JP2006044144A - 消し具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 筆記具用インキ組成物による筆記描線を消去するための消し具であって、該消し具は研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、硬度が70°〜100°となる材質からなることを特徴とする消し具。
好ましくは、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となるものが望ましく、また、この消し具は、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物からなるものが好ましい。
【選択図】 なし
Description
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決した筆記具用インキ組成物、具体的には、少なくとも、顔料と、増粘剤と、造膜性のアクリロニトリルブタジエン樹脂エマルジョンと、水とを含有し、インキの表面張力が30〜45dyne/cmとしてなる消去性インキ組成物等を開発している。
このインキ組成物による筆記描線は、従来の消しゴムでは消去できない特性を備えたものである。
(1) 筆記具用インキ組成物による筆記描線を消去するための消し具であって、該消し具は研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、硬度が70°〜100°となる材質からなることを特徴とする消し具。
(2) JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となる上記(1)記載の消し具。
(3) 筆記描線の消去に際し、自己摩耗が少ない上記(1)又は(2)記載の消し具。
(4) 可塑剤を含有しない上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の消し具。
(5) 熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物からなる上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の消し具。
(6) オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物からなり、その配合比率が重量比で1:1〜1:4である上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の消し具。
(7) 筆記具用インキ組成物を収容してなる筆記具であって、該筆記具には、上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の消し具を具備してなることを特徴とする筆記具。
なお、本発明において規定する消しゴムの「硬度」は、ゴム硬度計GS−701(テクロック社製)によって測定した値である。
請求項2〜6記載の発明によれば、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、しかも、鉛筆による描線に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を傷つけない筆記描線用の消し具が提供される。
請求項7記載の発明によれば、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、また、鉛筆による描線に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を傷つけない筆記描線用の消し具が具備された筆記具が提供される。
本発明の消し具は、筆記具用インキ組成物による筆記描線を消去するための消し具であって、該消し具は研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、硬度が70°〜100°となる材質からなることを特徴とするものである。
本発明において、研磨剤(研磨粒子)を含有しない理由は、紙面を傷めることなく筆記描線を消去するために、研磨剤(研磨粒子)を含有しないものである。
用いることができる熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系、スチレン系、ウレタン系、ポリエステル系、フッ素系などの各種エラストマーを用いることができる。また、ゴムについても、天然ゴムを含む加硫ゴム、各種合成ゴムを用いることができる。
また、耐摩耗性、特定インキによる筆記描線の消去性の点から、上記熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物(配合比率が重量比で1:1〜1:4)からなる消し具が好ましく、更に好ましくは、オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物からなり、その配合比率が重量比で1:2.5〜1:3.5となるものが望ましい。
これらの熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物は、筆記描線の消去に際し、自己摩耗が少ないものとなるので好ましいものである。
この硬度が70°未満であると、柔らかすぎて特定インキによる描線が消去できなくなり、一方、100°を超えると、消し具自体が柔軟性がないため、描線と紙面との接着力を上回る摩擦力が生じないため消去できないものとなる。
この特性を有する消し具とするためには、熱可塑性樹脂の種類と配合比により調整することができる。
本発明の消し具は、上記各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等を慣用の方法により混合して調製することができる。
具体的には、配合物を加熱溶融してニーダーで十分混練し、一旦これを冷却したものを粉砕して、所定温度に調整した押し出し成形機若しくは射出成形機により金型を介して得ることができる。
図1は、一般的な形状となる本発明の消し具Aの実施形態である。この消し具Aは、ポリプロピレン(J−728、三井化学社製)25重量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(アクティマー、LQA9770N、リケンテクノス社製)75重量部から構成される消し具本体10と、紙製ケース11とからなるものである。
また、筆記具用インキ組成物を収容してなる筆記具の後端部に、本発明の消し具を具備せしめることもできるものである。
図2は、本発明の消し具を筆記具本体の後端部に具備した筆記具である。
この筆記具Bは、消去性インキ組成物20を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となるインキタンク部21に充填したものである。
このサインペンBでは、インキタンク部21内にバルブ機構22を介在して繊維芯からなるペン先23へインキ20が供給される構成となっている。図2中の24はホルダー部材であり、25はインキタンク部21の後部に固着される後部部材であり、26はスプリング27にて可動するインナーキャップであり、これによりキャップ28をした際に加圧されてバルブ22が開放されるのを防止することができる。図示符号29は、キャップ48の一方の端部の凹状内に嵌合された本発明の研磨剤を含有せず、硬度70〜100°〔本実施形態では硬度90°、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物(配合比率が重量比で1:1〜1:4)〕の消去具より構成されるものである。
更に、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となる消し具とすれば、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、しかも、鉛筆による描線に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を傷つけない筆記描線用の消し具が得られるものとなる。
また、本発明の筆記具は、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、また、鉛筆による描線に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を傷つけない筆記描線用の消し具が具備された筆記具が得られるものとなる。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(J−728、三井化学社製)25重量部と、熱可塑性エラストマー(アクティマー、LQA9770N、リケンテクノス社製)75重量部とを加熱溶融してニーダーで十分混練した後、冷却、粉砕したものを押し出し成形機により溶融押し出しして冷却したものを切断して消し具(大きさ12×5×20mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂(J−728、三井化学社製)20重量部と、熱可塑性エラストマー(トレフシン3271−65W308、AESジャパン社製)80重量部とを加熱溶融してニーダーで十分混練した後、冷却、粉砕したものを押し出し成形機により溶融押し出しして冷却したものを切断して消し具(大きさ12×5×20mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂(J−728、三井化学社製)50重量部と、熱可塑性エラストマー(レオストマ、CFR9965N、リケンテクノス社製)50重量部とを加熱溶融してニーダーで十分混練した後、冷却、粉砕したものを押し出し成形機により溶融押し出しして冷却したものを切断して消し具(大きさ12×5×20mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂(J−728、三井化学社製)20重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体熱可塑性エラストマー(エバテート VM618A、住友化学社製)80重量部とを加熱溶融してニーダーで十分混練した後、冷却、粉砕したものを押し出し成形機により溶融押し出しして冷却したものを切断して消し具(大きさ12×5×20mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂(J−728、三井化学社製)からなる消し具(大きさ12×5×20mm)を用いた。
市販の三菱鉛筆社製、商品名「EP−105」(配合組成;塩化ビニル製、可塑剤・充填剤含有)を用いた。
なお、実施例1〜3及び比較例1〜3の消し具の大きさは、12×5×20mmとしたものである。
これらの結果を下記表1に示す。
ゴム粘度計GS−701(テクロック社製)により測定した。
JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)を算出し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:消字率70%以下
○:消字率70%超〜75%未満
△:消字率75%以上〜80%未満
×:消字率80%以上
下記配合組成の筆記具用インキ組成物を調製した。この筆記具用インキ組成物を図2に準拠する筆記具に充填し、紙面(坪量50〜100g/m2、白色度75%以上の紙、以下同様)に筆記した。この筆記描線に対して実施例及び比較例の消し具を用いて、下記方法により消去試験を行い、下記評価基準で評価した。
荷重5N、摩消速度15cm/秒、往復回数4回をテスターの手で行い、消字率をJIS S 6050−2002に準拠する消去性試験を行い、消字率を算出した。
下記配合成分を下記方法により製造して消去性インキ組成物を得た。
顔料:ピンク色樹脂粒子の水分散液 8重量%
〔SW−17(シンロイヒ社製)、平均粒径1μm、固形分量42%〕
樹脂エマルジョン:アクリロニトリル・ブタジエン共重合体の水分散液 60重量%
〔Nipol LX517A(日本ゼオン社製)、固形分量40%、表面張力42dyne/cm〕
増粘剤:結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 0.5重量%
〔RC−591、ホモミキサー、10000rpm 10分〕
尿素 18重量%
水(精製水) 13.5重量%
上記配合成分のうち、タンク内に撹拌しながら順次添加し、均一になるまで混合撹拌した後、1μmのバグフィルターで濾過することにより、インキを製造した。
◎:消字率90%以上
○:消字率80%以上〜90%未満
△:消字率70%以上〜80%未満
×:消字率70%未満
10 消し具本体
11 ケース
Claims (7)
- 筆記具用インキ組成物による筆記描線を消去するための消し具であって、該消し具は研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、硬度が70°〜100°となる材質からなることを特徴とする消し具。
- JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となる請求項1記載の消し具。
- 筆記描線の消去に際し、自己摩耗が少ない請求項1又は2記載の消し具。
- 可塑剤を含有しない請求項1〜3の何れか一つに記載の消し具。
- 熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物からなる請求項1〜4の何れか一つに記載の消し具。
- オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物からなり、その配合比率が重量比で1:1〜1:4である請求項1〜5の何れか一つに記載の消し具。
- 筆記具用インキ組成物を収容してなる筆記具であって、該筆記具には、請求項1〜6の何れか一つに記載の消し具を具備してなることを特徴とする筆記具。
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