JP5767881B2 - 熱変色性筆記具 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、熱変色性インキを内蔵した熱変色性筆記具であって、軸筒内に少なくとも1本の筆記用芯体と、消去具として少なくとも1本の摩擦用芯体とを前後方向に移動可能に収容し、前記筆記用芯体のペン先と前記摩擦用芯体のチップを択一的に軸筒の前端孔から出没可能にする出没機構を備えたことを特徴とする熱変色性筆記具が記載されている。
これらの筆記具を用いて紙等に筆記してなる筆跡を弾性体又は摩擦用芯体により摺擦することによって、発生する摩擦熱をその筆跡に加えることにより、筆跡に含まれる熱変色性インキが加熱されて変色温度を超えることによって、その熱変色性インキに含まれる色素が透明化する。このような機構によって、筆跡が透明化するために、あたかも筆跡が消去されたかのようにみえる。
このように、熱変色性インキを使用する筆記具は、その本体の先端開口部等の部位に筆跡に摩擦熱を与える摩擦用の弾性体を有し、あるいは筆記具内に摩擦用芯体を備えるチップを押出可能に収納している。
通常はそのような摩擦体は筆記具の外面に露出するように装着されており、使用者が筆記された文字等に対して摩擦体を摺擦することにより消去しようとする際には、筆記具の向きを変えるなどしてその摩擦体を文字等に対して摺擦させていた。
このように、摩擦体が筆記具の外面に露出して設けられていると、例えば筆箱や鞄等に筆記具を収納して使用するうちに、他の筆記具のインキや鉛筆の芯の粉等がその摩擦体に強固に付着することが多く、摩擦体を使用した場合には消去性のインキの筆跡は消去することができても、摩擦体に付着していた他の筆記具のインキや鉛筆の芯等が摩擦体から筆記面に転着されてしまい、筆記面を汚すことが問題とされていた。
しかしながら、このような構造の筆記具は、摩擦用芯体を収納し、出没可能とするための出没機構を設ける必要があるので、筆記具の構造が複雑化する。特に筆記具が1色の比較的単純な構造の筆記具である場合には、摩擦用芯体のためにあえて2色用と同様の構造の筆記具とする必要があった。
1.ノック式筆記具において、クリップの後端部内側に摩擦体が装着されており、未使用時はノック部分により摩擦体が保護され、ノック時には摩擦体が露出し使用可能な状態になり、インキが熱消去性インキであることを特徴とするノック式筆記具。
2.摩擦体がクリップの後端部内側に脱着可能に装着されてなる1記載のノック式筆記具。
3.ノック式筆記具のクリップの後端部を被覆することによりクリップの後端部内側に摩擦体を設けるための摩擦体部材。
しかも、筆記具内に消去具を収納し、これを出没させる必要がないので、その出没のための機構を有することがなく、消去具のために複雑な構造を設けることを要しないので、筆記具の構造としては非常に簡単である。
本発明のノック式筆記具は、軸筒内に収納した熱変色性インキ入りレフィールを備え、かつ軸筒後部には通常のクリップ付筆記具のクリップが位置する場所と同様の位置にクリップが設けられている筆記具であることを前提とする。
図示した形態は、一例であり、通常のノック式筆記具で用いられている構成および機構を任意に用いてよい。
先栓(1)、軸筒(2)の材料およびノック部(3)は、通常のノック式筆記具で用いられている材料(金属または樹脂等)および方法を使用して作製することができる。
本発明において、クリップ(5)は軸筒(2)と接続される接続部(5a)と接続部よりも先栓(1)寄りの前方部(5b)と、接続部よりノック部よりの後端部(5c)とに分けられる。仮にクリップが接続部(5a)と接続部よりも先栓寄りの前方部(5b)とのみからなる構造を有し、後端部(5c)を有しない場合には、クリップの後端部を形成することができないので、本発明のノック式筆記具とはならない。
クリップの後端部(5c)は、不使用時のノック部(3)の後端よりもさらに後方に延びることはなく、使用時においてノック部(3)が押し込まれた状態において初めてノック部(3)よりも後方に位置するように設けられる。具体的に図1を示して説明すると、ノック部(3)の後端を示す線(A)はクリップの後端部(5c)の端を示す線(B)よりも更に後方に位置しており、不使用時にはノック部(3)の後端とクリップの後端部(5c)がこのような位置関係にある。
このように設けられて初めて、クリップの後端部(5c)の内側に設けられた摩擦体(6)は、ノック式筆記具の不使用時において使用できず、ノック式筆記具の使用時にノック部(3)が押し入れられた状態となって使用が可能となる。
つまり、本発明において、未使用時はノック部により摩擦体(6)が保護されるとは、軸筒後端より出ているノック部(3)がクリップの後端部(5c)の末端よりもさらに軸筒から出ているか、あるいは、クリップの後端部(5c)の末端と同じ位置になるように出ている状態を指しており、仮にノック部(3)の後端よりもクリップの後端部(5c)の端部が後方に位置していると、筆箱等に保管された未使用時において、摩擦体のノック部(3)の後端よりも後方の表面が鉛筆の芯の粉等により汚れてしまう可能性が高くなる。
特に図1、2及び5に示すように、クリップの後端部(5c)がノック部(3)から離間するように反った形状をしている場合には、摩擦体を使用する際により筆跡に接触させることができるので、使用性を向上させることができる。
また、クリップ外面や前方を形成する材料と共にいわゆる2色成形により形成することもでき、ノック式筆記具のクリップの後端部内側に別に成形した摩擦体を圧入、嵌着、係着、螺着、接着、溶着等の手段により一体化させることができる。
このような摩擦体(6)の厚さは特に限定されるものではなく、0.5〜4.0mm程度でも良い。クリップの後端部内側という摩擦体を設ける位置を考慮すると、厚すぎると、ノック部(3)と密着する可能性があるので好ましくない。またあまり薄すぎると、摺擦時に加えられる力によって摩擦体(6)がクリップ部後端から剥がれる可能性が高くなるので好ましくない。
本発明における摩擦体自体は、筆記具の他の箇所を摩擦体とした場合と比較して小さいので、替え用のレフィールと共に個別包装袋に封入することで嵩張らずに店頭に並べることが可能である。
特に摩擦体の形状をノック式筆記具のクリップの後端部に被せて使用するような形状とすることで、通常のノック式筆記具に対しても、熱消去性インキを充填したレフィールの交換と同時にクリップの後端部内側に摩擦体を有する摩擦体部材を装着することで、新たに本発明のノック式筆記具とすることもできる。
また、摩擦体(6)とそれを保持してクリップの後端部に固定可能とする部分からなる摩擦体部材をクリップの後端部に固定させることもできる。その場合例えば該固定可能な部分をクリップの後端部に固定できる筒状ないしは袋状の部材、あるいはベルト状の部材とし、その部材に摩擦体(6)を固定してなる摩擦体部材とすることもできる。また、固定可能な部分と摩擦体(6)を同一の材料から形成してもよく、あるいは異なる材料から形成しても良い。
加熱により消去するインキは、例えば、電子受容性化合物と、電子供与性呈色性有機化合物(例えば、ロイコ染料)と、消色剤を含み、常温では、電子受容性化合物により発色状態にされた電子供与性呈色性有機化合物が消色剤から分離されており、加熱したときに、消色剤が電子受容性化合物に作用して、無色になる又は色が薄くなるものであってよい。
電子受容性化合物により発色状態にされた電子供与性呈色性有機化合物は、例えば、ワックス粒子に包含されることにより、消色剤から分離させることができる。その場合、さらに消色剤をワックス粒子に包含させてよい。あるいは、消去性インキは、特許文献1に記載のような感温変色性色彩記憶性インキ組成物であってよい。本発明のノック式筆記具において、加熱により消去可能なインキを使用する場合には、摩擦体(6)で擦るときに生じる摩擦熱によって、消去可能なように、インキの組成を決定する。
2・・・・軸筒
3・・・・ノック部
4・・・・先端開口部
5・・・・クリップ
5a・・・クリップの接続部
5b・・・クリップの前方部
5c・・・クリップの後端部
6・・・・摩擦体
Claims (2)
- ノック式筆記具において、クリップの後端部内側に摩擦体が装着されており、未使用時はノック部分により摩擦体が保護され、ノック時には摩擦体が露出し使用可能な状態になり、インキが熱消去性インキであることを特徴とするノック式筆記具。
- 摩擦体がクリップの後端部内側に脱着可能に装着されてなる請求項1記載のノック式筆記具。
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