JP2007176301A - 車両用空気調整装置 - Google Patents

車両用空気調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007176301A
JP2007176301A JP2005376424A JP2005376424A JP2007176301A JP 2007176301 A JP2007176301 A JP 2007176301A JP 2005376424 A JP2005376424 A JP 2005376424A JP 2005376424 A JP2005376424 A JP 2005376424A JP 2007176301 A JP2007176301 A JP 2007176301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
oxygen
enriched
vehicle
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005376424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007176301A5 (ja
Inventor
Norie Aoki
令恵 青木
Shinichi Hara
慎一 原
Hideki Nagano
秀樹 長野
Hisayoshi Yoshizaki
久善 吉崎
Yusuke Takahashi
祐介 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valeo Thermal Systems Japan Corp filed Critical Valeo Thermal Systems Japan Corp
Priority to JP2005376424A priority Critical patent/JP2007176301A/ja
Publication of JP2007176301A publication Critical patent/JP2007176301A/ja
Publication of JP2007176301A5 publication Critical patent/JP2007176301A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供を課題とする。
【解決手段】本発明による車両空気調整装置100は、外気吸入口31から取り込まれた外気を外気導入流路11より取り込んで酸素富化する。酸素富化膜12は、窒素や二酸化炭素よりも酸素を透過しやすい酸素富化膜を用いて酸素を選択的に透過させる。これにより酸素富化膜12を透過させた空気に含まれる酸素濃度を増加させる。酸素濃度を増加させた酸素富化空気は空調ダクト42等を介して車室内に供給され、酸素富化膜に透過されなかった窒素富化空気はドレイン36等の車室外に連通する空気流路から排気される。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素富化機能を備える車両用空気調整装置の構成に関する。
車室内の環境を快適にするために、暖房運転や冷房運転などの車両用空気調整装置が常時使用されるようになった。暖房運転及び冷房運転では、特に、内気モードにして車室内の温度を一定に保つ。内気モードでは車室内の空気を循環させるので、車室内の酸素濃度は低減する。また、暖房運転や冷房運転など、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑える要求が近年高まってきている。そこで、空調された車室内空気を吸い込み、暖房負荷や冷房負荷を小さくすることにより、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑える技術が開発されている。しかし、このように、車室内の空気調和の内気モードが優先されることにより、乗員の呼気から発生する二酸化炭素濃度が増加し、また酸素濃度が減少して、人体への影響が懸念されるようになってきた。さらに、酸素に関する効果が注目されており、酸素濃度の高い環境が、人体に対してリラックスさせたり、集中力を向上したりすることができることが明らかになっている。
そこで、通常の空気よりも酸素の割合を多くした酸素富化空気を車室内に供給する車両用空気調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この車両用空気調整装置は、車室外の空気や酸素富化装置の発生する酸素を乗員の呼吸器系に向けて供給する。しかしながら、車室内の全体の空気の酸素濃度が上がるのではなく、呼吸器系近辺の空気のみが外気と同程度に酸素濃度が維持されるだけであった。また、外気をスポット的に乗員へ供給するための流路が必要であるため、酸素を富化する装置を取付けるために大掛かりな取り付け構成が必要であった。
特開平06−171353号公報
上記のように、酸素富化空気を車室内に供給する車両用空気調整装置は、車室内全体の酸素を富化することはできず、さらに取り付けが複雑であった。本発明は、簡単に車室内全体の酸素を富化する車両用空気調整装置の提供を課題とする。
本発明に係る車両用空気調整装置は、車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口とインテークドアとをつなぐ外気吸入路から外気を取り込む外気導入流路と、該外気導入流路に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化膜と、前記酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段と、前記酸素富化膜を透過した酸素富化空気を車室又は車室に連通した空気流路へ導く酸素富化空気流路と、前記酸素富化膜を透過しなかった窒素富化空気を車室外の負圧部に導く窒素富化空気流路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る車両用空気調整装置では、車両用空気調整装置のカバーケースの外壁面から、該車両用空気調整装置のブロアの下流側の空気流路まで貫く貫通孔と、該貫通孔から前記カバーケースの外側へ向けて接続された主管と、該主管を通過する前記カバーケースの外側へ向かう空気流れに合流する空気を導入する側管と、をさらに備え、前記窒素富化空気流路が、前記負圧部となる前記側管に接続されていることが好ましい。陽圧となるブロアの下流に主管が接続され、側管の導入する空気は主管の空気流れに合流するので、側管内を負圧にすることができる。これにより、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気を側管へ吸引し、車室外へ排出することができる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記主管が車両用空気調整装置のドレインを兼ねることが好ましい。車両用空気調整装置のドレインは、車両用空気調整装置に予め設けられている空気流路を用いて窒素富化空気を排気することにより、窒素富化空気流路は、車両用空気調整装置に新たな穴を開けずに窒素富化空気を排気することが可能になる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記窒素富化空気流路に、前記側管側に向かって空気流れを発生させる窒素富化空気排出ファンを設けることが好ましい。窒素富化空気排出ファンを設けることで、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気を車室外へ排出することができる。これにより、酸素富化膜付近での窒素富化空気の残存量を減少させることができるので、酸素富化空気の酸素濃度を増加することができる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記窒素富化空気排出ファンの作動及び停止を制御する窒素富化空気排出ファン制御手段をさらに備え、該窒素富化空気排出ファン制御手段は、前記ブロアを停止させる信号の入力を契機に、前記窒素富化空気排出ファンを作動させることが好ましい。車両用空気調整装置のブロアが停止するとブロアの下流が陽圧でなくなるので、主管の空気流れが形成されない。このときに、窒素富化空気排出ファンを設けることで、窒素富化空気を車室外へ排出することができる。よって、車両用空気調整装置のブロアの停止時においても、窒素富化空気を側管へ送り、車室外へ排出することができる。よって、酸素富化膜付近での窒素富化空気の残存量を減少させ、酸素富化空気の酸素濃度を増加することができる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記負圧部は、エンジンへ供給する外気を取り込むエアインテークに連通した流路のうち、エアクリーナの上流側であることが好ましい。エアインテークは、エンジンの稼動によって負圧になる。エアインテークに連通した流路のうちのエアクリーナの上流に窒素富化空気を導くことで、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気をエアインテークへ吸引することができる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記酸素富化空気供給流路は、前記インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に前記酸素富化空気を供給することが好ましい。インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に酸素富化空気を供給することによって、内気モードでも外気モードでも車両用空気調整装置の空気流路を介して酸素富化空気を車室内へ供給することができる。また、インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路はブロアの作動により負圧になるので、何ら手段を設けることなく車両用空気調整装置を流れる空気に簡単に混合することができる。更に、酸素富化空気を温度調節して車室内に供給することが可能になる。更に、エバポレータを介して車室内に供給されるので、酸素富化による湿度の上昇を抑えることができる。
本発明に係る車両用空気調整装置では、前記差圧発生手段の作動及び停止を制御する差圧制御手段をさらに備え、該差圧制御手段は、前記インテークドアが外気モードであるとの信号の入力を契機に、前記差圧発生手段を停止させることが好ましい。車両用空気調整装置が外気モードであるとき、車両空気調整装置に外気が取り込まれ、車室内に外気が供給される。このため車室内の酸素濃度の減少を抑えることができる。このとき、差圧発生手段を停止させることで、酸素富化膜の空気の透過を停止させることができるので、酸素富化膜の劣化を防ぐことができる。更に、差圧発生手段が停止するので、動力源の消費を抑えることができる。
本発明に係る車両空気調整装置は、外気吸入口から取り込まれた外気を酸素富化するので、酸素富化のための構成を一体化することができる。車両空気調整装置の空気流路を利用することで、酸素富化の構成を簡易化すると共に、酸素富化の構成の設置スペースを少なくすることができる。又、車両空気調整装置の一機能として車両に搭載することができるので、車室内の酸素富化が容易になる。更に、車両前方に設置される車両空気調整装置の外気吸入口から取り込まれた外気を酸素富化するので、酸素富化のために取り込んだ外気への排気ガスの混入を防ぐこともできる。更に、負圧部に窒素富化空気を導き、新鮮な外気を酸素富化膜に送り込むことができるので、酸素富化空気の濃度を効率よく高めることができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
図1は、酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の一形態を示す構成図である。車両用空気調整装置100は、インテーク部55と、ブロア34と、エバポレータ35と、ドレイン36と、ヒータコア37と、エアミックスドア38と、モードドア39、40、41と、フロント空調ダクト42と、を備える。インテーク部55は、外気吸入口31と、インテークドア32と、外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33とを備える。車両用空気調整装置100は、制御手段71と、車室内に配置された酸素センサ72と、を備えていてもよい。カバーケース401により空気流路301、302、303、304が形成される。
ブロア34を作動させることでインテークドア32の切り替えにより車外空気又は車室内空気が空気流路302に取り込まれ、車両用空気調整装置100の空気流路301、302、303、304に空気流れ1、2、3、4、5が形成される。外気である空気流れ1は外気吸入口31から取り込まれ、外気吸入路33内で形成されている。車室内空気である空気流れ2は内気吸入口49から取り込まれる。車両用空気調整装置100の空気流路301に取り込まれた外気の空気流れ1又は車室内空気の空気流れ2は、空気流れ3となってブロア34に吸気される。ブロア34に吸気された空気流れ3は、エバポレータ35に向けて吐出されて空気流れ4となる。空気流れ4はエバポレータ35で熱交換され、空気流れ5となる。なお、エバポレータ35の熱交換の際に発生した水は、ドレイン36から車外へ排出される。
空気流れ5は、エアミックスドア38によってヒータコア37で加熱させる空気と加熱させない空気に分けられた後、再び混合される。エアミックスドア38で混合された空気流れ5は、デフロスタ(不図示)に通ずる空気流路305、ベント52a、52b及びサイドベント51、53に通ずる空気流路306、またはフット(不図示)に通ずる空気流路308に送られる。それぞれの空気流路に空気を送るか否かの切り替えは、例えばモードドア39、40、41の開閉で行なう。ベント52a、52b及びサイドベント51、53へ通ずる空気流路306は、フロント空調ダクト42となっている。フロント空調ダクト42は、サイドベント(運転席側吹き出し口)51、ベント(中央吹き出し口)52a、52b及びサイドベント(助手席側吹き出し口)53の4つの車内吹き出し口を備える。図1では空調の吹出しモードをモードドア39、40、41の開閉によって切り替える装置の一形態を示したが、本実施形態では各空気流路へ所望の空気風量を流すことが出来れば、モードドア39、40、41と空気流路305、306、308の構成を変更しても良い。フロント空調ダクト42は、空調ダクトに含まれる空気流路である。例えば空調ダクトは、フロント空調ダクト42とリア空調ダクト(不図示)を備えていてもよい。
酸素富化装置は、車両用空気調整装置100のインテーク部55の外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33から外気を取り込む外気導入流路11と、外気導入流路11に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化膜12と、酸素富化膜12の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段13と、酸素富化膜12を透過した酸素富化空気を車室又は車室に連通した空気流路へ導く酸素富化空気流路14と、酸素富化膜12を透過しなかった窒素富化空気を車室外の負圧部に導く窒素富化空気流路16と、を備える。酸素富化空気流路14は、差圧発生手段13の前後で、差圧発生手段13の上流側の上流側酸素富化空気流路14aと、差圧発生手段13の下流側の下流側酸素富化空気流路14bに分かれている。
外気導入流路11は、車両用空気調整装置のインテーク部55の外気吸入口31とインテークドア32とをつなぐ外気吸入路33から外気を取り込む手段であって、配管を含む。外気導入流路11の配置場所は外気吸入路33に連通していればよく、外気吸入路33の空気流路301に酸素富化膜12が直接配置されていてもよい。外気導入流路11は、吸引ポンプやファンなどの外気を取り込む手段を備えていてもよい。
酸素富化膜12は、外気導入流路11に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜で選択的に透過させる手段である。酸素を選択的に透過させた酸素富化空気を上流側酸素富化空気流路14aへ送る。酸素富化膜12に備わる酸素富化膜に透過されずに酸素の少なくなった窒素富化空気を窒素富化空気流路16へ送る。酸素富化膜は、例えば0.1μmのシリコン膜がある。酸素富化膜は、酸素を選択的に透過させる高分子膜でもよい。例えば、1−メチルトリメチルシリルプロピン高分子等のシリコン系高分子、ポリビニルアルコールを含む。酸素富化膜12は、車両用空気調整装置に一体化されて車両前方に設置されていることが好ましく、排気ガスの車室内への侵入を防ぐことができる。
なお、本実施形態において、酸素富化膜12に代え、外気導入流路11に取り込まれた空気に含まれる窒素を吸着剤で吸着することで酸素を選択的に透過させる手段を用いることができる。窒素を選択的に吸着する吸着剤には、例えば、活性アルミナ、過マンガン酸カリウム、重三炭酸ナトリウム、活性炭を含む。
差圧発生手段13は、酸素富化膜12の透過前後で差圧を発生させる手段であり、例えば真空ポンプがある。真空ポンプは例えば、油回転ポンプ、メカニカルブースタを含む機械ポンプ、スチームエグゼクタを含む蒸気噴射ポンプ、ソーションポンプ、ダイヤフラムポンプを含むドライポンプがある。図1では酸素富化膜12の下流側を減圧することによって酸素富化空気を酸素富化空気流路14に供給する場合を示したが、酸素富化膜12の上流側を加圧することによって酸素富化空気を酸素富化空気流路14に供給してもよい。差圧発生手段13により発生させる差圧は、酸素富化膜の耐えられる圧力であることが好ましい。
酸素富化空気流路14は、酸素富化膜を透過させた酸素富化空気を車室又は車室に連通した空気流路へ供給する手段であり、配管を含む。酸素富化空気流路14は、インテークドア32と車両用空気調整装置100のブロア34との間の空気流路302に酸素富化空気を供給することが好ましい。図1はその一例である。酸素富化空気流路14から供給された酸素富化空気は、空気流れ3に混合される。酸素富化空気が空気流れ3に混合されることにより、酸素富化した空気を温度調節して空気流路306から車室内へ供給することが可能になる。またブロア34による空気流れの発生により空気流路302は負圧になるので、車両用空気調整装置への供給が容易になる。酸素富化空気をインテークドア32とブロア34との間の空気流路302に供給すれば、エバポレータ35を介して車室内に供給されるので、酸素富化による湿度の上昇を抑えることができる。一方、乾燥する冬には冷房が稼動しないので、加湿器として利用することができる。
なお、酸素富化空気流路14は、車室のエアコン制御パネルに設けた吹き出し口(不図示)に直接接続してもよい。アームレスト、ヘッドレスト、シート、車室内の天井、ルームミラー又は計器板に取り付けてもよい。さらに、乗員の顔面や呼吸器系に向けて、酸素富化空気を吹き出してもよい。さらに、酸素富化空気流路14は、インテークドア32とブロア34との間の空気流路302と、フロント空調ダクト42との両方に酸素富化空気を供給してもよい。
又、酸素富化空気流路14は、車両用空気調整装置のフロント空調ダクト42に酸素富化空気を供給してもよい。さらに、酸素富化空気流路14は、フロント空調ダクト42の車内吹き出し口の上流に開閉弁を設け、車内吹き出し口と開閉弁との間の空調ダクトの空気流路に酸素富化空気を供給してもよい。開閉弁は、酸素富化空気流路が供給するフロント空調ダクト42の上流に設けられ、モードドア39、40、41の備わる空調ダクトに通ずる空気流路306から供給された空気の流量を可変することが好ましい。酸素富化空気流路14は、フロント空調ダクト42のうち、サイドベント(運転席側吹き出し口)51の上流側手前に酸素富化空気を供給することが好ましい。車内吹き出し口の上流に開閉弁を設け、車両用空気調整装置100から流れてくる空気を遮断して、酸素富化空気のみ或いは酸素富化空気を多少希釈した空気を車内吹き出し口から車室内へ供給することができる。これにより、予め決められた乗員に集中的に酸素富化空気を供給することが可能になる
又、酸素富化空気流路は、フロント空調ダクト42の少なくとも2箇所に接続され、かつ、酸素富化空気を供給するフロント空調ダクト42の箇所を選択する分岐部(不図示)を設けてもよい。例えば、下流側酸素富化空気流路14bのフロント空調ダクト42側の先端が当該分岐部に接続され、当該分岐部から、フロント空調ダクト42に備わるサイドベント(運転席側吹き出し口)51、サイドベント(助手席側吹き出し口)53の上流側手前にそれぞれ酸素富化空気流路によって接続されていてもよい。当該分岐部でフロント空調ダクト42に備わるサイドベント(運転席側吹き出し口)51、サイドベント(助手席側吹き出し口)53に流入する空気の流量を切替えることで、酸素富化空気を供給するフロント空調ダクト42の箇所を切替えることができる。更に、下流側酸素富化空気流路14bがフロント空調ダクト42に通ずる空気流路から供給された空気を後部座席に供給するリア空調ダクトに接続されていてもよい。更に、リア空調ダクトの上流側に開閉弁を設けてもよい。このように、酸素富化空気を供給するフロント空調ダクト42の箇所を選択する分岐部を設けてこれを切替えることにより、選択可能な吹き出し口の箇所のうち、所望の吹き出し口、すなわち所望の乗員に集中的に酸素富化空気を供給することが可能になる。
なお、酸素富化空気流路14の少なくとも内表面は、臭気の少ない材料により構成されていることが好ましい。臭気の少ない材料は限定しないが、例えば4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂がある。酸素富化空気流路14の内表面が臭気の少ない材料であることにより、乗員に臭気の少ない酸素富化空気を供給することが可能になる。また、酸素富化空気流路14の少なくとも内表面は、カビの発生しにくい材料で形成され、かつ、カビの発生しにくい表面形状であることが好ましい。例えば抗菌剤を混入した材料であったり、撥水コートを施したり、撥水性を有する表面形状であることが好ましい。これにより、酸素富化空気流路14の内表面がカビを発生しにくいことによって、清潔な酸素富化空気を供給することが可能になる。酸素富化空気流路14は、さらに消音手段を備えることが好ましい。消音手段を備えることで、酸素富化空気流路14は、差圧発生手段13やブロア34などによって発せられる音や振動を減少させた酸素富化空気を乗員に供給することができる。
窒素富化空気流路16は、酸素富化膜12を透過しなかった窒素富化空気を車室外の負圧部に導く流路であり、配管を含む。車室外は、例えば、エンジンルーム又はトランクルームである。負圧部は、例えば、車両用空気調整装置の稼動によって負圧となる部分である。又、エンジンの稼動によって負圧となる部分であり、例えば、エアインテークがある。又、走行中の空気流れによって負圧となる部分である。又、特定の部分を負圧とする負圧発生手段を設けたときの特定部分であり、負圧発生手段は例えば吸気ポンプがある。例えば、ドレイン36に負圧発生手段を設けて窒素富化空気を排気してもよい。或いは、車内換気口(不図示)に負圧発生手段を設けて窒素富化空気を車室外に排気してもよい。或いは、車両用空気調整装置のインテーク部55の外気吸入口31に負圧発生手段を設けて窒素富化空気を排気してもよい。ドレイン36、車内換気口(不図示)又は外気吸入口31を介して窒素富化空気を車室外に排気することにより、車体に新たに穴を開けずに窒素富化空気を排気することが可能になる。更に、窒素富化空気流路16に、下流側に向かって空気流れを発生させる窒素富化空気排出ファン20を設けることが好ましい。
制御手段71は、例えば、酸素富化装置の稼動を制御するマイクロコンピュータである。制御手段71は、窒素富化空気排出ファン20の作動及び停止を制御する窒素富化空気排出ファン制御手段を含む。又、制御手段71は、差圧発生手段13の作動及び停止を制御する差圧制御手段を含む。又、制御手段71は、ブロア34の制御手段を含む。制御手段71は、車両用空気調整装置100の制御手段と兼用させることが好ましい。制御手段71は、差圧制御手段の差圧発生手段13の作動及び停止の制御に伴い、車室のエアコン制御パネルに表示する信号を出力する手段を含む。例えば、車室のエアコン制御パネルにランプを設け、制御手段71は、差圧発生手段13の作動時は当該ランプを点灯させる。一方、制御手段71は、差圧発生手段13の停止時は、当該ランプを点滅させるか、又は、点灯も点滅もさせない。酸素センサ72は、車室内の酸素濃度を検知する検知器である。酸素センサ72は、二酸化炭素を検知してもよい。
ここで、図2を参照して、酸素富化装置の具体例について説明する。図2は、酸素富化装置の一例を示す構成図である。酸素富化装置に備わる酸素富化膜12は、図1で説明した外気導入流路11に取り込まれた空気に含まれる酸素を酸素富化膜62a、62b、62c、62d、62e、62fで選択的に透過させる手段であり、さらに酸素富化膜62a、62b、62c、62d、62e、62fの透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段13を設けてもよい。図2に示した酸素富化装置は、少なくとも一部が酸素富化膜62a、62b、62c、62d、62e、62fからなる側面をもつチャンバー63、64、65とを有する酸素富化膜12と、差圧発生手段13と、上流側酸素富化空気流路14a及び下流側酸素富化空気流路14bを含む酸素富化空気流路と、を備える。チャンバー63は、酸素富化膜62a、62bと、構造支持体79a、79bとによって構成されている。チャンバー64は、酸素富化膜62c、62dと、構造支持体79c、79dとによって構成されている。チャンバー65は、酸素富化膜62e、62fと、構造支持体79e、79fとによって構成されている。酸素富化装置は、さらに、外気導入ファン61と、ポンプ冷却ファン66と、マフラー67と、水ぬきバルブ68と、を備えてもよい。
図2に示した酸素富化装置は、チャンバー63、64、65の内部と連通するように上流側酸素富化空気流路14aの一方が接続され、上流側酸素富化空気流路14aの他方は差圧発生手段13に接続されていて、差圧発生手段13によりチャンバー63、64、65の内部が吸引される。これにより、チャンバー63、64、65の内部と外部との間に差圧を発生させる。差圧発生手段13がチャンバー63、64、65内に吸引した空気は酸素富化空気となり、上流側酸素富化空気流路14aに流入する。上流側酸素富化空気流路14aに連通した下流側酸素富化空気流路14bはマフラー67が備わっていて、マフラー67により消音される。マフラー67にはさらに水抜きバルブ68が備わっていて、酸素富化空気に含まれる水を排出する。マフラー67を通過した酸素富化空気は、さらに下流側酸素富化空気流路14bを介して車室内に供給される。
チャンバー63、64、65は、例えば外気から酸素富化空気をチャンバー内に分離する。窒素富化空気と酸素富化空気とを分離することのできるものであれば形状は限定しない。図2に示すチャンバーは、チャンバーの第1例であり、円筒形の両端が構造支持体、側面が酸素富化膜で構成されている。チャンバー63、64、65に備わる酸素富化膜は、差圧発生手段13の発生させる差圧に耐えうる材質、膜厚であることが好ましい。外気導入ファン61は、新鮮な外気を常に取り込むものが好ましい。ポンプ冷却ファン66は、差圧発生手段13を空冷するものが好ましい。酸素富化膜62、差圧発生手段13及び酸素富化空気流路14a、14bは、前述のとおりである。
図2に示した酸素富化装置の原理を図3を用いて説明する。図3は、酸素富化装置の原理の一例を示す構成図である。図3では、図2に示したチャンバー63、64、65をチャンバー69として1つに省略した。チャンバー69は、構造支持体79g、79h、79iと、酸素富化膜62g、62hとによって構成されている。また、マフラー67、水抜きバルブ68、は省略した。図3では、外気導入流路11から窒素富化空気流路16に連通する空気流路18にチャンバー69が配置され、空気流路18の外に差圧発生手段13が配置されている。
外気導入流路11から取り込まれた外気は外気導入ファン61によって空気流路18に取り込まれる。チャンバー69の内部は差圧発生手段13によって減圧され、空気流路18内の空気がチャンバー69に取り込まれる。このとき、チャンバー69の一部は酸素富化膜62になっているので、空気流路18内の空気は酸素富化膜62を透過してチャンバー69の内部に取り込まれる。酸素富化膜62は酸素を選択的に透過するので、チャンバー69の内部にある空気はチャンバー69にある空気に比べて酸素濃度が高くなる。この酸素濃度が高くなった空気が酸素富化空気となる。一方、チャンバー69内に透過されなかった空気は酸素濃度が低くなっている。この酸素濃度が低くなった空気が窒素富化空気となる。窒素富化空気は、空気流路18に沿って、窒素富化空気流路16へ導かれる。窒素富化空気流路16へ導かれた窒素富化空気は、車室外の負圧部へと導かれる。差圧発生手段13は、例えば、真空ポンプにより25〜70kPaで吸引して、100L/Hの酸素富化空気を車室内に供給すればよい。酸素富化装置により、酸素20.6%、二酸化炭素0.03%の外気を、組成比を酸素28%、二酸化炭素0.06%の酸素富化空気にすることができる。
(酸素富化膜の実施例2)
酸素富化膜の他の具体例について説明する。図4は、加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いた酸素富化装置の一例を示す構成図である。図3に示した構成例との違いは、外気導入流路11と酸素富化膜12との間の空気流路18に設けた差圧発生手段13と、チャンバー69に直接つながる酸素富化空気流路14である。差圧発生手段13は、加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる手段であって、例えば加圧ポンプである。差圧発生手段13によって空気流路18内を陽圧としてチャンバー69の内部と外部、すなわち酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させることができる。チャンバー69の内部に透過された空気は差圧発生手段13による加圧で酸素富化空気流路14に押し出される。その他については前述の実施例1と同様である。このように、加圧によって酸素富化膜62の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いることもできる。
チャンバー69は、外気に接する表面積が大きな形状であることが好ましい。例えば、図5又は図6に示した形状にしてもよい。図5は、酸素富化膜を備えるチャンバーの第2例を示す模式図である。図5に示すチャンバー69は、渦巻状に形成されていて、その側面に酸素富化膜が配置されている。図6は、酸素富化膜を備えるチャンバーの第3例を示す模式図である。図6に示すチャンバー69は、プリーツ状に形成されていて、その側面に酸素富化膜が配置されている。このように、チャンバー69が外気に接する表面積を増やすことで、チャンバー69の側面に備わる酸素富化膜を透過させる空気の量を増やすことができる。
(酸素富化装置の実施例2)
図7は、酸素富化装置の第2の実施例を示す構成図である。図7に示す酸素富化装置は、車両用空気調整装置のカバーケース401の外壁面から、車両用空気調整装置のブロア34の下流側の空気流路303、304まで貫く貫通孔82と、貫通孔82からカバーケース401の外側へ向けて接続された主管36と、主管36を通過するカバーケース401の外側へ向かう空気流れ6に合流する空気を導入する側管83と、をさらに備えることを特徴とする。そして、窒素富化空気流路16が、負圧部となる側管83に接続されている。貫通孔82は、例えば、車両用空気調整装置の空気流路303から空気流路304にかけての空気流路に面したカバーケース401に設けられた貫通孔である。陽圧となるブロア34の下流側の貫通孔82に主管36が接続されているので、カバーケース401からカバーケース401外へ向けての空気流れ6を発生させることができる。
主管36は、貫通孔82からカバーケース401の外側へ向けて接続された空気流路6を形成する。主管36は空気流れ6をカバーケース401外に導く側管83に囲まれており、空気流れ6は側管83を通してカバーケース401外へと導かれる。主管36と側管83とは、主管36を内管、側管83を外管とする2重管を形成している。側管83の内径は、主管36の外径と同程度に細くなっており、空気流れ90が空気流れ6に合流して側管83内が負圧となる。すなわち、主管36と側管83とでアスピレータと同様の構成とすることで、側管83内を負圧としている。窒素富化空気流路16が側管83と接続されることで、窒素富化空気流路16内の空気を側管83側に吸引することができる。このように、窒素富化空気流路16内の空気を吸引して車室外へ排出することができるので、主管36及び側管83をさらに備えれば、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気を吸引し、車室外へ排出することができる。ここで、主管36は、ドレイン36を兼ねていることが好ましい。ドレイン36は、車両用空気調整装置100のエバポレータ35で発生する水を車外に排出する排出口である。主管36がドレイン36を兼ねていることで、貫通孔82を新たに設けることなく窒素富化空気を車室外に導くことができる。
本実施例において、窒素富化空気流路16に、側管83側に向かって空気流れ7を発生させる窒素富化空気排出ファン20を設けることが好ましい。窒素富化空気流路16の空気をドレイン36に導く場合、車両用空気調整装置のブロア34の稼動が停止すると、空気流れ6は発生しなくなる。このとき、窒素富化空気排出ファン20を設けることで、酸素富化膜から側管83へ向かう空気流れ7を発生させることで、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気を車室外へ排出することができる。
制御手段71は、窒素富化空気排出ファン20の作動及び停止を制御する窒素富化空気排出ファン制御手段を含む。窒素富化空気排出ファン制御手段は、ブロア34を停止させる信号の入力を契機に、窒素富化空気排出ファン20を作動させることが好ましい。車両用空気調整装置のブロア34が停止するとブロア34の下流での空気流れ4、5が止まり、ブロア34の下流が陽圧でなくなるので、主管36の空気流れ6が形成されない。このため、制御手段71が、ブロア34を停止させる信号が入力されたときに、窒素富化空気排出ファン20を稼動させれば、空気流れ6が形成されていない場合であっても窒素富化空気を側管83へ送り、側管83から車室外へ排出することができる。
(酸素富化装置の実施例3)
図8は、窒素富化空気流路の負圧部への接続例を示す構成図である。図8に示す酸素富化装置は、窒素富化空気流路16が、負圧部となるエアインテーク84に連通した流路に接続されていることを特徴とする。エアインテーク84は、エンジンへ供給する外気を取り込む空気流路である。エンジンは、排気弁86bを開けてピストン87がシリンダ88内の空気を排気し、排気弁86bを閉じて吸入弁86aを開いてピストン87がシリンダ88内に吸気する。シリンダ88内が負圧となるときに吸入弁86aが開いているので、エアインテーク84に連通している空気流路が負圧となる。本実施例では、負圧部は、エンジンへ供給する外気を取り込むエアインテーク84に連通した流路のうち、エアクリーナ85の上流側であることが好ましい。エアインテーク84に連通した流路のうちのエアクリーナ85の上流に窒素富化空気を導けば、酸素富化膜に透過されずに残留する窒素富化空気をエアインテークへ吸引することができる。
(車両用空気調整装置の制御の第1例)
図9及び図1を参照して、本実施形態に係る酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の制御の第1例について説明する。図9は、酸素富化装置の制御法の第1例を示したフロー図である。制御は、例えば制御手段71が行う。ステップS301では、例えば車のエンジンが稼動する。又、車両用空気調整装置100が稼動する。ステップS301の後、ステップS302へ移行する。
ステップS302では、車両用空気調整装置100が内気モード(Recモード)であるか否かを判定する。内気モードであるか否かの判定は、例えば、インテークドア32がどの程度外気を取り込める状態にあるのかを判定する。例えば、ブロア34に供給される内気の割合が5割以上10割以下となる状態であれば、内気モードと判定する。又、ブロア34に供給される外気の割合が5割未満となる状態であれば内気モードと判定する。ステップS302で内気モードであると判定すると、ステップS303へ移行する。一方、ステップS302で内気モードであると判定されなければ、ステップS302を繰り返す。
ステップS303では、酸素富化モードを作動させる。酸素富化装置の作動は、例えば、差圧発生手段13を稼動させる。ステップS303の後、ステップS304へ移行する。
ステップS304では、ブロア34が稼動しているか否かを判定する。例えば、制御手段71がブロア34の稼動状態を識別する。又、ブロア34の回転を検出してもよいし、ブロア34の下流の空気の流量を計測してもよい。ステップS304でブロア34が稼動していると判定すれば、ステップS305へ移行する。一方、ステップS304でブロア34が稼動していないと判定すれば、ステップS307へ移行する。
ステップS307では、窒素富化空気排出ファン20を作動させる。例えば、制御手段71に含まれる窒素富化空気排出ファン制御手段が窒素富化空気排出ファン20を稼動させる。ステップS307の後、ステップS305へ移行する。
ステップS305では、車両用空気調整装置100が外気モード(Freshモード)であるか否かを判定する。外気モードであるか否かの判定は、例えば、インテークドア32がどの程度外気を取り込める状態にあるのかを判定する。例えば、ブロア34に供給される外気の割合が5割超10割以下となる状態であれば、外気モードと判定する。又、ブロア34に供給される内気の割合が5割以下となる状態であれば外気モードと判定する。ステップS305で外気モードであると判定すると、ステップS306へ移行する。一方、ステップS305で外気モードであると判定されなければ、ステップS305を繰り返す。
ステップS306では、酸素富化装置が稼動するモードである酸素富化モードを停止させる。酸素富化モードの停止は、例えば、差圧発生手段13を停止させる。ステップS306の後、ステップS302へ移行する。
このように、内気モードであるか(S302)又は外気モードであるか(S305)を判定し、内気モードであれば酸素富化モードを作動させ(S303)、外気モードであれば停止させる(S306)ことが好ましい。このような制御を行うことで、外気が取り込まれる結果、車室内の酸素濃度が減少する可能性が低い場合に酸素富化モードを停止させることができる。
(車両用空気調整装置の制御の第2例)
図10及び図1を参照して、本実施形態に係る酸素富化装置を搭載した車両用空気調整装置の制御の第2例について説明する。図10は、酸素富化装置の制御法の第2例を示したフロー図である。制御手段71は、まず酸素富化装置の作動を判定するステップS101を行う。酸素富化装置が作動している場合、外気モード(Freshモード)に切り替えるステップS102、酸素富化装置を作動させるステップS103、所定の時間に酸素富化装置が停止するステップS104の順に制御を行う。ステップS104の所定の時間が例えば30分の場合、酸素富化装置の作動から30分以上経つと酸素富化装置の作動を停止するステップS105を行う。ステップS105を行った後、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。酸素富化装置の作動を判定するステップS101で酸素富化装置が作動していない場合、車両用空気調整装置が内気モード(Recモード)であるかを判定するステップS201を行う。
ステップS201で内気モードでないと判定した場合、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。ステップS201で内気モードであると判定した場合、酸素濃度を測定して所定値(constant1)以下であるかを判定するステップS202を行う。酸素濃度が所定値より高い場合、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。酸素濃度が所定値以下の場合、酸素富化装置を作動させるステップS203、酸素濃度を測定して所定値(constant2)よりも高いかを判定するステップS204を行う。ステップS204で酸素濃度が所定値より高い場合、酸素富化装置の作動を停止するステップS105を行う。ステップS105を行った後、酸素富化装置の作動を判定するステップS101へ戻る。
酸素富化装置を作動させるステップS103は、図1に示した差圧発生手段13とブロア34を稼動させることにより行う。差圧発生手段13とブロア34が稼動することにより酸素富化空気を生成することができる。車両用空気調整装置100が作動している場合は、差圧発生手段13を稼動させればよい。酸素富化装置の作動を停止するステップS105は、例えば差圧発生手段13を停止する。このように、外気モードでは高酸素濃度の酸素富化空気を車室内に供給し、内気モードにおいては酸素濃度を監視して車室内の酸素濃度の低下を防ぐことが可能になる。
さらに、内気モードであるか判定するステップS201と酸素濃度判定S202との間に、走行速度の判定(不図示)を行ってもよい。この場合は、差圧発生手段13及びブロア34は、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに稼動すればよい。例えば走行速度が20km/hよりも高ければ、酸素濃度を測定して所定値以下であるか判定するステップS202を行い、20km/h以下であれば酸素富化装置を作動させるステップS203を行う。このように、走行速度が所定の速度よりも低くなったときに稼動することによって、渋滞時に酸素富化空気を供給することが可能になる。さらに、携帯電話などの通信手段を用いて制御手段71を稼動させ、乗車前に車室内の空気の酸素濃度を高められるようにしてもよい。
(酸素富化装置の実施例)
図11を参照して、図1に示した本発明に係る酸素富化装置の実施例について説明する。図11は、乗員2名で乗車した場合の車室内の酸素濃度と二酸化炭素濃度の濃度変化を測定した結果を示すグラフである。図11(a)は酸素濃度の時間変化を示す。Afは外気モードでの酸素富化空気を供給した車室内空気、Arは内気モードでの酸素富化空気を供給した車室内空気、Bfは外気モードでの通常の車室内空気、Brは内気モードでの通常の車室内空気のそれぞれの濃度変化を示す。外気モードでは、濃度変化Bfは当然減少することなく一定であるのに対して、濃度変化Afは時間ごとに酸素濃度が上昇して外気よりも高い濃度で一定値を保っている。一方内気モードでは、濃度変化Brは時間に比例して減少しているのに対して、濃度変化Arは減少することなく外気と同一濃度の一定値を保っている。
図11(b)は二酸化炭素濃度の時間変化を示す。Cfは外気モードでの酸素富化空気を供給した車室内空気、Crは内気モードでの酸素富化空気を供給した車室内空気、Dfは外気モードでの通常の車室内空気、Drは内気モードでの通常の車室内空気のそれぞれの濃度変化を示す。外気モードでは、濃度変化Dfは当然減少することなく一定値であるのに対して、濃度変化Cfも減少することなく一定値を保っている。濃度変化Drは時間に比例して増加しているのに対して、濃度変化Crは濃度変化Drに比較して小さな傾きで比例して増加している。
図11から明らかなように、本発明に係る酸素富化装置を備えることにより、外気モード及び内気モードにおいて酸素濃度を高め、かつ二酸化炭素の増加を防ぐことができる。特に、内気モードにおいては、通常の車室内空気の酸素が時間に比例して減少するのに対し、酸素富化空気を供給した車室内空気は酸素が減少しない。これは、車外の外気を酸素濃度を高めて車室内に取り込むことにより、車室内全体の酸素濃度を高めているからである。濃度変化Afから明らかなように、外気よりも高い酸素濃度の酸素富化空気を内気モードで供給することができるので、内気モードで車室内空気の温度を一定に保つ場合に、温度差の大きな外気を大量に取り込むことなく酸素濃度の低下を防ぐことが可能になる。これにより、暖房運転や冷房運転など、空気調和にかかるエネルギーの消費を抑えることも可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両空気調整装置は、車両空気調整装置100の外気吸入口31から取り込まれた外気を酸素富化するので、酸素富化のための構成を一体化することができる。このため、車両空気調整装置100の空気流路を利用し、酸素富化の構成を簡易化すると共に、酸素富化の構成の設置スペースを少なくすることができる。又、車両空気調整装置100の一機能として車両に搭載することができるので、車室内の酸素富化が容易になる。又、車両前方に設置される車両空気調整装置100の外気吸入口31から取り込まれた外気を酸素富化するので、酸素富化のために取り込んだ外気への排気ガスの混入を防ぐこともできる。更に、負圧部に窒素富化空気を導き、新鮮な外気を酸素富化膜に送り込むことができるので、酸素富化空気の濃度を効率よく高めることができる。
酸素富化装置及び酸素センサを搭載した車両用空気調整装置の一例を示す構成図である。 酸素富化装置の一例を示す構成図である。 酸素富化装置の原理の一例を示す構成図である。 加圧によって酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段を用いた酸素富化装置の一例を示す構成図である。 酸素富化膜を備えるチャンバーの第2例を示す模式図である。 酸素富化膜を備えるチャンバーの第3例を示す模式図である。 酸素富化装置の第2の実施例を示す構成図である。 窒素富化空気流路の負圧部への接続例を示す構成図である。 酸素富化装置の制御法の第1例を示したフロー図である。 酸素富化装置の制御法の第2例を示したフロー図である。 乗員2名で乗車した場合の車室内の酸素濃度と二酸化炭素濃度の濃度変化を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1、2、3、4、5 空気流れ
6 カバーケースの外側へ向かう空気流れ
7 窒素富化空気流路から側管への空気流れ
11 外気導入流路
12 酸素富化膜
13 差圧発生手段
14a、14b 酸素富化空気流路
16 窒素富化空気流路
18、301−306、308 空気流路
20 窒素富化空気排出ファン
31 外気吸入口
32 インテークドア
33 外気吸入路
34 ブロア
35 エバポレータ
36 ドレイン
37 ヒータコア
38 エアミックスドア
39、40、41 モードドア
42 フロント空調ダクト
43 リア空調ダクト
48 車内換気口
49 内気吸入口
51、53 サイドベント
52a、52b ベント
54 後部座席側吹き出し口
55 インテーク部
61 外気導入ファン
62a〜62h、62j、62k 酸素富化膜
79a〜79l 構造支持体
63、64、65、69、73、74 チャンバー
66 ポンプ冷却ファン
67 マフラー
68 水ぬきバルブ
71 制御手段
72 酸素センサ
82 カバーケースの貫通孔
83 側管
84 エアインテーク
85 エアクリーナ
86a 吸入弁
86b 排気弁
87 ピストン
88 シリンダ
100 車両用空気調整装置
401 車両用空気調整装置のカバーケース

Claims (8)

  1. 車両用空気調整装置のインテーク部の外気吸入口とインテークドアとをつなぐ外気吸入路から外気を取り込む外気導入流路と、
    該外気導入流路に取り込まれた空気に含まれる酸素を選択的に透過させる酸素富化膜と、
    前記酸素富化膜の透過前後で差圧を発生させる差圧発生手段と、
    前記酸素富化膜を透過した酸素富化空気を車室又は車室に連通した空気流路へ導く酸素富化空気流路と、
    前記酸素富化膜を透過しなかった窒素富化空気を車室外の負圧部に導く窒素富化空気流路と、を備えることを特徴とする車両用空気調整装置。
  2. 車両用空気調整装置のカバーケースの外壁面から、該車両用空気調整装置のブロアの下流側の空気流路まで貫く貫通孔と、
    該貫通孔から前記カバーケースの外側へ向けて接続された主管と、
    該主管を通過する前記カバーケースの外側へ向かう空気流れに合流する空気を導入する側管と、をさらに備え、
    前記窒素富化空気流路が、前記負圧部となる前記側管に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調整装置。
  3. 前記主管が車両用空気調整装置のドレインを兼ねることを特徴とする請求項2に記載の車両用空気調整装置。
  4. 前記窒素富化空気流路に、前記側管側に向かって空気流れを発生させる窒素富化空気排出ファンを設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用空気調整装置。
  5. 前記窒素富化空気排出ファンの作動及び停止を制御する窒素富化空気排出ファン制御手段をさらに備え、
    該窒素富化空気排出ファン制御手段は、前記ブロアを停止させる信号の入力を契機に、前記窒素富化空気排出ファンを作動させることを特徴とする請求項4に記載の車両用空気調整装置。
  6. 前記負圧部は、エンジンへ供給する外気を取り込むエアインテークに連通した流路のうち、エアクリーナの上流側であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調整装置。
  7. 前記酸素富化空気供給流路は、前記インテークドアと車両用空気調整装置のブロアとの間の空気流路に前記酸素富化空気を供給することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の車両用空気調整装置。
  8. 前記差圧発生手段の作動及び停止を制御する差圧制御手段をさらに備え、
    該差圧制御手段は、前記インテークドアが外気モードであるとの信号の入力を契機に、前記差圧発生手段を停止させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の車両用空気調整装置。

JP2005376424A 2005-12-27 2005-12-27 車両用空気調整装置 Pending JP2007176301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005376424A JP2007176301A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 車両用空気調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005376424A JP2007176301A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 車両用空気調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007176301A true JP2007176301A (ja) 2007-07-12
JP2007176301A5 JP2007176301A5 (ja) 2008-11-20

Family

ID=38301907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005376424A Pending JP2007176301A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 車両用空気調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007176301A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011063101A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Japan Climate Systems Corp 室内浄化装置
KR101231773B1 (ko) 2009-12-22 2013-02-08 한라공조주식회사 차량용 산소발생기
KR101300555B1 (ko) * 2010-12-03 2013-09-03 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치
KR101307898B1 (ko) * 2010-12-03 2013-09-13 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치
JP2019167055A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 本田技研工業株式会社 内部環境調整装置、及び、それを備えた車両、並びに、内部環境調整方法
JP2019167933A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 本田技研工業株式会社 吸気調整装置、及び、それを備えた車両、並びに、吸気調整方法
CN114483287A (zh) * 2022-01-24 2022-05-13 浙江吉利控股集团有限公司 一种车用增氧装置及其控制方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59212632A (ja) * 1983-05-18 1984-12-01 Nippon Denso Co Ltd 酸素富化空気供給装置
JPS6343812A (ja) * 1986-08-09 1988-02-24 Mazda Motor Corp 車両の空調装置
JPH0218713U (ja) * 1988-07-25 1990-02-07
JPH0516661A (ja) * 1991-07-11 1993-01-26 Zexel Corp 車両用空気調和装置
JP2006044393A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空気調整装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59212632A (ja) * 1983-05-18 1984-12-01 Nippon Denso Co Ltd 酸素富化空気供給装置
JPS6343812A (ja) * 1986-08-09 1988-02-24 Mazda Motor Corp 車両の空調装置
JPH0218713U (ja) * 1988-07-25 1990-02-07
JPH0516661A (ja) * 1991-07-11 1993-01-26 Zexel Corp 車両用空気調和装置
JP2006044393A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空気調整装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011063101A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Japan Climate Systems Corp 室内浄化装置
KR101231773B1 (ko) 2009-12-22 2013-02-08 한라공조주식회사 차량용 산소발생기
KR101300555B1 (ko) * 2010-12-03 2013-09-03 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치
KR101307898B1 (ko) * 2010-12-03 2013-09-13 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치
JP2019167055A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 本田技研工業株式会社 内部環境調整装置、及び、それを備えた車両、並びに、内部環境調整方法
JP2019167933A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 本田技研工業株式会社 吸気調整装置、及び、それを備えた車両、並びに、吸気調整方法
JP7077094B2 (ja) 2018-03-26 2022-05-30 本田技研工業株式会社 吸気調整装置、及び、それを備えた車両、並びに、吸気調整方法
CN114483287A (zh) * 2022-01-24 2022-05-13 浙江吉利控股集团有限公司 一种车用增氧装置及其控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007176301A (ja) 車両用空気調整装置
JPH09276408A (ja) 呼吸用気体供給装置
JP2006044393A (ja) 車両用空気調整装置
JP2005000305A (ja) 芳香及び酸素供給装置
JP2011168195A (ja) 車両用空気浄化装置
JPH06171353A (ja) 車両用空気調和装置
KR100704772B1 (ko) 차량용 공조시스템
JP4285336B2 (ja) 車両用清浄ガス供給装置
JP2010120496A (ja) 車両用空気清浄装置および車両用空調装置
KR102190828B1 (ko) 차량용 공기정화장치
JP4396394B2 (ja) 車両用清浄ガス供給装置
JP2003025991A (ja) 換気装置
JPH11321289A (ja) 自動車用空調装置
JP4396392B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005075286A (ja) 車両用酸素富化装置
JPS6343812A (ja) 車両の空調装置
JP2006151185A (ja) 車両用空調装置
JP2012011878A (ja) 空気浄化装置
JP2006062498A (ja) 車両用酸素富化装置
JP2011116189A (ja) 車両用空気浄化装置
JP2012011879A (ja) 空気浄化装置
JP4396393B2 (ja) 車両用空調装置
JP2024012961A (ja) 移動体用空気浄化装置
JP2006038244A (ja) 酸素富化機
JPH106765A (ja) 空気清浄コントロールシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20081003

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Effective date: 20081003

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130409

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02