JP2006044393A - 車両用空気調整装置 - Google Patents

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慎一 原
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
Kunihiko Nishishita
邦彦 西下
Norie Aoki
令恵 青木
Yusuke Takahashi
祐介 高橋
Masayuki Fujimoto
正幸 藤本
Hideki Nagano
秀樹 長野
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Abstract

【課題】本発明は、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供を課題とする。
【解決手段】本発明による車両空気調整装置100は、外気吸入口31から取り込まれた外気を外気導入部11より取り込んで酸素富化する。酸素富化手段12は、窒素や二酸化炭素よりも酸素を透過しやすい酸素富化膜か、窒素を吸着する吸着剤を用いて酸素を選択的に透過させる。これにより酸素富化手段12を透過させた空気に含まれる酸素濃度を増加させる。酸素濃度を増加させた富化酸素空気は空調ダクト42等を介して車室内に供給され、酸素富化膜に透過されなかった非透過空気はドレイン36等の車外に連通する空気流路から排気される。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素富化機能を備える車両用空気調整装置の構成に関するものである。
車室内の環境を快適にするために、暖房運転や冷房運転などの車両用空気調整装置が常時使用されるようになった。暖房運転及び冷房運転では、内気モードにして車室内の温度を一定に保つ。内気モードでは車室内の空気を循環させるので、車室内の酸素濃度は低減する。また、暖房運転や冷房運転など、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑える要求が近年高まってきている。そこで、空調された車室内空気を吸い込み、暖房負荷や冷房負荷を小さくすることにより、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑える技術が開発されている。しかし、このように、車室内の空気調和の内気モードが優先されることにより、乗員の呼気から発生する二酸化炭素濃度が増加し、また酸素濃度が減少して、人体への影響が懸念されるようになってきた。さらに、酸素に関する効果が注目されており、酸素濃度の高い環境が、人体に対してリラックスさせたり、集中力を向上したりすることができることが明らかになっている。
そこで、通常の空気よりも酸素の割合を多くした富化酸素空気を車室内に供給する車両用空気調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この車両用空気調整装置は、車室外の空気や酸素富化装置の発生する酸素を乗員の呼吸器系に向けて供給する。しかしながら、車室内の全体の空気の酸素濃度が上がるのではなく、呼吸器系近辺の空気のみが外気と同程度に酸素濃度が維持されるだけであった。また、外気をスポット的に乗員へ供給するための流路が必要であるため、酸素を富化する装置を取り付けるために大掛かりな取り付け構成が必要であった。
特開平06−171353号公報
上記のように、富化酸素空気を車室内に供給する車両用空気調整装置は、車室内全体の酸素を富化することはできず、さらに取り付けが複雑であった。本発明は、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供を課題とする。
本発明は、車両空気調整装置の外気取り込み口から取り込まれた外気を酸素富化する車両空気調整装置である。外気を酸素富化するので酸素濃度の高い空気を発生させることができる。酸素を富化する手段は、窒素や二酸化炭素よりも酸素を透過しやすい酸素富化膜か、窒素を吸着する吸着剤を用いて酸素を選択的に透過させる。これにより酸素富化手段を透過させた空気に含まれる酸素濃度を増加させることができる。酸素富化膜又は吸着剤を透過させた富化酸素空気は、富化酸素供給部によって車室内に供給される。一方、酸素富化膜に透過されなかった非透過空気又は吸着剤に吸着した富化窒素空気は、車両空気調整装置や車体に備わっている車外に連通する開口部から排気することができる。このように、車両空気調整装置より外気を取り込み、車両に備わる空気流路を介して非透過空気又は富化窒素空気を排気するので取り付けが簡単である。したがって、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供が可能になる。
本発明に係る車両用空気調整装置は、車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口とインテークドアとをつなぐ外気吸入路から外気を取り込む外気導入部と、該外気導入部に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化手段と、該酸素富化膜を透過させた富化酸素空気を車室又は車室に連通した空気流路へ供給する富化酸素供給部と、を備える。
車両空気調整装置より外気を取り込み、外気に含まれる酸素の比率を高めることができるので、車室内へ高富化酸素空気を供給することができる。また、取り付けも容易である。したがって、簡単に酸素を車室内全体に富化する車両用空気調整装置の提供が可能になる。
前記酸素富化手段は、前記外気導入部に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜で選択的に透過させる手段であり、さらに前記酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を設ける場合を含む。このような構成により、酸素富化手段は、外気吸入路から取り込まれた外気を差圧発生手段により酸素富化膜に透過させ、酸素富化膜を透過させた空気の酸素濃度を高めることができる。
前記酸素富化手段は、前記外気導入部に取り込まれた空気に含まれる窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過させる手段であり、さらに前記吸着剤の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を設ける場合を含む。このような構成により、酸素富化手段は、外気吸入路から取り込まれた外気を差圧発生手段により窒素を吸着する吸着剤に透過させ、吸着剤を透過させた空気の酸素濃度を高めることができる。
富化酸素供給部は、インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に富化酸素空気を供給することが好ましい。インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に富化酸素空気を供給することによって、内気モードでも外気モードでも車両用空気調整装置の空気流路を介して富化酸素空気を車室内へ供給することができる。また、インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路はブロアの作動により負圧になるので、何ら手段を設けることなく車両用空気調整装置を流れる空気に簡単に混合することができる。さらに、酸素富化した空気を温度調節して車室内供給することが可能になる。
富化酸素供給部は、車両用空気調整装置の空調ダクトに富化酸素空気を供給することが好ましい。空調ダクトは、例えばフロント空調ダクト及びリア空調ダクトである。富化酸素空気を空調ダクトに供給することとしても富化酸素空気を乗員に供給することができる。
富化酸素供給部は、空調ダクトの車内吹き出し口の上流に開閉弁を設け、車内吹き出し口と開閉弁との間の前記空調ダクトの空気流路に前記富化酸素空気を供給することが好ましい。車内吹き出し口の上流に開閉弁を設けることにより、車両用空気調整装置から流れてくる空気を遮断して、富化酸素空気のみ或いは富化酸素空気を多少希釈した空気を車内吹き出し口から車室内へ供給することができる。これにより、予め決められた乗員に集中的に富化酸素空気を供給することが可能になる。
前記富化酸素供給部は、前記空調ダクトの少なくとも2箇所に接続され、かつ、前記富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を設けることが好ましい。富化酸素供給部は、空調ダクトの複数箇所に富化酸素空気を供給してもよい。富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を設けることで、選択可能な空調ダクトの箇所のうち、所望の空調ダクトすなわち所望の乗員に集中的に富化酸素空気を供給することが可能になる。
前記酸素富化膜の非透過空気又は前記吸着剤に吸着した富化窒素空気を車外に排気する非透過空気排気部をさらに備えることが好ましい。非透過空気は、外気導入部に取り込んだ外気のうちで酸素富化膜を透過しなかった空気であるので、酸素濃度が減っている。富化窒素空気は、吸着剤で吸着した窒素が含まれる空気であるので、酸素濃度が減っている。非透過空気排気部により、これらの低酸素濃度の空気である非透過空気又は富化窒素空気を車外に排気するので、車室内全体の酸素濃度を高くすることが可能になる。
非透過空気排気部は、車両用空気調整装置のドレインを介して非透過空気又は前記富化窒素空気を排気するか、或いは、車内換気口を介して非透過空気又は前記富化窒素空気を排気するか、或いは、車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口を介して非透過空気又は前記富化窒素空気を排気してもよい。車両用空気調整装置のドレインは、車両用空気調整装置のエバポレータで発生する水を車外に排出する排出口である。車内換気口は、車室やトランクルームなどに設けられた開口部である。ドレイン、車内換気口又は外気吸入口のいずれも、予め車体に備わる車外に連通する開口部である。このように、車体に予め設けられている空気流路を用いて非透過空気又は前記富化窒素空気を排気することにより、非透過空気排気部は、車体に新たな穴を開けずに非透過空気又は前記富化窒素空気を排気することが可能になる。
本発明に係る車両用空気調整装置に酸素濃度を感知する酸素センサーを車室内に設け、酸素濃度が所定値以下になったときに差圧発生手段と前記ブロアを動作させてもよい。差圧発生手段とブロアが動作することにより富化酸素空気を生成することができる。酸素センサーによって酸素濃度を監視し、酸素濃度が所定値以下になったときに富化酸素空気を供給することにより、酸素濃度の減少を防ぐことが可能になる。
差圧発生手段及び前記ブロアは、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに動作してもよい。走行速度が所定の速度よりも低くなったときに動作することによって、渋滞時に富化酸素空気を供給することが可能になる。
富化酸素供給部の少なくとも内表面は、臭気の少ない材料により構成されていることが好ましい。富化酸素供給部の内表面が臭気の少ない材料であることにより、乗員に臭気の少ない富化酸素空気を供給することが可能になる。
富化酸素供給部の少なくとも内表面は、カビの発生しにくい材料で形成され、かつ、カビの発生しにくい表面形状であることが好ましい。これにより、富化酸素供給部の内表面がカビを発生しにくいことによって、清潔な富化酸素空気を供給することが可能になる。
富化酸素供給部は、さらに消音手段を備えることが好ましい。消音手段を備えることで、富化酸素供給部は差圧発生手段によって発せられる音を減少させることができる。
本発明により、外気を酸素富化した空気を取り込むので、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供が可能になる。
以下、本発明の実施例について、図面の参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(酸素富化装置の実施形態1)
酸素を富化する車両用空気調整装置について図1を用いて説明する。図1は、酸素富化装置及び酸素センサーを搭載した車両用空気調整装置の一形態を示す構成図である。車両用空気調整装置100は、インテーク部55と、ブロア34と、エバポレータ35と、ドレイン36と、ヒータコア37と、エアミックスドア38と、モードドア39、40、41と、フロント空調ダクト42と、を備える。インテーク部55は、外気吸入口31と、インテークドア32と、外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33とを備える。車両用空気調整装置100は、制御手段71と、車室内に配置された酸素センサー72と、を備えていてもよい。ケース401により空気流路301、302、303、304が形成される。
ブロア34を作動させることでインテークドア32の切り替えにより車外空気又は車室内空気が空気流路302に取り込まれ、車両用空気調整装置100の空気流路301、302、303、304に空気流れ1、2、3、4、5が形成される。外気である空気流れ1は外気吸入口31から取り込まれ、外気吸入路33内で形成されている。車室内空気である空気流れ2は内気吸入口49から取り込まれる。車両用空気調整装置100の空気流路301に取り込まれた外気の空気流れ1又は車室内空気の空気流れ2は、空気流れ3となってブロア34に吸気される。ブロア34に吸気された空気流れ3は、エバポレータ35に向けて吐出されて空気流れ4となる。空気流れ4はエバポレータ35で熱交換され、空気流れ5となる。なお、エバポレータ35の熱交換の際に発生した水は、ドレイン36から車外へ排出される。
空気流れ5は、エアミックスドア38によってヒータコア37で加熱させる空気と加熱させない空気に分けられた後、再び混合される。エアミックスドア38で混合された空気流れ5は、デフロスタ(不図示)に通ずる空気流路305、ベント52a、52b及びサイドベント51、53に通ずる空気流路306、またはフット(不図示)に通ずる空気流路308に送られる。それぞれの空気流路に空気を送るか否かの切り替えは、例えばモードドア39、40、41の開閉で行なう。ベント52a、52b及びサイドベント51、53へ通ずる空気流路306は、フロント空調ダクト42となっている。フロント空調ダクト42は、サイドベント(運転席側吹き出し口)51、ベント(中央吹き出し口)52a、52b及びサイドベント(助手席側吹き出し口)53の4つの車内吹き出し口を備える。図1では空調の吹き出しモードをモードドア39、40、41の開閉によって切り替える装置の一形態を示したが、本発明では各空気流路へ所望の空気風量を流すことが出来れば、モードドア39、40、41と空気流路305、306、308の構成を変更しても良い。フロント空調ダクト42は、空調ダクトに含まれる空気流路である。例えば空調ダクトは、フロント空調ダクト42とリア空調ダクト(不図示)を備えていてもよい。
酸素富化装置は、車両用空気調整装置100のインテーク部55の外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33から外気を取り込む外気導入部11と、外気導入部11に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化手段12と、酸素富化手段12により得られた富化酸素空気を車室又は車室に連通した空気流路へ供給する上流側富化酸素供給部14a及び下流側富化酸素供給部14bを含む富化酸素供給部14と、を備える。酸素富化手段12の前後で差圧を発生させる差圧発生手段13と、酸素富化手段12に透過されなかった空気を車外に排気する非透過空気排気部16とを備えていてもよい。
外気導入部11は、車両用空気調整装置のインテーク部55の外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33から外気を取り込む手段であって、配管を含む。外気導入部11の配置場所は外気吸入路33に連通していればよく、外気吸入路33の空気流路301に酸素富化手段12が直接配置されていてもよい。外気導入部11は、吸引ポンプやファンなどの外気を取り込む手段を備えていてもよい。
酸素富化手段12は、外気導入部11に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜で選択的に透過させる手段である。酸素を選択的に透過させた富化酸素空気を上流側富化酸素供給部14aへ送る。酸素富化手段12に備わる酸素富化膜に透過されずに酸素の少なくなった非透過空気を非透過空気排気部16へ送る。酸素透過膜は、例えば0.1μmのシリコンがある。酸素富化膜は、酸素を選択的に透過させる高分子膜でもよい。1−メチルトリメチルシリルプロピン高分子等のシリコン系高分子、ポリビニルアルコール等からなる薄膜でもよい。酸素富化手段12は、外気導入部11に取り込まれた空気に含まれる窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過させる手段でもよい。窒素を吸着する吸着剤を用いた場合も、吸着剤を透過した富化酸素空気を下流側富化酸素供給部14bに送り、窒素を吸着した吸着剤を含む富化窒素空気を非透過空気排気部16へ送る。窒素を選択的に吸着する吸着剤には、例えば、活性アルミナ、過マンガン酸カリウム、重三炭酸ナトリウム、活性炭を含むものがある。なお、酸素富化手段12の設置場所は限定しない。例えば、車両用空気調整装置の周囲の他、エンジンルーム、シートの下、トランクルームがある。
差圧発生手段13は、酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる手段であり、例えば真空ポンプがある。真空ポンプは例えば、油回転ポンプ、メカニカルブースタを含む機械ポンプ、スチームエグゼクタを含む蒸気噴射ポンプ、ソーションポンプ、ダイヤフラムポンプを含むドライポンプ等の真空ポンプがある。なお、酸素富化手段12の下流側を減圧することによって富化酸素空気を富化酸素供給部14に供給してもよいし、酸素富化手段12の上流側を加圧することによって富化酸素空気を富化酸素供給部14に供給してもよい。差圧発生手段13により発生させる差圧は、酸素富化膜の耐えうるものであることが好ましい。
富化酸素供給部14は、酸素富化膜又は吸着剤を透過させた富化酸素空気を車室又は車室に連通した空気流路へ供給する手段であり、配管を含む。富化酸素供給部14は、インテークドア32と車両用空気調整装置100のブロア34との間の空気流路302に富化酸素空気を供給することが好ましい。図1はその一例である。富化酸素供給部14から供給された富化酸素空気は、空気流れ3に混合される。富化酸素空気が空気流れ3に混合されることにより、酸素富化した空気を温度調節して空気流路306から車室内へ供給することが可能になる。またブロア34による空気流れの発生により空気流路302は負圧になるので、車両用空気調整装置への供給が容易になる。なお、富化酸素供給部14は、車室のエアコン制御パネルに設けた吹き出し口(不図示)に直接接続してもよい。アームレスト、ヘッドレスト、シート、車室内の天井、ルームミラー又は計器板に取り付けてもよい。さらに、乗員の呼吸器系に向けて、富化酸素空気を吹き出してもよい。さらに、富化酸素供給部14は、インテークドア32とブロア34との間の空気流路302と、フロント空調ダクト42との両方に富化酸素空気を供給してもよい。富化酸素供給部14は、車両用空気調整装置100のフロント空調ダクト42に富化酸素空気を供給してもよい。
なお、富化酸素供給部14の少なくとも内表面は、臭気の少ない材料により構成されていることが好ましい。臭気の少ない材料は限定しないが、例えば4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂がある。富化酸素供給部14の内表面が臭気の少ない材料であることにより、乗員に臭気の少ない富化酸素空気を供給することが可能になる。また、富化酸素供給部14の少なくとも内表面は、カビの発生しにくい材料で形成され、かつ、カビの発生しにくい表面形状であることが好ましい。例えば抗菌剤を混入した材料であったり、撥水コートを施したものであったり、撥水性をもつ形状のものであったりすればよい。これにより、富化酸素供給部14の内表面がカビを発生しにくいことによって、清潔な富化酸素空気を供給することが可能になる。富化酸素供給部14は、さらに消音手段を備えることが好ましい。消音手段を備えることで、富化酸素供給部14は、差圧発生手段13やブロア34などによって発せられる音や振動を減少させた富化酸素空気を乗員に供給することができる。
非透過空気排気部16は、酸素富化膜の非透過空気又は窒素を吸着した富化窒素空気を車外に排気する手段であり、配管を含む。非透過空気排気部16は車外に連通していればよく、設置場所は限定しない。例えば、図1に示すように、車両用空気調整装置100のドレイン36を介して非透過空気を排気してもよい。或いは、車内換気口(不図示)を介して非透過空気又は富化窒素空気を排気してもよい。或いは、車両用空気調整装置のインテーク部55の外気吸入口31を介して非透過空気又は富化窒素空気を排気してもよい。ドレイン36、車内換気口又は外気吸入口31を介して非透過空気又は富化窒素空気を車外に排気することにより、車体に新たに穴を開けずに非透過空気又は富化窒素空気を排気することが可能になる。
制御手段71は、例えば制御マイコンである。ブロア34と、差圧発生手段13と、を制御するものでもよい。制御手段71は、車両用空気調整装置100の制御手段と兼用させることが好ましい。酸素センサー72は、車室内の酸素濃度を検知する検知器である。さらに二酸化炭素を検知できるものでもよい。
(酸素富化装置の実施例1)
ここで、図2を参照して、酸素富化装置の具体例について説明する。図2は、酸素富化装置の一例を示す構成図である。酸素富化装置に備わる酸素富化手段12は、図1で説明した外気導入部11に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜で選択的に透過させる手段であり、さらに酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段13を設けてもよい。図2に示した酸素富化装置は、少なくとも一部が酸素富化膜62a、62b、62c、62d、62e、62fからなる側面をもつチャンバー63、64、65とを有する酸素富化手段12と、差圧発生手段13と、上流側富化酸素供給部14a及び下流側富化酸素供給部14bを含む富化酸素供給部14と、を備える。チャンバー63は、酸素富化膜62a、62bと、構造支持体79a、79bとによって構成されている。チャンバー64は、酸素富化膜62c、62dと、構造支持体79c、79dとによって構成されている。チャンバー65は、酸素富化膜62e、62fと、構造支持体79e、79fとによって構成されている。酸素富化装置は、さらに、ファン61、66と、マフラー67と、水ぬきバルブ68と、を備えてもよい。
図2に示した酸素富化装置は、ファン61により外気を取り込む。チャンバー63、64、65の内部と連通するように上流側富化酸素供給部14aの一方が接続され、上流側富化酸素供給部14aの他方は差圧発生手段13に接続されていて、差圧発生手段13によりチャンバー63、64、65の内部が吸引される。これにより、チャンバー63、64、65の内部と外部との間に差圧を発生させる。差圧発生手段13で吸引した空気は富化酸素空気となり、上流側富化酸素供給部14に流出される。上流側富化酸素供給部14に連通した下流側富化酸素供給部14bはマフラー67が備わっていて、マフラー67により消音される。マフラー67にはさらに水抜きバルブ68が備わっていて、富化酸素空気に含まれる水を排出する。マフラー67を通過した富化酸素空気は、さらに下流側富化酸素供給部14bを介して車室内に供給される。
チャンバー63、64、65は、例えば外気から富化酸素空気をチャンバー内に分離するものである。非透過空気又は富化窒素空気と富化酸素空気とを分離することのできるものであれば形状は限定しない。チャンバーに備わる酸素富化膜は、差圧発生手段の発生させる差圧に耐えうる材質、膜厚であることが好ましい。ファン61及び66は、例えば新鮮な外気を常に取り込んだり、差圧発生手段13を冷却したりすることのできるものである。酸素富化膜62、差圧発生手段13及び富化酸素供給部14a、14bは、前述のとおりである。
図2に示した酸素富化装置の原理を図3を用いて説明する。図3は、酸素富化装置の原理の一例を示す構成図である。図3では、図2に示したチャンバー63、64、65をチャンバー69として1つに省略した。チャンバー69は、構造支持体79g、79h、79iと、酸素富化膜62g、62hとによって構成されている。また、マフラー67、水抜きバルブ68、は省略した。図3では、外気導入部11から非透過空気排気部16に連通する空気流路18にチャンバー69が配置され、空気流路18の外に差圧発生手段13が配置されている。
外気導入部11から取り込まれた外気はファン61によって空気流路18に取り込まれる。チャンバー69の内部は差圧発生手段13によって減圧され、空気流路18内の空気がチャンバー69に取り込まれる。このとき、チャンバー69の一部は酸素富化膜62になっているので、空気流路18内の空気は酸素富化膜62を透過してチャンバー69の内部に取り込まれる。酸素富化膜62は酸素を選択的に透過するので、チャンバー69の内部にある空気はチャンバー69にある空気に比べて酸素濃度が高くなる。この酸素濃度が高くなった空気が富化酸素空気となる。一方、チャンバー69内に透過されなかった空気は酸素濃度が低くなっている。この酸素濃度が低くなった空気が非透過空気となる。非透過空気は、空気流路18に沿って、非透過空気排気部16へ排気される。差圧発生手段13は、例えば、真空ポンプにより25〜70kPaで吸引して、100L/Hの富化酸素空気を車室内に供給すればよい。酸素富化装置により、酸素20.6%、二酸化炭素0.03%の空気を、組成比を酸素28%、二酸化炭素0.06%の富化酸素空気にすることができる。
(酸素富化手段の実施例2)
酸素富化手段の他の具体例について説明する。図4は、加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いた酸素富化装置の一例を示す構成図である。図3に示した構成例との違いは、外気導入部11と酸素富化手段12との間の空気流路18に設けた差圧発生手段19と、チャンバー69に直接つながる富化酸素供給部14である。差圧発生手段19は、加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる手段であって、例えば加圧ポンプである。差圧発生手段19によって空気流路18内を陽圧としてチャンバー69の内部と外部、すなわち酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させることができる。チャンバー69の内部に透過された空気は差圧発生手段19による加圧で富化酸素供給部14に押し出される。その他については前述の実施例1と同様である。このように、加圧によって酸素富化膜62の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いることもできる。
なお、実施例1及び2において、チャンバー69は、図5又は図6に示した形状にしてもよい。図5は、チャンバー69が渦巻状に形成されていて、その側面に酸素富化膜が配置されている一例である。図6は、チャンバー69がプリーツ状に形成されていて、その側面に酸素富化膜が配置されている一例である。このように、チャンバー69が外気に接する表面積を増やすことで、チャンバー69の側面に備わる酸素富化膜を透過させる空気の量を増やすことができる。
(酸素富化手段の実施例3)
ここで、酸素富化手段の他の具体例について図7を参照して説明する。図7に示した酸素富化手段は、外気導入部に取り込まれた空気に含まれる窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過させる手段であり、さらに吸着剤の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を設けてもよい。図7は、酸素富化手段の空気の流れを説明する構成図である。外気導入部11から取り込まれた空気が吸着剤の充填されたチャンバー73に流入する。チャンバー73に流入した空気は窒素を吸着されて、富化酸素供給部75から車室内に富化酸素空気が供給される。チャンバー73は、窒素を吸着した吸着剤を含む富化窒素空気を非透過空気排気部77から排気する。チャンバー73は上記動作を繰り返す。チャンバー74もチャンバー73と同様の機能を有するが、チャンバー73とタイミングが異なる。チャンバー73から富化酸素供給部75から車室内に富化酸素空気が供給されるとき、チャンバー74は、窒素を吸着した吸着剤を含む富化窒素空気を非透過空気排気部78から排気する。そして、チャンバー73から窒素を吸着した吸着剤を含む富化窒素空気を非透過空気排気部77から排気するとき、チャンバー74は、富化酸素供給部76から車室内に富化酸素空気を供給する。チャンバー73及び74が上記動作を繰り返すことで、連続して富化酸素空気を車室内に供給することができるので、車室内の酸素を常に富化することができる。
(酸素富化装置の実施形態2)
図8を参照して、富化酸素供給部が空調ダクトに接続されている酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置について説明する。図8は、実施形態2の車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。富化酸素供給部は、車両用空気調整装置の空調ダクトに富化酸素空気を供給してもよい。さらに、富化酸素供給部は、空調ダクトの車内吹き出し口の上流に開閉弁を設け、車内吹き出し口と開閉弁との間の空調ダクトの空気流路に前記富化酸素空気を供給してもよい。実施形態2の車両用空気調整装置は、富化酸素供給部14が空調ダクトに含まれるフロント空調ダクト42に接続されている。図1の構成とほぼ同じであるので、図1の差圧発生手段13とフロント空調ダクト42以外は省略した。図1との違いは、差圧発生手段13からフロント空調ダクト42に富化酸素空気を車両用空気調整装置を介さずに供給する富化酸素供給部21と、フロント空調ダクト42に備わる開閉弁45である。開閉弁45は、富化酸素供給部21が供給するフロント空調ダクト42の上流に設けられ、モードドア(不図示)の備わる空調ダクトに通ずる空気流路から供給された空気の流量を可変する。富化酸素供給部21は、フロント空調ダクト42のうち、運転席側吹き出し口51の上流側手前に富化酸素空気を供給する。
なお、実施形態2ではフロント空調ダクト42の運転席側吹き出し口51の上流側手前に富化酸素空気を供給したが、これに限定しない。フロント空調ダクト42の助手席側吹き出し口53の上流側手前でもよいし、リア空調ダクトの吹き出し口(不図示)の上流側手前でもよい。このように、車内吹き出し口の上流に開閉弁45を設けることにより、車両用空気調整装置から流れてくる空気を遮断して、富化酸素空気のみ或いは富化酸素空気を多少希釈した空気を車内吹き出し口から車室内へ供給することができる。これにより、予め決められた乗員に集中的に富化酸素空気を供給することが可能になる。
(酸素富化装置の実施形態3)
図9は、空調ダクトの少なくとも2箇所に接続され、かつ、富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を有する酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。富化酸素供給部は、前記空調ダクトの少なくとも2箇所に接続され、かつ、前記富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を設けてもよい。図9に示した車両用空気調整装置は、前述の図8で説明した富化酸素供給部21が複数に分岐されて空調ダクトの複数箇所に接続されている。図9は、図8と同様に、差圧発生手段13とフロント空調ダクト42を除いて省略してある。実施形態3では、富化酸素供給部21の空調ダクト側の先端が分岐部26に接続され、分岐部26から、空調ダクトのうちの、フロント空調ダクト42に備わるサイドベント(運転席側吹き出し口)51、サイドベント(助手席側吹き出し口)53、リア空調ダクト43に備わる後部座席側吹き出し口54、の上流側手前にそれぞれ富化酸素供給部23、24、25によって接続されている。分岐部26で富化酸素供給部23、24、25に流入する空気の流量を切り替えることで、富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を切り替えることができる。図9ではサイドベント(助手席側吹き出し口)53に富化酸素空気を供給したときの空気流れを示している。
なお、後部座席側吹き出し口54は、空調ダクトに通ずる空気流路から供給された空気を後部座席に供給するリア空調ダクトに備わる吹き出し口である。図10にその一例を示した。図10は、富化酸素供給部をリア空調ダクトに配置した一例を示す構成図である。図10に示すように、空調ダクトのリア空調ダクト43に富化酸素供給部25を接続し、リア空調ダクト43のうちの富化酸素供給部25の上流に開閉弁47を設けてもよい。後部座席に車両用空気調整装置からの空気を供給するリア空調ダクトに富化酸素供給部25を設けることで、空調ダクトからの空気に希釈されない富化酸素空気を後部座席に供給することが可能になる。このように、富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を設けてこれを切り替えることにより、選択可能な空調ダクトの箇所のうち、所望の空調ダクトすなわち所望の乗員に集中的に富化酸素空気を供給することが可能になる。
このように、開閉弁45、46、47を備えることにより、空調ダクトに通ずる空気流路から供給された空気に希釈されない富化酸素空気のみの空気を所望の乗員に集中的に富化酸素空気を供給することが可能になる。
(酸素富化装置の実施形態4)
図11に、非透過空気排気部が車内換気口を介して前記非透過空気を排気する酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の一例の構成図を示す。図11に示した車両用空気調整装置200は、前述の図1で説明した車両用空気調整装置100とほぼ同様であるが、非透過空気排気部がドレイン36ではなく車内換気口48に接続されている点で異なる。車内換気口48は、車室とトランクルームなどの車室外との間に設けられている開口部である。車内換気口48は予め備わっている空気流路であるので、非透過空気排気部は車体に新たに穴を開けずに非透過空気を排気することが可能になる。さらに、車内換気口48は、車両パネルの排水口、エンジンルームとダッシュボードとにまたがる電気ケーブルを通すハーネス孔でもよい。このように、車体に予め設けられている空気流路を用いて非透過空気を排気することにより、非透過空気排気部は、車体に穴を開けずに非透過空気を排気することが可能になる。
さらに、非透過空気排気部16は、車両用空気調整装置のインテーク部55の外気吸入口31を介して非透過空気を排気してもよい。図12に、その一例を示す酸素富化整装置の構成図を示す。図12に示した酸素富化装置は、前述の図1で説明した車両用空気調整装置とほぼ同様であるが、非透過空気排気部17がドレイン36ではなく外気吸入口31に接続されている点で異なる。非透過空気排気部17の排気口は外気吸入口31の外にあることが好ましい。
(酸素センサーを備えた車両用空気調整装置の実施例3)
図13及び図1を参照して、実施形態1に係る酸素富化装置の制御法のフローについて説明する。図13は、酸素富化装置の制御法の一例を示したフロー図である。制御手段71は、まず酸素富化装置の作動を判定するステップS101を行なう。酸素富化装置が作動している場合、外気モードに切り替えるステップS102、酸素富化装置を作動させるステップS103、所定の時間に酸素富化装置が停止するステップS104の順に制御を行なう。ステップS104の所定の時間が例えば30分の場合、酸素富化装置の作動から30分以上経つと酸素富化装置の作動を停止するステップS105を行なう。ステップS105を行った後、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。酸素富化装置の作動を判定するステップS101で酸素富化装置が作動していない場合、車両用空気調整装置が内気モードであるかを判定するステップS201を行なう。ステップS201で内気モードでないと判定した場合、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。ステップS201で内気モードであると判定した場合、酸素濃度を測定して所定値以下であるかを判定するステップS202を行なう。酸素濃度が所定値より高い場合、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。酸素濃度が所定値以下の場合、酸素富化装置を作動させるステップS203、酸素濃度を測定して所定値よりも高いか判定するステップS204を行なう。ステップS204で酸素濃度が所定値より高い場合、酸素富化装置の作動を停止するステップS105を行なう。ステップS105を行った後、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。
酸素富化装置を作動させるステップS103は、図1に示した差圧発生手段13とブロア34を動作させることにより行なう。差圧発生手段13とブロア34が動作することにより富化酸素空気を生成することができる。車両用空気調整装置が作動している場合は、差圧発生手段13を動作させればよい。酸素富化装置の作動を停止するステップS105は、例えば差圧発生手段13を停止する。このように、外気モードでは高酸素濃度の富化酸素空気を車室内に供給し、内気モードにおいては酸素濃度を監視して車室内の酸素濃度の低下を防ぐことが可能になる。
さらに、内気モードであるか判定するステップS201と酸素濃度判定S202との間に、走行速度の判定(不図示)を行ってもよい。この場合は、差圧発生手段13及びブロア34は、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに動作すればよい。例えば走行速度が20km/hよりも高ければ、酸素濃度を測定して所定値以下であるか判定するステップS202を行い、20km/h以下であれば酸素富化装置を作動させるステップS203を行なう。このように、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに動作することによって、渋滞時に富化酸素空気を供給することが可能になる。さらに、携帯電話などの通信手段を用いて制御手段71を動作させ、乗車前に車室内の空気の酸素濃度を高められるようにしてもよい。
(酸素富化装置の実施例4)
図14を参照して、図1に示した本発明に係る酸素富化装置の実施例について説明する。図14は、乗員2名で乗車した場合の車室内の酸素濃度と二酸化炭素濃度の濃度変化を測定した結果を示すグラフである。図14(a)は酸素濃度の時間変化を示す。Afは外気モードでの富化酸素空気を供給した車室内空気、Arは内気モードでの富化酸素空気を供給した車室内空気、Bfは外気モードでの通常の車室内空気、Brは内気モードでの通常の車室内空気のそれぞれの濃度変化を示す。外気モードでは、濃度変化Bfは当然減少することなく一定であるのに対して、濃度変化Afは時間ごとに酸素濃度が上昇して外気よりも高い濃度で一定値を保っている。一方内気モードでは、濃度変化Brは時間に比例して減少しているのに対して、濃度変化Arは減少することなく外気と同一濃度の一定値を保っている。
図14(b)は二酸化炭素濃度の時間変化を示す。Cfは外気モードでの富化酸素空気を供給した車室内空気、Crは内気モードでの富化酸素空気を供給した車室内空気、Dfは外気モードでの通常の車室内空気、Drは内気モードでの通常の車室内空気のそれぞれの濃度変化を示す。外気モードでは、濃度変化Dfは当然減少することなく一定値であるのに対して、濃度変化Cfも減少することなく一定値を保っている。濃度変化Drは時間に比例して増加しているのに対して、濃度変化Crは濃度変化Drに比較して小さな傾きで比例して増加している。
図14から明らかなように、本発明に係る酸素富化装置を備えることにより、外気モード及び内気モードにおいて酸素濃度を高め、かつ二酸化炭素の増加を防ぐことができる。特に、内気モードにおいては、通常の車室内空気の酸素が時間に比例して減少するのに対し、富化酸素空気を供給した車室内空気は酸素が減少しない。これは、車外の外気を酸素濃度を高めて車室内に取り込むことにより、車室内全体の酸素濃度を高めているからである。濃度変化Afから明らかなように、外気よりも高い酸素濃度の富化酸素空気を内気モードで供給することができるので、内気モードで車室内空気の温度を一定に保つ場合に、温度差の大きな外気を大量に取り込むことなく酸素濃度の低下を防ぐことが可能になる。これにより、暖房運転や冷房運転など、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑えることも可能になる。
酸素富化装置及び酸素センサーを搭載した車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。 酸素富化装置の一例を示す構成図である。 酸素富化装置の原理の一例を示す構成図である。 加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いた酸素富化装置の一例を示す構成図である。 酸素富化膜を備えるチャンバーの形状の一例を示す構造図である。 酸素富化膜を備えるチャンバーの形状の他の一例を示す構造図である。 窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過する酸素富化手段一例を示す構成図である。 富化酸素供給部が空調ダクトに接続されている酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の構成図である。 空調ダクトの少なくとも2箇所に接続され、かつ、富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を有する酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。 富化酸素供給部をリア空調ダクトに配置した一例を示す構成図である。 非透過空気排気部が車内換気口に非透過空気を排気する酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。 非透過空気排気部が外気吸入口に非透過空気を排気する酸素富化装置の一例を示す構成図である。 酸素富化装置の制御法の一例を示したフロー図である。 酸素濃度と二酸化炭素濃度の測定結果の一例を示すグラフである。
符号の説明
11 外気導入部
12、20 酸素富化手段
13、19 差圧発生手段
14a、14b、21、22、23、24、25、75、76 富化酸素供給部
16、17、77、78 非透過空気排気部
18、301−306、308 空気流路
26 分岐部
31 外気吸入口
32 インテークドア
33 外気吸入路
34 ブロア
35 エバポレータ
36 ドレイン
37 ヒータコア
38 エアミックスドア
39、40、41 モードドア
42 フロント空調ダクト
43 リア空調ダクト
45、46、47 開閉弁
48 車内換気口
49 内気吸入口
51、53 サイドベント
52a、52b ベント
54 後部座席側吹き出し口
55 インテーク部
61、66 ファン
62a−62h、62j、62k 酸素富化膜
79a−79l 構造支持体
63、64、65、69、73、74 チャンバー
67 マフラー
68 水ぬきバルブ
71 制御手段
72 酸素センサー
100、200 車両用空気調整装置
401 ケース

Claims (14)

  1. 車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口とインテークドアとをつなぐ外気吸入路から外気を取り込む外気導入部と、
    該外気導入部に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化手段と、
    該酸素富化手段により得られた富化酸素空気を車室又は車室に連通した空気流路へ供給する富化酸素供給部と、を備えることを特徴とする車両用空気調整装置。
  2. 前記酸素富化手段は、前記外気導入部に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜で選択的に透過させる手段であり、
    さらに前記酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調整装置。
  3. 前記酸素富化手段は、前記外気導入部に取り込まれた空気に含まれる窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過させる手段であり、
    さらに前記吸着剤の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調整装置。
  4. 前記富化酸素供給部は、前記インテークドアと前記車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に前記富化酸素空気を供給することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の車両用空気調整装置。
  5. 前記富化酸素供給部は、前記車両用空気調整装置の空調ダクトに前記富化酸素空気を供給することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の車両用空気調整装置。
  6. 空調ダクトの車内吹き出し口の上流に開閉弁を設け、
    前記富化酸素供給部は、車内吹き出し口と開閉弁との間の前記空調ダクトの空気流路に前記富化酸素空気を供給することを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調整装置。
  7. 前記富化酸素供給部は、前記空調ダクトの少なくとも2箇所に接続され、かつ、前記富化酸素空気を供給する空調ダクトの箇所を選択する分岐部を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用空気調整装置。
  8. 前記酸素富化膜の非透過空気又は前記吸着剤に吸着した富化窒素空気を車外に排気する非透過空気排気部をさらに備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の車両用空気調整装置。
  9. 前記非透過空気排気部は、前記車両用空気調整装置のドレインを介して前記非透過空気又は前記富化窒素空気を排気するか、或いは、
    車内換気口を介して前記非透過空気又は前記富化窒素空気を排気するか、或いは、
    前記車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口を介して前記非透過空気又は前記富化窒素空気を排気することを特徴とする請求項8に記載の車両用空気調整装置。
  10. 酸素濃度を感知する酸素センサーを車室内に設け、酸素濃度が所定値以下になったときに前記差圧発生手段と前記ブロアを動作させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の車両用空気調整装置。
  11. 前記差圧発生手段及び前記ブロアは、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに動作することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の車両用空気調整装置。
  12. 前記富化酸素供給部の少なくとも内表面は、臭気の少ない材料により構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載の車両用空気調整装置。
  13. 前記富化酸素供給部の少なくとも内表面は、カビの発生しにくい材料で形成され、かつ、カビの発生しにくい表面形状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12に記載の車両用空気調整装置。
  14. 前記富化酸素供給部は、さらに消音手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載の車両用空気調整装置。
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