JP2016130018A - 摩擦体の製造方法及び熱変色性筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる摩擦体の製造方法、及びそれを備えた熱変色性筆記具を提供する。【解決手段】熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能な摩擦体の製造方法であって、被筆記面上の熱変色性の像または筆跡を摩擦する際、側面に、該側面から該側面の反対側を透視可能な透視部22を備える。透視部22が透明または半透明の材料からなる。透視部22の頂部外面に弾性材料からなる摩擦部32を設ける。透視部22と摩擦部32とが2色成形により固着される。【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦体の製造方法及び熱変色性筆記具に関する。
従来、特許文献1には、熱変色性インキを用いて紙面上に形成した熱変色性の筆跡または像を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の筆跡または像を熱変色させる摩擦体が記載されている。また、特許文献1には、内部に熱変色性インキを収容し且つ外面に前記摩擦体を備えた熱変色性筆記具が記載されている。
前記特許文献1の摩擦体は、摩擦体を用いて熱変色性の筆跡または像を熱変色させる際、摩擦体の視認側から反対側を視認できず、必要以上に熱変色性の筆跡または像を熱変色させがちである。即ち、前記特許文献1の摩擦体は、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ、確実に熱変色させることが困難である。
特開2009−66780号公報
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる摩擦体の製造方法、及びそれを備えた熱変色性筆記具を提供しようとするものである。
本願の第1の発明は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能な摩擦体の製造方法であって、前記摩擦体が被筆記面上の熱変色性の像または筆跡を摩擦する際、側面に、該側面から該側面の反対側を透視可能な透明または半透明の材料からなる透視部22を備え、且つ、前記摩擦体が前記透視部の頂部外面に設けられた弾性材料からなる摩擦部を備え、前記透視部と前記摩擦部とが2色成形により固着されることを要件とする。
前記第1の発明から得られる摩擦体1は、被筆記面上の熱変色性の像または筆跡を摩擦する際、摩擦体1の側面に、該側面から該側面の反対側を透視可能な透視部22を備えたことにより、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる。
前記第1の発明から得られる摩擦体1は、前記透視部22が透明または半透明の材料からなることにより、透視部22を貫通孔により構成する場合に比べ、摩擦時の摩擦体1のぐらつきを防止できる。前記透明または半透明の材料とは、透明または半透明の合成樹脂、透明または半透明のゴムまたはエラストマー等が挙げられる。
前記第1の発明から得られる摩擦体1は、前記透視部22(透明または半透明の材料からなる透視部22)の頂部外面に弾性材料からなる摩擦部32を設けたことにより、適正な透視機能を有する透視部22と、適正な摩擦機能を有する摩擦部32とを確実に得ることができる。
前記第1の発明から得られる摩擦部32は、前記透視部22と前記摩擦部32とが2色成形により固着されることにより、透視部22と摩擦部32とが強固に固着される。
本願の第2の発明は、内部に熱変色性インキを収容し、一端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先6を備え、外面に前記熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な摩擦体1を備えた熱変色性筆記具であって、前記摩擦体1が前記第1の発明の製造方法から得られることを要件とする。
前記第2の発明の熱変色性筆記具4は、前記第1の発明の製造方法から得られる摩擦体1を備えたことにより、熱変色性の筆跡または像を、熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる。
尚、本発明で、前記摩擦部32を構成する弾性材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。
前記弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
尚、本発明で、前記熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
本発明では、図8に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型の熱変色性インキが適用されることが好ましい。図8において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記実質的二相保持温度域は、目的に応じて設定できるが、本発明では、前記高温側変色点〔完全消色温度(t)〕を、25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度(t)〕を、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができると共に、可逆熱変色性インキによる筆跡を摩擦体1による摩擦熱で容易に変色することができる。
本発明から得られる摩擦体は、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる。
本発明の熱変色性筆記具は、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる。
本発明から得られる摩擦体を備えた熱変色性筆記具の実施の形態の一部切り欠き縦断面図である。 図1の要部拡大縦断面図である。但し、摩擦体は正面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の摩擦体の実施の形態を示す正面図である。 図5のC−C線断面図である。 図5のD−D線断面図である。 熱変色性インキの変色挙動を示す説明図である。
本発明から得られる摩擦体1及び熱変色性筆記具4の実施の形態を図1乃至図7に示す。
前記熱変色性筆記具4は、内部に熱変色性インキが収容された軸筒5と、該軸筒5の一端部に取り付けられ且つ該軸筒5内の熱変色性インキが吐出可能なペン先6(例えば、ボールペン、マーキングペン、サインペン等のペン先)と、前記軸筒5の他端部に取り付けられた摩擦体1とからなる。
前記摩擦体1は、透明または半透明の合成樹脂(例えばポリカーボネイト樹脂)からなる内部材2と、該内部材2の外周面を覆うように固着される、弾性材料(例えばSEBS樹脂、SBS樹脂、シリコーン樹脂等)からなる外部材3とからなる。前記内部材2と前記外部材3とは、2色成形により一体に固着される。
前記内部材2は、円柱状の芯部21と、平板状(両側面に平面部を備えた板形状)の透視部22とからなる。前記外部材3は、前記円柱状の芯部21を同心状に覆う円筒状の取付部31と、前記平板状の透視部22を枠状に包囲する摩擦部32とからなる。即ち、前記透視部22は、透明または半透明の合成樹脂(例えばポリカーボネイト樹脂)から構成され、前記摩擦部32は、弾性材料により構成される。
前記摩擦体1の摩擦部32及び透視部22は、軸筒5の反ペン先側端部より外部に突出し、前記摩擦体1の取付部31は、軸筒5の反ペン先側端部の取付孔51に取り付けられる。
前記取付部31の外面には、外向突起31aが形成される。前記軸筒5の反ペン先側端部には、取付孔51が形成される。取付孔51の内面に内向突起51aが設けられる。前記摩擦体1の取付部31を、前記軸筒5の取付孔51に挿入し、前記取付部31外面の外向突起31aと前記取付孔51の内面の内向突起51aとを乗り越え係合させる。それにより、摩擦体1が軸筒5の反ペン先側端部に取り付けられる。
本実施の形態の摩擦体1及び本実施の熱変色性筆記具4は、被筆記面上の熱変色性の像または筆跡を摩擦する際、摩擦体1の側面に、該側面から該側面の反対側を透視可能な透視部22を備えたことにより、熱変色性の筆跡または像の熱変色させたい部分だけ確実に熱変色させることができる。
本実施の形態の摩擦体1及び熱変色性筆記具4は、前記透視部22が透明または半透明の材料からなることにより、透視部22を貫通孔により構成する場合に比べ、摩擦時の摩擦体1のぐらつきを防止できる。
本実施の形態の摩擦体1及び熱変色性筆記具4は、前記透視部22(透明または半透明の材料からなる透視部22)の頂部外面に弾性材料からなる摩擦部32を設けたことによって、適正な透視機能を有する透視部22と、適正な摩擦機能を有する摩擦部32とを確実に得ることができる。また、本実施の形態の摩擦体1及び熱変色性筆記具4は、平板状の透視部22を弾性材料よりなる摩擦部32が枠状に包囲する構成のため、摩擦部32と透視部22との固着を強固にでき、且つ、透視部22の周囲を保護することが可能である。
本実施の形態の摩擦体1及び熱変色性筆記具4は、前記透視部22と前記摩擦部32とが2色成形により固着されることにより、透視部22と摩擦部32とが強固に固着される。
本実施の形態の摩擦体1及び熱変色性筆記具4は、透視部22が、両側面に平面部を備えた板形状であることにより、透視部22を通して、摩擦体1の反対側を容易に視認することができる。
1 摩擦体
2 内部材
21 芯部
22 透視部
3 外部材
31 取付部
31a 外向突起
32 摩擦部
4 熱変色性筆記具
5 軸筒
51 取付孔
51a 内向突起
6 ペン先

Claims (2)

  1. 熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能な摩擦体の製造方法であって、前記摩擦体が被筆記面上の熱変色性の像または筆跡を摩擦する際、側面に、該側面から該側面の反対側を透視可能な透明または半透明の材料からなる透視部を備え、且つ、前記摩擦体が前記透視部の頂部外面に設けられた弾性材料からなる摩擦部を備え、前記透視部と前記摩擦部とが2色成形により固着される摩擦体の製造方法。
  2. 内部に熱変色性インキを収容し、一端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を備え、外面に前記熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な摩擦体を備えた熱変色性筆記具であって、前記摩擦体が前記請求項1に記載の製造方法から得られることを特徴とする熱変色性筆記具。
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