらを含まない液が流出する(19)。しかし被処理液の供給を継続していると安息香酸の破過点に達し、吸着塔末端から流出する液中に安息香酸が含まれるようになる。ここで、パラトルイル酸と安息香酸を含む溶液を吸着塔で処理したときに、流出液中に安息香酸が検出されるようになる点を安息香酸の破過点といい、通液開始から破過点に達するまでにかかる時間を破過時間という。安息香酸の破過時間を超えて吸着塔への被処理液の供給を継続すると、末端から流出する液中の安息香酸の濃度は漸次増加し、やがて被処理液中の安息香酸の濃度よりも高い濃度を示すようになる。これは、被処理液中のパラトルイル酸が、吸着剤に吸着している安息香酸を置換して吸着されていることを示している。
更に被処理液の供給を継続すると、パラトルイル酸の破過点に達し、末端から流出する液中にパラトルイル酸も含まれるようになる。ここで、パラトルイル酸と安息香酸を含む溶液を吸着塔で処理したときに、流出液中にパラトルイル酸が検出されるようになる点をパラトルイル酸の破過点、通液開始から破過点に達するまでにかかる時間を破過時間という。パラトルイル酸の破過時間を超えて吸着塔への被処理液の供給を継続すると、液中のパラトルイル酸の濃度は漸次増加し、最終的には被処理液の濃度と同一となる。安息香酸の破過点(安息香酸の破過時間)に達するまでは吸着塔内の安息香酸に対するパラトルイル酸の比は、被処理液中の安息香酸に対するパラトルイル酸の比と等しいが、破過点を過ぎるとこの比は漸次大きくなり、流出液中の安息香酸とパラトルイル酸の濃度が被処理液中の濃度と一致した時点、すなわち飽和点でこの比は最大となる。従って、安息香酸の破過点(安息香酸の破過時間)を通過してから飽和点に達するまでの任意の時点で吸着塔への被処理液の供給を停止し、代わりに脱離剤を供給して、吸着されている安息香酸とパラトルイル酸を脱離させれば、安息香酸に対するパラトルイル酸の比が被処理液のそれよりも高いパラトルイル酸を回収することができる。
通常は流出液中の安息香酸の濃度が被処理液中の濃度の少なくとも10%、特に少なくとも20%に達してから被処理液の供給を停止する。一般に、流出液中の安息香酸の濃度が被処理液中の濃度の50%以上、特に100%以上に達してから停止するのが好ましい。流出液中にパラトルイル酸が含まれるようになってから被処理液の供給を停止すると、安息香酸の含有量の更に少ないパラトルイル酸を回収することができる。供給を停止する時点の流出液中のパラトルイル酸の濃度が高いほど、回収されるパラトルイル酸中の安息香酸の濃度が低下するが、逆にパラトルイル酸の回収量は減少する。従って、どの時点で被処理液の供給を停止すべきかは、パラトルイル酸の回収率及び回収されるパラトルイル酸中に混入する安息香酸の許容量を考慮して決定するが、通常は流出液中のパラトルイル酸の濃度が被処理液中のパラトルイル酸の90%、好ましくは50%に達する前に供給を停止する。一般的には、パラトルイル酸の破過時間の少なくとも80%、特に少なくとも90%に達した時点、また、パラトルイル酸の破過点から流出液中のパラトルイル酸の濃度が、被処理液中の濃度の25%、好ましくは20%、特に10%に達するまでの間に供給を停止するのが好ましい。
吸着剤としては、安息香酸の破過時間がパラトルイル酸の破過時間より長い多孔質吸着剤であれば、任意のものを用いることができるが、通常は有機合成吸着剤を用いる。例えば、SEPABEADS SP825、SP850、SP207(SEPABEADSは三菱化学社の登録商標)、AMBERLITE XAD−4、XAD−16(AMBERLITEはローム&ハース社の登録商標)などのスチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤や、DIAION HP2MG(DIAIONは三菱化学社の登録商標)、AMBERLITE XAD−7、XAD−8などのアクリル系合成吸着剤を用いることができる。好ましくは無極性の有機合成吸着剤、特にモノビニル化合物とポリビニル化合物との多孔質共重合体からなる合成吸着剤、なかでもスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤を用いる。安息香酸もパラトルイル酸もベンゼン環を有しているので、スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤に吸着され易く、かつその吸着力は一般に安息香酸よりもパラトルイル酸の方が大きい。
吸着材の比表面積は通常400〜1500m/g、好ましくは600〜1000m/g、細孔容積は通常0.5〜3mL/g、好ましくは1.0〜2.0mL/g、細孔径は通常10〜1000Å、好ましくは50〜500Åである。吸着剤は、通常は充填層高が1.5〜4.0m程度となるように吸着塔に充填する。被処理液の供給停止をどの時点で行うかにもよるが、一般に充填層高が低すぎると吸着剤の利用効率が低下する。吸着塔への被処理液の供給速度はLVが通常0.5〜30m/hr、SVが通常0.5〜20hr−1である。
(III)脱離工程
吸着塔への被処理液の供給を停止したならば、次いで吸着塔に脱離剤を供給して(図示せず)吸着している安息香酸やパラトルイル酸を脱離させる。被処理液の供給を停止したのち水を供給して、吸着塔内の被処理液を排出してから脱離剤を供給するようにしてもよい。
脱離剤としては、酢酸、酢酸メチルやこれらの混合物を用いればよい。酢酸も酢酸メチルも酸化反応工程〜粗テレフタル酸結晶取得工程までの間で、系内で発生した蒸気や粗テレフタル酸結晶の母液から回収されるので、これを用いることができる。
脱離剤の供給速度はLVが通常0.5〜30m/hr、SVが通常0.5〜20hr−1である。脱離剤の温度は、脱離剤の凝固点以上、沸点以下で任意に選択すればよく、例えば、脱離剤が酢酸の場合は室温〜80℃好ましい。吸着塔から流出したパラトルイル酸及び安息香酸を含有する脱離剤溶液中のパラトルイル酸と安息香酸の比率は、被処理溶液中のパラトルイル酸と安息香酸の割合や、被処理液の供給停止時点によっても異なるが、パラトルイル酸に対する安息香酸の比率が35重量%以下となるようにするのが好ましい。
(IV)循環工程
吸着塔から流出した脱離剤(20)中のパラトルイル酸、通常はパラトルイル酸と安息香酸は、酸化反応工程へ供給する。簡単には流出した脱離剤をそのまま酸化反応工程へ供給することができる。なお、脱離剤として酢酸を用いた場合には、流出した脱離剤を酸化反応工程で発生する反応排ガスと接触させてから酸化反応工程に供給するのが好ましい。反応排ガス中には反応溶媒である酢酸から生成した酢酸メチルが含まれているが、これが酢酸で吸収されて酸化反応系に戻されるので、酢酸から酢酸メチルへの反応を抑制することができる。
脱離処理を経た吸着塔へは、次いで水を供給して塔内の脱離剤を排出し、吸着塔を再生する。水の供給速度はLVが通常0.5〜30m/hr、SVが通常0.5〜20hr−1である。供給する水の温度は任意であるが、通常は室温〜80℃である。吸着塔から流出する再生水(21)には脱離剤が含まれているので、例えば、再生初期の酢酸が50%以上含有する液を酸化反応系へ供給し、それ以降の再生水を酢酸脱水工程における蒸留に、蒸留等の還流液として供給し、蒸留して脱離剤を回収し、再利用する。蒸留は単独で行う以外に系内で発生する酢酸水溶液と一緒に蒸留することもできる。なお、ここで吸着塔へ供給する水として、二次母液を用いることもできる。
本発明は1個の吸着塔を用いて行うこともできるが、吸着工程(I)において、安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔が複数個併設し、被処理液を供給する吸着塔を順次切り替えることにより、全体としては連続的に吸着処理を行い得るようにすることもできる。各吸着塔は吸着−脱離−再生を反復するように構成されている。第1吸着塔に、被処理液として「一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液」を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させる。この時、第1吸着塔の流出液は流出液中にパラトルイル酸が流出してこない間は吸着プロセス系外に排出すが、この流出液は高純度テレフタル酸結晶洗浄工程(g)における高純度テレフタル酸の洗浄または水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用することが出来る。そして、供給停止工程(II)において、第1吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸が所定濃度に達したならば第1吸着塔への被処理液の供給を停止し、被処理液の供給先を第1吸着塔から第2吸着塔へ切り替え供給することにより、非処理液中のパラトルイル酸の回収率は低下しない。従ってこの場合には、第1吸着塔中の安息香酸に対するパラトルイル酸の比率が最も高くなった時点で、第1吸着塔への被処理液の供給を停止することができる。脱離工程(III)において、第1吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させ、循環工程(IV)において、第1吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給する。
また本発明においては、複数(通常は2塔)の吸着塔を直列に配してもよく、その際には直列に配した吸着塔の第1塔に本願発明における(I)〜(IV)の条件を適用し運転すればよい。被処理液の第1塔への供給停止の後は、直列に配した吸着塔の第2塔にこの被処理液を供給し、第2塔を第1塔として使用すればよい。第2塔を第1塔として使用した際には、再生を終えた新たな最終塔(例えば、2塔を直列に配した場合だと新たな2塔目)を設ければよい。
(g)高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程
一次母液から分離された高純度テレフタル酸結晶を、水で洗浄(10)した後、乾燥(11)すると、高純度テレフタル酸製品が得られる。高純度テレフタル酸結晶の洗浄は、固液分離装置内に水を供給する方法で行っても、高純度テレフタル酸結晶を水で懸濁洗浄した後に固液分離する方法で行ってもよい。ここで、固液分離装置としては、前記固液分離操作で用いたのと同一の装置が用いることができる。固液分離装置の好ましい一例としては、スクリーンボウル型遠心分離機等が挙げられる。
固液分離装置内に水を供給して洗浄を行う場合、洗浄に用いる水の温度は通常、晶析工程で得られた高純度テレフタル酸スラリーの温度以上、操作圧力における沸点以下であり、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは140〜170℃である。また、懸濁洗浄を行う場合、洗浄に用いる水の温度は通常30〜180℃である。これらの洗浄に用いる水の量は、高純度テレフタル酸に含まれる不純物の量、製品高純度テレフタル酸に許容される不純物の量、洗浄方法等により異なるが、通常高純度テレフタル酸結晶1トンあたり0.1〜2トン程度の水が用いられる。乾燥には、スチームチューブ型乾燥機、流動層乾燥機等の乾燥機が用いられ、乾燥温度は、通常80〜180℃である。
(h)洗浄排水循環工程
高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程における洗浄排水の少なくとも一部を、水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用(24)する。好ましくは洗浄排水の全量を溶解水として用いる。
被処理液を吸着塔に供給した際に吸着塔から流出する液(19)は、安息香酸の破過点(安息香酸の破過時間)に達するまでは有機物をほとんど含んでいないので、また、安息香酸の破過点以降の流出水も安息香酸濃度の低いものは、一部または全部を、好ましくはその一部を、水素添加工程での粗テレフタル酸結晶の溶解水(22)や、高純度テレフタル酸結晶取得工程(e)における固液分離後の高純度テレフタル酸結晶の洗浄水(23)として用いることができる。高純度テレフタル酸結晶の回収工程での洗浄水として用いる場合、通常、洗浄排水は水素添加工程での粗テレフタル酸の溶解水として利用する(24)。
このように吸着塔からの流出液を溶解水や洗浄水として再利用する場合には、再利用する量を調整して、一次母液中の安息香酸濃度が、通常3000ppm以下、好ましくは1500ppm以下となるようにすれば、得られる高純度テレフタル酸製品中の安息香酸濃度を60ppm以下、特に30ppm以下に維持することができ、これを用いて製造するポリエステルの重合度は所定の値に達し、また、着色の少ないポリエステルを得ることができる。
吸着流出液のうち系内で利用しないものは、廃棄される。しかし液中には酸化反応工程での触媒に由来する重金属が含まれており、これが環境に排出されると環境に悪影響を与える恐れがあるので、イオン交換樹脂で処理して重金属を除去したのち排出するのが好ましい。イオン交換樹脂としては通常の強酸性イオン交換樹脂を用いればよい。イオン交換樹脂に吸着した重金属は酸で脱離させ、触媒として酸化反応工程で再利用することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
三菱化学(株)製:合成吸着材 SEPABEDAS SP825Lを18.8g(33ml)ビーカーに量り取り、メタノールでスラリー化させ、十分にガス抜きを行った後に、内径17.8mmのガラスカラムに流し込んだ。純水で洗浄し、ガスクロマトグラフィーにてメタノールが検出されrなくなったことを確認した。
このカラムに、パラトルイル酸及び安息香酸を含有する水溶液を338ml/hrで連続供給して吸着処理を行った。供給はSV=10hr−1、LV=1.4m/hrで行った。供給液及び流出液中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を定期的に測定した。結果を図2に示す。
次に、上述のカラムに、脱離剤として、パラトルイル酸300ppm及び水分7%を含有する酢酸をSV=10hr−1で供給した。カラムから流出する脱離剤中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を定期的に測定した。結果を図3に示す。
また、酢酸で脱離させたカラムに室温の水をSV=5hr−1で供給し、流出水中の酢酸濃度を定期的に測定しつつカラムを再生させた。結果を図4に示す。
実施例2
パラキシレンを酢酸溶媒中、コバルト化合物、マンガン化合物、臭化水素の触媒の存在下、空気を用いて酸化させて得られた粗テレフタル酸スラリーを固液分離して粗テレフタル酸結晶を得た。この粗テレフタル酸結晶を30重量%の割合で含有する水スラリーを加熱して水溶液とし、これを活性炭にパラジウムを担持させた触媒の存在下、290℃、8.7MPaで水素添加を行った。
水素添加した水溶液を5個の晶析缶を直列に接続した晶析槽により段階的に放圧冷却させ、最終的に155℃まで冷却し、高純度テレフタル酸スラリーを得た。このスラリーを固液分離し、高純度テレフタル酸結晶と一次母液を得た。高純度テレフタル酸結晶は、高純度テレフタル酸1ton当たり1.5tonの水で洗浄した後、140℃で乾燥し、安息香酸濃度が5ppmの高純度テレフタル酸製品を得た。一次母液は、放圧冷却槽において80℃まで減圧冷却して結晶を析出させてスラリーとし、これを濾過器で分離して、二次結晶と二次母液を得た。二次母液の安息香酸濃度は300ppm、パラトルイル酸濃度は700ppmであった。
三菱化学(株)製:合成吸着材SEPABEADS SP207 13kg(19L)を内径260mmのステンレス製カラムに入れ、水を加えて十分にガス抜きを行って吸着塔を完成した。この吸着塔に二次母液を、SV=10hr−1、LV=3.6m/hrで連続的に供給した。吸着塔への供給液及び吸着塔からの流出液中の安息香酸及びパラトルイル酸の濃度を図5に示す。なお、供給液はテレフタル酸を約80ppm含有している。
また、安息香酸及びパラトルイル酸を吸着した吸着塔に、パラトルイル酸300ppm及び水7%を含有する酢酸をSV=2hr−1で供給して、吸着している安息香酸及びパラトルイル酸を脱離した。結果を図6に示す。
この現象から、この多孔質吸着剤を充填した吸着塔に安息香酸とパラトルイル酸の双方を含有する水溶液を供給した際に、吸着塔から出てくる流出液中へのこれらの化合物の流出状況から、初めのうちは、安息香酸とパラトルイル酸はいずれもが吸着されるので、吸着塔からは両者のいずれをも含まない液が流出するが、水溶液の供給を継続していると流出液中に安息香酸が含まれるようになること、流出液中の安息香酸の濃度は漸次増加し、この濃度が相当高くなってから初めてパラトルイル酸が流出液中に含まれるようになり、かつその濃度が漸次増加していくことがわかる。
これは安息香酸よりもパラトルイル酸の方が多孔質吸着剤への吸着力が強く、吸着塔が安息香酸とパラトルイル酸でほぼ飽和吸着に達した後は、パラトルイル酸が吸着されている安息香酸を置換して吸着されることを示している。従って、この現象を利用して、吸着されている安息香酸がパラトルイル酸で十分に置換されて、吸着塔内の安息香酸に対するパラトルイル酸の比が供給液中の比よりも十分に大きくなった時点で水溶液の供給を停止すれば、パラトルイル酸を選択的に回収することができることがわかる。
また、この安息香酸及びパラトルイル酸を吸着した吸着塔に、酸化反応溶媒である酢酸を供給することにより吸着している安息香酸及びパラトルイル酸を脱離させることが可能なことから、テレフタル酸の原料として有用なパラトルイル酸を酸化反応工程へ循環することにより有利にテレフタル酸を製造することが出来る。
実施例3
パラトルイル酸を332ppmの濃度で含有する水溶液100mlに、三菱化学(株)製:合成吸着材SEPABEADS SP825 0.5gを入れて、室温で15時間攪拌してパラトルイル酸を平衡吸着させた。吸着材に吸着したパラトルイル酸は27mgであった。
この吸着材を水溶液から取り出し、酢酸メチル20mlを加えて室温で6時間攪拌してパラトルイル酸を脱離させたところ、脱離剤中のパラトルイル酸は27mgであった。
この吸着材を100mlの水で洗浄した後、パラトルイル酸を332ppmの濃度で含有する水溶液100mlに入れ、室温で15時間攪拌して、再度パラトルイル酸を吸着させた。その結果、吸着剤に吸着したパラトルイル酸は23mgであり、酢酸メチルが脱離剤として適当であることを確認した。
実施例4
この二次母液を、三菱化学(株)製:合成吸着材 SEPABEDAS SP207 13kg(19L)を内径260mm、容積24Lのステンレス製吸着塔に仕込み、SV=10hr−1、LV=3.6m/hrで10時間供給した。供給を停止したときの排出液中のパラトルイル酸濃度は、127ppmであった。吸着塔からの排出液を全てタンクに回収したところ、排出液の容量は1900L、安息香酸濃度が222ppm、パラトルイル酸濃度が12ppmであった。
このようにして得られた排出液を高純度テレフタル酸結晶の洗浄水の一部として再利用し、高純度テレフタル酸の溶解水の全量に洗浄排水を用いた時の一次母液及び製品高純度テレフタル酸に含まれる安息香酸の濃度をシミュレーションにより計算した。結果を表1に示す。
Figure 2006298905
実施例5
三菱化学社製高純度テレフタル酸(PTA)に、安息香酸を0ppm、50ppm、100ppmの相当量を添加して重合評価設備にてテレフタル酸1に対してエチレングリコール1.004重量部仕込み235℃で53分間、さらに260℃で45分間のエステル化を行い、280℃で100分間の重合を行う。そこで得られたポリエステルのハンターb値をスガ試験機社製の色差計で測定した。その結果、ハンターb値はそれぞれ1.38、1.68、1.94であった。
考察
パラキシレンを酸化すると、パラトルイル酸となる。パラトルイル酸は酸化すると4−カルボキシ安息香酸となり、4−カルボキシ安息香酸を酸化するとテレフタル酸となる。このため、実施例1〜3で回収されたパラトルイル酸を酸化工程に供給すれば、テレフタル酸となり、テレフタル酸の収率を向上させることができる。
本発明にかかる高純度テレフタル酸の製造方法の例を示すフロー図 実施例1における吸着塔への供給液及び流出液中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を示す図 実施例1における吸着塔から流出する脱離剤中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を示す図 実施例1における吸着塔を再生する際の流出水中の酢酸濃度を示す図 実施例2における吸着塔への供給液及び流出液中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を示す図 実施例2における吸着塔から流出する脱離剤中のパラトルイル酸及び安息香酸の濃度を示す図。
符号の説明
1 酸化反応工程
2 晶析工程
3 粗テレフタル酸結晶取得工程
4 粗テレフタル酸結晶取得工程における乾燥工程
5 酢酸脱水工程
6 粗テレフタル酸結晶を水でスラリー化した後、溶解させる工程
7 水素添加工程
8 高純度テレフタル酸晶析工程
9 高純度テレフタル酸結晶取得工程
10 高純度テレフタル酸結晶の洗浄
11 高純度テレフタル酸結晶の乾燥
12 一次母液の晶析・分離
13 吸着塔
14 凝縮液
15 高純度テレフタル酸結晶
16 一次母液
17 二次結晶
18 二次母液
19 吸着塔で被処理液を供給した際の、吸着塔からの流出液
20 吸着塔から流出する脱離剤
21 吸着塔から流出する再生水
22 流出液の溶解水へのリサイクル
23 流出液の洗浄水へのリサイクル
24 洗浄排水の溶解液へのリサイクル

Claims (17)

  1. (a)触媒が存在している酢酸溶液中で、パラキシレンを酸化してテレフタル酸を生成させる酸化反応工程、
    (b)生成したテレフタル酸が析出しているスラリーを固液分離して粗テレフタル酸結晶を取得する粗テレフタル酸結晶取得工程、
    (c)粗テレフタル酸結晶を水に溶解して水溶液とし、これを水素添加する水素添加工程、
    (d)水素添加した水溶液からテレフタル酸を晶析させて高純度テレフタル酸スラリーを生成させる高純度テレフタル酸晶析工程、
    (e)高純度テレフタル酸スラリーを固液分離して高純度テレフタル酸結晶及び一次母液を取得する高純度テレフタル酸結晶取得工程、
    (f)一次母液からパラトルイル酸を回収して酸化反応工程に供給するパラトルイル酸回収工程、
    の各工程を有する高純度テレフタル酸の製造方法であって、パラトルイル酸回収工程が次の各工程を有することを特徴とする高純度テレフタル酸の製造方法。
    (I)安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔に、被処理液として一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させる吸着工程、
    (II)安息香酸の破過時間を超えた任意の時点で、吸着塔への被処理液の供給を停止する供給停止工程、
    (III)吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させる脱離工程、
    (IV)吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給する循環工程。
  2. 更に、次の各工程を有することを特徴とする請求項1に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
    (g)高純度テレフタル酸結晶を水で洗浄した後、乾燥して高純度テレフタル酸製品を得る高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程、
    (h)高純度テレフタル酸結晶洗浄乾燥工程における洗浄排水を、水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用する洗浄排水循環工程
  3. 更に次の工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
    (i)吸着工程(I)における吸着塔からの流出液の少なくとも一部を、水素添加工程(c)における粗テレフタル酸結晶を溶解する水として再利用する流出液の循環工程
  4. 更に次の工程を有することを特徴とする請求項2に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
    (ii)吸着工程(I)における吸着塔からの流出液の少なくとも一部を、高純度テレフタル酸結晶洗浄工程(g)における高純度テレフタル酸結晶を洗浄する水として再利用する流出液の循環工程
  5. 高純度テレフタル酸結晶取得工程(e)における一次母液中の安息香酸の濃度が3000ppm以下となるように、循環工程において再利用する流出液の量を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  6. 高純度テレフタル酸晶析工程(d)におけるテレフタル酸の晶析を、水溶液から水を蒸発させて水溶液の温度を低下させることにより行い、かつ発生した水蒸気を凝縮させ、この凝縮液を被処理液として吸着工程(I)における吸着塔に供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  7. 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中の安息香酸の濃度が、被処理液中の安息香酸濃度の少なくとも50%に達した時点で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  8. 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中の安息香酸の濃度が被処理液中の安息香酸の濃度と等しくなった時点以降に行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  9. 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸の濃度が、被処理液中のパラトルイル酸の濃度の50%に達する前に行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  10. 供給停止工程(II)における吸着塔への被処理液の供給停止を、吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸の濃度が、被処理液中のパラトルイル酸の濃度の20%に達する前に行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  11. 吸着工程(I)において、安息香酸の破過時間よりもパラトルイル酸の破過時間が長い吸着剤が充填されている吸着塔が複数個併設されており、各吸着塔は吸着−脱離−再生を反復するように構成されている第1吸着塔に、被処理液として一次母液ないしは一次母液を冷却したものを固液分離して得られる二次母液を供給して、被処理液中のパラトルイル酸及び安息香酸を吸着剤に吸着させ(但し、第1吸着塔の流出液は流出液中にパラトルイル酸が流出してこない間は吸着プロセス系外に排出する)、供給停止工程(II)において、第1吸着塔からの流出液中のパラトルイル酸が所定濃度に達したならば第一吸収塔への被処理液の供給を停止し、被処理液の供給先を第1吸着塔から第2吸着塔へ切り替え、脱離工程(III)において、第1吸着塔に脱離剤を供給して吸着しているパラトルイル酸を脱離させ、循環工程(IV)において、第1吸着塔から流出した脱離剤に含まれているパラトルイル酸を酸化反応工程に供給することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  12. 更に、脱離工程(III)を経た第1吸着塔に水を供給して吸着している脱離剤を溶出させ、吸着工程(I)における吸着塔として使用することを特徴とする請求項11に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  13. 脱離剤が酢酸、酢酸メチル又はその混合物であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  14. 吸着剤がモノビニル化合物とポリビニル化合物との多孔質共重合体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  15. 吸着剤がスチレン及びジビニルベンゼンを主成分とする多孔質共重合体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  16. 脱離工程(III)を終了した吸着塔に水または二次分離母液を供給して吸着している脱離剤を脱離させることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
  17. 吸着工程(III)における吸着塔が複数の吸着塔を直列に配したものであり、直列に配した吸着塔の第1塔に供給停止工程(II)の条件を適用し、第1塔への供給停止の後、直列に配した吸着塔の第2塔に二次母液を供給し、第2塔を第1塔として使用することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
JP2006075283A 2005-03-22 2006-03-17 高純度テレフタル酸の製造方法 Withdrawn JP2006298905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006075283A JP2006298905A (ja) 2005-03-22 2006-03-17 高純度テレフタル酸の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005082038 2005-03-22
JP2005084186 2005-03-23
JP2006075283A JP2006298905A (ja) 2005-03-22 2006-03-17 高純度テレフタル酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006298905A true JP2006298905A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37467394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006075283A Withdrawn JP2006298905A (ja) 2005-03-22 2006-03-17 高純度テレフタル酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006298905A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009093862A2 (ko) * 2008-01-25 2009-07-30 Samsung Petrochemical Co., Ltd. 다단계의 산화방식을 적용한 친환경적인 테레프탈산 제조방법
CN101825868A (zh) * 2010-04-29 2010-09-08 华东理工大学 一种工业装置粗对苯二甲酸加氢精制过程节能优化运行方法
CN101955426A (zh) * 2010-08-23 2011-01-26 华东理工大学 一种工业精对苯二甲酸装置共沸精馏溶剂脱水过程优化运行的方法
JP2011515386A (ja) * 2008-03-20 2011-05-19 ダウ イタリア ソチエタ レスポンサビリタ リミテ 芳香族カルボン酸の生産における廃水からの水および価値のある有機物の回収の方法
JP2020158475A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 三井化学株式会社 芳香族カルボン酸と脂肪族有機酸との混合物の製造方法
CN114573188A (zh) * 2022-03-15 2022-06-03 宿迁思睿屹新材料有限公司 一种对羟基苯甲酸生产废水处理系统

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009093862A2 (ko) * 2008-01-25 2009-07-30 Samsung Petrochemical Co., Ltd. 다단계의 산화방식을 적용한 친환경적인 테레프탈산 제조방법
WO2009093862A3 (ko) * 2008-01-25 2009-10-22 삼성석유화학(주) 다단계의 산화방식을 적용한 친환경적인 테레프탈산 제조방법
JP2011515386A (ja) * 2008-03-20 2011-05-19 ダウ イタリア ソチエタ レスポンサビリタ リミテ 芳香族カルボン酸の生産における廃水からの水および価値のある有機物の回収の方法
CN101825868A (zh) * 2010-04-29 2010-09-08 华东理工大学 一种工业装置粗对苯二甲酸加氢精制过程节能优化运行方法
CN101955426A (zh) * 2010-08-23 2011-01-26 华东理工大学 一种工业精对苯二甲酸装置共沸精馏溶剂脱水过程优化运行的方法
JP2020158475A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 三井化学株式会社 芳香族カルボン酸と脂肪族有機酸との混合物の製造方法
JP7169241B2 (ja) 2019-03-28 2022-11-10 三井化学株式会社 芳香族カルボン酸と脂肪族有機酸との混合物の製造方法
CN114573188A (zh) * 2022-03-15 2022-06-03 宿迁思睿屹新材料有限公司 一种对羟基苯甲酸生产废水处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3028925B2 (ja) アクリル酸の製造方法
JP3729284B2 (ja) 高純度テレフタル酸の製造方法
EP1758846B1 (en) Process for removal of impurities from mother liquor in the synthesis of carboxylic acid using pressure filtration
KR100969841B1 (ko) 방향족 산의 제조 및/또는 정제 동안에 액체스트림으로부터 철 오염물을 제거하는 방법
JPH09511253A (ja) 効率的なエネルギー回収が可能な芳香族カルボン酸の製造法
JP2010022923A (ja) 排水の処理方法
JP2006298905A (ja) 高純度テレフタル酸の製造方法
US7402694B2 (en) Process for removal of benzoic acid from an oxidizer purge stream
WO2006100969A1 (ja) 高純度テレフタル酸の製造方法
ES2681655T3 (es) Mejora de la velocidad de filtración de la purga de ácido tereftálico mediante el control del porcentaje de agua en la suspensión de alimentación del filtro
JP5802115B2 (ja) 粗製テレフタル酸の精製方法
JP7169241B2 (ja) 芳香族カルボン酸と脂肪族有機酸との混合物の製造方法
US7569722B2 (en) Process for removal of benzoic acid from an oxidizer purge stream
ES2603178T3 (es) Procedimiento para la eliminación del ácido benzoico de una corriente de purga de oxidación
JP2006008671A (ja) 高純度テレフタル酸の製造方法
WO2014189786A1 (en) Pure plant waste water purification and recycle
JP2015533381A (ja) 純粋なプラント母液溶媒の抽出システムおよび方法
JP4429393B2 (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JP2004175797A (ja) テレフタル酸の製造方法
KR100883288B1 (ko) 고순도 테레프탈산의 제조 방법
JP2005097160A (ja) 高純度テレフタル酸の製造方法
JP2004269521A (ja) 芳香族カルボン酸の製造方法
JPH0648982A (ja) 高純度テレフタル酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090302

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Effective date: 20090302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20091113