JP2006044644A - 吸音マット - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた吸音性能が得られると共に滑り防止性に優れた吸音マットを提供する。
【解決手段】 通気孔10が多数形成されると共に、下面に防滑用突起11が多数突設され、上面に空間形成用突起14が多数突設された軟質材からなる下敷きシート3の上面に、通気性を有するマット本体2を重ね合わせ状に配置する。下敷きシート3における通気孔10の開口面積率は10〜50%に設定するのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 通気孔10が多数形成されると共に、下面に防滑用突起11が多数突設され、上面に空間形成用突起14が多数突設された軟質材からなる下敷きシート3の上面に、通気性を有するマット本体2を重ね合わせ状に配置する。下敷きシート3における通気孔10の開口面積率は10〜50%に設定するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
この発明は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられる吸音マットに関する。
自動車用フロアーマットとしては、従来より、表面側にパイルが植設されたカーペット基材等の表皮材の裏面側に、軟質樹脂材料からなる裏打樹脂層が積層一体化された構成のものが知られているが、この構成では重くなる上に吸音効果が殆ど得られないことから、近年では前記表皮材の裏面側に不織布を貼り合わせた構成のもの(特許文献1、2参照)が用いられるようになってきている。この構成では不織布を用いるので軽量化を図ることができるし、騒音等の音は不織布層を通過する際に吸音されるのである程度の吸音効果が得られる。
特開2000−160818号公報
特開2002−200687号公報
しかしながら、上記のような表皮材の裏面側に単に不織布を貼り合わせた構成では、敷設下地面(フェルト材等)に対する滑り防止性が十分に得られないという問題があった。また、吸音効果が得られるもののその効果は十分と言えるものではなく、特に自動車用フロアーマットの分野においてはさらに吸音性能に優れた吸音マットを開発することが強く求められていた。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、優れた吸音性能が得られると共に、滑り防止性に優れた吸音マットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]通気性を有するマット本体と、
通気孔が多数形成されると共に、下面に防滑用突起が多数突設され、上面に空間形成用突起が多数突設された軟質材からなる下敷きシートとを備え、
前記下敷きシートの上面に前記マット本体が重ね合わせ状に配置されていることを特徴とする吸音マット。
通気孔が多数形成されると共に、下面に防滑用突起が多数突設され、上面に空間形成用突起が多数突設された軟質材からなる下敷きシートとを備え、
前記下敷きシートの上面に前記マット本体が重ね合わせ状に配置されていることを特徴とする吸音マット。
[2]前記マット本体と前記下敷きシートの間に空気層が形成されている前項1に記載の吸音マット。
[3]前記空間形成用突起は、前記下敷きシートの上面に設けられた台座部と、該台座部の上面に突設された1ないし複数の小突起とを備えている前項1または2に記載の吸音マット。
[4]前記防滑用突起は、前記下敷きシートの下面に設けられた台座部と、該台座部の下面に突設された1ないし複数の小突起とを備えている前項1〜3のいずれか1項に記載の吸音マット。
[5]前記下敷きシートにおける通気孔の開口面積率が10〜50%である前項1〜4のいずれか1項に記載の吸音マット。
[6]前記通気孔の径が2〜10mmである前項1〜5のいずれか1項に記載の吸音マット。
[7]前記下敷きシートの硬度が65〜75である前項1〜6のいずれか1項に記載の吸音マット。
[8]前記下敷きシートの厚さが0.8〜2.0mmである前項1〜7のいずれか1項に記載の吸音マット。
[9]前記防滑用突起の高さが1.5〜2.5mmの範囲であり、前記空間形成用突起の高さが1.5〜2.5mmの範囲である前項1〜8のいずれか1項に記載の吸音マット。
[10]前記防滑用突起の配置密度、前記空間形成用突起の配置密度のいずれもが60〜80個/100cm2 である前項1〜9のいずれか1項に記載の吸音マット。
[11]前記下敷きシートは熱可塑性エラストマーからなる前項1〜10のいずれか1項に記載の吸音マット。
[12]前記マット本体として、カーペット基材の上面にパイルが植設されると共に該カーペット基材の下面に不織布層が積層一体化されてなるパイルカーペットが用いられている前項1〜11のいずれか1項に記載の吸音マット。
[1]及び[2]の発明では、マットの下側からの音は下敷きシートの通気孔を介してマット本体に到達してここで吸音される一方、このマット本体は通気性を有するので、マットの上側の音はこのマット本体において吸音される。この時、下敷きシート上面に空間形成用突起が多数形成されていることによってマット本体と下敷きシートとの間に空気層が形成されているので、吸音性能をより向上させることができる。また、下敷きシート上面の空間形成用突起の先端がマット本体に侵入係合するのでマット本体の滑り移動を十分に防止できると共に、下敷きシート下面に防滑用突起が多数突設されているので、敷設下地面に対する滑り防止性を十分に確保することができ、これら両作用によって本吸音マットは滑り防止性に優れたものとなる。
[3]の発明では、空間形成用突起は台座部を備えているので、マット本体が重ね合わされた状態時において該台座部の上面に突設された小突起の倒れを効果的に防止することができ、これによりマット本体と下敷きシートとの間に十分な空気層を形成させることができて吸音性能をさらに向上させることができる。また、台座部はマット本体に侵入し難いので、少なくとも台座部の高さ程度以上の空気層を確実に形成させることができる。
[4]の発明では、防滑用突起は台座部を備えているので、敷設された状態時において該台座部の下面に突設された小突起の倒れを効果的に防止することができ、これにより敷設下地面に対する滑り防止性をより一層向上させることができる。
[5]の発明では、滑り防止性を十分に確保しつつ吸音性能をさらに向上させることができる。
[6]の発明では、滑り防止性を十分に確保しつつ吸音性能をさらに向上させることができる。
[7]の発明では、吸音性能と滑り防止性を一層向上させることができる。
[8]の発明では、滑り防止性を十分に確保しつつ吸音マットの軽量化を図ることができる。
[9]の発明では、滑り防止性を十分に確保しつつ吸音性能をさらに向上させることができる。
[10]の発明では、軽量性を十分に確保しつつ、優れた滑り防止性及び優れた吸音性能を確保することができる。
[11]の発明では、下敷きシートが熱可塑性エラストマーからなり、該熱可塑性エラストマーは弾性回復力に優れているので、マットが強い力で長く踏まれるようなことが多くあったとしても前記空間形成用突起及び防滑用突起の変形や斜めに倒れた状態になる現象を効果的に防止することができ、これによりマットの耐久性を大きく向上させることができる。
[12]の発明では、マット本体としてパイルカーペットが用いられているので踏み心地感が柔らかい良好なものになると共に、パイルカーペット下面の不織布層の存在によってより一層優れた吸音性能が得られるものとなる。
この発明の吸音マット(1)の一実施形態を図1に示す。図1において、(2)はマット本体、(3)は下敷きシートである。
前記マット本体(2)は、カーペット基材(30)の上面にパイル(31)が植設されると共に該カーペット基材(30)の下面に不織布層(32)が積層一体化されてなるパイルカーペットである。
前記下敷きシート(3)は、熱可塑性エラストマー等の軟質材からなり、図1〜5に示すように、シート部(9)と、該シート部(9)の下面に突設された多数個の防滑用突起(11)…と、前記シート部(9)の上面に突設された多数個の空間形成用突起(14)…とを備えている。前記シート部(9)には上下方向に貫通する通気孔(10)…が多数形成されている。即ち、前記シート部(9)における突起(11)(14)が形成されていない部分の一部に上下方向に貫通する通気孔(10)…が多数形成されている。前記防滑用突起(11)…、空間形成用突起(14)…及び通気孔(10)…は、いずれも平面視において分散状態に配置されている(図2、4参照)。
前記防滑用突起(11)は、前記シート部(9)の下面に設けられた盤状の台座部(12)と、該台座部(12)の下面に突設された小突起(13)(13)(13)とを備えている(図1〜3参照)。前記台座部(12)の径は、前記小突起(13)の径よりも大きくなるように設定されている。本実施形態では、台座部(12)は円盤状である。
前記空間形成用突起(14)は、前記シート部(9)の上面に設けられた盤状の台座部(15)と、該台座部(15)の上面に突設された小突起(16)(16)(16)とを備えている(図1、3〜5参照)。前記台座部(15)の径は、前記小突起(16)の径よりも大きくなるように設定されている。本実施形態では、台座部(15)は円盤状である。
しかして、図1に示すように、前記下敷きシート(3)の上面に前記マット本体(2)が重ね合わせ状に配置されることによって、この発明の吸音マット(1)が構成されている。この重ね合わせ状態において、前記下敷きシート(3)の空間形成用突起(14)…は、前記マット本体(2)の不織布層(32)に当接するので、下敷きシート(3)とマット本体(2)との間には空気層(17)が形成されている(図1参照)。この吸音マット(1)では、マットの下側からの音は下敷きシート(3)の通気孔(10)…を介してマット本体(2)の不織布層(32)に到達して主にここで吸音される一方、このマット本体(2)は通気性を有するので、マットの上側の音はこのマット本体(2)の不織布層(32)に侵入して主にここで吸音されるのであるが、この時マット本体(2)と下敷きシート(3)との間に空気層(17)が形成されているので、吸音性能をより一層向上させることができる。
また、前記下敷きシート(3)の空間形成用突起(14)は、図1に示すように、その先端部がマット本体(2)の不織布層(32)に侵入係合した状態にあるから、マット本体(2)の滑り移動が十分に防止される。また、前記下敷きシート(3)の下面に防滑用突起(11)が多数突設されているので、敷設下地面に対する滑り防止性が十分に確保される。こうして吸音マット(1)は滑り防止性に優れたものとなる。
この発明において、前記下敷きシート(3)の構成材料としては軟質材が用いられる。前記軟質材としては熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体樹脂)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)エラストマー、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等を例示できる。前記下敷きシート(3)の硬度は65〜75の範囲であるのが好ましい。65以上であることで吸音性能をさらに向上させることができると共に75以下であることで滑り防止性をより向上させることができる。なお、前記「硬度」とは、JIS K6253 5.2のタイプAデュロメーターにより測定される硬度である。
前記下敷きシート(3)の厚さ(T)は0.8〜2.0mmであるのが好ましい。0.8mm未満では下敷きシート(3)のシート部(9)の形態維持力が低下し、前記突起(11)(14)に対して水平方向の力が加わった際に突起(11)(14)が容易に倒れてしまって滑り防止性が十分に得られなくなるので好ましくない。また2.0mmを超えると吸音マット(1)の軽量性を確保するのが困難になるので好ましくない。
前記下敷きシート(3)における通気孔(10)の開口面積率は10〜50%に設定されるのが好ましい。10%未満では吸音性能が低下するので好ましくないし、50%を超えると孔あき面積が大きくなり過ぎることで下敷きシート(3)のシート部(9)の形態維持力が低下し、前記突起(11)(14)に対して水平方向の力が加わった際に突起(11)(14)が容易に倒れてしまって滑り防止性が十分に得られなくなるので好ましくない。中でも、前記下敷きシート(3)における通気孔(10)の開口面積率は12〜45%に設定されるのがより好ましい。
前記通気孔(10)の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば円形のほか、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形形状などが挙げられる。
前記通気孔(10)の径(円形以外の形状の場合には相当直径)は、2〜10mmに設定されるのが好ましい。2mm未満では吸音性能が低下するので好ましくないし、10mmを超えると孔径が大きくなり過ぎることで下敷きシート(3)のシート部(9)の形態維持力が低下し、前記突起(11)(14)に対して水平方向の力が加わった際に突起(11)(14)が容易に倒れてしまって滑り防止性が十分に得られなくなるので好ましくない。中でも、前記通気孔(10)の径(円形以外の形状の場合には相当直径)は、3〜9mmに設定されるのがより好ましい。
前記防滑用突起(11)の高さは1.5〜2.5mmの範囲であるのが好ましい。1.5mm未満では敷設下地面に対して防滑用突起(11)の引っ掛かりが生じ難くなり、これにより滑り防止性が十分に得られなくなるので好ましくないし、2.5mmを超えても滑り防止効果の向上は望めず徒に重量増加を招来して吸音マット(1)の軽量化の実現が困難になるので好ましくない。中でも、前記防滑用突起(11)の高さは1.8〜2.2mmの範囲であるのがより好ましい。
前記空間形成用突起(14)の高さは1.5〜2.5mmの範囲であるのが好ましい。1.5mm未満では前記空気層(17)が十分に形成されなくなって優れた吸音性能が得られ難くなるので好ましくないし、2.5mmを超えると徒に重量増加を招来して吸音マット(1)の軽量化の実現が困難になるので好ましくない。中でも、前記空間形成用突起(14)の高さは1.8〜2.2mmの範囲であるのが好ましい。
前記防滑用突起(11)の配置密度は60〜80個/100cm2 であるのが好ましい。前記下限値より小さくなると滑り防止性が低下するので好ましくないし、前記上限値より大きくなると吸音マット(1)の軽量性を確保するのが困難になるので好ましくない。
前記空間形成用突起(14)の配置密度は60〜80個/100cm2 であるのが好ましい。前記下限値より小さくなると空気層(17)が十分に形成されなくなるので好ましくないし、前記上限値より大きくなると吸音マット(1)の軽量性を確保するのが困難になるので好ましくない。
前記小突起(13)(16)は、高さ0.7〜1.5mm、径0.7〜1.5mmに設定されるのが好ましい。また、前記台座部(12)(15)は、高さ0.7〜1.5mm、径2.5〜8mmに設定されるのが好ましい。
なお、上記実施形態では、1つの台座部に対して3つの小突起が突設されて防滑用突起(11)や空間形成用突起(14)が形成されているが、1つの台座部に対して設けられる小突起の数は1、2または4以上のいずれであっても良い。
また、上記実施形態では、防滑用突起(11)、空間形成用突起(14)のいずれも、台座部(12)(15)と小突起(13)(16)とからなる2段階突起構造が採用されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、単なる1段階の突起構造が採用されても良いし、或いは3段階以上の突起構造が採用されても良い。
また、上記実施形態では、下敷きシート(3)の上面にマット本体(2)が重ね合わせ状に載置されているだけであり、両者(2)(3)は相互固定されていない構成が採用されているが、特にこのような形態のものに限定されるものではなく、例えば重ね合わせ状に配置された下敷きシート(3)とマット本体(2)とがその周縁部において縫合一体化された構成を採用しても良いし、或いは重ね合わせ状に配置された下敷きシート(3)とマット本体(2)の不織布層(32)とが溶着一体化された構成を採用しても良い。
また、上記実施形態では、マット本体(2)としてパイルカーペットを用いているが、特にこれに限定されるものではなく、通気性を有するマットであればどのようなものでも使用できる。なお、前記マット本体(2)としては通気度が1〜50(cm3 /cm2 ・秒)であるものを用いるのが、優れた吸音性能を確保できる点で、好ましい。前記「通気度」とは、JIS L1096−1999の8.27.1のA法により測定された通気度である。
前記マット本体(2)としてパイルカーペットを採用する場合において、前記カーペット基材(30)としては、特に限定されるものではないが、例えば織基布、編基布、不織布等を例示できる。具体的には、例えばヘッシャン、キャップ、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。このカーペット基材(30)を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばPET等のポリエステル繊維、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維等が挙げられる。このカーペット基材(30)の目付量としては80〜400g/m2 の範囲が好ましく採用される。
また、前記パイル(31)としては、特に限定されるものではなくどのような構成のものも採用でき、例えばカットパイル、ループパイル等が挙げられる。このパイル(31)を構成する糸の種類は特に限定されず、例えばBCF糸、スパン糸、モノフィラ糸等が挙げられ、またその繊維の種類も特に限定されず、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、綿、羊毛等が挙げられる。また、このパイル(31)の目付量としては100〜5000g/m2 の範囲が好ましく採用される。
また、前記不織布層(32)を構成する不織布としては、特に限定されるものではないが、例えばニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布等を例示できる。また、この不織布(32)を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、綿、麻等が挙げられる。この不織布層(32)の目付量としては100〜600g/m2 の範囲が好ましく採用される。
この発明に係る吸音マット(1)は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
目付120g/m2 のPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維製スパンボンド不織布からなるカーペット基材(30)にナイロンBCF糸からなるパイル(31)が目付610g/m2 でタフトされてなるタフトカーペット原反の裏面に、SBRラテックスエマルジョン(高分子接着剤)を塗布した後、該塗布面に目付200g/m2 のPET繊維製ニードルパンチ不織布(32)を重ね合わせて加熱乾燥することによって、マット本体(2)を得た。
目付120g/m2 のPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維製スパンボンド不織布からなるカーペット基材(30)にナイロンBCF糸からなるパイル(31)が目付610g/m2 でタフトされてなるタフトカーペット原反の裏面に、SBRラテックスエマルジョン(高分子接着剤)を塗布した後、該塗布面に目付200g/m2 のPET繊維製ニードルパンチ不織布(32)を重ね合わせて加熱乾燥することによって、マット本体(2)を得た。
一方、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)エラストマー(スチレン/ゴム質量比=32/68)75重量部、RB(ブタジエンゴム)エラストマー25重量部、炭酸カルシウム50重量部を混合せしめた樹脂組成物を口径135mmの押出機でシート状に押出し、次いで上下一対の加圧ロールの間を通過させて、上面側に多数個の空間形成用突起が形成されると共に下面側に多数個の防滑用突起が形成されたシートを得た。得られたシートに対して打ち抜き加工を行うことによって多数個の通気孔を穿設した。こうして図2に示す下敷きシート(3)を得た。なお、前記加圧ロールの接触面には、円盤状台座部及び小突起成形用の凹面加工が施されている。
得られた下敷きシート(3)において、シート厚さ(T)は1.3mm、シートの硬度は70であった。また、防滑用突起(11)の高さは2mm、円盤状台座部(12)の径は4mm、円盤状台座部(12)の高さは1mm、小突起(13)の径は1mm、小突起(13)の高さは1mmであった。また、空間形成用突起(14)の高さは2mm、円盤状台座部(15)の径は4mm、円盤状台座部(15)の高さは1mm、小突起(16)の径は1mm、小突起(16)の高さは1mmであった。また、防滑用突起(11)の配置密度は72個/100cm2 であり、空間形成用突起(14)の配置密度は72個/100cm2 であった。
また、得られた下敷きシート(3)において、通気孔(10)の径は4mmであり、通気孔(10)の開口面積率は26.1%であった。
前記下敷きシート(3)の上面に前記マット本体(2)を重ね合わせ状に配置して図1に示すような吸音マット(1)を得た。
<実施例2>
通気孔(10)の径を5mm、通気孔(10)の開口面積率を13.6%に設定した以外は、実施例1と同様にして吸音マット(1)を得た。
通気孔(10)の径を5mm、通気孔(10)の開口面積率を13.6%に設定した以外は、実施例1と同様にして吸音マット(1)を得た。
<実施例3〜8>
通気孔の径および通気孔の開口面積率を表1に示す値に設定した以外は、実施例1と同様にして吸音マット(1)を得た。
通気孔の径および通気孔の開口面積率を表1に示す値に設定した以外は、実施例1と同様にして吸音マット(1)を得た。
<実施例9>
下敷きシートを構成する樹脂組成物として、SBSエラストマー(スチレン/ゴム質量比=32/68)90重量部、RBエラストマー10重量部、炭酸カルシウム20重量部を混合せしめた樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして吸音マット(1)を得た。なお、得られた下敷きシートの硬度は50であった。
下敷きシートを構成する樹脂組成物として、SBSエラストマー(スチレン/ゴム質量比=32/68)90重量部、RBエラストマー10重量部、炭酸カルシウム20重量部を混合せしめた樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして吸音マット(1)を得た。なお、得られた下敷きシートの硬度は50であった。
<実施例10>
下敷きシートを構成する樹脂組成物として、SBSエラストマー(スチレン/ゴム質量比=45/55)60重量部、RBエラストマー40重量部、炭酸カルシウム50重量部を混合せしめた樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして吸音マット(1)を得た。なお、得られた下敷きシートの硬度は90であった。
下敷きシートを構成する樹脂組成物として、SBSエラストマー(スチレン/ゴム質量比=45/55)60重量部、RBエラストマー40重量部、炭酸カルシウム50重量部を混合せしめた樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして吸音マット(1)を得た。なお、得られた下敷きシートの硬度は90であった。
<比較例1>
上側加圧ロールとして、その接触面に凹面加工が施されていないものを用いた以外は、実施例1と同様にして吸音マットを得た。即ち、得られた下敷きシートの上面側には空間形成用突起が形成されておらず、従って吸音マットにおいて下敷きシートとマット本体との間には空気層が存在しなかった。
上側加圧ロールとして、その接触面に凹面加工が施されていないものを用いた以外は、実施例1と同様にして吸音マットを得た。即ち、得られた下敷きシートの上面側には空間形成用突起が形成されておらず、従って吸音マットにおいて下敷きシートとマット本体との間には空気層が存在しなかった。
<比較例2>
打ち抜き加工を行わないものとした以外は、実施例1と同様にして吸音マットを得た。即ち、得られた吸音マットにおいて下敷きシートには通気孔が形成されていない。
打ち抜き加工を行わないものとした以外は、実施例1と同様にして吸音マットを得た。即ち、得られた吸音マットにおいて下敷きシートには通気孔が形成されていない。
上記のようにして得られた各吸音マットに対して下記評価法に基づいて性能評価を行った。
<吸音率評価法>
JIS A1405の垂直入射法に準拠して各周波数での吸音率の測定を行った。
JIS A1405の垂直入射法に準拠して各周波数での吸音率の測定を行った。
<滑り防止性評価法>
床面に固定されたカーペットの上に吸音マットを載置し、この吸音マットに上から100gの等分布荷重をかけた状態で吸音マットのマット本体を100mm/分の速度で引張り15cm移動させ、その間での最大抵抗値を測定した。1kgの等分布荷重をかけた状態での最大抵抗値についても測定した。100gの等分布荷重をかけた状態で4.9N以上の最大抵抗値が得られ、1kgの等分布荷重をかけた状態で18.2N以上の最大抵抗値が得られたものを合格とした。
床面に固定されたカーペットの上に吸音マットを載置し、この吸音マットに上から100gの等分布荷重をかけた状態で吸音マットのマット本体を100mm/分の速度で引張り15cm移動させ、その間での最大抵抗値を測定した。1kgの等分布荷重をかけた状態での最大抵抗値についても測定した。100gの等分布荷重をかけた状態で4.9N以上の最大抵抗値が得られ、1kgの等分布荷重をかけた状態で18.2N以上の最大抵抗値が得られたものを合格とした。
表から明らかなように、この発明の実施例1〜10のマットは、優れた吸音性能が得られると共に、滑り防止性にも優れていた。
これに対して、下敷きシートとマット本体との間に空気層が形成されていない比較例1のマットでは、十分な吸音性能が得られないし、マット本体は下敷きシートに対して滑り移動を生じやすく滑り防止性に劣っていた。また、下敷きシートに通気孔が形成されていない比較例2のマットでは、滑り防止性は良好であるものの、吸音性能に劣っていた。
1…吸音マット
2…マット本体
3…下敷きシート
10…通気孔
11…防滑用突起
12…台座部
13…小突起
14…空間形成用突起
15…台座部
16…小突起
17…空気層
30…カーペット基材
31…パイル
32…不織布層
2…マット本体
3…下敷きシート
10…通気孔
11…防滑用突起
12…台座部
13…小突起
14…空間形成用突起
15…台座部
16…小突起
17…空気層
30…カーペット基材
31…パイル
32…不織布層
Claims (12)
- 通気性を有するマット本体と、
通気孔が多数形成されると共に、下面に防滑用突起が多数突設され、上面に空間形成用突起が多数突設された軟質材からなる下敷きシートとを備え、
前記下敷きシートの上面に前記マット本体が重ね合わせ状に配置されていることを特徴とする吸音マット。 - 前記マット本体と前記下敷きシートの間に空気層が形成されている請求項1に記載の吸音マット。
- 前記空間形成用突起は、前記下敷きシートの上面に設けられた台座部と、該台座部の上面に突設された1ないし複数の小突起とを備えている請求項1または2に記載の吸音マット。
- 前記防滑用突起は、前記下敷きシートの下面に設けられた台座部と、該台座部の下面に突設された1ないし複数の小突起とを備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記下敷きシートにおける通気孔の開口面積率が10〜50%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記通気孔の径が2〜10mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記下敷きシートの硬度が65〜75である請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記下敷きシートの厚さが0.8〜2.0mmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記防滑用突起の高さが1.5〜2.5mmの範囲であり、前記空間形成用突起の高さが1.5〜2.5mmの範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記防滑用突起の配置密度、前記空間形成用突起の配置密度のいずれもが60〜80個/100cm2 である請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記下敷きシートは熱可塑性エラストマーからなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸音マット。
- 前記マット本体として、カーペット基材の上面にパイルが植設されると共に該カーペット基材の下面に不織布層が積層一体化されてなるパイルカーペットが用いられている請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸音マット。
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